JP2016094500A - 積層フィルム - Google Patents

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JP2016094500A JP2014229754A JP2014229754A JP2016094500A JP 2016094500 A JP2016094500 A JP 2016094500A JP 2014229754 A JP2014229754 A JP 2014229754A JP 2014229754 A JP2014229754 A JP 2014229754A JP 2016094500 A JP2016094500 A JP 2016094500A
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Abstract

【課題】ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエチレンナフタレートフィルムの両面に、エポキシ基を有するアルコキシシラン及びエポキシ基を有しないアルコキシシランを含む組成物から形成されたコート層を有し、上記ポリエチレンナフタレートフィルムが、ゲルマニウム化合物を含有することを特徴とする積層フィルム。上記ポリエチレンナフタレートフィルムに含まれるゲルマニウム化合物の量が、ゲルマニウム原子として、50〜130ppmであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルムに関する。
近年、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル等の用途が拡大している。
これらの表示装置の表面には、高い耐傷性や耐熱性が求められるため、ハードコート層を有する積層ポリエステルフィルムが利用されている。
その中で、アルコキシシランの加水分解物を縮合させ硬化させることで、耐アルカリ性、耐傷性、耐熱性に優れたハードコート層の開発が行われてきた(特許文献1及び2)。
特許文献1には、エポキシ基含有アルコキシシランと、エポキシ基非含有アルコキシシランと、金属錯体とを混合した水性組成物であって、上記エポキシ基含有アルコキシシランと上記エポキシ基非含有アルコキシシランからなる全アルコキシシランに対して、上記エポキシ基含有アルコキシシランが占める割合が20〜85質量%であり、上記エポキシ基含有アルコキシシランに対して上記金属錯体が占める割合が17〜70モル%である水性組成物が記載されている。
特許文献2には、(A)エポキシ基並びにシラノールおよび/またはシロキサン基の両方又は一方を含有する化合物群から選ばれた1種または2種以上の混合物(ただし、いずれの場合にもエポキシ基並びにシラノールおよび/またはシロキサン基の両者が同一分子中もしくは各々異なる分子中に含まれるよう選択される)(B)粒径1ないし100ミリミクロンのシリカ微粒子、および(C)一般式Al・X3−n〔XはOL(Lは低級アルキル)、Yは一般式MCOCHCOM(M,Mはいずれも低級アルキル)で示される化合物に由来する配位子から選ばれる少なくとも1つであり、nは0,1もしくは2である。〕で示されるアルミニウムキレート化合物から主としてなるコーティング用組成物が記載されている。
また、従来の積層フィルムとしては、特許文献3に記載されたものが知られている。
特許文献3には、ポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の上に、(A)一般式(1)で表されるアルコキシシランおよび(B)コロイダルシリカを含む硬化膜層を有する積層フィルムであって、上記ポリエステルフィルムを150℃に加熱した際の熱変形率に対する、上記積層フィルムを150℃に加熱した際の熱変形率の比が0.5以上であることを特徴とする積層フィルムが記載されている。
1 aSi(OR24-a・・・(1)
(R1は、それぞれ、炭素数1〜10の有機基であり、R2は、それぞれ、炭素数1〜3のアルキル基であり、aは0又は1である。)
特開2014−111717号公報 特開昭53−111336号公報 特開2013−256036号公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することである。
上記課題は、下記<1>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<14>と共に以下に示す。
<1>ポリエチレンナフタレートフィルムの両面に、エポキシ基を有するアルコキシシラン及びエポキシ基を有しないアルコキシシランを含む組成物から形成されたコート層を有し、上記ポリエチレンナフタレートフィルムが、ゲルマニウム化合物を含有することを特徴とする積層フィルム、
<2>上記ポリエチレンナフタレートフィルムに含まれるゲルマニウム化合物の量が、ゲルマニウム原子として、50〜130ppmである、<1>に記載の積層フィルム、
<3>上記コート層が、無機粒子を更に含む、<1>又は<2>に記載の積層フィルム、
<4>上記無機粒子が、シリカ粒子である、<3>に記載の積層フィルム、
<5>上記コート層が、金属錯体を更に含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<6>上記金属錯体が、アルミニウムキレート錯体である、<5>に記載の積層フィルム、
<7>上記ポリエチレンナフタレートフィルムの25℃における固有粘度が、0.50dl/g以上0.65dl/g以下である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<8>上記ポリエチレンナフタレートフィルムが、エチレングリコールの代わりに一部ジエチレングリコールを重縮合したポリエチレンナフタレートフィルムである、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<9>上記ポリエチレンナフタレートフィルムのジエチレングリコール量が、ジオール成分の全モル量に対し、1.0モル%以上2.0モル%以下である、<8>に記載の積層フィルム、
<10>上記ポリエチレンナフタレートフィルムの結晶化度が、38%以上43%以下である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<11>上記ポリエチレンナフタレートフィルム中に含まれるチタン化合物の量が1ppm未満であるか、アンチモン化合物の量が10ppm未満であるか、又は、アルミニウム化合物の量が10ppm未満である、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<12>上記ポリエチレンナフタレートフィルム中に含まれるチタン化合物の量が1ppm未満であり、アンチモン化合物の量が10ppm未満であり、かつ、アルミニウム化合物の量が10ppm未満である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<13>上記エポキシ基を有するアルコキシシランが、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルコキシシランである、<1>〜<12>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<14>上記エポキシ基を有しないアルコキシシランが、テトラアルコキシシランを含む、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の積層フィルム。
本発明によれば、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性に優れた積層フィルムを提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(積層フィルム)
本発明の積層フィルムは、ポリエチレンナフタレートフィルムの両面に、エポキシ基を有するアルコキシシラン及びエポキシ基を有しないアルコキシシランを含む組成物から形成されたコート層を有し、上記ポリエチレンナフタレートフィルムが、ゲルマニウム化合物を含有することを特徴とする。
本発明の積層フィルムは、偏光板保護フィルム、酸化インジウムスズ(ITO)フィルム、バリアフィルム、表面保護フィルムなどに好適に用いることができる。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの両面に特定構造のアルコキシシランを含む組成物から形成されたコート層を有し、かつ上記ポリエチレンナフタレートフィルムがゲルマニウム化合物を有することにより、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性に優れることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
詳細な機構は不明であるが、ゲルマニウム化合物がアルコキシシランの縮合反応の触媒活性が低く、また、PENとの相溶性にも優れ、PENフィルムからの泣き出し、すなわち、フィルム表面へのゲルマニウム化合物のしみ出しが少ないため、PENフィルムとアルコキシシランの縮合反応を用いて形成された層との密着性に優れるものと推定している。
また、PENフィルムの代わりにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた場合は、密着性の向上は見られず、PENフィルムとゲルマニウム化合物とを組み合わせた場合の特有の効果であると推定される。
<ポリエチレンナフタレートフィルム>
本発明の積層フィルムは、ポリエチレンナフタレートフィルムの両面にコート層を有し、上記ポリエチレンナフタレートフィルムがゲルマニウム化合物を含有する。
上記ポリエチレンナフタレートフィルムにおけるポリエチレンナフタレートは、90mol%以上の酸成分としてナフタレン−2,6−ジカルボン酸又はナフタレン−2,6−カルボン酸ジメチル等のエステル形成性誘導体を用いるが、適宜他の酸成分を10mol%以下の範囲内で共重合してもよい。
共重合しうる他の芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、共重合しうる脂環族ジカルボン酸成分としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。
また、共重合しうる長鎖分岐鎖ポリ酸として、例えば、トリメシン酸、トリメリット酸及びその無水物を挙げることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコールを用いるが、適宜他のジオール成分を10mol%以下の範囲で共重合してもよい。共重合しうる他のジオール成分としては、例えば、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等を挙げることができる。
これらのジカルボン酸成分及びジオール成分は、1種のみ用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
中でも、ポリエチレンナフタレートフィルムが、エチレングリコールの代わりに一部ジエチレングリコールを重縮合したポリエチレンナフタレートフィルムであることが好ましい。
また、上記エチレングリコールの代わりに一部ジエチレングリコールを重縮合したポリエチレンナフタレートフィルムのジエチレングリコール量が、ジオール成分の全モル量に対し、0.01モル%以上10モル%以下であることが好ましく、0.1モル%以上5.0モル%以上であることがより好ましく、0.5モル%以上2.5モル%以下であることが更に好ましく、1.0モル%以上2.0モル%以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性により優れ、また、硬度及びアルカリ耐性に優れる。
上記ポリエチレンナフタレートフィルムに含まれるゲルマニウム化合物は、ゲルマニウム原子を有する化合物であれば特に制限はないが、上記ポリエチレンナフタレートの重縮合触媒及び/又はその残渣であることが好ましい。
重縮合触媒として用いられるゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニウム−β−ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム、次亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物及び酢酸ゲルマニウム化合物等が挙げられる。中でも、二酸化ゲルマニウムが特に好ましい。
ポリエチレンナフタレートフィルム中におけるゲルマニウム化合物の含有量は、ゲルマニウム原子として、5〜500ppmであることが好ましく、10〜300ppmであることがより好ましく、30〜200ppmであることが更に好ましく、50〜130ppmであることが特に好ましい。上記範囲であると、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性により優れ、また、硬度及びアルカリ耐性に優れる。
ポリエチレンナフタレートフィルムは、Ca、Mg及びLiから選ばれる少なくとも一種の金属化合物を、ポリエチレンナフタレートフィルムに対して、金属原子として、1〜500ppm含有することが好ましく、10〜300ppm含有することがより好ましい。上記金属を付与することで、体積抵抗値が下がり、静電印加性を付与することができるため、厚みムラの少ない、ポリエチレンナフタレートを製膜することができる。
カルシウム化合物としては、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、ジグリコキシドカルシウム、カルシウムハイドライド等が挙げられる。
マグネシウム化合物としては、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ジグリコキシドマグネシウム等が挙げられる。
リチウム化合物としては、酢酸リチウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
ポリエチレンナフタレートフィルムは、リン化合物を含有することが好ましい。リン化合物を含有すると、保存安定性に優れる。
リン化合物としては、特に制限はないが、リン酸エステル化合物が好ましく挙げられ、リン酸トリアルキルエステルがより好ましく挙げられ、リン酸トリメチルエステルが更に好ましく挙げられる。
また、ポリエチレンナフタレートフィルムは、フィルム中に含まれるチタン化合物の量が1ppm未満であるか、アンチモン化合物の量が10ppm未満であるか、又は、アルミニウム化合物の量が10ppm未満であることが好ましく、フィルム中に含まれるチタン化合物の量が1ppm未満であり、アンチモン化合物の量が10ppm未満であり、かつ、アルミニウム化合物の量が10ppm未満であることがより好ましい。上記態様であると、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性により優れる。
ポリエチレンナフタレートフィルムの25℃における固有粘度(IV)は、0.40dl/g以上0.75dl/g以下であることが好ましく、0.45dl/g以上0.70dl/g以下であることがより好ましく、0.50dl/g以上0.65dl/g以下であることが更に好ましく、0.53dl/g以上0.60dl/g以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性により優れ、また、硬度及びアルカリ耐性に優れる。
本発明における25℃での固有粘度(IV)の測定方法は、湯木和男編「飽和ポリエステルハンドブック」(株)日刊工業新聞社、1989年12月22日に記載された方法に従い、1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(=2/3[質量比])を溶媒として、25℃での溶液粘度から25℃における固有粘度(IV)を求めるものとする。
ポリエチレンナフタレートフィルムの結晶化度は、30%以上50%以下であることが好ましく、35%以上45%以下であることがより好ましく、38%以上43%以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、ポリエチレンナフタレートフィルムとコート層との密着性により優れ、また、硬度及びアルカリ耐性に優れる。
本発明における結晶化度の測定方法は、湯木和男編「飽和ポリエステルハンドブック」(株)日刊工業新聞社、1989年12月22日に記載された方法に従い、密度法から、ポリエチレンナフタレートフィルムの結晶化度を求めるものとする。なお、非晶部の密度は1.335g/cm、結晶部の密度は1.455g/cmを用いた。
本発明に用いるポリエチレンナフタレートの製造方法としては、特に制限はなく、公知の製造方法により製造することができるが、ゲルマニウム化合物を重縮合触媒として用いた製造方法であることが好ましい。例えば、重縮合触媒としてゲルマニウム化合物の存在下、酸成分としてナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジアルキルエステルを含むジアルキルエステルを用い、これとエチレングリコールを含むジオール成分とでエステル交換反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造することができる。また、酸成分としてナフタレン−2,6−ジカルボン酸を含むジカルボン酸を用いて、従来公知の直接重合法により製造することもできる。
このようにして得られたポリエチレンナフタレートは、公知の方法によりフィルム化することができる。
例えば、ポリエチレンナフタレートを、乾燥後、溶融押し出しして、未延伸シートとし、続いて二軸延伸、熱処理することにより、二軸延伸フィルムを完成させることができる。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸のいずれでもよく、延伸倍率は特に限定されるものではないが、縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が好ましい。あるいは縦、横延伸後、縦、横方向のいずれかに再延伸してもよい。
ポリエチレンナフタレートフィルムの厚さは、特に制限はないが、1〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、20〜150μmであることが更に好ましく、30〜100μmであることが特に好ましい。
<コート層>
本発明の積層フィルムは、ポリエチレンナフタレートフィルムの両面に、エポキシ基を有するアルコキシシラン(以下、「エポキシ基含有アルコキシシラン」ともいう。)及びエポキシ基を有しないアルコキシシラン(以下、「エポキシ基非含有アルコキシシラン」ともいう。)を含む組成物から形成されたコート層を有する。
上記組成物は、エポキシ基を有するアルコキシシラン及びエポキシ基を有しないアルコキシシラン以外の成分を含んでいてもよく、例えば、水や無機粒子、金属錯体等の後述する各成分が挙げられる。
<<アルコキシシラン>>
本発明の積層フィルムにおけるコート層は、エポキシ基を有するアルコキシシラン及びエポキシ基を有しないアルコキシシランを含む組成物から形成される。
これらのアルコキシシランは、水溶性又は水分散性の素材を使用することが好ましい。水溶性又は水分散性の素材を使用することは、VOC(volatile organic compounds)による環境汚染を低減する観点からも特に好ましい。
エポキシ基含有アルコキシシランとエポキシ基非含有アルコキシシランとはそれぞれ、加水分解性基を有する。この加水分解性基が、好ましくは酸性の水溶液中で加水分解されることによりシラノールが生成され、シラノール同士が縮合することによって、オリゴマーが生成される。上記エポキシ基含有アルコキシシラン及び上記エポキシ基非含有アルコキシシランの一部は加水分解されていてもよい。
コート層の形成に使用する組成物中におけるエポキシ基含有アルコキシシランとエポキシ基非含有アルコキシシランからなる全アルコキシシランに対して、エポキシ基含有アルコキシシランが占める割合は、20〜85質量%であることが好ましい。エポキシ基含有アルコキシシランが占める割合は、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。また、エポキシ基含有アルコキシシランが占める割合は、80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることが更に好ましい。全アルコキシシランに対してエポキシ基含有アルコキシシランが占める割合を上記範囲内とすることにより、塗布液中における安定性を高めることができ、更に、アルカリ耐性に優れたコート層を形成することができる。
エポキシ基含有アルコキシシランとしては、1分子中に1つ以上エポキシ基を有するものであればよく、エポキシ基の数は特に限定されない。
エポキシ基含有アルコキシシランは、エポキシ基の他に、更に、アルキル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基など基を有していてもよい。
本発明に用いることができるエポキシ基含有アルコキシシランとしては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、市販品としては、KBE−403(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
エポキシ基非含有アルコキシシランは、エポキシ基を有しないアルコキシシランであればよく、アルキル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基などの基を有していてもよい。
エポキシ基非含有アルコキシシランは、テトラアルコキシシラン若しくはトリアルコキシシラン、又は、これらの混合物であることが好ましく、テトラアルコキシシラン及びトリアルコキシシランの混合物であることがより好ましい。テトラアルコキシシランとトリアルコキシシランとを混合して用いることにより、コート層を形成した際に、適度な柔軟性を有しつつも、十分な硬度を得ることができる。
また、エポキシ基非含有アルコキシシランは、テトラアルコキシシランを少なくとも含むことが好ましい。
エポキシ基非含有アルコキシシランが、テトラアルコキシシランとトリアルコキシシランとの混合物である場合、テトラアルコキシシランとトリアルコキシシランとのモル比は、テトラアルコキシシラン:トリアルコキシシラン=25:75〜85:15であることが好ましく、30:70〜80:20であることがより好ましく、30:70〜65:35であることが更に好ましい。上記範囲内であると、アルコキシシランの重合度を所望の範囲内に制御することや加水分解速度及びアルミキレートの溶解性の制御が容易となる。
テトラアルコキシシランは、4官能のアルコキシシランであり、各アルコキシ基の炭素数が1〜4のものが好ましい。中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが特に好ましく用いられる。炭素数を4以下とすることにより、酸性水と混ぜたときのテトラアルコキシシランの加水分解速度が遅くなりすぎることがなく、均一な水溶液にするまでの溶解に要する時間がより短くなる。これにより、コート層を製造する際の製造効率を高めることができる。市販品としては、KBE−04(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
トリアルコキシシランは、下記式1で表される3官能のアルコキシシランであることが好ましい。
RSi(OR13 (1)
ここで、Rはアミノ基を含まない炭素数が1〜15の有機基を表し、R1はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基等の炭素数4以下のアルキル基を表す。
式1で表される3官能のアルコキシシランは、アミノ基を官能基として含まない。つまり、この3官能のアルコキシシランは、アミノ基を持たない有機基Rを有している。Rがアミノ基を有しないことにより、テトラアルコキシシランを含む塗布液の安定性に優れる。
式1におけるRは、炭素数が1〜15の範囲であるような分子鎖長をもつ有機基であればよい。炭素数を15以下とすることにより、コート層を形成した際の柔軟性が過度に大きくならず、十分な硬度を得ることができ、また、脆性がより改善されたコート層を得ることができる。
更に、Rで示す有機基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有してもよい。有機基がヘテロ原子をもつことにより、PENフィルムとの密着性をより向上させることができる。
トリアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランを挙げることができる。中でも、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランは特に好ましく用いられる。また、市販品としては、KBE−13(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
<<無機粒子>>
上記コート層は、無機粒子を含むことが好ましい。
無機粒子を含む場合、コート層を形成する組成物(塗布液)中に含まれる全固形分に対して無機粒子が占める割合(単位:質量%)をxとすると、0<x≦80であることが好ましく、1以上であることがより好ましく、3以上であることが更に好ましく、また、70以下であることがより好ましく、65以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、コート層を形成した際により高いアルカリ耐性を得ることができる。
また、コート層中の無機粒子の含有量は、80質量%以下であることが好ましく、1〜70質量%であることがより好ましく、3〜65質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、アルカリ耐性に優れる。
コート層を形成する組成物(塗布液)中に含まれる全固形分に対して、無機粒子が占める割合(単位:質量%)をxとして、全アルコキシシランに対してエポキシ基含有アルコキシシランが占める割合(単位:質量%)をyすると、y≧x−5であることが好ましく、y≧xであることがより好ましい。yとxとの関係を上記範囲とすることにより、より高い耐アルカリ耐性を得ることができ、アルカリ溶液に浸漬させた際のヘイズ値の変化を抑えることができる。更に、塗布液の安定性を高めることができる。
無機粒子は、金属酸化物粒子であることが好ましく、透明で絶縁性の金属酸化物粒子であることがより好ましい。
金属酸化物粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、又は、これらの混合物からなる粒子が好ましく、アルコキシシランとの架橋の観点からシリカ粒子が特に好ましい。
シリカ粒子としては、四塩化ケイ素の燃焼によって製造される乾燥粉末状のシリカを用いることもできるが、二酸化ケイ素又はその水和物が水に分散したコロイダルシリカを用いることがより好ましい。特に限定されないが、具体的にはスノーテックスO33などの日産化学工業(株)製のスノーテックスシリーズなどが好ましく挙げられる。
無機粒子の平均粒子径は、3〜50nmであることが好ましく、4〜50nmであることがより好ましく、4〜40nmであることが更に好ましく、5〜35nmであることが特に好ましい。
ここで平均粒子径は、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均粒子径(平均一次粒子径)とする。本明細書における平均粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出することができる。
なお、無機粒子は、水性塗布液中に添加される時点でのpHが2〜7の範囲に調整されていることがより好ましい。このpHが2〜7であると、2よりも小さいあるいは7よりも大きい場合に比べて、アルコキシシランの加水分解物であるシラノールの安定性がより良好で、このシラノールの脱水縮合反応が速く進行することによる塗布液の粘度上昇を抑制することができる。
<<金属錯体(硬化剤)>>
上記コート層は、金属錯体(硬化剤)を含むことが好ましい。
金属錯体としては、Al、Mg、Mn、Ti、Cu、Co、Zn、Hf及びZrよりなる群から選ばれた金属の金属錯体が好ましく、これらを併用することもできる。
これらの金属錯体は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステルなどを用いることができる。
金属錯体の好ましい具体的な例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物、エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)等のマグネシウムキレート化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)、マンガンアセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナート、銅アセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート、チタンオキシアセチルアセトナートが挙げられる。
これらの中でも、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトナートが好ましい。
また、保存安定性、入手容易さを考慮すると、金属錯体としては、アルミニウムキレート錯体であることが好ましく、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
また、市販品としては、アルミキレートA(W)、アルミキレートD、アルミキレートM(川研ファインケミカル(株)製)などが挙げられる。
使用したエポキシ基含有アルコキシシランの全モル数に対して、金属錯体の含有量は、17モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、また、70モル%以下であることが好ましく、65モル%以下であることがより好ましく、60モル%以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、コート層を形成した際に優れたアルカリ耐性を得ることができ、また、塗布液の分散性を良好とし、かつ、製造コストを抑えることができる。
また、コート層中の金属錯体の含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、5〜35質量%であることが更に好ましく、10〜30質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、アルカリ耐性に優れる。
<<その他の添加剤>>
上記コート層は、コート層の平滑性を向上させて塗膜表面の摩擦を軽減する目的で界面活性剤を添加してもよい。
また、顔料や染料、その他粒子等を分散させることによってコート層を着色してよい。
更に、耐候性を向上させる目的で、コート層に紫外線吸収剤や酸化防止剤等を添加してもよい。
−界面活性剤−
上記コート層には、形成時の組成物の塗布性や平滑性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1、パイオニンD−6512、D−6414、D−6112、D−6115、D−6120、D−6131、D−6108−W、D−6112−W、D−6115−W、D−6115−X、D−6120−X(竹本油脂(株)製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、ナロアクティーCL−95、HN−100(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)、サンデッドBL(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越化学工業(株)製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
上記コート層中における界面活性剤の含有量は、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。
−溶媒−
上記組成物は、塗布性の観点から、溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、特に制限はないが、水が好ましく挙げられる。また、上記組成物は、水性組成物(水性塗布液)であることがより好ましい。
溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
上記組成物中における溶媒の含有量は、特に制限はないが、組成物の全質量に対し、0.1〜99質量%であることが好ましく、1〜99質量%であるがより好ましく、10〜99質量%であることが更に好ましく、50〜95質量%であることが特に好ましい。
上記コート層の形成方法は、上記組成物を用いる以外特に制限はなく、公知の方法により形成することができる。
例えば、上記コート層は、エポキシ基を有するアルコキシシラン及びエポキシ基を有しないアルコキシシラン、並びに、上記各種添加剤を含む組成物をポリエチレンナフタレートフィルムの両面に塗布して乾燥することにより、好適に形成することができる。
上記水性塗布液の調液手順は、特に限定されないが、エポキシ基含有アルコキシシラン、エポキシ非含有アルコキシシランの順に加水分解し、その加水分解液にコロイダルシリカ分散液、アルミキレート錯体の順に添加する方法が最も溶解性及び保存安定性が高い。
塗布前に、上記組成物、好ましくは水性塗布液にpH調整剤を添加し、pHを所望の範囲となるように調節することが好ましい。
pH調整剤としてはpHを変更させるものであれば特に制限がなく、具体的には、酸(有機酸、無機酸)としては、例えば、硝酸、シュウ酸、酢酸、蟻酸、塩酸など、アルカリとしては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、エチレンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
pH調整剤は、直接添加しても、水溶液などの溶液として添加してもよい。
pH調整剤は、pHが所望の範囲を満たす限り、使用する量は特に限定されない。
上記組成物(水性塗布液)のpHは、2〜6となるように調整されることが好ましい。
pH調整剤としては、硝酸、シュウ酸、酢酸、蟻酸、塩酸が好ましく、酢酸が特に好ましい。
PENフィルムに上記組成物を塗布する塗布工程は、PENフィルムの延伸工程の途中に設けられてもよいが、延伸工程の後に設けられることが好ましい。
上記組成物の塗布は公知の塗布機を適宜用いることができる。例えば、スピンコータ、ロールコータ、バーコータ、カーテンコータ等を挙げることができる。
塗布工程の後には、塗布液を乾燥させる乾燥工程が設けられる。乾燥工程では、加熱乾燥を行うことが好ましい。
また、上記コート層を形成する際の加熱乾燥温度は、100℃〜220℃であることが好ましく、120℃〜210℃であることがより好ましく、150℃〜200℃であることが更に好ましく、160℃〜190℃であることが特に好ましい。上記範囲であると、コート層の硬度、及び、引っ掻き耐性に優れる。
また、加熱時間は、10秒〜5分であることが好ましい。
乾燥工程の後に得られた積層フィルムは、その後ロール状に巻き取られてもよく、シート状にカットされてもよい。
上記コート層の厚みは、上記組成物の塗布量を調整することにより制御することができる。
また、上記コート層の厚みは、0.3〜12μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。上記範囲であると、コート層の強度、硬度、及び、アルカリ耐性に優れる。
本発明の積層フィルムをタッチパネル用途に用いる場合、上記コート層の屈折率は、1.54〜1.64であることが好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて、PENフィルムと両面のコート層とは、直接接していることが好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮することができる。
本発明の積層フィルムは、必要に応じ、各コート層上に、他の層を有していてもよい。
他の層としては、特に制限はなく、公知の層が挙げられる。
例えば、本発明の積層フィルムをタッチパネル用途に用いる場合、少なくとも一方のコート層上に透明電極層を有していることが好ましい。透明電極層には、ITOが用いられることが好ましい。また、透明電極層において形成されていてもよい電極パターンは、例えば、ITO導電膜をパターニングすることにより好適に作製される。
透明電極層は、タッチパネル用電極として使用することができる。
また、コート層と透明電極層との間に光学調整層等の調整層を積層してもよい。
なお、光学調整層(屈折率調整層)は、各層間の屈折率の差を調整するために設けられる。
光学調整層及び透明電極層の形成方法はそれぞれ、従来の公知の方法を適宜選択できる。
透明電極層をコート層の上に積層しパターニングする際には、アルカリ溶液を用いることが好ましい。アルカリ溶液は、ITO導電膜を保護するレジストを剥離するために用いられる。上記コート層は、アルカリ耐性が強いため、透明電極層等のパターニングをする際にアルカリ溶液を用いた場合であっても、コート層を形成する成分が溶解することを抑制でき、高品質でヘイズの低いコート層を得ることがき、タッチパネルにも好ましく用いられる。
本発明の積層フィルムの厚さは、特に制限はないが、1.5〜330μmであることが好ましく、10〜230μmであることがより好ましく、20〜180μmであることが更に好ましく、30〜130μmであることが特に好ましい。
本発明の積層フィルムは、タッチパネルに用いられることが好ましく、タッチパネルについては、特開2002−48913号公報等の記載を参酌できる。
また、本発明の積層フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube、陰極線管)ディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネル、PDP(プラズマディスプレイパネル)電磁波シールドフィルム、太陽電池用保護シートや窓貼り用フィルムにも用いることができる。また、工業用部材の保護フィルムとしても好適であり、例えば、偏光板用の保護フィルム、リリースフィルム等にも利用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特に限定されない限り、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<固有粘度(IV)の測定方法>
湯木和男編「飽和ポリエステルハンドブック」(株)日刊工業新聞社、1989年12月22日に記載された方法に従い、1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(=2/3[質量比])を溶媒として、25℃での溶液粘度から25℃における固有粘度(IV)を求めた。
<ポリエステル中のジエチレングリコール(DEG)量の測定方法>
湯木和男編「飽和ポリエステルハンドブック」(株)日刊工業新聞社、1989年12月22日に記載された方法に従い、ポリエステルをアルカリ分解した後、ガスクロマトグラフィーを用いて定量した。
<ポリエステルフィルムの結晶化度の測定方法>
湯木和男編「飽和ポリエステルハンドブック」(株)日刊工業新聞社、1989年12月22日に記載された方法に従い、密度法から、ポリエステルフィルムの結晶化度を求めた。
<ポリエステルフィルム中の触媒含有量の測定方法>
ポリエステルフィルム中の触媒含有量は、これらの化合物に由来する元素量を、高分解能型高周波誘導結合プラズマ−質量分析(HR−ICP−MS;SIIナノテクノロジー(株)製AttoM)を用いて定量し、得られた結果から含有量(ppm、質量基準)を算出することにより得られる。
(比較例1)
<塗布層つきポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム>
−PETポリマーペレットの製造−
撹拌装置、精留塔、凝縮器を備えたエステル交換反応器にテレフタル酸100部とエチレングリコール74部及び二酸化ゲルマニウム0.01部、酢酸マグネシウム4水塩0.07部を供給した後、180〜240℃まで徐々に昇温し、同時に生成した水は連続的に反応系外へ留出させながらエステル交換反応を行った。こうして得られた反応物に、リン酸トリメチルエステル0.02部を添加し15分間反応させた。引き続いてエチレングリコールを連続的に留出させながら280℃まで昇温し同時に0.2mmHgまで減圧を進めて重縮合反応を行い、ダイヘッド、冷却水槽、カッターを通してペレットとした。得られたPETポリマーペレットの、25℃における固有粘度(IV)は0.66dl/gであり、ポリマー中のジエチレングリコール(DEG)量1.5mol%であった。
−PETフィルム製造方法−
上記製造方法にて得られたPETポリマーペレットを減圧下、160℃で10時間乾燥した後、295℃に設定した押出し機を用いて、ステンレス製のポリマーフィルターとダイヘッドを通して25℃の回転ドラム(キャスティングドラムと称す。)上に、シート状に押し出し、厚さ900ミクロンの無定形シートを得た。このシートを表面温度90℃で縦方向(長軸方向)に3.2倍に延伸し、ついで120℃で横方向に4.0倍に延伸した後、230℃で20秒間熱固定処理を行って厚さ90ミクロンの二軸配向PETフィルムを作製した。
−塗布液(組成物)の調製−
調液は以下の手順で行った。
100質量部の1質量%酢酸にエポキシ基含有アルコキシシラン(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業(株)製、KBE403)を添加して十分に加水分解した後、テトラアルコキシシラン(テトラエトキシシラン、信越化学工業(株)製、KBE04)を添加した。このとき添加したアルコキシシラン全量(KBE403及びKBE04の合計量)に占めるKBE403の割合は80%とした。アルコキシシラン全量100質量部に対し、アルミニウムキレート錯体(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートD)を33.1質量部添加し、無機粒子(日産化学工業(株)製、スノーテックスO33、シリカ粒子)を200質量部添加した。界面活性剤A(三洋化成工業(株)製、サンデッドBL、アニオン性)の10%希釈液と界面活性剤B(三洋化成工業(株)製、ナロアクティーCL−95、ノニオン性)の10%希釈液とを0.2質量部ずつ添加し、固形分濃度が15%になるように水を添加し、水性塗布液(組成物)とした。
−塗布層の形成−
上記で作製した塗布液を、ワイヤーバーの4番を用いて、上記で得られたPETフィルムに両面塗布を行い、120℃、2分で乾燥を行い、比較例1の積層フィルムを得た。各コート層の厚さは、約1μmであった。
得られた積層フィルムを用い、以下の方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
<各種評価方法>
−鉛筆硬度−
往復磨耗試験機トライボギア(登録商標)TYPE:30S(新東科学(株)製)を用いて、JIS K5600−5−4に基づき、移動速度0.5mm/秒、加重750gにて、塗布層の鉛筆硬度を測定した。実用上好ましいのはH以上、特に好ましいのは、2H以上のものである。
−アルカリ耐性−
5%のNaOH水溶液に30℃にて10分間浸漬させ処理前後のヘイズ値を測定した。ヘイズの測定には、日本電色工業(株)製のヘイズ測定機NDH5000を用いた。ヘイズ値として、好ましい値は0.15%以下、特に好ましい値は、0.1%以下である。
−dryテープ密着性−
塗布層の表面にカミソリを用いて3mm間隔で縦横それぞれ6本ずつのキズをつけてクロスカットした。次いで、この上に幅20mmのマイラーテープを貼って、90度方向にすばやく剥離した。
剥離したマス目の数により次のようにランク付けを行った。
5:全く剥離が起こらない。
4:剥離したマス目はゼロであるが、キズ部分が僅かに剥離している。
3:剥離したマス目が1マス未満。
2:剥離したマス目が1マス以上5マス未満。
1:剥離したマス目が5マス以上。
実用上許容されるのは、この中でランク3〜5に分類されるものである。
−wet引掻き耐性(wet引掻き荷重測定)−
塗布層付きフィルムを、24℃の蒸留水に2分浸し、その直後、塗布層が乾かないうちに、引掻き試験を行った。引掻き試験は、連続加重式引っ掻き強度試験器(HEIDON−18型、新東科学(株)製)を用いて、サファイヤ針1.0mmφ、加重200gの条件下で長さ10cmを引掻き、塗膜の剥がれの有無を確認した。10cm剥がれた場合を荷重0g、全く剥がれなかった場合を荷重200gとし、剥がれた塗膜の長さから、膜が剥がれたときの荷重を算出した。実用可能レベルは、荷重60g以上で、荷重100g以上であることが好ましく、荷重150g以上であることがより好ましい。
−耐熱性(熱収縮率測定)−
熱収縮率の測定は、後述する実施例3及び201〜204、並びに、比較例201について行った。
得られた積層フィルムを25℃、相対湿度60の雰囲気で24時間調湿した。調湿後のサンプルを用い、カミソリでサンプル表面に約30cm間隔で平行な2つのキズをつけて、この間隔Lを測定した。キズを付したサンプルを180℃で30分間保持して経時することにより熱処理した。
熱処理後のサンプルを25℃、相対湿度60%の雰囲気で24時間調湿してから2つのキズの間隔Lを測定した。
得られたL、Lから下記式を用いて熱収縮率を計算した。
熱収縮率[%]=(L−L)/L×100
上記熱収縮率は、ポリマー支持体のMD方向(長手方向)とTD方向(幅方向)のそれぞれについて測定、計算を行い、これらの平均値をフィルムの熱収縮率とした。なお、熱収縮率の単位は[%]で、数値が正のときは縮みを、負のときは伸びを表す。
−総合評価−
上記各評価を総合的に判断し、以下の評価基準で評価した。
A:各評価とも非常に優れた積層フィルムである。
B:一部評価でAと比較し若干劣るが優れた積層フィルムである。
C:Bと比較し劣るが、実用上問題のない積層フィルムである。
D:実用上、問題がある積層フィルムである。
(比較例2及び3)
比較例1の塗布層の形成において、乾燥温度を、表1記載の温度に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2及び3のフィルムをそれぞれ得た。
(比較例4〜6)
比較例1の塗布層の形成において、塗布処方を、表1記載の量に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例4〜6のフィルムをそれぞれ得た。
(比較例7〜9)
比較例1のPETポリマーペレットの製造において、二酸化ゲルマニウムを、表1記載の触媒(アンチモン:三酸化アンチモン、チタン:クエン酸キレート型チタン、アルミニウム:特開2011−26405号公報の比較例1の触媒処方)に変更し、表1記載の添加量で添加した以外は、比較例1と同様にして、比較例7〜9のフィルムをそれぞれ得た。
(比較例10〜12)
比較例7〜9の塗布層の形成において、塗布処方を、表1記載の量に変更した以外は、比較例7〜9と同様にして、比較例10〜12のフィルムをそれぞれ得た。
(実施例1)
<ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム>
−PENポリマーペレットの製造−
撹拌装置、精留塔、凝縮器を備えたエステル交換反応器にナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100部とエチレングリコール50部及び二酸化ゲルマニウム0.002部、酢酸マグネシウム4水塩0.06部を供給した後、180〜240℃まで徐々に昇温し同時に生成したメタノールは連続的に反応系外へ留出させながらエステル交換反応を行った。こうして得られた反応物に、リン酸トリメチルエステル0.02部を添加し15分間反応させた。引き続いてエチレングリコールを連続的に留出させながら290℃まで昇温し同時に0.2mmHgまで減圧を進めて重縮合反応を行い、ダイヘッド、冷却水槽、カッターを通してペレットとした。得られたPENポリマーペレットの、25℃における固有粘度(IV)は0.50dl/gであり、ポリマー中のジエチレングリコール(DEG)量は1.5mol%であった。
−PENフィルムの製造方法−
上記製造方法にて得られたPENポリマーペレットを減圧下、160℃で10時間乾燥した後、295℃に設定した押出し機を用いて、ステンレス製のポリマーフィルターとダイヘッドを通して80℃の回転ドラム(キャスティングドラムと称す。)上に、シート状に押し出し、厚さ900ミクロンの無定形シートを得た。このシートを表面温度120℃で縦方向(長軸方向)に2.8倍に延伸し、ついで145℃で横方向に3.3倍に延伸した後、255℃で20秒間熱固定処理を行って厚さ90ミクロンの二軸配向PENフィルムを作製した。
−塗布層の形成−
上記比較例1で作製した塗布液を、ワイヤーバーの4番を用いて、上記で得られたPENフィルムに両面塗布を行い、180℃、2分で乾燥を行い、実施例1の積層フィルムを得た。各コート層の厚さは、約1μmであった。
得られた積層フィルムを用い、上記方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例2、3、6及び7)
実施例1のPENポリマーペレットの製造において、二酸化ゲルマニウムの量を、表1記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3、6及び7のフィルムをそれぞれ得た。
(実施例4及び5)
実施例3の塗布層の形成において、乾燥温度を、表1記載の温度に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例4及び5のフィルムをそれぞれ得た。
(実施例8〜10)
実施例3の塗布層の形成において、塗布処方を、表1記載の量に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例8〜10のフィルムをそれぞれ得た。
(比較例13〜17)
実施例1のPENポリマーペレットの製造において、二酸化ゲルマニウムを、表1記載の触媒(アンチモン:三酸化アンチモン、チタン:クエン酸キレート型チタネート、アルミニウム:特開2011−26405の実施例1の触媒処方)に変更し、表1記載の添加量で添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例13〜17のフィルムをそれぞれ得た。
(比較例18〜20)
比較例14、15、17の塗布層の形成において、塗布処方を、表1記載の量に変更した以外は、比較例14、15、17と同様にして、比較例18〜20のフィルムをそれぞれ得た。
(実施例101〜104)
実施例3のPENポリマーペレットの製造において、表2記載のIVになるように、重合時間を変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例101〜104のフィルムをそれぞれ得た。
(実施例105〜108)
実施例3のPENペレットの製造において、表2記載のDEG量になるように、エチレングリコールの仕込み量を変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例105〜108のフィルムをそれぞれ得た。
(実施例109〜112)
実施例3のPENフィルムの製造において、表2記載の結晶化度になるように、熱固定処理の温度を変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例109〜112のフィルムをそれぞれ得た。
(実施例201及び202)
実施例3において、押出し機のスクリュー回転数を変化させ、PENフィルムの厚みを変化させた以外は、実施例3と同様にして、実施例201及び202のフィルムを作製した。
(実施例203及び204)
実施例3において、ワイヤーバーの番手を変化させ、塗布層の厚みを変化させた以外は、実施例3と同様にして、実施例203及び204のフィルムを作製した。
(比較例201)
実施例3において、両面塗布を、片面に行った以外は、実施例3と同様にして、比較例201のフィルムを作製した。
Figure 2016094500
Figure 2016094500
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なお、各実施例で使用したPENフィルムはいずれも、チタン化合物の量が1ppm未満であり、アンチモン化合物の量が10ppm未満であり、かつ、アルミニウム化合物の量が10ppm未満であった。

Claims (14)

  1. ポリエチレンナフタレートフィルムの両面に、
    エポキシ基を有するアルコキシシラン及びエポキシ基を有しないアルコキシシランを含む組成物から形成されたコート層を有し、
    前記ポリエチレンナフタレートフィルムが、ゲルマニウム化合物を含有することを特徴とする
    積層フィルム。
  2. 前記ポリエチレンナフタレートフィルムに含まれるゲルマニウム化合物の量が、ゲルマニウム原子として、50〜130ppmである、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記コート層が、無機粒子を更に含む、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記無機粒子が、シリカ粒子である、請求項3に記載の積層フィルム。
  5. 前記コート層が、金属錯体を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 前記金属錯体が、アルミニウムキレート錯体である、請求項5に記載の積層フィルム。
  7. 前記ポリエチレンナフタレートフィルムの25℃における固有粘度が、0.50dl/g以上0.65dl/g以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  8. 前記ポリエチレンナフタレートフィルムが、エチレングリコールの代わりに一部ジエチレングリコールを重縮合したポリエチレンナフタレートフィルムである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  9. 前記ポリエチレンナフタレートフィルムのジエチレングリコール量が、ジオール成分の全モル量に対し、1.0モル%以上2.0モル%以下である、請求項8に記載の積層フィルム。
  10. 前記ポリエチレンナフタレートフィルムの結晶化度が、38%以上43%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  11. 前記ポリエチレンナフタレートフィルム中に含まれるチタン化合物の量が1ppm未満であるか、アンチモン化合物の量が10ppm未満であるか、又は、アルミニウム化合物の量が10ppm未満である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  12. 前記ポリエチレンナフタレートフィルム中に含まれるチタン化合物の量が1ppm未満であり、アンチモン化合物の量が10ppm未満であり、かつ、アルミニウム化合物の量が10ppm未満である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  13. 前記エポキシ基を有するアルコキシシランが、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルコキシシランである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  14. 前記エポキシ基を有しないアルコキシシランが、テトラアルコキシシランを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層フィルム。
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