JP2016090611A - 正帯電単層型電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】単層型感光層の摩耗を抑制可能で、且つ正帯電単層型電子写真感光体の耐傷性及び耐フィルミング性を向上させることにより画像不良の発生を抑制可能な正帯電単層型電子写真感光体を提供する。【解決手段】正帯電単層型電子写真感光体1は、単層型感光層3を備える。単層型感光層は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、ポリカーボネート樹脂、及びシリコーン樹脂粒子を含む。シリコーン樹脂粒子の体積平均粒径が、0.05μm以上5.0μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、正帯電単層型電子写真感光体、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に備えられる電子写真感光体としては、無機感光体、及び有機感光体が使用されている。無機感光体は、セレン、及びアモルファスシリコンのような無機材料からなる感光層を備える。有機感光体は、主に、バインダー樹脂、電荷発生剤、及び電荷輸送材料のような有機材料からなる感光層を備える。そして、これらの感光体のなかでは、無機感光体と比較して製造が容易である点と、感光層の材料を幅広い材料から選択でき、設計の自由度が高い点とから、有機感光体が広く使用されている。
有機感光体として、単層型有機感光体、及び積層型有機感光体が使用されている。単層型有機感光体は、電荷発生剤、及び電荷輸送剤を同一層に含む。積層型有機感光体では、導電性基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とが積層されている。単層型有機感光体は、積層型有機感光体と比較して、構造が簡単で製造が容易であるとともに、皮膜欠陥の発生を抑制できることが知られている。
単層型電子写真感光体としては、正帯電単層型電子写真感光体、及び負帯電単層型電子写真感光体が使用されている。また、電子写真感光体の帯電方式としては、接触帯電方式、及び非接触帯電方式が使用されている。これらのなかでは、電子写真感光体の表面を帯電させる際にオフィス環境に悪影響を与えるオゾンのような酸化性ガスがほとんど発生しないことから、正帯電単層型電子写真感光体を使用することが好ましく、接触帯電方式の帯電部と正帯電単層型電子写真感光体とを組み合わせて使用することがより好ましい。しかし、接触帯電方式の帯電部(特に、直流電圧を印加する接触帯電方式の帯電部)と正帯電単層型電子写真感光体とを組み合わせて使用する場合、感光体の感光層が摩耗しやすく、長期にわたり良好な画像を形成することが難しいという問題がある。
以上のような事情から、単層型感光層の摩耗を抑制しつつ、画像不良の発生を抑制することができる正帯電単層型電子写真感光体が望まれている。
そこで、導電性支持体上に、電荷輸送層と電荷発生層とをこの順に積層して成る電子写真感光体において、潤滑剤及び補強剤(好ましくは、シリコーン樹脂微粒子)を含有する電子写真感光体が提案されている(特許文献1)。
また、基体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを積層した電子写真感光体であって、電荷輸送層に数平均粒径が0.05以上3.0μm以下である有機微粒子(好ましくは、シリコーン樹脂微粒子)を、数平均粒径が3.0より大きく10.0μmより小さい凝集状態で含有している電子写真感光体が提案されている(特許文献2)。
特開平05−158250号公報 特開平08−015877号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載される技術では、感光層(特に、単層型感光層)の摩耗を抑制しつつ、画像不良の発生を抑制することが依然として困難である。
上記課題に鑑み、本発明は、単層型感光層の摩耗を抑制可能で、且つ正帯電単層型電子写真感光体の耐傷性及び耐フィルミング性を向上させることにより画像不良の発生を抑制可能な正帯電単層型電子写真感光体を提供する。また、本発明は、このような正帯電単層型電子写真感光体を備えることで、画像不良の発生を抑制可能な画像形成装置を提供する。
本発明の正帯電単層型電子写真感光体は、単層型感光層を備える。前記単層型感光層は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、ポリカーボネート樹脂、及びシリコーン樹脂粒子を含む。前記ポリカーボネート樹脂が、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位とを有する。シリコーン樹脂粒子の体積平均粒径が、0.05μm以上5.0μm以下である。
Figure 2016090611
Figure 2016090611
前記式(I)中、R1は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を示し、前記式(II)中、R2は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を示す。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記帯電部は、前記像担持体の表面を帯電する。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する。前記像担持体は、上述の正帯電単層型電子写真感光体である。
本発明によれば、単層型感光層の摩耗を抑制可能で、且つ正帯電単層型電子写真感光体の耐傷性及び耐フィルミング性を向上させることにより画像不良の発生を抑制可能な正帯電単層型電子写真感光体を得ることができる。また、本発明によれば、このような正帯電単層型電子写真感光体を備えることで、画像不良の発生を抑制可能な画像形成装置を得ることができる。
(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る正帯電単層型電子写真感光体を備えた画像形成装置の構成を示す概略図である。 シリコーン樹脂粒子の体積平均粒径と、正帯電単層型電子写真感光体の摩耗量との関係を示すグラフである。 シリコーン樹脂粒子の含有量と、正帯電単層型電子写真感光体の摩耗量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて、本発明を実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。
<第一実施形態:正帯電単層型電子写真感光体>
第一実施形態は、正帯電単層型電子写真感光体(以下、単に「感光体」又は「単層型電子写真感光体」と記載する場合がある)に関する。以下、図1を参照して、本実施形態の正帯電単層型電子写真感光体について説明する。
正帯電単層型電子写真感光体1は、単層型感光層3を備える。単層型感光層3は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂、及びシリコーン樹脂粒子を含む。ポリカーボネート樹脂が、上述の式(I)で表される繰り返し単位と、上述の式(II)で表される繰り返し単位とを有する。
本実施形態の感光体1に備えられる単層型感光層3は、特定のポリカーボネート樹脂と、シリコーン樹脂粒子とを含む。このような特定のポリカーボネート樹脂とシリコーン樹脂粒子との組み合わせにより、帯電時に感光体1の表面に過酷な条件で電圧が付与された場合であっても、感光体1の表面に与えられるダメージを、特定のポリカーボネート樹脂とシリコーン樹脂粒子とが緩和し(吸収し)、単層型感光層3の摩耗を抑制することができる。更に、感光体1の耐傷性及び耐フィルミング性を向上させることにより画像不良の発生を抑制することができる。
次に、本実施形態の正帯電単層型電子写真感光体1について説明する。感光体1は、単層型感光層3を備える。感光体1は、単層型感光層3を備えている限り、特に限定されない。
単層型感光層3は、導電性基体2上に配置される。例えば、図1(a)に示すように、導電性基体2上に単層型感光層3が直接備えられていてもよい。あるいは、図1(b)に示すように、導電性基体2と単層型感光層3との間に適宜な中間層4が備えられていてもよい。また、図1(a)及び図1(b)に示すように、単層型感光層3が最外層として露出していてもよい。あるいは、図1(c)に示すように、単層型感光層3上に保護層5が適宜に備えられていてもよい。
以下、導電性基体2、単層型感光層3、及び感光体1の製造方法について説明する。また、感光体1の好適な帯電方式について説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体2は、正帯電単層型電子写真感光体1の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体2としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体2としては、例えば、導電性を有する材料で構成される導電性基体;及びプラスチック材料が導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、単層型感光層3から導電性基体2への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体2の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。例えば、シート状の導電性基体、又はドラム状の導電性基体を使用することができる。また、導電性基体2の厚みは、導電性基体2の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.単層型感光層]
正帯電単層型電子写真感光体1が備える単層型感光層3は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂(ポリカーボネート樹脂)、及びシリコーン樹脂粒子を含む。以下、単層型感光層3に含まれる、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂(ポリカーボネート樹脂)、及びシリコーン樹脂粒子について説明する。また、単層型感光層3に必要に応じて含まれてもよい添加剤について説明する。
[2−1.電荷発生剤]
電荷発生剤は、正帯電単層型電子写真感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、X型無金属フタロシアニン(X−H2Pc)、Y型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)、K型チタニルフタロシアニン(K−TiOPc)、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤としては、下記式(CG−1)で表されるX型無金属フタロシアニン(X−H2Pc)、又は下記式(CG−2)で表されるK型チタニルフタロシアニン(K−TiOPc)が好ましい。
Figure 2016090611
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所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学系の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター、又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体1を用いることが好ましい。そのため、例えば、X型無金属フタロシアニン又はK型チタニルフタロシアニンのような、フタロシアニン系顔料が好適に用いられる。なお、フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下程度の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体1には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料、又はペリレン系顔料が好適に用いられる。
感光体1において、電荷発生剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
[2−2.正孔輸送剤]
正孔輸送剤は、正帯電単層型電子写真感光体用の正孔輸送剤である限り、特に限定されない。正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体;ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、又はジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体);オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール);スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン);カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;又はトリアゾール系化合物が挙げられる。
上述のトリフェニルアミン誘導体の具体例としては、下記式(HT−1)〜(HT−2)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−2)と記載する場合がある)が挙げられる。
Figure 2016090611
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上述のジアミン誘導体の具体例としては、下記式(HT−3)〜(HT−4)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(HT−3)〜(HT−4)と記載する場合がある)が挙げられる。
Figure 2016090611
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これらの正孔輸送剤は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
正帯電単層型電子写真感光体1において、正孔輸送剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
[2−3.電子輸送剤]
単層型感光層3は、電子輸送剤を含む。これにより、単層型感光層3は電子を輸送することができ、単層型感光層3にバイポーラー(両極性)の特性を付与しやすくなる。
電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物(例えば、ナフトキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アゾキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、又はジニトロアントラキノン系化合物)、ジイミド系化合物(例えば、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体)、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。
上述のキノン系化合物の具体例としては、下記式(ET−1)〜(ET−2)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ET−1)〜(ET−2)と記載する場合がある)が挙げられる。
Figure 2016090611
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上述のジイミド系化合物の具体例としては、下記式(ET−3)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ET−3)と記載する場合がある)が挙げられる。
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上述のヒドラゾン系化合物の具体例としては、下記式(ET−4)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ET−4)と記載する場合がある)が挙げられる。
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このような電子輸送剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正帯電単層型電子写真感光体1において、電子輸送剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。
[2−4.バインダー樹脂(ポリカーボネート樹脂)]
本実施形態の感光体1に備えられる単層型感光層3は、バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂を含む。
ポリカーボネート樹脂を用いることで、加工性、機械的特性、光学的特性、及び/又は耐摩耗性のバランスに優れた単層型感光層3を得ることができる。ポリカーボネート樹脂は、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位とを有する。
Figure 2016090611
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式(I)中、R1は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を示す。式(II)中、R2は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を示す。
式(I)のR1、及び式(II)のR2において、炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、又はヘキシル基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルキル基として、好ましくは炭素原子数1以上3以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基が挙げられる。
単層型感光層3の摩耗抑制の観点から、式(I)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示すことが好ましい。同様の観点から、式(II)中、R2は、水素原子、又はメチル基を示すことが好ましい。
単層型感光層3の摩耗抑制の観点から、式(I)中、R1が、水素原子示し、式(II)中、R2が、メチル基を示すことがより好ましい。
単層型感光層3の摩耗抑制の観点から、ポリカーボネート樹脂において、式(I)で表される繰り返し単位と、式(II)で表される繰り返し単位とのモル比率(I/II)は、50/50以上70/30以下であることが好ましく、50/50以上60/40以下であることがより好ましい。
ポリカーボネート樹脂における、式(I)で表される繰り返し単位と式(II)で表される繰り返し単位との合計含有率は、ポリカーボネート樹脂の全質量に対して、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂としてより具体的には、下記式(Resin−1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)とのモル比率(a/b)が60/40)、下記式(Resin−2)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(c)と繰り返し単位(d)とのモル比率(c/d)が70/30)、下記式(Resin−3)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(e)と繰り返し単位(f)とのモル比率(e/f)が50/50)、下記式(Resin−4)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(g)と繰り返し単位(h)とのモル比率(g/h)が60/40)、下記式(Resin−5)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(i)と繰り返し単位(j)とのモル比率(i/j)が60/40)、及び下記式(Resin−6)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(k)と繰り返し単位(l)とのモル比率(k/l)が60/40)が挙げられる。以下、式(Resin−1)〜(Resin−6)で表される繰り返し単位を有する樹脂を、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−6)と記載する場合がある。
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これらのポリカーボネート樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で40000以上であることが好ましく、40000以上80000以下であることがより好ましい。ポリカーボネート樹脂の分子量が低過ぎると、ポリカーボネート樹脂の耐摩耗性を十分に高めることができず、単層型感光層3が摩耗し易くなる。また、ポリカーボネート樹脂の分子量が高過ぎると、単層型感光層3の形成時にポリカーボネート樹脂が溶剤に溶解しにくくなり、塗布液の粘度が高くなり過ぎるため、単層型感光層3の形成が困難になる傾向がある。
[2−5.シリコーン樹脂粒子]
単層型感光層3は、シリコーン樹脂粒子を含む。これにより、単層型感光層3の摩耗を抑制することができるとともに、感光体1の耐傷性及び耐フィルミング性を向上させることにより、形成される画像における画像不良を抑制することができる。
シリコーン樹脂粒子の体積平均粒径は、0.05μm以上5.0μm以下である。単層型感光層3の摩耗を抑制するという観点から、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましい。シリコーン樹脂粒子の体積平均粒径が過小又は過大であると、単層型感光層3の摩耗量が増加する傾向にある。
シリコーン樹脂粒子の含有量は、単層型感光層3の全質量に対して、10.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。シリコーン樹脂粒子の含有量が過小であると、単層型感光層3の摩耗量が増加する傾向にある。シリコーン樹脂粒子の含有量が過大であると、シリコーン樹脂粒子に起因する感光体1表面の凹凸により、形成される画像に画像不良(例えば、黒点のような汚れ)が生じやすいと考えられる。
シリコーン樹脂粒子の含有量は、単層型感光層3の摩耗を抑制するという観点から、球状であることが好ましい。
[2−6.添加剤]
本実施形態の感光体1においては、単層型感光層3、中間層4、及び保護層5のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー、又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤、又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、BHT(ジ(tert−ブチル)p−クレゾール)、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン若しくはこれらの誘導体、有機硫黄化合物、又は有機燐化合物が挙げられる。
[3.感光体の製造方法]
次に、感光体1の製造方法について説明する。感光体1は、単層型感光層3用塗布液(以下「塗布液」と記載する場合がある)を導電性基体2上に塗布し、乾燥することによって製造される。塗布液は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、ポリカーボネート樹脂、及びシリコーン樹脂粒子、並びに必要に応じて各種の添加剤を、溶剤に溶解又は分散させることにより製造される。
塗布液に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール)、脂肪族系炭化水素(例えば、n−ヘキサン、オクタン、又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、又はプロピレングリコールモノメチルエーテル)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。感光体1の製造過程における作業者の安全衛生を改善するためには、溶剤としてハロゲン化炭化水素以外の溶剤を用いることが好ましい。
塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散機を用いることができる。
塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
塗布液を塗布する方法としては、塗布液を導電性基体2上に均一に塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。
塗布液を乾燥する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法である限り、特に限定されない。例えば、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
感光体1の単層型感光層3の厚さは、単層型感光層として充分に作用することができる限り、特に限定されない。単層型感光層3の厚さは、例えば5μm以上100μm以下であり、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
[4.帯電方式]
感光体1は、直流電圧を印加する帯電部を備える画像形成装置において、像担持体として使用されることが好ましい。帯電部が直流電圧のみを印加する場合、単層型感光層3の磨耗量が減少する傾向にあるためである。
感光体1は、直流電圧を印加する接触方式の帯電部を備える画像形成装置において、像担持体として使用されることが更に好ましい。接触方式の帯電部を備える画像形成装置は、非接触方式の帯電部を備える画像形成装置と比べて、オゾン及びNOXのような感光体1に悪影響を及ぼすガスの発生が少ないという利点を有するためである。接触方式の帯電部を備える画像形成装置に感光体1を用いる場合、交流電圧を印加する帯電部を備える画像形成装置であると、印加されるマイナス成分(逆極性のバイアス)により、感光体1の表面の電位の安定性が低下することがある。従って、感光体1は、直流電圧を印加する接触方式の帯電部を備える画像形成装置において使用されることが好ましい。また、接触方式の帯電部では、非接触方式の帯電部よりも感光体1にとって過酷な条件で帯電が行われる。そのため、接触方式の帯電部を備える画像形成装置では、単層型感光層3が磨耗しやすい。しかし、感光体1の単層型感光層3は、特定のポリカーボネート樹脂とシリコーン樹脂粒子とを含有するため、帯電時に感光体1の表面に過酷な条件で電圧が付与された場合であっても、特定のポリカーボネート樹脂とシリコーン樹脂粒子とが感光体1の表面に与えられるダメージを緩和し、単層型感光層3の摩耗を抑制することができる。
以上、図1を参照して、本実施形態の正帯電単層型電子写真感光体を説明した。本実施形態の正帯電単層型電子写真感光体によれば、単層型感光層の摩耗を抑制しつつ、正帯電単層型電子写真感光体の耐傷性及び耐フィルミング性を向上させることにより画像不良の発生を抑制することができる。このため、本実施形態の正帯電単層型電子写真感光体は、種々の画像形成装置において、像担持体として好適に使用される。
<第二実施形態:画像形成装置>
第二実施形態は、画像形成装置に関する。以下、図2を参照して、本実施形態の画像形成装置を説明する。図2は、第一実施形態の正帯電単層型電子写真感光体1を備える、本実施形態の画像形成装置6の構成を示す概略図である。
画像形成装置6は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。帯電部は、像担持体の表面を帯電する。露光部は、帯電された像担持体の表面を露光して、像担持体の表面に静電潜像を形成する。現像部は、静電潜像をトナー像として現像する。転写部は、トナー像を像担持体から被転写体へ転写する。像担持体は、第一実施形態の正帯電単層型電子写真感光体1である。
画像形成装置6は、電子写真方式の画像形成装置である限り、特に限定されない。画像形成装置6は、例えば、モノクロ画像形成装置であってもよいし、カラー画像形成装置であってもよい。異なる色のトナーによる各色のトナー像を形成するために、本実施形態の画像形成装置6は、タンデム方式のカラー画像形成装置であってもよい。
以下、タンデム方式のカラー画像形成装置を例に挙げて、画像形成装置6を説明する。画像形成装置6は、所定方向に並設された複数の正帯電単層型電子写真感光体1(像担持体に相当)と、複数の現像装置29とを備える。複数の現像装置29は、各々、感光体1に対向して配置される。複数の現像装置29は、現像装置29の表面にトナーを担持して搬送する。複数の現像装置29は、各々、現像ローラーを備える。現像ローラーは、搬送されたトナーを、対応する感光体1の表面に供給する。そして、感光体1として、第一実施形態の正帯電単層型電子写真感光体1を用いることができる。
図2に示すように、画像形成装置6は、箱型の機器筺体7を有している。機器筺体7内には、給紙部8、画像形成部9、及び定着部10が設けられる。給紙部8は、用紙Pを給紙する。画像形成部9は、給紙部8から給紙された用紙Pを搬送しながら、用紙Pに画像データに基づくトナー像を転写する。定着部10は、画像形成部9で用紙P上に転写された未定着のトナー像を、用紙Pに定着させる。更に、機器筺体7の上面には、排紙部11が設けられる。排紙部11は、定着部10で定着処理された用紙Pを排紙する。
給紙部8には、給紙カセット12、第一ピックアップローラー13、給紙ローラー14、15、及び16、並びにレジストローラー対17が備えられる。給紙カセット12は、機器筺体7から挿脱可能に設けられる。給紙カセット12には、各種サイズの用紙Pが貯留される。第一ピックアップローラー13は、給紙カセット12の左上方位置に設けられる。第一ピックアップローラー13は、給紙カセット12に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出す。給紙ローラー14、15、及び16は、第一ピックアップローラー13によって取り出された用紙Pを搬送する。レジストローラー対17は、給紙ローラー14、15、及び16によって搬送された用紙Pを、一時待機させた後に、所定のタイミングで画像形成部9に供給する。
また、給紙部8は、手差しトレイ(不図示)と、第二ピックアップローラー18とを更に備えている。手差しトレイは、機器筺体7の左側面に取り付けられる。第二ピックアップローラー18は、手差しトレイに載置された用紙Pを取り出す。第二ピックアップローラー18によって取り出された用紙Pは、給紙ローラー14、15及び16によって搬送され、レジストローラー対17によって、所定のタイミングで画像形成部9に供給される。
画像形成部9には、画像形成ユニット19、中間転写ベルト20、及び二次転写ローラー21が備えられる。中間転写ベルト20には、画像形成ユニット19によって、中間転写ベルト20の表面(一次転写ローラー33との接触面)に、トナー像が一次転写される。なお、一次転写されるトナー像は、コンピューターのような上位装置から伝送された画像データに基づいて形成される。二次転写ローラー21は、中間転写ベルト20上のトナー像を、給紙カセット12から送り込まれた用紙Pに二次転写する。
画像形成ユニット19には、上流側(図2では右側)から下流側に向けて、マゼンタトナー供給用ユニット25、シアントナー供給用ユニット24、イエロートナー供給用ユニット23、及びブラックトナー供給用ユニット22が順次配設されている。ユニット22、23、24、及び25には、各ユニットの中央位置に、感光体1(像担持体に相当)が配設されている。感光体1は、矢符(時計回り)方向に回転可能に配設されている。
そして、各感光体1の周囲には、帯電装置27(帯電部に相当)、露光装置28(露光部に相当)、現像装置29(現像部に相当)、クリーニング装置(不図示)、及び除電器(不図示)が、各感光体1の回転方向上流側から順に配置されている。感光体1として、第一実施形態の正帯電単層型電子写真感光体1が用いられる。
帯電装置27(帯電部に相当)は、感光体1(像担持体に相当)の表面を帯電する。具体的には、帯電装置27は、矢符方向に回転されている感光体1の周面を均一に帯電する。帯電装置27は、感光体1の周面を均一に帯電できる限り特に限定されない。帯電装置27は、非接触方式の帯電装置であってもよいし、接触方式の帯電装置であってもよい。帯電装置27としては、例えば、コロナ帯電装置、帯電ローラー、及び帯電ブラシが挙げられる。帯電装置27としては、接触方式の帯電装置(具体的には、帯電ローラー、帯電ブラシ)が好ましく、帯電ローラーがより好ましい。接触方式の帯電装置27を使用することにより、帯電装置27から発生する活性ガス(例えば、オゾン、及び窒素酸化物)の排出を抑えることができる。その結果、活性ガスによる単層型感光層3の劣化が抑制されるとともに、オフィス環境に配慮した設計が達成できる。
帯電装置27が接触方式の帯電ローラーを備える場合、帯電ローラーは、感光体1と接触したまま、感光体1の周面(表面)を帯電する。このような帯電ローラーとしては、例えば、感光体1と接触したまま、感光体1の回転に従属して回転する帯電ローラーが挙げられる。また、帯電ローラーとしては、例えば、少なくとも表面部が樹脂で構成された帯電ローラーが挙げられる。帯電ローターとしてより具体的には、例えば、回転可能に軸支された芯金と、芯金上に形成された樹脂層と、芯金に電圧を印加する電圧印加部とを備えた帯電ローラーが挙げられる。このような帯電ローラーを備えた帯電装置27は、電圧印加部が芯金に電圧を印加することによって、樹脂層を介して接触する感光体1の表面を帯電させることができる。
帯電装置27が印加する電圧は、特に限定されない。しかし、帯電装置27が交流電圧を印加する場合、又は直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を印加する場合よりも、帯電装置27が直流電圧のみを印加することが好ましい。帯電装置27が直流電圧のみを印加する場合、単層型感光層3の磨耗量が減少する傾向があるためである。その結果、好適な画像を形成することができる。帯電装置27が感光体1に印加する直流電圧は、1000V以上2000V以下であることが好ましく、1200V以上1800V以下であることがより好ましく、1400V以上1600V以下であることが特に好ましい。
帯電ローラーの樹脂層を構成する樹脂は、感光体1の周面を良好に帯電させることができる限り特に限定されない。樹脂層を構成する樹脂の具体例としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン変性樹脂が挙げられる。樹脂層には、無機充填材を含有させてもよい。
露光装置28(露光部に相当)は、いわゆるレーザー走査ユニットである。露光装置28は、帯電された感光体1(像担持体に相当)の表面を露光して、感光体1の表面に静電潜像を形成する。具体的には、露光装置28は、帯電装置27によって均一に帯電された感光体1の周面(表面)に、パーソナルコンピューターのような上位装置から入力された画像データに基づくレーザー光を照射する。これにより、感光体1の周面(表面)に、画像データに基づく静電潜像が形成される。
現像装置29(現像部に相当)は、静電潜像をトナー像として現像する。具体的には、現像装置29は、静電潜像が形成された感光体1の周面にトナーを供給し、画像データに基づくトナー像を形成する。そして、形成されたトナー像が中間転写ベルト20に一次転写される。クリーニング装置は、中間転写ベルト20へのトナー像の一次転写が終了した後、感光体1の周面に残留しているトナーを清掃する。除電器は、中間転写ベルト20へのトナー像の一次転写が終了した後、感光体1の周面を除電する。クリーニング装置及び除電器によって清掃及び除電された感光体1の周面は、帯電装置27へ送られ、新たに帯電処理される。
中間転写ベルト20は、無端状のベルト回転体である。中間転写ベルト20は、駆動ローラー30、従動ローラー31、バックアップローラー32、及び複数の一次転写ローラー33に架け渡されている。複数の感光体1の周面が、各々、中間転写ベルト20の表面(接触面)に当接するように、中間転写ベルト20は配置されている。
また、中間転写ベルト20は、各感光体1に対向して配置される一次転写ローラー33によって、感光体1に押圧される。押圧された状態で、中間転写ベルト20は、複数の一次転写ローラー33によって無端回転する。駆動ローラー30は、ステッピングモーターなどの駆動源によって回転駆動し、中間転写ベルト20を無端回転させるための駆動力を与える。従動ローラー31、バックアップローラー32、及び複数の一次転写ローラー33は、回転自在に設けられる。従動ローラー31、バックアップローラー32、及び一次転写ローラー33は、駆動ローラー30による中間転写ベルト20の無端回転に伴って、従動回転する。従動ローラー31、バックアップローラー32、及び一次転写ローラー33は、駆動ローラー30の主動回転に応じて中間転写ベルト20を介して従動回転するとともに、中間転写ベルト20を支持する。
転写部は、トナー像を像担持体から被転写体へ転写する。具体的には、一次転写ローラー33は、一次転写バイアス(具体的には、トナーの帯電極性と逆極性を有するバイアス)を中間転写ベルト20(被転写体に相当)に印加する。その結果、各感光体1上に形成されたトナー像は、各感光体1と一次転写ローラー33との間で、駆動ローラー30の駆動により矢符(反時計回り)方向に周回する中間転写ベルト20に対して、順次転写(一次転写)される。
二次転写ローラー21は、二次転写バイアス(具体的には、トナー像と逆極性を有するバイアス)を用紙Pに印加する。その結果、中間転写ベルト20上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー21とバックアップローラー32との間で用紙Pに転写される。これにより、未定着のトナー像が用紙Pに転写される。
定着部10は、画像形成部9で用紙Pに転写された未定着トナー像を定着させる。定着部10は、加熱ローラー34と、加圧ローラー35とを備えている。加熱ローラー34は、通電発熱体により加熱される。加圧ローラー35は、加熱ローラー34に対向配置され、加圧ローラー35の周面が加熱ローラー34の周面に押圧される。
画像形成部9で二次転写ローラー21により用紙Pに転写された転写画像は、用紙Pが加熱ローラー34と加圧ローラー35との間を通過する際の加熱による定着処理により用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部11へ排紙される。また、定着部10と排紙部11との間の適所に、複数の搬送ローラー36が配設されている。
排紙部11は、機器筺体7の頂部が凹没されることによって形成される。凹没した凹部の底部に、排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ37が設けられる。
以上、図2を参照して、本実施形態の画像形成装置について説明した。本実施形態の画像形成装置には、像担持体として、第一実施形態の正帯電単層型電子写真感光体が備えられている。このような正帯電単層型電子写真感光体を備えることで、本実施形態の画像形成装置は、画像不良の発生を抑制することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
[1.正帯電単層型電子写真感光体の調製]
電荷発生剤(CGM)、正孔輸送剤(HTM)、電子輸送剤(ETM)、ポリカーボネート樹脂、及び粒子(シリコーン樹脂粒子又は非樹脂粒子)を用いて、正帯電単層型電子写真感光体である感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)を調製した。
[1−1.電荷発生剤]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の調製には、以下の電荷発生剤の何れかを用いた。具体的には、下記式(CG−1)で表されるX型無金属フタロシアニン(以下、電荷発生剤(CG−1)と記載する場合がある)、又は下記式(CG−2)で表されるK型チタニルフタロシアニン(以下、電荷発生剤(CG−2)と記載する場合がある)を用いた。
Figure 2016090611
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[1−2.正孔輸送剤]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の調製には、以下の正孔輸送剤の何れかを用いた。具体的には、下記式(HT−1)〜(HT−4)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−4)と各々記載する場合がある)の何れかを用いた。
Figure 2016090611
Figure 2016090611
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Figure 2016090611
[1−3.電子輸送剤]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の調製には、以下の電子輸送剤の何れかを用いた。具体的には、下記式(ET−1)〜(ET−4)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ET−1)〜(ET−4)と各々記載する場合がある)の何れかを用いた。
Figure 2016090611
Figure 2016090611
Figure 2016090611
Figure 2016090611
[1−4.ポリカーボネート樹脂]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の調製には、以下のポリカーボネート樹脂の何れかを用いた。具体的には、下記式(Resin−1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)とのモル比率(a/b)が60/40、粘度平均分子量50000)、下記式(Resin−2)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(c)と繰り返し単位(d)とのモル比率(c/d)が70/30、粘度平均分子量50000)、下記式(Resin−3)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(e)と繰り返し単位(f)とのモル比率(e/f)が50/50、粘度平均分子量50000)、下記式(Resin−4)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(g)と繰り返し単位(h)とのモル比率(g/h)が60/40、粘度平均分子量50000)、下記式(Resin−5)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(i)と繰り返し単位(j)とのモル比率(i/j)が60/40、粘度平均分子量50000)、下記式(Resin−6)で表される繰り返し単位を有する樹脂(繰り返し単位(k)と繰り返し単位(l)とのモル比率(k/l)が60/40、粘度平均分子量50000)、下記式(Resin−7)で表される繰り返し単位を有する樹脂(粘度平均分子量50000)、下記式(Resin−8)で表される繰り返し単位を有する樹脂(粘度平均分子量50000)、及び下記式(Resin−9)で表される繰り返し単位を有する樹脂(粘度平均分子量50000)が挙げられる。以下、式(Resin−1)〜(Resin−9)で表される繰り返し単位を有する樹脂を、各々ポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−9)と記載する場合がある。
Figure 2016090611
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[1−5.粒子(シリコーン樹脂粒子又は非樹脂粒子)]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の調製には、以下の粒子(シリコーン樹脂粒子又は非樹脂粒子)の何れかを用いた。具体的には、表1に示す粒子(F−1)〜(F−6)の何れかを用いた。粒子(F−1)〜(F−6)は、何れも市販品である。粒子(F−1)〜(F−6)について、粒子の種類、粒子の体積平均粒径、商品名、及び製造元を表1に示す。なお、表1の商品名における「AEROSIL」、及び「NanoTek」は、何れも登録商標である。
Figure 2016090611
[1−6.感光体(A−1)の調製]
電荷発生剤(CG−1)5質量部、正孔輸送剤(HT−1)50質量部、電子輸送剤(ET−1)35質量部、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)100質量部、粒子(F−1)5質量部、及びテトラヒドロフラン750質量部を、ボールミルの容器に加えた。内容物を、ボールミルを用いて50時間混合し分散させることにより、感光層用の塗布液を調製した。得られた塗布液を、導電性基体上にディップコート法により塗布した。塗布された塗布液(塗膜)を100℃で40分間加熱し、塗膜よりテトラヒドロフランを除去した。これにより、正帯電単層電子写真感光体である感光体(A−1)を得た。
得られた感光体(A−1)の単層型感光層の膜厚は、35μmであった。また、得られた感光体(A−1)の単層型感光層の全質量に対する粒子(F−1)の含有量(換言すると、電荷発生剤(CG−1)5質量部、正孔輸送剤(HT−1)50質量部、電子輸送剤(ET−1)35質量部、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)100質量部、及び粒子(F−1)5質量部の合計質量部に対する、粒子(F−1)5質量の百分率)は、2.6質量%であった。
[1−7.感光体(A−2)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の調製]
以下の点を変更した以外は、感光体(A−1)の調製と同様の方法で、正帯電単層型電子写真感光体である感光体(A−2)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)を調製した。感光体(A−1)の調製に用いた電荷発生剤(CG−1)、正孔輸送剤(HT−1)、電子輸送剤(ET−1)、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)、及び粒子(F−1)に代えて、後述の表2及び表3に示す種類の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、ポリカーボネート樹脂、及び粒子を用いた。また、粒子の添加量を、感光体(A−1)の調製における5質量部から、後述の表2及び表3に示す粒子含有量になるような添加量(質量部)に変更した。
[2.評価]
上述のようにして得られた感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の各々に対し、下記のような評価を行った。
[2−1.摩耗量の評価]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)のの何れかを、カラープリンター(FS−C5250DN、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)に装着した。プリンターの帯電部としては、帯電ローラーを用いた。帯電ローラーとしては、帯電性ゴムからなるローラー(エピクロルヒドリン樹脂に導電性カーボンを分散させた材料からなるローラー)を用いた。帯電極性は正極性であり、印加電圧は直流電圧であった。転写方式としては、中間転写方式を採用した。
このカラープリンターを用いて、常温常湿環境下(23℃、50%RH)、印字率5%で、普通紙にテキスト画像(文字画像)を5万枚連続して印刷した。印字試験前後の感光体の感光層の厚さを各々測定した。測定された感光層の厚さから、下記式に基づいて、感光体の摩耗量を算出した。
[感光層の摩耗量(μm)]=[印字試験前の感光層の厚さ(μm)]−[印字試験後の感光層の厚さ(μm)]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)について、算出された摩耗量を表2及び表3に示す。
[2−2.画像評価]
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の何れかを、カラープリンター(FS−C5250DN、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)に装着した。カラープリンターには、上述の摩耗量の評価で用いた帯電部及び転写方式を採用した。帯電極性は正極性であり、印加電圧は直流電圧であった。このカラープリンターを用いて、常温常湿環境下(23℃、50%RH)、印字率5%で、普通紙にテキスト画像(文字画像)を5万枚連続して印刷した。5万枚印刷後、ハーフトーン画像、及び白地画像を印刷して、評価用画像を得た。次に、低温低湿環境下(10℃、20%RH)、印字率5%で、普通紙にテキスト画像(文字画像)を5万枚連続して印刷した。5万枚印刷後、ハーフトーン画像、及び白地画像を印刷して、評価用画像を得た。得られた評価用画像について、画像不良の発生の有無を観察した。画像不良の発生の有無に基づき、以下の基準で画像を評価した。
A:傷及びフィルミングに起因する画像不良が観察されない。
B:ドラム表面に傷及び/又はフィルミングが観察されるが、画像不良は観測されない。
C:傷及び/又はフィルミングに起因する画像不良が、常温常湿環境下(23℃、50%RH)では観察されないが、低温低湿環境下(10℃、20%RH)では観察される。
D:傷及び/又はフィルミングに起因する画像不良が観察される。
感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)を用いて形成された画像の評価を、表2及び表3に示す。
以下、感光体(A−1)〜(A−25)、及び(B−1)〜(B−19)の各々について、単層型感光層に含有される、電荷発生剤(CGM)の種類、正孔輸送剤(HTM)の種類、電子輸送剤(ETM)の種類、ポリカーボネート樹脂の種類、粒子の種類、粒子の体積平均粒径、及び単層型感光層の全質量に対する粒子の含有量を、表2及び表3にまとめて示す。また、各評価結果も、表2及び表3にまとめて示す。
Figure 2016090611
Figure 2016090611
また、感光体(A−1)〜(A−2)、(A−8)〜(A−10)及び(B−12)〜(B−13)について、含有される粒子の体積平均粒径と、測定された摩耗量との関係を図3に示す。また、感光体(A−1)〜(A−2)、(A−11)〜(A−13)及び(B−5)〜(B−6)について、粒子(シリコーン樹脂粒子)の含有量と、測定された摩耗量との関係を図4に示す。
表2及び表3から明らかなように、単層型感光層中にシリコーン樹脂粒子を含む感光体(A−1)〜(A−25)では、単層型感光層の摩耗が抑制されているだけでなく、形成された画像における画像不良の発生も抑制されていた。
一方、単層型感光層中にシリコーン樹脂粒子を含まない感光体(B−1)〜(B−19)では、単層型感光層の摩耗量が大きく、形成された画像に画像不良が観察される場合があった。
更に、図3から明らかなように、粒子の体積平均粒径が、0.05μm以上5.0μm以下である場合に、単層型感光層の摩耗が一層好適に抑制されていた。
更に、図4から明らかなように、粒子(シリコーン樹脂粒子)の含有量が、単層型感光層の全質量に対して10.0質量%以下である場合に、単層型感光層の摩耗が一層好適に抑制されていた。
[3.帯電極性及び印加電圧の影響]
上述のようにして得られた感光体(A−1)について、帯電極性及び印加電圧の種類を変更して、上述の摩耗量の評価を行った。まず、感光体(A−1)について、上述の摩耗量の評価と同様の方法(帯電極性:正極性、印加電圧:直流電圧)で、摩耗量の評価を行った。次に、感光体(A−1)について、印加電圧を直流電圧から交流電圧に変更した以外は、上述の摩耗量の評価と同様の方法で、摩耗量の評価を行った。続いて、感光体(A−1)について、帯電極性を正極性から負極性に変更した以外は、上述の摩耗量の評価と同様の方法で、摩耗量の評価を行った。摩耗量の評価結果を、表4に示す。
Figure 2016090611
表4から明らかなように、感光体(A−1)では、帯電極性が正極性である場合に、単層型感光層の摩耗が一層好適に抑制されていた。更に、感光体(A−1)では、印加電圧が直流電圧である場合に、単層型感光層の摩耗が一層好適に抑制されていた。
[4.感光層の構造(単層型/積層型)の影響]
単層型電子写真感光体である感光体(A−2)について、上述の摩耗量の評価と同様の方法(帯電極性:正極性、印加電圧:直流電圧)で、摩耗量の評価を行った。次に、後述のようにして調製した積層型電子写真感光体である感光体(B−20)について、帯電極性を正極性から負極性に変更した以外は上述の摩耗量の評価と同様の方法で、摩耗量の評価を行った。
(積層型電子写真感光体(B−20)の調製)
電荷発生剤(CG−2)5質量部と、ベース樹脂(電荷発生層用バインダー樹脂)としてのポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業株式会社製、「デンカブチラール ♯6000EP」)1質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に対して添加した。次いで、これらをビーズミルを用いて2時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いて濾過した。次いで、ディップコート法を用いて、得られた濾過液を導電性基体(ドラム状支持体)に塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
次に、正孔輸送剤(HT−1)50質量部と、電子輸送剤(ETM−1)35質量部と、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)100質量部と、粒子(F−1)5質量部とを、テトラヒドロフラン(430質量部)及びトルエン(430質量部)を含む溶剤に添加した。得られた混合物を、循環型超音波分散装置を用いて12時間混合し、各成分を溶剤中に分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
電荷発生層用塗布液と同様の操作により、上述のようにして形成した電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布した。その後、130℃で30分間乾燥させて、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成した。その結果、積層型電子写真感光体である感光体(B−20)が得られた。感光体(B−20)では、電荷発生層、及び電荷輸送層が、記載された順に、基体上に積層されていた。
上述のようにして調製した単層型電子写真感光体である感光体(A−2)及び、積層型電子写真感光体である感光体(B−20)について、摩耗量の評価を行った。表5に、感光体(A−2)及び(B−20)の構成材料、粒子の体積平均粒径、及び粒子の含有量を示す。また、表6に、感光体(A−2)及び(B−20)の感光層の種類、帯電極性、印加電圧の種類、及び評価結果を示す。
Figure 2016090611
Figure 2016090611
表5及び表6から明らかなように、単層型電子写真感光体である感光体(A−2)では、単層型感光層の摩耗が効果的に抑制されていた。一方、積層型電子写真感光体である感光体(B−20)では、感光体(A−2)と同一のシリコーン樹脂粒子を積層型感光層に含有しているにもかかわらず、積層型感光層の摩耗量が大きくなる傾向にあった。
本発明に係る正帯電単層型電子写真感光体は、画像形成装置に好適に利用できる。
1 正帯電単層型電子写真感光体
2 導電性基体
3 単層型感光層
4 中間層
5 保護層
6 画像形成装置
7 機器筺体
8 給紙部
9 画像形成部
10 定着部
11 排紙部
12 給紙カセット
13 第一ピックアップローラー
14 給紙ローラー
15 給紙ローラー
16 給紙ローラー
17 レジストローラー対
18 第二ピックアップローラー
19 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
21 二次転写ローラー
22 ブラックトナー供給用ユニット
23 イエロートナー供給用ユニット
24 シアントナー供給用ユニット
25 マゼンダトナー供給用ユニット
27 帯電装置
28 露光装置
29 現像装置
30 駆動ローラー
31 従動ローラー
32 バックアップローラー
33 一次転写ローラー
34 加熱ローラー
35 加圧ローラー
36 搬送ローラー
37 排紙トレイ
40 転写ベルト
41 転写ローラー
42 吸着ローラー

Claims (7)

  1. 単層型感光層を備える、正帯電単層型電子写真感光体であって、
    前記単層型感光層は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、ポリカーボネート樹脂、及びシリコーン樹脂粒子を含み、
    前記ポリカーボネート樹脂が、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位とを有し、
    前記シリコーン樹脂粒子の体積平均粒径が、0.05μm以上5.0μm以下である、正帯電単層型電子写真感光体。
    Figure 2016090611
    Figure 2016090611
    前記式(I)中、R1は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を示し、前記式(II)中、R2は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を示す。
  2. 前記式(I)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示し、
    前記式(II)中、R2は、水素原子、又はメチル基を示す、請求項1に記載の正帯電単層型電子写真感光体。
  3. 前記シリコーン樹脂粒子の含有量が、前記単層型感光層の全質量に対して、10.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の正帯電単層型電子写真感光体。
  4. 前記シリコーン樹脂粒子が球状である、請求項1〜3の何れか一項に記載の正帯電単層型電子写真感光体。
  5. 直流電圧を印加する帯電部を備える画像形成装置において、像担持体として使用される、請求項1〜4の何れか一項に記載の正帯電単層型電子写真感光体。
  6. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、
    帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、
    前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、
    前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する転写部とを備え、
    前記像担持体が、請求項1〜4の何れか一項に記載の正帯電単層型電子写真感光体である、画像形成装置。
  7. 前記帯電部が、直流電圧を印加する帯電部である、請求項6に記載の画像形成装置。
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