JP2016091723A - ナトリウムイオン二次電池用負極およびその製造方法並びにナトリウムイオン二次電池 - Google Patents

ナトリウムイオン二次電池用負極およびその製造方法並びにナトリウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】さらなる容量およびサイクル特性の向上の可能なナトリウムイオン二次電池用負極およびその製造方法並びにナトリウムイオン二次電池を提供すること。【解決手段】本発明のナトリウムイオン二次電池用負極は、SiクラスターがSiO2媒体中に分散した構造を有する負極活物質を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ナトリウムイオン二次電池用負極およびその製造方法並びにナトリウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は高電圧、高容量を有することから、携帯電話やノートパソコン等の小型電子機器だけでなく、電気自動車やハイブリッド自動車等の自動車用電源や電力貯蔵用の分散電源として広く使用されている。
リチウムイオン二次電池は、その正極にリチウム含有遷移金属複合酸化物を用い、電解質塩にも種々のリチウム塩を用いている。しかし、リチウムはその産地が偏在する稀少金属元素であり、リチウムに代わる、より安価で入手の容易な材料が求められている。これに対し、同じアルカリ金属元素であるナトリウムを用いたナトリウムイオン二次電池に対する期待が高まっている。ナトリウム(Na)は地殻中に多く存在し,海水中にも高濃度に含まれていることから,これを電荷担体とするナトリウムイオン二次電池はリチウムイオン二次電池と比較し資源的な制約がないという大きな利点がある。
しかしながら、NaイオンはLiイオンの1.4倍もの直径を有していることから、現行のリチウムイオン二次電池用負極活物質であるグラファイトの層間に電気化学的に挿入させることが困難という問題がある。そのため、Naを電気化学的に挿入−脱離できる負極活物質が求められている。同じ炭素系材料でも低結晶性であるため層間距離がグラファイトより広いハードカーボンを使用することで、可逆的にNaが挿入・脱離することが見出されてきた(例えば特許文献1)。しかし、ハードカーボンはサイクル安定性には優れるものの、250〜300mAh/g程度の理論容量しか期待できないため(例えば非特許文献1)、さらなる高容量化が可能な負極活物質を用いた負極が望まれている。
特開2009−266821号公報
S. Komaba et al., Adv. Funct. Mater., 21 (2011) 3859-3867
本発明は、上記の課題を解決するものであり、さらなる容量およびサイクル特性の向上の可能なナトリウムイオン二次電池用負極およびその製造方法並びにナトリウムイオン二次電池を提供することを目的とした。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討する過程で、SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質を含む負極が高い容量と優れたサイクル特性を有することを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明のナトリウムイオン二次電池用負極は、SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質を含むことを特徴とする。
また、本発明のナトリウムイオン二次電池用負極の製造方法は、SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質をガスデポジション法を用いて集電体上に堆積させて負極活物質層を形成することを特徴とする。
また、本発明のナトリウムイオン二次電池は、正極と負極と電解液を有するナトリウムイオン二次電池であって、前記負極がSiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質を含むことを特徴とする。
本発明によれば、さらなる容量およびサイクル特性の向上の可能なナトリウムイオン二次電池を提供することが可能となる。
本発明の実験例における充放電曲線の一例である。 本発明の実験例におけるサイクル数と放電容量の関係を示すグラフである。 本発明の実験例におけるSiO粉末のXRDパターンの一例を示すグラフである。 本発明の実験例におけるSiO粉末の粒径分布の一例を示すグラフである。 本発明の実験例における、異なる電解液を用いた時の充放電曲線の一例である。 ガスデポジション法に用いる装置の構造の一例を示す模式図である。
以下、図面等を参照して本発明を詳細に説明する。
本発明のナトリウムイオン二次電池用負極は、SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質を含むことを特徴とするものである。
(負極)
本発明の負極は、集電体と、該集電体上に形成された負極活物質層とを有し、負極活物質層を構成する負極活物質は、SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する。
Siクラスターは、結晶質Siの微粒子であり、それがSiO媒体、具体的には非晶質SiOに分散した構造を有する。本発明の負極活物質は、X線回折法によりその構造を確認することができ、SiクラスターはSiの結晶ピークにより、非晶質SiOは回折角2θが23度付近のブロードなピークにより確認することができる。また、Siクラスターの結晶子サイズは、微分散の観点から、1〜300nm、好ましくは1〜150nm、より好ましくは1〜20nmである。結晶子サイズは、(220)面の回折ピークの半値幅から算出したものを用いることができる。
SiO媒体中のSiクラスターの含有量は、高い充放電容量を確保するとともにサイクル性を確保する観点から、負極活物質の12〜48質量%、好ましくは22〜42質量%、より好ましくは25〜39質量%である。ここで、Siクラスターの含有量は、電子エネルギー損失分光法により算出することができる。
SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する材料としては、一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化ケイ素化合物や、Siクラスター/SiO複合膜等を挙げることができる。前記の酸化ケイ素化合物は、ケイ素の酸化、二酸化ケイ素の還元、あるいはケイ素と二酸化ケイ素との反応により製造することができる。前記の酸化ケイ素化合物の具体例としては一酸化ケイ素SiOを挙げることができる。また、Siクラスター/SiO複合膜としては、気相成膜法を用いてSiOマトリックス中にナノスケールのSi結晶を分散させたもので、例えばSiO基板上にスパッタリングによりナノスケールのSiを分散させた複合膜を挙げることができる。なお、xは上記の電子エネルギー損失分光法を用いて算出することができる。また、x=0.5〜1.6は、上記の12〜48質量%に、x=0.7〜1.3は、上記の22〜42質量%に、x=0.8〜1.2は、上記の25〜39質量%に相当する。
一酸化ケイ素SiOには、例えば二酸化ケイ素とケイ素を加熱して得られる気体のSiOを冷却して得られる粉末状のものを用いることができる。SiOの平均粒径は、20μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは5μm〜0.1μmである。なお、この粉末状のSiOについては、非晶質のSiOがSiO四面体の三次元網目構造を形成し,この構造中にSiクラスターが微分散した構造が形成されることを、本発明者は報告している(H. Sakaguchi et al., J. Electrochem. Soc., 151 (2004) A1572)。
本発明の負極の製造方法は特に限定されない。例えばスラリー法を用いることができる。この場合、上記の負極活物質に、バインダー、溶媒、必要に応じて炭素材等の導電材を添加して混練して電極スラリーを調製し、それを集電体上に塗布し、その後乾燥することにより負極を作製することができる。電極スラリー中の負極活物質は40重量%以上とすることが好ましい。バインダーには、フッ化ビニリデン重合体やその共重合体等の公知のフッ素含有重合体、ポリアクリル酸およびそのNa塩並びにその共重合体等のアクリル酸系重合体、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体を用いることができる。
また、本発明においては、ガスデポジション法を用いて負極を作製することもできる。ガスデポジション法では、バインダーが不要であることから負極中の活物質濃度を大きくすることができるのでエネルギー密度を向上させることが可能である。また、負極活物質層と集電体間との密着性が向上し、負極活物質の剥離が抑制されてサイクル特性の向上が期待でき、さらに接触抵抗の低下により、電池の内部抵抗の低減も可能となる。以下、ガスデポジション法について詳細に説明する。
(ガスデポジション法)
ガスデポジション法により粉末原料を基材(集電体)に担持させることによって、負極活物質層を形成する。かかる負極活物質層は、従来の圧着法、気相析出法、メッキ法等による緻密で均質な層とは異なり、厚み方向及び層の面方向の密度が不均一になっている。これにより、ナトリウムイオンが負極活物質層に挿入される際に発生する応力を緩和ないしは解消することができる結果、充放電特性、サイクル特性等の向上を図ることができる。
ガスデポジション法は、粉末原料とキャリアガスとを用いることによりエアロゾルを発生させ、これを基材上に噴射することにより膜を形成する方法である。
図6は、ガスデポジション法に用いる装置の構造の一例を示す模式図である。所定の初期圧力を有するキャリアガス1を粉末原料2とともに導管3中でエアロゾル化した後、このエアロゾルを、減圧装置4によって真空状態に保持されたチャンバ5内に設置された基材6の表面へ向けて、導管3の先端に取り付けたノズル7から噴出させる。
ガスデポジション法は、公知の方法に従って実施することができる。本発明では、次のような条件とすることが望ましい。すなわち、キャリアガスとしては、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。また、圧力差(装置内圧力とガスのゲージ圧との差)は、3×10〜1×10Pa程度とすることが好ましい。さらに、基材とノズルとの距離は5〜30mm程度とすることが好ましい。
ガスデポジション法により粉末原料を担持する場合、その担持量は要求される電極特性に応じて適宜設定することができる。一般的には、担持量を0.5〜20mg/cm程度とすれば良い。また、電極活物質層の厚さは、1〜6μm、好ましくは1〜4μmとすることができる。1μmより小さいと、十分な容量が得られず、また10μmより大きいと剥離し易くなり好ましくない。
また、ガスデポジション法を実施する場合、1回の噴射で電極活物質層を形成しても良いが、複数回にわたり噴射しても良い。複数回の噴射による場合は、多層構造を有する電極活物質層が形成されるが、このような構造も本発明に含まれる。
用いる基材の種類は特に限定されない。例えば、銅、ニッケル、アルミニウム等の導電性材料を用いることができる。その形状も特に限定されるものではなく、例えば箔、シート等の形態で使用することができる。基材の厚みは、例えば1〜50μm程度とすれば良い。
ガスデポジション法に用いる粉末原料は、上記の負極活物質を用いる。粉末原料の平均粒径は、ガスデポジション法が行える範囲であれば特に制限されないが、平均粒径0.1〜50μm、好ましくは0.1〜10μmである。なお、平均粒径はD50であり、例えばレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
粉末原料の調製には、公知の機械的粉砕方法を用いることができる。微粉砕の可能な、メカニカルアロイング法やメカニカルミリング法を用いることが好ましい。メカニカルアロイング法及びメカニカルミリング法は、公知の条件に基づいて実施することができる。例えば、所定の粉末原料となるように調合された出発原料をボールミルに投入し、ミリングを実行すれば良い。ボールミルとしては、遊星型ボールミル等の公知の装置を使用することができる。また、ミリングは、乾式又は湿式のいずれであっても良いが、特に乾式であることが望ましい。ミリングの条件は、所望の粉末原料の性状等に応じて適宜設定することができる。一般的には室温(特に0〜50℃)で回転数100〜500rpm程度とすればよい。ミリングの雰囲気は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
粉末原料には、必要に応じて他の成分を配合することもできる。例えば、導電性材料(銀、銅、アルミニウム、ニッケル、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)等が含まれていても良い。導電性材料を含む場合、その含有量は特に限定的ではないが、通常は粉末原料中50重量%以下、好ましくは5〜30重量%である。
(正極)
正極は、正極活物質、集電体、および電極活物質を集電体に結着させるバインダー、および必要に応じて導電材とから構成される。
正極活物質は、ナトリウムイオンの挿入・脱離が可能であれば特に限定されないが、ナトリウム含有遷移金属複合酸化物が好ましい。例えば、ナトリウムマンガン複合酸化物、ナトリウム鉄複合酸化物、ナトリウムニッケル複合酸化物、ナトリウムコバルト複合酸化物、ナトリウムマンガンチタン複合酸化物、ナトリウムニッケルチタン複合酸化物、ナトリウムニッケルマンガン複合酸化物、ナトリウム鉄マンガン複合酸化物、等を挙げることができる。また、ナトリウム鉄リン酸化合物、ナトリウムマンガンリン酸化合物、ナトリウムコバルトリン酸化合物等も挙げることができる。
正極は、例えば、正極活物質と導電剤とバインダーとを溶剤を用いて混練分散して電極スラリーを得、該スラリーを集電体に塗布することによって作製できる。バインダーには、フッ化ビニリデン重合体やその共重合体等の公知のフッ素含有重合体、ポリアクリル酸およびそのNa塩並びにその共重合体等のアクリル酸系重合体、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体を用いることができる。
(電解液)
電解液には、電解質を有機溶媒に溶解した非水電解液を用いる。有機溶媒には、環状カーボネート、環状エステルおよび鎖状カーボネートから選択される1種の溶媒または2種以上の混合溶媒を用いることができる。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートを挙げることができる。また、環状エステルとしては、γ―ブチロラクトンを挙げることができる。また、鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートを挙げることができる。また、電解質には、NaPF、NaBF、NaClO、NaAsF、NaCFSO、Na(CFSON、Na(CSON、およびNa(CFSOC等から選択される1種以上の電解質を用いることができる。また、非水電解液に代えて、その非水電解液を含有する高分子ゲル電解質や、ナトリウムイオン導電性を有する高分子固体電解質に上記の電解質を含有させた高分子固体電解質を用いることもできる。
また、本発明においては、電解液にフルオロ基を有する飽和環状カーボネートを添加してもよい。サイクル特性を向上させることが可能となる。フルオロ基を有する飽和環状カーボネートとしては、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート等を挙げることができる。フルオロ基を有する飽和環状カーボネートの割合は、電解液の少なくとも1体積%、好ましく5〜30体積%である。
(セパレータ)
セパレータには、微多孔膜や不織布を用いることができ、組成としてはポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、エーテル系ポリマー、ガラス繊維等を挙げることができる。
(ナトリウムイオン二次電池の製造方法)
本発明の負極を用いてナトリウムイオン二次電池を作製することができる。ナトリウムイオン二次電池は、少なくとも、正極と負極、正極と負極を隔離するセパレータ、電解液、および電池容器で構成される。
ナトリウムイオン二次電池の製造は公知の方法を用いて行うことができる。例えば、正極と負極をセパレータを介して積層し、平面状の積層体あるいは巻き取って巻回体とする。その積層体または巻回体を金属製または樹脂製の電池容器に収容し、密封する。密封時に開口部を設けて、電解液を注入してその開口部を封止して二次電池を得る。
実験例1
(負極活物質)
SiO(和光純薬工業製)(SiOx:x=1.00)をジルコニアボール(φ15mm)との重量比が1:65になるようにジルコニアポットに封入し、室温、回転速度380rpmで10分、20分、60分機械的粉砕を行った(以下、粉砕時間をミリング時間という)。
(負極の製造)
粉砕したSiO粉末を原料として、ガスデポジション法を用いてSiO粉末を集電体の銅箔上に堆積させて負極を得た。銅箔の厚さは20μmである。また前処理としてリン酸を用いて銅箔表面の電解研磨を行った。なお、ガスデポジション法の条件は以下の通りである。
ノズル−基板間距離:10mm
圧力差:7×10Pa
ノズル径:直径0.8mm
キャリアガス:He(6N)
製膜面積:0.5×0.5×πcm
析出量:55〜68μg
(コインセル作製)
上記の負極と、対極として金属ナトリウム箔(厚さ約1mm)、セパレータとしてポリプロピレン系セパレータ(旭化成製ND420)を用い、電解液を注入して、2032型コインセルを作製した。電解液には、以下の3種を用いた。
電解液A:1M NaTFSA/PC
(TFSA:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド)
(PC:プロピレンカーボネート)
電解液B:1M NaFSA/PC
(FSA:ビス(フルオロスルホニル)アミド)
電解液C:1M NaPF6/EC:DMC(50:50vol.%)
(EC:エチレンカーボネート)
(DMC:ジメチルカーボネート)
上記のコインセル作製は、すべて、露点−100℃以下、酸素濃度1ppm以下のアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。
(充放電測定)
室温で、電位範囲0.005〜3.000V(vs.Na/Na+)、電流密度50mA/gで行った。
(分析)
負極活物質のX線回折(XRD)測定は、X線回折装置(リガク製:UltimaIV)を用いて行った。また、負極活物質の粒度分布は、レーザー回析式粒度分布測定装置(島津製作所製:SALD−2300)を用いて行った。
(結果)
図1は、負極活物質にSiO粉末を用いた負極を含むコインセルの第1回目の充放電曲線であり、図2はサイクル数と放電容量の関係を示すグラフであり、電解液には電解液A(1M NaTFSA/PC)を用いた。また、表1に所定のサイクル回数における放電容量の値を示す。また、図3は、SiO粉末のXRDパターンである。図4は、SiO粉末の粒径分布を示すグラフである。xの値を用いて算出した原料SiO粉末中のSiクラスターの含有量は、32質量%である。
なお、比較としてSi粉末(和光純薬工業製)とSn粉末(高純度化学研究所製)を負極活物質として用いた。
Figure 2016091723
表1に示すように、ミリング時間10分のSiO粉末を用いた場合、1回目の放電容量として220mAh/g、そして120回目でも170mAh/gという高い放電容量を有していた。また、ミリング時間を長くすると、放電容量は低下したが、これは、図1に示すようにSiが低放電容量であること、および図3に示すようにミリング時間とともに結晶子サイズの大きなSiの割合が増加したためと考えられる。なお、X線回折法で測定したSiO中のSiの結晶子サイズは、ミリング時間10分、20分、60分の場合、それぞれ12nm、104nm、170nmであった。結晶子サイズは(220)面の回折ピークの半値幅より算出した。また、SiO粉末の平均粒径は、ミリング時間10分、20分、60分の場合、それぞれ5.4μm、4.1μm、7.6μmであった。60分のミリングでは、粒子の凝集が起こりサイズが増大することを走査型電子顕微鏡観察により確認している.
図5は、ミリング時間10分のSiO粉末を負極活物質に用い、異なる3種の電解液A(1M NaTFSA/PC)、B(1M NaFSA/PC)、C(1M NaPF/EC:DMC)を用いたコインセルの第1回目の充放電曲線を示している。電解液A、電解液B、電解液Cを用いた場合、第1回目の放電容量として、それぞれ、220mAh/g、110mAh/g、185mAh/gの値が得られた。電解液A、B、Cの中では、電解液A(1M NaTFSA/PC)を用いた場合に最も高い放電容量が得られた。
上記の実験例の結果から明らかなように、Siクラスターを有するSiOをナトリウムイオン二次電池の負極活物質として用いることが可能であることを本発明者らは世界で初めて明らかにした。充放電の機構については限定されるものではないが、例えば以下の機構が考えられる。従来、SiはLiと合金化することは知られているが、Naと合金化することは知られていなかった。SiとNaとの合金化反応が進行し、NaSiの化合物相が形成されているものとすると、理論容量として954mAh/gが期待できる。また、SiOがコンバージョン反応を示すとすると、以下の反応が進行すると考えられる。この場合、理論容量としては1220mAh/gが期待できる。
Figure 2016091723

ここで、コンバージョン反応とは、例えば、リチウムイオン二次電池における金属Liとの反応を例にとり説明すると、微細構造を有する金属酸化物(MO)が充電(Li吸蔵)時のLiとの反応で金属Mと熱力学的に安定なLiOとに分相し、放電(Li脱離)時に一部のLiOがLiに分解され再びMOが形成される反応である。ナトリウムイオン二次電池においても、SiOがNaとの間でコンバージョン反応を行い、充電(Na吸蔵)時のNaとの反応で金属Siと熱力学的に安定なNaOとに分相し、放電(Na脱離)時に一部のNaOがNaに分解され再びSiOが形成されるものと考えられる。なお、詳細については検討中である。
SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する材料を負極活物質として用いることにより、高容量でサイクル特性に優れたナトリウムイオン二次電池の実用化に大きく寄与することができる。
1 キャリアガス
2 粉末原料
3 導管
4 減圧装置
5 チャンバ
6 基材
7 ノズル

Claims (7)

  1. SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質を含むナトリウムイオン二次電池用負極。
  2. 前記負極活物質中の前記Siクラスターの結晶子サイズが、1〜300nmである請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池用負極。
  3. 前記負極活物質が一酸化ケイ素である請求項1または2に記載のナトリウムイオン二次電池用負極。
  4. 前記負極活物質をガスデポジション法により集電体上に堆積させてなる請求項1から3のいずれか1項に記載のナトリウムイオン二次電池用負極。
  5. SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質をガスデポジション法を用いて集電体上に堆積させて負極活物質層を形成する、ナトリウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  6. 前記負極活物質層の厚さが1〜5μmである請求項5記載の製造方法。
  7. 正極と負極と電解液を有するナトリウムイオン二次電池であって、
    前記負極が、SiクラスターがSiO媒体中に分散した構造を有する負極活物質を含む該ナトリウムイオン二次電池。
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