JP2016097837A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒圧縮用コンプレッサの内部に液冷媒が存在することに起因してエンジン回転が不安定化する問題を好適に回避する。
【解決手段】内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナが搭載された車両の制御装置であって、内燃機関を始動する際、エアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサ内に液体の冷媒が存在する可能性があると判断される場合において、内燃機関の始動のためのクランキング中に内燃機関とコンプレッサとの間に介在するクラッチを接続してコンプレッサを稼働させ、その後所定の制御終了条件が成立したときに当該クラッチを切断する制御を実施する制御装置を構成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナが搭載された車両の制御装置に関する。
車両の室内の温度調節のために働くエアコンディショナは、内燃機関から駆動力の伝達を受けて回転するコンプレッサにより気体の冷媒を圧縮し、その圧縮した冷媒をコンデンサにおいて放熱させ液体化した後、エバポレータに導いて気化させ、室内の空気と熱交換するものである。内燃機関と冷媒圧縮用のコンプレッサとの間には、両者を断接するマグネットクラッチが介在している。内燃機関及び補機の運転制御を司る電子制御装置(Electronic Control Unit)は、エアコンディショナの作動時に当該クラッチを締結してコンプレッサを稼働させる。そして、エアコンディショナの非作動時には当該クラッチを開放し、コンプレッサの稼働を停止させる。
冷媒圧縮用コンプレッサ(特に、スクロール式コンプレッサ)の内部には、内燃機関の停止中、換言すれば駐車中に液相となった冷媒が溜まることがある。内燃機関の始動後、コンプレッサ内に液冷媒が残存している状態でエアコンディショナを作動させると、クラッチを締結した瞬間にコンプレッサが液体を圧縮することとなり、内燃機関に過大な機械的負荷がかかる。その結果として、エンジン回転数の急落を招く懸念がある。
このような液圧縮現象は、昼夜の寒暖差の大きい晩秋ないし早春の季節に生起しやすい。車載のエアコンディショナの冷媒として広く用いられている代替フロンHFC(R134a)は、大気圧下で約−30℃の沸点をもち、15kg/cm2の圧力下で約60℃の沸点をもつ。このことから、加圧されていない冷媒は通常、気相をとる。だが、低気温の夜間に屋外に駐車している車両においては、エンジンルーム内即ち車室外に所在するコンプレッサやコンデンサが外気により冷やされ、それらコンプレッサ及びコンデンサの中で冷媒が液体化する。そして、気相の冷媒が液相に変化することで、コンプレッサ内の圧力が低下し、コンプレッサへのさらなる冷媒の流入を招いて、コンプレッサの内部に溜まる液冷媒の量が増加する。
液圧縮によるエンジン回転の不安定化を防止する方法としては、例えば下記特許文献に開示されているように、コンプレッサの起動の際にクラッチを締結してから一定時間コンプレッサの吐出容量を最小量に抑制するとともに、クラッチを開放してコンプレッサを停止させる際にもコンプレッサの吐出容量を最小量に操作することが考えられる(例えば、下記特許文献を参照)。
しかしながら、車両の運転状況や環境条件如何によっては、たとえクラッチの締結時にコンプレッサの吐出容量を減少させていたとしても液圧縮が起こり、エンジン回転に悪影響を及ぼす可能性がある。また、コンプレッサの吐出容量を抑制することは、エアコンディショナの性能の立ち上がりを遅らせることに等しい。クラッチの締結時に常にコンプレッサの吐出容量を減少させる制御を実施すると、液圧縮現象が生起しない状況下において不必要にエアコンディショナの効用を減殺することになってしまう。
特開平10−044759号公報
本発明は、冷媒圧縮用のコンプレッサの内部に液冷媒が存在することに起因してエンジン回転が不安定化する問題を好適に回避することを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナが搭載された車両の制御装置であって、内燃機関を始動する際、エアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサ内に液体の冷媒が存在する可能性があると判断される場合において、内燃機関の始動のためのクランキング中に内燃機関とコンプレッサとの間に介在するクラッチを接続し、その後所定の制御終了条件が成立したときに当該クラッチを切断する制御を実施する制御装置を構成した。
このようなものであれば、内燃機関の停止中にコンプレッサの内部に液冷媒が溜まっていたとしても、クランキング中にその液冷媒をコンプレッサ外に排出させることが可能となる。従って、内燃機関の始動後、エアコンディショナを作動させるときに、液圧縮現象が起こる可能性が低減する。
並びに、本発明では、内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナが搭載された車両の制御装置であって、内燃機関の始動後、内燃機関とエアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサとの間に介在するクラッチを接続してコンプレッサを稼働させる際、当該コンプレッサ内に液体の冷媒が存在する可能性があると判断される場合において、クラッチによる内燃機関とコンプレッサとの間の出力の伝達率を低下させる制御を実施する制御装置を構成した。
このようなものであれば、内燃機関の停止中にコンプレッサの内部に液冷媒が溜まっており、クラッチの接続によりコンプレッサがその液冷媒を圧縮する状態であったとしても、内燃機関に作用する機械的負荷が軽減される。
なお、コンプレッサの内部に存在する液冷媒の量は、コンプレッサを回転させるほど減少する。ある程度以上の回数コンプレッサを回転させれば、コンプレッサ内の液冷媒は完全に排出される。故に、前記制御は、当該制御の開始後コンプレッサが所定回数若しくは所定回転角度回転したときに終了すればよい。
本発明によれば、冷媒圧縮用コンプレッサの内部に液冷媒が存在することに起因してエンジン回転が不安定化する問題を好適に回避できる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態における車両用エアコンディショナの構成を示す図。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフロー図。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフロー図。 同実施形態の制御装置が実行する制御の模様を示すタイミング図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものである。EGR装置2は、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
図2に、車両の室内の空調を行うエアコンディショナ5の構成を示す。エアコンディショナ5は、冷媒を圧縮し高圧化するコンプレッサ51と、圧縮された高圧冷媒を放熱させて液化させるコンデンサ52と、コンデンサ52を強制的に空冷するためのコンデンサファン53と、液化しなかった気体の冷媒を液化した冷媒から分離するレシーバ54と、液化した冷媒を噴出させるエキスパンションバルブ55と、噴出して気化した冷媒を受け入れ室内の空気と熱交換させるエバポレータ56と、高温化した内燃機関の冷却水を受け入れ室内の空気と熱交換させるヒータコア59と、室内の空気を吸引しエバポレータ56に向けて吐出してその空気を再び室内に送り込むブロワファン57と、ブロワファン57から吐出されエバポレータ56を通り抜けた空気をどの程度ヒータコア59に吹き当てるかを調節するエアミックスダンパ50とを要素に含む。コンプレッサ51、コンデンサ52、レシーバ54、エキスパンションバルブ55及びエバポレータ56は、ループする冷媒流路により接続してある。
コンプレッサ51は、内燃機関に付随する補機の一種であり、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて回転駆動され、冷媒を圧縮する。本実施形態では、コンプレッサ51として、スクロール式コンプレッサを想定している。内燃機関のクランクシャフトとコンプレッサ51との間には、両者の接続を断接切換可能なマグネットクラッチ6が介在する。
コンデンサ52は、車両のエンジンルームにおける走行風が当たる部位に配置しており、コンデンサファン53を回転させているか否かにかかわらず、車両の走行中にエンジンルームに吹き込む走行風により冷却される。コンデンサ52の背後には、内燃機関の冷却水を放熱させるラジエータ7が控えている。ラジエータ7もまた、走行風により冷却される。
コンデンサファン53は、内燃機関の冷却水を放熱させるラジエータ7を強制的に空冷するためのラジエータファンをも兼ねている。コンデンサファン兼ラジエータファン53は、ラジエータ7の背後に位置し、前方から空気を吸引して後方に吐出することで、コンデンサ52及びラジエータ7をともに冷却する。
ブロワファン57から吐出された空気は、エバポレータ56を通過する際に、冷媒から冷熱を得(冷媒に熱を奪われ)て低温化する。同時に、当該空気に含まれていた水蒸気が凝縮してエバポレータ56に付着し、湿度が低下する。エバポレータ56は、夏期に室内の温度を低下させる冷房のためだけでなく、冬季に室内の湿度を低下させて車両の窓ガラスの曇りを低減する役割をも担う。
エアミックスダンパ50は、エバポレータ56を通過した空気のうち、ヒータコア59を通過して室内に向かう空気の量と、ヒータコア59を迂回して室内に向かう空気の量との割合を調節する。このエアミックスダンパ50により、室内に吹き出す風の温度を調整することが可能である。
本実施形態の制御装置たるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるエンジン回転信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される水温信号e、外気温を検出する外気温センサから出力される外気温信号f、エアコンディショナ5のコンデンサ52から流下する冷媒の圧力を検出する冷媒圧センサから出力される冷媒圧信号g、エバポレータ56若しくはその近傍またはその下流の温度を検出する温度センサから出力されるエバポレータ温信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、マグネットクラッチ6に通電する電気回路上のスイッチに対してクラッチ締結信号o等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、エアコンディショナ5のコンプレッサ51の稼働のON/OFF等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、oを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータまたはISG(Integrated Starter Generator)。図示せず)に制御信号rを入力し、当該電動機により内燃機関のクランクシャフトを回転駆動するクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数即ちクランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
本実施形態のECU0は、エアコンディショナ5を作動させるべき旨の指令が搭乗者によって与えられ、コンプレッサ51を稼働させて冷媒の圧縮を実行するべき状況において、マグネットクラッチ6を締結し、内燃機関のクランクシャフトとコンプレッサ51とを接続する。コンプレッサ51を稼働させるべき状況とは、例えば、エバポレータ温信号hを参照して知得されるエバポレータ温度が所定の稼働条件温度よりも高いときである。エアコンディショナ5を作動させるべき旨の指令は、例えば、搭乗者がコックピット内に設けられたエアコンスイッチを手指でONに操作することを通じて行われる。
翻って、コンプレッサ51を停止するべき状況では、マグネットクラッチ6の締結を解除して、内燃機関のクランクシャフトとコンプレッサ51とを切り離す。コンプレッサ51を停止するべき状況とは、例えば、エバポレータ温度が所定の停止条件温度よりも高いときである。停止条件温度の値は、上記の稼働条件温度の値よりもやや(例えば、1℃ないし2℃程度)低い。
内燃機関の運転を停止して車両を駐車している間、冷媒圧縮用コンプレッサ51の内部に、液化した冷媒が溜まることがある。内燃機関の始動後、コンプレッサ51内に液冷媒が残存しているときにエアコンディショナ5を作動させると、クラッチ6を締結した瞬間にコンプレッサ51が液体を圧縮する液圧縮状態に陥り、内燃機関に過大な機械的負荷がかかる。結果、エンジン回転数が急落して、車体にショックを発生させたり、アイドル運転中のアイドル回転を不安定にさせたりする。さらには、エンジンストールに至るおそれも完全には否定できない。
そこで、本実施形態のECU0は、内燃機関の始動のためのクランキング中、及び内燃機関の始動後初めてエアコンディショナ5を作動させる機会のそれぞれにおいて、コンプレッサ51の内部に溜まった液冷媒をコンプレッサ51外に排出させるための制御を実施し、以て液圧縮現象の発生を抑止する。
図3及び図4に、ECU0がプログラムに従い実行する処理の手順例を示す。ECU0は、内燃機関を始動する際、コンプレッサ51内に液冷媒が存在する可能性があるかどうか、つまりは液圧縮のリスクがあるかどうかを判断する(ステップS2)、そして、液圧縮現象を惹起するような液冷媒がコンプレッサ51内に存在する可能性があると判断した場合に、内燃機関のクランキング(ステップS1)とともにマグネットクラッチ6を締結し(ステップS3)、燃料を燃焼させる内燃機関及び当該内燃機関のクランクシャフトを強制駆動する電動機の出力を利用してコンプレッサ51を回転させる。
ステップS2では、直近の内燃機関の停止時にエアコンディショナ5(または、コンプレッサ51)が作動していた、換言すれば直近の内燃機関の停止時にエアコンスイッチがONであったことを条件として、コンプレッサ51内に液冷媒が存在する可能性があると判断する。但し、これ以外の判断手法をとることも可能である。例えば、今回の始動前に内燃機関を停止させていた駐車時間が所定値以上に長く、なおかつ外気温または内燃機関の冷却水温が所定値以下であるときに、コンプレッサ51内に液冷媒が存在する可能性があると判断するというようなことも考えられる。
ステップS3により、内燃機関のクランキング中に、コンプレッサ51内の液冷媒が排除されることとなる。クランキング中のコンプレッサ51の稼働は、所定の制御終了条件が成立した(ステップS4)ときに終了する(ステップS5)。即ち、制御終了条件の成立に伴い、締結していたマグネットクラッチ6を開放する。
ステップS4の制御終了条件の具体例としては、クランキング中のエンジン回転数が完爆判定値(1000rpm程度)よりは低位の所定閾値(例えば、350rpm)まで上昇したこと、マグネットクラッチ6を締結してから所定時間が経過したこと、または、マグネットクラッチ6を締結してからコンプレッサ51が所定回数若しくは所定角度回転したこと、等が挙げられる。制御終了条件が成立した時点で、コンプレッサ51内に残留する液冷媒は概ねまたは完全に排出されたと推測される。
因みに、上記のエンジン回転数の閾値(350rpm)は、燃料の燃焼を伴わずに電動機のみで内燃機関のクランクシャフトを回転させる場合の回転数(例えば、300rpm)よりも若干高い値であることが好ましい。さすれば、内燃機関の始動時の初爆直後にクラッチ6が切断されてコンプレッサ51が内燃機関のクランクシャフトから切り離されるようになり、初爆後のエンジン回転数の立ち上がりを遅延させることがない。
なお、内燃機関の始動に際して、コンプレッサ51内に液圧縮現象を惹起するような液冷媒が存在しないと判断したならば、ステップS3ないしS5を実施しない、即ちクランキング中にマグネットクラッチ6を締結しない。既に述べた通り、内燃機関のクランキングは、エンジン回転数が完爆判定値に到達した(ステップS6)ときに終了する(ステップS7)。
内燃機関の始動完了後、初めてエアコンディショナ5を作動させる(ステップS8)機会においても、ECU0は、液圧縮現象を惹起するような液冷媒がコンプレッサ51内に存在する可能性があるかどうかを判断する(ステップS9)。そして、液冷媒が存在する可能性があると判断した場合に、内燃機関からコンプレッサ51への出力の伝達率を低下させる制御を実施する(ステップS10)。ステップS8に言う、初めてエアコンディショナ5を作動させる機会とは、典型的には、内燃機関の始動後に初めてエアコンスイッチがONとなったとき、または内燃機関の始動時に既にエアコンスイッチがONになっているときである。
ステップS9にて、ECUは、マグネットクラッチ6を一旦接続するとともに、当該クラッチ6の接続に起因したエンジン回転数または車速の低下量を知得する。即ち、マグネットクラッチ6の締結直前のエンジン回転数または車速と、締結直後のエンジン回転数または車速とをそれぞれ計測し、両者の差分を演算する。ECU0は、その低下量が所定値以上(例えば、エンジン回転数の低下量が100rpm以上、または車速の低下量が時速10km以上)であることを条件として、コンプレッサ51内に液冷媒が存在する可能性があると判断する。但し、これ以外の判断手法をとることも可能である。例えば、エアコンディショナ5を作動させる直前のエバポレータ56またはその下流の冷媒の温度が所定値以下であるときに、コンプレッサ51内に液冷媒が存在する可能性があると判断する、ということも考えられる。
ステップS10では、図5に例示するように、マグネットクラッチ6の締結及び開放をごく短い周期で切り換える動作を行う。このクラッチ6の断接切換の繰り返しにおける、一度のクラッチの締結の期間TONの長さは、平常のエアコンディショナ5の稼働中のクラッチ6の締結期間の長さ(少なくとも数秒間以上はクラッチ6の締結が維持される)よりもずっと短い時間、例えば60ミリ秒ないし100ミリ秒の範囲の値とする。同様に、一度のクラッチ6の開放の期間TOFFの長さもまた、平常のエアコンディショナ5の稼働中のクラッチ6の開放期間の長さ(少なくとも数秒間以上)よりずっと短い時間、例えば80ミリ秒程度の値とする。
マグネットクラッチ6の断接切換を繰り返すことにより、内燃機関からコンプレッサ51に伝達される平均の出力が、同クラッチ6を締結し続けている場合と比較して小さくなる。これは、コンプレッサ51から内燃機関に作用する、冷媒圧縮により生じる機械的負荷を軽減することを意味する。ステップS10を通じて、車体にショックを与えたりアイドル回転を不安定化させたりするような顕著なエンジン回転数の低落を回避しつつ、コンプレッサ51を運転してコンプレッサ51内の液冷媒を排除することができる。
ステップS10の制御は、所定の制御終了条件が成立した(ステップS11)ときに終了する(ステップS12)。即ち、制御終了条件の成立に伴い、断接切換を繰り返していたマグネットクラッチ6を完全に締結する。
ステップS11の制御終了条件の具体例としては、マグネットクラッチ6の断接切換制御を開始してから所定時間が経過したこと、または、マグネットクラッチ6の断接切換制御を開始してからコンプレッサ51が所定回数若しくは所定角度回転したこと、等が挙げられる。制御終了条件が成立した時点で、コンプレッサ51内に残留する液冷媒は概ねまたは完全に排出されたと推測される。
ステップS11に関して補足する。エアコンディショナ5の作動前にコンプレッサ51の内部に存在している液冷媒は、コンプレッサ51をある回数若しくはある角度回転させることにより、ほぼ完全に排除できると考えられる。コンプレッサ51の回転速度は、エンジン回転数に比例する。エンジン回転数がNであるときにコンプレッサ51内の液冷媒を十分に排除するために必要なコンプレッサ51の稼働時間即ちクラッチ6の締結期間の総和をTLとおくと、エンジン回転数がN/2であるときにコンプレッサ51内の液冷媒を十分に排除するために必要なクラッチ6の締結期間の総和THは約TL/2となる。ステップS10のマグネットクラッチ6の断接切換制御を開始した後コンプレッサ51が所定回数若しくは所定角度回転したこと制御終了条件とするならば、図5の(A)ないし(C)に示しているように、そのときのエンジン回転数の高低に応じて、ステップS10の断接切換制御の実行期間TH、TM、TLの長さが拡縮することになる。図5(A)はエンジン回転数が比較的低い場合を表し、図5(C)はエンジン回転数が比較的高い場合を表し、図5(B)はエンジン回転数がそれらの中間程度である場合を表している。このように、エンジン回転数が高いほど、ステップS10の断接切換制御の実行期間TH、TM、TLは短縮される。
なお、内燃機関の始動後初めてエアコンディショナ5を作動させる際に、コンプレッサ51内に液圧縮現象を惹起するような液冷媒が存在しないと判断したならば、ステップS10ないしS11を実施しない、即ち一旦接続したマグネットクラッチ51をごく短時間で切断することはぜず、マグネットクラッチ51の締結を(少なくとも数秒間以上)維持する。
本実施形態では、内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナ5が搭載された車両の制御装置0であって、内燃機関を始動する際、エアコンディショナ5の冷媒圧縮用コンプレッサ51内に液体の冷媒が存在する可能性があると判断される場合において、内燃機関の始動のためのクランキング中に内燃機関とコンプレッサ51との間に介在するクラッチ6を接続し、その後エンジン回転数が所定値に到達する等の制御終了条件が成立するまで当該クラッチ6の接続を維持する制御を実施する制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、エアコンディショナ5を作動させるときにコンプレッサ51において液圧縮を惹起するおそれのある液冷媒を、内燃機関の始動時のクランキング中にコンプレッサ51外に排出させることが可能となる。従って、内燃機関の始動後初めてエアコンディショナ5を作動させるときにエンジン回転が不安定化する問題を好適に回避できる。
内燃機関のクランキング中におけるコンプレッサ51の運転は、コンプレッサ51内に液冷媒が溜まっていると予想される状況下でのみ実施することから、コンプレッサ51内に液冷媒が殆どまたは全く存在しない場合において不必要にクランキング用電動機の負荷を増大させることがない。また、制御終了条件が成立したならば速やかにクラッチ6を切断してコンプレッサ51の運転を停止するので、内燃機関の始動を徒に遅らせることはなく、始動性及び静粛性を高く維持できる。
並びに、本実施形態では、内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナ5が搭載された車両の制御装置0であって、内燃機関の始動後、内燃機関とエアコンディショナ5の冷媒圧縮用コンプレッサ51との間に介在するクラッチ6を接続してコンプレッサ51を稼働させる際、当該コンプレッサ51内に液体の冷媒が存在する可能性があると判断される場合において、クラッチ6による内燃機関とコンプレッサ51との間の出力の伝達率をクラッチ6を完全に締結し続ける場合と比較して低下させる制御(クラッチ6の断接切換制御)を実施する制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、エアコンディショナ5を作動させるときにコンプレッサ51内に液冷媒が残存していたとしても、液圧縮によりコンプレッサ51から内燃機関のクランクシャフトに作用する機械的負荷を軽減せしめることが可能となる。また、コンプレッサ51の運転により、液圧縮を惹起するおそれのある液冷媒をコンプレッサ51外に排出させることができる。従って、エアコンディショナ5の作動に伴いエンジン回転が不安定化する問題を好適に回避でき、車両のドライバビリティ、ドライブフィーリングを良好に保つことが可能となる。
初回のコンプレッサ51の起動における、クラッチ6の出力の伝達率を低下させる制御は、コンプレッサ51内に液冷媒が溜まっていると予想される状況下でのみ実施することから、コンプレッサ51内に液冷媒が殆どまたは全く存在しない場合において不必要にエアコンディショナ5の性能を劣化させることがない。
また、上に述べた液冷媒の排出のための制御は、制御終了条件が成立したとき、特に当該制御の開始後コンプレッサ51が所定回数若しくは所定回転角度回転したときに終了するようにしているため、既にコンプレッサ51内に液冷媒が残っていないにもかかわらず不必要に当該制御を続行することがない。内燃機関のクランキング中であれば、クランキング用電動機において消費される電力量を必要最小限に抑制でき、また電動機の損耗を軽減してその寿命の延命を図ることができる。内燃機関の始動後における初回のエアコンディショナ5の作動時であれば、クラッチ6の損耗を軽減してその寿命の延命を図ることができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態のステップS10では、マグネットクラッチ6の締結及び開放をごく短い周期で繰り返す操作を実行することで、内燃機関のクランクシャフトからコンプレッサ51に伝達される平均の出力、ひいてはコンプレッサ51から内燃機関のクランクシャフトに作用する機械的負荷の大きさを低減せしめるようにしていた。これに代えて、ステップS10にてマグネットクラッチ6に印加する電流(または、電圧)の大きさを、平常のエアコンディショナ5の稼働中にマグネットクラッチ6に印加する電流(電圧)よりも小さくし、マグネットクラッチ6において滑り摩擦(いわば、半クラッチ)状態を発生させ、以て内燃機関のクランクシャフトからコンプレッサ51に伝達される出力、及びコンプレッサ51から内燃機関のクランクシャフトに作用する機械的負荷を低減せしめるようにしてもよい。
その他、各部の具体的構成や具体的な処理の手順は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両に搭載されている内燃機関及びエアコンディショナの制御に適用できる。
0…制御装置(ECU)
5…エアコンディショナ
51…冷媒圧縮用コンプレッサ
6…クラッチ
a…車速信号
b…エンジン回転信号
o…クラッチ締結信号
r…クランキング用電動機の制御信号

Claims (3)

  1. 内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナが搭載された車両の制御装置であって、
    内燃機関を始動する際、エアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサ内に液体の冷媒が存在する可能性があると判断される場合において、内燃機関の始動のためのクランキング中に内燃機関とコンプレッサとの間に介在するクラッチを接続し、その後所定の制御終了条件が成立したときに当該クラッチを切断する制御を実施する制御装置。
  2. 内燃機関及び車室内空調用のエアコンディショナが搭載された車両の制御装置であって、
    内燃機関の始動後、内燃機関とエアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサとの間に介在するクラッチを接続してコンプレッサを稼働させる際、当該コンプレッサ内に液体の冷媒が存在する可能性があると判断される場合において、クラッチによる内燃機関とコンプレッサとの間の出力の伝達率を低下させる制御を実施する制御装置。
  3. 前記制御の開始後、コンプレッサが所定回数若しくは所定回転角度回転したときに同制御を終了する請求項1または2記載の制御装置。
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