JP2016095481A - 揮発性液体確認用印刷物 - Google Patents

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雄作 泉
Yusaku Izumi
雄作 泉
由美 河内
Yumi Kawauchi
由美 河内
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Abstract

【課題】従来の香りを確認する方法は、香料を脱脂綿に染み込ませ、封入したボトルを1つずつ店頭に置いておく方法では、香料そのものの香りがする一方で、その場でしか香りを確認する事ができないという問題があった。紙に香料を噴射して配布し、香りを確認する方法は、持ち帰る際に鞄等に入れてしまうと、鞄の内部に香りが移ってしまうという問題があった。香料印刷は、マイクロカプセル型では香料の選択に制限があり、蒸発乾燥型では香料の劣化、及び香りが他の物に移ってしまうという問題があった。
【解決手段】前記課題を解決する為に、本発明の揮発性液体確認用印刷物は、基材と、基材の上に保香性を有する底材を貼り合わせ、その上に、任意の揮発性液体を塗布し、その成分が揮発しないように、揮発性液体を囲う様枠上に再接着が可能な接着部を設け、保香性を有する蓋材を揮発性液体及び接着部の全てを覆う範囲で貼り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、香水や化粧品等の香りを確認できる印刷物、及びその製造方法に関する。
香水等の香りを店頭で簡易的に確認できるようにする為には、脱脂綿等に香水を直接染み込ませた物をボトルに入れ、ボトルのキャップを開封する事で香りを確認する方法が一般的である。しかし、多種の香水を脱脂綿等に染み込ませるには時間がかかる上、経時によって香りが変化しやすく、定期的に脱脂綿を入れ替える作業が必要になる。
また、香水等、液体の香り商品を店頭販売する際、試香紙に直接香水を噴射する方法が取られているが、香りが出続けてしまう為、貰った側はそれを鞄等に入れてしまうと、鞄の内部に香りが移ってしまう事がある。また、1枚ないし複数枚の紙に対して、香水等を手作業で噴霧していくには、時間がかかってしまう。
これらの課題を解消する方法の1つとして、予め香りを紙等の基材に印刷する方法が挙げられる。印刷物に香りを付着させる技術として、例えば香料を閉じ込めたマイクロカプセルが含有されたインキを使用した印刷や、香料を蒸発乾燥によって硬化する樹脂に混ぜて塗布する印刷が主流である。
前者は、印刷箇所を爪等で擦り、マイクロカプセルを破壊する事によって、内包されていた香料の香りがする。マイクロカプセル型香料インキは、印刷箇所を擦らない限り、長期的に香りを閉じ込めて置く事が出来るというメリットがあるが、アルコール系成分等、マイクロカプセルとの相性が悪い成分が香料に含まれていると、カプセル化が困難になる為、どの香料でも印刷できるという訳ではない。
後者は、樹脂の選定によれば、ある程度の種類の香料を印刷する事が可能であるが、乾燥には加熱を必要とする場合が殆どであり、香料の劣化が促進され易い。さらに、樹脂自体に特有の匂いがする事が殆どで、香料単体の新鮮な香りを印刷する事は出来ない。さらに、印刷箇所から香りが随時揮発していく為、他の物に香りが移ってしまうという問題がある。
以上に述べた従来の方法の内、香料を脱脂綿に染み込ませ、封入したボトルを1つずつ店頭に置いておく方法では、香料そのものの香りがする一方で、その場でしか香りを確認する事ができないという問題があった。紙に香料を噴射して配布し、香りを確認する方法は、持ち帰る際に鞄等に入れてしまうと、鞄の内部や他の物に香りが移ってしまうという問題があった。香料印刷は、マイクロカプセル型では香料の選択に制限があり、蒸発乾燥型では香りの劣化、及び香りが他の物に移ってしまうという問題があった。
前記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明では、基材と、基材の上に保香性を有する底材を貼り合わせ、その上に、任意の揮発性液体を塗布し、その成分が揮発しないように、揮発性液体を囲う様枠上に再接着が可能な接着部を設け、保香性を有する蓋材を揮発性液体及び接着部の全てを覆う範囲で貼り付ける。請求項2の発明では、裏面に粘着層及び離型層を設けた基部と、基材の上に保香性を有する底材を貼り合わせ、その上に、任意の揮発性液体を塗布し、その成分が揮発しないように、揮発性液体を囲うよう枠上に再接着が可能な接着部を設け、保香性を有する蓋材を揮発性液体及び接着部の全てを覆う範囲で貼り付け、基部の粘着層及び基材、底材、蓋材が一体になる様、接着部を覆う範囲で切り込みを入れる。
請求項1及び請求項2に記載の発明では、紙やフィルム等基材に用いる事で持ち運びが可能になる為、その場でしか香りを確認する事ができないという問題を解決することができ、香りを確認した後、蓋材を再接着する事で、他の物へ香りが移ってしまうという問題を解決する事ができ、香料を基材に直接塗布する為、香料の種類が限定されるという課題及び、香りの劣化、及び香りが他の物に移ってしまうという問題を解決する事が出来る。
請求項1に記載の印刷物を示す断面図 請求項2に記載の印刷物を示す断面図 この発明の一実施形態及び実施例1を示す正面図
本発明の揮発性液体確認用印刷物の構造を、図1〜図3に示す図式に基づいて詳細に説明するが、本発明はこの構成例に限定されるものではない。
揮発性液体確認用印刷物に使用される基材1は、可能な限りプラスチック等の気密性が高い素材が好ましいが、紙や布等でも、平面かつ柔軟性があり、であれば特に限定されない。
基材1の上に、揮発性液体を塗布する範囲より広い面積の底材2をラミネートする事で、揮発性液体が基材を経由し揮発する事を防止する。この時、プラスチックフィルムの素材は特に限定されないが、保香性を高める為に、アルミ蒸着、酸化アルミ蒸着、ポリ塩化ビニリデンコート、ポリビニルアルコールコート、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂コート等、プラスチック素材にガスバリア性を有したコート材が塗布、または蒸着されていると尚良い。
底材2の上には、揮発性液体3、及び接着部4が設けられる。揮発性液体3の塗布方法は、接着部4の枠内の範囲のみに塗布できるのであれば特に限定される事はなく、任意の方法で塗布する事ができる。
接着部4は、底材2と蓋剤5を接着させる役割を持つ。底材2と蓋材5との間には、揮発性液体3が封入されており、揮発性液体3が揮発した蒸気が接着部4を経由して大気中に暴露される事を防ぐ為、接着部4は可能なかぎり接着力が強く、且つ、接着部4から蓋材5を剥離させやすい素材である事が好ましい。また、接着部4は剥離後、再剥離できる素材を使用する必要がある。
蓋材5は、揮発性液体3の揮発を防止する機能をもった素材である事が必要であり、可能な限りポリエステル等のプラスチック素材である事が好ましい。さらに、保香性を高める為に、アルミ蒸着、酸化アルミ蒸着、ポリ塩化ビニリデンコート、ポリビニルアルコールコート、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂コート等、プラスチック素材にガスバリア性を有したコート材が塗布、または蒸着されていると尚良い。また、蓋材5を捲り易くする為には、12μm以上の厚みが必要になる。
基材1として用いたコート紙の表面に印刷をし、香料を塗布する範囲を覆う事ができる面積で、ポリエステル系フィルムを張り合わす。その上に、円形の枠状になるように糊を塗布し、乾燥させる。糊の枠内に収まるように香料を塗布し、前記の糊枠以上の範囲のプラスチックフィルムを圧着させる。
タックラベル用の紙を基部1として用い、コート紙側に印刷をした後、香料を塗布する範囲を覆う事ができる面積で、ポリエステル系フィルムを張り合わす。その上に、円形の枠状になるように糊を塗布し、乾燥させる。糊の枠内に収まるように香料を塗布し、前記の糊枠以上の範囲のプラスチックフィルムを圧着させる。基部の粘着層及び基材、底材、蓋材が一体になる様、接着部より切り込みを入れる。
本発明は、香水等の香り商品のサンプルとして、ダイレクトメール、雑誌、チラシなどの配布物、ラベルとして、商品の香りを確認できる事により、販売を促進させる事ができる。また、揮発性液体3の塗布量を多くする事により、エアフレッシュナー、衣類への香りづけ、昆虫忌避商品のノベリティとしての利用も可能である。
1 基材
2 底材
3 揮発性液体部
4 接着部
5 蓋材
6 粘着層
7 離型層
8 基部
9 型抜き部

Claims (2)

  1. 基材と、基材の上に保香性を有する底材を貼り合わせ、その上に、任意の揮発性液体を塗布し、その成分が揮発しないように、揮発性液体を囲うよう枠上に再接着が可能な接着部を設け、保香性を有する蓋材を揮発性液体及び接着部の全てを覆う範囲で貼り付けた構造を持つ印刷物。
  2. 裏面に粘着層及び離型層を設けた基部と、基材の上に保香性を有する底材を貼り合わせ、その上に、任意の揮発性液体を塗布し、その成分が揮発しないように、揮発性液体を囲うよう枠上に再接着が可能な接着部を設け、保香性を有する蓋材を揮発性液体及び接着部の全てを覆う範囲で貼り付け、基部の粘着層及び基材、底材、蓋材が一体になる様、接着部を覆う範囲で切り込みを入れた構造を持つ印刷物。
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