JP2016090619A - クリーニングブレードならびに、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

クリーニングブレードならびに、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被クリーニング部材との当接部の表面の低摩擦化が図られ、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性が良好であるクリーニングブレードを提供するとともに、ブレード端部の捲れを抑制可能なクリーニングブレードを提供する。
【解決手段】 クリーニングブレードの画像域と、非画像域のそれぞれにおいて、感光ドラムと当接するエッジ部からの距離がLμmの位置におけるヤング率をそれぞれ(Y)及び(Y´)としたとき、(Y)及び(Y´)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下で、かつ、(Y50/Y)が、0.5以下であり、[{(Y−Y20)/Y}/(20−0)]が、[{(Y20−Y50)/Y}/(50−20)]以上とする。更に、0≦L≦100μmの範囲において、前記ヤング率(Y50)≦ヤング率(Y´)とする。
【選択図】 図24

Description

本発明は、クリーニングブレードならびに、クリーニングブレードを有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
一般に、電子写真感光体(以下単に「感光体」とも表記する。)の表面(外周面)に形成されたトナー像が転写材または中間転写体に転写された後や、トナー像が中間転写体から転写材にさらに転写された後も、感光体および/または中間転写体の表面には、トナーの一部が残留しやすい。そのため、感光体や中間転写体の表面に残留しているトナーを除去する必要があり、通常、この除去は、クリーニングブレードによって行われている。クリーニングブレードとしては、例えば、1mm以上3mm以下の厚さを有し、被クリーニング部材(感光体や中間転写体など)と相対する面の長手方向の長さが該厚さよりも長いブレード状(板状)のものが用いられる。
クリーニングブレードは、例えば、電子写真装置内において、金属製のホルダーに取り付けられ、固定されて使用される。また、例えば、クリーニングブレードのエッジ部分(先端稜線部)が被クリーニング部材に当接するように設置される。
また、クリーニングブレードには、耐摩耗性や永久歪みの程度などに優れていることから、ウレタンゴムがよく使用される。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく開発されたトナーとして、小粒径で高球形度の(球形に近い)トナーが知られている。この小粒径で高球形度のトナーは、比較的転写効率が高い特長があり、高画質化の要求に応えることが可能である。
しかしながら、小粒径で高球形度のトナーは、クリーニングブレードを用いて被クリーニング部材の表面から除去しようとしても、十分に除去することが難しく、クリーニング不良が発生する場合があるという課題を有している。これは、小粒径で高球形度のトナーは、そうでないトナーに比べて、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間に形成されるわずかな隙間をすり抜けやすいからである。
このようなトナーのすり抜けを抑制するには、クリーニングブレードと被クリーニング部材との当接圧を高めて、上記隙間を小さくすることが効果的である。
しかしながら、クリーニングブレードと被クリーニング部材との当接圧を高めるほど、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間の摩擦力が高まる傾向がある。そして、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間の摩擦力が高くなるほど、クリーニングブレードが被クリーニング部材の表面の移動方向に引っ張られやすくなり、クリーニングブレードのエッジ部分が捲れてしまう場合がある。また、クリーニングブレードが、その捲れようとする力に抗して元の状態に戻ろうとする際に、異音(鳴き)が発生する場合がある。また、クリーニングブレードのエッジ部分が捲れた状態でクリーニングを続けると、クリーニングブレードのエッジ部分近傍(エッジ部分から数〜数十μm離れた箇所)に局所的な摩耗が生じやすくなる。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、その結果、トナーを十分に除去クリーニングできなくなる。
また、クリーニングブレードや被クリーニング部材の長寿命化や省エネルギーなどの観点から、クリーニング時の被クリーニング部材の回転トルクを小さくする(低トルク化)ことが要求されている。低トルク化を図るためには、クリーニングブレードにおける被クリーニング部材との当接部の表面の低摩擦化を図ることが効果的である。
この低トルク化に関して、特許文献1には、ウレタンゴム(ウレタンエラストマー)製のクリーニングブレードにおける被クリーニング部材と当接する表面層に、平均粒径3μm以下の微粒子を含有させる技術が記載されている。
また、特許文献2には、クリーニングブレードにおける被クリーニング部材との当接部に、クリーニングブレードの基層よりも高硬度な表面層を設ける技術が記載されている。
また、特許文献3には、クリーニングブレードにおける被クリーニング部材との当接部の内部から当接部の表面に向って、窒素濃度を連続的に増加させる技術が記載されている。
また、特許文献4には、ウレタンゴム(ウレタンエラストマー)製のクリーニングブレードのエッジ部分の表面のイソシアヌレート基の濃度を、エッジ部の内部のイソシアヌレート基の濃度よりも高くする技術が記載されている。
特開2008−268670号公報 特開2012−150203号公報 特開2009−025451号公報 特開2001−075451号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、上記の従来技術では、それぞれ以下のような課題が存在することがわかった。
特許文献1および2に記載されているような表面層と基層とを有する2層型のクリーニングブレードは、被クリーニング部材に当接しているときの挙動が表面層と基層とで異なる。そのため、被クリーニング部材の表面の凹凸(通常、1μm以上2μm以下)や表面に存在する異物(トナーを含む)などによって、表面層が剥がれたり、欠け(抉れ)たりする場合があった。また、特許文献1に記載されている技術では、表面層における微粒子の分散が均一になりにくく、当接部内での特性のバラツキが大きくなり、局所的な欠けやクリーニング不良が発生する場合があった。
特許文献3に記載の技術は、ウレタンゴム(ウレタンエラストマー)製のクリーニングブレードにおける被クリーニング部材との当接部の表面側の架橋濃度を増加させ、ハードセグメント化する技術であるが、十分な低トルク化が図れない場合があった。
特許文献4に記載の技術は、イソシアネート化合物とイソシアヌレート化触媒とを混合した混合液を金型の内表面に塗布し、ウレタンゴム(ウレタンエラストマー)製のクリーニングブレードの表面のイソシアヌレート基の濃度を高める技術である。この技術によれば、クリーニングブレードの表面近傍では、ほぼ一定の硬度となり、十分な低トルク化が達成される水準までイソシアヌレート基の濃度を高くすると、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性が低下する場合があった。被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性が低下すると、上記トナーのすり抜けが発生しやすくなる。
また、上記の各従来技術では、クリーニングブレードが被クリーニング部材との間にトナー粒子やトナー粒子程度の大きさの粒子の挟み込んだ場合、それに対する十分な追従性が得られにくい。具体的には、クリーニングブレードにおける被クリーニング部材との当接部が、挟み込んだ粒子に対して非常に大きい曲率半径で変形するため、挟み込んだ粒子の周囲でトナーのすり抜けが発生する場合があった。
また、クリーニングブレードとして求められている特性が画像域(現像コート領域)と非画像域(非現像コート領域)で異なっている。さらに硬度分布を有するクリーニングブレードにおいて端部などのトナー枯渇領域で想定以上に摩耗した場合に、硬度が低下し摩擦係数が上昇するという課題があった。
特にトナー供給量の少ない端部領域においては、摩耗が促進するため硬度が低下してクリーニングブレードの端部めくれに至ってしまうという問題がある。このように多層構成のクリーニングブレードを使いこなすためには、非画像域における端部めくれを改善することが課題である。
本発明の目的は、被クリーニング部材との当接部の表面の低摩擦化が図られ、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性が良好であるクリーニングブレードおよび該クリーニングブレードの製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、そのようなクリーニングブレードを有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、非画像域と画像域におけるブレード摩耗量が異なっても、ブレード表面の低摩擦化及びクリーニングの追従性を良好に保ちながら、ブレードの端部めくれを抑制可能なクリーニングブレードを提供することにある。
本発明は、
被クリーニング部材と当接部で当接され、該被クリーニング部材の表面をクリーニングするためのウレタンゴム製のクリーニングブレードにおいて、
前記被クリーニング部材との当接面で、前記クリーニングブレードの自由長方向に沿って設けられた第1面と、
前記被クリーニング部材との当接面で、前記クリーニングブレードの厚み方向に沿って設けられた第2面と、
前記被クリーニング部材に当接され、前記第1面と前記第2面の稜線で形成されたエッジ部と、を備え、
前記第2面の表面のうち、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、前記エッジ部からの距離がLμmにおけるヤング率を(Y)としたとき、前記エッジ部におけるヤング率(Y)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下で、かつ、前記ヤング率(Y)と、前記エッジ部から距離50μmの位置におけるヤング率(Y50)との比(Y50/Y)が、0.5以下であり、
該エッジ部から20μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Y−Y20)/Y}/(20−0)]が、該エッジ部から20μmの位置から50μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Y20−Y50)/Y}/(50−20)]以上であり、
前記第2面の表面のうち、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、前記エッジ部からの距離がLμmにおけるヤング率を(Y´)としたとき、前記エッジ部におけるヤング率(Y´)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下であり、
0≦L≦100μmの範囲において、
前記ヤング率(Y50)≦ヤング率(Y´)を満たすように、前記当接部が硬化処理されている。
本発明によれば、被クリーニング部材との当接部の表面の低摩擦化が図られ、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性が良好であるとともに、ブレード端部の捲れを抑制することができる。
実施例A1の結果を示す図である。 (a)は実施例A2〜A7の結果を示す図であり、(b)は比較例A1〜A3の結果を示す図である。 (a)は比較例A4〜A6の結果を示す図であり、(b)は比較例A7およびA8の結果を示す図である。 クリーニングブレードと被クリーニング部材の当接部およびその近傍を示す模式図である。 クリーニングブレードが被クリーニングに当接している状態を示す模式図である。 クリーニングブレードと被クリーニング部材との間にトナーが挟み込まれたときのクリーニングブレードの変形を示す模式図である。 (a)はクリーニングブレードのヤング率の大きさを色の濃淡で示す模式図であり、(b)はクリーニングブレードのヤング率を測定する場所を示す模式図である。 実施例B1の結果を示す図である。 (a)は実施例B2〜B7の結果を示す図であり、(b)は比較例B1〜B3の結果を示す図である。 (a)は比較例B4およびB5の結果を示す図であり、(b)は比較例B6およびB7の結果を示す図である。 平均傾斜角θaの算出方法を示す図である。 カウンター方式とウィズ方式のクリーニングブレードの当接状態を示す図である。 カウンター方式とウィズ方式の当接部近傍の状態を示す図である。 実施例C1のクリーニングブレードの当接部の表面からの距離とヤング率の関係を示す図である。 カウンター方式とウィズ方式のクリーニング装置の構成を示す図である。 クリーニングブレードの先端の当接状態を示す図である。 電子写真装置の構成を示す図である。 (a)は実施例C1〜C4のクリーニングブレードの表面からのヤング率の変化を示す図であり、(b)は比較例C1〜C3のクリーニングブレードの表面からのヤング率の変化を示す図である。 実施形態1のクリーニングブレードを示す図である。 (a)は、クリーニングブレードの当接部の摩耗前を説明する図である。(b)は、クリーニングブレードの当接部の摩耗後を説明する図である。 実施形態1のクリーニングブレードの第2当接面における、画像領域と非画像領域のヤング率分布を示す図である。 (a)は、実施形態1のクリーニングブレードの当接部の摩耗前の状態を示す図である。(b)は、実施形態1のクリーニングブレードの当接部の摩耗後の状態を示す図である。 実施形態1のクリーニングブレードの幅方向端部の硬化処理部の長手位置を示す図である。 実施形態2のクリーニングブレードの第2当接面における、画像領域と非画像領域のヤング率分布を示す図である。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、クリーニングブレードにおける被クリーニング部材との当接部(以下「クリーニングブレードの当接部」または単に「当接部」とも表記する。)の表面および内部のヤング率を適切に制御することで、当接部の表面が低摩擦化され、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性(以下単に「凹凸・異物への追従性」とも表記する。)に優れ、エッジ部分が欠けにくいクリーニングブレードが得られることを見出した。
すなわち、クリーニングブレードの当接部の表面のヤング率(Y)を10mgf/μm以上にすることで、クリーニングブレードの当接部の表面の低摩擦化を図ることができる。また、クリーニングブレードの当接部が変形しにくくなる。
クリーニングブレードの当接部の表面の低摩擦化を図ることができるのは、クリーニングブレードと被クリーニング部材との摩擦に関わる両者の極微視的な接触点(真実接触面積)が少なくなるためと考えられる。クリーニングブレードの当接部の表面が低摩擦化されることによって、また、クリーニングブレードの当接部が変形しにくくなることによって、クリーニングブレード(のエッジ部分)の捲れが抑制される。また、クリーニングブレードの当接部の表面が低摩擦化されることによって、および、クリーニングブレードの当接部が変形しにくくなることによって、後述のクリーニング角βを大きく維持しやすくなる。また、クリーニングブレードの当接部の幅が安定する。そのため、クリーニングブレードのビビリや異音(鳴き)を抑制することができる。
ウレタンゴム製のクリーニングブレードの当接部のヤング率を高める方法としては、当接部におけるウレタンゴムの分子構造を制御することが有効である。
ウレタンゴムは、例えば、ポリイソシアネート、ポリオール、鎖延長剤(例えば、多官能のポリオール)、および、ウレタンゴム合成用触媒を用いて合成することができる。
ウレタンゴムが、ポリエステル系ウレタンゴムである場合、ポリエステル系ウレタンゴムを合成するためには、上記ポリオールとしてポリエステル系ポリオールを用いればよい。また、ポリエステル系ウレタンゴムが脂肪族ポリエステル系ウレタンゴムである場合、脂肪族ポリエステル系ウレタンゴムを合成するためには、上記ポリオールとして脂肪族ポリエステル系ポリオールを用いればよい。
ウレタンゴム製のクリーニングブレードの当接部のヤング率を高めるより具体的方法としては、ウレタンゴムの架橋度を変化させたり、ウレタンゴムの原料の分子量を制御したりする方法がある。また、好適な方法として、ウレタンゴムにイソシアヌレート基を含有させて該イソシアヌレート基の濃度を高める方法がある。イソシアヌレート基は、ウレタンゴムの原料であるポリイソシアネートに由来する基として、ウレタンゴムに含有させることができる。
本発明のクリーニングブレードは、当接部の表面のヤング率の制御のしやすさの点から、イソシアヌレート基を含有するウレタンゴム製のクリーニングブレードであることが好ましい。その場合、そのクリーニングブレードの当接部の表面のヤング率を高めるためには、当接部におけるウレタンゴムの表面(およびその近傍)にイソシアヌレート基の含有量を多くすることが好ましい。具体的には、上記ウレタンゴムがポリエステル系ウレタンゴムである場合、まず、当接部におけるポリエステル系ウレタンゴムの表面において、μATR法でIRスペクトルを測定する。そのとき、ポリエステル系ウレタンゴム中のイソシアヌレート基由来のC−Nピークの強度(ISI)と、ポリエステル系ウレタンゴム中のエステル基由来のC=Oピークの強度(ISE)との比(ISI/ISE)が0.50以上であることが好ましい。C−Nピークは、1411cm−1のピークであり、C=Oピークは、1726cm−1のピークである。この比(ISI/ISE)は、イソシアヌレート基の多寡に影響されないエステル基由来のC=Oピークの強度を基準としている。そして、この基準とイソシアヌレート基由来のC−Nピークの強度とを比較することによって、イソシアヌレート基の多寡を定性的に測ることのできるパラメーターである。
図4は、クリーニングブレードと被クリーニング部材の当接部およびその近傍の模式図を示す模式図である。
クリーニングブレード801は、当接部803において、被クリーニング部材802に対して、所定の当接圧およびクリーニング角βで当接している。当接部803の奥のくさび部に侵入しようとするトナーを堰き止める能力は、当接圧およびクリーニング角βに依存し、クリーニング角βが大きいほど、低い当接圧であっても、高いトナー堰き止め能力を示す。図4(a)に示す状態は、図4(b)に示す状態に比べてクリーニング角βが大きく、トナーを堰き止める能力が高い状態である。
図4に示すように、クリーニングブレード801には、被クリーニング部材802の表面の進行方向(図4中の矢印の方向)に負荷がかかっており、この負荷は、クリーニングブレードの当接部を変形させる負荷として働く。
図5は、クリーニングブレードが被クリーニングに当接している状態を示す図である。
クリーニングブレード801が被クリーニング部材802と当接する状態としては、図5(a)に示すように、クリーニングブレード801のエッジ部分が被クリーニング部材802に当接する場合がある。また、図5(c)に示すように、クリーニングブレード801のエッジ部分が浮き、クリーニングブレード801の被クリーニング部材802と相対する面が当接する場合(いわゆる腹当たり)もある。また、図5(b)に示すように、図5(a)に示す状態と図5(c)に示す状態の中間の状態もある。本発明においては、これらいずれの状態であっても、クリーニングブレードが被クリーニング部材に当接している部位を当接部と呼ぶ。
当接部の状態は、クリーニングブレードの長手方向や、被クリーニング部材の表面の移動方向においては、被クリーニング部材の表面に凹凸が存在することや、局在的に画像形成が行われることなどにより、必ずしも均一とはならない。例えば、何らかの理由により、トナー804が当接部803に挟み込まれると、クリーニングブレード801は、その弾性によって変形しつつ、トナー804を保持することになる。その際、クリーニングブレード801の表面は、トナー804の形状に追従しようとする。トナー804がクリーニングブレード801の当接部803に挟まるとき、トナー804はクリーニングブレード801を押し上げる方向、および、被クリーニング部材802の表面の進行方向(図4の矢印の方向)に力が働く。
図6は、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間にトナー(異物の一種)が挟み込まれたときのクリーニングブレードの変形を示す模式図である。なお、図6は、図4の左側から見たときの図である。
クリーニングブレード801の表面のヤング率が小さければ、クリーニングブレード801は、図6(a)に示すように、トナー804の形状に追従しやすくなるが、ヤング率が大きすぎると、トナー804の形状に追従しにくくなる。トナー804の形状に追従しにくくなると、クリーニングブレード801の表面は、トナー804の部分だけでなく、トナー804の周囲の部分も押し込まれ、図6(b)に示すように、曲率半径の大きな変形が生じやすくなる。そして、図6(b)に示すような曲率半径の大きな変形が生じた場合、トナー804の周囲の空隙からトナーがすり抜けやすくなる。したがって、本発明のクリーニングブレードの当接部の表面のヤング率(Y)は、400mgf/μm以下であるが、344mgf/μm以下であることが好ましく、250mgf/μm以下であることがより好ましい。
そして、本発明のクリーニングブレードは、上述のとおり、イソシアヌレート基を含有するウレタンゴム製のクリーニングブレードである。そのクリーニングブレードの当接部の表面のヤング率(Y)をある程度まで(400mgf/μm以下)に抑えるためには、当接部におけるウレタンゴムの表面(およびその近傍)にイソシアヌレート基の含有量をある程度の量に抑えることが好ましい。具体的には、上記比(ISI/ISE)が1.55以下であることが好ましい。また、上記ヤング率(Y)を344mgf/μm以下に抑えるためには、上記比(ISI/ISE)は1.35以下であることが好ましい。上記ヤング率(Y)を250mgf/μm以下に抑えるためには、上記比(ISI/ISE)は1.20以下であることが好ましい。
以上より、本発明のクリーニングブレードの当接部の表面のヤング率(Y)は、10mgf/μm以上400mgf/μm以下の範囲にあるが、10mgf/μm以上344mgf/μm以下の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、10mgf/μm以上250mgf/μm以下の範囲である。そして、クリーニングブレードの当接部の表面のヤング率(Y)を10mgf/μm以上400mgf/μm以下の範囲にするためには、上記比(ISI/ISE)は、0.50以上1.55以下であることが好ましい。また、ヤング率(Y)を10mgf/μm以上344mgf/μm以下の範囲にするためには、上記比(ISI/ISE)は、0.50以上1.35以下であることが好ましい。さらにはヤング率(Y)を10mgf/μm以上250mgf/μm以下の範囲にするためには、上記比(ISI/ISE)は、0.50以上1.20以下であることが好ましい。
また、本発明のクリーニングブレードは、その当接部の表面のヤング率をある程度高くする(10mgf/μm以上400mgf/μm以下)とともに、当接部の表面から内部に向かってヤング率が小さくなるように構成されている。具体的には、クリーニングブレードの当接部の表面より50μm内部の位置のヤング率(Y50)と上記ヤング率(Y)との比(Y50/Y)が0.5以下(好ましくは0.2以下)になるように構成されている。これにより、当接部の表面のヤング率がある程度高くなっていても、良好な凹凸・異物への追従性を得ることができる。また、上記比(Y50/Y)を0.5以下(好ましくは0.2以下)にすることで、クリーニング角βを大きく維持しやすくなり、高いトナー堰き止め能力を得ることができる。
上記ヤング率(Y)を10mgf/μm以上400mgf/μm以下の範囲にしつつ、上記比(Y50/Y)を0.5以下にするということは、クリーニングブレードの当接部の表面から内部にかけてヤング率を急激に小さくするということを意味する。
本発明者らの検討の結果、クリーニングブレードの欠けは、クリーニングブレードにかかる応力が集中する箇所で発生しやすいことがわかった。また、応力の集中は、クリーニングブレードがヤング率の異なる複数の層で構成されている場合の層同士の界面や、急激にヤング率が変化する部位で生じやすいことがわかった。
そこで、本発明のクリーニングブレードは、上述のように、当接部の表面から内部に向かってヤング率が急激に小さくなるように構成されているが、その中でも、当接部の表面近傍においては、特に急激にヤング率が小さくなるように構成されている。具体的には、当接部の表面から20μm内部の位置までのヤング率の平均変化率が、20μm内部の位置から50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率以上になるように構成されている。当接部の表面から20μm内部の位置までのヤング率の平均変化率は、クリーニングブレードの当接部の表面より20μm内部の位置のヤング率を(Y20)としたとき、[{(Y−Y20)/Y}/(20−0)]で表される。また、20μm内部の位置から50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率は、[{(Y20−Y50)/Y}/(50−20)]で表される。これにより、当接部の表面から内部(表面より50μm内部)に向かってヤング率が急激に小さくなっていても、クリーニングブレードの欠けが生じにくくなる。また、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性もより良好になる。変形による応力が大きい表面近傍で急激にヤング率が小さくなり、それより内部側では、ヤング率が緩やかに小さくなる構成とすることで、変形による応力を分散しているためと考えられる。
以下、当接部の表面から20μm内部の位置までのヤング率の平均変化率[{(Y−Y20)/Y}/(20−0)]を「ΔY0−20」とも表記する。また、20μm内部の位置から50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率[{(Y20−Y50)/Y}/(50−20)]を「ΔY20−50」とも表記する。これらを用いて表せば、本発明のクリーニングブレードは、ΔY0−20≧ΔY20−50を満たすように構成されている。
また、本発明のクリーニングブレードは、上述のとおり、上記ヤング率(Y50)と上記ヤング率(Y)との比(Y50/Y)が0.5以下になるように構成されている。より好ましくは、上記ヤング率(Y20)と上記ヤング率(Y)の比(Y20/Y)が0.5以下になるように構成されていることである。これにより、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性がより良好になる。
また、本発明においては、クリーニングブレードの当接部の表面からの距離(前記当接部の表面を距離0μmとする。)を横軸とし、ヤング率を縦軸とした平面において、当接部の表面から50μm内部の位置までの範囲における任意の位置(当接部の表面からの距離がN[μm]の位置)のヤング率(Y)(ただし、0<N<50[μm]である。)が、上記ヤング率(Y)と上記ヤング率(Y50)とを結ぶ直線より下にある(直線より小さい)ことが好ましい。これは、クリーニングブレードの当接部の表面から内部に向かっていったときのヤング率の変化のプロファイルが下に凸であるということを意味する。これにより、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在しうる異物への追従性がより良好になる。
図7の(a)は、クリーニングブレードのヤング率の大きさを色の濃淡で示す模式図であり、(b)はクリーニングブレードのヤング率を測定する場所を示す模式図である。クリーニングブレードの当接部を変形させる負荷は、クリーニングブレードの被クリーニング部材と相対する面に沿った方向(図7(a)中の矢印Xの方向)の応力となる。図7(a)において、色が濃いほどヤング率が高いことを示している。なお、図7(a)では、説明の便宜上、ヤング率が段階的に変化しているように示されているが、本発明において、クリーニングブレードのヤング率の変化は、段階的な変化に限定されず、連続的であってもよい。
クリーニングブレードのヤング率の変化は、段階的であるよりも連続的であることが好ましい。連続的であるということは、剥がれや欠けを生じやすくするヤング率が異なる部分同士の界面が存在しないということである。
本発明のクリーニングブレードは、被クリーニング部材の表面の凹凸や表面に存在する異物への追従性や、エッジ部分の欠けの抑制といったクリーニングブレードの当接部の表面近傍の局所的(ミクロ)な変形には、表面領域が対応するようになっている。表面領域とは、上述のような、ヤング率が当接部の表面から内部に向かって小さくなっていく領域のことである。一方、クリーニングブレードの全体の撓みや、温度による特性の変化といった全体的(マクロ)な特性には、内部領域で対応するようになっていることが好ましい。
内部領域とは、表面領域よりも内部の領域のことである。そのため、クリーニングブレードの上記表面領域は、クリーニングブレードの厚さの1/2以下であることが好ましい。
また、クリーニングブレードと被クリーニング部材とが当接する部分(当接部・ニップ部)の幅は、一般的に、数十〜百μmである。よって、上述のような表面領域は、クリーニングブレードのエッジ部分から2mm以上の範囲に存在することが好ましい。
クリーニングブレードを支持する方法としては、例えば、支持部材にクリーニングブレードを接着する方法や、複数の支持部材でクリーニングブレードを挟み込む方法などが挙げられる。また、クリーニングブレードを支持する他の方法としては、例えば、支持部材の先端にクリーニングブレードを形成する方法(クリーニングブレードの一部を支持部とする方法)なども挙げられる。
本発明のクリーニングブレードは、上述のとおり、ウレタンゴム製のクリーニングブレードである。ウレタンゴムの中でも、耐摩耗性などの機械的強度や、当接圧による永久変形のしにくさ(耐クリープ性)の観点から、ポリエステル系ウレタンゴムが好ましく、その中でも、脂肪族ポリエステル系ウレタンゴムがより好ましい。
クリーニングブレードの当接部のヤング率を上述のように制御する方法としては、ウレタンゴムの分子構造を制御することが有効である。
ウレタンゴムは、例えば、ポリイソシアネート、高分子量のポリオール、鎖延長剤(例えば、多官能の低分子量のポリオール)、および、ウレタンゴム合成用触媒を用いて合成することができる。ポリエステル系ウレタンゴムを合成するためには、ポリオールとしてポリエステル系ポリオールを用いればよく、脂肪族ポリエステル系ウレタンゴムを合成するためには、ポリオールとして脂肪族ポリエステル系ポリオールを用いればよい。
ウレタンゴム製のクリーニングブレードの当接部のヤング率を上述のように制御する方法としては、具体的には、ウレタンゴムの架橋度を変化させたり、ウレタンゴムの原料の分子量などを制御したりする方法などが挙げられる。これらの方法の中でも、ウレタンゴムの原料であるポリイソシアネートに由来するイソシアヌレート基の濃度がウレタンゴムの表面側ほど高くなるようにする方法が、ヤング率の制御の精度の観点から好ましい。
イソシアヌレート基(イソシアヌレート結合)を含有するウレタンゴムは、イソシアヌレート基を有さないウレタンゴムと比較して、同程度の硬度(例えば、国際ゴム硬度)を有する場合でも、クリーニング角βを大きく維持しやすくなる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、4,4’−MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(1,5−NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(PAPI)などが挙げられる。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
高分子量のポリオール(脂肪族ポリエステル系ポリオール)としては、例えば、エチレンブチレンアジペートポリエステルポリオール、ブチレンアジペートポリエステルポリオール、ヘキシレンアジペートポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。また、これらを混合して用いてもよい。また、これらの脂肪族ポリエステル系ポリオールの中でも、結晶性が高い点で、ブチレンアジペートポリエステルポリオール、ヘキシレンアジペートポリエステルポリオールが好ましい。脂肪族ポリエステル系ポリオールの結晶性が高いほど、得られるポリエステル系ウレタンゴム(ポリエステル系ウレタンゴム製のクリーニングブレード)の硬度が高くなり、クリーニングブレードの耐久性を高めることができる。
また、高分子量のポリオールの数平均分子量は、1500以上4000以下であることが好ましく、2000以上3500以下であることがより好ましい。ポリオールの数平均分子量が大きいほど、得られるウレタンゴム(ウレタンゴム製のクリーニングブレード)の硬度、弾性率および引っ張り強度が高くなる。また、数平均分子量が小さいほど、粘度が低くなり、ハンドリングが容易になる。
鎖延長剤(多官能の低分子量のポリオール)としては、例えば、グリコールが挙げられる。グリコールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール(テレフタリルアルコール)、トリエチレングリコールなどが挙げられる。また、グリコール以外の鎖延長剤としては、例えば、3価以上の多価アルコールが挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。また、これらを混合して用いてもよい。
ウレタンゴム合成用触媒としては、ゴム化(樹脂化)や泡化を促進するためのウレタン化触媒(反応促進触媒)と、イソシアヌレート化触媒(イソシアネート三量化触媒)とに大別される。本発明においては、これらを混合して用いてもよい。
ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエートなどのスズ系のウレタン化触媒や、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルイミダゾール、テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンなどのアミン系のウレタン化触媒などが挙げられる。本発明においては、これらを混合して用いてもよい。これらのウレタン化触媒の中でも、ウレタン反応を特に促進する点で、トリエチレンジアミンが好ましい。
イソシアヌレート化触媒としては、例えば、LiO、(BuSn)Oなどの金属酸化物や、NaBHなどのハイドライト化合物や、NaOCH、KO−(t−Bu)、ホウ酸塩などのアルコキシド化合物や、N(C、N(CHCH、N12などのアミン化合物や、HCONa、CO(Na)、PhCONa/DMF、CHCOK、(CHCOCa、アルカリ石鹸、ナフテン酸塩などのアルカリ性カルボキシレート塩化合物や、アルカリ性蟻酸塩化合物や、((R−NROH)−OOCRなどの四級アンモニウム塩化合物などが挙げられる。また、イソシアヌレート化触媒として用いられる組み合わせ触媒(共触媒)として、例えば、アミン/エポキシド、アミン/カルボン酸、アミン/アルキレンイミドなどが挙げられる。本発明においては、これらを混合して用いてもよい。
ウレタンゴム合成用触媒の中でも、単独でウレタン化触媒としての作用に加えてイソシアヌレート化触媒の作用も示す、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンが好ましい。
また、必要に応じて、顔料、可塑剤、防水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの添加剤を併せて用いることもできる。
本発明者らは、次のような方法でウレタンゴムを合成することで、イソシアヌレート基の分布を上述したように制御できることを見出した。すなわち、ポリオールとして脂肪族ポリエステル系ポリオールを用い、イソシアヌレート化触媒を金型の内表面に塗布し、この金型にポリイソシアネートと脂肪族ポリエステル系ポリオールの比率が特定範囲にある原料を入れ、ウレタンゴムを合成する方法である。
原料を入れる金型の内表面にイソシアヌレート化触媒を塗布することによって、上記原料のうち、特に金型の内表面に接する部分におけるイソシアヌレート化反応が促進される。そのため、脂肪族ポリエステル系ポリオールに対して過剰のポリイソシアネートを使用することが好ましい。さらに、過剰のポリイソシアネートに対して、金型の内表面に塗布されたイソシアヌレート化触媒および金型の温度が作用して、イソシアヌレート基の分布が上述したように制御されたウレタンゴムが合成される。
ポリイソシアネートに対する脂肪族ポリエステル系ポリオールの使用量(モル数)は、ポリイソシアネートのモル数に対して30モル%以上40モル%以下であることが好ましい。脂肪族ポリエステル系ポリオールが少ないほど、ポリイソシアネートを過剰にした効果が得られやすく、クリーニングブレードの当接部の表面のヤング率(Y)を10mgf/μm以上に制御しやすくなる。一方、ポリイソシアネートの過剰の程度をある程度に抑えることによって、クリーニングブレードの当接部の表面のヤング率(Y)を400mgf/μm以下に制御しやすくなる。
また、金型の温度は、80℃以上150℃以下の範囲にすることが好ましく、100℃以上130℃以下の範囲にすることがより好ましい。金型内において原料を反応させてウレタンゴムを合成するためには、反応の速度の観点から、金型の温度はある程度高いことが好ましいが、金型の温度が高くなるほど、当接部の表面と内部のヤング率の差が小さくなる傾向がある。
なお、クリーニングブレードを製造する方法としては、上述の方法以外に、例えば、ドラム状の型の内側に液を投入し、遠心力をかけて製造する方法(遠心法)や、ベルトもしくは溝状の型に液を投入して成形する方法(キャストプレス法)などが挙げられる。
また、低摩擦化の観点から、本発明のクリーニングブレードに対して、クリーニングブレードの当接部の表面(以下「表面C」とも表記する。)における平均傾斜角θaが1°以上となるような凹凸を設けることが好ましい。クリーニングブレードの表面Cにおける平均傾斜角θaが1°以上であれば、クリーニングブレードと被クリーニング部材との真実接触面積が小さくなり、より低摩擦化を図ることができる。
クリーニングブレードの表面Cに平均傾斜角θaが1°以上となるような凹凸を設ける場合、クリーニング対象物であるトナーのすり抜けを抑制する必要がある。そのためには、クリーニングブレードの表面Cにおける十点平均粗さRzは、10μm以下であることが好ましい。
クリーニングブレードの表面Cの平均傾斜角θaが1°以上にする方法としては、該表面Cに対応する金型の表面に、該表面Cの平均傾斜角θaが1°以上になるような凹凸を設けておき、その形状を該表面Cに転写させればよい。金型の表面に凹凸を設ける方法としては、例えば、エッチング法、ブラスト加工、ショットピーニング法、レーザー加工、放電加工、マイクロインプリント、ナノインプリントなどが挙げられる。
また、本発明のクリーニングブレードは、被クリーニング部材との当接方式として、画像形成時の被クリーニング部材の回転方向(被クリーニング部材の表面の移動方向)に対してカウンター方向に配設するカウンター方式に採用することができる。それだけでなく、画像形成時の被クリーニング部材の回転方向(被クリーニング部材の表面の移動方向)に対してウィズ方向に配設するウィズ方式を採用することもできる。ウィズ方式とすることで、被クリーニング部材の表面とクリーニングブレードの先端部とで形成されるくさび形状および当接圧を良好な状態に保ちやすくなる。くさび形状および当接圧が良好な状態であれば、凹凸・異物への追従性に優れた状態となり、優れたクリーニング性が得られるとともに、被クリーニング部材の回転トルクを小さくすることができる。
以下、カウンター方式およびウィズ方式について説明する。
(カウンター方式のクリーニング)
図12は、カウンター方式とウィズ方式のクリーニングブレードの当接状態を示す図である。
カウンター方式においては、図12(a)に示すように、クリーニングブレードの支持部材992が、当接部よりも被クリーニング部材の表面の移動方向の下流側(以下単に「下流側」とも表記する。)にあるのが特徴である。図12(a)中、R1は被クリーニング部材の表面の移動方向を示し、点線Vは当接部において被クリーニング部材の表面に直交する線を示す。支持部材992は点線Vよりも下流側に配置されている。
カウンター方式では、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間に摩擦力が発生すると、クリーニングブレード全体を圧縮する方向に力が働く。そのため、クリーニングブレードの先端に高い圧力がかかり、その圧力の上昇により、摩擦力がさらに高まる。このように、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間の摩擦力が上昇すると、当接力も連動して上昇し、当接力の上昇がさらに摩擦力の上昇を引き起こしやすいため、当接力および摩擦力が異常に上昇する現象が発生しやすい。この現象が発生した場合、クリーニングブレードの先端が下流側へと強く引っ張られ、また、クリーニングブレードがそれに抗して元の状態に戻る動作を繰り返す傾向がある。その動作の繰り返しにより、異音(鳴き)が発生する場合がある。異音(鳴き)は、特に、被クリーニング部材の駆動時および停止時に発生しやすい。さらに、異音が発生した状態でしばらくそのままにしておくと、クリーニングブレードの先端が下流側に捲れてしまう場合もある。
図13は、カウンター方式とウィズ方式の当接部近傍の状態を示す図である。
図13(a)に、カウンター方式における当接部近傍の様子を示す。図13(a)中、クリーニングブレードの先端の上流側でクリーニングブレード991と被クリーニング部材901とで形成される角度をβと表記している。より正確には、クリーニングブレード991と被クリーニング部材901との当接部内の被クリーニング部材901の回転方向(被クリーニング部材901の表面の移動方向)の中央において被クリーニング部材901の表面に接する平面を接触面Aとする。そのとき、接触面Aとクリーニングブレード991における上記当接部よりも被クリーニング部材901の回転方向(上記移動方向)の上流側の被クリーニング部材901の表面に対向する部分の表面とのなす角度が、角度βである。ここで「上流側」とは、当接部よりも被クリーニング部材の表面の移動方向の上流側を意味する。以下同じである。また、クリーニングブレード991と被クリーニング部材901との当接部をNと表記し、トナーをTと表記している。トナーTを堰き止める能力は、角度βと、当接部Nにかかる圧力Pとに依存し、圧力Pが高いほど、角度βが小さくてもトナーTを堰き止めやすくなる。カウンター方式では、クリーニングブレードの先端と被クリーニング部材との間の摩擦力により、クリーニングブレードの先端が下流側へ引っ張られ、圧力Pが高まることによって、トナーTを効果的に堰き止めることができるのである。小粒径で高球形度のトナーをクリーニングするためには、高い当接圧が必要となるため、カウンター方式によるクリーニングも適しているといえる。また、高い当接圧により、被クリーニング部材の表面の凹凸にもクリーニングブレードの先端が隙間なく追従しやすい。
しかしながら、当接圧を高くしたカウンター方式では、被クリーニング部材の回転トルクが大きくなる傾向がある。
(ウィズ方式のクリーニング)
ウィズ方式においては、図12(b)に示すように、クリーニングブレードの支持部材992が上流側にあるのが特徴である。図12(b)中、R1は被クリーニング部材の表面の移動方向を示し、点線Vは当接部において被クリーニング部材の表面に直交する線を示す。支持部材992は点線Vよりも上流側に配置されている。
ウィズ方式では、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間に摩擦力が発生すると、クリーニングブレード全体を引き延ばす方向に力が働く。そのため、クリーニングブレードの先端にかかる圧力は解放される傾向にあり、カウンター方式に比べて当接圧および摩擦力の異常な上昇は発生しにくい。そのため、異音(鳴き)は発生しづらく、低トルク化に有利である。
図13(b)に、ウィズ方式における当接部近傍の様子を示す。図13(b)中、クリーニングブレードの先端の上流側でクリーニングブレード991と被クリーニング部材901とで形成される角度をβと表記している。また、クリーニングブレード991と被クリーニング部材901との当接部をNと表記し、トナーをTと表記している。ウィズ方式では、クリーニングブレード991と被クリーニング部材901との間の摩擦力により、クリーニングブレードの先端は、R1方向(下流方向)へ引っ張られやすい。クリーニングブレードの先端がR1方向へ引っ張られると、角度βは小さくなり、トナーTは当接部Nへ侵入しやすくなる。また、当接部Nの幅は、クリーニングブレードの先端が引っ張られるほど長くなる傾向がある。当接部Nの幅が長くなるほど、圧力Pが小さくなるため、当接部Nに入り込んだトナーTは、下流側へとすり抜けやすくなってしまう。クリーニングブレード991を被クリーニング部材901により強く押し付けても(当接圧を高めても)、クリーニングブレードの先端は、より下流へと引っ張られる。そのため、角度βはますます小さくなり、当接部Nの幅はさらに広がり、当接圧を効果的に上げることが難しい。また、クリーニングブレードの種類などの条件によっては、当接部Nの幅が非常に大きくなると、クリーニングブレードが被クリーニング部材の表面に強く凝着しやすくなることもある。すると、被クリーニング部材の回転トルクが、カウンター方式を採用した場合と変わらないくらい大きくなってしまうこともある。
図16は、クリーニングブレードの先端の当接状態を示す図である。
クリーニングブレードをウィズ方式で用いる場合、図16(a)に示すように、クリーニングブレードの、当接部よりも上流側で対向する表面U(以下単に「表面U」とも表記する。)のヤング率(YU0)を10mgf/μm以上にすることが好ましい。ヤング率(YU0)を10mgf/μm以上にすることで、クリーニングブレードの表面Uが、クリーニングブレードの先端をR1方向(下流方向)へ引っ張る力に強く抗することになる。そのため、クリーニングブレードの姿勢は適正に維持されやすくなる。その結果、角度βは適正な値に保たれる。また、クリーニングブレードの先端の変形が小さくなり、当接部Nの幅も狭くなるので、当接圧Pを高く設定しやすくなる。すなわち、小粒径で高球形度のトナーでも、良好にクリーニングしやすくなる。また、当接圧Pを高く設定すれば、被クリーニング部材の凹凸への追従性も良好となる。また、当接部Nの幅が小さくなれば、クリーニングブレードと被クリーニング部材との間の凝着力が小さくなるため、被クリーニング部材の回転トルクも低くしやすい。ヤング率(YU0)を大きくするほど、βを大きく、当接圧Pを高く、当接部Nの幅を小さくしやすくなり、クリーニング性能をより向上させることができる。そのため、クリーニングブレードをウィズ方式で用いる場合は、ヤング率(YU0)は40mgf/μm以上であることが好ましい。表面Uのうち、ヤング率(YU0)が10mgf/μm以上である部分は必ずしも表面Uの全面でなくてもよい。ただ、クリーニングブレードの先端をR1方向(下流方向)へ引っ張る力に強く抗し、クリーニングブレード全体の姿勢を強く維持する観点から、ヤング率(YU0)が10mgf/μm以上である部分は表面Uの全面が好ましい。また、クリーニングブレードの先端の変形を抑制する観点から、当接部近傍のヤング率(YU0)が大きいことが好ましい。小粒径で高球形度のトナーをクリーニングするためには、角度βは大きいほど好ましいが、ウィズ方式を採用する以上、角度βの上限は90°未満となる。
また、上述のように、本発明のクリーニングブレードは、表面Cのヤング率をある程度高くする(10mgf/μm以上400mgf/μm以下)とともに、当接部の表面から内部に向かってヤング率が小さくなるように構成されている。具体的には、クリーニングブレードの当接部の表面より50μm内部の位置のヤング率(Y50)と上記ヤング率(Y)との比(Y50/Y)が0.5以下(好ましくは0.2以下)になるように構成されている。ヤング率(Y)を高くすることにより、クリーニングブレードの先端が下流側へ引っ張られにくくなり、角度βを高く維持しやすくなる。また、上記比(Y50/Y)を0.5以下に抑えることにより、表面Cのヤング率がある程度高くなっていても、良好な凹凸・異物への追従性を得ることができる。
ただし、ヤング率(Y)およびヤング率(YU0)が大きすぎると、クリーニングブレードの表面の変形が少なくなりやすい。その結果、被クリーニング部材の表面の凹凸への追従性が悪化したり、被クリーニング部材の表面に対して局所的に非常に大きい圧力がかかって被クリーニング部材の表面を傷付けたりしやすくなる。そのため、ヤング率(Y)およびヤング率(YU0)は400mgf/μm以下であることが好ましい。
(ヤング率の測定方法)
本発明において、クリーニングブレードのヤング率の測定は、(株)エリオニクス製の微小押し込み硬さ試験機ENT−1100(商品名)を使用して行った。クリーニングブレードの当接部の表面から内部に向かって適宜な点において、下記の条件で負荷−除荷試験を行い、同試験機の計算結果としてヤング率は得られる。
試験モード:負荷−除荷試験
荷重レンジ:A
試験荷重:100[mgf]
分割数:1000[回]
ステップインターバル:10[m秒]
荷重保持時間:2[秒]
図7(b)は、クリーニングブレードのヤング率を測定する場所を示す模式図である。本発明においては、まず、クリーニングブレードを長手方向で4等分した。そして、両端を除く3つの切断面805における、当接部806(図7(b)の下側の図中の灰色の領域)の任意の箇所において、当接部の表面から内部に向かう方向(図7(b)の下側の図中の矢印の方向)で、上述した測定および計算を行った。具体的には、当接部の表面から内部に向かって、表面から60μmまでは2μm刻み、60μmから100μmまで10μm刻み、100μmから300μmは20μm刻みの位置で上述した測定および計算を行った。そして、各測定位置において、上記3つの断面における測定値を平均した値を、その位置におけるヤング率の値として用いた。なお、原理上、ヤング率は0より大きい値となる。
(μATR法でIRスペクトルの測定方法)
本発明において、μATR法でIRスペクトルの測定は、パーキンエルマー社製のフーリエ変換赤外分光装置(商品名:Perkin Elmer Spectrum One/Spotlight300)を使用して行った(ダイヤモンドクリスタルのユニバーサルATR)。
本発明において、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の硬度は、65°以上90°以下の範囲にあることが好ましい。ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の硬度が高いほど、被クリーニング部材に当接させたときの当接圧を十分に確保しやすくなる。一方、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の硬度が低いほど、被クリーニング部材を傷つけることを抑制することができる。なお、本発明において、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の硬度(IRHD)は、ウォーレス(H.W.WALLACE)社製のウォーレス微小硬度計を用い、国際ゴム硬さ試験M法によって測定した値である。国際ゴム硬さ試験M法は、JISK6253−1997に規定されている。
本発明において、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の100%伸張時の引っ張り応力(100%モジュラス)は、2.5MPa以上6.0MPa以下の範囲にあることが好ましい。ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の100%伸張時の引っ張り応力が大きいほど、被クリーニング部材に当接させたときの当接圧を十分に確保しやすくなる。一方、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の100%伸張時の引っ張り応力(100%モジュラス)が小さいほど、被クリーニング部材の表面に対する追従性が良好になる。なお、本発明において、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の100%伸張時の引っ張り応力(100%モジュラス)の際には、まず、クリーニングブレードを打ち抜いてJIS−3号ダンベルを作製した。そして、作製したJIS−3号ダンベルを用い、引っ張り速度500mm/分で引っ張り100%伸張時の応力(100%モジュラス)を測定した。
本発明において、クリーニングブレードを構成するウレタンゴムのtanδ(10Hzの周波数で−50℃以上+130℃以下の温度域において測定した値。以下同じ。)のピーク温度は、できるだけ低温であることが好ましく、具体的には、5℃以下であることが好ましい。また、クリーニングブレードを構成するウレタンゴムのtanδの値は、低温から高温にかけてなだらかな曲線を描くことが好ましい。具体的には、5℃のときのtanδの値が0.7以下であり、40℃のときのtanδの値が0.04以上であることが好ましい。クリーニングブレードを構成するウレタンゴムのtanδのピーク温度が低いほど、クリーニングブレードの低温環境下での弾性の低下が抑えられる。また、該tanδの値が低温から高温にかけて描く曲線がなだらかなほど、クリーニングブレードの低温環境下での弾性の低下が抑えられる。クリーニングブレードの低温環境下での弾性の低下が抑えられれば、低温環境下でのクリーニング性の悪化を抑えることができる。また、クリーニングブレードを構成するウレタンゴムのtanδのピーク温度が低いほど、粘性が低くなりにくい。また、該tanδの値が低温から高温にかけて描く曲線がなだらかなほど、粘性が低くなりにくい。粘性が低くなりにくければ、高温環境下でのクリーニングブレードのビビリ、捲れを抑えることができる。なお、本発明において、ウレタンゴムのtanδは、セイコーインスツルメンツ(株)製の動的粘弾性測定装置(商品名:Exstar 6100DMS)を用いて測定した値である。
本発明において、クリーニングブレードを構成するウレタンゴムの圧縮永久歪みに関しては、圧縮永久歪みが大きいほど、クリーニングブレードのエッジ部分の被クリーニング部材の表面への圧接力が下がりやすい。また、圧縮永久歪みが大きいほど、クリーニングブレードのエッジ部分が被クリーニング部材の表面に一様に当接しにくくなる。そのため、圧縮永久歪みが小さいものが好ましい。また、ウレタンゴムの耐摩耗性の観点からも、圧縮永久歪みが小さいものが好ましい。具体的には、クリーニングブレードを構成するウレタンゴムの圧縮永久歪みは、5%以下であることが好ましい。なお、本発明において、ウレタンゴムの圧縮永久歪みは、JIS K6262−1997に基づいて測定した値である。
(数平均分子量の測定方法)
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、GPC用の単分散ポリスチレンを用い、それらのピークカウント数と単分散ポリスチレンの数平均分子量とから検量線を作成し、常法に従って算出した。具体的には、本発明において、数平均分子量は、測定対象をテトラヒドロフラン(溶媒)により溶解させ、溶解した成分を以下に示す装置等・条件で測定した値である。
GPC装置:東ソー(株)製のHLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)製のTSK−GEL(商品名)、G−5000HXL(商品名)、G−4000HXL(商品名)、G−3000HXL(商品名)、G−2000HXL(商品名)
検出器:示差屈折計
溶媒:テトラヒドロフラン
溶媒濃度:0.5質量%
流速:1.0ml/分
(十点平均粗さ(Rz)および平均傾斜角(θa)の測定方法)
十点平均粗さ(Rz)および平均傾斜角(θa)の測定は、(株)小坂研究所社製のサーフコーダ(商品名:SE−3500)を用いて行った。十点平均粗さ(Rz)は、JIS B0601−94に基づいて測定した値である。平均傾斜角(θa)の算出方法を図11に示す。測定条件を以下に示す。
カットオフ値:0.8mm
測定長さ:2.5mm
送り速さ:0.1mm/秒
(動摩擦係数の測定方法)
動摩擦係数の測定は、新東科学(株)製の表面性測定機(商品名:HEIDON TYPE:14FW)を用いて行った。測定圧子としては、佐藤鉄工(株)製のSiC球(呼び3/8インチ)を使用した。測定部分は、図7(b)における当接部806を含む、被クリーニング部材に対向する面である。測定条件を以下に示す。
荷重:100mgf
測定長さ:1mm
測定スピード:1mm/分
データ取得周波数:1000Hz
上記測定条件では、60000点のデータが得られるが、測定の後半の10000点の平均値を算出し、動摩擦係数とした。
また、本発明のクリーニングブレードは、カウンター方式やウィズ方式の使用方法にて、プロセスカートリッジに用いることができる。
本発明のプロセスカートリッジは、
本発明のクリーニングブレードと、
本発明のクリーニングブレードによって表面がクリーニングされる被クリーニング部材である電子写真感光体と、
を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明のクリーニングブレードは、カウンター方式やウィズ方式の使用方法にて、電子写真装置に用いることができる。
本発明の電子写真装置は、
本発明のクリーニングブレードと、
本発明のクリーニングブレードによって表面がクリーニングされる被クリーニング部材である電子写真感光体および/または中間転写体と、
を有する電子写真装置である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。なお、本実施例において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例A1)
(第一の組成物を得る工程)
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「4,4’−MDI」とも表記する。)299部および数平均分子量2600のブチレンアジペートポリエステルポリオール(以下「BA2600」とも表記する。)767.5部を80℃で3時間反応させて、NCO基を7.2質量%含む第一の組成物(プレポリマー)を得た。
(第二の組成物を得る工程)
数平均分子量2000のヘキシレンアジペートポリエステルポリオール(以下「HA2000」とも表記する。)300部に、ウレタンゴム合成用触媒としてのN,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(以下「ETA」とも表記する。)0.25部を加え、60℃で1時間撹拌して、第二の組成物を得た。
(混合物を得る工程)
上記第一の組成物を80℃に加温し、これに60℃に加温した上記第二の組成物を加え、撹拌して、第一の組成物と該第二の組成物との混合物を得た。この混合物中のポリオールのモル数は、同混合物中のポリイソシアネートのモル数に対して17モル%であった。以下、この割合を「M(OH/NCO)」とも表記する。本例では、M(OH/NCO)=17モル%である。
(ウレタンゴム製のクリーニングブレードを得る工程)
エタノール100部にETA100部を混合して調製した触媒液を、クリーニングブレード製造用の金型の内表面の一箇所にスプレー塗布した。その後、ウレタンゴム製のブレードで金型の内表面の一部(クリーニングブレードの当接部に対応する面)に触媒液を拭き延した。
その後、金型を110℃に加熱した後、金型の内表面のうち触媒液を塗布していない方の面に離型剤を塗布し、再度、金型を110℃に加熱し、その温度で安定させた。
その後、上記混合物を、金型の内部(キャビティ内)に注入した。注入後、110℃(成型温度)で30分間加熱し、硬化反応させた後に、脱型し、ウレタンゴム板を得た。得られたウレタンゴム板を切断機で切断し、エッジ部分を形成して、ウレタンゴム製のクリーニングブレードを得た。得られたクリーニングブレードは、厚さ2mm、長さ20mm、幅345mmであった。
製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示す。
得られたクリーニングブレードについて、上記分析測定および物性評価を行った。得られた結果を図1および表3に示す。
図1(a)中、ヤング率(Y)とヤング率(Y50)を結んだ直線をL0−50と表記し、ヤング率(Y)とヤング率(Y20)を結んだ直線をL0−20と表記し、ヤング率(Y20)とヤング率(Y50)を結んだ直線をL20−50と表記した。
(評価方法)
評価機としては、キヤノン(株)製の複写機(商品名:iR−ADVC5255)を用いた。そして、該複写機用のドラム形状の感光体(以下「感光ドラム」とも表記する。)と同じ寸法で、直径40μm、深さ2.5μmの凹部を面積率50%で表面に形成した感光ドラム(以下「凹感光ドラム」とも表記する。)、Sm30μm、凹凸高さ2μmの周方向のスジを表面に形成した感光ドラム(以下「周スジ感光ドラム」とも表記する。)、および、表面を平滑にした感光ドラム(以下「平滑感光ドラム」とも表記する。)の3種類の感光ドラムを用意した。これらを、それぞれ上記複写機に搭載した。それぞれの感光ドラムに対して、上述のようにして得られたクリーニングブレードを、その当接面(金型の内表面の触媒液が塗布された面に相対していた面)が感光ドラムに当接するように設置した。被クリーニング部材である感光ドラムとの当接方式は、カウンター方式である。設置条件としては、設定角22°、当接圧28gf/cm、自由長8mmとした。そして、30℃/80%RHの高温高湿環境下で、現像せずに放電電流100μAで10000枚の耐久試験を行い、クリーニングブレードの異音(鳴き)、ビビリおよび捲れを評価した。
次に、15℃/10%RHの低温低湿環境下で、メラミン樹脂粒子(オプトビーズ、直径3.5μm)をそれぞれの感光ドラムの表面に塗布し、クリーニング性として、メラミン樹脂粒子(トナーの代用)のすり抜けを評価した。クリーニングブレードの、感光ドラムの表面の凹凸や表面に存在するメラミン樹脂粒子への追従性が良好であるほど、メラミン樹脂粒子のすり抜けは生じにくくなる。評価結果を表4に示す。
なお、評価基準は下記のとおりである。
(異音、ビビリおよび捲れの評価)
A・・・クリーニングブレードの異音、ビビリおよび捲れ無し。
B・・・停止時または駆動開始時に異音が生じる場合がある。
C・・・停止時および駆動開始時に異音が生じる。または、駆動中に異音が生じる。
D・・・常時異音が生じる。または、捲れが生じる。
(すり抜け)
A・・・メラミン樹脂粒子のすり抜け無し。
B・・・クリーニングブレードの下流側の面(感光体に相対する面)にすり抜けたメラミン樹脂粒子が見られる(クリーニングブレードを観察)。
C・・・一部で、目視で判別できる程度の、メラミン樹脂粒子のスジ状のすり抜けが生じる(感光ドラムの表面を観察)。
D・・・全体で、目視で判別できる程度の、メラミン樹脂粒子のすり抜けが生じる(感光ドラムの表面を観察)。
実施例A1のクリーニングブレードのヤング率(Y)は41.8mgf/μmであり、Y50/Yは0.18であり、Y20/Yは0.48であった。ΔY0−20≧ΔY20−50であることは、L0−20とL20−50の傾きから見て取れる。また、ヤング率(Y)はL0−50より下にあり、当接部の表面から内部に向かっていったときのヤング率の変化のプロファイルが下に凸であることがわかる。なお、ISI/ISEは0.50であった。
(実施例A2)
実施例A1において、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部を下記式(D)で示される化合物
Figure 2016090619
(商品名:DABCO−TMR、三共エアプロダクツ社製)100部に変更した。また、成型温度を110℃から80℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(a)、表3および4に示す。
(実施例A3)
実施例A1において、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部を特殊アミン(商品名:UCAT−18X、サンアプロ(株)製)100部に変更した。また、成型温度を110℃から150℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(a)、表3および4に示す。
(実施例A4)
実施例A1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から360部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をCHCOOK(商品名:POLYCAT46、エアプロダクツ社製)100部に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(a)、表3および4に示す。
(実施例A5)
実施例A1において、第一の組成物を得る工程における4,4’−MDIの量を299部から350部に変更した。また、BA2600の量を767.5部から860部に変更した。また、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から170部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)とDABCO−TMR(商品名)との1:1(質量比)の混合品100部に変更した。また、成型温度を110℃から90℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(a)、表3および4に示す。
(実施例A6)
実施例A1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から218.5部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。また、成形温度を110℃から100℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(a)、表3および4に示す。
(実施例A7)
実施例A1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から218.5部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(a)、表3および4に示す。
(比較例A1)
実施例A1において、第二の組成物を得る工程における、HA2000の量を300部から500部に変更した。また、成型温度を110℃から140℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(b)、表3および4に示す。
(比較例A2)
実施例A1において、第一の組成物を得る工程における、4,4’−MDIの量を299部から350部に変更した。また、BA2600の量を767.5部から860部に変更した。また、第二の組成物を得る工程における、HA2000の量を300部から150部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。それら以外は、実施例A1同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(b)、表3および4に示す。
(比較例A3)
実施例A1において、金型の内表面に触媒液を塗布しなかった以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造した。次に、製造したクリーニングブレードを80℃に加温した4,4’−MDIに30分浸漬し、引き上げた。その後、クリーニングブレードの表面に付着している4,4’−MDIをエタノールで拭き取った。その後、25℃/90%RHの高湿環境下で2日間放置して、拭き取れきれなかったクリーニングブレードの表面に浸み込んでいる4,4’−MDIを加水処理させ、これを比較例A3のクリーニングブレードとした。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図2(b)、表3および4に示す。
(比較例A4)
メチルイソブチルケトン(MIBK)100部にDABCO−TMR(商品名)0.1部(1000ppm相当)を添加し、さらに、これに4,4’−MDIを200部添加して触媒液を調製した。調製した触媒液を、130℃に加熱した金型の内表面にスプレー塗布して、イソシアヌレートと未反応MDIを含有する厚さ50μmのポリイソシアネート膜を金型の内表面に形成した。次に、実施例A1と同様にして得た第一の組成物と第二の組成物の混合物を上記の金型の内部(キャビティ内)に注入した。注入後、130℃(成型温度)で30分間加熱し、硬化反応させた後に、脱型し、ウレタンゴム板を得た。得られたウレタンゴム板を切断機で切断し、エッジ部分を形成して、ウレタンゴム製のクリーニングブレードを製造した。得られたクリーニングブレードは、厚さ2mm、長さ20mm、幅345mmであった。得られたクリーニングブレードに対して、実施例A1と同様にして分析測定および物性評価を行った。製造条件を表2に示し、分析測定および物性評価の結果を図3(a)、表3および4に示す。
(比較例A5)
実施例A1において、金型の内表面に触媒液を塗布しなかった以外は、実施例A1と同様にクリーニングブレードを製造した。次に、製造したクリーニングブレードの当接部(に対応する部分)に厚さ40μmのナイロンコートを施し、これを比較例A5のクリーニングブレードとした。分析測定および物性評価の結果を図3(a)、表3および4に示す。
(比較例A6)
実施例A1において、第一の組成物を得る工程におけるBA2600の量を767.5部から800部に変更した。また、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から450部に変更した。また、ETAの量を0.25部から0.28部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をPOLYCAT46(商品名)と4級アンモニウム塩(商品名:TOYOCAT−TRV、東ソー(株)製)との3:2(質量比)の混合品100部に変更した。また、成型温度を110℃から100℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図3(a)、表3および4に示す。
(比較例A7)
実施例A1において、触媒液の調製に用いたETAをUCAT−18X(商品名)とDABCO−TMR(商品名)との1:1(質量比)の混合品に変更し、これを金型の内表面には塗布せずに第二の組成物に0.25部混合して使用した。また、成型温度を110℃から90℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図3(b)、表3および4に示す。
(比較例A8)
実施例A1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から380部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をPOLYCAT46(商品名)とTOYOCAT−TRV(商品名)との1:1(質量比)の混合品100部に変更した。また、成型温度を110℃から100℃に変更した。それら以外は、実施例A1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表1および2に示し、分析測定および物性評価の結果を図3(b)および表3に示す。
Figure 2016090619
Figure 2016090619
Figure 2016090619
Figure 2016090619
が10mgf/μm以上400mgf/μm以下であり、Y50/Yが0.5以下であり、ΔY0−20がΔY20−50以上である実施例A1〜A7では、各感光ドラムを使用した場合において、すり抜けが抑制され、クリーニングブレードの異音・ビビリ・捲れが抑制されている。
(実施例B1)
(第一の組成物を得る工程)
4,4’−MDIの299部およびBA2600の767.5部を80℃で3時間反応させて、NCO基を7.2質量%含む第一の組成物(プレポリマー)を得た。
(第二の組成物を得る工程)
HA2000の300部に、ウレタンゴム合成用触媒としてのETA0.25部を加え、60℃で1時間撹拌して、第二の組成物を得た。
(混合物を得る工程)
上記第一の組成物を80℃に加温し、これに60℃に加温した上記第二の組成物を加え、撹拌して、第一の組成物と該第二の組成物との混合物を得た。この混合物中のポリオールのモル数は、同混合物中のポリイソシアネートのモル数に対して17モル%であった(M(OH/NCO))。本例では、M(OH/NCO)=17モル%である。
(ウレタンゴム製のクリーニングブレードを得る工程)
エタノール100部にETA100部を混合して調製した触媒液を、クリーニングブレード製造用の金型の内表面の一箇所にスプレー塗布した。その後、ウレタンゴム製のブレードで金型の内表面の一部(クリーニングブレードの当接部に対応する面)に触媒液を拭き延した。本実施例で使用した金型は、触媒を塗布する表面(以下「触媒塗布面」とも表記する。)にガラスビーズによるブラスト処理が施されており、平均傾斜角(θa)が1.01°であり、十点平均粗さ(Rz)が0.63μmであった。
触媒液を拭き延した後、金型を110℃に加熱した後、金型の内表面のうち触媒液を塗布していない方の面に離型剤を塗布し、再度、金型を110℃に加熱し、その温度で安定させた。
その後、上記混合物を、金型の内部(キャビティ内)に注入した。注入後、110℃(成型温度)で30分間加熱し、硬化反応させた後に、脱型し、ウレタンゴム板を得た。このウレタンゴム板の表面には、金型の表面形状が転写されてできた凹凸が存在した。得られたウレタンゴム板を切断機で切断し、エッジ部分を形成して、ウレタンゴム製のクリーニングブレードを得た。得られたクリーニングブレードは、厚さ2mm、長さ20mm、幅345mmであった。
製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示す。
得られたクリーニングブレードについて、上記分析測定および物性評価を行った。得られた結果を図8および表7に示す。
図8(a)中、ヤング率(Y)とヤング率(Y50)を結んだ直線をL0−50と表記し、ヤング率(Y)とヤング率(Y20)を結んだ直線をL0−20と表記し、ヤング率(Y20)とヤング率(Y50)を結んだ直線をL20−50と表記した。
(評価方法)
評価機としては、キヤノン(株)製の複写機(商品名:iR−ADVC5255)を用いた。そして、該複写機用の感光ドラムと同じ寸法で、直径40μm、深さ2.5μmの凹部を面積率50%で表面に形成した感光ドラム(凹感光ドラム。)、および、表面を平滑にした感光ドラム(平滑感光ドラム。)の2種類の感光ドラムを用意した。これらを、それぞれ上記複写機に搭載した。それぞれの感光ドラムに対して、上述のようにして得られたクリーニングブレードを、その当接面(金型の内表面の触媒液が塗布された面に相対していた面)が感光ドラムに当接するように設置した。被クリーニング部材である感光ドラムとの当接方式は、カウンター方式である。設置条件としては、設定角22°、当接圧28gf/cm、自由長8mmとした。そして、30℃/80%RHの高温高湿環境下で、現像せずに放電電流100μAで10000枚の耐久試験を行い、クリーニングブレードの異音(鳴き)、ビビリおよび捲れを評価した。
次に、15℃/10%RHの低温低湿環境下で、球形トナー(直径5.5μm)をそれぞれの感光ドラムの表面に塗布し、クリーニング性として、トナーのすり抜けを評価した。クリーニングブレードの、感光ドラムの表面の凹凸や表面に存在するトナーへの追従性が良好であるほど、トナーのすり抜けは生じにくくなる。評価結果を表8に示す。
なお、評価基準は下記のとおりである。
(異音、ビビリおよび捲れの評価)
A・・・クリーニングブレードの異音、ビビリおよび捲れ無し。
B・・・停止時または駆動開始時に異音が生じる場合がある。
C・・・停止時および駆動開始時に異音が生じる。または、駆動中に異音が生じる。
D・・・常時異音が生じる。または、捲れが生じる。
(すり抜け)
A・・・トナーのすり抜け無し。
B・・・クリーニングブレードの下流側の面(感光ドラムの表面に相対する面)にすり抜けたトナーが見られる(クリーニングブレードを観察)。
C・・・一部で、目視で判別できる程度の、トナーのスジ状のすり抜けが生じる(感光ドラムの表面を観察)。
D・・・全体で、目視で判別できる程度の、トナーのすり抜けが生じる(感光ドラムの表面を観察)。
実施例B1のクリーニングブレードのヤング率(Y)は42mgf/μmであり、Y50/Yは0.19であり、Y20/Yは0.48であった。ΔY0−20≧ΔY20−50であることは、L0−20とL20−50の傾きから見て取れる。また、ヤング率(Y)はL0−50より下にあり、当接部の表面から内部に向かっていったときのヤング率の変化のプロファイルが下に凸であることがわかる。なお、ISI/ISEは0.50であった。また、平均傾斜率θaは1.26°であり、十点平均粗さRzは0.71μmであった。
(実施例B2)
実施例B1において、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部を上記式(D)で示される化合物(商品名:DABCO−TMR、三共エアプロダクツ社製)100部に変更した。また、成型温度を110℃から80℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(a)、表7および8に示す。
(実施例B3)
実施例B1において、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部を特殊アミン(商品名:UCAT−18X、サンアプロ(株)製)100部に変更した。また、成型温度を110℃から150℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(a)、表7および8に示す。
(実施例B4)
実施例B1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から360部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をCHCOOK(商品名:POLYCAT46、エアプロダクツ社製)100部に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(a)、表7および8に示す。
(実施例B5)
実施例B1において、第一の組成物を得る工程における4,4’−MDIの量を299部から350部に変更した。また、BA2600の量を767.5部から860部に変更した。また、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から170部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)とDABCO−TMR(商品名)との1:1(質量比)の混合品100部に変更した。また、成型温度を110℃から90℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(a)、表7および8に示す。
(実施例B6)
実施例B1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から218.5部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。また、成形温度を110℃から100℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(a)、表7および8に示す。
(実施例B7)
実施例B1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から218.5部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(a)、表7および8に示す。
(実施例B8)
実施例B1において、金型を、触媒塗布面の平均傾斜角θaが15.1°であり、十点平均粗さRzが9.2μmである金型に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示す。本実施例は、金型の表面形状以外の製造条件は実施例B1と同様であり、深さ方向のヤング率変化は実施例B1とほぼ同じであった。分析測定および物性評価の結果を表7および8に示す。
(実施例B9)
実施例B6において、金型を、触媒塗布面の平均傾斜角θaが15.1°であり、十点平均粗さRzが9.2μmである金型に変更した。それら以外は、実施例B6と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示す。本実施例は、金型の表面形状以外の製造条件は実施例B6と同様であり、深さ方向のヤング率変化は実施例B6とほぼ同じであった。分析測定および物性評価の結果を表7および8に示す。
(実施例B10)
実施例B9と同様にして製造したクリーニングブレードをベルト形状の中間転写体(以下「中間転写ベルト」とも表記する。)に適用した例である。評価機は実施例B1と同様のキヤノン(株)製の複写機(商品名:iR−ADVC5255)を用いた。そして、該複写機で使用している中間転写ベルトを未使用の状態で使用した(平滑中間転写ベルト)。設定角は25°、当接圧35gf/cmとした。そして、30℃/80%RHの高温高湿環境下で画像を形成せずに一次転写電流を40μA、二次転写電流を80μAとし、10000枚の耐久試験を行い、耐久中のクリーニングブレードの異音(鳴き)、ビビリおよび捲れを評価した。次に、15℃/10%RHの低温低湿環境下で、中間転写ベルトの表面に長手全域にわたって50mm幅のベタ画像を転写し、このベタ画像に対するクリーニング性を評価した。このとき、二次転写部には転写バイアスは印加せず、中間転写ベルトの表面のトナーがなるべく多くクリーニング部に到達するようにした。トナーの種類、トナー堆積量、および、帯電量は、実施例B1と同じである。評価結果を表7および8に示す。
(比較例B1)
実施例B1において、第二の組成物を得る工程における、HA2000の量を300部から500部に変更した。また、成型温度を110℃から140℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(b)、表7および8に示す。
(比較例B2)
実施例B1において、第一の組成物を得る工程における、4,4’−MDIの量を299部から350部に変更した。また、BA2600の量を767.5部から860部に変更した。また、第二の組成物を得る工程における、HA2000の量を300部から150部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。それら以外は、実施例B1同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(b)、表7および8に示す。
(比較例B3)
実施例B1において、金型の内表面に触媒液を塗布しなかった以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造した。次に、製造したクリーニングブレードを80℃に加温した4,4’−MDIに30分浸漬し、引き上げた。その後、クリーニングブレードの表面に付着している4,4’−MDIをエタノールで拭き取った。その後、25℃/90%RHの高湿環境下で2日間放置して、拭き取れきれなかったクリーニングブレードの表面に浸み込んでいる4,4’−MDIを加水処理させ、これを比較例B3のクリーニングブレードとした。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図9(b)、表7および8に示す。
(比較例B4)
メチルイソブチルケトン(MIBK)100部にDABCO−TMR(商品名)0.1部(1000ppm相当)を添加し、さらに、これに4,4’−MDIを200部添加して触媒液を調製した。調製した触媒液を、130℃に加熱した金型の内表面にスプレー塗布して、イソシアヌレートと未反応MDIを含有する厚さ50μmのポリイソシアネート膜を金型の内表面に形成した。次に、実施例B1と同様にして得た第一の組成物と第二の組成の混合物を上記の金型の内部(キャビティ内)に注入した。注入後、130℃(成型温度)で30分間加熱し、硬化反応させた後に、脱型し、ウレタンゴム板を得た。得られたウレタンゴム板を切断機で切断し、エッジ部分を形成して、ウレタンゴム製のクリーニングブレードを製造した。得られたクリーニングブレードは、厚さ2mm、長さ20mm、幅345mmであった。得られたクリーニングブレードに対して、実施例B1と同様にして分析測定および物性評価を行った。製造条件を表6に示し、分析測定および物性評価の結果を図10(a)、表7および8に示す。
(比較例B5)
実施例B1において、第一の組成物を得る工程におけるBA2600の量を767.5部から800部に変更した。また、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から450部に変更した。また、ETAの量を0.25部から0.28部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をPOLYCAT46(商品名)と4級アンモニウム塩(商品名:TOYOCAT−TRV、東ソー(株)製)との3:2(質量比)の混合品100部に変更した。また、成型温度を110℃から100℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図10(a)、表7および8に示す。
(比較例B6)
実施例B1において、触媒液の調製に用いたETAをUCAT−18X(商品名)とDABCO−TMR(商品名)との1:1(質量比)の混合品に変更した。また、これを金型の内表面には塗布せずに第二の組成物に0.25部混合して使用した。また、成型温度を110℃から90℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図10(b)、表7および8に示す。
(比較例B7)
実施例B1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から380部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をPOLYCAT46(商品名)とTOYOCAT−TRV(商品名)との1:1(質量比)の混合品100部に変更した。また、成型温度を110℃から100℃に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を図10(b)、表7および8に示す。
(比較例B8)
実施例B1において、金型を、触媒塗布面の平均傾斜角θaが0.36°であり、十点平均粗さRzが0.17μmである金型に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示す。本実施例は、金型の表面形状以外の製造条件は実施例B1と同様であり、深さ方向のヤング率変化は実施例B1とほぼ同じであった。分析測定および物性評価の結果を表7および8に示す。
(比較例B9)
実施例B1において、金型を、触媒塗布面の平均傾斜角θaが19.8°であり、十点平均粗さRzが10.3μmである金型に変更した。それら以外は、実施例B1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示に示す。本実施例は、金型の表面形状以外の製造条件は実施例B1と同様であり、深さ方向のヤング率変化は実施例B1とほぼ同じであった。分析測定および物性評価の結果を表7および8に示す。
(比較例B10)
実施例B6において、金型を、触媒塗布面の平均傾斜角θaが0.36°であり、十点平均粗さRzが0.17μmである金型ものに変更した。それら以外は、実施例B6と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示す。本実施例は、金型の表面形状以外の製造条件は実施例B6と同様であり、深さ方向のヤング率変化は実施例B6とほぼ同じであった。分析測定および物性評価の結果を表7および8に示す。
(比較例B11)
実施例B6において、金型を、触媒塗布面の平均傾斜角θaが19.8°であり、十点平均粗さRzが10.3μmである金型ものに変更した。それら以外は、実施例B6と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表5および6に示し、分析測定および物性評価の結果を表7および8に示す。
Figure 2016090619
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実施例B1〜B10では、Yが10mgf/μm以上400mgf/μm以下であり、Y50/Yが0.5以下であり、ΔY0−20がΔY20−50以上であり、θaが1°以上であり、Rzが10μm以下である。それら実施例B1〜B10では、当接部がより低摩擦化されており、各感光ドラムおよび中間転写ベルトを使用した場合において、すり抜け、クリーニングブレードの異音・ビビリ・捲れが抑制されている。
(実施例C1)
(第一の組成物を得る工程)
4,4’−MDIの299部およびBA2600の767.5部を80℃で3時間反応させて、NCO基を7.2質量%含む第一の組成物(プレポリマー)を得た。
(第二の組成物を得る工程)
HA2000の300部に、ウレタンゴム合成用触媒としてのETA0.25部を加え、60℃で1時間撹拌して、第二の組成物を得た。
(混合物を得る工程)
上記第一の組成物を80℃に加温し、これに60℃に加温した上記第二の組成物を加え、撹拌して、第一の組成物と該第二の組成物との混合物を得た。この混合物中のポリオールのモル数は、同混合物中のポリイソシアネートのモル数に対して17モル%であった(M(OH/NCO))。本例では、M(OH/NCO)=17モル%である。
(ウレタンゴム製のクリーニングブレードを得る工程)
エタノール100部にETA100部を混合して調製した触媒液を、クリーニングブレード製造用の金型の内表面の一箇所にスプレー塗布した。その後、ウレタンゴム製のブレードで金型の内表面の一部(クリーニングブレードの当接部に対応する面)に触媒液を拭き延した。
その後、金型を110℃に加熱した後、金型の内表面のうち触媒液を塗布していない方の面に離型剤を塗布し、再度、金型を110℃に加熱し、その温度で安定させた。
その後、上記混合物を、金型の内部(キャビティ内)に注入した。注入後、110℃(成型温度)で30分間加熱し、硬化反応させた後に、脱型し、ウレタンゴム板を得た。得られたウレタンゴム板を切断機で切断し、エッジ部分を形成して、ウレタンゴム製のクリーニングブレードを得た。得られたクリーニングブレードは、厚さ2mm、長さ20mm、幅345mmであった。
製造条件およびM(OH/NCO)を表9および10に示す。
得られたクリーニングブレードについて、上記分析測定および物性評価を行った。得られた結果を図14および表11に示す。
図14(a)中、ヤング率(Y)とヤング率(Y50)を結んだ直線をL0−50と表記し、ヤング率(Y)とヤング率(Y20)を結んだ直線をL0−20と表記し、ヤング率(Y20)とヤング率(Y50)を結んだ直線をL20−50と表記した。
(電子写真装置)
上述のようにして得られたクリーニングブレードを、以下の電子写真装置に取り付け、クリーニング性および感光ドラムの回転トルクの評価を行った。
評価機として用いた電子写真装置の構成を図17に示す。電子写真装置900は、タンデムタイプの電子写真方式のレーザービームプリンターである。
電子写真装置900は、複数の画像形成手段として、第1、第2、第3、第4の画像形成部(ステーション)SY、SM、SC、SKを有する。第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するようになっている。
各画像形成部SY、SM、SC、SKの構成および動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同一である。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために図中符号に与えた添え字(Y、M、CおよびK)は省略して総括的に説明する。
画像形成部Sは、感光ドラム901を有する。感光ドラム901は、図中矢印R1方向(時計回り)に回転駆動される。感光ドラム901の周囲には、帯電手段としての接触帯電部材(帯電ローラー)902、画像露光手段としてのレーザービームスキャナー903、現像手段としての現像装置904、クリーニング手段としてのクリーニング装置909が配置されている。また、すべての画像形成部Sの感光ドラム901に接触するように中間転写ベルト906が配置されており、中間転写ベルト906を感光ドラム901と挟む形で一次転写ローラー905が配置されている。
次に、フルカラー画像形成時を例として画像形成動作(画像形成方法)を説明する。
まず、感光ドラム901の表面が、帯電ローラー902によって所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電される。感光ドラム901は、図中矢示R1方向に300mm/秒の周速度(表面移動速度)で回転する。感光ドラム901の周速度は、電子写真装置900のプロセススピードに相当する。
帯電された感光ドラム901の表面は、レーザービームスキャナー(画像露光装置)903によって、画像信号により変調されたレーザー光Lで走査露光される。レーザー光が照射された部分で感光ドラム901の表面の帯電電荷が打ち消されるため、感光ドラム901の表面に静電潜像が形成される。
感光ドラム901の表面に形成された静電潜像は、現像装置904に収容されたトナーによってトナー像として現像される。本実施例では、現像装置904は、感光ドラム901の表面の静電潜像を反転現像方式にて現像する。
各感光ドラム901の表面に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト906を挟んで一次転写ローラー905と感光ドラム901とが対向している一次転写部にて、中間転写ベルト906上に順次に重ね合わせて転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラー905には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の一次転写電圧が印加される。
中間転写ベルト906は駆動ローラー961によって回転駆動されており、中間転写ベルト906の表面で4色重ねられたトナー像は、二次転写部907にて紙などの転写材Mに静電的に一括して転写される。
トナー像が転写された転写材Mは、中間転写ベルト906から分離されて、定着手段としての定着器(熱ローラー定着器)908へと搬送される。そして、転写材M上の未定着トナー像は、定着器908によって加熱および加圧されることで、転写材Mに定着される。
一次転写工程後に中間転写ベルト906に転写されずに感光ドラム901の表面に残ったトナー(一次転写残トナー)は、クリーニング装置909により感光ドラム901の表面から除去され、回収される。クリーニング装置の具体的構成については各実施例および比較例で述べる。一次転写残トナーが除去された感光ドラム901は、繰り返し画像形成に供される。
最後に、二次転写工程後に転写材Mに転写されずに中間転写ベルト906の表面に残ったトナー(二次転写残トナー)は、中間転写ベルトクリーナー910によって中間転写ベルト906の表面から除去され、回収される。
(クリーニング装置の構成)
図15(a)に、ウィズ方式のクリーニング装置の構成を示す。感光ドラム901に対してクリーニングブレード991は上記触媒を塗布した表面Uが接触するようにウィズ方向に当接している。クリーニングブレード991と感光ドラム901の接触部における接面と表面Uのなす角度をθとすると、本実施例ではθ=35°となるようにクリーニング装置909各部材の位置を設定した。支持部材992には回転中心993が取り付けられており、支持部材992は回転中心993を中心として自在に回転することができる。固定部材994は、電子写真装置900の枠体部に固定されており(不図示)、支持部材992とばねS1で繋がっており、ばねS1は、固定部材994の方向へ支持部材992を引っ張ることになる。そのため、クリーニングブレード991は感光ドラム901の表面へと一定の荷重(線圧28gf/cm)で押しつけられる。クリーニングブレードの自由長(支持部材992より先端に突出した部分の長さ)は8mmとした。
また、感光ドラム901と同径の素管に対してクリーニング装置909と同様の当接状態でクリーニングブレードを当接でき、クリーニングブレードの断面方向からその先端の当接状態を観察できる治具を用い、図16(b)に示す角度βの大きさを見積もった。素管は、アルミニウム製である。測定は、素管を回転させたときのクリーニングブレードの断面をCCDカメラで撮影する方法で行った。角度βの測定位置は、6μmの球形粒子がクリーニングブレードの表面Uと感光ドラムの表面の両方に接する位置において測定した。設定角θ=35°に対してクリーニングブレード全体が感光ドラム901の方向へわずかに撓むため、角度βは28°となった。
(評価方法)
上述の電子写真装置900の感光ドラム901と同じサイズの感光ドラムを3種類用意した。直径40μm、深さ2.5μmの凹部を面積率50%で表面に形成した感光ドラム(凹感光ドラム。)、Sm30μm、凹凸高さ2μmの周方向のスジを表面に形成した感光ドラム(周スジ感光ドラム。)、および、表面を平滑にした感光ドラム(平滑感光ドラム。)である。これらをそれぞれ上述の電子写真装置900のブラックステーションに搭載して評価を行った。それぞれの感光ドラムに対して、図15(a)に示すウィズ方式のクリーニング装置を装着した。そして、30℃/80%RHの高温高湿環境下で、現像せずに帯電放電電流−100μAで10000枚の耐久試験を行い、耐久中のクリーニングブレードの異音(鳴き)、ビビリおよび捲れを評価した。異音(鳴き)が発生しない際には、感光ドラムを回転させるための駆動モーター電流をモニターし、その値から感光ドラムの回転トルクの大小を推測した。
次に、15℃/10%RHの低温低湿環境下で、ブラックステーションで前述のそれぞれの感光ドラムの表面に長手全域にベタ画像を50mm幅現像したトナーのクリーニング性を評価した。ブラックステーションの転写バイアスは印加せず、現像したトナーがほぼすべて感光ドラムとクリーニングブレードとの当接部へと到達するようにした。現像剤は2成分カラー用の現像剤であり、トナーは懸濁重合法で製造された、中心粒径約6μmの球形トナーである。トナー粒子には、一次粒径20nmのシリカ粒子がトナー粒子100部に対して1部の割合で外添されている。全ベタ現像時の感光ドラムの表面のトナー堆積量と帯電量をそれぞれブローオフ法で測定したところ、それぞれ0.55mg/cm、−40μC/gであった。全ベタ現像後、感光ドラムの表面のトナーが上記当接部に到達した後、感光ドラムを1回転させた。その後、感光ドラムの回転を停止させ、感光ドラムの表面およびクリーニングブレードの様子を観察してクリーニング性を評価した。クリーニングブレードが大きい角度βと当接圧を保ち、かつ、感光ドラムの表面の凹凸に追従するほど、良好なクリーニング評価結果を示す。評価結果を表12に示す。
なお、評価基準は下記のとおりである
(異音、ビビリおよび捲れの評価)
AA・・・クリーニングブレードの異音、ビビリおよび捲れ無し。感光ドラムを回転させるための駆動モーター電流値(トルク)が著しく低い。
A・・・クリーニングブレードの異音、ビビリおよび捲れ無し。
B・・・停止時または駆動開始時に異音が生じる場合がある。
C・・・停止時および駆動開始時に異音が生じる。または、駆動中に異音が生じる。
D・・・常時異音が生じる。または、捲れが生じる。
(すり抜け評価)
A・・・トナーのすり抜け無し。
B・・・クリーニングブレードの下流側の面(感光ドラムの表面に相対する面)にすり抜けたトナーが見られる(クリーニングブレードを観察)。
C・・・一部で、目視で判別できる程度の、トナーのスジ状のすり抜けが生じる(感光ドラムの表面を観察)。
D・・・全体で、目視で判別できる程度の、トナーのすり抜けが生じる(感光ドラムの表面を観察)。
実施例C1のクリーニングブレードのヤング率(Y)は41.8mgf/μmであり、Y50/Yは0.18であり、Y20/Yは0.48であった。ΔY0−20≧ΔY20−50であることは、L0−20とL20−50の傾きから見て取れる。また、ヤング率(Y)はL0−50より下にあり、当接部の表面から内部に向かっていったときのヤング率の変化のプロファイルが下に凸であることがわかる。なお、ISI/ISEは0.50であった。
(実施例C2)
実施例C1において、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部を上記式(D)で示される化合物(商品名:DABCO−TMR、三共エアプロダクツ社製)100部に変更した。また、成型温度を110℃から80℃に変更した。それら以外は、実施例C1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表9および10に示し、分析測定および物性評価の結果を図18(a)、表11および12に示す。
(実施例C3)
実施例C1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から360部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をCHCOOK(商品名:POLYCAT46、エアプロダクツ社製)100部に変更した。それら以外は、実施例C1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表9および10に示し、分析測定および物性評価の結果を図18(a)、表11および12に示す。
(実施例C4)
実施例C1において、第二の組成物を得る工程におけるHA2000の量を300部から218.5部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。また、成形温度を110℃から100℃に変更した。それら以外は、実施例C1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表9および10に示し、分析測定および物性評価の結果を図18(a)、表11および12に示す。
(実施例C5)
実施例C1において、クリーニングブレードの設定角θが50°となるように、クリーニング装置の各部材の位置を調整して、実施例C1と同様の評価を行った。
(実施例C6〜C9)
実施例C1〜C4の各クリーニングブレードについて、実施例C1のクリーニングブレードの設定角θが75°となるような条件に、クリーニング装置の各部材の位置を調整して、実施例C1と同様の評価を行った。
(実施例C10〜C13)
実施例C1〜C4の各クリーニングブレードについて、クリーニングブレードをカウンター方向に当接させて、実施例C1と同様の評価を行った。図15(b)に、カウンター方式のクリーニング装置の構成を示す。感光ドラム901に対してクリーニングブレード991は表面Uが接触するようにカウンター方向に当接している。クリーニングブレードと感光ドラム901の接触点における接線と表面Uのなす角度をθとすると、本参考例ではθ=22°となるように設定した。支持部材992には回転中心993が取り付けられており、支持部材992は回転中心993を中心として自在に回転することができる。固定部材994は、電子写真装置900の枠体部に固定されており(不図示)、支持部材992とばねS2で繋がっており、ばねS2は、固定部材994の方向へ支持部材992を引っ張ることになる。そのため、クリーニングブレード991は感光ドラム901の表面へと一定の荷重(線圧28gf/cm)で押しつけられる。クリーニングブレードの自由長は8mmとした。
(比較例C1)
実施例C1において、第二の組成物を得る工程における、HA2000の量を300部から500部に変更した。また、成型温度を110℃から140℃に変更した。それら以外は、実施例C1と同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表9および10に示し、分析測定および物性評価の結果を図18(b)、表11および12に示す。
(比較例C2)
実施例C1において、第一の組成物を得る工程における、4,4’−MDIの量を299部から350部に変更した。また、BA2600の量を767.5部から860部に変更した。また、第二の組成物を得る工程における、HA2000の量を300部から150部に変更した。また、金型の内表面に塗布する触媒液の調製に用いたETA100部をUCAT−18X(商品名)100部に変更した。それら以外は、実施例C1同様にしてクリーニングブレードを製造し、分析測定および物性評価を行った。製造条件およびM(OH/NCO)を表9および10に示し、分析測定および物性評価の結果を図18(b)、表11および12に示す。
(比較例C3)
実施例C1において、金型の内表面に触媒液を塗布しなかった以外は、実施例C1と同様にしてクリーニングブレードを製造した。次に、製造したクリーニングブレードを80℃に加温した4,4’−MDIに30分浸漬し、引き上げた。その後、クリーニングブレードの表面に付着している4,4’−MDIをエタノールで拭き取った。その後、25℃/90%RHの高湿環境下で2日間放置して、拭き取れきれなかったクリーニングブレードの表面に浸み込んでいる4,4’−MDIを加水処理させ、これを比較例C3のクリーニングブレードとした。製造条件およびM(OH/NCO)を表9および10に示し、分析測定および物性評価の結果を図18(b)、表11および12に示す。
(比較例C4〜C6)
比較例C1〜C3の各クリーニングブレードについて、実施例C6〜C9と同様に、設定角θが75°となるような条件に、クリーニング装置の各部材の位置を調整して、実施例C6〜C9と同様の評価を行った。
が10mgf/μm以上400mgf/μm以下であり、Y50/Yが0.5以下であり、ΔY0−20がΔY20−50以上である実施例C1〜C4のクリーニングブレードをウィズ当接で使用した実施例C1〜C9では、各感光ドラムを使用した場合において、低トルクで感光ドラムが回転し、かつ、すり抜けが抑制されている。特に、Yが40mgf/μm以上400mgf/μm以下の実施例C1、C2およびC4のクリーニングブレードで良好な結果が得られている。そして、角度βを40°以上(40°以上90°未満)にすることで、さらに良好な結果が得られている。上述のように角度βが大きいほど、球形トナーのすり抜けを抑制しやすくなるが、表面Cを当接させるウィズ当接では、当接位置の精度やブレードの撓みを考慮すると、設定角θは75°以下が好ましく、角度βは70°以下が好ましい。角度βが70°以下であれば、図15(a)において、クリーニングブレード991が感光ドラム901の表面を滑って回転中心993を中心として図中時計回りに回転し、両者が離間(空振り)してしまうことが抑えられる。
Figure 2016090619
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本実施例では、ばね加圧を利用した定荷重方式のクリーニング装置を用いたが、加圧ばねを使用せず、支持部材992と感光ドラム901の相対位置を固定した定変位方式を使用しても本発明の効果は発揮される。定変位方式では、定荷重方式に比べ、設置スペースを小さくできるというメリットがある。また、上述の空振り現象は発生しにくいため、設定角θおよび角度βをより大きくしやすい。ただし、定荷重方式のほうが、感光ドラムの偏芯や枠体の撓みによる、クリーニングブレードの当接荷重の変動が起きにくい。
また、クリーニングブレードによって感光ドラムの表面から掻き取られ、感光ドラムとクリーニングブレードとの当接部の上流に堆積したトナーを掻き出す補助手段を設けてもよい。補助手段としては、例えば、導電性のファーブラシやスポンジローラーなどを感光ドラムに軽く接触させ、感光ドラムの回転と同期させて回転させる方法などが挙げられる。
(実施例C14)
実施例C1のクリーニングブレードを用いて、中間転写ベルトの表面のトナーのクリーニング試験を行った。
クリーニング性評価用に2種類のポリイミド製の中間転写ベルトを用意した。Sm30μm、凹凸高さ2μmの周方向のスジを表面に形成した中間転写ベルト(以下「周スジ中間転写ベルト」とも表記する。)、および、表面を平滑にした中間転写ベルト(以下「平滑中間転写ベルト」とも表記する。)である。これらを電子写真装置900に搭載して評価を行った。それぞれの中間転写ベルトに対して、中間転写ベルトクリーナー910を装着した。中間転写ベルトクリーナー910の構成は、中間転写ベルトに装着するための部材(不図示)以外は実施例C1の構成(図15(a)に示す構成)と同様である。設定角θは30°である。クリーニングブレードの先端は、中間転写ベルトの裏面(トナー像を担持しない側の面)が対向ローラー962に接している部分で中間転写ベルトの表面に当接している。そして、30℃/80%RHの高温高湿環境下で、画像を形成せずに一次転写電流(転写ローラー905に流す電流)40μA、および、二次転写電流(二次転写部907に流す電流)80μAの条件で、10000枚の耐久試験を行った。耐久試験中のクリーニングブレードの異音(鳴き)、ビビリおよび捲れを評価した。異音(鳴き)が発生しない際には、中間転写ベルトを回転させるための駆動ローラー961を駆動しているモーターの電流をモニターし、その値から中間転写ベルトの回転トルクの大小を推測した。
次に、15℃/10%RHの低温低湿環境下で、中間転写ベルトの表面に長手全域にわたって50mm幅のベタ画像を転写し、このベタ画像を中間転写ベルトクリーナー910がクリーニングするときのクリーニング性を評価した。このとき、二次転写部には転写バイアスは印加せず、中間転写ベルトの表面のトナーがなるべく多く中間転写ベルトとクリーニングブレードとの当接部へと到達するようにした。トナーの種類、トナー堆積量、および、帯電量は、実施例C1と同じである。中間転写ベルトの表面のトナーが中間転写ベルトクリーナー910に到達した後、中間転写ベルトを半回転させた。その後、中間転写ベルトの回転を停止させ、中間転写ベルトの表面およびクリーニングブレードの様子を観察してクリーニング性を評価した。クリーニングブレードが大きい角度βと当接圧を保ち、かつ、中間転写ベルトの表面の凹凸に追従するほど、良好なクリーニング評価結果を示す。評価結果を表13に示す。評価基準は、実施例C1と同様である。
(実施例C15〜C17)
実施例C2、C3およびC4のクリーニングブレードを用いて、実施例C14と同様の評価を行った。
(実施例C18)
実施例C14において、クリーニングブレードの設定角θが50°となるように、クリーニング装置の各部材の位置を調整して、実施例C14と同様の評価を行った。
(実施例C19〜C22)
実施例C1〜C4のクリーニングブレードについて、実施例C14のクリーニングブレードの設定角θが75°となるような条件に、クリーニング装置の各部材の位置を調整して、実施例C14と同様の評価を行った。
(実施例C23〜C26)
実施例C1〜C4のクリーニングブレードについて、クリーニングブレードをカウンター方向に当接させて、実施例C14と同様の評価を行った。カウンター当接時の中間転写ベルトクリーナー910の構成は、実施例C10の構成(図15(b)に示す構成)と同様である。
(比較例C7〜C9)
比較例C1〜C3のクリーニングブレードについて、実施例C14と同様にして評価を行った。
(比較例C10〜C12)
比較例C1〜C3のクリーニングブレードについて、設定角θを75°にして、実施例C14と同様にして評価を行った。
クリーニングブレードC1〜C4をウィズ方式で使用した実施例C14〜C22では、各中間転写ベルトを使用した場合において、低トルクで中間転写ベルトが回転し、すり抜けが抑制されている。特に、Yが40mgf/μm以上400mgf/μm以下のクリーニングブレードC1、C2およびC4で良好な結果が得られ、角度βを40°以上にすることで、さらに良好な結果が得られている。
Figure 2016090619
(実施形態1)
本実施例におけるクリーニングブレード1006を図19、図22に示す。本実施例のクリーニングブレード1006は、ウレタンゴム製のクリーニングブレードである。
クリーニングブレード1006は、図19、図22に示すように、クリーニングブレード1006の自由長方向に沿って設けられた第1当接面(第1面)1006cを有する。
また、クリーニングブレード1006は、クリーニングブレード1006の厚み方向に沿って設けられた第2当接面(第2面)1006bを有する。また、クリーニングブレード1006は、第1当接面1006cと、第2当接面1006bの稜線によって形成されたエッジ部1006を備え、該エッジ部1006dを含むと当接部が感光ドラム1001に当接されるように設けられている。
<画像形成領域の硬化処理>
本実施例では、第1当接面1006cの感光ドラム1001との当接部において、画像形成領域に対応する領域と、非画像形成領域に対応する領域の両方に対して、前述した実施例A〜Cで説明した硬化処理が施されている。こうすることで、クリーニングブレードの低摩擦化及び追従性を向上している。
まず、本実施例における画像形成領域におけるブレード硬化処理について説明する。クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、第1当接面1006cの表面から距離Lμmにおけるヤング率をYcとする。本実施例では、L=0の場合、即ち、第1当接面1006cの表面におけるヤング率(Yc)は、15mgf/μm以上400mgf/μm以下となっている。また、ヤング率(Yc)と、第1当接面1006cから距離50μmの位置におけるヤング率(Yc50)との比(Yc50/Yc)が、0.5以下となっている。
また、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、第1当接面1006cから20μmの位置までのヤング率の平均変化率を[{(Yc−Yc20)/Yc}/(20−0)]とする。また、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、20μm内部の位置から50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率を[{(Yc20−Yc50)/Yc}/(50−20)]とする。このとき、[{(Yc−Yc20)/Y}/(20−0)]が[{(Yc20−Yc50)/Yc}/(50−20)]以上となっている。
また、本実施例における第2当接面1006bの表面において、エッジ部1006dから距離Lμmにおけるヤング率を(Y)とした場合、上記硬化処理によって、ヤング率(Y)は、15mgf/μm以上400mgf/μm以下となっている。また、第2当接面1006bの表面の画像形成領域では、エッジ部1006dにおけるヤング率(Y)と、エッジ部1006dから距離50μmの位置におけるヤング率(Y50)との比(Y50/Y)が、0.5以下となっている。
また、第2当接面1006bの表面の画像形成領域では、エッジ部1006dから20μmの位置までのヤング率の平均変化率は、エッジ部1006dから20μmの位置から50μmの位置までのヤング率の平均変化率以上となっている。
こうすることで、画像形成領域におけるクリーニングブレードの追従性を高めながら、低摩擦化を図ることができる。
<非画像形成領域の硬化処理>
本発明の特徴部分の一つである、クリーニングブレードの端部(非画像形成領域)における硬化処理について説明する。
まず、端部硬化処理の説明をする前に、ブレードの摩耗について説明する。
図20は本実施例におけるクリーニングブレード1006の斜視図である。図20(a)は未使用、図20(b)は任意の時間使用した本ブレードである。検討の結果、図20(b)に示すように、本ブレードは使用時間に伴い当接部(エッジ部)が平面状に摩耗することが判った。
このブレードエッジの摩耗は、ブレードと像担持体の間で剤の役割をするトナーが枯渇する端部の領域において促進されることが解っている。トナーの十分供給される画像領域では40μm程度の摩耗なのに対して、端部の非画像領域においては100μm程度の摩耗が起こることが解っている。その結果、ブレード端部でヤング率の低い部分が露出してしまい、ブレード端部で摩擦力が高まってしまう。その結果、ブレード端部を起点としてブレードめくれが発生しやすくなる。
そこで、本実施例においては、以下のような硬化処理を施している。前述したように、クリーニングブレード1006の自由長方向に沿って設けられた第1当接面1006cの表面は、画像形成領域及び非画像形成領域ともに実施例A〜Cと同様の硬化処理している。それに加えて、本実施例では、ブレード端部の摩耗対策として、クリーニングブレード1006の厚み方向に沿って設けられた第2当接面1006bであって、非画像形成領域に対応する位置にも硬化処理している。
こうすることにより、画像形成領域においては、第1当接面1006cの硬化処理によりブレードの追従性及び低摩擦化を図ることができる。更に、非画像形成領域においては、第1当接面1006c及び第2当接面1006bの両方の硬化処理を行うことにより、ブレード表面の摩耗による摩擦力増加を抑制しながら、ブレード表面の低摩擦化と、ブレードの追従性の低下の両立を図ることができる。その結果、ブレード長手方向全域に亘って、良好なクリーニング性を保ちながらブレード端部めくれを抑制することができる。
ここで、非画像形成領域のうち、第2当接面1006bを硬化処理する効果について説明する。図13(a)のように、クリーニングブレードを感光ドラムにカウンターで当接させた場合、クリーニングブレードの当接面のうち感光ドラムの回転方向上流側に設けられた第2面当接1006bの方が第1当接面1006cよりも強く感光ドラムに当接される。このため、ブレード端部が摩耗した際に、ブレード端部めくれの原因となるのは、第1当接面よりも第2当接面の表面が支配的となっている。そのため、本実施例では、第2当接面1006bの端部を硬化処理することでブレード端部の捲れを抑制している。
即ち、本実施例では、図19のように、本実施例におけるクリーニングブレード1006は、感光ドラム1001に対して感光ドラムの回転方向上流側で当接する第2当接面1006bも硬化処理している。尚、第2当接面1006bは、ブレード幅方向に関して、画像形成領域と対応する第1領域1006b1と、非画像形成領域と対応する第2領域1006b2を有する。そして、本実施例では、第2当接面1006bのうち、非画像形成領域と対応する第2領域1006b2のみを硬化処理している。(図19のハッチング領域)
<製造方法>
具体的な製造方法について説明する。本実施例では、クリーニングブレード1006の成型時において、ブレードを硬化処理するための触媒液を予め金型に塗布している。本実施例では、第1当接面1006cであって、ブレードの幅方向に関して、画像形成領域及び非画像形成領域の両方に対応する金型位置に触媒液を塗布した。第一当接面への塗布領域は、少なくとも感光ドラムの当接部に対応する領域に塗布できるように、エッジ部1006dから少なくとも100μm以上の領域とした。本実施例では、第1当接面1006c全域に対して触媒液を塗布しているが、感光ドラム1001との当接部を含む当接部近傍にのみ塗布する構成であっても良い。
更に、本実施例では、第2当接面1006bであって、非画像形成領域に対応する第2領域1006b2に対応する金型の位置に触媒液を塗布した。本実施例における第2当接面に対するブレード厚み方向の塗布領域は、少なくとも感光ドラムの当接部に対応する領域に塗布できるように、エッジ部1006dから少なくとも100μm以上の領域とした。また、本実施例における第2当接面に対するブレード幅方向の塗布領域は、図23のように、画像形成領域外であって、かつ、現像スリーブの現像剤担持領域(コート領域)よりも内側となるようにした。こうすることで、第2当接面1006bのうち、硬化処理された第2領域1006b2に対しても、潤滑剤としてのかぶりトナーを供給することができ、ブレード端部めくれを抑制することができる。本実施例の場合。硬化処理されている両端部の幅は10mmである。本実施例のクリーニングブレードは、厚さ2mm、長さ20mm、幅345mmであった。また、本実施例のクリーニングブレードのヤング率は、(株)エリオニクス製の微小押し込み硬さ試験機ENT−1100(商品名)を使用して測定した。クリーニングブレードの当接部の表面から内部に向かって適宜な点において、下記の条件で負荷−除荷試験を行い、同試験機の計算結果としてヤング率を得た。
試験モード:負荷−除荷試験
荷重レンジ:A
試験荷重:100[mgf]
分割数:1000[回]
ステップインターバル:10[m秒]
荷重保持時間:2[秒]
この条件で測定したところ、エッジ部1006dから100μmの範囲では、第1当接面1006cの画像形成領域におけるヤング率は、Y0=42mgf/μm、Y20=20mgf/μm、Y50=8mgf/μmであった。
<第2当接面におけるヤング率特性>
次に、非画像形成領域におけるヤング率の様子について、図21を用いて説明する。
図21は、本実施例で得られたクリーニングブレード1006の第2当接面1006b表面のヤング率分布であり、画像形成領域と非画像形成領域の両方を示したものである。図21の横軸は、エッジ1006dから距離(第1当接面1006cからブレード内部方向への距離)である。
曲線aは、第2当接面1006b表面の画像形成領域に対応する第1領域1006b1におけるヤング率分布であり、エッジ部1006dからの距離Lのヤング率(Y)の分布を示している。
また、曲線bは、第2当接面1006b表面の画像形成領域外に対応する第2領域1006b2のヤング率分布であり、エッジ部1006dからの距離Lのヤング率(Y´)の分布を示している。
曲線aによれば、画像形成領域では、耐摩耗性とクリーニング性を両立するために表面は高いヤング率Yであり、エッジ部から遠ざかるほどヤング率がY20、Y50と次第に低下していくことがわかる。そして、エッジ1006dからの距離がブレード内部方向に100μmより内側の層は、硬化反応していないウレタンゴムのヤング率に近い値となっている。
一方、曲線bによれば、エッジ1006dから距離が、少なくとも0μmから100μmの間で、画像形成領域におけるヤング率(Y)と同等のヤング率を保っていることがわかる。即ち、本実施例では、第2当接面1006bの表面で非画像形成領域では、ヤング率(Y´)は、エッジ部からの距離Lが0≦L≦100μmの範囲において、画像形成領域のヤング率(Y50)よりも少なくとも高い構成となっている。
こうすることで、クリーニングブレード1006の当接部のうち感光ドラムの回転方向上流側の面である第2当接面1006bの摩耗が進行した場合に、ブレード当接部での摩擦力が増加することを抑制できる。特に、非画像形成領域は、画像形成領域に比べてブレードの摩耗量が多い状況であって、第2当接面1006bの表面のヤング率が低下しないようになっている。
また、本実施例では、曲線bによれば、第2当接面1006bの表面の非画像形成領域では、エッジ1006dから距離が、少なくとも0μmから100μmの間では、第2当接面1006bのヤング率(Y´)は、略40mgf/μmとなっている。即ち、第2当接面1006bの表面において、エッジ1006dから距離が、少なくとも0μmから100μmの間では、第2当接面1006bの表面のヤング率は、10mgf/μm以上400mgf/μm以下となっている。こうすることで、ブレード端部の摩耗量が画像形成領域よりも非画像形成領域の方が多い状況になっても、画像領域のクリーニング性に影響を与えることなく、クリーニングブレードの端部の低摩擦化を図ることができる。
<ブレード端部のヤング率変化>
本実施例では、上述したようにクリーニングブレード1006の非画像形成領域においては、第1当接面1006c及び第2当接面1006bの両方に対して、実施例A〜Cで説明した硬化処理をしている。即ち、第1当接面1006c及び第2当接面1006bの両方に対して、イアソシアヌレート基を含有する硬化処理をしている。このため、第1当接面1006c及び第2当接面1006bの各表面から内部50μmまでは、内部に向かうほどヤング率が徐々に低下する構成になっている。そのため、クリーニングブレードの硬化処理された非画像形成領域は、表面は高硬度としながら、内部は比較的硬度を小さくできるため、ブレード追従性の向上が図れている。
本実施例の非画像形成領域の硬化処理は、第1当接面1006c表面のうち、エッジ部1006dからの距離が少なくとも100μmまでの領域を硬化処理している。また、第2当接面1006b表面のうち、エッジ部1006dからの距離が少なくとも100μmまでの領域を硬化処理している。本実施例では、第1当接面1006c表面のうち、エッジ部1006dから距離20μm離れた位置から、エッジ部1006dから距離100μmの位置までの領域では、ヤング率を(Yc´20)/(Yc´)<0.8以下となっている。このため、クリーニングブレード1006の硬化処理された非画像形成領域において、ヤング率が変化する領域が設けられるため、追従性が低下することを抑制することができる。
尚、本実施例の場合、第1当接面1006cの硬化処理されている非画像形成領域の表面のうち、エッジ部1006dから距離20μmまでの領域は、隣接する第2当接面1006bの表面からの硬化処理の影響がある。
その様子を、曲線cを用いて説明する。図21における曲線cは、第2当接面よりも内側の位置において、本実施例における硬化処理した非画像形成領域のヤング率Y´分布を示したものである。具体的には、第1当接面1006のエッジ部1006dからの距離が20μmの位置における、第1当接面から距離Lμm内部のヤング率Y´の分布を示している。この場合、0≦L≦20μmの範囲では、第1当接面の硬化処理の影響によりブレード内部に向かうほどヤング率Y´が低下している。一方、20μm≦Lの範囲では、第2当接面1006bの表面からの硬化処理の影響の為、ヤング率Y´20で一定となっている。
同様に、例えば、第1当接面1006cの硬化処理された非画像形成領域の表面のうち、エッジ部1006dから距離10μmの位置におけるヤング率Y´を考える。0≦L≦10μmの範囲では、第1当接面の表面からの硬化処理によりブレード内部に向かうほどヤング率は低下する。即ち、図21の曲線aのようにYからY10へと変化する。一方、クリーニングブレード10μm以上内部の場合は、第2当接面の表面からの硬化処理の影響により、ヤング率はY10で一定となると考えられる。
尚、本実施例では、第1当接面1006cの非画像形成領域で硬化処理された領域の大部分は、ヤング率を(Yc´20)/(Yc´)<0.8以下を満たしている。即ち、少なくともエッジ部から20μm以上離れた領域では、ヤング率を(Yc´20)/(Yc´)<0.8以下を満たす為、ブレード端部におけるブレードの追従性が低下する効果は得られている。
以上、本実施例によれば、耐久により摩耗が進んでも、ブレードの追従性の低下を抑制しながら、非画像形成領域の表面を低い摩擦係数を維持することが可能であり、端部のめくれに至ることを抑制することができる。
以上、本実施例におけるクリーニングブレードを用いることで、図22に示すように、ブレード端部において100μm以上の摩耗が発生してもウレタン部分が露出することなく硬化処理された低摩擦係数の表面が常に当接される。このため、端部からのめくれが発生することがなく、画像領域では良好なクリーニング性を維持することができる。
(実施形態2)
本実施形態と実施形態1との異なる点は、第2当接面1006の非画像形成調域の硬化処理の方法が異なっている。実施形態1では、第2当接面1006bの硬化処理は、第1当接面1006cと同様に、イソシアヌレート触媒による硬化処理をした。一方、本実施形態では、図19における、第1当接面1006cに対しては、イソシアヌレート触媒による硬化処理行ってクリーニングブレードの成形を行う。一方、図19における、第2当接面1006bに対する硬化処理は、後処理によってイソシアネート化合物による硬化処理を行っている。
また、本実施例では、ブレード製造用の型からブレードを裁断機によって、複数のブレードを製造している。そして、本実施例では、裁断によって感光ドラムと当接するエッジ部1006dを形成している。図19の第1当接面1006cは、金型の底面に対応し、図19の第2当接面1006bは、裁断面に対応している。このように、一つの金型から大量のブレードを生産できるため、量産するのに都合がよくコストダウンも可能な製造手法となっている。この場合、実施形態1のように、金型成型時に第2当接面1006に硬化処理するための触媒を塗ることができない。そこで、本実施例では、裁断後の後処理で第2当接面に対して硬化処理させている。
<ブレード端部のイソシアネート化合物による硬化処理>
本実施例では、上述したように、クリーニングブレードの第2当接面1006bの硬化処理は、イソシアネート化合物硬化処理を採用している。特に断らない限り、それ以外は実施形態1と同様の為、詳細な説明は省略する。
本実施形態2において、第2当接面1006bの非画像形成部における硬化処理方法としては、例えば、下記工程を有する方法を挙げることができる。
(1)ポリウレタン樹脂で形成されたブレードの感光体ドラム当接部の長手方向両端部位にイソシアネート化合物を接触させる工程、
(2)該イソシアネート化合物を該ブレード表面に接触させた状態で、放置することによりポリウレタン樹脂内に含浸させる工程、
(3)含浸後、該ブレードの表面に残留している該イソシアネート化合物を除去する工程、及び、
(4)該ブレード中に含浸した該イソシアネート化合物を反応硬化することにより高硬度部を形成する工程。
また、工程という位置付けではないが、高硬度部の硬度が安定するまでにある程度のエージング時間は必要となる。
すなわち、工程(2)において、ポリウレタン樹脂で形成されたブレードの感光ドラム当接部の長手方向両端部位にイソシアネート化合物を適当量含浸させる。そして、工程(3)において余分なイソシアネート化合物をブレードの表面から取り除く。そして、工程(4)の反応硬化により工程(2)において含浸した該イソシアネート化合物と雰囲気中の水分との反応によるウレア結合が主となり高硬度部位が形成される。
また、イソシアネート化合物同士での反応による多量化反応(例えば、カルボジイミド化反応、イソシアヌレート化反応など)も同時に進行し、高硬度部の形成に寄与するものと考えられる。この結果、高硬度部の硬さは十分に向上され、摩擦係数は十分に低下され、ブレードの耐久性を改良することができるものと考えられる。
本実施形態でのクリーニングブレードのヤング率分布は図24のようになる。曲線aは、第2当接面1006b表面の画像形成領域に対応する第1領域1006b1におけるヤング率分布であり、エッジ部1006dからの距離Lのヤング率(Y)の分布を示している。
また、曲線bは、第2当接面1006b表面の画像形成領域外に対応する第2領域1006b2のヤング率分布であり、エッジ部1006dからの距離Lのヤング率(Y´)の分布を示している。
図24の曲線cは、第2当接面よりも内側の位置において、本実施例における硬化処理した非画像形成領域のヤング率Y´分布を示したものである。具体的には、第1当接面1006のエッジ部1006dからの距離が100μmの位置における、第1当接面から距離Lμm内部のヤング率Y´の分布を示している。尚、図24の曲線cは、曲線bと重なっている。
曲線aについては、実施形態1と同様である。画像形成領域では、耐摩耗性とクリーニング性を両立するために表面は高いヤング率Yであり、内部に向かうほどヤング率がY20,Y50と低下していくことがわかる。そして、エッジ部1006dからの距離がブレード内部方向に100μmより内側の層は、硬化反応していないウレタンゴムのヤング率に近い値となっている。
一方、曲線bによれば、エッジ1006dから距離Lが、0μmから35μmくらいの間では、画像形成領域におけるヤング率(Y)と同様の挙動を示していることがわかる。更に、エッジ1006dから距離Lが、35μmを超えたあたりでは、非画像形成領域におけるヤング率(Y´)は20mgf/μmあたりで一定となっている。
また、本実施例では、第2当接面1006bの表面においては、エッジ部1006dにおけるヤング率(Y)は、15mgf/μm 以上400mgf/μm以下となっている。また、エッジ部1006dにおけるヤング率(Y)と、エッジ部1006dから距離50μmの位置におけるヤング率(Y50)との比(Y50/Y)が、0.5以下となっている。
また、同様に、第2当接面1006bの表面において、エッジ部1006dから20μmの位置までのヤング率の平均変化率は、エッジ部1006dから20μmの位置から50μmの位置までのヤング率の平均変化率以上となっている。このため、非画像形成領域において、クリーニングブレードの低摩擦化及びブレード追従性の低下を抑制することができる。
また、本実施例では、第2当接面1006bの表面で非画像形成領域におけるヤング率(Y´)は、エッジ部からの距離Lが0≦L≦100μmの範囲において、画像形成領域における内部50μmにおけるヤング率(Y50)よりも高い構成となっている。こうすることで、クリーニングブレードの第2当接面1006bが摩耗しても非画像形成領域を低摩擦化することができる。
また、本実施例では、第2当接面1006bの表面のヤング率(Y´)は、エッジ部からの距離Lが50μm≦L≦100μmの範囲において、画像形成領域における内部20μmにおけるヤング率(Y20)よりも低い構成としている。こうすることで、クリーニングブレードの非画像形成領域において、第1当接面1006cの表層部(0〜20μm)のヤング率が徐々に低下する領域を確保することができる。こうすることで、第1当接面の表層部(0〜20μm)において、ヤング率が一定の場合に比べて、非画像形成領域のクリーニングブレードの追従性の向上を図ることができる。
以上、本実施例におけるクリーニングブレードを用いることで、図22に示すように端部において摩耗しにくい構成とすることができる。また、100μm以上の摩耗が発生してもウレタン部分が露出することを抑制できる、もしくは露出するまでの時間を長くすることができる。また、本実施例では、ブレード端部において100μm以上の摩耗が発生しても、第2当接面1006bにおいて硬化処理された低摩擦係数の表面が常に当接される。このため、端部からのめくれが発生することがなく、画像領域では良好なクリーニング性を維持することができた。
<第2当接面におけるヤング率分布>
本実施例の第2当接面1006bの当接部の表面におけるヤング率について説明する。
本実施例では、第2当接面1006bの表面の非画像形成領域では、エッジ部1006dから距離Lμmにおけるヤング率を(Y´)とした場合、ヤング率(Y´)は、15mgf/μm以上400mgf/μm以下となっている。また、第2当接面1006bの表面の非画像形成領域では、エッジ部1006dにおけるヤング率(Y´)と、エッジ部1006dから距離50μmの位置におけるヤング率(Y´50)との比(Y´50/Y´)が、0.5以下となっている。
また、第2当接面1006bの表面の非画像形成領域では、エッジ部1006dから20μmの位置までのヤング率の平均変化率は、エッジ部1006dから20μmの位置から50μmの位置までのヤング率の平均変化率以上となっている。
また、本実施例では、第2当接面1006bの表面の画像形成領域では、エッジ部1006dから距離Lμmにおけるヤング率を(Y)とした場合、ヤング率(Y)は、15mgf/μm以上400mgf/μm以下となっている。また、第2当接面1006bの表面の画像形成領域では、エッジ部1006dにおけるヤング率(Y)と、エッジ部1006dから距離50μmの位置におけるヤング率(Y50)との比(Y50/Y)が、0.5以下となっている。また、第2当接面1006bの表面の非画像形成領域では、エッジ部1006dから20μmの位置までのヤング率の平均変化率は、エッジ部1006dから20μmの位置から50μmの位置までのヤング率の平均変化率以上となっている。
<第2当接面におけるヤング率分布のブレード厚み方向特性>
本実施例では、第2当接面1006bの最表面におけるヤング率の分布と、第2当接面1006bの最表面から100μmまでの内部におけるヤング率分布は、ほぼ同じ分布となっている。
これは、未硬化処理のウレタンゴムに対してイソシアネート化合物硬化処理方法を採用した場合、硬化処理した表面のヤング率と、表面から内部100μmのヤング率は、ほぼ一定となる特性をもつためである。
<第1当接面におけるヤング率分布>
次に、本実施例の第1当接面1006cで、感光ドラムとの当接部におけるヤング率について説明する。
本実施例では、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、第1当接面1006cの表面から距離Lμmにおけるヤング率をYcとする。本実施例では、L=0の場合、即ち、第1当接面1006cの表面におけるヤング率(Yc)は、15mgf/μm 以上400mgf/μm以下となっている。また、ヤング率(Yc)と、第1当接面1006cから距離50μmの位置におけるヤング率(Yc50)との比(Yc50/Yc)が、0.5以下となっている。
また、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、第1当接面1006cから20μmの位置までのヤング率の平均変化率を[{(Yc−Yc20)/Yc}/(20−0)]とする。また、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、20μm内部の位置から50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率を[{(Yc20−Yc50)/Yc}/(50−20)]とする。このとき、[{(Yc−Yc20)/Y}/(20−0)]が[{(Yc20−Yc50)/Yc}/(50−20)]以上となっている。
次に、本実施例の第1当接面1006cの感光ドラムとの当接部で、非画像形成領域のヤング率について説明する。
本実施例では、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、第1当接面1006cの表面から距離Lμmにおけるヤング率をYc´とする。本実施例では、L=0の場合、即ち、第1当接面1006cの表面におけるヤング率(Yc´)は、15mgf/μm 以上400mgf/μm以下となっている。また、ヤング率(Yc´)と、第1当接面1006cから距離50μmの位置におけるヤング率(Yc´50)との比(Yc´50/Yc´)が、0.5以下となっている。
また、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、第1当接面1006cから20μmの位置までのヤング率の平均変化率を[{(Yc´−Yc´20)/Yc´}/(20−0)]とする。また、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、20μm内部の位置から50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率を[{(Yc´20−Yc´50)/Yc´}/(50−20)]とする。このとき、[{(Yc´−Yc´20)/Yc´}/(20−0)]が[{(Yc´20−Yc´50)/Yc´}/(50−20)]以上となっている。
また、第1当接面1006cの感光ドラムとの当接部であって、クリーニングブレード1006の幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、エッジ部1006dからの距離が50μmから100μmの範囲の領域を考える。このとき該領域において、第1当接面1006cから距離が100μmの位置におけるヤング率Yc´100としたとき、ヤング率(Y50)≦Yc´100≦ヤング率(Y20)を満たすようになっている。
以上のように、本実施例では、第2当接面1006bの最表面におけるヤング率の分布と、第2当接面1006bの最表面から100μmまでの内部におけるヤング率分布は、ほぼ同じ分布をとなっている。
このため、摩耗が到達する可能性のある第2当接面1006b表面から100μm内部の位置においても、硬化処理された第2領域1006b2の最表面におけるヤング率Y´100を維持することができている。また、摩耗が到達する可能性のある第2当接面1006b表面から100μm内部の位置においても、ヤング率Y50よりも硬度を高くすることができ、ブレード端部めくれを抑制することができる。また、第2当接面1006bの最表面についても、エッジ部から少なくとも100μmの範囲では、非画像形成領域のヤング率Y´が画像形成領域のヤング率Y50よりも大きい。また、非画像形成領域のヤング率Y´100が画像形成領域のヤング率Y100よりも大きい。このため、第2当接面の表面が摩耗したとしても、少なくともブレード厚み方向に対して100μmまでは、ヤング率が高い状態を維持することができる。
0−50 ヤング率(Y)とヤング率(Y50)を結んだ直線
0−20 ヤング率(Y)とヤング率(Y20)を結んだ直線
20−50 ヤング率(Y20)とヤング率(Y50)を結んだ直線

Claims (18)

  1. 被クリーニング部材に対して当接部で当接され、該被クリーニング部材の表面をクリーニングするためのウレタンゴム製のクリーニングブレードにおいて、前記被クリーニング部材との当接面で、前記クリーニングブレードの自由長方向に沿って設けられた第1面と、
    前記被クリーニング部材との当接面で、前記クリーニングブレードの厚み方向に沿って設けられた第2面と、前記被クリーニング部材に当接され、前記第1面と前記第2面の稜線で形成されたエッジ部と、を備え、前記第2面の表面のうち、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、前記エッジ部からの距離がLμmにおけるヤング率を(Y)としたとき、前記エッジ部におけるヤング率(Y)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下で、かつ、前記ヤング率(Y)と、前記エッジ部から距離50μmの位置におけるヤング率(Y50)との比(Y50/Y)が、0.5以下であり、該エッジ部から20μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Y−Y20)/Y}/(20−0)]が、該エッジ部から20μmの位置から50μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Y20−Y50)/Y}/(50−20)]以上であり、前記第2面の表面のうち、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、前記エッジ部からの距離がLμmにおけるヤング率を(Y´)としたとき、前記エッジ部におけるヤング率(Y´)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下であり、0≦L≦100μmの範囲において、前記ヤング率(Y50)≦ヤング率(Y´)を満たすように、前記当接部が硬化処理されている。
  2. 前記第2面の表面のうち、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、前記エッジ部におけるヤング率(Y´)と、前記エッジ部から50μm離れた位置におけるヤング率(Y´50)との比(Y´50/Y´)が、0.5以下であり、該エッジ部から20μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Y´−Y´20)/Y´}/(20−0)]が、該エッジ部から20μmの位置から50μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Y´20−Y´50)/Y´}/(50−20)]以上である請求項1のクリーニングブレード。
  3. 前記第1面の前記当接部であって、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、画像形成領域に対応する領域において、前記第1面の表面におけるヤング率(Yc)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下で、かつ、前記ヤング率(Yc)と、前記第1面の表面から前記クリーニングブレードの内部へ50μmの位置におけるヤング率(Yc50)との比(Yc50/Yc)が、0.5以下であり、該第1面の表面から20μm内部の位置までのヤング率の平均変化率[{(Yc−Yc20)/Yc}/(20−0)]が、該20μm内部の位置から該50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率[{(Yc20−Yc50)/Yc}/(50−20)]以上である請求項1または2に記載のクリーニングブレード。
  4. 前記第1面の前記当接部であって、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、前記第1面の表面におけるヤング率(Yc´)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下で、かつ、前記ヤング率(Yc´)と、前記第1面の表面から50μmの位置におけるヤング率(Yc´50)との比(Yc´50/Yc´)が、0.5以下であり、該第1面の表面から20μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Yc´−Yc´20)/Yc´}/(20−0)]が、該20μmの位置から該50μmの位置までのヤング率の平均変化率[{(Yc´20−Yc´50)/Yc´}/(50−20)]以上である請求項1〜3いずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  5. 50μm≦L≦100μmの範囲において、前記ヤング率(Y20)≦Y´≦前記ヤング率(Y50)を満たす請求項1〜4いずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  6. 前記第1面の前記当接部であって、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、前記エッジ部からの距離が50μmから100μmの範囲において、前記第1面から100μmの位置におけるヤング率をYc´100としたとき、前記ヤング率(Y50)≦Yc´100≦前記ヤング率(Y20)を満たす請求項1〜5いずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  7. 前記ヤング率(Y)が、10mgf/μm以上250mgf/μm以下である請求項1〜6いずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  8. 前記ウレタンゴムが、イソシアヌレート基を含有する請求項1〜7いずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  9. 前記ヤング率(Y)が、10mgf/μm以上250mgf/μm以下であり、前記ウレタンゴムが、イソシアヌレート基を含有する請求項1〜8いずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  10. 前記ウレタンゴムが、イソシアヌレート基を含有するポリエステル系ウレタンゴムであり、
    前記当接部における該ポリエステル系ウレタンゴムの表面において、μATR法でIRスペクトルを測定したとき、該ポリエステル系ウレタンゴム中のイソシアヌレート基由来のC−Nピーク(1411cm−1)の強度(ISI)と、該ポリエステル系ウレタンゴム中のエステル基由来のC=Oピーク(1726cm−1)の強度(ISE)との比(ISI/ISE)が、0.50以上1.55以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  11. 前記エッジ部からの距離(前記エッジ部を距離0μmとする。)を横軸とし、ヤング率を縦軸とした平面において、前記前記エッジ部から前記50μm内部の位置までの範囲における任意の位置(前記前記エッジ部からの距離がN[μm]の位置)のヤング率(Y)(ただし、0<N<50[μm]である。)が、前記ヤング率(Y)と前記ヤング率(Y50)とを結ぶ直線より下にある請求項1〜10のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  12. 前記ヤング率(Y20)と前記ヤング率(Y)との比(Y20/Y)が、0.5以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  13. 前記第2面の前記当接部で、非画像形成領域に対応する領域は、イソシアネート化合物にて硬化処理されている請求項1〜12のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  14. 前記第1面の前記当接部は、イソシアヌレート基を含有する請求項1〜13のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  15. 前記クリーニングブレードは、前記被クリーニング部材の回転方向に対してカウンター方向となるように前記被クリーニング部材に当接されている請求項1〜14のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のクリーニングブレードと、該クリーニングブレードによって表面がクリーニングされる被クリーニング部材である電子写真感光体と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のクリーニングブレードと、該クリーニングブレードによって表面がクリーニングされる被クリーニング部材である電子写真感光体と、を有する電子写真装置。
  18. 被クリーニング部材に当接し、該被クリーニング部材の表面をクリーニングするためのウレタンゴム製のクリーニングブレードであって、
    前記被クリーニング部材と対向する側の面で、前記クリーニングブレードの自由長方向に沿って設けられた第1面の前記被クリーニング部材との当接部であって、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、少なくとも画像形成領域に対応する領域において、
    前記第1面の表面から距離Lにおけるヤング率をYcとしたとき、
    ヤング率(Yc)が、10mgf/μm以上400mgf/μm以下であり、
    該第1面の表面より50μm内部の位置のヤング率(Yc50)と、該ヤング率(Yc)との比(Y50/Y)が、0.5以下であり、
    該第1面の表面から20μm内部の位置までのヤング率の平均変化率[{(Yc−Yc20)/Yc}/(20−0)]が、該20μm内部の位置から該50μm内部の位置までのヤング率の平均変化率[{(Yc20−Yc50)/Yc}/(50−20)]以上であり、
    被クリーニング部材と対向する側の面で、前記クリーニングブレードの厚み方向に沿って設けられた第2面の前記被クリーニング部材との当接部であって、前記クリーニングブレードの幅方向に関して、非画像形成領域に対応する領域において、前記第1面からの距離Lにおけるヤング率をYc´としたとき、
    前記ヤング率(Yc100)よりも前記ヤング率(Yc´100)が大きくなるように、前記第2面における前記非画像形成領域に対応する領域が硬化処理されている。
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