JP2013167006A - 鉄系焼結材料用の混合粉末およびこれを用いた鉄系焼結材料の製造方法 - Google Patents
鉄系焼結材料用の混合粉末およびこれを用いた鉄系焼結材料の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013167006A JP2013167006A JP2012031967A JP2012031967A JP2013167006A JP 2013167006 A JP2013167006 A JP 2013167006A JP 2012031967 A JP2012031967 A JP 2012031967A JP 2012031967 A JP2012031967 A JP 2012031967A JP 2013167006 A JP2013167006 A JP 2013167006A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iron
- powder
- manganese
- copper
- sintered material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】炭素を含有した鉄粉末と、銅からなる純銅粉末と、マンガンを主成分としたマンガン粉末とを混合した鉄系焼結材料用の混合粉末であって、前記純銅粉末は、混合粉末に対して、3〜5質量%含有されており、前記混合粉末に含まれるマンガン/銅の質量比は、0.25〜0.5の範囲にある。
【選択図】図6
Description
混合工程は、以下に示す原料粉末を混合して混合粉末とする工程であり、この工程で、本実施形態にかかる鉄系焼結材料用の混合粉末が製造される。本実施形態では、以下に示す鉄粉末と、純銅粉末と、マンガン粉末とを準備し、これらの粉末を均一に混合し、混合粉末を製造する。この混合工程により各種の原料粉末は均一に混合され、均質な焼結体(鉄系焼結材料)を安定して得ることができる。
(1)で得られた混合粉末から、成形用の金型を用いて成形体を成形する。これらの混合粉末を金型に充填する前に、金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を塗布してもよい。ここで使用する高級脂肪酸系潤滑剤は、高級脂肪酸自体の他、高級脂肪酸の金属塩であってもよい。塗布するにあたって、加熱された金型内に水、水溶液またはアルコール溶液等に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴霧して行う。
(2)で得られた成形体を加熱して、たとえば不活性ガス雰囲気下で焼結する。具体的には、成形体を加熱することにより、純銅粉末の銅とマンガン粉末のマンガンとを合金化すると共に、合金化した銅−マンガン合金を液相状態にして、銅−マンガン合金の各元素を前形体の内部の鉄に拡散させながら、成形体を焼結する。
〔実施例1〕
以下に示す方法で、実施例1の鉄系焼結材料を製造した。得られる成分が、銅:4.0質量%、マンガン:1.25質量%、炭素:0.8質量%、残部鉄および不可避不純物となるように、炭素を含有した粒径80μmの鉄粉末と、銅からなる粒径28μmの純銅粉末と、マンガンからなる粒径30μmの純マンガン粉末と準備し、これらをV型混粉機で回転混合して種々の混合粉末(原料粉末)を調製した。なお本明細書でいう粒径は、篩い分けにより特定されるものである。
以下に示す方法で、比較例1の鉄系焼結材料を製造した。得られる成分が、銅:4.0質量%、マンガン:1.25質量%、炭素:0.8質量%、残部鉄および不可避不純物となる、鉄系合金粉末(Fe−1.25Mn)と、銅からなる純銅粉末とを準備した。実施例1と同様に、混合粉末から成形型を用いて成形体を成形し、同様の条件で成形体を焼結し、鉄系焼結材料(Fe−4Cu−1.25Mn−0.8C)を作製した。
以下に示す方法で、比較例2の鉄系焼結材料を製造した。得られる成分が、銅:4.0質量%、モリブデン:1.25質量%、炭素:0.8質量%、残部鉄および不可避不純物となるように、炭素を含有した鉄粉末と、銅からなる純銅粉末と、モリブデンからなる純モリブデン粉末と準備し、これらをV型混粉機で回転混合して種々の混合粉末(原料粉末)を調製した。実施例1と同様に、混合粉末から成形型を用いて成形体を成形し、同様の条件で成形体を焼結し、鉄系焼結材料(Fe−4Cu−1.25Mo−0.8C)を作製した。
実施例1および比較例1の試験片(鉄系焼結材料)の密度の測定を行なった。図1は、実施例1および比較例の鉄系焼結材料の密度を測定した結果を示した図である。
実施例1および比較例1の試験片(鉄系焼結材料)を加工して、中心部分での円筒の直径3.75mm、長さ9.65mmの試験片を作製し、これらの試験片の引張強度を測定した。図2は、実施例1および比較例1の鉄系焼結材料の引張強度の結果を示した図である。
実施例1の試験片(鉄系焼結材料)を顕微鏡で組織観察した。図3(a)は、実施例1の鉄系焼結材料の組織写真図であり、(b)は、(a)の拡大写真図である。図3(a)、(b)に示すように、実施例1の鉄系焼結材料には、純マンガン粉末由来のマンガンが溶け残っていなかった。このことから、実施例1の場合には、純マンガン粉末由来のマンガンは、すべて、鉄基地内に拡散したものと考えられる。
実施例1および比較例2の試験片(鉄系焼結材料)のSEM観察と、Mn(実施例1),Mo(比較例2)元素をEDAXによりマッピング分析した。図4(a)は、実施例1の鉄系焼結材料のSEM像を示した図であり、(b)は、実施例1の鉄系焼結材料のMnのマッピングを示した図であり、(c)は、比較例2の鉄系焼結材料のSEM像を示した図であり、(d)は、比較例2の鉄系焼結材料のMoのマッピングを示した図である。
実施例1の試験片(鉄系焼結材料)をEPMA分析した。図5(a)は、鉄実施例1の試験片(鉄系焼結材料)の各成分の濃度を示した図であり、(a)は、鉄(Fe)の濃度を示した図であり、(b)は、炭素(C)の濃度を示した図であり、(c)は、銅(Cu)の濃度を示した図であり、(d)は、マンガン(Mn)の濃度を示した図である。
以下に示す方法で、実施例2の鉄系焼結材料を製造した。得られる成分が、銅:4.0質量%、炭素:0.8質量%、マンガンを0質量%,0.5質量%,0.75質量%,1.00質量%,1.25質量%,または1.5質量%とし、残部鉄および不可避不純物となるように、炭素を含有した鉄粉末と、銅からなる純銅粉末と、マンガンからなる純マンガン粉末と準備し、これらをV型混粉機で回転混合して種々の混合粉末(原料粉末)を調製した。実施例1と同様に、混合粉末から成形型を用いて成形体を成形し、同様の条件で成形体を焼結し、鉄系焼結材料(Fe−4Cu−0,0.5,0.75,1.00,1.25,1.5Mn−0.8C)を作製した。
以下に示す方法で、実施例3の鉄系焼結材料を製造した。得られる成分が、銅:3.0質量%、炭素:0.8質量%、マンガンを0質量%,0.5質量%,0.75質量%,1.00質量%,または1.25質量%とし、残部鉄および不可避不純物となるように、炭素を含有した鉄粉末と、銅からなる純銅粉末と、マンガンからなる純マンガン粉末と準備し、これらをV型混粉機で回転混合して種々の混合粉末(原料粉末)を調製した。実施例1と同様に、混合粉末から成形型を用いて成形体を成形し、同様の条件で成形体を焼結し、鉄系焼結材料(Fe−3Cu−0,0.5,0.75,1.00,1.25Mn−0.8C)を作製した。
以下に示す方法で、比較例3の鉄系焼結材料を製造した。得られる成分が、銅:2.0質量%、炭素:0.8質量%、マンガンを0質量%,0.5質量%,0.75質量%,または1.00質量%とし、残部鉄および不可避不純物となるように、炭素を含有した鉄粉末と、銅からなる純銅粉末と、マンガンからなる純マンガン粉末と準備し、これらをV型混粉機で回転混合して種々の混合粉末(原料粉末)を調製した。実施例1と同様に、混合粉末から成形型を用いて成形体を成形し、同様の条件で成形体を焼結し、鉄系焼結材料(Fe−2Cu−0,0.5,0.75,1.00Mn−0.8C)を作製した。
実施例1と同じようにして、鉄系焼結材料を製造した。実施例1と相違する点は、図7および8に示すように、純マンガン粉末を添加せずに、銅の添加量を、0質量%、2質量%、3質量%、4質量%とした点である。
以下に示す方法で、実施例5の成形体を製造した。得られる成分が、銅:3.0質量%、炭素:0.8質量%、マンガン:1.25質量%とし、残部鉄および不可避不純物となるように、炭素を含有した鉄粉末と、銅からなる純銅粉末と、マンガンからなる純マンガン粉末と準備し、これらをV型混粉機で回転混合して種々の混合粉末(原料粉末)を調製した。実施例1と同様に、成形型を用いて、この混合粉末から、成形圧4〜7tonにおける成形体を製作し、この成形体の密度を測定した。
実施例5と同じようにして、成形体を製造した。実施例5と相違する点は、純マンガン粉末の代わりに、78質量%のマンガン、残り鉄及び不可避不純物からなる粉末(Fe―78Mn)を用いた点であり、この成形体の密度を測定した。
実施例5と同じようにして、焼結前の成形体を製造した。実施例5と相違する点は、比較例1に示した合金粉末を用いて成形体を作製した点であり、この成形体の密度を測定した。
実施例1と同じようにして、鉄系焼結材料を製造した。実施例1と相違する点は、図10に示すように、純マンガン粉末の粒径を45μm,75μm,106μmに変更した点である。そして、実施例1と同様に、引張強さを測定した。図10は、実施例7の鉄系焼結材料のマンガン粉末の粒径と、引張強さとの関係を示した図である。図10に示すように、マンガン粉末の粒径は、75μm以下であれば、鉄系焼結材料の引張強度は高い状態にあるといえる。
Claims (3)
- 炭素を含有した鉄粉末と、銅からなる純銅粉末と、マンガンを主成分としたマンガン粉末とを混合した鉄系焼結材料用の混合粉末であって、
前記純銅粉末は、混合粉末に対して、3〜5質量%含有されており、
前記混合粉末に含まれるマンガン/銅の質量比は、0.25〜0.5の範囲にあることを特徴とする鉄系焼結材料用の混合粉末。 - 前記マンガン粉末の粒径は、75μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉄系焼結材料用の混合粉末。
- 請求項1または2に記載の混合粉末を成形体に成形する成形工程と、
該成形体を加熱することにより、前記銅と前記マンガンとを合金化すると共に、合金化した銅−マンガン合金を液相状態にして、銅−マンガン合金の各元素を前記成形体の内部の鉄に拡散させながら、前記成形体を焼結する焼結工程と、を少なくとも含むことを特徴とする鉄系焼結材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012031967A JP5786755B2 (ja) | 2012-02-16 | 2012-02-16 | 鉄系焼結材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012031967A JP5786755B2 (ja) | 2012-02-16 | 2012-02-16 | 鉄系焼結材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013167006A true JP2013167006A (ja) | 2013-08-29 |
JP5786755B2 JP5786755B2 (ja) | 2015-09-30 |
Family
ID=49177615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012031967A Active JP5786755B2 (ja) | 2012-02-16 | 2012-02-16 | 鉄系焼結材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5786755B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108866452A (zh) * | 2017-05-15 | 2018-11-23 | 丰田自动车株式会社 | 烧结锻造构件的制造方法 |
CN112041104A (zh) * | 2018-05-23 | 2020-12-04 | 住友电工烧结合金株式会社 | 烧结部件的制造方法及烧结部件 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011042817A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Oiles Corp | 鉄系焼結摺動部材及びその製造方法 |
-
2012
- 2012-02-16 JP JP2012031967A patent/JP5786755B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011042817A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Oiles Corp | 鉄系焼結摺動部材及びその製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108866452A (zh) * | 2017-05-15 | 2018-11-23 | 丰田自动车株式会社 | 烧结锻造构件的制造方法 |
JP2018193575A (ja) * | 2017-05-15 | 2018-12-06 | トヨタ自動車株式会社 | 焼結鍛造部材 |
US10843269B2 (en) | 2017-05-15 | 2020-11-24 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method of producing sintered and forged member |
CN112041104A (zh) * | 2018-05-23 | 2020-12-04 | 住友电工烧结合金株式会社 | 烧结部件的制造方法及烧结部件 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5786755B2 (ja) | 2015-09-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4844693B2 (ja) | 鉄基粉末混合物ならびに鉄基粉末成形体および鉄基粉末焼結体の製造方法 | |
JP5958144B2 (ja) | 粉末冶金用鉄基混合粉および高強度鉄基焼結体ならびに高強度鉄基焼結体の製造方法 | |
JP6160792B1 (ja) | 粉末冶金用混合粉、焼結体および焼結体の製造方法 | |
JP6428909B2 (ja) | 鉄基焼結体およびその製造方法 | |
JP2010090470A (ja) | 鉄系焼結合金およびその製造方法 | |
JP6688287B2 (ja) | プレアロイ鉄基粉末、プレアロイ鉄基粉末を含有する鉄基粉末混合物、及び鉄基粉末混合物からプレス成形および焼結した部品を製造する方法 | |
JP5617529B2 (ja) | 粉末冶金用鉄基混合粉末 | |
JP2011094187A (ja) | 高強度鉄基焼結体の製造方法 | |
JP5595980B2 (ja) | 浸炭焼結体およびその製造方法 | |
JP6149718B2 (ja) | 鉄基焼結合金とその製造方法および高炭素鉄系粉末 | |
JP5786755B2 (ja) | 鉄系焼結材料の製造方法 | |
JP6155894B2 (ja) | 鉄基焼結材およびその製造方法 | |
JP5841089B2 (ja) | 成形用粉末、潤滑剤濃化粉末および金属部材の製造方法 | |
JP6738038B2 (ja) | 鉄基焼結合金およびその製造方法 | |
JP2015183212A (ja) | 鉄基焼結材およびその製造方法 | |
KR100978901B1 (ko) | 고인장강도 및 고경도를 가지는 철계 소결체 제조 방법 | |
JP2001294905A (ja) | 微小モジュール歯車の製造方法 | |
JP2014025109A (ja) | 粉末冶金用混合粉 | |
JP2008240031A (ja) | 鉄粉を原料とする成形用素材およびその製造方法 | |
KR102647464B1 (ko) | 철기 합금 소결체 및 분말 야금용 철기 혼합 가루 | |
JP5923023B2 (ja) | 粉末冶金用混合粉末、および焼結材料の製造方法 | |
JP6728530B2 (ja) | 焼結体の製造方法 | |
WO2018232813A1 (zh) | 一种电动工具用混合粉及其制备方法 | |
CN108866452B (zh) | 烧结锻造构件的制造方法 | |
JP6877375B2 (ja) | 粉末冶金用混合粉 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141031 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141125 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150121 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150630 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150713 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5786755 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |