JP2016092172A - 回路基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板を製造するに際して、無機充填材を含む絶縁層に、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成することができる技術を提供する。【解決手段】開口径が15μm以下のビアホールが形成された絶縁層を含む回路基板であって、絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)が150nm以下であり、絶縁層が無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下である、回路基板。【選択図】なし

Description

本発明は、回路基板及びその製造方法に関する。
各種電子機器に広く使用されている回路基板は、電子機器の小型化、高機能化のために、回路配線の微細化、高密度化が求められている。回路基板の製造技術としては、内層基板に絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、絶縁層は、例えば支持体と該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを含む接着フィルム等を用いて樹脂組成物層を内層基板に積層し、樹脂組成物層を熱硬化させることにより形成される。次いで、形成された絶縁層にレーザーにより穴あけ加工してビアホールを形成し、デスミア処理を行うことによって、ビアホール内部の樹脂残渣(スミア)の除去と絶縁層表面の粗化が同時に行われる(例えば、特許文献1)。
特開2008−37957号公報
回路配線の更なる高密度化を達成するにあたって、ビアホールの小径化が望まれている。ビアホールは、一般にレーザーによる穴あけ加工により形成され、レーザーとしては、穿孔速度が高く製造コスト面で有利である炭酸ガスレーザーが現在主に使用されている。しかし、ビアホールの小径化には限界があり、例えば、炭酸ガスレーザーによっては開口径25μm以下のビアホールを形成するのが困難な状況である。
ビアホールの形成に使用し得るレーザーとしては、炭酸ガスレーザーの他にエキシマレーザー(Excited Dimer Laserの略称)が挙げられる。エキシマレーザーは、ビアホールの形成にはあまり利用されていないが、一般に強い紫外領域のレーザーが得られるため、炭酸ガスレーザーなどの赤外線レーザーと異なり、熱を発生しない。そのため、より微細な加工が可能であり、ビアホールの小径化に寄与することが期待される。
他方、高速信号伝送に対応すべく絶縁層の低誘電率化が進められており、絶縁層中に無機充填材を含有させることが好適である。
本発明者らは、無機充填材を含有する絶縁層にエキシマレーザーによって小径のビアホールを形成することを試みた。その結果、レーザー加工性が低下して、ビアホールの形状(単に「ビア形状」ともいう。)が悪化したり、ビアホール内部のスミア量が増大したりする場合のあることを見出した。特に、誘電率の低い絶縁層を達成すべく絶縁層中の無機充填材含有量を高くする場合に大きな問題となる。また、エキシマレーザーによりビアホールを形成する絶縁層の算術平均粗さ(Ra)の値が高い場合も同様の問題があることを見出した。ビア形状の悪化は導通信頼性の低下を招き、またビアホール内部のスミア量の増大は厳しい条件にてデスミア処理を行うことを必要とし回路配線の微細化の障害となる。
本発明の課題は、回路基板を製造するに際して、無機充填材を含む絶縁層に、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成することができる技術を提供することにある。
本発明は以下の内容を含む。
[1] 開口径が15μm以下のビアホールが形成された絶縁層を含む回路基板であって、
絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)が150nm以下であり、
絶縁層が無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下である、回路基板。
[2] 絶縁層の表面のRaが100nm以下である、[1]に記載の回路基板。
[3] ビアホールの開口径が12μm以下である、[1]又は[2]に記載の回路基板。
[4] 絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域の樹脂面積Aと無機充填材面積Aとが、0.1≦A/(A+A)を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の回路基板。
[5] ビアホールの開口径Dとビアホールの最小径Dminとが、0.65≦Dmin/Dを満たす、[1]〜[4]のいずれかに記載の回路基板。
[6] 絶縁層が、芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の回路基板。
[7] 無機充填材がシリカである、[1]〜[6]のいずれかに記載の回路基板。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の回路基板を含む半導体装置。
[9] (A)支持体と該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを含む接着フィルムを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板に積層する工程;
(B)支持体が付いた状態で樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程;及び
(C)絶縁層にエキシマレーザーにより開口径が15μm以下のビアホールを形成する工程、を含む回路基板の製造方法であって、工程(B)で形成される絶縁層が無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下である、回路基板の製造方法。
[10] 工程(C)の前に、支持体を除去する、[9]に記載の方法。
[11] 絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)が150nm以下である、[9]又は[10]に記載の方法。
[12] 絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域の樹脂面積Aと無機充填材面積Aとが、0.1≦A/(A+A)を満たす、[9]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13] ビアホールの開口径Dとビアホールの最小径Dminとが、0.65≦Dmin/Dを満たす、[9]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 絶縁層が、芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材を含む、[9]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 無機充填材がシリカである、[9]〜[14]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、回路基板を製造するに際して、無機充填材を含む絶縁層に、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成することができる。
図1は、絶縁層の断面において、幅15μmの領域における粒径3μm以上の無機充填材のカウント方法を説明するための概略図である。 図2は、ビア形状を説明するための概略図である。
まず本発明のコンセプトについて説明する。
本発明においては、下記条件(i)及び(ii)を満たしつつ、絶縁層にエキシマレーザーにより小径(例えば開口径が15μm以下)のビアホールを形成する:
(i)絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)が150nm以下;及び
(ii)絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下。
本発明者らは、回路基板の製造に際して、上記特定の条件(i)及び(ii)を満たしつつエキシマレーザーにより穴あけ加工することによって、無機充填材を含む絶縁層に、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成し得るに至ったものである。
−条件(i)−
条件(i)は、絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)に関する。本発明者らは、エキシマレーザーにより小径のビアホールを形成する場合、ビア形状やスミア量に絶縁層の表面のRaが大きく影響することを見出した。
良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成する観点から、絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)は、150nm以下であり、好ましくは140nm以下、より好ましくは130nm以下、さらに好ましくは120nm以下、さらにより好ましくは110nm以下、特に好ましくは100nm以下、90nm以下、80nm以下、又は70nm以下である。該Raの下限は特に限定されないが、絶縁層と導体層との密着強度を安定化させる観点から、通常、1nm以上、5nm以上、10nm以上などとし得る。絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。非接触型表面粗さ計の具体例としては、ビーコインスツルメンツ社製の「WYKO NT3300」が挙げられる。
−条件(ii)−
条件(ii)は、絶縁層中の無機充填材の粒径に関する。本発明者らは、エキシマレーザーにより小径のビアホールを形成する場合、ビア形状やスミア量に絶縁層中の無機充填材の粒径が大きく影響することを見出した。
良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成する観点から、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面(単に「絶縁層の断面」ともいう。)において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数nは、1.0以下であり、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.7以下、0.6以下、又は0.5以下である。該平均数nの下限は低いほど好ましく、0であってよい。
絶縁層の断面は、FIB−SEM複合装置を使用して好適に観察することができる。FIB−SEM複合装置としては、例えば、SIIナノテクノロジー(株)製「SMI3050SE」が挙げられる。FIB(集束イオンビーム)により絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面を削りだした後、該断面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察し、断面SEM画像を取得することができる。SEMによる観察幅、観察倍率は、絶縁層の断面において幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材を適切にカウントし得る限り特に限定されず、使用する装置の仕様に応じて決定してよい。
平均数nを得るに際して、「幅15μmの領域」とは、断面SEM画像において、絶縁層の全厚t(μm)×幅15μmの領域を指す。また、「粒径3μm以上の無機充填材」とは、断面SEM画像における最大径が3μm以上の無機充填材をいう。なお、無機充填材の最大径の1/2超が幅15μmの領域に入っている場合に、該無機充填材は「幅15μmの領域に含まれる」と判定する。図1を参照して、無機充填材のカウント方法をより詳細に説明する。図1には、樹脂成分10と粒径3μm以上の無機充填材12とを含む、厚さtの絶縁層10の断面を示している。図1記載の絶縁層の断面においては、粒径3μm以上の無機充填材は3つ存在し、各無機充填材の最大径は一点鎖線で示している。3つの無機充填材のうち、真ん中の無機充填材は、幅15μmの領域にその最大径の全てが入っており、該無機充填材は「幅15μmの領域に含まれる」と判定する。左側の無機充填材は、幅15μmの領域にその最大径の1/2超が入っており、該無機充填材は「幅15μmの領域に含まれる」と判定する。右側の無機充填材は、幅15μmの領域にその最大径の1/2未満しか入っておらず、該無機充填材は幅15μmの領域に含まれないと判定する。したがって、図1記載の絶縁層の断面に関しては、幅15μmの領域に粒径3μm以上の無機充填材は2つ存在すると判定する。絶縁層サンプルについて、十分な数(N)の断面SEM画像を取得し、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材をカウントすることにより、平均数nを算出することができる。ここで、Nは10以上であることが好適である。本発明において、平均数nは、後述する<絶縁層中の無機充填材の粒径の評価>に記載の手順に従って算出することができる。
上記の条件(i)及び(ii)を満たす本発明によれば、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成することができる。ビアホールを小径化するに伴って、ビア形状や内部スミア量の問題は顕著となる傾向にあるが、本発明の方法によれば、例えば15μm以下、好ましくは14μm以下、より好ましくは12μm以下、さらに好ましくは10μm以下、9μm以下、8μm以下、7μm以下、6μm以下、又は5μm以下の開口径(トップ径)を有するビアホールを、ビア形状や内部スミア量の悪化なしに有利に形成することができる。ビアホールの開口径の下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、2μm以上、3μm以上などとし得る。
先述のとおり、本発明者らは、絶縁層中に粒径の大きな無機充填材が一定量以上含まれると、エキシマレーザーによるレーザー加工性が低下して、ビアホールの形状(単に「ビア形状」ともいう。)が悪化したり、ビアホール内部のスミア量が増大したりする場合があることを見出した。特に、無機充填材の含有量が高くなると問題はより顕在化する。これに対し、本発明によれば、絶縁層中の無機充填材含有量が高い場合であっても、該絶縁層に、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成することができる。
絶縁層中の無機充填材含有量は、絶縁層の断面における無機充填材の面積比を用いて評価することができる。詳細には、絶縁層中の無機充填材含有量は、絶縁層の断面における幅15μmの領域の樹脂面積をA、無機充填材面積をAとするとき、A/(A+A)の値を用いて評価することができる。A/(A+A)の値が大きいほど、絶縁層中の無機充填材含有量が高いこと表す。絶縁層の低誘電率化の観点から、A/(A+A)の値は、好ましくは0.1以上(すなわち、0.1≦A/(A+A))、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、さらにより好ましくは0.4以上である。A/(A+A)の値の上限は特に限定されないが、絶縁層の機械強度等の観点から、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。なお本発明において、「樹脂面積」とは、樹脂成分が占める面積をいう。樹脂面積についていう「樹脂成分」とは、絶縁層を構成する成分のうち、無機充填材を除いた成分をいう。絶縁層の断面におけるA/(A+A)の値は、後述する<絶縁層断面における樹脂面積及び無機充填材面積の測定>に記載の手順に従って求めることができる。
本発明においては、上記の条件(i)及び(ii)を満たしつつ、絶縁層にエキシマレーザーにより小径のビアホールを形成する。
エキシマレーザーは、一般に希ガスとハロゲンガスの混合ガスを用いてレーザー光を発生させる。発生するレーザー光の波長は紫外領域に属し、炭酸ガスレーザーのような赤外線レーザーと比較して発熱が極めて少ない。エキシマレーザーのレーザー波長は、使用する混合ガスの種類によって異なり、例えば、193nm(ArF)、248nm(KrF)、308nm(XeCl)、351nm(XeF)である。特に、248nm(KrF)、308nm(XeCl)が好適である。また希ガスのみでレーザー光を発生させるエキシマレーザーも知られており、該エキシマレーザーのレーザー波長として172nm(Xe)、146nm(Kr)、126nm(Ar)が存在する。これらも本発明におけるエキシマレーザーに含まれる。
エキシマレーザーによる穴あけ加工条件(例えば、レーザー波長、パルス数、パルス幅、出力)は、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成し得る限り特に限定されず、使用するエキシマレーザー加工機の仕様に応じて、一般的な加工条件の範囲で適宜決定することができる。市販のエキシマレーザー加工機としては、例えば、SUSS MicroTech社製「ELP300 Gen2」が挙げられる。
先述の条件(i)及び(ii)を満たしつつエキシマレーザーにより穴あけ加工する本発明の方法によれば、無機充填材を含む絶縁層(たとえ無機充填材含有量が高い絶縁層であっても)に、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成することができる。
図2を参照して、ビアホールの形状について説明する。図2には、内層基板1と、該内層基板と接合するように設けられた厚さtの絶縁層10とが示されており、該絶縁層10には、(a)乃至(c)の模式的なビアホールが形成されている。本発明において、ビアホールの「開口径」(D)とは、絶縁層表面(図2においてZ=0の位置)におけるビアホールの径をいう。また、ビアホールの「最小径」(Dmin)とは、Zが0〜tの範囲におけるビアホールの最小径をいう。ビアホールの「最大径」(Dmax)とは、Zが0〜tの範囲におけるビアホールの最大径をいう。例えば、図2における(a)のビアホールは、絶縁層表面から絶縁層の深さ方向(Z)に進むにつれて径が徐々に小さくなる順テーパ形状を有する。斯かるビアホール(a)では、開口径Dが最大径Dmaxであり、ビアホール底部(図2においてZ=tの位置)において最小径Dminを呈する。エキシマレーザーを用いてビアホールを形成する場合、一般に、(a)のビアホールが形成される。また、図2における(b)又は(c)のビアホールが形成される場合がある。(b)のビアホールは、絶縁層表面から絶縁層の深さ方向(Z)に一定距離(kt;但し、kは0<k<1を満たす数である。)進む間は径が徐々に小さくなり、更に深さ方向に進むと径が徐々に大きくなる。斯かるビアホール(b)では、開口径D又はビアホール底部(Z=tの位置)の径が最大径Dmaxであり、深さktの位置において最小径Dminを呈する。(c)のビアホールは、絶縁層表面から絶縁層の深さ方向(Z)に一定距離(kt;但し、kは0<k<1を満たす数である。)進む間は径が徐々に大きくなり、更に深さ方向に進むと径が徐々に小さくなる。斯かるビアホール(c)では、深さktの位置において最大径Dmaxを呈し、開口径D又はビアホール底部(Z=tの位置)の径が最小径Dminである。
(a)乃至(c)のビアホールの別を問わず、良好な導通信頼性を得る観点から、ビアホールの開口径Dとビアホールの最小径Dminとは、0.65≦Dmin/Dを満たすことが好適である。Dmin/Dの値が低いと、ビアホール内部へのめっき液の浸透の悪化に帰着し、ひいては導通信頼性の低下を招くためである。一層良好な導通信頼性を得る観点から、Dmin/Dの値は、好ましくは0.66以上、より好ましくは0.68以上、さらに好ましくは0.70以上、0.72以上、0.74以上、0.76以上、0.78以上、又は0.80以上である。Dmin/Dの値の上限は1であり、通常、0.99以下、0.98以下、0.95以下、0.90以下などとなる。本発明の方法によれば、Dmin/Dの値が高い小径のビアホールを有利に形成することができる。Dmin/Dの値は、十分な数(N)のビアホールについて、ビアホール開口部をSEMにより表面観察して求めることができる。(c)のビアホールに関しても、開口径Dよりもビアホール底部の径が小さい場合には、SEMによる表面観察によって最小径Dminを測定し得るためである(ビアホール底部の径が視認されない場合は、開口径Dが最小径Dminである)。Nは10以上であることが好適である。
なお、(c)のビアホールが多く形成されることは希であるが、斯かる場合、ビアホールの開口径Dとビアホールの最大径Dmaxとは、Dmax/D≦1.35を満たすことが好適である。Dmax/Dの値は、好ましくは1.30以下、より好ましくは1.20以下、さらに好ましくは1.10以下又は1.05以下である。Dmax/Dの値の下限は1である。Dmax/Dの値は、十分な数(N)のビアホールについて、ビアホール断面をSEMにより観察して求めることができる。Nは10以上であることが好適である。
本発明において、絶縁層の厚さt(μm)とビアホールの開口径D(μm)とは、良好なビア形状を有し内部スミア量の少ない小径のビアホールを形成する観点から、t≦3Dを満たすことが好ましく、t≦2.5Dを満たすことがより好ましく、t≦2Dを満たすことがさらに好ましく、t≦1.8D、t≦1.6D、t≦1.4D、t≦1.2D、又はt≦1Dを満たすことがさらにより好ましい。絶縁層の厚さtの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、2μm以上、3μm以上などである。
好適な実施形態において、絶縁層は、無機充填材を含む樹脂組成物層を熱硬化して形成される。
絶縁層の誘電率を十分に低下させて高速信号伝送を達成する観点から、樹脂組成物層を構成する樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。
なお、本発明において、樹脂組成物を構成する各成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
無機充填材を含む樹脂組成物を使用して絶縁層を形成すると、エキシマレーザーによるレーザー加工性が低下して、ビア形状が悪化したり、ビアホール内部のスミア量が増大したりする場合がある。これに対し、上記特定の条件(i)及び(ii)を満たしつつエキシマレーザーによりビアホールを形成する本発明においては、ビア形状やスミア量の問題なしに、無機充填材含有量が高い樹脂組成物を使用することができる。例えば、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上にまで高めてよい。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、絶縁層の機械強度の低下を防止する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが特に好適である。またシリカとしては球形シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材の平均粒径は、上記の条件(i)及び(ii)を好適に満たす観点から、好ましくは0.6μm以下、より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.4μm以下、0.3μm以下、0.25μm以下、0.2μm以下、0.15μm以下、又は0.1μm以下である。無機充填材の平均粒径の下限は、特に限定されないが、通常、0.01μm以上、0.02μm以上などとし得る。このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、電気化学工業(株)製「UFP−30」、「UFP−40」、(株)アドマテックス製「SO−C2」、「SO−C1」、「YC100C」、「YA050C」、「YA050C−MJE」、「YA010C」、トクヤマ(株)製「シルフィルNSS−3N」、「シルフィルNSS−4N」、「シルフィルNSS−5N」が挙げられる。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性向上のため、シラン化合物、オルガノシラザン化合物、アルミニウム系カップリング剤、チタニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤などの1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。
特に、芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材を使用することにより、上記のA/(A+A)の値が高く、かつ、上記条件(ii)の平均数nが低い、絶縁層を実現し得ることを本発明者らは見出している。したがって好適な一実施形態において、樹脂組成物層を構成する樹脂組成物、ひいては絶縁層は、芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材を含む。
/(A+A)の値が高く、かつ、平均数nが低い絶縁層を実現し得る観点から、芳香環を有する有機基としては、炭素原子数が6〜20(好ましくは6〜14、より好ましくは6〜12、さらに好ましくは6〜10)のアリール基が好ましく、中でもフェニル基が好ましい。
無機充填材の処理に使用される芳香環を有する有機基を含むシラン化合物としては、上記の芳香環を有する有機基を無機充填材の表面に導入し得る限り特に限定されず、後述するエポキシ樹脂等の樹脂成分と反応し得る反応基(例えば、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基等)をさらに有していてもよい。斯かるシラン化合物の具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、メルカプトプロピルフェニルジメトキシシランが挙げられる。シラン化合物の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。シラン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、A/(A+A)の値が高く、かつ、平均数nが低い絶縁層を実現し得る観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やフィルム形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
一実施形態において、樹脂組成物層を構成する樹脂組成物は、上記無機充填材に加えて、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、回路基板の絶縁層を形成する際に使用される従来公知の熱硬化性樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。樹脂組成物層を構成する樹脂組成物はまた、硬化剤を含んでいてもよい。したがって一実施形態において、樹脂組成物は、無機充填材に加えて、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む。
−エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%としたとき、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。中でも、樹脂組成物は、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(「固体状エポキシ樹脂」ともいう。)を単独で、又は、固体状エポキシ樹脂と、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)とを組み合わせて含むことが好ましい。固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系固体状エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する芳香族系液状エポキシ樹脂がより好ましい。本発明において、芳香族系のエポキシ樹脂とは、その分子内に芳香環を有するエポキシ樹脂を意味する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032H」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」、「828US」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、(株)ダイセル製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及びビスフェノールAF型エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP7200」、「HP7200H」、「HP7200HH」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA7311−G4」、「EXA7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「YL7723」、「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:5の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)後述する接着フィルムの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)接着フィルムの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する絶縁層を得ることができるなどの効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.5〜1:5の範囲がより好ましく、1:1〜1:4.5の範囲がさらに好ましく、1:1.5〜1:4.5の範囲が特に好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、3質量%〜60質量%が好ましく、5質量%〜55質量%がより好ましく、5質量%〜45質量%がさらに好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、さらにより好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100〜5000、より好ましくは250〜3000、さらに好ましくは400〜1500である。ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
−硬化剤−
硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着強度の観点から、含窒素フェノール系硬化剤又は含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン構造含有フェノール系硬化剤又はトリアジン構造含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び導体層との密着強度を高度に満足させる観点から、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂又はトリアジン構造含有ナフトールノボラック樹脂が好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学(株)製の「SN−170」、「SN−180」、「SN−190」、「SN−475」、「SN−485」、「SN−495」、「SN−375」、「SN−395」、DIC(株)製の「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−3018」、「LA−1356」、「TD2090」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤の好適な具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーとを反応させて得られる活性エステル化合物が挙げられ、中でもジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基を有するリン原子含有オリゴマーとを反応させて得られる活性エステル化合物がより好ましい。なお本発明において、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンタレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤としては、特開2004−277460号公報、特開2013−40270号公報に開示されている活性エステル化合物を用いてもよく、また市販の活性エステル化合物を用いることもできる。活性エステル化合物の市販品としては、例えば、DIC(株)製の「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」、「HPC−8000L−65M」(ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物)、DIC(株)製の「9416−70BK」(ナフタレン構造を含む活性エステル化合物)、三菱化学(株)製の「DC808」(フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物)、三菱化学(株)製の「YLH1026」(フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物)、DIC(株)製の「EXB9050L−62M」(リン原子含有活性エステル化合物)が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル系硬化剤、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。具体例としては、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート))、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の市販品としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、得られる絶縁層の機械強度や耐水性を向上させる観点から、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.3〜1:1.5の範囲がより好ましく、1:0.4〜1:1.2の範囲がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。
樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及び有機充填材からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含有していてもよい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YX7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜5質量%である。
−硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物層中の硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分の合計を100質量%としたとき、0.05質量%〜3質量%の範囲で使用することが好ましい。
−難燃剤−
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物中の難燃剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜9質量%である。
−有機充填材−
有機充填材としては、回路基板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられ、ゴム粒子が好ましい。
ゴム粒子としては、ゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体である限り特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。ゴム粒子としては、具体的には、XER−91(日本合成ゴム(株)製)、スタフィロイドAC3355、AC3816、AC3816N、AC3832、AC4030、AC3364、IM101(以上、アイカ工業(株)製)パラロイドEXL2655、EXL2602(以上、呉羽化学工業(株)製)などが挙げられる。
有機充填材の平均粒子径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。有機充填材の平均粒子径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤に有機充填材を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製「FPAR−1000」)を用いて、有機充填材の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。樹脂組成物層中の有機充填材の含有量は、好ましくは1質量%〜10質量%、より好ましくは2質量%〜5質量%である。
−他の成分−
樹脂組成物は、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。斯かる他の成分としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、回転ミキサーなどを用いて混合・分散する方法などが挙げられる。なお、上記の条件(ii)における平均数nを低下させる観点から、必要に応じて、樹脂組成物をフィルター濾過するなどして所定の粒径を有する粒子を除去してもよい。したがって、一実施形態において、絶縁層は、フィルター濾過により粒径d(μm)以上の粒子を除去する処理を行った樹脂組成物の層を熱硬化して形成される。ここで、dは、好ましくは4以下、より好ましく3以下、さらに好ましくは2以下、さらにより好ましくは1以下である。フィルターの濾過精度は好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、さらにより好ましくは1μm以下である。樹脂組成物の濾過に使用し得る好適なフィルターとしては、例えば、(株)ロキテクノ製「SCP−010」、「SHP−020」、「SHP−030」が挙げられる。
[回路基板]
上記の本発明のコンセプトに基づいて得られる回路基板について説明する。
本発明の回路基板は、開口径が15μm以下のビアホールが形成された絶縁層を含む回路基板であって、
絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)が150nm以下であり、
絶縁層が無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下であることを特徴とする。
本発明の回路基板は、無機充填材を含む絶縁層に、ビア形状が良好で内部スミア量の少ない小径のビアホールが形成されていることを特徴とする。
ビアホールの開口径の好適な範囲、ビアホールの形状(すなわち、Dmin/D及びDmax/Dの好適な範囲)、絶縁層の表面の好適なRa値、絶縁層の厚さ、絶縁層の断面における平均数n及びA/(A+A)の好適な範囲は、先述のとおりである。絶縁層の組成もまた、先述のとおりである。好適な一実施形態において、絶縁層は、芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材を含む。芳香環を有する有機基の詳細、好適なシラン化合物は、先述のとおりである。
本発明の回路基板は、絶縁層の表面に形成された導体層(回路)をさらに含む。導体層の詳細は、後述する[回路基板の製造方法」に記載のとおりである。好適な一実施形態において、本発明の回路基板は、回路幅(ライン;L)と回路間の幅(スペース;S)の比(L/S)が10μm/10μm以下(すなわち、配線ピッチ20μm以下)の回路を含む。より好適な一実施形態において、L/S=9μm/9μm以下(配線ピッチ18μm以下)、L/S=8μm/8μm以下(配線ピッチ16μm以下)、L/S=7μm/7μm以下(配線ピッチ14μm以下)、L/S=6μm/6μm以下(配線ピッチ12μm以下)、L/S=5μm/5μm以下(配線ピッチ10μm以下)、又はL/S=4μm/4μm以下(配線ピッチ8μm以下)の微細な回路を含む。
[半導体装置]
本発明の回路基板を用いて、半導体装置を製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、回路基板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「回路基板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、などが挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップを回路基板の凹部に直接埋め込み、半導体チップと回路基板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
[回路基板の製造方法]
本発明の回路基板の製造方法は、上記の本発明のコンセプトを達成し得る限りにおいて特に限定されない。以下、本発明のコンセプトを達成し得る好適な実施形態について例示する。
好適な実施形態において、本発明の回路基板の製造方法は、
(A)支持体と該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを含む接着フィルムを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板に積層する工程;
(B)支持体が付いた状態で樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程;及び
(C)絶縁層にエキシマレーザーにより開口径が15μm以下のビアホールを形成する工程、を含み、工程(B)で形成される絶縁層が無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下であることを特徴とする。
−工程(A)−
工程(A)において、支持体と該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを含む接着フィルムを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板に積層する。
樹脂組成物層を構成する樹脂組成物は、上記のとおりである。樹脂組成物層の厚さは、得られる絶縁層の厚さt(μm)がビアホールの開口径D(μm)との間で上記特定の関係(すなわち、t≦3D)を満たす限り特に限定されず、適宜決定してよい。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する側の表面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型剤の市販品としては、例えば、アルキド樹脂系離型剤である、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
支持体の、樹脂組成物層と接合する側の表面の算術平均粗さ(Ra)は、工程(B)で形成される絶縁層の表面のRa値を低下させる観点から、150nm以下であり、好ましくは140nm以下、より好ましくは130nm以下、さらに好ましくは120nm以下、さらにより好ましくは110nm以下、特に好ましくは100nm以下、90nm以下、80nm以下、又は70nm以下である。該Raの下限は特に限定されないが、導体層との密着強度が良好な絶縁層を得る観点から、通常、1nm以上、5nm以上、10nm以上などとし得る。支持体の、樹脂組成物層と接合する側の表面の算術平均粗さ(Ra)は、絶縁層の表面のRaについて説明したものと同様の方法により測定することができる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、好ましくは75μm以下、より好ましくは60μm以下、50μm以下、又は40μm以下である。支持体の厚さの下限は特に限定されないが、通常、1μm以上、2μm以上、5μm以上などとし得る。なお、支持体が離型層付き支持体である場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
接着フィルムは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
接着フィルムにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。接着フィルムは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。接着フィルムが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
工程(A)で用いる「内層基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板、又は該基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された基板をいう。また回路基板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「内層基板」に含まれる。回路基板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用すればよい。
内層基板と接着フィルムの積層は、例えば、支持体側から接着フィルムを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。接着フィルムを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を接着フィルムに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に接着フィルムが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と接着フィルムの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された接着フィルムの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
−工程(B)−
工程(B)において、支持体が付いた状態で樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
熱硬化の条件は特に限定されず、回路基板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物層に用いる樹脂組成物の組成等によっても異なるが、最終的に適切な絶縁層が形成され得る条件であれば特に限定されず、例えば、熱硬化温度は、120℃〜240℃の範囲が好ましく、150℃〜210℃の範囲がより好ましく、160℃〜190℃の範囲がさらに好ましい。ここで、熱硬化温度は、必ずしも上記温度範囲のうち所定の温度に固定されている必要はなく、最終的に適切な絶縁層が形成される限り経時的に変化させてもよく、異なる硬化温度で複数段階に分けて硬化してもよい。また硬化温度の最高到達温度が上記範囲内にあるのが好ましい。
熱硬化時間は、樹脂組成物層に用いる樹脂組成物の組成や熱硬化温度によっても異なるが、最終的に適切な絶縁層が形成される限り特に限定されず、例えば、20分間〜150分間、好ましくは30分間〜120分間、より好ましくは40分間〜120分間とすることができる。
樹脂組成物層の熱硬化は、大気圧下(常圧下)にて行うことが好ましい。
先述のとおり、本発明においては、絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)を150nm以下とする(条件(i))。Ra値が150nmを超える場合、レーザー加工性が低下して、ビア形状が悪化する、ビアホール内部のスミア量が増大するといった問題が生じる。一般に樹脂組成物を熱硬化して絶縁層を形成する場合、樹脂の溶融により無機充填材が絶縁層表面に露出したり、表面にうねりが生じる等して平滑性が低下し、Raを低い値にすることが難しいが、樹脂組成物層に支持体が付いた状態で樹脂組成物層を熱硬化する本発明の回路基板の製造方法によれば、容易に低いRa値を達成することができる。また、熱硬化の際、温度を段階的に上昇させるのもRa値をより低くするために有効である。例えば、熱硬化温度T1(但し50℃≦T1<150℃)にて10分間〜60分間加熱した後、温度T2(但し150℃≦T2≦240℃)にて5分間〜90分間加熱して熱硬化を行う手法が挙げられる。該Ra値の好適な範囲は先述のとおりである。
工程(B)で形成される絶縁層は無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下である(条件(ii))。該平均数(n)が1.0を超える場合、レーザー加工性が低下して、ビア形状が悪化する、ビアホール内部のスミア量が増大するといった問題が生じる。一般に該平均数nは、絶縁層中の無機充填材含有量が高い場合に増大する傾向にある。該平均数nを低下させるに際しては、1)平均粒径の小さい無機充填材の使用、2)芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材の使用、3)樹脂組成物のフィルター濾過の実施などが有効である。該平均数nの好適な範囲は先述のとおりである。
支持体は、工程(B)の後に除去してよい。好適な一実施形態において、工程(C)の前に、支持体を除去する。なお、支持体として極薄(例えば、厚さ2μm以下又は1μm以下)の金属箔を使用する場合、絶縁層に支持体が付いた状態で工程(C)を実施してもよい。
−工程(C)−
工程(C)において、絶縁層にエキシマレーザーにより開口径が15μm以下のビアホールを形成する。
エキシマレーザーの詳細(レーザー波長等)、ビアホールの開口径や形状に関しては、先述のとおりである。
−工程(D)−
本発明の回路基板の製造方法は、工程(C)の後に、(D)デスミア処理する工程をさらに含んでもよい。
本発明の方法によれば、無機充填材を含む絶縁層(たとえ絶縁層中の無機充填材含有量が高い場合であっても)に、ビアホール内部のスミア量の少ない小径のビアホールを形成することができる。したがって、本発明の方法においては、工程(D)は実施しても実施しなくてもよい。工程(D)を実施する場合であっても、通常のデスミア処理に比し温和な条件にて実施することができる。したがって、デスミア処理による絶縁層表面の粗化を抑制することができ、微細配線の形成に適した表面粗度の低い絶縁層を実現し得る。
デスミア処理は、特に制限なく、公知の各種方法により行うことができる。一実施形態において、デスミア処理は、酸化剤溶液を用いた湿式デスミア処理とし得る。
酸化剤溶液を用いた湿式デスミア処理においては、膨潤液による膨潤処理、酸化剤溶液による酸化処理、中和液による中和処理をこの順に行うことが好ましい。膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃〜90℃の膨潤液に絶縁層を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃〜80℃の膨潤液に硬化体を5分間〜15分間浸漬させることが好ましい。酸化剤溶液としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による酸化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤溶液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃〜70℃の中和液に5分間〜20分間浸漬する方法が好ましい。
−工程(E)−
本発明の回路基板の製造方法は、工程(C)の後に、(E)絶縁層の表面に導体層を形成する工程をさらに含んでもよい。
導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望の回路基板のデザインによるが、通常35μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。導体層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常3μm以上、好ましくは5μm以上である。
工程(E)において、導体層は、乾式メッキ、湿式メッキ、又はこれらの組み合わせにより形成してよい。
乾式メッキとしては、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、レーザーアブレーション等の物理気相成長(PVD)法、熱CVD、プラズマCVD等の化学気相成長(CVD)法が挙げられ、中でも蒸着、スパッタリングが好ましい。導体層を乾式メッキのみにて形成する場合、フルアディティブ法等の公知の方法により導体層(回路)を形成してよい。
導体層を湿式メッキにより形成する場合、無電解メッキと電解メッキとを組み合わせてセミアディティブ法により導体層を形成してもよく、導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみでフルアディティブ法により導体層を形成してもよい。また、支持体として極薄の金属箔を使用する場合は、モディファイドセミアディティブ法により導体層を形成してもよい。これらの方法は、当分野において公知の手順に従って実施してよい。
乾式メッキと湿式メッキとを組み合わせて導体層を形成してもよい。例えば、乾式メッキにより形成した金属層をメッキシード層として利用し、電解メッキ又は無電解メッキを用いてセミアディティブ法により導体層を形成することができる。
セミアディティブ法においては、不要なメッキシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層(回路)を形成する。このとき、絶縁層の表面粗度が大きいと、配線パターン形成時にエッチングで不要なメッキシード層を除去する際に粗度大領域のメッキシード層が除去され難く、また、粗度大領域のメッキシード層を十分に除去し得る条件でエッチングする場合には配線パターンの溶解が顕著となり、回路配線の微細化の障害となる。これに対し、本発明の方法においては、先述のとおり、デスミア処理が不要か又は温和な条件にて実施し得るため、表面粗度の低い絶縁層を実現し得る。ビア形状が良好でスミア量の少ない小径のビアホールを実現し得る効果も相俟って、本発明の回路基板の製造方法は、回路配線の高密度化と微細化の双方に著しく寄与するものである。
以上、本発明の回路基板の製造方法の好適な一実施形態について例示したが、上記の本発明のコンセプトを達成し得る限り、本発明の方法は上記以外の工程を含んでもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、別途明示のない限り、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
<測定・評価方法>
まず、本明細書での物性評価における測定・評価方法について説明する。
〔測定・評価用基板の調製〕
(1)内層回路基板の下地処理
回路を形成したガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.4mm、パナソニック(株)製「R1515A」)の両面をマイクロエッチング剤(メック(株)製「CZ8100」)にて1μmエッチングして銅表面の粗化処理を行った。
(2)接着フィルムの積層
実施例及び比較例で作製した接着フィルムから保護フィルムを剥離した。樹脂組成物層の露出した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーター((株)ニチゴー・モートン製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が内層回路基板と接合するように、内層回路基板の両面に積層した。積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。次いで、積層された接着フィルムを、大気圧下、100℃、圧力0.5MPaにて60秒間熱プレスして平滑化した。
(3)樹脂組成物層の硬化
接着フィルムの積層後、樹脂組成物層を熱硬化させて、内層回路基板の両面に絶縁層を形成した。その際、実施例1〜4及び比較例1に関しては、支持体が付いた状態で樹脂組成物層を熱硬化させ、熱硬化の後に支持体を剥離した。比較例2に関しては、支持体を剥離した後に樹脂組成物層を熱硬化させた。得られた基板を「評価基板a」と称する。
樹脂組成物層の熱硬化は、下記条件B−1(実施例1、2、比較例1、2)又は条件B−2(実施例3、4)にて実施した。
条件B−1:180℃で(180℃のオーブンに投入後)30分間熱硬化させた。その後、基板を室温雰囲気下に取り出した。
条件B−2:100℃で(100℃のオーブンに投入後)30分間、次いで170℃で(170℃のオーブンに移し替えた後)30分間、熱硬化させた。その後、基板を室温雰囲気下に取り出した。
(4)エキシマレーザーによるビアホールの形成
エキシマレーザー加工機(SUSS MicroTech社製「ELP300 Gen2」)を使用して、絶縁層に小径のビアホールを形成した。実施例1については下記条件I−1にて、実施例2〜4及び比較例1、2については下記条件I−2にてビアホールを形成した。得られた基板を「評価基板b」と称する。
条件I−1:レーザー波長248nm(KrF)、周波数30Hz、パルス14、狙いトップ径5μm、スキャンアブレーション加工法
条件I−2:レーザー波長308nm(XeCl)、周波数100Hz、パルス30、狙いトップ径10μm、スキャンアブレーション加工法
<算術平均粗さ(Ra)の測定>
評価基板aについて、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製「WYKO NT3300」)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値によりRa値を求めた。各サンプルについて無作為に選んだ10点の平均値を求めた。
<絶縁層中の無機充填材の粒径の評価>
評価基板bについて、FIB−SEM複合装置(SIIナノテクノロジー(株)製「SMI3050SE」)を用いて、絶縁層の断面観察を行った。詳細には、評価基板の表面に垂直な方向における断面をFIB(集束イオンビーム)により削り出し、断面SEM画像(観察幅30μm、観察倍率x9000)を取得した。各サンプルにつき、無作為に選んだ10箇所の断面SEM画像を取得した。
取得した10箇所の断面SEM画像の各々について、幅15μmの領域、すなわち、縦を絶縁層全厚、横を15μmとする四角形の領域(絶縁層全厚(縦)×15μm(横)の領域)に含まれる粒径3μm以上の無機充填材をカウントし、10箇所の断面SEM画像について平均数nを得た。ここで、「粒径3μm以上の無機充填材」とは、断面SEM画像における最大径が3μm以上である無機充填材をいう。また、無機充填材の最大径の1/2超が幅15μmの領域に入っている場合に、該無機充填材は「幅15μmの領域に含まれる」と判定した。
<絶縁層断面における樹脂面積及び無機充填材面積の測定>
評価基板bについて、FIB−SEM複合装置(SIIナノテクノロジー(株)製「SMI3050SE」)を用いて、絶縁層の断面観察を行った。詳細には、評価基板の表面に垂直な方向における断面をFIB(集束イオンビーム)により削り出し、断面SEM画像(観察幅30μm、観察倍率x9000)を取得した。各サンプルにつき、無作為に選んだ10箇所の断面SEM画像を取得した。取得した10箇所の断面SEM画像の各々について、幅15μmの領域、すなわち、縦を絶縁層全厚、横を15μmとする四角形の領域(絶縁層全厚(縦)×15μm(横)の領域)の樹脂面積Aと、無機充填材面積Aとを測定し、得られたA値及びA値からA/(A+A)の値を算出した。
具体的には、樹脂面積Aと無機充填材面積Aとは、SEM観察像を画像として保存し、画像解析ソフトを使用して、樹脂部分を黒色、樹脂以外の無機充填材部分を白色として白黒2値化し、黒色部分のビット数を樹脂面積Aとし、白色部分のビット数を無機充填材面積Aとした。
<ビア形状の評価>
評価基板bについて、ビアホール開口部を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製「S−4800」)を使用して表面観察した。得られた画像からビアホールの開口径Dと、ビアホールの最小径Dminを測定した。10個のビアホールについてD及びDminを測定し、Dmin/D比の平均値を求めた。ビア形状は、得られたDmin/D比の平均値に基づき下記評価基準により評価した。
評価基準:
○:Dmin/D比が0.65以上
×:Dmin/D比が0.65未満
<スミアの評価>
評価基板bについて、ビアホール開口部を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製「S−4800」)にて表面観察し、得られた画像からビアホール底部の壁面からの最大スミア長を測定した。スミアは、以下の評価基準により評価した。
評価基準:
○:最大スミア長が2μm以下
×:最大スミア長が2μm超
<調製例1>(樹脂ワニス1の調製)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品、エポキシ当量169)5部、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032SS」、エポキシ当量約144)5部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000L」、エポキシ当量269)20部、及びフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液)20部を、ソルベントナフサ15部、MEK5部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(水酸基当量125、DIC(株)製「LA−7054」、固形分60%のMEK溶液)10部、ナフトール系硬化剤(新日鉄住金化学(株)製「SN−485」、水酸基当量215、固形分60%のMEK溶液)10部、ポリビニルブチラール樹脂(ガラス転移温度105℃、積水化学工業(株)製「KS−1」)の固形分15%のエタノールとトルエンの1:1の混合溶液15部、アミン系硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)1部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)2部、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球形シリカ(電気化学工業(株)製「UFP−40」、平均粒径0.1μm、単位表面積当たりのカーボン量0.21mg/m)20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター((株)ロキテクノ製「SCP−010」、濾過効率(メーカー公称値):1μm以上の粒子を99.9%以上カット)で濾過して、樹脂ワニス1を調製した。
<調製例2>(樹脂ワニス2の調製)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、エポキシ当量約169、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品)8部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)10部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP−7200HH」、エポキシ当量280)10部、及びフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)12部を、ソルベントナフサ28部、MEK5部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック系硬化剤(水酸基当量151、DIC(株)製「LA−3018−50P」、固形分50%の2−メトキシプロパノール溶液)10部、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)10部、アミン系硬化促進剤(DMAP、固形分5質量%のMEK溶液)1.6部、イミダゾール系硬化促進剤(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)、固形分5質量%のMEK溶液)1部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、平均粒径2μm)2部、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ((株)アドマテックス製「SO−C2」、平均粒径0.5μm、単位表面積当たりのカーボン量0.38mg/m)130部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター((株)ロキテクノ製「SHP−050」、濾過効率(メーカー公称値):3μm以上の粒子を99.9%以上カット)で濾過して、樹脂ワニス2を調製した。
<調製例3>(樹脂ワニス3の調製)
ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7723」、エポキシ当量約238)10部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000L」、エポキシ当量269)10部、及びフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:MEKの1:1溶液)10部を、ソルベントナフサ25部、MEK5部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(水酸基当量125、DIC(株)製「LA−7054」、固形分60%のMEK溶液)5部、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)15部、アミン系硬化促進剤(DMAP、固形分5質量%のMEK溶液)2部、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM573」)の1:1(重量比)混合物で表面処理された球形シリカ((株)アドマテックス製「SO−C1」、平均粒径0.25μm、単位表面積当たりのカーボン量0.35mg/m)100部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター((株)ロキテクノ製「SHP−030」、濾過効率(メーカー公称値):2μm以上の粒子を99.9%以上カット)で濾過して、樹脂ワニス3を調製した。
<調製例4>(樹脂ワニス4の調製)
1)フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球形シリカ(電気化学工業(株)製「UFP−40」、平均粒径0.1μm、単位表面積当たりのカーボン量0.21mg/m)20部に代えて、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM103」)で表面処理された球形シリカ((株)アドマテックス製「SO−C4」、平均粒径1μm、単位表面積当たりのカーボン量0.30mg/m)20部を使用した点、2)カートリッジフィルターを(株)ロキテクノ製「SHP−150」(濾過効率(メーカー公称値):5μm以上の粒子を98%以上カット)に変更した点以外は、調製例1と同様にして、樹脂ワニス4を調製した。
Figure 2016092172
<作製例1>接着フィルム1の作製
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック(株)製「AL−5」)で離型処理したPETフィルム(東レ(株)製「ルミラーT6AM」、厚さ38μm、軟化点130℃)を用意した。該支持体の離型面に、ダイコーターにて樹脂ワニス1を塗布し、80℃〜110℃(平均100℃)にて1分間乾燥させ、樹脂組成物層を形成した。樹脂組成物層の厚さは5μmであった。次いで、樹脂組成物層の支持体と接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」、厚さ15μm)を、該保護フィルムの粗面が樹脂組成物層と接合するように積層し、接着フィルム1を作製した。
<作製例2>接着フィルム2の作製
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック(株)製「AL−5」)で離型処理したPETフィルム(東レ(株)製「ルミラーT6AM」、厚さ38μm、軟化点130℃)を用意した。該支持体の離型面に、ダイコーターにて樹脂ワニス1を塗布し、80℃〜110℃(平均100℃)にて1.5分間乾燥させ、樹脂組成物層を形成した。樹脂組成物層の厚さは10μmであった。次いで、樹脂組成物層の支持体と接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」、厚さ15μm)を、該保護フィルムの粗面が樹脂組成物層と接合するように積層し、接着フィルム2を作製した。
<作製例3>接着フィルム3の作製
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス2を使用した以外は、作製例2と同様にして、接着フィルム3を作製した。
<作製例4>接着フィルム4の作製
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス3を使用した以外は、作製例2と同様にして、接着フィルム4を作製した。
<作製例5>接着フィルム5の作製
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス4を使用した以外は、作製例2と同様にして、接着フィルム5を作製した。
<実施例1>
接着フィルム1を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕に従って評価基板を調製し、各評価を行った。
<実施例2>
接着フィルム2を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕に従って評価基板を調製し、各評価を行った。
<実施例3>
接着フィルム3を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕に従って評価基板を調製し、各評価を行った。
<実施例4>
接着フィルム4を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕に従って評価基板を調製し、各評価を行った。
<比較例1>
接着フィルム5を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕に従って評価基板を調製し、各評価を行った。
<比較例2>
接着フィルム2を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕に従って評価基板を調製し、各評価を行った。
評価結果を表2に示す。
Figure 2016092172
1 内層基板
10 絶縁層
11 樹脂成分
12 無機充填材

Claims (15)

  1. 開口径が15μm以下のビアホールが形成された絶縁層を含む回路基板であって、
    絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)が150nm以下であり、
    絶縁層が無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下である、回路基板。
  2. 絶縁層の表面のRaが100nm以下である、請求項1に記載の回路基板。
  3. ビアホールの開口径が12μm以下である、請求項1又は2に記載の回路基板。
  4. 絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域の樹脂面積Aと無機充填材面積Aとが、0.1≦A/(A+A)を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路基板。
  5. ビアホールの開口径Dとビアホールの最小径Dminとが、0.65≦Dmin/Dを満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板。
  6. 絶縁層が、芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回路基板。
  7. 無機充填材がシリカである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の回路基板。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の回路基板を含む半導体装置。
  9. (A)支持体と該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを含む接着フィルムを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板に積層する工程;
    (B)支持体が付いた状態で樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程;及び
    (C)絶縁層にエキシマレーザーにより開口径が15μm以下のビアホールを形成する工程、を含む回路基板の製造方法であって、工程(B)で形成される絶縁層が無機充填材を含み、絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域に含まれる粒径3μm以上の無機充填材の平均数が1.0以下である、回路基板の製造方法。
  10. 工程(C)の前に、支持体を除去する、請求項9に記載の方法。
  11. 絶縁層の表面の算術平均粗さ(Ra)が150nm以下である、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 絶縁層の表面に垂直な方向における該絶縁層の断面において、幅15μmの領域の樹脂面積Aと無機充填材面積Aとが、0.1≦A/(A+A)を満たす、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ビアホールの開口径Dとビアホールの最小径Dminとが、0.65≦Dmin/Dを満たす、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 絶縁層が、芳香環を有する有機基を含むシラン化合物で表面処理された無機充填材を含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 無機充填材がシリカである、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
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