JP2016098382A - 水溶性化合物、アルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤、アルカリ性亜鉛めっき液、及び電気亜鉛めっき方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジンケート浴の添加剤に適用されることでめっき層の膜厚の均一性を向上させることができると共に、めっき時の電流密度が高くなってもめっき層にコゲを生じさせにくい水溶性化合物を提供する。
【解決手段】水溶性化合物は、下記式(1)で表される化合物、ジアルキルアミノアルキルアミン、及びジハロゲン化アルキルエーテルを反応させて得られる。式(1)中、R1は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【選択図】なし
【解決手段】水溶性化合物は、下記式(1)で表される化合物、ジアルキルアミノアルキルアミン、及びジハロゲン化アルキルエーテルを反応させて得られる。式(1)中、R1は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規な水溶性化合物、この水溶性化合物を含有するアルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤、この添加剤を含有するアルカリ性亜鉛めっき液、及びこのアルカリ性亜鉛めっき液を用いる電気亜鉛めっき方法に関し、詳しくは、ジンケート浴の添加剤として好適な水溶性化合物、ジンケート浴用として好適な添加剤、ジンケート浴として好適なアルカリ性亜鉛めっき液、並びにこのアルカリ性亜鉛めっき液を用いる電気亜鉛めっき方法に関する。
近年、環境問題が重要視されている中、電気亜鉛めっき浴はシアン浴から廃水処理の容易なジンケート浴へ移行しつつある。
ジンケート浴には、めっき層の膜厚を均一化することでめっき層の表面光沢を向上させるための添加剤が添加される(特許文献1参照)。代表的な添加剤として、N,N‘−ビス(ジメチルアミノ)プロピル尿素と1,1’−オキシビス(2−クロロエタン)との重合物が挙げられる。このような添加剤が用いられると、広い電流密度範囲に亘って、厚みの均一性の高いめっき層が形成されうる。
しかし、この従来の添加剤が用いられる場合、電流密度が高くなると、めっき層にコゲと呼ばれるスポンジ状の変質が生じやすい。このため、めっきの効率を上げるために電流密度を高くするとめっき層にコゲが生じやすく、また部分的に電流密度の上昇が生じた場合もめっき層にコゲが生じることがあった。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、ジンケート浴の添加剤に適用されることでめっき層の膜厚の均一性を向上させることができると共に、めっき時の電流密度が高くなってもめっき層にコゲを生じさせにくい水溶性化合物、この水溶性化合物を含有し、めっき層の膜厚の均一性を向上させることができると共に、めっき時の電流密度が高くなってもめっき層にコゲを生じさせにくいアルカリ性亜鉛めっき液、及びこのアルカリ性亜鉛めっき液を用いた電気亜鉛めっき方法を提供することを目的とする。
本発明に係る水溶性化合物は、下記式(1)で表される化合物、ジアルキルアミノアルキルアミン、及びジハロゲン化アルキルエーテルを反応させて得られる。
式(1)中、R1は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
本発明において、前記式(1)で表される化合物はジメチル尿素とメチル尿素とのうち少なくとも一方であり、前記ジアルキルアミノアルキルアミンはジメチルアミノエチルアミンとジメチルアミノプロピルアミンのうち少なくとも一方であり、前記ジハロゲン化アルキルエーテルはジクロロエチルエーテルであることが好ましい。
本発明において、水溶性化合物は、アルカリ性亜鉛めっき浴用の添加剤であってよい。
本発明に係るアルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤は、前記水溶性化合物を含有する。
本発明において、アルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤は、水溶性カチオンポリマーを含有し、前記水溶性化合物と前記水溶性カチオンポリマーとの合計量に対して前記水溶性化合物が20質量%以上であってもよい。
本発明に係るアルカリ性亜鉛めっき液は、前記アルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤を含有する。
本発明において、アルカリ性亜鉛めっき液は、3〜30g/Lの範囲内の亜鉛を含有してもよい。
本発明において、アルカリ性亜鉛めっき液は、50〜200g/Lの範囲内のNaOHを含有してもよい。
本発明において、アルカリ性亜鉛めっき液は、コロイダルシリカ及びアルカリ珪酸塩のうち少なくとも一方を含有し、コロイダルシリカ及びアルカリ珪酸塩の合計が1〜100g/Lの範囲内であってもよい。
本発明において、アルカリ性亜鉛めっき液は、0.01〜5g/Lの範囲内のニッケルイオン、20〜1000mg/Lの範囲内の鉄イオン、0.01〜5g/Lの範囲内のコバルトイオン、及び0.1〜40g/Lの範囲内のマンガンイオンのうち、一種以上を含有してもよい。
本発明に係る電気亜鉛めっき方法は、前記アルカリ性亜鉛めっき液を用いて、基材の表面上に電気めっき法でめっき層を形成することを含む。
本発明によれば、水溶性化合物を含有するアルカリ性亜鉛めっき液を用いて基材にめっき層を形成することで、めっき層の膜厚の均一性を向上させると共に、めっき層にコゲを生じさせにくくすることができる。
本実施形態に係る水溶性化合物は、下記式(1)で表される化合物、ジアルキルアミノアルキルアミン、及びジハロゲン化アルキルエーテルを反応させることで、得られる。
式(1)中、式中、R1は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
水溶性化合物は、具体的には例えば次の方法で得られる。
まず式(1)で表される化合物とジアルキルアミノアルキルアミンとを反応させることで、中間生成物を得る。この反応時の加熱温度は100〜160℃の範囲内であることが好ましい。また、反応時間は2〜10時間の範囲内であることが好ましい。
次に、中間生成物とジハロゲン化アルキルエーテルとを反応させる。この反応時の加熱温度は70〜140℃の範囲内であることが好ましい。また、反応時間は4〜15時間の範囲内であることが好ましい。
式(1)で表される化合物、ジアルキルアミノアルキルアミン、及びジハロゲン化アルキルエーテルの配合量は、例えば式(1)で表される化合物1モルに対して、ジアルキルアミノアルキルアミンが0.5〜1.5モルの範囲内、ジハロゲン化アルキルエーテルが0.5〜1.5モルの範囲内である。
式(1)中のR1がアルキル基である場合、このアルキル基の炭素数が1〜3の範囲内であることが好ましい。また、式(1)中のR2の炭素数が1〜3の範囲内であることが好ましい。特に式(1)に示す化合物が、ジメチル尿素、ジエチル尿素、ジプロピル尿素、メチル尿素、エチル尿素及びプロピル尿素からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することが好ましい。
ジアルキルアミノアルキルアミンにおけるアルキル基の炭素数は、いずれも1〜6の範囲内であることが好ましく、1〜3の範囲内であれば更に好ましい。ジアルキルアミノアルキルアミンは、特にジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン及びジプロピルアミノプロピルアミンからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することが好ましい。
ジハロゲン化アルキルエーテルにおけるハロゲンは塩素又は臭素であることが好ましい。また、ジハロゲン化アルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数は、1〜6の範囲内であることが好ましく、1〜3の範囲内であれば更に好ましい。ジハロゲン化アルキルエーテルは、特にジクロロメチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、ジクロロプロピルエーテル、ジブロモメチルエーテル、ジブロモエチルエーテル、及びジブロモプロピルエーテルからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することが好ましい。
式(1)で表される化合物がジメチル尿素とメチル尿素とのうち少なくとも一方であり、ジアルキルアミノアルキルアミンがジメチルアミノエチルアミンとジメチルアミノプロピルアミンのうち少なくとも一方であり、ジハロゲン化アルキルエーテルがジクロロエチルエーテルであれば、特に好ましい。
水溶性化合物は、亜鉛めっき層又は亜鉛合金めっき層を形成するためのアルカリ性亜鉛めっき液に、添加剤として添加されうる。
本実施形態におけるアルカリ亜鉛めっき液用の添加剤は、水溶性化合物を含有する。添加剤は、水溶性化合物のみを含有してもよく、水溶性化合物とそれ以外の成分とを含有してもよい。
例えば添加剤は、水溶性化合物以外の水溶性カチオンポリマー化合物を含有してもよい。水溶性カチオンポリマーは、例えばポリアルキレンポリアミン、ポリエチレンイミン、及びポリアリルアミンからなる群から選ばれる一種以上の化合物を含有する。この場合、めっき層の厚みの均一性が更に向上しうる。ポリアルキレンポリアミンの具体例としては、N,N’−ビス(ジメチルアミノ)プロピル尿素と1,1’−オキシビス(2−クロロエタン)との重合物(例えばローディア社製の品名MIRAPOL WT)が挙げられる。ポリエチレンイミンの具体例としては、日本触媒社製の品名エポミンが挙げられる。ポリアリルアミンの具体例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドと二酸化硫黄の共重合体等が挙げられる。
添加剤が水溶性カチオンポリマー化合物を含有する場合、水溶性化合物と水溶性カチオンポリマーとの合計量に対して水溶性化合物が20質量%以上であることが好ましい。この場合、水溶性化合物が20質量%以上であることで、めっき層におけるコゲが更に抑制され、且つ電流効率が向上してめっきの効率が向上する。また、水溶性カチオンポリマーが80質量%以下であることで、めっき層の均一性がより高くなる。特に水溶性化合物と水溶性カチオンポリマーとの合計量に対して水溶性化合物が20〜50質量%の範囲内であることが好ましく、30〜50質量%の範囲内であれば更に好ましい。
本実施形態において、アルカリ性亜鉛めっき液は、例えば亜鉛を含有するアルカリ性の水溶液である。例えばアルカリ性亜鉛めっき液中に酸化亜鉛が配合されることで、アルカリ性亜鉛めっき液に亜鉛が含有される。アルカリ性亜鉛めっき液は例えば水酸化ナトリウムを含有することで、アルカリ性に調整される。アルカリ性亜鉛めっき液全体に対し、亜鉛は3〜30g/Lの範囲内であることが好ましい。すなわち、例えばアルカリ性亜鉛めっき液全体に対し、アルカリ性亜鉛めっき液に配合される酸化亜鉛は、金属亜鉛換算で3〜30g/Lの範囲内であることが好ましい。また、アルカリ性亜鉛めっき液全体に対し、水酸化ナトリウムは50〜200g/Lの範囲内であることが好ましい。このアルカリ性亜鉛めっき液は、ジンケート浴として用いられる。
アルカリ性亜鉛めっき液は、亜鉛以外の金属のイオンを含有しなくてもよい。この場合、アルカリ性亜鉛めっき液を用いて、めっき層として亜鉛めっき層を形成することができる。
アルカリ性亜鉛めっき液は、亜鉛以外の金属のイオンを含有してもよい。この場合、アルカリ性亜鉛めっき液を用いて、めっき層として亜鉛合金めっき層を形成することができる。この場合、例えばアルカリ性亜鉛めっき液は、ニッケルイオン、鉄イオン、コバルトイオン及びマンガンイオンのうち一種以上の金属イオンを含有する。金属イオンは、例えば硫化物、塩化物、硫酸塩等の塩としてアルカリ性亜鉛めっき液に含有される。例えば鉄イオンは硫化鉄又は塩化鉄としてアルカリ性亜鉛めっき液に含有され、コバルトイオンは硫酸コバルトとしてアルカリ性亜鉛めっき液に含有される。
アルカリ性亜鉛めっき液がニッケルイオンを含有する場合、アルカリ性亜鉛めっき液全体に対してニッケルイオンが0.01〜5g/Lの範囲内であることが好ましい。アルカリ性亜鉛めっき液が鉄イオンを含有する場合、アルカリ性亜鉛めっき液全体に対して鉄イオンが20〜1000mg/Lの範囲内であることが好ましい。アルカリ性亜鉛めっき液がコバルトイオンを含有する場合、アルカリ性亜鉛めっき液全体に対してコバルトイオンが0.01〜5g/Lの範囲内であることが好ましい。アルカリ性亜鉛めっき液がマンガンイオンを含有する場合、アルカリ性亜鉛めっき液全体に対してマンガンイオンが0.1〜40g/Lの範囲内であることが好ましい。
アルカリ性亜鉛めっき液に水溶性化合物を含む添加剤を配合する場合、添加剤を、アルカリ性亜鉛めっき液の添加剤以外の成分と混合することで、アルカリ性亜鉛めっき液を調製することができる。アルカリ性亜鉛めっき液全体に対し、添加剤は0.1〜40g/Lの範囲内であることが好ましく、0.2〜20g/Lの範囲内であれば更に好ましい。
また、アルカリ性亜鉛めっき液全体に対し、水溶性化合物は0.1〜40g/Lの範囲内であることが好ましく、0.2〜20g/Lの範囲内であれば更に好ましい。
アルカリ性亜鉛めっき液は、コロイダルシリカとアルカリ珪酸塩のうち少なくとも一方を含有してもよい。この場合めっき層の耐食性が向上する。アルカリ珪酸塩としては、例えばJIS K1408に定められた3号珪酸ソーダ等が使用可能である。コロイダルシリカとアルカリ珪酸塩との合計は、アルカリ性亜鉛めっき液全体に対し、1〜100g/Lの範囲内であることが好ましい。
アルカリ性亜鉛めっき液は、光沢補助成分を含有してもよい。この場合、めっき層の光沢が更に向上する。光沢補助成分として、芳香族アルデヒドが好ましい。より具体的には、光沢補助成分は、例えばアニスアルデヒド、バニリン、ベラトルアルデヒド、サリチルアルデヒド及びピペロナールからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。また、光沢補助成分が、ニコチン酸、ハロゲン化炭化水素等を含有してもよい。
本実施形態はアルカリ性亜鉛めっき液、ジンケート浴として好適である。すなわち、本実施形態におけるアルカリ性亜鉛めっき液を用い、電気めっき法により基材の表面上にめっき層として亜鉛めっき層又は亜鉛合金めっき層を形成することができる。
めっき層が形成される基材は、例えば鉄製、銅製、又は真鍮製であるが、これらに限られない。
本実施形態における電気亜鉛めっき方法では、基材に電気めっき法でめっき層を設ける。この場合、例えばアルカリ性亜鉛めっき液に、基材と対極とを浸漬する。対極は例えば亜鉛製又はニッケル製である。
この状態で、基材と対極との間に、基材が陰極、対極が陽極となるように電圧を印加する。これにより、基材の表面にめっき層が形成される。
この状態で、基材と対極との間に、基材が陰極、対極が陽極となるように電圧を印加する。これにより、基材の表面にめっき層が形成される。
本実施形態では、アルカリ性亜鉛めっき液が水溶性化合物を含有するため、めっき層に光沢が付与される。しかも電気めっき時の基材上での電流密度が高くなっても、めっき層にコゲ等の不良が生じにくい。このため、例えば処理効率の向上のために電気めっき時の電流密度を高くする場合、又は複雑な形状を有する基材の表面にめっき層を形成する際に基材の表面が部分的に電流密度が高くなる場合に、めっき層にコゲ等の不良が生じにくい。
めっき層を形成する際の電気めっきの条件は、特に制限されないが、めっき時の電流密度は0.1〜20.0A/dm2の範囲内、めっき液の温度は15〜40℃の範囲内であることが好ましい。まためっき時の通電時間は、所望の厚みのめっき層が得られるように適宜調整される。尚、通常のジンケート浴を用いる電気めっきでは、めっき時の電流密度は0.5〜5.0A/dm2程度であることが一般的であるが、本実施形態では、これよりも高い電流密度、例えば20.0A/dm2であっても、めっき層にコゲが発生しにくい。このため、電流密度を高くすることで、例えば従来の半分以下の処理時間で、めっき層を形成すると共にこのめっき層にコゲを生じにくくすることができる。
[水溶性化合物の合成]
(1)合成例1
1,1−ジメチル尿素1モルと、ジメチルアミノエチルアミン1.4モルとを、温度130℃で5時間反応させることで、中間生成物(尿素誘導体)を得た。続いて、この中間生成物にジクロロエチルエーテル0.75モルを滴下しながら、温度100℃で5時間反応させた。これにより、水溶性化合物(A)を得た。
(1)合成例1
1,1−ジメチル尿素1モルと、ジメチルアミノエチルアミン1.4モルとを、温度130℃で5時間反応させることで、中間生成物(尿素誘導体)を得た。続いて、この中間生成物にジクロロエチルエーテル0.75モルを滴下しながら、温度100℃で5時間反応させた。これにより、水溶性化合物(A)を得た。
(2)合成例2
1,1−ジメチル尿素1モルと、ジメチルアミノエチルアミン0.7モルと、ジメチルアミノプロピルアミン0.7モルとを、温度130℃で5時間反応させることで、中間生成物(尿素誘導体)を得た。この中間生成物に、ジクロロエチルエーテル0.75モルを滴下しながら、温度100℃で5時間反応させた。これにより、水溶性化合物(B)を得た。
1,1−ジメチル尿素1モルと、ジメチルアミノエチルアミン0.7モルと、ジメチルアミノプロピルアミン0.7モルとを、温度130℃で5時間反応させることで、中間生成物(尿素誘導体)を得た。この中間生成物に、ジクロロエチルエーテル0.75モルを滴下しながら、温度100℃で5時間反応させた。これにより、水溶性化合物(B)を得た。
(3)合成例3
1−メチル尿素1モルと、ジメチルアミノエチルアミン1.4モルとを、温度130℃で5時間反応させることで、中間生成物(尿素誘導体)を得た。この中間生成物に、ジクロロエチルエーテル0.6モルを滴下しながら、温度100℃で5時間反応させた。これにより、水溶性化合物(C)を得た。
1−メチル尿素1モルと、ジメチルアミノエチルアミン1.4モルとを、温度130℃で5時間反応させることで、中間生成物(尿素誘導体)を得た。この中間生成物に、ジクロロエチルエーテル0.6モルを滴下しながら、温度100℃で5時間反応させた。これにより、水溶性化合物(C)を得た。
[実施例1〜19、比較例1〜3]
各実施例及び比較例において、表1に示す組成の添加剤を調製した。
各実施例及び比較例において、表1に示す組成の添加剤を調製した。
[評価試験1]
各実施例及び比較例の添加剤を0.3g/L、酸化亜鉛を金属亜鉛換算で10g/L、水酸化ナトリウムを120g/L含有する水溶液を、アルカリ性亜鉛めっき液として調製した。
各実施例及び比較例の添加剤を0.3g/L、酸化亜鉛を金属亜鉛換算で10g/L、水酸化ナトリウムを120g/L含有する水溶液を、アルカリ性亜鉛めっき液として調製した。
各実施例及び比較例のアルカリ性亜鉛めっき液について、亜鉛板を陽極、鉄板を陰極(ハルセル板)とし、浴温度25℃、総電流量2.0A、通電時間10分間の条件で、ハルセルテストをおこなった。これにより得られた、めっき層の厚みと高電流密度部からの距離の関係、並びに金属析出比を、表2に示す。金属析出比とは、高電流密度部からの距離1cmの位置でのめっき層の厚みに対する、高電流密度部からの距離9cmの位置でのめっき層の厚みの比である。
この結果によると、実施例1〜19及び比較例1,2では金属析出比が小さく、添加剤がめっき層の厚みの均一化を向上させる機能を発揮していると考えられる。また、めっき層が形成される効率は良好である。一方、比較例3では金属析出比が大きくなってしまった。
[評価試験2]
各実施例及び比較例の添加剤を0.075g/L、酸化亜鉛を金属亜鉛換算で4g/L、水酸化ナトリウムを120g/L含有する水溶液からなるアルカリ性亜鉛めっき液を調製した。
各実施例及び比較例の添加剤を0.075g/L、酸化亜鉛を金属亜鉛換算で4g/L、水酸化ナトリウムを120g/L含有する水溶液からなるアルカリ性亜鉛めっき液を調製した。
各実施例及び比較例のアルカリ性亜鉛めっき液について、陽極を亜鉛板、陰極(ハルセル板)を鉄板とし、浴温度25℃、総電流量4.0A、通電時間5分間の条件で、ハルセルテストをおこなった。
尚、めっき層におけるコゲの有無を観察しやすくするため、ハルセル板には高電流密度部から低電電流密度部にかけて、1cmの間隔を残してマスキングを施した。
これにより得られた、めっき層の厚みと高電流密度部からの距離の関係、金属析出比、コゲの発生位置、並びにコゲの様子を、表3に示す。金属析出比のうち、「0.2/9.0」と表記している欄の値は、高電流密度部からの距離0.2cmの位置でのめっき層の厚みに対する、高電流密度部からの距離9cmの位置でのめっき層の厚みの比であり、「1.0/9.0」と表記している欄の値は、高電流密度部からの距離1.0cmの位置でのめっき層の厚みに対する、高電流密度部からの距離9cmの位置でのめっき層の厚みの比である。
この結果によると、比較例1〜3ではめっき層にコゲが生じてしまうのに対し、実施例1〜19ではコゲが生じず、或いはコゲが発生しにくかった。
尚、比較例3については、便宜的にめっき層の厚みを記載したが、めっき層が広い範囲に亘ってスポンジ状であったために厚みを正確に測定するのは非常に困難であった。このため、比較例3においては金属析出比の評価をおこなっていない。
Claims (11)
- 下記式(1)で表される化合物、
ジアルキルアミノアルキルアミン、及び
ジハロゲン化アルキルエーテルを反応させて得られる水溶性化合物。
- 前記式(1)で表される化合物はジメチル尿素とメチル尿素とのうち少なくとも一方であり、
前記ジアルキルアミノアルキルアミンはジメチルアミノエチルアミンとジメチルアミノプロピルアミンのうち少なくとも一方であり、
前記ジハロゲン化アルキルエーテルはジクロロエチルエーテルである
請求項1に記載の水溶性化合物。 - アルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤である請求項1又は2に記載の水溶性化合物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水溶性化合物を含有するアルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤。
- 水溶性カチオンポリマーを含有し、前記水溶性化合物と前記水溶性カチオンポリマーとの合計量に対して前記水溶性化合物が20質量%以上である請求項4に記載のアルカリ性亜鉛めっき液用の添加剤。
- 請求項4又は5に記載の添加剤を含有するアルカリ性亜鉛めっき液。
- 3〜30g/Lの範囲内の亜鉛を含有する請求項6に記載のアルカリ性亜鉛めっき液。
- 50〜200g/Lの範囲内のNaOHを含有する請求項6又は7に記載のアルカリ性亜鉛めっき液。
- コロイダルシリカ及びアルカリ珪酸塩のうち少なくとも一方を含有し、コロイダルシリカ及びアルカリ珪酸塩の合計が1〜100g/Lの範囲内である請求項6乃至8のいずれか一項に記載のアルカリ性亜鉛めっき液。
- 0.01〜5g/Lの範囲内のニッケルイオン、20〜1000mg/Lの範囲内の鉄イオン、0.01〜5g/Lの範囲内のコバルトイオン、及び0.1〜40g/Lの範囲内のマンガンイオンのうち、一種以上を含有する請求項6乃至9のいずれか一項に記載のアルカリ性亜鉛めっき液。
- 請求項6乃至10のいずれか一項に記載のアルカリ性亜鉛めっき液を用いて、基材の表面上に電気めっき法でめっき層を形成する電気亜鉛めっき方法。
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