JP2016094635A - シンターハードニング方法 - Google Patents

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功介 平井
Kosuke Hirai
功介 平井
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Abstract

【課題】従来よりも低い温度での焼結を可能にしつつ、均一なマルテンサイト及び所望の表面硬さを得ることができるシンターハードニング方法を提供する。【解決手段】鉄系材料を含む粉末を加圧成形した圧粉体を焼結し、得られた焼結体をガスで冷却するシンターハードニング方法。前記粉末に含まれるカーボンの平均粒径が5〜15μmであり、かつ前記圧粉体の焼結温度が1130±20℃である。【選択図】なし

Description

本発明はシンターハードニング方法に関する。
比較的複雑な形状を有する機械部品などを製造する技術として粉末冶金法がある。この方法では、鉄系材料を含む種々の組成の粉末材料を所望の形状に加圧成形し、得られた成形体(圧粉体)を加熱して焼結させる。このような成形及び焼結工程を経て焼結体が製造される。
かかる焼結体に対し、例えば表面硬さなどの機械的強度を所望の大きさにするために、従来、浸炭焼入れや高周波加熱とともに、シンターハードニングと呼ばれる手法が用いられている。シンターハードニング方法は、焼結体に対し窒素ガスなどの冷却ガスを吹き付けて当該焼結体を急冷するものであり、圧粉体の焼結と焼入れとを一工程で連続して行えるという利点がある。
従来のシンターハードニング方法では、連続焼結炉の加熱ゾーンにおいて圧粉体を1250℃程度の温度で約20分間焼結した後に、当該加熱ゾーンに隣接する冷却ゾーンに搬送されてきた焼結体に窒素ガスなどの冷却ガスを吹き付けている。
しかし、1250℃という高温で圧粉体を焼結すると、例えばカーボンは1150℃以上の温度で反応することから、炉内に浮遊しているカーボンなどによって溶解不良が発生することがある。また、高温での焼結処理は多くの熱量を必要とし、コストアップの要因となっていた。
そこで、前述した溶解不良が発生しない1130℃程度の温度で圧粉体を焼結し、得られた焼結体に対しシンターハードニングを行うことが考えられる。
しかし、焼結温度を1130℃程度に下げると、1250℃程度で焼結した場合に比べて表面硬さが例えば5(HRA)以上低下するという問題があり、また、焼結体表面の組織も全面マルサイトにならず、下部ベイナイト(カーボン濃度が薄いと現れる組織)が目立つようになる。焼結体の密度は、1250℃で焼結する場合と、1130℃で焼結する場合とでは0.03g/cm程度しか違っておらず、密度による強度差は、前記表面硬さの低下にはあまり寄与していないと考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも低い温度での焼結を可能にしつつ、均一なマルテンサイト及び所望の表面硬さを得ることができるシンターハードニング方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係るシンターハードニング方法は、鉄系材料を含む粉末を加圧成形した圧粉体を焼結し、得られた焼結体をガスで冷却するシンターハードニング方法であって、
前記粉末に含まれるカーボンの平均粒径が5〜15μmであり、かつ
前記圧粉体の焼結温度が1130±20℃である。
上記発明によれば、従来よりも低い温度での焼結を可能にしつつ、均一なマルテンサイト及び所望の表面硬さを得ることができる。
複数のサンプルについての焼結密度と表面硬さとの関係を示すグラフである。 1130℃で焼結した場合の焼結体表面の電子顕微鏡写真であり、(a)はカーボンの平均粒子径が20μmの場合、(b)はカーボンの平均粒子径が10μmの場合である。 1250℃で焼結した場合の焼結体表面の電子顕微鏡写真であり、(a)はカーボンの平均粒子径が20μmの場合、(b)はカーボンの平均粒子径が10μmの場合である。
〔本発明の実施形態の説明〕
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係るシンターハードニング方法は、
(1)鉄系材料を含む粉末を加圧成形した圧粉体を焼結し、得られた焼結体をガスで冷却するシンターハードニング方法であって、
前記粉末に含まれるカーボンの平均粒径が5〜15μmであり、かつ
前記圧粉体の焼結温度が1130±20℃である。
本態様に係るシンターハードニング方法では、圧粉体を構成する前記粉末に含まれるカーボンの平均粒径を、従来の20μmから5〜15μmへと細かくしている。粒径が小さくなるとカーボンと鉄粉との接触面積を増加させることができ、その結果、焼結時における鉄粉内へのカーボンの拡散を促進させることができる。これにより、カーボンの拡散が不足することで形成されていた下部ベイナイトをなくし、均一なマルテンサイトを得ることができる。換言すれば、組織ムラをなくすことができ、表面硬さを向上させることができる。
また、従来の1250℃程度よりも低温の1130±20℃で焼結するので、溶解不良の発生や、多くの熱量を要するという問題を解消することもできる。
(2)上記(1)のシンターハードニング方法において、前記カーボンの平均粒径が5〜10μmであることが望ましい。この場合、焼結時における鉄粉内へのカーボンの拡散をさらに促進させることができ、その結果、カーボンの拡散が不足することで形成されていた下部ベイナイトをなくし、均一なマルテンサイトを得ることができる。
〔本発明の実施形態の詳細〕
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のシンターハードニング方法の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態に係るシンターハードニング方法では、まず、鉄系材料を含む種々の組成の粉末材料を所望の形状に加圧成形した圧粉体を焼結し、ついで得られた焼結体に窒素ガスなどの冷却ガスを吹き付けて当該焼結体を急冷する。
圧粉体は、ダイ、上下のパンチ及びコアなどの金型を備えた通常のプレス成型機を用いて製造することができる。また、圧粉体の焼結および急冷(焼入れ)は、脱ガスゾーン、予熱ゾーン、加熱ゾーン及び冷却ゾーンを有する、一般的な連続焼結炉を用いて行うことができる。
本実施形態では、前記粉末材料に含まれるカーボンを従来よりも細かくしている。具体的に、従来のシンターハードニングでは平均粒径が20μm程度のカーボンを用いているが、本実施形態では、これよりも細かい平均粒径が5〜15μm、好ましくは平均粒径が5〜10μmのカーボンを用いている。このように粒径が小さいカーボンを用いると、当該カーボンと鉄粉との接触面積を増加させることができ、その結果、焼結時における鉄粉内へのカーボンの拡散を促進させることができる。これにより、カーボンの拡散が不足することで形成されていた下部ベイナイト(後出する図2の(a)参照)をなくし、均一なマルテンサイトを得ることができる。換言すれば、焼結体の組織ムラをなくすことができ、表面硬さを向上させることができる。なお、平均粒径が5μm未満のカーボンでも同様の効果が見込まれるが、平均粒径が5μm未満のものは入手が容易ではなく高価である。
平均粒径が10μmよりも細かいカーボンは、前記粉末材料を調製する工程において使用されるホッパー内などにおいて偏析しやすく、均質な圧粉体を製造できなくなることがあるので、予め偏析防止処理を施したカーボンを用いることが望ましい。カーボンの添加量は、本発明において特に限定されるものではないが、通常、0.3〜0.8wt.%である。
[実施例及び比較例]
つぎに本発明のシンターハードニング方法の実施例について説明するが、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限定されるものではない。
表1に示される条件で4種類のサンプルを作製し、各サンプルについて焼結密度(g/cm)及び表面硬さ(HRA)を測定した。成形密度は、各サンプルについて6.8±0.03(g/cm)、6.8±0.03(g/cm)、及び6.8±0.03(g/cm)の3種類とした。各サンプルの焼結及びシンターハードニングは一般的な連続焼結炉を用いて行い、シンターハードニングは焼結体に対し窒素ガスを吹き付けて行った。
焼結温度が1130℃で、カーボンの平均粒径が10μmであるサンプル2が、本発明の実施例に該当し、焼結温度が1130℃で、カーボンの平均粒径が20μmであるサンプル1が、本発明の比較例に該当する。また、焼結温度が1250℃であるサンプル3〜4は本発明の参考例に該当する。
焼結密度(g/cm)及び表面硬さ(HRA)の測定結果を表1及び図1に示す。また、各サンプルの表面の電子顕微鏡写真を図2〜3に示す。
サンプル1(比較例)とサンプル2(実施例)とを比較すると、焼結密度はほぼ同じであるが、カーボンの平均粒径を10μmにしたサンプル2は、カーボンの平均粒径が20μmであるサンプル1に比べて表面硬さが5〜6程度向上していることがわかる。
また、サンプル1では、図2の(a)に示されるように、下部ベイナイトが目立っているが、サンプル2では、そのような下部ベイナイトは生じていないことがわかる。
なお、参考例であるサンプル3とサンプル4より、焼結温度が1250℃の場合、カーボンの平均粒径を20μmから10μmに変更しても、焼結密度及び表面硬さに大きな変化が生じないことがわかる。
〔その他の変形例〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。













Claims (2)

  1. 鉄系材料を含む粉末を加圧成形した圧粉体を焼結し、得られた焼結体をガスで冷却するシンターハードニング方法であって、
    前記粉末に含まれるカーボンの平均粒径が5〜15μmであり、かつ
    前記圧粉体の焼結温度が1130±20℃である、シンターハードニング方法。
  2. 前記カーボンの平均粒径が5〜10μmである、請求項1に記載のシンターハードニング方法。



















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