JP2016098290A - 蓄熱材、これを用いた冷蔵庫および建材用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱材が液相から固相に相変化しても、蓄熱材の表面に凹凸が生じるのを防止でき、温度変化により生じる体積膨張の影響を緩和できる蓄熱材、これを用いた冷蔵庫および建築用部材を提供する。
【解決手段】所定温度での相変化を利用した蓄熱材120であって、蓄熱材料を含み、ダブルネットワーク・ゲルにより粒子として形成されたDNマイクロゲル121と、軟質外殻内に気体が充填されて形成され、DNマイクロゲル121の粒状体内に粒子として分布する軟質中空カプセル122と、DNマイクロゲル121および軟質中空カプセル123の粒子間の空隙を埋めて全体形状を維持する結合体125と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定温度での相変化を利用した蓄熱材、これを用いた冷蔵庫および建材用部材に関する。
従来、所定温度での相変化する蓄熱材で構成された構造体が知られている。このような構造体は、蓄熱材が相変化により液相から固相に変化すると、内部に核が発生し、その後、特定の核が成長することで、構造体の表面の凹凸が変化する。図17(a)、(b)は、それぞれ蓄熱材810が液相および固相のときの従来の構造体800を示す断面図である。
上記の構造体にゲル化潜熱蓄熱部材を用いる場合、部材の強度変化だけでなく、接着強度の低下、エアギャップによる熱抵抗の増大が生じる。その際に、1mmのエアギャップで10mm厚の蓄熱材の熱伝達率は1/3に低下し、また、表面に凹凸が生じ、見栄えの低下等が発生する。
特許第5374017号公報 特開平08−042984号公報
一方、蓄熱材として、図18に示すような蓄熱マイクロカプセル900を低温成形が可能なウレタン樹脂中に分散させた蓄熱成形体が知られており(例えば、特許文献1参照)、これを上記の構造体に用いれば一見、表面の凹凸は解消されるようにも思える。しかし、このような蓄熱成形体では、蓄熱材が低熱伝導率のマイクロカプセル外殻910、更に、エアギャップ920に覆われるため、蓄熱材930への熱伝達率が小さくなってしまい、必要な時間内での蓄熱、放熱ができなくなる。
これに対し、限界過冷却度が小さく、かつ結氷、融解完了時間の短い潜熱蓄熱カプセルを実現することにより、効率的な蓄冷装置および潜熱畜熱カプセルが知られており(例えば、特許文献2参照)、これを用いることも考えられる。しかしながら、このような潜熱畜熱カプセルは、不凍液を蓄冷槽内部に循環させて蓄冷するものであり、上記のような構造体用の材料には不向きである。
以上のように、従来のマイクロカプセルを用いた場合、蓄熱材への熱伝達率が小さくなってしまい、必要な時間内での蓄熱、放熱ができなくなる。また、形状変化量が生じると、変化量が緩和されず体積変化に反映される。その結果、蓄熱材が相変化し、構造体の表面に凹凸が生じることは避けられない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、蓄熱材が液相から固相に相変化しても、蓄熱材の表面に凹凸が生じるのを防止でき、温度変化により生じる体積膨張の影響を緩和できる蓄熱材、これを用いた冷蔵庫および建材用部材を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の蓄熱材は、所定温度での相変化を利用した蓄熱材であって、蓄熱材料を含み、ダブルネットワーク・ゲルにより粒子として形成されたDNマイクロゲルと、軟質外殻内に気体が充填されて形成され、前記DNマイクロゲルの粒状体内に粒子として分布する軟質中空カプセルと、前記DNマイクロゲルおよび前記軟質中空カプセルの粒子間の空隙を埋めて全体形状を維持する結合体と、を備えることを特徴としている。
このように、蓄熱材料をDNマイクロゲル化しているため、蓄熱材が液相から固相に相変化しても、特定の核が成長することを防止でき、蓄熱材の表面に凹凸が生じるのを防止できる。また、軟質中空カプセルが分布していることで、温度変化により生じる体積膨張の影響を緩和することができる。
(2)また、本発明の蓄熱材は、結合体が、樹脂であることを特徴としている。具体的な樹脂として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂がある。これにより、容易に蓄熱材を作製でき、蓄熱材の強度を維持できる。
(3)また、本発明の蓄熱材は、前記結合体が、アクリルアミド骨格を持つポリマーにより形成されたネットワークであることを特徴としている。これにより、高靭性を有する蓄熱材を作製でき、蓄熱材の強度を維持できる。
(4)また、本発明の蓄熱材は、前記結合体の乾燥を防止する保護被膜を更に備えることを特徴としている。これにより、蓄熱材の乾燥を防止し、その機能を維持することができる。
(5)また、本発明の蓄熱材は、硬質外殻内に気体が充填されて形成され、前記DNマイクロゲルの粒状体内に粒子として分布する硬質中空カプセルを更に備えることを特徴としている。これにより、蓄熱材の強度を向上できる。また、硬質中空カプセルの分布量を調整することで強度を調整することも可能である。
(6)また、本発明の冷蔵庫は、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の蓄熱材が室壁内に設けられたことを特徴としている。これにより、省電力で内箱内の温度を維持でき、室壁の変形等が生じ難い構造を有する冷蔵庫を実現できる。
(7)また、本発明の建材用部材は、いずれかに記載の蓄熱材を用いて形成され、板形状に形成されていることを特徴としている。これにより、温度の維持機能を高めるとともに、部材の変形等を防止することができる。
本発明によれば、蓄熱材が液相から固相に相変化しても、蓄熱材の表面に凹凸が生じるのを防止でき、温度変化により生じる体積膨張の影響を緩和できる。
第1の実施形態の蓄熱材を含む構造体の例を示す断面図である。 (a)、(b)それぞれDNマイクロゲルおよび軟質中空カプセルを示す断面図である。 用途例とそれに適した蓄熱材とを示す表である。 1stネットワークの形成方法を示す図である。 2ndネットワークの形成方法を示す図である。 空気および水について体積変化率と膨圧との関係を示すグラフである。 第2の実施形態の蓄熱材を含む構造体を示す断面図である。 第2の実施形態の蓄熱材およびその拡大部を示す断面図である。 (a)、(b)それぞれ冷蔵庫を示す側断面図および平断面図である。 冷蔵庫の室壁を示す断面図である。 (a)、(b)それぞれ冷蔵庫の室壁の作製工程の一場面を示す断面図である。 蓄熱材が用いられた住宅用の壁材の一例を示す断面図である。 シミュレーションに用いた壁材の各部材の物性を示す表である。 エアギャップの有無による蓄熱材の温度変化を示すグラフである。 蓄熱材が用いられた住宅用の床材の一例を示す断面図である。 シミュレーションに用いた床材の各部材の物性を示す表である。 (a)、(b)それぞれ蓄熱材が液相および固相のときの従来の構造体を示す断面図である。 従来の蓄熱マイクロカプセルを示す断面図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
(蓄熱材の構成)
図1は、蓄熱材120を含む構造体110の例を示す断面図である。図1に示すように、構造体110は、蓄熱材120および断熱材130の組み合わせで構成されている。蓄熱材120は、DNマイクロゲル121、軟質中空カプセル122および結合体125で構成されている。蓄熱材120は、DNマイクロゲル121に含まれる蓄熱材料の所定温度での相変化を利用している。また、断熱材130は、例えば発泡ウレタンで構成されている。
図2(a)、(b)は、それぞれDNマイクロゲルおよび軟質中空カプセルを示す断面図である。DNマイクロゲル121は、蓄熱材料を含み、ダブルネットワーク・ゲルにより粒子として形成されている。このように、蓄熱材料をDNマイクロゲル化しているため、蓄熱材が液相から固相に相変化しても、特定の核が成長することを防止でき、蓄熱材120の表面に凹凸が生じるのを防止できる。
軟質中空カプセル122は、軟質外殻内に気体が充填されて形成され、DNマイクロゲル121の粒状体内に粒子として分布する。軟質中空カプセル122は、軟質の樹脂の外殻内に空気が密閉された構造を有しており、軟質中空カプセル122が分布していることで、温度変化により生じる体積膨張の影響を緩和することができる。
結合体125は、DNマイクロゲル121および軟質中空カプセル122の粒子間の空隙を埋めて全体形状を維持する。結合体125には、樹脂を用いることができる。具体的には、好ましい樹脂として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。これにより、容易に蓄熱材120を作製でき、蓄熱材120の強度を維持できる。なお、通常、これらの樹脂は疎水性であり、DNマイクロゲル121との濡れ性がよくないが、DNマイクロゲル121の表面を疎水化することで、濡れ性を改善できる。例えば、アクリルアミドへの置換基導入で、ゲル表面の疎水化が容易となる。また、樹脂自体に親水性基を導入して、濡れ性を改善してもよい。
蓄熱材120は、このような構造体110として、温度を維持したい内部空間を仕切る壁材として用いられる。図3は、用途例とそれに適した蓄熱材120の蓄熱材料とを示す表である。具体的な応用例については、後述する。
(蓄熱材の作製方法)
次に、上記のように構成された蓄熱材の作製方法を説明する。まず、1stネットワークを形成し、その後、2ndネットワークを形成することにより、ダブルネットワークを形成し、DNマイクロゲルを作製する。図4は、1stネットワークの形成方法を示す図である。図5は、2ndネットワークの形成方法を示す図である。
1stネットワークの形成では、まず、アクリルアミドスルホン酸(1mol%)、2−オキソグルタル酸(重合開始剤、4mol%)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(架橋剤、0.1mol%)、蓄熱材を伴う酢酸ナトリウム(18mol%)および水を混合し、水相を準備する。そして、ケロシンおよびポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(乳化剤(界面活性剤))を混合し、有機相を準備する。
そして、これらの水相と有機相とを乳化重合して、W/Oエマルションを形成する。その際には、多孔質ガラス等の膜を用い、有機相中に水相を分散させる。W/Oエマルションは、ケロシンの連続相中に乳化剤により覆われた分散相(アクリルアミド系モノマー、架橋剤、重合開始剤、蓄熱材料、水)が分散して構成されている。なお、膜には例えばSPG膜(シラス多孔質ガラス膜)を用いることができる。次に、W/Oエマルションに紫外線を照射することで、1stネットワークを形成し、1stネットワーク蓄熱マイクロゲルを合成する。例えば、波長365nmの紫外線を13.5kW/mで4時間照射する。
2ndネットワークの形成では、上記のようにして得られた1stネットワーク蓄熱マイクロゲルにアクリルアミド(1mol%)、2−オキソグルタル酸(重合開始剤、4mol%)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(架橋剤、0.1mol%)および水を添加し、膨潤させる。膨潤させた材料に紫外線を照射することで、2ndネットワークを形成し、DNマイクロゲル121を合成する。例えば、波長365nmの紫外線を13.5kW/mで4時間照射する。
DNマイクロゲル121の径は、例えば10μm以下が好ましい。ゲルの平衡膨潤に達する時間(膨潤緩和時間)は、ゲルサイズに依存するため、1stネットワークゲルのサイズを小さくすることは、時間短縮に極めて有効である。球状ゲルの膨潤緩和時間τは、τ=a /(π・D)で表せる。各記号の定義は以下の通りである。
a:平衡膨潤時半径
D:ポリマー網目の拡散係数(=K/f)
K:ゲル網目の弾性率
f:溶媒と網目との摩擦係数
例えば、Φ10mmの球状ゲルで膨潤に24時間かかる場合、φ10μmのDNマイクロゲル121であれば5秒で完了する。
一方、軟質中空カプセル122を準備する。軟質中空カプセル122は、平均粒径数十μm、シェルの厚み1〜2μm、平均密度200〜600kg/m程度のものであればよく、市販のフェノール樹脂中空マイクロカプセル製品を用いることができる。軟質中空カプセル122は、水の体積弾性率が2060MPaであるのに対し、空気の体積弾性率が0.14MPaであるという膨圧における体積変化量の大きな差を利用している。
図6は、空気A0および水W0について体積変化率と膨圧との関係を示すグラフである。軟質中空カプセル内の空気が膨圧により50%に収縮するように軟質中空カプセルの添加量を調整するのが好ましい。その場合、蓄熱材に対して、軟質中空マイクロカプセルを20%添加することで、蓄熱材の凍結時の体積変化(10%)を吸収し、図6に示すように膨圧を0.07MPa以下に抑えることができる。
例えば、蓄熱材が200J/gの潜熱材料の場合、軟質中空マイクロカプセルの添加により潜熱値は188J/gになり、体積潜熱は20%減少する。このようにして準備されたDNマイクロゲル121および軟質中空カプセル122を結合体125の樹脂と混合して、板状または層状にすることで蓄熱材を形成できる。
[第2の実施形態]
上記の実施形態では、結合体125が樹脂で形成されているが、アクリルアミド骨格を持つポリマーによるネットワークで形成されてもよい。図7は、結合体225がアクリルアミド骨格を持つポリマーによるネットワークで構成された蓄熱材220を含む構造体210を示す断面図である。図8は、蓄熱材220およびその拡大部を示す断面図である。
図7に示すように、構造体210は、蓄熱材220および断熱材230の組み合わせで構成されている。蓄熱材220は、DNマイクロゲル121、軟質中空カプセル122、硬質中空カプセル223、結合体225および乾燥防止フィルム227で構成されている。結合体225が、アクリルアミド骨格を持つポリマーとして高靭性ゲルで構成されているため、蓄熱材220が高靭性を有する。これにより、蓄熱材220の高靭性を維持できる。軟質中空カプセル122により、発泡ウレタン補強用中空カプセル相変化時の体積変化が抑制される。
図8に示すように、高靭性ゲルは、DNマイクロゲル121に入り込み、分散しているDNマイクロゲル121間を結合している。DNマイクロゲル121を更にアクリルアミドゲルのネットワークで取り込んだMicro gel - Reinforced gel(以下、MRゲル)を用いることにより、蓄熱材220に部材としての高靭性が備わる。また、DNマイクロゲル121が分散していることで、相変化時に核発生した後、一部の核成長が抑制され、蓄熱材220の凹凸形成が抑制される。
蓄熱材220は、高靭性ゲルの乾燥を防止する保護被膜として、結合体225の表面に乾燥防止フィルム227を備えるのが好ましい。これにより、蓄熱材の乾燥を防止し、その機能を維持することができる。乾燥防止フィルム227の厚さは、0.1mmが好ましい。
硬質中空カプセル223は、硬質外殻内に気体が充填されて形成され、DNマイクロゲル121の粒状体内に粒子として分布する。硬質中空カプセル223は、無機物で構成された硬質の外殻を有している。これにより、蓄熱材220の強度を向上できる。また、硬質中空カプセル223の分布量を調整することで強度を調整することも可能である。硬質中空カプセル223には、平均粒径30〜150μm、嵩密度150〜400kg/m、浮水率30〜85wt%、PH6.0〜7.0の、火山性凝灰岩を高温で加熱発泡させた無機中空マイクロカプセル(例えば、シラスバルーン製品)を用いることできる。
[第3の実施形態]
(冷蔵庫の構成)
上記のような蓄熱材は、冷蔵庫の室壁に用いることができる。図9(a)、(b)は、それぞれ蓄熱材が用いられた冷蔵庫300を示す側断面図および平断面図である。また、図10は、冷蔵庫300の室壁310を示す断面図である。図9(a)、(b)に示すように、冷蔵庫300は、室壁310、扉360を備えており、扉360を閉じた状態では、内部空間350は密閉される。
室壁310は、フードライナー315、蓄熱材320、断熱材330およびアウターシェル340で構成されている。フードライナー315は、冷蔵庫の内部空間350に接する樹脂製のいわゆる内箱である。フードライナー315は、例えばABS樹脂により0.5〜2mm(平均1mm)の厚さで形成されている。
蓄熱材320は、フードライナー315上に、DNマイクロゲル121が分散したウレタン樹脂がコートされて形成されている。DNマイクロゲル121は、10μmのサイズを有することが好ましい。これにより、省電力で内箱内の温度を維持でき、室壁の変形等が生じ難い構造を有する冷蔵庫300を実現できる。
断熱材330は、発泡ウレタンで形成されていることが好ましい。アウターシェル340は、冷蔵庫300の金属製のいわゆる外箱であり、例えば0.45mmのスチール製である。断熱材330により外気の熱が内部空間350に伝わるのを防止できる。
(冷蔵庫の室壁の作製方法)
上記のような冷蔵庫300の室壁310の作製方法を図11(a)、(b)は、それぞれ冷蔵庫300の室壁310の製造工程の一場面を示す断面図である。まず、ウレタン樹脂にDNマイクロゲル121を分散させた蓄熱材320を作製し、フードライナー315上にコートしたものを用意する。
そして、図11(a)に示すように、内側用の型枠M1にフードライナー315および蓄熱材320を積層し、外側用の型枠M2にはアウターシェル340を重ねる。そして、図11(b)に示すように、これらの型枠M1、M2を一体に合わせて、発泡ウレタンを注入することで断熱材330を充填し、室壁310を作製する。このようにして、断熱材である発泡ウレタンが蓄熱材320およびアウターシェル340に接着することで構造強度が得られる。
[第4の実施形態]
(壁材の構成)
蓄熱材は、建材用部材として住宅用の壁材400に用いられてもよい。図12は、蓄熱材が用いられた住宅用の壁材400の一例を示す断面図である。住宅用の壁材400は、屋内側から内板410、蓄熱材420、中間板430、断熱材440、中間板430および外板460で構成されている。なお、内板410と蓄熱材420との間にはエアギャップ415が設けられており、中間板430と外板460との間には、空気層450が確保されている。エアギャップ415は、例えば1mmに設計することができる。なお、従来の構造では、相変化時における蓄熱材の体積変化や変形を考慮して必ずエアギャップが設けられるが、本実施形態では必ずしもエアギャップを設ける必要はない。
内板410は、屋内に面した板材であり、例えば石膏ボードで構成されている。蓄熱材420は、上記の実施形態と同様にDNマイクロゲル121、軟質中空カプセル122および結合体125で構成される。蓄熱材420は、板形状に形成されており、温度の維持機能を高めるとともに、部材の変形等を防止することができる。
中間板430には、例えば薄く切った木製の単板を重ねて接着した合板を用いることができる。断熱材440は、例えば発泡ウレタンにより構成されている。外板460には、耐水性および耐天候性を有し、建物の外壁に使用されるサイディングを用いることができる。
(シミュレーション)
上記の壁材400について、シミュレーションを行い、エアギャップ415の有無が冷房時の蓄熱材420への蓄熱速度に与える影響を確認した。図13は、シミュレーションに用いた壁材400の各部材の物性を示す表である。
なお、エアギャップ415は1mmの場合と0mmの場合とで比較し、蓄熱材420には相変化温度27℃〜29℃のものを用いた。また、室内はエアコンの冷風で24℃に冷却されていると仮定した。屋外側の外気からの入熱による加熱と屋内側のエアコンの冷風による冷却の差分だけ、蓄熱材420は冷熱を蓄える。エアギャップ415の有無に応じた蓄熱材420への蓄熱に要する時間を比較した。
図14は、エアギャップ415の有無による蓄熱材の温度変化を示すグラフである。エアギャップ415が1mmの場合には、エアコンの冷風による冷却開始から6時間後に蓄熱が完了し、エアギャップ415が0mmの場合には、エアコンの冷風による冷却開始から4.3時間後に蓄熱が完了した。
したがって、エアギャップ415を無くすことで、蓄熱材の冷却時間を28%削減できることが判明した。このように、上記の例では、エアギャップ415が設けられているが、エアギャップ415は、無くすことが好ましい。エアギャップ415が無くなり蓄熱材420と内板410が密着することで蓄熱材420による蓄熱効果を活かすことができる。
[第5の実施形態]
(床材の構成)
上記の実施形態では、蓄熱材を壁材に用いているが、床材に用いることもできる。図15は、蓄熱材が用いられた住宅用の床材500の一例を示す断面図である。
住宅用の床材500は、床面側から内板510、蓄熱材520、ヒーター530、中間板540、断熱材550および外板560で構成されている。なお、内板510と蓄熱材520との間にはエアギャップ515が設けられている。エアギャップ515は、例えば1mmに設計することができる。
内板510は、屋内に面した床板であり、例えばフローリングで構成されている。蓄熱材520は、上記の実施形態と同様にDNマイクロゲル121、軟質中空カプセル122および結合体125で構成され、ヒーター530により昇温された分の熱量を蓄える。蓄熱材520は、板形状に形成されており、温度の維持機能を高めるとともに、部材の変形等を防止することができる。
中間板540には、例えば薄く切った木製の単板を重ねて接着した合板を用いることができる。断熱材550は、例えば発泡ウレタンにより構成されている。外板560は、建物の基礎側に露出している。
(シミュレーション)
上記の床材500について、シミュレーションを行い、エアギャップ515の有無が蓄熱材520から室内への放熱量に与える影響を確認した。図16は、シミュレーションに用いた床材500の各部材の物性を示す表である。
なお、エアギャップ515は1mmの場合と0mmの場合とで比較し、蓄熱材520には相変化温度57℃〜59℃のものを用いた。また、床付近の室内温度を28℃とした。その結果、エアギャップ515が1mmの場合には、放熱量が147W/mとなり、エアギャップ515が0mmの場合には、放熱量が183W/mとなった。
したがって、エアギャップ515が0mmから1mmになることで、放熱量が20%減少し、HASS112(空気調和・衛生工学会規格)での暖房時の基準負荷(163W/m)を賄えなくなることが判明した。このようにエアギャップ515は、蓄熱効果の面では無くすことが好ましい。エアギャップ515が無くなり蓄熱材520と内板510が密着することで蓄熱材520による蓄熱効果を活かすことができる。
以上のいずれの実施形態においても、記載された数値は例えば有効桁への四捨五入分程度の幅を有する。また、上記の実施形態は、いずれも一例であり、本発明はこれらに限定されない。
110 構造体
120 蓄熱材
121 DNマイクロゲル
122 軟質中空カプセル
125 結合体
130 断熱材
210 構造体
220 蓄熱材
223 硬質中空カプセル
225 結合体
227 乾燥防止フィルム
300 冷蔵庫
310 室壁
315 フードライナー
320 蓄熱材
330 断熱材
340 アウターシェル
350 内部空間
360 扉
M1 型枠
M2 型枠
400 壁材
410 内板
415 エアギャップ
420 蓄熱材
430 中間板
440 断熱材
450 空気層
460 外板
500 床材
510 内板
515 エアギャップ
520 蓄熱材
530 ヒーター
540 中間板
550 断熱材
560 外板
800 従来の構造体
810 蓄熱材
820 板材
900 蓄熱マイクロカプセル
910 マイクロカプセル外殻
920 エアギャップ
930 蓄熱材

Claims (7)

  1. 所定温度での相変化を利用した蓄熱材であって、
    蓄熱材料を含み、ダブルネットワーク・ゲルにより粒子として形成されたDNマイクロゲルと、
    軟質外殻内に気体が充填されて形成され、前記DNマイクロゲルの粒状体内に粒子として分布する軟質中空カプセルと、
    前記DNマイクロゲルおよび前記軟質中空カプセルの粒子間の空隙を埋めて全体形状を維持する結合体と、を備えることを特徴とする蓄熱材。
  2. 前記結合体は、樹脂であることを特徴とする請求項1記載の蓄熱材。
  3. 前記結合体は、アクリルアミド骨格を持つポリマーにより形成されたネットワークであることを特徴とする請求項1記載の蓄熱材。
  4. 前記結合体の乾燥を防止する保護被膜を更に備えることを特徴とする請求項3記載の蓄熱材。
  5. 硬質外殻内に気体が充填されて形成され、前記DNマイクロゲルの粒状体内に粒子として分布する硬質中空カプセルを更に備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の蓄熱材。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の蓄熱材が室壁内に設けられたことを特徴とする冷蔵庫。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の蓄熱材を用いて形成され、板形状に形成されていることを特徴とする建材用部材。
JP2014235584A 2014-11-20 2014-11-20 蓄熱材、これを用いた冷蔵庫および建材用部材 Pending JP2016098290A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019108508A (ja) * 2017-12-20 2019-07-04 国立大学法人信州大学 潜熱蓄熱材およびその製造方法
CN114987013A (zh) * 2022-05-30 2022-09-02 广东美的暖通设备有限公司 空调外壳用复合板材及其制备方法、空调外壳和空调

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