JP2016090345A - 臨床検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動分析装置の検査サイクルの時間の短縮を図る。【解決手段】測定工程において反応管内の収容物の測定を行う臨床検査装置であって、反応庫と、温度調整部と、洗浄部と、制御部とを有する。反応庫は、反応容器を移動可能に複数保持し、反応容器内の収容物の温度を調整するための恒温槽が含まれる。温度調整部は、恒温槽の温度が所定範囲となるように調整する。洗浄部は反応容器を洗浄する。制御部は、反応庫による反応容器を初期位置へ移動する移動工程および洗浄部が反応容器を洗浄する洗浄工程の少なくとも何れかを含む準備工程と、温度調整部が温度を所定範囲に到達させる温度調整部の温度変更工程とを並行して実行させる。【選択図】図3

Description

本発明は臨床検査装置に関する。
臨床検査は、患者等の被検者の状態を客観的に評価するために行われる。この臨床検査には臨床検査装置が用いられる。臨床検査装置の一例としては、自動分析装置が挙げられる。
自動分析装置を用いて分析を行う場合には、まず、生体から採取された血液等の被検試料と被検試料の検査項目に該当する試薬とを反応管に分注する。そして、その混合液の反応によって生ずる色調や濁りの変化を光学的に測定することにより、被検試料中の様々な成分の濃度や酵素活性等を求めることができる。
被検試料と試薬の混合液が入った反応管は、温水等の液体で満たされた恒温槽に入った状態で光学的な測定がなされる場合がある。このとき、反応に適した温度で測定を行うために恒温槽内の液体は所定の温度に保たれている。ここで恒温槽内の温度調整は、例えば恒温槽内の液体をヒータ等の加熱手段で加熱することにより行う。
特開2010−2236号公報
自動分析装置における上記測定を行うためには、事前の準備工程が必要である。準備工程には、自動分析装置における測定を行うための測定ユニットを初期位置へ移動するホーム動作が含まれる。また準備工程には、反応管を洗浄するための洗浄工程が含まれる。さらに準備工程には、上記恒温槽の加熱や冷却等、恒温槽の温度を所定範囲内にするための温度変更工程が必要である。
また、自動分析装置においては、準備工程から測定工程までの検査サイクルの時間の短縮が望まれている。しかしながら、従来の自動分析装置においてはその課題である検査サイクルの時間の短縮が十分ではなかった。
実施形態では、上記課題を解決するものである。すなわち、実施形態は自動分析装置の検査サイクルの時間の短縮を図ることを目的とする。
実施形態は、測定工程において反応管内の収容物の測定を行う臨床検査装置である。臨床検査装置は、反応庫と、温度調整部と、洗浄部と、制御部とを有する。反応庫は、反応容器を移動可能に複数保持し、反応容器内の収容物の温度を調整するための恒温槽が含まれる。温度調整部は、恒温槽の温度が所定範囲となるように調整する。洗浄部は反応容器を洗浄する。制御部は、反応庫による反応容器を初期位置へ移動する移動工程および洗浄部が反応容器を洗浄する洗浄工程の少なくとも何れかを含む準備工程と、温度調整部が温度を所定範囲に到達させる温度調整部の温度変更工程とを並行して実行させる。
自動分析装置の概略構成を示すブロック図。 反応管洗浄ユニットの一例を示す斜視図。 自動分析装置と自動分析装置の温度制御部の構成の概略を示すブロック図。 記憶部に記憶された、第1〜第3の許可温度の例を示すテーブル。 準備動作から測定工程の完了までにおける、恒温槽の温度の時間変化を示すグラフ。 自動分析装置の準備工程から測定工程までの概略を示すシーケンス図。 自動分析装置の準備工程から測定工程までの概略を示すシーケンス図。 自動分析装置の準備工程から測定工程までの概略を示すシーケンス図。 自動分析装置の準備工程から測定工程までの概略を示すシーケンス図。 第1実施形態にかかる自動分析装置において、準備工程から測定工程に至るまでの一連の制御を示すフローチャート。 第1実施形態にかかる自動分析装置において、準備工程から測定工程に至るまでの一連の制御を示すフローチャート。 第2実施形態にかかる自動分析装置の概略構成を示すブロック図。
以下、実施形態にかかる自動分析装置につき、図1〜図9を参照して説明する。
[第1実施形態]
(自動分析装置の構成)
第1実施形態にかかる自動分析装置10の全体構成の概略について、図1を参照して説明する。図1は、自動分析装置10の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、自動分析装置10は、分析部100、駆動部200、識別部300、データ処理部400、記憶部500、U/I600、温度制御部700および制御部800を含む。以下、各部の構成について説明する。
<分析部の概略構成>
図1に示すように分析部100は、試薬ボトル111を収納する第1試薬庫110と、試薬ボトル121を収納する第2試薬庫120と、第1試薬庫110の周囲に配置され反応管131を保持する反応ディスク130とを有する。
《分注》
また、分析部100においては反応ディスク130の近傍にラックサンプラ140が設けられている。ラックサンプラ140のラックトレイ140aには、サンプル容器140bが配列される。さらに分析部100は、複数のサンプル容器141aが円周方向に配置されたディスクサンプラ141を有する。これらのラックサンプラ140およびディスクサンプラ141は、各容器をサンプリングプローブ142cによる試料の吸引位置(以下、単に「吸引位置」と記載する。)へ搬送する。
また反応ディスク130の周囲には、第1試薬分注部112および第2試薬分注部122が設けられる。第1試薬分注部112および第2試薬分注部122は、第1試薬庫110の試薬ボトル111、第2試薬庫120の試薬ボトル121から、それぞれ試薬を反応管131へ分注(吸引・吐出)する。なお、反応ディスク130は、「反応庫」の一例に該当する。また反応ディスク130の周囲には、サンプル分注部142が設けられる。サンプル分注部142は、ラックサンプラ140のサンプル容器140bと、ディスクサンプラ141のサンプル容器141aとから、それぞれ被検試料を吸引し、反応管131へ吐出する。
《測定・分析》
また、反応ディスク130の周囲には、攪拌ユニット150、測光ユニット160および反応管洗浄ユニット170が設けられる。攪拌ユニット150は、反応管131に収容された収容物(被検試料等)の攪拌を行う。また測光ユニット160は、当該収容物の測定を行う。反応管洗浄ユニット170は、測定に関し、反応管131を洗浄する。また、自動分析装置10には、第1試薬分注部112、第2試薬分注部122およびサンプル分注部142における各プローブ(112c、122c、142c)の洗浄を行う洗浄機構(図示せず)が設けられる。この洗浄機構は、例えばプローブの回動経路等に設けられる。
《識別情報の取得》
また、分析部100には読取り部190等、被検試料や各種試薬の識別をするための読み取り部が複数設けられる。読取り部190等、各種読み取り部の位置は、被検試料・試薬の吸引位置、あるいはこれらの吐出位置に対応する。被検試料の識別のための手段の1つである読取り部190は、ラックサンプラ140におけるサンプル容器140bに設けられたバーコードを読み取る。
《並行処理》
実施形態の分析部100では、制御部800により、識別情報の取得、ホーム動作および反応管洗浄ユニット170による洗浄工程を含む準備工程のうち何れかの工程と、恒温槽の温度を測定に適した範囲に到達させる温度変更工程とが並行して実行される。この並行処理については、制御部800の説明において詳述する。
<分析部の各部の構成>
次に、分析部100の各部の構成について図1を参照して説明する。
《試薬ラックおよび第1試薬庫》
図1に示すように第1試薬庫110には、複数の試薬ボトル111が環状に配置される。試薬ボトル111それぞれには、標準試料や被検試料に含まれる特定項目の成分に対して反応する各種の第1試薬が入っている。また、第1試薬庫110は、試薬ボトル111を収容した状態で回転可能とするラック部(不図示)を有する。ラック部は、後述する試薬庫駆動部208により、回転駆動される。
《第2試薬庫》
また第2試薬庫120は、第1試薬庫110の近傍に配置され、第1試薬庫110と同様の構成となっている。つまり第2試薬庫120内部には、試薬ボトル121が環状に配置され、試薬ボトル121を環状の軌跡に沿って移動可能にするラック部が設けられる。また試薬ボトル121には、第1の試薬と混合された標準試料や被検試料に含まれる特定項目の成分に対して反応する各種の第2試薬が収容されている。なお自動分析装置は、複数の試薬庫を有するものに限られない。例えば自動分析装置は、第1試薬庫110のみを有する構成であってもよい。
《反応ディスク》
また反応ディスク130は、第1試薬庫110の周囲を囲うように円環状に形成される。反応ディスク130には反応管131が円環状に配列される。反応管131は、自動分析装置10による測定および分析の対象となる被検試料と試薬とを収容する。例えばこの反応管131には、第1試薬、第2試薬や被検試料等が収容される。また、反応ディスク130は、後述する反応ディスク駆動部206によって駆動されると、反応管131を収容したまま回転する。
また、反応ディスク130は、反応管131または反応管131に収容された液体等の収容物の温度を一定の範囲に調整するための恒温槽132を含む。恒温槽132には、その温度調整のための媒体として、その内部に例えば温水等の液体、または気体が収められている。恒温槽132における液体は、後述する温度制御部700により、その温度が調整される。
《ラックサンプラ》
ラックサンプラ140は、複数のラックトレイ140aを有する。またラックトレイ140aそれぞれは、複数のサンプル容器140bを略直線状に配列された状態で保持している。サンプル容器140bには、各項目の標準試料や被検試料などが収容されている。ラックサンプラ140は、それら複数のサンプル容器140bを保持したまま移送するように構成される。例えばラックサンプラ140は、ベルトコンベアーのような搬送部(図示せず)を有しており、当該搬送部によってラックトレイ140aがその配列方向に移送される。さらにラックサンプラ140は、少なくとも1つのラックトレイ140aを、当該配列の外へ送り出すことができる。少なくとも1つのラックトレイ140aが当該配列の外に送り出されると、そのラックトレイ140aに収容されたサンプル容器140bが、分注位置に移動される。そして、分注位置に移動されたサンプル容器140bそれぞれから、サンプル分注部142のサンプリングプローブ142cによって被検試料が分注(吸引)される。
《ディスクサンプラ》
また自動分析装置10において、反応ディスク130の周囲にサンプル容器141aを有するディスクサンプラ141が設けられる。ディスクサンプラ141は、サンプリングプローブ142cの回動軌跡が描く円弧と交わる位置に配置される。すなわち、吸引位置から反応管131への吐出位置まで至る、サンプル分注部142の回動軌跡に対応する位置においてディスクサンプラ141が設けられる。ここで「吐出位置」とは、反応ディスク130における反応管131の配列と上記サンプル分注部142の回動軌跡とが交わる位置であって、サンプリングプローブ142cが被検試料の吐出のために停止する位置である(以下、単に「吐出位置」と記載する場合がある。)。サンプル容器141aにも、各項目の標準試料や被検試料等が収容される。なお、自動分析装置10においてディスクサンプラ141を設けない構成であってもよい。
《第1試薬分注部》
反応ディスク130の周囲には、第1試薬分注部112が設けられる。この第1試薬分注部112は、反応ディスク130の周囲、または反応ディスク130と第1試薬庫110の間において立設する回動軸112aを有している。回動軸112aの上端側には、回動軸112aの立設方向と略直交する方向に延びるアーム部112bが接続されている。アーム部112bは、回動軸112aを中心に回動可能に構成されている。また、回動軸112aは、アーム部112bを上下動(昇降)可能に構成されている。また、アーム部112bにおける回動軸112a側の基端部に対する先端部には、試薬プローブ112cが接続されている。
試薬プローブ112cは、少なくとも第1試薬庫110の試薬ボトル111の注入口と、反応管131との間を往復可能に回動される。また試薬プローブ112cは、回動軸112aによるアーム部112bの上下動にしたがって上下動される。また第1試薬分注部112には図示しないポンプが設けられており、ポンプの動作に応じて試薬プローブ112cが、第1試薬庫110の試薬ボトル111の注入口から試薬を吸引する。また当該ポンプの動作に応じて試薬プローブ112cから試薬が反応管131に吐出される。第1試薬分注部112における、回動、昇降、吸引、吐出等の動作は、後述の分注部駆動部204の駆動によってなされる。
《第2試薬分注部》
図1に示すように反応ディスク130と第2試薬庫120の間には、第2試薬分注部122が設けられている。第2試薬分注部122は、第1試薬分注部112と同様に構成されている。すなわち第2試薬分注部122には、回動軸122a、アーム部122bおよび試薬プローブ122cが設けられる。試薬プローブ122cの回動および上下動も第1試薬分注部112と同様である。また第2試薬分注部122は、試薬プローブ122cにより、第2試薬庫120の試薬ボトル121から第1の試薬と混合された標準試料や第2試薬を吸引し、さらに反応管131に吐出する。なお、自動分析装置10として第2試薬庫120が設けられない場合には、対応する第2試薬分注部122も設けられない。
《サンプル分注部》
図1に示すように反応ディスク130とラックサンプラ140との間には、サンプル分注部142が設けられる。サンプル分注部142も、上述した第2試薬分注部122、第1試薬分注部112と同様の構成となっている。サンプル分注部142には、回動軸142a、アーム部142bおよびサンプリングプローブ142cが設けられる。サンプリングプローブ142cの回動および上下動も、第1試薬分注部112等と同様である。さらにサンプリングプローブ142cにより、サンプル容器140bまたはサンプル容器141a等から各項目の標準試料や被検試料が吸引され、吐出位置にある反応管131に吐出される。
《攪拌ユニット》
図1に示すように、攪拌ユニット150は反応ディスク130の回転方向におけるサンプリングプローブ142cの吐出位置より下流側に配置される。攪拌ユニット150は搬送されてきた反応管131に収容された、被検試料と試薬の混合液を攪拌する。このように被検試料と試薬とが、反応管131内で攪拌されることにより、被検試料内の特定の成分と試薬との反応が生じ、被検試料の吸光度が変化する場合がある。
《測光ユニット》
図1に示すように、測光ユニット160は、反応ディスク130の回転方向における攪拌ユニット150の位置より下流側(進行方向側)に配置される。反応管131は、反応ディスク130によって、攪拌ユニット150の攪拌位置から下流側に配置された測光ユニット160の位置(図1参照)まで移動する。測光ユニット160は、反応管131の中の混合液の吸光度を測定する。これにより、被検試料内における所定の成分についての濃度等を得ることができる。
《反応管洗浄ユニット》
反応管洗浄ユニット170は、反応ディスク130の近傍に配置される。測光ユニット160による測定が終了された被検試料と試薬の混合液は、反応管洗浄ユニット170により反応管131から廃棄される。また混合液が廃棄された状態の反応管131は、反応管洗浄ユニット170により洗浄される。以下、反応管洗浄ユニット170の具体的構成の一例につき、図1および図2を参照して説明する。図2は、反応管洗浄ユニット170の一例を示す斜視図である。
反応管洗浄ユニット170は、反応ディスク130における所定位置の反応管131の上方に、複数の洗浄用ノズル(図2:符号171〜178参照)を有する。反応管洗浄ユニット170における当該洗浄用ノズルとしては、例えば図2の左側から第1洗浄ノズル171、第2洗浄ノズル172、第3洗浄ノズル173、第4洗浄ノズル174、第5洗浄ノズル175、第6洗浄ノズル176、サクションノズル177および乾燥ノズル178が挙げられる。これらは上記記載順に並んで設けられ、この順に動作する。反応ディスク130において、反応管131が反応管洗浄ユニット170まで到達すると、これら洗浄用ノズルが順に反応管131の洗浄を開始する。以下、反応管131が反応管洗浄ユニット170の各部において洗浄される水平方向/上下方向の位置を「洗浄位置」として説明することがある。
〔第1段階の洗浄(第1の純水洗浄)〕
反応管131が第1洗浄ノズル171に対応する洗浄位置に到達すると、第1洗浄ノズル171により反応管131に純水が注入され、さらに第1洗浄ノズル171により吸引され、排出される。例えば、分析部100による少なくとも1項目の測定が一旦終了した後であれば、第1洗浄ノズル171による洗浄前の反応管131には、高濃度の混合液(被検試料および試薬)が残留している場合がある。第1洗浄ノズル171は、この混合液が収容されている反応管131への純水の注入、吸引および排出を行う。これにより、反応管131に対する第1段階の洗浄(第1の純水洗浄)が完了する。
〔第2段階の洗浄(蒸気洗浄)〕
第1段階の洗浄がなされた反応管131は、次に第2洗浄ノズル172に対応する洗浄位置に到達する。この洗浄位置において、第2洗浄ノズル172により、高圧・高温の蒸気が反応管131に吐出される。この第2段階の洗浄により、反応管131内壁に付着している汚れが洗い流される。例えば被検試料に含まれていた蛋白質や酵素などが残っていても、この第2段階の洗浄(蒸気洗浄)により、これら残留物の機能が消失される。
〔第3段階の洗浄(アルカリ洗浄)〕
第2段階の洗浄がなされた反応管131は、次に第3洗浄ノズル173に対応する洗浄位置に到達する。この洗浄位置において、第3洗浄ノズル173により、反応管131にアルカリ性洗剤が吐出される。その後、第3洗浄ノズル173は反応管131からこれを吸引し、排出する。以下、この一連の動作を、「第3段階の洗浄(アルカリ洗浄)」として説明することがある。
〔第4段階の洗浄(酸性洗浄)〕
第3段階の洗浄がなされた反応管131は、次に第4洗浄ノズル174に対応する洗浄位置に到達する。この洗浄位置において、第4洗浄ノズル174により、反応管131に酸性洗剤が吐出される。その後、第4洗浄ノズル174は、反応管131からこれを吸引し、排出する。以下、この一連の動作を、「第4段階の洗浄(酸性洗浄)」として説明することがある。
〔第5段階の洗浄(第2の純水洗浄)〕
第4段階の洗浄がなされた反応管131は、次に第5洗浄ノズル175に対応する洗浄位置に到達する。この洗浄位置において、第5洗浄ノズル175により、反応管131に純水が吐出される。その後、第5洗浄ノズル175は、反応管131からこれを吸引し、排出する。以下、この一連の動作を、「第5段階の洗浄(第2の純水洗浄)」として説明することがある。
〔第6段階の洗浄(第3の純水洗浄)〕
第5段階の洗浄がなされた反応管131は、次に第6洗浄ノズル176に対応する洗浄位置に到達する。この洗浄位置において、第6洗浄ノズル176により、反応管131に対し、第5段階の洗浄と同様の、純水での洗浄が行われる。ただし、排出については、次のサクションノズル177により実行される。以下、この一連の動作を、「第6段階の洗浄(第3の純水洗浄)」として説明することがある。なお、第6段階の洗浄では、純水の注入された反応管131に光を当てて、その透過率を計測することによって、洗浄が十分なされた否かを検査する。
〔第7段階の洗浄(サクション)〕
第6段階の洗浄がなされた反応管131は、次にサクションノズル177に対応する位置に到達する。この位置において、サクションノズル177により、反応管131から純水を排出して反応管131内の収容物を除去する。以下、この一連の動作を、「第7段階の洗浄(サクション)」として説明することがある。
〔第8段階の洗浄(乾燥)〕
第7段階の洗浄がなされた反応管131は、最後に、乾燥ノズル178に対応する位置に到達する。この位置において、乾燥ノズル178により、純水(洗浄液)で濡れている反応管131を乾燥させる。
このように反応管洗浄ユニット170は、反応ディスク130の回転に応じて、各洗浄用ノズルの上下動を繰り返し、純水、蒸気、各種の洗剤などを反応管131に順次注入して洗浄を行う。また、以上の洗浄動作例において、各段階の洗浄工程につき、例えば4.5秒程度の時間が費やされる。この例では、1つの反応管131につき、第1〜第8段階による8の洗浄工程を経るが、実施形態はこれに限らず工程数は適宜増減される。なお、反応管洗浄ユニット170は、「洗浄部」の一例に相当する。
《読取り部》
読取り部190は、サンプル容器140bに設けられたバーコード等の情報記録媒体を読取り、被検試料の識別情報を取得する。読取り部190としては例えば、バーコードリーダーが用いられる。サンプル容器140bに設けられた情報記録媒体は、RFIDであってもよい。図1における読取り部190は、ラックサンプラ140における被検試料の吸引位置に対応する位置に示されている。ただし、図1において図示を省略しているが、ディスクサンプラ141、第1試薬庫110および第2試薬庫120のそれぞれの吸引位置、ならびに反応ディスク130における吐出位置に対応する位置にも、識別情報を取得するための読み取り部が設けられる。読取り部190等の各読み取り部は、読み取った被検試料、試薬等の識別情報を後述の識別部300に送る。
<駆動部>
駆動部200の概要を説明する。駆動部200は、試薬庫(110,120)、反応ディスク130、各種分注を行う分注部(112,122,142)および各サンプラ(140,141)の各種動作のための駆動を行うモータやポンプである。駆動部200は、サンプラ駆動部202、分注部駆動部204、反応ディスク駆動部206、試薬庫駆動部208および洗浄駆動部210を含んで構成される。
また自動分析装置10の操作者が、U/I600を介し、自動分析装置10を稼働させる操作を行うと、制御部800は当該操作に対応し、後述の制御プログラムに基づき、駆動部200の各駆動部を駆動するよう制御する。ここで、自動分析装置10を稼働させる操作は、例えば、各サンプラへの被検試料のセットや各試薬庫における試薬ボトルへの試薬のセットが完了した後に実行される。
また後述のように、駆動部200における各部(202〜210)は、分析部100の各部による、被検試料の測定のための測定動作、および測定動作の前に実行される準備動作の実行のための駆動を行う。例えば当該準備動作には、分析部100の各部を初期位置へ移動させる「ホーム動作」が含まれるが、これは駆動部200の各部(202〜208)の駆動により実行されるものである。また、駆動部200の駆動部群は、制御部800により連動する場合がある。
《サンプラ駆動部》
サンプラ駆動部202は、ラックサンプラ140およびディスクサンプラ141それぞれに個別に設けられている。制御部800が既定の制御プログラムに基づき、各サンプラ駆動部202を駆動させると、ラックサンプラ140やディスクサンプラ141が、例えば当該制御プログラムにおいて設定された移動量だけ回転する。その結果、ラックサンプラ140におけるサンプル容器140bや、ディスクサンプラ141におけるサンプル容器141aが、サンプリングプローブ142cによる吸引位置までそれぞれ移送される。
《分注部駆動部〉
分注部駆動部204は、第1試薬分注部112、第2試薬分注部122およびサンプル分注部142にそれぞれ設けられる。また、各アームにおける分注部駆動部204は、各アームの回動動作のための駆動を行う第1駆動部、昇降動作のための駆動を行う第2駆動部、分注動作のための駆動を行う第3駆動部(それぞれ図示せず)に分けられる。以下、各動作を行う駆動部毎に説明する。
制御部800が既定の制御プログラムに基づき、分注部駆動部204の第1駆動部を駆動させることにより、第1試薬分注部112の回動軸112a、第2試薬分注部122の回動軸122aおよびサンプル分注部142の回動軸142aを介して、各部のアームがそれぞれ当該制御プログラムに設定された移動量(回転角度)にしたがって回動される。例えば第1駆動部は、各分注部の回動軸それぞれを回動させることにより、各プローブを吸引位置と吐出位置との間で回動させる。
制御部800が既定の制御プログラムに基づき、分注部駆動部204の第2駆動部を駆動させることにより、各分注部の回動軸それぞれを介して各アームが昇降動作を行う。例えば、第1駆動部により、試薬プローブ112cが第1試薬の吸引位置に対応する位置に到達したとき、第2駆動部が駆動されることにより回動軸112aが降下する。これによって、アーム部112bを介して、試薬プローブ112cの下端がそれぞれ吸引対象(第1試薬)へ向けて降下する。また、試薬プローブ112cが吐出位置にある反応管131まで到達したとき、第2駆動部が駆動されることにより、回動軸112aが降下する。同様に、サンプリングプローブ142cが被検試料の吸引位置や、吐出位置に到達したときに、第2駆動部が駆動されることにより、回動軸142aの降下に応じて、サンプリングプローブ142cが降下する。また各分注部による吸引・吐出動作(分注動作)の後、第2駆動部の駆動により、回動軸112a等が上昇されて、再び各分注部のアームそれぞれが回動可能となる。
制御部800が既定の制御プログラムに基づき、分注部駆動部204の第3駆動部を駆動させることにより、各分注部に対応して設けられたポンプが、各プローブに対し、吸引位置においては吸引動作を、吐出位置においては吐出動作を行わせる。なお、当該ポンプの駆動によって第1試薬、第2試薬、被検試料が吸引・吐出される量は、検査オーダによってあらかじめ定められている。
《反応ディスク駆動部》
制御部800が既定の制御プログラムに基づき、反応ディスク駆動部206を駆動させることにより、反応ディスク130が当該プログラムに既定された移動量(回転角度等)だけ回転する。また、この反応ディスク130の回転動作は、各試薬プローブ(112c、122c)、サンプリングプローブ142cにおける分注動作や、攪拌ユニット150、測光ユニット160、反応管洗浄ユニット170の各動作に対応して(例えば同期して)行われる。また、試薬庫駆動部208は、ラック部を介して反応ディスク130を所定角度ずつ回転するように駆動され、回転後、暫時停止するという動作を繰り返す。
《試薬庫駆動部》
試薬庫駆動部208は、第1試薬庫110と第2試薬庫120にそれぞれ設けられている。試薬庫駆動部208は、図示しない第1試薬庫110のラック部と第2試薬庫120のラック部とをそれぞれ駆動する。制御部800が既定の制御プログラムに基づき、試薬庫駆動部208に、第1試薬庫110、第2試薬庫120のラック部(不図示)をそれぞれ個別に所定角度回転させる。試薬庫駆動部208はラック部を介して各試薬庫を回転させ、その後、暫時停止するという動作を繰り返す。
《洗浄駆動部》
制御部800が既定の制御プログラムに基づき、洗浄駆動部210を駆動させることにより、反応管洗浄ユニット170における各洗浄用ノズル(171〜178)を介して、反応管131の洗浄動作が行われる。具体的には、洗浄駆動部210は、各ノズルの上下動、ポンプの吸引・吐出動作等の駆動を行う。後述するが、分析部100における一連の測定動作の前に、測定の準備動作の一部として反応管洗浄ユニット170による反応管131の洗浄工程が実行される。すなわち、制御部800が洗浄駆動部210を駆動させることにより、反応管洗浄ユニット170の各洗浄ノズルによる一連の洗浄工程が実行される。また、反応管洗浄ユニット170による反応管131の洗浄は、異なる検査の間、次の測定項目間でも実行される。すなわち、洗浄駆動部210は準備動作のときだけでなく、1つの測定および分析が完了し、次の測定へ移行する移行期間においても駆動される。
<識別部>
識別部300は、読取り部190等の各種読み取り部により読み取られた識別情報それぞれを受ける。読取り部190から受けた識別情報としては、被検試料に関する検査オーダ等の検査関連情報(被検者ID、検査ID、測定項目等)である。また、各試薬庫に設けられた読取り部(図示せず)から受けた識別情報としては、その試薬ボトルに収容された試薬に関する情報と、試薬ボトルそれぞれの、各試薬庫における位置を示す位置情報等である。
<データ処理部>
データ処理部400は、分析部100による分析結果としての標準試料のデータや被検試料のデータを処理して検量線の作成や分析データの生成を行う。これらのデータは、記憶部500に送信され、記憶される。また、これらのデータは測定者の指示によって、U/I600としての表示部に表示される。
<記憶部>
記憶部500は、分析部100による被検試料の測定に必要な各種の情報を記憶する。例えば、記憶部500は測定前の準備工程から測定のための測定工程の完了までの各部の処理の実行順序を記憶している。また、記憶部500は分析部100の各部を動作させるときの駆動部200の各部の駆動時間(駆動量)を記憶している。また、記憶部500は、恒温槽132の温度を一定の範囲に保つための閾値情報を記憶している。また、記憶部500は、識別部300により取得された識別情報を少なくとも一時的に記憶する。識別情報の例としては、サンプル容器140bやサンプル容器141aの情報記録媒体から読み取られた検査オーダ等の検査関連情報、および試薬ボトル(111,121)から読み取られた試薬関連情報(試薬種別、位置情報等)が挙げられる。また、記憶部500は、データ処理部400から受けた検量線や分析データを記憶する。なお、上記閾値情報および一定の範囲の少なくともいずれかは「所定の範囲」の一例に相当する。
また、第1実施形態においては、測定前の準備工程(以下、単に「準備工程」と記載する)において反応管洗浄ユニット170による反応管131の洗浄開始の契機となる「第1の許可温度」、「第2の許可温度」および「第3の許可温度」の数値情報が記憶されている。この第1〜第3の許可温度については、温度制御部700の説明において詳述する。また、第1〜第3の許可温度を用いた反応管洗浄ユニット170の制御については、制御部800の説明において詳述する。
<U/I>
U/I600は、操作部および表示部を含む。操作者は操作部を介して、各項目の標準試料や検量線などの分析条件の入力操作、各種コマンド信号の入力操作等、あるいは選択操作等を行う。後述するが、本実施形態においてU/I600の表示部は、温度制御部700により測定された恒温槽132の温度を表示する。また、恒温槽132の温度の時系列変化を示すグラフを表示する場合がある。
<温度調整部>
温度制御部700について図3を参照して説明する。図3は、自動分析装置10と自動分析装置10の温度制御部700の構成の概略を示すブロック図である。温度制御部700は、恒温槽132の温度を一定の範囲に保つために恒温槽132の温度を測定し、予め設定された温度に到達したかを判定する。このような処理を実行するため、温度制御部700は、第1温度測定部710と、温度調整部720と、判定部730とを含む。なお、第1温度測定部710は「第1測定部」の一例に相当する。
《第1温度測定部》
第1温度測定部710は、温度センサを備えており、温度センサにより検出された恒温槽132の温度を数値情報として判定部730に送る。第1温度測定部710の温度センサは、恒温槽132の内部、外部の近傍または外部に接して設けられる。第1温度測定部710は、恒温槽132の温度の測定開始指示を受けると、時間変化に応じて測定を連続的または断続的に行っていく。
《温度調整部》
温度調整部720は、恒温槽132に収容された反応管131の温度を調整するための媒体(水、油、または空気等)に対して、加熱または冷却等の温度調整を行う。この温度調整部720として、例えばペルチェ素子のような熱電素子が用いられる。あるいは、加熱手段として電熱線を用い、冷却手段としてファンを用いる等、加熱手段と冷却手段とが分けられていてもよい。
《判定部》
判定部730は、第1温度測定部710からの温度の数値情報を受けると、制御部800を介して記憶部500から各種の温度の閾値情報を読み出す。この閾値情報としては、第1〜第3の許可温度が挙げられる。温度調整部720の処理の説明にあたり、第1〜第3の許可温度について説明する。
〔第1の許可温度〕
第1実施形態において分析部100は、各反応管131に対する洗浄工程の完了時点と、分析部100による測定工程の開始時点が対応(例えば、一致)するように、反応管洗浄ユニット170等、分析部100の各部を動作させる。そのため、第1実施形態においては、分析部100による測定の開始前において、洗浄工程の開始の契機となる恒温槽132の温度の閾値が設定されている。この閾値が第1の許可温度である。なお、洗浄工程とは、反応管洗浄ユニット170が反応管131を洗浄する一連の処理(上記第1〜第8段階の洗浄)を示す。
被検試料の測定にあたり、恒温槽132の温度は一定の範囲に含まれるよう調整される。洗浄工程の完了時点と測定工程の開始時点とを対応させるためには、洗浄工程の完了時点までに、恒温槽132の温度が当該一定の範囲に到達している必要がある。すなわち温度制御部700は、洗浄工程の開始時点から予め設定された所要時間の経過までに、恒温槽132の温度を上記一定の範囲に到達させるため、温度調整部720により加熱(または冷却)させる必要がある。
経験的に、温度調整部720による温度変化の程度(変化率等)を基に、ある温度から測定工程を開始可能な温度までにかかる所要時間を求めることが可能である。したがって、温度調整部720により、洗浄工程にかかる所要時間と同じ時間において変化する温度を想定することが可能である。この同じ時間で変化する温度を、測定工程を開始可能な温度から差し引いた温度が第1の許可温度である。つまり、恒温槽132の温度が第1の許可温度に到達したときに洗浄工程を開始させれば、洗浄工程の完了時点と測定工程の開始時点とを対応させることが可能である。
〔第2の許可温度、第3の許可温度〕
分析部100における被検試料の測定においては、反応管131内の液体(被検試料、被検試料と試薬の混合液等)を測定に適した温度に調整する必要がある場合(室温が低い場合等)がある。その温度の調整のため、測定工程においては恒温槽132内の温度が一定の範囲に保たれる。その範囲を規定するのが、第2の許可温度、第3の許可温度である。なお、第2の許可温度は、測定工程に適した温度の下限値である。第3の許可温度は、測定工程に適した温度の上限値である。
これら第1〜第3の許可温度の例につき、図4を参照して説明する。図4は、記憶部500に記憶された、第1〜第3の許可温度の例を示すテーブルである。図4に示す例においては、測定に適した恒温槽132内の温度(第2の許可温度〜第3の許可温度)が、37℃を基準として±0.3℃の範囲で設定されている。すなわち、第2の許可温度は、36.7℃であり、第3の許可温度は37.3℃である。これは人体から採取された被検試料(血液、尿等)を測定する場合の一例であり、被検試料の種別に応じてその他の値が設定される場合がある。
また図4の例において、第1の許可温度が設定されている。この例において、第1の許可温度は、測定に適した恒温槽132の温度範囲の下限まで温度を上昇させる場合について設定されたものである。この例は、自動分析装置10の外部環境(設置場所の室温等)により、準備工程を開始したときの恒温槽132の温度が、上記恒温槽132の温度範囲よりも下回っていることを想定して設定されたものである。図4に示す例では、第1の許可温度は、35℃に設定されている。これは、第2の許可温度を基準に、洗浄工程の所要時間と同じ時間をかけて上昇される恒温槽132の温度を想定して設定されたものである。なお、準備工程を開始したときの恒温槽132の温度が、外部環境により上記恒温槽132の温度範囲よりも上回っていること(室温が高い場合等)を想定して、洗浄工程の開始の許可温度(第4の許可温度/図6D;temp4参照)が設定される場合もある。また、洗浄工程の所要時間とは、例えば被検試料または試薬が最初に分注される反応管131についての洗浄の開始から完了までの時間である(「第1の所要時間」の一例に相当する。)。
〔判定部の処理の例〕
判定部の処理の例につき、図5を参照して説明する。図5は、準備動作から測定工程の完了までにおける、恒温槽132の温度の時間変化を示すグラフである。図5において、横軸は時間を、縦軸は温度を示している。また、横軸における「t0」は温度測定開始時点を示し、「t1、t1’、t1”」は洗浄工程の開始時点を示し、「t2」は測定工程の開始時点を示している。判定部730は、分析部100による測定前の準備開始時点において予め記憶部500から第1〜第4の許可温度の数値情報を読み出しておく。これら記憶部500に記憶されている数値情報が、例えば測定項目や被検試料の種別等に対応付けられている場合、判定部730は、測定項目や被検試料の種別等に応じて、そのときの測定に適した情報を読み出す。温度制御部700は、準備工程および測定工程を含む検査の開始指示等に応じて、第1温度測定部710に恒温槽132の温度の測定を開始させる。
判定部730は、第1温度測定部710から温度の情報を受けると、その測定温度と読み出した、第1〜第3の許可温度(図5;temp1〜3参照)および第4の許可温度(図6D;temp4参照)それぞれと対比する。例えば判定部730は、測定温度と各許可温度に対する差を求める。なお、第4の許可温度は、図4に示す設定温度(第3の許可温度)を基準にして例えば38℃に設定される。
判定部730は、対比の結果から、測定温度が第2の許可温度〜第3の許可温度(temp2〜temp3)の範囲内にあるか判定する。測定温度が第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内にあると判定された場合は、測定温度がその範囲内に維持されるように、温度調整部720を制御する。
これに対し、測定温度が第2の許可温度を下回ると判定された場合、次に判定部730は、その測定温度が第1の許可温度を下回るか判定する。判定の結果、その測定温度が第1の許可温度に達しているか、あるいは上回っていると判定された場合、判定部730は、洗浄工程の前の工程(ホーム動作等)の完了に応じて温度上昇を開始させ、洗浄工程の完了時点と恒温槽132が第2の許可温度に達する時点とを対応させる(temp2、t2参照)。なお、ここでの「洗浄工程の完了」とは、少なくとも被検試料または試薬が最初に吐出される最初の反応管131の洗浄が完了していればよく、必ずしも全ての反応管131の洗浄が完了している必要はない。以下の説明においても同様である。
判定の結果、その測定温度が第1の許可温度を下回っていると判定された場合(図5;開始温度A〜C参照)、判定部730は温度調整部720に温度上昇を開始させ、さらに第1の許可温度に達するまで温度上昇を継続させる。なお図5に示すように、この開始温度に応じて洗浄工程の開始時点が変わる(t1”、t1、t1’参照)。
さらに判定部730は、測定温度が第1の許可温度に達した時点で、洗浄工程の前の工程が完了しているか判断する。完了していると判断された場合、判定部730は第1の許可温度に達した後も温度上昇を継続させ、洗浄工程の完了時点と恒温槽132が第2の許可温度に達する時点とを対応させる。これに対し、洗浄工程の前の工程が完了していないと判断した場合、判定部730は、第1の許可温度に達した時点で温度調整部720による温度上昇を待機させる(以下、「定常調整」という場合がある)。この場合、判定部730は洗浄工程の前の工程(ホーム動作等)の完了に応じて温度上昇を再開させる。ただしこれに限らず、判定部730が当該前の工程の完了を待たずに温度調整部720に温度を上昇させる構成であってもよい。このような判定部730の処理は、「制御部」の処理の一例に相当する。
ここまでは、判定部730の処理の例として、測定温度が第2の許可温度を下回ると判定された場合について説明した。これに対し、測定温度が第3の許可温度(上限値)を上回ると判定された場合、判定部730は上記と逆の制御を行う。すなわち、洗浄工程の開始から完了までにかかる時間と同じ時間で冷却可能な温度下降値があり、第3の許可温度からその温度下降値を加算した温度を第4の許可温度(洗浄可能な温度)とする。この場合は、室温、外気温度等が高い状況を示しており、判定部730は、洗浄工程の開始から完了までと、第4の許可温度から第3の許可温度までの恒温槽132の冷却とを対応させる。
上記第2の許可温度および第3の許可温度は、「第1の値と第2の値」の一例に相当する。
<制御部>
制御部800は、記憶部500に記憶された制御プログラム、情報テーブル等の設定情報や、U/I600を介した指示に基づいて、分析部100、駆動部200、識別部300、データ処理部400および温度制御部700を制御する。また、制御部800は、U/I600における各種表示制御も行う。制御部800は、識別情報の取得、ホーム動作および洗浄工程の少なくとも何れかを含む準備工程と、上記温度制御部700により恒温槽132の温度を変更(加熱/冷却)させる温度変更工程とを並行して実行させる。この並行処理を説明するにあたり、準備工程に含まれる各工程から洗浄工程を経て測定工程までに至る一連の処理につき図6A〜図6Dを参照して説明する。
図6A〜図6Dは、自動分析装置10の準備工程(α〜δ)から測定工程(ε)までの概略を示すシーケンス図である。図6Aは、検査開始指示があってから測定された恒温槽132の温度が、第2の許可温度(Temp2)に達しており、かつ第3の許可温度を超えていない場合について示されている。図6Bは、検査開始指示があってから測定された恒温槽132の温度が、第1の許可温度(Temp1)に達しており、かつ第2の許可温度を超えていない場合について示されている。図6Cは、検査開始指示があってから測定された恒温槽132の温度が、第2の許可温度(Temp2)だけでなく、第1の許可温度(Temp1)も下回っている場合について示されている。図6Dは、検査開始指示があってから測定された恒温槽132の温度が、第3の許可温度(Temp3)だけでなく、第4の許可温度(Temp4)も超えている場合について示されている。
分析部100における一連の検査において、被検試料の分注、試薬の分注、撹拌、測定、分析により測定工程εが行われる。この測定工程εの前に、準備工程が行われる。この準備工程は、分析部100の各ユニットを初期位置(以下、「ホーム位置」と記載することがある。)に移動させるホーム動作αと、識別情報の取得(β,γ)と、洗浄工程δとを含む。なお、測定工程εには、検量線の作成、ブランク測定等のキャリブレーション工程が含まれるが、これについては説明を省略する。以下においては、各工程に関する制御につき、まず図6Cと適宜図6Dを参照して説明する。その後、図6A,図6B,図6Dの場合について説明する。
《ホーム動作》
制御部800は、自動分析装置10における検査開始の指示を受けると、一連の検査を行うための制御プログラムを記憶部500から読み出す。さらに制御部800は、駆動部200にホーム動作αの開始を指示する。この指示により、駆動部200の各部は、ホーム動作αのための駆動を行う。検査開始の指示は、例えば各サンプラへの被検試料のセットや各試薬庫における試薬ボトルへの試薬のセットが完了した後に、操作者によりU/I600を介して行われる。なお、検査開始の指示の時点で、ユニット(分析部100の上記構成部分)が、すでにホーム位置にある場合もありうる。その場合、制御部800は、ホーム位置にある当該ユニットを一度ホーム位置から外し、再度ホーム位置に移動させるという制御を行う。
駆動部200にホーム動作αの開始の指示がなされると、サンプラ駆動部202は、ラックサンプラ140の搬送部等を駆動する。その結果、ラックサンプラ140の搬送部等によりサンプル容器140bがホーム位置に移動される。ディスクサンプラ141においても同様であり、サンプラ駆動部202によりサンプル容器141aがホーム位置に移動される。
駆動部200によるホーム動作αの開始の指示に応じて、分注部駆動部204の第1駆動部が駆動され、第1試薬分注部112および第2試薬分注部122の各アーム等を駆動する。その結果、第1試薬分注部112および第2試薬分注部122の各アームにより各プローブがホーム位置に移動される。なお攪拌ユニット150における撹拌子もホーム位置に移動される。
駆動部200によるホーム動作αの開始の指示に応じて、反応ディスク駆動部206が駆動され、反応ディスク130における所定の反応管131がホーム位置に移動される。同様に、試薬庫駆動部208が駆動され、第1試薬庫110および第2試薬庫120の所定の試薬ボトルがホーム位置に移動される。
制御部800は、駆動部200の各部へのホーム動作αの開始指示に対応して、温度制御部700に恒温槽132の温度測定の開始を指示する。図6Cに示すように、第1温度測定部710により測定された温度が第1の許可温度を下回る場合、温度調整部720による加熱が開始される。図6Dに示すように測定温度が第4の許可温度を上回る場合にも冷却が開始される。すなわち、図6Cあるいは図6Dに示す場合、温度上昇(または下降)工程とホーム動作αとが並行して実行されることになる。なお、ホーム動作αは「移動工程」の一例に相当する。
《識別情報の取得》
制御部800は、全てのホーム動作αの完了にかかる所要時間の経過、あるいは駆動部200における各駆動部の所定量の駆動の完了を契機として、識別情報の取得(β,γ)にかかる制御を行う。例えば、制御部800は、読取り部190等の各読み取り部に対し、各試料容器、各試薬ボトルの読み取りを指示する。制御部800は、各読み取り部から各識別情報を受けて、記憶部500に記憶させる。制御部800は、各識別情報のリスト(不図示)を作成し、記憶部500に記憶させてもよい。なお、図6Cあるいは図6Dのような状況を含め、ホーム動作αと並行して行われた温度上昇(または下降)工程によっても、測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度(第1の許可温度/第4の許可温度)まで至らない場合、温度調整工程と識別情報の取得(β,γ)と記憶部500への記憶の処理とが並行して実行されることになる。
《待機状態》
識別情報の取得(β,γ)等の処理が完了した時点で測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度(第1の許可温度/第4の許可温度)になっていない場合、制御部800は、温度調整工程(加熱/冷却)を継続しつつ、準備工程の進行を一時的に停止する。すなわち、制御部800は洗浄工程δを開始せず、許可温度に到達するまで反応管洗浄ユニット170の駆動指示を待機状態とする。
《洗浄工程》
温度制御部700による測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度(第1の許可温度/第4の許可温度)になった場合、制御部800は、洗浄駆動部210を駆動することにより、反応管洗浄ユニット170による洗浄工程δを開始させる。具体的には、制御部800は洗浄駆動部210を駆動し、第1洗浄ノズル171、第2洗浄ノズル172、第3洗浄ノズル173、第4洗浄ノズル174、第5洗浄ノズル175、第6洗浄ノズル176、サクションノズル177および乾燥ノズル178の上下動、吸引、吐出等を行わせる。反応管131は、この記載順に、第1〜第8段階による8の洗浄工程δを経て洗浄される。詳細は、反応管洗浄ユニット170の説明において記載した通りである。図6Cあるいは図6Dのような状況を含め、識別情報の取得(β,γ)の完了までに測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度になっていなければ、温度調整工程と洗浄工程δとが並行して実行されることになる。
《測定工程》
温度制御部700による測定温度が測定工程εを開始可能な温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)になった場合、制御部800は、キャリブレーション工程を経て、分析部100による被検試料の分注、試薬の分注、撹拌、測定、分析を行う一連の測定工程εを開始させる。具体的には、制御部800が、サンプラ駆動部202および分注部駆動部204を駆動させることにより、サンプリングプローブ142cを吸引位置に移動させ、被検試料を吸引させる。また制御部800により、分注部駆動部204および反応ディスク駆動部206を駆動することにより、反応管131を吐出位置に移動させ、かつサンプリングプローブ142cを吐出位置に移動させる。また制御部800により分注部駆動部204が駆動され、反応管131に被検試料が吐出される。
制御部800は、試薬庫駆動部208および分注部駆動部204を駆動させることにより、各試薬分注部(112、122)のプローブを吸引位置に移動させ、対応する試薬を吸引させる。また制御部800により、分注部駆動部204および反応ディスク駆動部206を駆動することにより、反応管131を吐出位置に移動させ、かつ各試薬分注部(112、122)のプローブを吐出位置に移動させる。また制御部800により分注部駆動部204が駆動され、反応管131に対応する試薬が吐出される。
また、制御部800に制御され、攪拌ユニット150により混合液が撹拌される。同様に測光ユニット160により測定が行われる。分析部100による結果は、制御部800を介してデータ処理部400に送られ、分析データが生成される。また制御部800は、測定が完了した反応管131を反応管洗浄ユニット170に洗浄させる。これは上記第1〜第8段階の洗浄によるものである。
《他の制御例1》
以上は図6Cに示すような、検査開始指示の時点で測定温度が測定工程および洗浄工程を可能とする温度(第2の許可温度・第1の許可温度)を下回っている場合についての説明である。しかしながら、自動分析装置10の外部環境(外気温度等)によって他の状況も生じうる。例えば、図6Aに示すように、検査開始指示の時点で、すでに測定温度が測定工程の開始許可温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)になっている場合もある。この場合、制御部800は、温度制御部700を介した温度調整部720による加熱や冷却を行わない。制御部800は、温度制御部700に恒温槽132の温度の定常調整、すなわち当該温度を第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内に保つ調整を行わせる。
《他の制御例2》
制御部800による制御の他の例を説明する。自動分析装置10の外部環境によって、図6Bに示すように、検査開始指示の時点で、すでに測定温度が洗浄工程の開始許可温度(第1の許可温度/第4の許可温度)になっている場合もある。この場合、ホーム動作αを経て識別情報の取得(β,γ)が完了されるまで、制御部800は、温度制御部700に温度調整工程(加熱/冷却)を実行させない。つまり制御部800は、準備工程のうち、洗浄工程δの開始に対応して温度調整工程を開始させる。この例において、洗浄工程δの開始以降は、上記図6Cの例と同様である。
《他の制御例3》
図6Cにかかる説明においては、検査開始指示の時点で測定温度が洗浄工程を可能とする温度を下回っている場合を想定したものであるが、外気温度が高い等の状況によって、例えば図6Dに示すような場合も生じうる。すなわち検査開始指示の時点で、測定温度が測定工程および洗浄工程を可能とする温度(第2の許可温度・第1の許可温度)を上回っている場合である。その場合、図6Cにかかる説明と逆の制御がなされる。まず、ホーム動作αの開始に対応して、制御部800は、温度制御部700を介して恒温槽132の冷却を開始させる。以降は、図6Cの説明における加熱に関する部分を冷却として読み替えることで、準備工程と温度調整工程とが並行して行われる。
《洗浄工程の継続(予備洗浄)》
温度制御部700における判定部730は、制御部800から洗浄工程の完了を示す情報を受け、その時点の測定温度が、測定工程εを開始可能な温度になっているかを判定してもよい。判定の結果、測定工程εを開始可能な温度になっていないと判定された場合、判定部730はその判定結果を制御部800に送る。この構成において、制御部800は、最初に分注される反応管131の洗浄(第1〜第8段階の洗浄の全て)が完了していても、洗浄工程εを継続する。また温度制御部700による温度調整の制御、判定も継続される。
(自動分析装置の動作)
次に、第1実施形態にかかる自動分析装置10の動作について説明する。図7および図8は、第1実施形態における自動分析装置10の動作の概略を示すフローチャートである。図7および図8は、準備工程の開始から、測定工程に至るまでの動作について主に示している。
(ステップ01)
制御部800は、検査開始の指示を受け、一連の検査工程を行うための制御プログラムを記憶部500から読み出す。さらに制御部800は、駆動部200にホーム動作αの開始を指示する。これに応じて制御部800は温度制御部700に恒温槽132の温度測定の開始を指示する。
(ステップ02)
温度制御部700の判定部730は、ステップ01で第1温度測定部710により測定された温度が、測定工程εを開始可能な温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)であるか判定する。いずれの判定結果であっても、判定の結果の情報は制御部800に送られる。
(ステップ03)
ステップ02の判定の結果、測定温度が測定工程εを開始可能な温度でないと判定された場合(S02;No)、判定部730は、ステップ01で測定された温度が、洗浄工程δを開始可能な温度(第1の許可温度/第4の許可温度)になっているか判定する。なお、測定温度が第2の許可温度以下であれば、第1の許可温度以上になっているかを判定し、測定温度が第3の許可温度以上であれば、第4の許可温度以下になっているかを判定する。また、いずれの判定結果であっても、判定の結果の情報は制御部800に送られる。
(ステップ04−1)
ステップ03の判定の結果、測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度でないと判定された場合(S03;No)、制御部800は、判定部730の当該判定結果を受け、ホーム動作αの制御を行いつつ、温度制御部700に温度調整(加熱/冷却)を行わせる。
(ステップ04−2)
ステップ03の判定の結果、測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度であると判定された場合(S03;Yes)、制御部800は、判定部730の当該判定結果を受け、ホーム動作αの制御を行いつつ、温度制御部700に恒温槽132の温度の定常調整の制御を行わせる。
(ステップ04−3・図8)
ステップ02の判定の結果、検査開始指示に応じて測定した温度が測定工程εを開始可能な温度であると判定された場合(S02;Yes)、制御部800は、判定部730の当該判定結果を受け、ホーム動作αの制御を行いつつ、温度制御部700に恒温槽132の温度の定常調整の制御を行わせる(図8参照)。
(ステップ05・図7)
判定部730は、ステップ05のホーム動作αが完了すると、測定温度が、洗浄工程δを開始可能な温度になっているか判定する。
(ステップ06−1)
ステップ05の判定の結果、ホーム動作αの完了時に測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度でないと判定された場合(S05;No)、制御部800は、判定部730の当該判定結果を受け、識別情報の取得(β,γ)の制御を開始しつつ、温度制御部700に温度調整(加熱/冷却)を行わせる。
(ステップ06−2)
ステップ05の判定の結果、ホーム動作αの完了時に測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度であると判定された場合(S05;Yes)、制御部800は、判定部730の当該判定結果を受け、識別情報の取得(β,γ)の制御を開始しつつ、温度制御部700に恒温槽132の温度の定常調整を行わせる。ステップ04−2のホーム動作αの完了の後も同様の制御が行われる。
(ステップ06−3・図8)
ステップ04−2のホーム動作αの完了の後、制御部800は識別情報の取得(β,γ)の制御を行いつつ、恒温槽132の温度の定常調整の制御を継続させる(図8参照)。
(ステップ07・図7)
判定部730は、ステップ06の識別情報の取得(β,γ)が完了すると、測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度になっているか判定する。
(ステップ08)
ステップ07の判定の結果、識別情報の取得(β,γ)の完了時に測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度でないと判定された場合(S07;No)、制御部800は、判定部730の当該判定結果を受け、準備工程を一時的に停止(洗浄工程δの開始を待機)させつつ、温度制御部700に温度調整(加熱/冷却)を行わせる。
(ステップ09)
ステップ08の温度調整に応じて、判定部730は、測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度になっているか判定する。ステップ09の判定の結果、未だ測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度でないと判定された場合(S09;No)、温度制御部700は、温度調整と判定部730の判定(S08〜S09)を繰り返す。
(ステップ10−1)
ステップ09の判定の結果、測定温度が洗浄工程δを開始可能な温度になったと判定された場合(S09;Yes)、温度制御部700は、測定工程εが開始可能な温度まで、温度調整(加熱/冷却)を行わせつつ、制御部800に判定結果を送る。制御部800は当該判定結果を受けて、洗浄工程δを開始する。
(ステップ10−2)
ステップ06−3の識別情報の取得(β,γ)の完了の後、制御部800は洗浄工程δの制御を行いつつ、恒温槽132の温度の定常調整の制御を継続させる。
(ステップ11)
判定部730は、ステップ10−1または10−2における、少なくとも最初に分注される反応管131の洗浄工程δが完了した時点で、測定温度が測定工程εを開始可能な温度になっているか判定する。
(ステップ12)
ステップ11の判定の結果、洗浄工程完了時に測定温度が測定工程εを開始可能な温度でないと判定された場合(S12;No)、制御部800は、判定部730の当該判定結果を受け、洗浄工程δを継続させつつ、温度制御部700に温度調整(加熱/冷却)を継続させる。
(ステップ13)
ステップ12の温度調整に応じて、判定部730は、測定温度が測定工程εを開始可能な温度になっているか判定する。ステップ13の判定の結果、未だ測定温度が測定工程εを開始可能な温度でないと判定された場合(S13;No)、温度制御部700は、温度調整と判定部730の判定(S12〜S13)を繰り返す。
(ステップ14)
ステップ13の判定の結果、測定温度が測定工程εを開始可能な温度になったと判定された場合(S13;Yes)、判定部730は判定結果を制御部800に送り、かつ温度制御部700は、恒温槽132の温度を定常調整する制御に移行する。あるいはステップ11の判定の結果、洗浄工程完了時に測定温度が測定工程εを開始可能な温度になったと判定された場合(S12;Yes)も同様である。あるいはステップ10−2の洗浄工程δの完了の後も同様の制御(測定開始)が行われる。ただし、この場合は恒温槽132の温度の定常調整が、前のステップ10−2において既に実行されている。このステップ14における測定工程εの完了により一連の処理を終了する。
(エラー処理)
自動分析装置10の外部環境により、洗浄工程δの完了時に測定温度が測定開始可能な温度にならない場合がある。この場合、温度調整工程の継続と並行して洗浄工程の継続(予備洗浄)が行われることについては上述の通りである。ただし、これら並行処理が所定期間の経過後も続く場合は、自動分析装置10に何らかの異常が発生している場合が想定される。この場合、制御部800はU/I600の表示部にエラーの発生を表示させる等のエラー処理を行うように構成されていてもよい。
制御部800は、例えば温度調整工程の継続と並行して行われる洗浄工程の継続の時間を計測する。制御部800はその計測時間と予め設定された閾値とを対比し、計測時間が閾値を越えた場合は、U/I600に上記エラー処理を行わせる。他の例として、温度調整工程の継続と並行して行われる洗浄工程の継続サイクルをカウントする。制御部800はそのカウント数と予め設定された閾値とを対比し、カウント数が閾値を超えた場合は、U/I600に上記エラー処理を行わせる。
なお、これら閾値は、記憶部500に記憶されているものとする。また、エラー処理はエラーの発生を表示することに限られず、音声でのエラー報知、図示しない発光部の発光によるエラー報知等であってもよい。また、制御部800によるエラー処理の制御の後は、一旦、自動分析装置10の動作(測定、分析処理等)を停止させるように構成することも可能である。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態にかかる自動分析装置10の作用および効果について説明する。
本実施形態における自動分析装置10は、制御部800により、ホーム動作α、識別情報の取得(β,γ)および反応管洗浄ユニット170による洗浄工程δを含む準備工程のうち何れかの工程と、恒温槽132の温度を測定に適した範囲に到達させる温度変更工程とを並行して実行させる。したがって、準備工程の少なくとも一部と温度調整工程とが並行して実行されるので、測定工程εの前に要する時間を短縮することが可能である。これにより、検査サイクルの時間の短縮を図ることができる。
さらに従来の構成では、洗浄工程δの完了時において、恒温槽132の温度が測定工程εを開始可能とする温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)でない場合に、洗浄工程δが継続されることがあった。これに対し、第1実施形態の自動分析装置10においては、洗浄工程δの開始可能な温度(第1の許可温度/第4の許可温度)を設定している。この設定温度に基づき、制御部800は洗浄工程δの完了タイミングと、測定工程εを開始可能とする温度の到達タイミング(加熱/冷却の完了タイミング)とを対応させるように制御を行う。したがって、洗浄工程δの完了後に洗浄工程δを継続しなければならない事態を回避することが可能である。これにより、検査サイクルにおける洗浄工程δ(第1〜第8段階の洗浄)において使用される洗浄媒体(純水、洗浄液等)の使用量を低減させることが可能である。
(変形例1)
第1実施形態においては、経験的に得られた、恒温槽132の温度変化の程度(変化率等)を基に、ある時点の温度から測定工程を開始可能な温度(例えば、36.7℃)までにかかる所要時間を求めることが可能であることを前提としている。またその前提において、洗浄工程にかかる所要時間と同じ時間において変化する温度(例えば、1.7℃の上昇)を想定している。そして、その想定した変化温度を、測定工程εを開始可能な温度から差し引き、差し引かれた後の温度を第1の許可温度(例えば、35℃)としている。しかしながら、第1実施形態はこれに限らず、例えば、次のような構成とすることが可能である。
変形例1における自動分析装置10においても、検査開始指示に応じて温度制御部700が第1温度測定部710に恒温槽132の温度の測定を開始させる。ただし、変形例1における第1温度測定部710では、所定の時間間隔で当該温度測定を実行し、判定部730がその平均値を算出する。例えば判定部730は、直前に測定された温度との平均値を求めてもよく、あるいはそれまでに測定された温度全体の平均値を求めてもよい。これら各時点の測定温度は記憶部500等の記憶手段に記憶される。さらに判定部730は、その平均値を求める度に、その変化率等に応じて、測定工程εの開始が可能な温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)に到達するまでの時間(「第2の所要時間」の一例に相当する。)を推定する。
変形例1において、判定部730は、平均値から求められた推定時間から、洗浄工程δの開始から完了までの所要時間を差し引いた時間を、洗浄工程δの開始可能な時間として求める(開始タイミングの算出)。
あるいは変形例1において、その洗浄工程δの開始可能な時間と、平均値から推定される温度の変化率から、洗浄工程δの開始が可能な温度(第1の許可温度/第4の許可温度)を求めてもよい。
(変形例2)
上記第1実施形態またはその変形例1において、測定工程εの開始が可能な温度範囲(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲等)を、反応管131に吐出される試料または試薬の温度による恒温槽132の温度変化の影響に対応して設定してもよい。
(変形例3)
上記第1実施形態において、判定部730は第1温度測定部710において測定された測定温度そのものでなく、所定期間の測定温度の平均値に基づいて、判定を行ってもよい。
(変形例4)
第1実施形態の変形例4において温度制御部700は、検査開始の指示に応じた準備工程の開始時点において第1温度測定部710により恒温槽132の温度を測定させる。これを開始温度とする。さらに開始温度の測定後、温度制御部700は、第1温度測定部710に恒温槽132の温度を所定間隔で複数回測定させる。温度制御部700はこれら測定温度を記憶部500等の記憶手段に記憶させる。また、温度制御部700は、第1温度測定部710による恒温槽132内の温度測定が実行される度に、記憶させた各測定温度に基づいて恒温槽温度の平均値、差分、変化率または比を求める。温度制御部700は、当該算出した結果に基づき、洗浄工程の開始可能な温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)に到達するまでの所要時間(「第3の所要時間」の一例に相当する。)を推定する。温度制御部700は、推定時間のデータを制御部800に送る。
制御部800は、温度制御部700から受けた推定時間のデータに基づき、一例としてU/I600の表示部にその推定時間を表示させる。あるいは、制御部800は、準備工程の開始時点から、上記求められた洗浄工程の開始時点までの期間における恒温槽132の温度の推定時間変化を表すグラフを作成する。制御部800は、U/I600の表示部にそのグラフを順次、表示させる。
(変形例5)
第1実施形態では、温度調整工程の継続と並行して予備洗浄の並行処理が所定期間の経過後も続く場合にエラー処理が行われる場合があることについて説明した。このエラー処理を変形例1に適用したのが変形例5である。変形例1における第1温度測定部710では、所定間隔で当該温度測定を実行し、判定部730がその平均値を算出する。さらに判定部730は、その平均値を求める度に、その変化率等に応じて、測定工程εの開始が可能な温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)に到達するまでの時間を推定する。
変形例5では、この推定時間の閾値が記憶部500等の記憶手段に記憶されている。判定部730は、この閾値を読み出し、推定時間と比較する。推定時間が想定される時間を大幅に超える場合は、自動分析装置10に何らかの異常が発生している場合が想定される。制御部800は求められた推定時間と設定された閾値とを比較した結果、閾値を超えた場合は、U/I600に上記エラー処理を行わせる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる自動分析装置10について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と比較して恒温槽132の外気温度を考慮する点で異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる自動分析装置10と同様である。以下、これらの相違点について説明する。
第2実施形態における自動分析装置10のうち、第1試薬庫110、第2試薬庫120、反応ディスク130、ラックサンプラ140、ディスクサンプラ141、第1試薬分注部112、第2試薬分注部122およびサンプル分注部142の構成や動作は、第1実施形態と同様であるため、説明を割愛する。また、第2実施形態における駆動部200、分析部100、データ処理部400、記憶部500およびU/I600の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を割愛する。
第2実施形態における自動分析装置10においても、検査開始指示に応じて温度制御部700が第1温度測定部710に恒温槽132内の温度の測定を開始させる。ただし、第2実施形態における温度制御部700には、図9に示すように第2温度測定部740が含まれる。この第2温度測定部740は、自動分析装置10に含まれない外部装置であってもよい。ただしその場合、外部装置である第2温度測定部740は、自動分析装置10に測定温度を入力する任意の手段を有する。
第2温度測定部740は、恒温槽132に対し、少なくとも外部に設けられる。第2温度測定部740は、恒温槽132の外部の温度を検出し、検出結果から測定温度の数値情報を作成し、判定部730に送る。判定部730は、測定された外部温度に基づき、記憶部500に記憶された測定工程開始の許可温度や、洗浄工程開始の許可温度を補正する。例えば、温度制御部700は、第1温度測定部710に、所定間隔で恒温槽132内の温度測定を実行させ、判定部730がその平均値、変化率、比等を算出する。さらに温度制御部700は、第2温度測定部740に、所定間隔で外部温度の温度測定を実行させ、判定部730がその平均値、変化率、比等を算出する。さらに、判定部730は、それら算出結果に基づき、上記補正を行う。
(作用効果)
以上説明した第2実施形態にかかる自動分析装置の作用および効果について説明する。
第2実施形態における自動分析装置10は、恒温槽132の外部温度を測定し、その測定値に基づき記憶部500に記憶された測定開始の許可温度や、洗浄工程開始の許可温度を補正する。したがって、恒温槽132の外部環境による恒温槽温度の変化に対する影響も加味して測定工程開始の許可温度や、洗浄工程開始の許可温度が再設定される。例えば外部温度が低い場合は温度上昇率が低下し、外部温度が高い場合は温度下降率が低下する。その場合、想定される温度変化に沿わず、洗浄工程の完了時に、測定開始の許可温度に達しないおそれがある。本実施形態はそのような状況を考慮して、想定される時点より早く温度調整(加熱/冷却)をすることができるので、外部環境の影響による準備工程の所要時間の増加を回避することが可能である。
(変形例6)
この第2実施形態の変形例を変形例6として説明する。第2実施形態における自動分析装置10は、恒温槽132の外部温度を測定し、その測定値に基づき記憶部500に記憶された測定工程開始の許可温度や、洗浄工程開始の許可温度を補正する。変形例6においても温度制御部700は、第2温度測定部740に、所定間隔で外部温度の測定を実行させ、判定部730がその平均値等を算出する。さらに、温度制御部700は、第1温度測定部710に、所定間隔で恒温槽132内の温度測定を実行させ、判定部730がその平均値等を算出する。なお、判定部730は、直前に測定された温度との平均値を求めてもよく、あるいはそれまでに測定された温度全体の平均値を求めてもよい。これら各時点の測定温度は記憶部500等の記憶手段に記憶される。変形例6における判定部730は、それら平均値を求める度に、双方の変化率等に応じて、測定工程εの開始が可能な温度(第2の許可温度〜第3の許可温度の範囲内)に到達するまでの時間(「第2の所要時間」の一例に相当する。)を推定する。
変形例6において、判定部730は、平均値から求められた推定時間から、洗浄工程δの開始から完了までの所要時間を差し引いた時間を、洗浄工程δの開始可能な時間として求める。
あるいは変形例6において、その洗浄工程δの開始可能な時間と、平均値から推定される温度の変化率から、洗浄工程δの開始が可能な温度(第1の許可温度/第4の許可温度)を求めてもよい。
(変形例7)
次に、上述した第1実施形態および第2実施形態の自動分析装置10の変形例を変形例7として説明する。上述した第1実施形態および第2実施形態においては、洗浄工程δの完了時点と、測定工程εの開始可能な温度に達する時点とを対応させている。しかしながら、検査サイクルを短くするという観点からは、必ずしもそのような構成に限られない。例えば、自動分析装置において洗浄工程δの開始が可能な温度が設定されない構成を採用することも可能である。この構成において、判定部730は、検査開始指示に対応して、測定温度が、第2の許可温度〜第3の許可温度までの範囲内にあるかのみを判定すればよい。
変形例7における、温度調整開始のタイミングは、検査開始指示の時点、被検試料のセットを完了した旨の操作があった時点、または試薬のセットを完了した旨の操作があった時点等があげられる。このような構成によれば、温度制御部700の構成を簡略化することが可能である。また、この変形例7においても準備工程と温度調整工程を直列的に実施する場合と比較して、検査サイクルの短縮化を図ることが可能である。
(変形例8)
次に、上述した第1実施形態および第2実施形態の自動分析装置10の変形例8について説明する。変形例8は、恒温槽132内の温度が所定範囲(第2の許可温度〜第3の許可温度)に到達した後に、恒温槽温度の定常調整が行われている状況で、恒温槽132の温度が当該所定範囲から外れた場合を想定している。この場合において、温度制御部700および制御部800は、準備工程と温度変更工程とを並行して実行させる制御を再び行う。例えば温度制御部700が定常調整の制御を行っているにもかかわらず、第1温度測定部710から受けた測定温度が、当該所定範囲から外れた場合がありうる。その場合、上記各実施形態および変形例のいずれの構成においても、判定部730はその事実を判定可能である。定常調整に入った後に、判定部730が測定温度を所定範囲外であると判定した場合、制御部800は、その結果に基づきさらにエラー処理を行ってもよい。
変形例8を適用する典型例は、検査サイクルの中断後の再開にかかる制御を行う場合である。また、自動分析装置10における恒温槽132の温度調整を実行する要素(各部)に異常が生じた場合も挙げられる。
(変形例9)
上述した第1実施形態および第2実施形態ならびにこれらの変形例において、温度調整部720の出力を変更させるように構成されていてもよい。すなわち、準備工程の開始時点または準備工程中に測定された温度が、第2の許可温度または第3の許可温度に対して隔たりが大きい場合、温度調整部720の出力を高めることにより、加熱または冷却の速度を高めて、温度調整にかかる所要時間を低減させることが可能である。
この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100 分析部
110 第1試薬庫
120 第2試薬庫
130 反応ディスク
131 反応管
132 恒温槽
170 反応管洗浄ユニット
200 駆動部
202 サンプラ駆動部
204 分注部駆動部
206 反応ディスク駆動部
208 試薬庫駆動部
210 洗浄駆動部
500 記憶部
700 温度制御部
710 第1温度測定部
720 温度調整部
730 判定部
740 第2温度測定部
800 制御部

Claims (22)

  1. 測定工程において反応容器内の収容物の測定を行う臨床検査装置であって、
    前記反応容器を移動可能に複数保持し、前記収容物の温度を調整するための恒温槽を含む反応庫と、
    前記恒温槽の温度が所定範囲となるように調整する温度調整部と、
    前記反応容器を洗浄する洗浄部と、
    前記反応庫が前記反応容器を初期位置へ移動する移動工程および前記洗浄部が前記反応容器を洗浄する洗浄工程の少なくとも何れかを含む準備工程と、前記温度調整部が前記恒温槽の温度を前記所定範囲に到達させる温度変更工程とを並行して実行させる制御部と、
    を有する臨床検査装置。
  2. 前記温度調整部は、前記恒温槽の温度を測定する第1測定部と、測定された前記温度と前記所定範囲とを比較判定する判定部とを含み、
    前記制御部は、前記判定部の判定結果に応じて前記測定工程を実行させること
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
  3. 前記所定範囲は、第1の値と第2の値により規定され、
    前記制御部は、前記温度調整部により前記恒温槽の温度が前記第1の値に達したことによって、前記測定工程を開始可能と判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
  4. 前記制御部は、前記収容物が最初に分注される前記反応容器についての洗浄が完了する時点と、前記恒温槽の温度が前記第1の値に到達する時点とが対応するように、前記温度変更工程を開始させること
    を特徴とする請求項3に記載の臨床検査装置。
  5. 前記制御部は、前記収容物が最初に分注される前記反応容器についての洗浄の開始から完了までにかかる第1の所要時間に基づいて前記温度変更工程を開始させること
    を特徴とする請求項3に記載の臨床検査装置。
  6. 前記制御部は、
    前記準備工程が開始された後、前記第1測定部に前記恒温槽の温度を複数回測定させ、
    前記第1測定部による測定が実行される度に、当該測定により取得された温度が前記第1の値に到達するまでの第2の所要時間を求め、
    前記第1の所要時間および前記第2の所要時間に基づいて、前記洗浄工程の開始の契機となる前記恒温槽の温度を求めること
    を特徴とする請求項5に記載の臨床検査装置。
  7. 前記制御部は、
    前記準備工程が開始された後、前記第1測定部に前記恒温槽の温度を複数回測定させ、
    前記第1測定部による測定が実行される度に、当該測定により取得された温度が前記第1の値に到達するまでの第2の所要時間を求め、
    前記第1の所要時間および前記第2の所要時間に基づいて、前記洗浄工程の開始タイミングを求めること
    を特徴とする請求項5に記載の臨床検査装置。
  8. 前記第1の値は、前記反応容器に分注される試料または試薬の温度による前記恒温槽の温度変化の影響に対応して設定されること
    を特徴とする請求項3に記載の臨床検査装置。
  9. 前記第1測定部は、前記恒温槽の温度の測定を所定期間に複数回実行し、
    前記判定部は、前記複数回の測定により取得された複数の温度の平均値を算出し、算出された平均値に基づいて前記判定を実行すること
    を特徴とする請求項2に記載の臨床検査装置。
  10. 前記温度調整部は、前記恒温槽の外部温度を測定する第2測定部を含み、
    前記制御部は、前記第1測定部による複数回の測定により取得された温度と、前記第2測定部により取得された前記外部温度とに基づいて、前記洗浄工程を開始する契機となる温度を補正すること
    を特徴とする請求項6に記載の臨床検査装置。
  11. 前記温度調整部は、前記恒温槽の外部温度を測定する第2測定部を含み、
    前記制御部は、前記恒温槽の前記外部温度に基づいて、前記第2の所要時間を求めること
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の臨床検査装置。
  12. 前記制御部は、前記準備工程の開始時点において前記第1測定部に前記恒温槽の温度を測定させ、さらに前記準備工程が開始された後、前記第1測定部に前記恒温槽の温度を複数回測定させ、
    前記第1測定部による測定が実行される度に、当該測定により取得された温度が前記洗浄工程の開始の契機となる前記恒温槽の温度に到達するまでの第3の所要時間を求め、
    前記第3の所要時間を表示手段に表示させ、または、少なくとも前記準備工程の開始時点から前記洗浄工程の開始の契機となる時点までの期間における前記恒温槽の温度の推定時間変化を表すグラフを表示手段に表示させること
    を特徴とする請求項6に記載の臨床検査装置。
  13. 前記制御部は、
    前記準備工程の開始以降、前記洗浄工程の開始の契機となる前記温度または前記測定工程を開始可能な温度に達するまで、所定時間ごとに前記第1測定部に前記恒温槽の温度を測定させ、
    所定時間または所定の動作サイクル数が経過したときに当該温度が所定値まで達していない場合に報知を行うこと
    を特徴とする請求項6に記載の臨床検査装置。
  14. 前記制御部は、
    前記準備工程の開始以降、前記測定工程を開始可能な温度に達するまで、所定時間ごとに前記第1測定部に前記恒温槽の温度を測定させ、
    前記第1測定部による測定が実行される度に、当該測定により取得された温度に基づき前記第2の所要時間を求め、当該第2の所要時間が予め設定された時間を超える場合に報知を行うこと
    を特徴とする請求項7に記載の臨床検査装置。
  15. 前記準備工程には前記移動工程および前記洗浄工程の双方が含まれ、
    前記制御部は、前記温度調整部に前記温度変更工程を開始させる指示を、前記移動工程の開始から前記洗浄工程の完了までの期間に実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
  16. 前記制御部は、前記移動工程の開始から前記洗浄工程の開始までの期間に前記指示を実行すること
    を特徴とする請求項15に記載の臨床検査装置。
  17. 前記制御部は、前記温度調整部に前記温度変更工程を開始させる指示を、前記移動工程の開始に対応して実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
  18. 前記準備工程には前記移動工程および前記洗浄工程の双方が含まれ、
    前記制御部は、前記温度調整部に前記温度変更工程を開始させる指示を、前記準備工程および前記測定工程を含む一連の工程の開始指示に対応して実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
  19. 前記準備工程には、さらに試薬収容容器または試料収容容器を識別する識別工程とが含まれること
    を特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の臨床検査装置。
  20. 試料収容容器を保持して搬送するための試料搬送部と、試薬収容容器を保持する試薬庫とを備え、
    前記制御部は、前記試薬収容容器への試薬のセットおよび前記試料収容容器への試料のセットが完了した旨の信号を受けて前記温度調整部に前記温度変更工程を開始させる指示を実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
  21. 前記測定工程を実行する測定ユニットは、試料収容容器を保持して搬送するための試料搬送部と、試薬庫における試薬収容部と、試薬分注部と、試料分注部と、撹拌部とを含む複数の要素を備え、
    前記移動工程は、前記複数の要素それぞれを初期位置へ移動させる動作を含み、
    前記制御部は、前記温度調整部に前記温度変更工程を開始させる指示を、当該移動工程の開始から前記洗浄工程の完了までの期間に実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
  22. 前記恒温槽の温度が前記所定範囲に到達した後に前記恒温槽の温度が前記所定範囲から外れた場合、前記制御部は、前記準備工程と前記温度変更工程とを並行して実行させる制御を再び行うこと、
    を特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
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