JP2016093001A - 交流−直流変換器の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、スイッチング素子7には、図示するMOSFET(電界効果トランジスタ)のほか、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やBJT(バイポーラジャンクショントランジスタ)等が用いられている。
(1)交流入力電圧を所望の大きさの直流電圧に変換して出力し、かつ、交流入力電圧や負荷電流の変動に関わらず直流出力電圧を一定に保つ。
(2)交流入力電流を力率がほぼ1の正弦波とする。
交流入力電圧Vinは正弦波状の波形であり、ダイオードブリッジDBを経た電圧Vr1は整流波形となる。ここで、例えば電圧Vinが正極性の場合、スイッチング素子7をオンすると電圧Vr2が0[V]となり、交流電源1→ダイオード2→リアクトル6→スイッチング素子7→ダイオード5→交流電源1の経路で電流が流れる。これにより、交流電源1の電圧がリアクトル6の両端に加わるので、電流ILは増加する。
このとき、電圧Vr2は、ダイオード8の順方向電圧降下を無視するとコンデンサ9の両端電圧Eにほぼ等しくなり、リアクトル6には交流入力電圧Vinと電圧Eとの差電圧が印加される。回路の動作により電圧EはVinのピーク値より高く保たれているので、電流ILは減少する。
図4において、102〜105は加算手段、106は絶対値演算手段、107は電圧調節手段(AVR)、108は乗算手段、109は電流調節手段(ACR)、110は比較手段、111は論理反転手段、112は三角波(キャリア)発生手段である。
図示されていない電圧検出手段によりコンデンサ9の両端電圧Eを検出し、電圧指令値E*と電圧Eとの偏差を加算手段102により求めて電圧調節手段107に入力する。電圧調節手段107は、例えばPI(比例・積分)調節器であり、その出力としてのIL振幅指令は、電圧Eが指令値E*より小さい時は大きくなり、電圧Eが指令値E*より大きい時は小さくなるように動作する。
乗算手段108により、IL振幅指令とVinの絶対値とを乗算してIL瞬時値指令を得る。ここでは、交流入力電圧と同期した正弦波としてVinそのものを用いているが、他の手段によって同期正弦波が得られる場合にはそれを用いても良い。
また、電圧VinとVr2瞬時値指令及びVr2との位相差も誇張して表現しているが、上記の条件では、ほとんどの場合、電圧VinまたはVr1と電圧Vr2の低周波成分との差は電圧Vinの1%以下になるので、実際の位相差はごく僅かである。
前述したように、図3において、スイッチング素子7がオフ状態で電圧Vr2が概ね電圧Eと等しくなる期間にダイオード8が導通することにより、コンデンサ9が充電される。ダイオード8が導通する期間の時比率αは、電圧Vr1,Vr2の低周波成分の位相差が小さいことから、電圧Vr1すなわちVinの絶対値にほぼ比例する。
[数式1]
id=α・iL=λ・sin(2πf)・iL
数式1において、λは制御率と呼ばれる値であり、概ね、(Vinのピーク値/E)に等しい。また、fは交流入力電圧Vin及び電流Iinの周波数である。
[数式2]
iL=Ia・sin(2πf)
数式1,2より、数式3が得られる。
[数式3]
id=λIa・sin2(2πf)=λIa/2・{1−cos(2π・2f)}
数式3より、電流idは、λIa/2の直流分と周波数2fのリプル成分(以下、低周波リプル成分ともいう)とを含むことになる。
なお、電流Idの、スイッチングによる高周波リプル成分に対して発生するリプル電圧については、コンデンサ9のキャパシタンスが示すインピーダンスが十分低く、発生するリプル電圧が小さいため、ここでは無視できるものとする。
以下、リプル電圧に関しては、前述した低周波リプル成分に起因する低周波リプル電圧についてのみ論じるものとする。
図6は、この従来技術を示す構成図である。図6において、コンバータの主回路内の11は高周波フィルタ、12は交流−直流変換回路、13は主スイッチング素子、14,16はダイオード、15は補助スイッチング素子、21は電流検出器であり、その他の部分については図3と同一の参照符号を付してある。
また、制御回路20において、22は積分回路、23,28は比較回路、24は補助スイッチング素子15の駆動回路、25は変圧器、26は絶対値回路、27は誤差増幅器、29は主スイッチング素子13の駆動回路である。
また、コンデンサ9の電圧分圧値と基準電圧とが入力される誤差増幅器27の出力と、絶対値回路26から出力される交流入力電圧の絶対値との乗算結果を、比較回路28にてパルス面積変調信号と比較することによりPWM信号を生成し、このPWM信号に基づいて駆動回路29が主スイッチング素子13を駆動する。
前記直流電圧の指令値と検出値との偏差に応じて電流振幅指令を生成する電圧調節手段と、前記電流振幅指令と前記交流入力電圧に同期した正弦波とを乗算して電流瞬時値指令を生成する第1の乗算手段と、前記交流入力電流が前記電流瞬時値指令に一致するように制御する電流調節手段と、を備え、
前記電流調節手段の出力と前記交流入力電圧とから生成した電圧瞬時値指令を用いて前記半導体スイッチング素子を駆動することにより、前記交流−直流変換器の交流入力電流を前記交流入力電圧と位相がほぼ等しい正弦波に制御可能とした制御装置において、
前記交流入力電圧及び前記電流振幅指令に基づいて、整流後の前記直流電圧に含まれるリプル電圧を予測演算するリプル予測手段と、
前記リプル予測手段により演算したリプル電圧予測値を、前記電圧調節手段の入力側において前記直流電圧の検出値から減算する手段と、を有するものである。
更に、本発明は、従来の制御装置に若干の機能を追加するだけで実現可能であり、構成の複雑化や高コスト化を招くおそれもない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、図4と同一の部分には同一の参照記号を付してあり、以下では図4と異なる部分を中心に説明する。ここで、本実施形態の制御装置は、例えば図3に示したPFC回路の半導体スイッチング素子7を制御するために使用される。
また、正弦波状の交流入力電圧Vinは二乗手段201に入力され、二乗手段201の出力とIL振幅指令とが第2の乗算手段202により乗算される(便宜的に、他の乗算手段108を第1の乗算手段という)。乗算手段202の出力は、ハイパスフィルタ203を介して積分手段204に入力されており、その出力が前記加算手段205に入力されている。
上記構成において、二乗手段201,乗算手段202,ハイパスフィルタ203及び積分手段204は、請求項におけるリプル予測手段を構成している。
まず、二乗手段201により、交流入力電圧Vinの二乗波形、すなわち前述した数式3におけるsin2成分に相当する波形を得る。また、図3のダイオード8を流れる電流Idのリプル成分はIL振幅指令に比例するため、図1の乗算手段202により、二乗手段201の出力にIL振幅指令を乗じてIdのリプル成分を演算する。
[数式4]
ΔE=Irp/(2π・2f・C)
積分手段204の積分ゲインは、数式4を考慮して、振幅ΔE相当の正弦波が出力されるように調整する。この積分手段204の出力をリプル電圧予測値として加算手段205により電圧Eから差し引き、その結果を加算手段102に入力する。
上記の発振を防止するには、図示されていないホールド手段により、IL振幅指令を乗算手段202に入力する前に、交流入力電圧Vinの半周期または1周期等の期間でホールドする方法がある。この場合、積分手段204から出力されるリプル電圧予測値の振幅ΔEは、ホールド期間中、変化しないが、過渡変動による電圧Eの変化は加算手段205,102を介して遅滞なく電圧調節手段107に入力されるので、直流電圧制御系の応答速度を損なうことはない。
図2において、206はPLL(Phase Locked Loop)手段である。このPLL手段206により、電圧Vinに同期し、かつVinの2倍周波数の正弦波を直接出力し、乗算手段202によりIL振幅指令と乗算する。そして、この乗算手段202の出力を、リプル電圧予測値として加算手段205に入力する。
なお、PLL手段206及び乗算手段202は、請求項におけるリプル予測手段を構成している。
この第2実施形態によれば、第1実施形態に比べて制御装置の構成を一層簡略化することができる。
2〜5:ダイオード
6:リアクトル
7:半導体スイッチング素子
8:ダイオード
9:コンデンサ
10:負荷
102〜105:加算手段
106:絶対値演算手段
107:電圧調節手段
108:乗算手段
109:電流調節手段
110:比較手段
111:論理反転手段
112:三角波発生手段
201:二乗手段
202:乗算手段
203:ハイパスフィルタ
204:積分手段
205:加算手段
206:PLL手段
DB:ダイオードブリッジ
Claims (3)
- 単相の交流入力電圧を整流して得た直流電圧を、半導体スイッチング素子のオン,オフにより所定の大きさの直流電圧に変換する交流−直流変換器の制御装置であって、
前記直流電圧の指令値と検出値との偏差に応じて電流振幅指令を生成する電圧調節手段と、前記電流振幅指令と前記交流入力電圧に同期した正弦波とを乗算して電流瞬時値指令を生成する第1の乗算手段と、前記交流入力電流が前記電流瞬時値指令に一致するように制御する電流調節手段と、を備え、
前記電流調節手段の出力と前記交流入力電圧とから生成した電圧瞬時値指令を用いて前記半導体スイッチング素子を駆動することにより、前記交流−直流変換器の交流入力電流を前記交流入力電圧と位相がほぼ等しい正弦波に制御可能とした制御装置において、
前記交流入力電圧及び前記電流振幅指令に基づいて、整流後の前記直流電圧に含まれるリプル電圧を予測演算するリプル予測手段と、
前記リプル予測手段により演算したリプル電圧予測値を、前記電圧調節手段の入力側において前記直流電圧の検出値から減算する手段と、
を有することを特徴とする交流−直流変換器の制御装置。 - 請求項1に記載した交流−直流変換器の制御装置において、
前記リプル予測手段は、
前記交流入力電圧と同期した正弦波の瞬時値を二乗する二乗手段と、
前記二乗手段の出力と前記電流振幅指令とを乗算する第2の乗算手段と、
前記第2の乗算手段の出力から直流量を除去した波形の位相を90°ずらして前記リプル電圧予測値を生成する移相手段と、
を備えたことを特徴とする交流―直流変換器の制御装置。 - 請求項1に記載した交流−直流変換器の制御装置において、
前記リプル予測手段は、
前記交流入力電圧と同期して前記交流入力電圧の2倍周波数の正弦波を出力するPLL手段と、
前記PLL手段の出力と前記電流振幅指令とを乗算して前記リプル電圧予測値を生成する第2の乗算手段と、
を備えたことを特徴とする交流−直流変換器の制御装置。
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