JP2008268670A - クリーニングブレード及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

クリーニングブレード及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クリーニングブレードの耐久性を向上させること、特に球状や小粒径のトナーを用いた場合に高画質の画像が得られ、かつ、磨耗や欠けなどのない良好なクリーニング性が得られるクリーニングブレードを得ること。
【解決手段】画像形成装置の像担持体表面に残留する未転写トナーをクリーニングするクリーニングブレード3が、次の(1)から(4)の要件を有する。 (1)ポリウレタンを主体としてなる。 (2)前記像担持体表面に接触する側の第1の層と接触しない側の第2の層からなる。 (3)前記像担持体表面と接触する第1の層が、層厚が10μm以下で、平均粒径3μm以下の有機又は無機の微粒子を含有する。 (4)全体の厚さが1〜3mmの範囲である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられているクリーニングブレード及びそれを用いた画像形成装置に関する。
従来、転写型の画像形成装置では、帯電器で一様に帯電した潜像担持体としての例えば感光体上に、原稿画像の露光を行って潜像を形成した後、この潜像に現像装置でトナーを付着させてトナー像として可視像化する。このトナー像を、転写装置で転写紙あるいは中間的な転写媒体に転写する。そして、転写後の感光体上に残留したトナーを、クリーニング装置によって感光体上から除去し、感光体を継続して繰り返し使用している。
近年、高画質化するために平均粒径分布が7μm以下であるトナーや球形のトナーが検討されている。
トナー粒径を小さくする製造方法としては、製造コスト面から従来の粉砕法ではなく重合法が有力である。重合法により製造された小粒径トナーは、形状が球形に近く、粒度分布がシャープであることから、細線の再現性やデジタル画像のドット再現性等に優れた画質が得られるという特徴を持っている。
このような小粒径の重合トナーを使用した場合、従来の粉砕法で製造されたトナーに比べ形状が真球に近いこと及び粒径が小さくなっていることから、クリーニングすることが難しく、クリーニング部材からのすり抜けや黒ポチ等のクリーニング不良が発生するという欠点がある。
クリーニングを行う方法としては、クリーニングブレードを用いたクリーニング装置、導電性あるいは絶縁性の繊維からなるファーブラシローラを用いたクリーニング装置、研磨能力を有するクリーニングローラを用いたクリーニング装置、潤滑剤物質を自らに内包したクリーニングローラを用いたクリーニング装置、磁性体粉末をローラ表面に配した磁気ブラシローラを用いたクリーニング装置、吸引器を用いたクリーニング装置など、各種方式のものが知られている。
しかし、いずれの方法を用いても、球形小径のトナーをクリーニングすることは困難である。
最も広く使用されている方式はクリーニングブレードを用いる方式である。これによれば簡潔な構造であって、比較的トナー除去性も高い。また文献も多い。
例えば、特許文献1には、イソシアネート残存量が0.25重量%以下であるポリウレタン弾性体からなるクリーニングブレードが記載されている。ブレード物性を規定することで、高温高湿下やオゾン雰囲気下などの耐久性の改善が試みられているが、やはり小粒径の球形トナーの場合には、十分なクリーニング性を得られるものではない。
また、特許文献2には、シロキサン系樹脂を含有した感光体と特定の反発弾性を有するクリーニングブレードを使用して転写性とクリーニング性の両立を図ることが検討されているが、シロキサン系樹脂による感光体の帯電特性の低下や保護層コートによるコストアップが避けられない。
また、特許文献3には、クリーニングブレード表面に研磨剤を局在させる方法が提案されている。しかし、研磨剤では感光体表面を傷つけやすく、感光体の寿命を短くしてしまう。
さらに、特許文献4には、結晶性シリカやチタン酸塩等の無機充填剤をブレードに混合することによりブレードの強度を上げ、耐久性を向上させることが提案されている。
また、特許文献5、特許文献6には、内部に潤滑性や研磨性のある微粒子を添加し,ブレード表面に突出させることが提案されている。
また、特許文献7には、クリーニングブレードの表層にフッ素樹脂を含有させ、表面粗さが特定の感光体と組み合わせる方法が提案されているが、フッ素樹脂はウレタンゴム部材との親和性が低く、ブレード表面から脱落しやすく、効果が持続しにくい。また、ブレード全体のゴム弾性も不安定になりやすい。感光体の表面粗さは使用経時で変動するため、クリーニング特性が不安定になりやすい。
クリーニングブレード方式の他の課題として、摩耗やカケなどによるクリーニング特性の低下がある。ブレードのエッジが繰り返しの使用により摩耗したり欠けたりした場合、クリーニング不良が発生し易くなる。
特許文献8には、中間転写材クリーニング部材の当接圧力を像担持体クリーニング部材の当接圧力よりも大きくする画像形成装置が提案されているが、当接圧が非常に高いために感光体及びクリーニングブレードの磨耗が進行しやすい欠点がある。それと共に感光体とブレードの間でトナーが圧延され感光体上にトナー成分が付着し、いわゆるフィルミングが発生しやすい。
また、特許文献9には、アクリル変性ポリオルガノシロキサンをブレード内に分散させることで、ブレードの摩耗、カケなどを防止する方法が提案されている。ウレタンとの親和性の高い材料を使用することで、感光体とブレードとの摩擦力を軽減し、かつ、ブレードの耐久性や安定性を向上させている。しかし、これらの材料を組み合わせるだけでは、同時に小径や球形トナーをクリーニングするには不十分である。
さらにまた、クリーニングブレードの磨耗や欠けを防止するためにブレード表面に滑剤を塗布又は供給する方法が広く用いられている。しかし、滑剤は必ずしも均一に塗布されない。
感光体に現像されるトナー量などによっても変動し、感光体表面の摩擦係数は安定しない。そのために、滑剤の塗布によっても安定したクリーニング特性を得るには不十分である。
特開平9−50221号公報 特開2003−98925号公報 特開昭59−200284号公報 特開平5−158389号公報 特開2005−195681号公報 特開2003−280474号公報 特開2002−149031号公報 特開2003−208035号公報 特開2004−279591号公報
本発明の目的は、クリーニングブレードの耐久性を向上させること、特に球状、小粒径のトナーを用いた場合に高画質の画像が得られ、かつ、磨耗や欠けなどのない良好なクリーニング性が得られるクリーニングブレードを得ること、また、それを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像形成装置の像担持体表面に残留する未転写トナーをクリーニングするクリーニングブレードであって、前記クリーニングブレードが、次の(1)から(4)の要件を備えていることを特徴とする。
(1)ポリウレタンを主体としてなる。
(2)前記像担持体表面に接触する側の第1の層と接触しない側の第2の層からなる。
(3)前記像担持体表面と接触する第1の層が、層厚が10μm以下で、平均粒径3μm以下の無機又は有機の微粒子を含有する。
(4)全体の厚さが1〜3mmの範囲である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニングブレードにおいて、前記第1の層に含有される無機又は有機の微粒子の量が0.5重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクリーニングブレードにおいて、前記第1の層のヤング率が70kgf/cm2〜120kgf/cm2であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、前記像担持体表面と接触しない第2の層が、引っ張り強度200%モジュラスが35kgf/cm2以上であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、前記第1の層の10℃〜35℃における反発弾性が45%以上であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、前記第1の層に含有される無機微粒子が酸化チタン又はシリカであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、前記第1の層に含有される有機微粒子がアクリル変成シリコーン樹脂であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のクリーニングブレードにおいて、前記酸化チタンが針状酸化チタンであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、像担持体と、前記像担持体表面に接触又は近接させて前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像担持体表面を露光して潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された潜像をトナーにより現像して可視像を形成する現像手段と、前記像担持体と前記像担持体に接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、前記像担持体表面に形成されたトナー像を、前記表面移動部材との間に挟持される記録材上又は前記表面移動部材上に転写する転写手段と、前記像担持体表面に残留する未転写トナーをクリーニングブレードでクリーニングするクリーニング手段と、を備えた画像形成装置であって、前記クリーニングブレードが請求項1ないし8のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする。
本発明によれば、クリーニングブレードの構成が、(1)から(4)の要件を有するためブレードと像担持体との摩擦が軽減され、かつ、ブレードの柔軟性を維持して、像担持体との密着性が保持されることから、クリーニングブレードの耐久性が向上すると共に球形、小径トナーのクリーニング性を向上することができる。また、該クリーニングブレードを備えた画質の良好な画像が得られる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明は、前述のように、画像形成装置の像担持体表面に残留する未転写トナーをクリーニングするクリーニングブレードにかかわり、クリーニングブレードの構成が、(1)から(4)の要件を有することを特徴とする。
(1)ポリウレタンを主体としてなる。
(2)前記像担持体表面に接触する側の第1の層と接触しない側の少なくとも一つの層で構成される第2の層からなる。
(3)前記像担持体表面と接触する第1の層が、層厚が10μm以下で、平均粒径3μm以下の無機又は有機の微粒子を含有する。
(4)全体の厚さが1〜3mmの範囲である。
本発明のクリーニングブレードはポリウレタンを主体とし、像担持体表面に接触する側と接触しない側の少なくとも2層からなる。前記2層に分けたのは以下で説明するように像担持体と接触する側の特性が耐磨耗性やクリーニング性を大きく左右するからである。
像担持体表面に接触する側、つまり第1の層の厚さが10μmよりも厚いと、十分な耐摩耗性を得にくくなる。また、球形、小径トナーに対するクリーニング性も低下する。理由は明らかではないが、第1の層の厚さが10μmより厚いと、クリーニングブレードの柔軟性が低下するためにクリーニングブレードと感光体との密着性が低下するためであると考えられる。
第1の層に含有する無機又は有機の微粒子の平均粒径は3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。粒径が大きくなるとクリーニングブレードから脱落しやすくなり、かえって、摩耗、欠け、クリーニング不良などを発生させやすい。
また、クリーニングブレードの厚さは、1〜3mmの範囲が好ましく、この範囲であると期待する特性を比較的容易に得ることができる。
上記無機又は有機の微粒子の添加量は0.5重量%以上、10重量%以下が好ましい。前記添加量は多すぎても少なすぎても効果が現れない。このような微粒子を樹脂中に添加すると、一般に、樹脂と微粒子の相互作用で樹脂全体が硬くなり、強度が上がる。しかし、添加量が多くなると樹脂の強度を低下させてしまったり、硬度が上がりすぎてクリーニングブレードと感光体の当接安定性を低下させる。前記のような範囲とすることによりクリーニングブレードの耐久性、クリーニング性などの特性を最適な範囲に維持することができる。
第1の層のヤング率は十分に高いほうが良い。樹脂材料に微粒子を添加することでヤング率が上がることは知られているが、クリーニングブレードを安定に感光体に接触させるためには、硬度は高くないほうが好ましい。硬度を65度から80度程度に維持しつつ、ヤング率を70kgf/cm2〜120kgf/cm2とすると、小径、球形トナーのクリーニング特性が安定して良い。本発明者らの検討によるとヤング率が十分に高くなることでクリーニングブレードエッジが感光体に引き込まれにくくなり、トナー等の被クリーニング物に対する安定した壁になるためにクリーニング特性が良くなる。また、ブレードエッジの引き込まれにくさは、ビビリなどの異音の発生を軽減する。また、ブレードエッジが引き込まれないことで感光体を抑える力がかかりにくくなるために、トナー等のフィルミングが発生しにくくなる。ヤング率が高くなりすぎると、欠けが生じやすくなる。特に紙粉などの比較的大きな異物に対して弱くなる。
また、第2の層のモジュラスは、200%モジュラスが35kgf/cm2以上が好ましい。これにより高い耐磨耗性が得られる。45kgf/cm2以上であればさらに好ましい。モジュラスが低下するとクリーニング性の低下、クリーニングブレードの耐摩耗性の低下が生じやすくなる。
また、第1の層の10℃〜35℃における反発弾性は50%以上であることが好ましい。小径、球形トナーのクリーニングの安定性が向上する。また、トナーの固着、フィルミングの発生を軽減することができる。
また、第1の層に含有させる無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫化モリブデンなどの硫化物、フッ化黒鉛のようなフッ化物、窒化ホウ素などの窒化物、グラファイトなどの炭素類、ガラスなどを1種単独または2種以上を混合して使用することができる。本発明者らの検討では、ルチル型酸化チタンを使用した場合にウレタンとのなじみが良く、ウレタン中への分散性が良く、クリーニングブレードを均質にすることができる。また、酸化チタンの中でも特に針状酸化チタンを使用した場合にトナーの固着、フィルミングを防止しやすい。
また、第1の層には、表面摩擦係数を低下させる目的で、種々のシリコーン樹脂粒子や含フッ素樹脂粒子を添加してもよい。
シリコーン樹脂粒子としては特に制限は無いが、クリーニングブレードの潤滑効果を十分に得るためには、粒子の粒度は3μ以下、0.1μm以上が好ましい。
また、クリーニングブレードから脱落しないために、クリーニングブレードの主材料と親和性の高い組成である方が好ましい。一般にクリーニングブレードはウレタン樹脂を主体とすることが多く、シリコーン樹脂粒子もウレタン変成シリコーン、アクリル変成シリコーン等が好ましい。アクリル変成シリコーン樹脂によれば欠けが生じにくい。
これらのシリコーン樹脂粒子は、クリーニングブレードとのなじみがよく、粒子の脱落が生じにくい。また、ブレードの材質を大きく変化させないために摩耗、引き裂きなどが生じにくいために、クリーニングブレードの欠け、摩耗などによる劣化を生じにくい。
フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合樹脂などの粒子が挙げられる。
本発明において、感光体表面にクリーニングブレードを当接する際に、クリーニングブレードの線圧は、0.08N/cmから0.35N/cmが好ましい。より好ましくは0.15から0.28N/cmであり、さらに好ましくは0.18から0.25N/cmである。線圧が低すぎるとクリーニングブレードと感光体の密着性が低下し、トナー粒子がすり抜けやすくなる。また、線圧が高すぎるとブレードエッジにかかるストレスが増大し、ブレードエッジの摩耗が進みやすく、また、ブレードエッジの変形により、トナー粒子がすり抜けやすくなる。
感光体に対してカウンター方向でクリーニングブレードを当接したときに、感光体表面のトナーをせき止めるようにクリーニングブレードの断面が配置される。この断面と感光体表面のなす角度が80度以上であることが本発明においては好ましい。特に球形トナーに対して、良いクリーニング性が得られる。また、使用環境が変化した場合の鳴き、ビビリなどの異音防止とブレードめくれを軽減しやすくなる。
(クリーニングブレードの組成、工法)
クリーニングブレードは従来公知の組成、工法で製造することができる。一般的に高弾性の得られやすいウレタンゴムなどを用いることができる。
ポリウレタンエラストマーは、通常、ポリオール成分としてポリエチレンアジペートエステルやポリカプロラクトンエステルを用い、ポリイソシアネート成分として4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いてプレポリマーを調製し、これに硬化剤及び必要に応じて触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させた後、常温で放置熟成することによって製造されている。
高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール、例えば、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオールようなアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール等が用いられる。
他に低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフエニルメタン、4,4'−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコールや、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価及びそれ以上の多価アルコールを挙げることができる。
硬化触媒の具体例として、例えば、2−メチルイミダゾールや1,2−ジメチルイミダゾールを挙げることができるが、特に、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましく用いられる。このような触媒は、通常、主剤100重量部に対して、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.3重量部の範囲で用いられる。
(トナー)
本発明において用いられるトナーは、体積平均粒径は5.5μm以下を用いると解像度や文字のシャープネスが高い画像を得ることができる。
トナーの円形度は0.95以上が好ましい。高い転写率が得られ、クリーニングブレードに衝突するトナー量の変化が少ないために、安定したクリーニング動作が行え、良いクリーニング性、耐久性が得られると共に、転写された可視画像もハーフトーンムラのない画像を得ることができる。
トナーの形状は完全な円形よりもやや楕円形であることが好ましい。好ましくは長径と短径の比の平均が1.1以上である。このような形状にすることでクリーニングブレードの突起に引っかかりやすくなる。
トナーの製造方法は大きく分けて粉砕法と重合法に分けられるが、本発明においては、粒度の調整安定性、画像品質の面から重合法による製造が好ましい。
重合法による球形状トナーの製造は、例えば、少なくともバインダー用の樹脂材料又は/及びそのプレポリマー、着色剤、離型剤を有機溶媒中に含むトナー材料の有機溶媒液を水系媒体中に微細液滴状に分散させた後、該有機溶媒及び水系媒体を除去することにより得られたのもの、又は/及び該分散している間、若しくはその後に該液滴中のプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させた後、該有機溶媒及び水系媒体を除去することにより製造することができる。
好適には、少なくとも有機溶媒中に、活性水素を有する化合物及びこれと反応可能な部位を有する重合体、又は、分子内に活性水素及びこれと反応可能な部位を有すると同時に自己重合性材料、着色剤、離型剤を、好ましくはこれらを含有した組成物の形で、溶解又は分散させ、該活性水素と反応可能な部位を反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒及び水系媒体を除去し、洗浄、乾燥することができる。前記反応時に攪拌強さを調整したり、乾燥後に強攪拌することでトナーの円形度を調整しても良い。樹脂材料又は/及びそのプレポリマーとしては、各種の材料を用いることができ、特にポリエステル樹脂又は/及びポリエステルプレポリマーを好ましく用いることができる。
これらは単なる1例であって、球形状トナーは、このような製法以外の方法で製造しても無論、かまわない。
トナーには、外添剤として、平均粒径80nm以上300nm以下の有機又は無機粒子が含まれていることが好ましい。トナーの流動性や帯電特性の調整を行うことができる。
有機微粒子としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。有機微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
前記有機又は無機微粒子はトナーの表面に付着し、十分に固定されていることが好ましい。これらの粒子が固定されていることで、トナーと感光体の付着力が低下してクリーニングブレードによってトナーを感光体表面から剥がしやすくなる。また、トナー粉体の流動性が低下するので、クリーニングブレードと感光体の間からトナーがすり抜けにくくなる。
このような効果を得るためには、トナー粒子の表面積の少なくとも50%以上が微粒子で覆われていることが好ましい。さらに好ましくはトナー表面積の80%以上である。
前記有機又は無機微粒子は、また、トナー粒子表面に固定されず、独立して浮遊していることが好ましい。ある程度の量がクリーニングブレードと感光体の当接部分に供給されると、前記微粒子が堆積し、クリーニングブレードと感光体の間で滑材として機能する。また、トナー粒子が当接部分に侵入することを防ぐため、トナー粒子のすり抜けを防止することができる。このような効果を得るためには、トナー粒子100重量部に対して0.2重量部以上の添加量があると好ましい。
(感光体)
本発明に使用される感光体の表面摩擦抵抗は0.25以下が好ましい。ブレードエッジの変形は感光体がブレードを引きずって生じるが、感光体の摩擦抵抗が十分に低いとブレードにかかるストレスが減少し、変形が防止される。ブレードエッジの変形防止はトナーや紙粉などのクリーニングを安定して行わせることになり、また、ブレードエッジにかかるストレスが減少することは、ブレードの摩耗、損傷を軽減、防止することにつながる。
本発明において、感光体表面の摩擦抵抗を低減する手段として、固体または液体の滑剤を塗布する方法を使用しても良い。感光体表面はトナー、キャリア、紙、搬送部材、帯電などの種々の外部要因により劣化させられる。感光体表面に滑剤を塗布することにより感光体が前記のような外部要因に直接さらされにくくなり、劣化程度を軽減できる。
本発明に用いられる潤滑剤としては、各種ワックス類、金属石鹸類などが好ましい。ワックス類としては、オレフィン系ワックスやエステル系ワックスなどの合成ワックス、各種天然ワックスなどが使用できる。金属石鹸類としては、ステアリン酸等の脂肪酸との金属塩が使用できる。
これら潤滑剤の選択は、クリーニングブレードの使用状況に合わせて、ワックスの融点や感光体への親和性、消費量などから最適な物を選択すると良い。
本発明に使用される感光体には、保護層を設けても良く、保護層に摩擦係数を下げるような構成を盛り込んでも良い。例えば、低摩擦係数を有する樹脂を保護層とする方法、感光体中に含フッ素樹脂などの低摩擦係数を有する微粒子などを分散する方法、及び又は、感光体表面に脂肪酸金属塩などの潤滑剤を塗布する方法などが挙げられる。
保護層に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
保護層には、耐摩耗性及び耐フィルミング性を向上させる目的でフィラーを添加しても良い。
保護層に添加されるこれらのフィラーの量は、重量基準で通常は、10〜40%、好ましくは、20〜30%である。フィラーの量が10%未満では、摩耗が大きく、耐久性に劣り、40%を越えると、露光時における明部電位の上昇が著しくなって、感度低下が無視できなくなるので望ましくない。
フィラーの粒径は、平均1次粒径として0.3〜1.2μm、好ましくは、0.3〜0.7μmであり、粒径が小さい場合には耐摩耗性が充分でなく、また、粒径が大きい場合には書き込み光を散乱させるため、好ましくない。
さらに保護層には、フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加することができる。添加される分散助剤は塗料等に使用されるもの(例えば、変性エポキシ樹脂縮合物、不飽和ポリカルボン酸低分子量ポリマー等)が適宜利用でき、その量は重量基準で通常は、含有するフィラーの量に対して0.5〜4%、好ましくは、1〜2%である。
また、保護層には、電荷輸送層で使用される電荷輸送材料を添加することもきわめて有効であり、その添加量も電荷輸送層と同様でよく、残留電位の低減等、露光に対する特性を向上させることができる。
電荷輸送材料の添加量としては、重量基準で低分子電荷輸送材料の場合、フィラーを除いた固形分の20〜60%が好ましく、保護層の機械的特性が損なわれない範囲で、露光特性を向上させる程度に添加する。
高分子電荷輸送材料の場合、それ自体バインダーとしての機能を有しているので、添加量をさらに高くでき、フィラーを除いた固形分の20〜95%とすることができる。
一般に、バインダー樹脂に低分子電荷輸送材料が添加された膜は、その添加量にしたがって膜強度が低下することが知られている。さらに、無機微粒子が添加されるときバインダーとの接着性は良好に保つ必要があり、特に表層での無機微粒子の保持性は耐摩耗性の点から重要である。通常、無機微粒子が表面処理されたものを用いると、バインダーとの親和性が向上し、膜自体の強度を向上させることができる。
さらに酸化防止剤も必要に応じて添加することができる。酸化防止剤については後記する。
保護層の形成法としては、スプレー法等通常の塗布法が採用され、保護層の厚さは、0.5〜10μm、好ましくは4〜6μm程度が適当である。
本発明においては、感光層と保護層との間に別の中間層を形成することも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。
このバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。
中間層の形成法としては、上記の通常の塗布法が採用され、中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質及びレベリング剤を添加することができる。
各層に添加できる酸化防止剤としては、フェノール系化合物(例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなど)、パラフェニレンジアミン類(例えばN−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなど)、ハイドロキノン類(例えば2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンなど)、有機硫黄化合物類(例えばジラウリル−3,3−チオジプロピオネートなど)、有機燐化合物類(例えばトリクレジルホスフィンなど)等が挙げられる。
各層に添加できる可塑剤としては、リン酸エステル系可塑剤(例えばリン酸トリフェニルなど)、フタル酸エステル系可塑剤(例えばフタル酸ジメチルなど)、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤(例えばトリメリット酸トリオクチル)、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤(例えばアジピン酸ジブチルなど)、脂肪酸エステル誘導体系可塑剤(例えばオレイン酸ブチルなど)、脂肪酸エステル誘導体系可塑剤(例えばオレイン酸ブチルなど)、オキシ酸エステル系可塑剤(例えばアセチルリシノール酸メチルなど)、エポキシ系可塑剤(例えばエポキシステアリン酸ブチルなど)、二価アルコールエステル系可塑剤(例えばジエチレングリコールジベンゾエートなど)、含塩素系可塑剤(例えば塩素化ジフェニルなど)、ポリエステル系可塑剤(例えばポリプロピレンアジペートなど)、スルホン酸誘導体系可塑剤(例えばp−トルエンスルホンアミドなど)、クエン酸誘導体系可塑剤(例えばアセチルクエン酸トリエチルなど)等が挙げられる。
各層に添加できる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば2−ヒドロキシベンゾフェノンなど)、サルシレート系紫外線吸収剤(例えば2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(例えば(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなど)シアノアクリレート系紫外線吸収剤(例えばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなど)、クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤(例えばニッケルジブチルジチオカルバメーなど)、HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤(例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)等が挙げられる。
感光体、クリーニング手段など画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンターなど画像形成装置内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態で、それら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
ここで、プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、外に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を含んだ1つの装置(部品)である。
また、画像形成装置としては、像担持体表面に形成される球形、小径のトナーを用いたトナー像を転写する際、像担持体と前記像担持体に接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、前記像担持体表面に形成されたトナー像を、前記表面移動部材との間に挟持される記録材上又は前記表面移動部材上に転写する転写手段を採用するフルカラー画像形成装置等に好ましく使用される。上記表面移動部材とは、いわゆる中間転写体又は転写紙搬送体である。
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<製造例1>
(樹脂粒子含有クリーニングブレードの作製)
60℃−3mmHgで3時間脱泡したエチレンアジペート系プレポリマー(NCO含有量16.5%)に対して、一次平均粒径15nmのルチル型酸化チタン微粒子(テイカ株式会社製MT150A)を添加し、90℃の溶融状態でサンドミルにて混合した後、硬化剤としてポリエチレンアジペート/1,4ブタンジオール/エチレングリコール(重量比88.6/6.8/4.6)を混合した液状物と混合して、フッソ系の離型剤を塗布した金型の片面に約8μmの厚さにブレード塗工を行い、150℃で20分保持し第1の層とした。このときの微粒子の添加量は2重量%とした。その後、前記プレポリマーと硬化剤の混合物を注入し、全体を2mmの厚さにして、150℃で1時間保持し第2の層とした後、シート状に硬化したポリウレタンゴムを脱型した。ポリウレタンゴムを平板上に23℃で7日間静置したのち、短冊状に切り取り、クリーニングブレード1とした。
<製造例2>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンを平均粒径250nmのルチル型酸化チタン(石原産業製CR−EL)を添加量を8重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード2とした。
<製造例3>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンの添加量を9重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード3とした。
<製造例4>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンの添加量を3重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード4とした。
<製造例5>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンの添加量を5重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード5とした。
<製造例6>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンを一次平均粒径30nmのシリカとし、添加量を4重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード6とした。
<製造例7>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンをアクリル変成シリコーン樹脂(日信化学工業製シャリーヌR130S)として、添加量を7重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード7とした。
<製造例8>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンを長径の平均粒径1μmの針状酸化チタンとし、添加量を5重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード8とした。
(比較例)
<製造例9>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタン添加量を3重量%、第1の層の層厚を12μmとした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード9とした。
<製造例10>
製造例2において、第1の層の微粒子酸化チタン添加量を12重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード10とした。
<製造例11>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタン添加量を10重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード11とした。
<製造例12>
製造例1において、第1の層の微粒子酸化チタンの平均粒径が4.0μmの酸化チタンとし、添加量を1重量%とした以外は同様にしてポリウレタンゴムを作製し、クリーニングブレード12とした。
上記により作製したクリーニングブレードの特性値を下記の表に、その組成と共に示す。
Figure 2008268670
(トナーの製造)
原材料
水 1000部
フタロシアニングリーン含水ケーキ(固形分30%) 200部
カーボンブラック (#44三菱化学社製) 540部
ポリオール樹脂 600部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度100℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ顔料を得た。
ポリオール樹脂 95部
上記マスターバッチ 10部
帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2部
ワックス(脂肪酸エステルワックス、融点83℃、粘度280mPa・s(90℃)) 5部
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで30分溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を用い、製造条件を変えて、以下のブラック色の着色粒子を得た。
(トナーの球形化処理)
得られたトナーをサーフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)を用い、体積平均粒径Dv6.1μm、個数平均粒径Dn5.5μm、Dv/Dn1.11(マルチサイザーIIで測定)、平均円形度0.97(フロー式粒子像測定装置FPIA−2100で測定)のトナー母体を得た。
トナー母体100重量部に対して、平均粒径120nmの球状シリカ微粒子1.0重量部を乾式混合した後、平均一次粒径が50nm以下の疎水性シリカ0.8重量部を乾式混合してトナーを得た。
(クリーニングブレードの評価)
製造例1から12で得たクリーニングブレードを(株)リコー製ImagioNeoC385のクリーニングブレードと交換して、クリーニング特性、及びクリーニングブレードの摩耗の評価を行った。評価環境は実験室、低温環境(温度10℃湿度20%)、高温環境(温度30℃、湿度80%)の3環境とし、各1万枚ずつ合計3万枚の画像作製後のクリーニングブレードについて評価した。
評価結果を下記の表に示す。
クリーニング性の評価は5を優良とし、1を不良とする5段階評価で行った。クリーニングブレードの摩耗は、ブレードエッジから支持部材の方向に摩耗した長さを顕微鏡により測定した。
クリーニングブレードの耐欠け性は、5を優良とし、1を不良とする5段階評価で行った。トナーフィルミングの評価は、画像形成後の感光体表面を目視で観察し、5を優良とし1を不良とする5段階評価で行った。
Figure 2008268670
上記の表から、実施例のクリーニングブレードによれば、クリーニング性、耐摩耗性、耐欠け性、鳴きビビリの各特性が明らかに向上していることがわかる。また、トナーフィルミングも向上はあれ低下はなく、悪影響がないこと明らかである。
本発明のクリーニングブレードの実施形態を例示する説明図である。
符号の説明
1 像担持体又は感光体
2 クリーニング手段
3 クリーニングブレード
4 支持部材

Claims (9)

  1. 画像形成装置の像担持体表面に残留する未転写トナーをクリーニングするクリーニングブレードであって、前記クリーニングブレードが、次の(1)から(4)の要件を備えていることを特徴とするクリーニングブレード。
    (1)ポリウレタンを主体としてなる。
    (2)前記像担持体表面に接触する側の第1の層と接触しない側の第2の層からなる。
    (3)前記像担持体表面と接触する第1の層が、層厚が10μm以下で、平均粒径3μm以下の無機又は有機の微粒子を含有する。
    (4)全体の厚さが1〜3mmの範囲である。
  2. 前記第1の層に含有される無機又は有機の微粒子の量が0.5重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記第1の層のヤング率が70kgf/cm2〜120kgf/cm2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニングブレード。
  4. 前記像担持体表面と接触しない第2の層が、引っ張り強度200%モジュラスが35kgf/cm2以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  5. 前記第1の層の10℃〜35℃における反発弾性が45%以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  6. 前記第1の層に含有される無機微粒子が酸化チタン又はシリカであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  7. 前記第1の層に含有される有機微粒子がアクリル変成シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  8. 前記酸化チタンが針状酸化チタンであることを特徴とする請求項6に記載のクリーニングブレード。
  9. 像担持体と、
    前記像担持体表面に接触又は近接させて前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像担持体表面を露光して潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記像担持体表面に形成された潜像をトナーにより現像して可視像を形成する現像手段と、
    前記像担持体と前記像担持体に接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、前記像担持体表面に形成されたトナー像を、前記表面移動部材との間に挟持される記録材上又は前記表面移動部材上に転写する転写手段と、
    前記像担持体表面に残留する未転写トナーをクリーニングブレードでクリーニングするクリーニング手段と、
    を備えた画像形成装置であって、
    前記クリーニングブレードが請求項1ないし8のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
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