JP2016089740A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016089740A
JP2016089740A JP2014225943A JP2014225943A JP2016089740A JP 2016089740 A JP2016089740 A JP 2016089740A JP 2014225943 A JP2014225943 A JP 2014225943A JP 2014225943 A JP2014225943 A JP 2014225943A JP 2016089740 A JP2016089740 A JP 2016089740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
crank position
engine
intake pressure
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014225943A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6354524B2 (ja
Inventor
健太 杉本
Kenta Sugimoto
健太 杉本
和良 島谷
Kazuyoshi Shimatani
和良 島谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2014225943A priority Critical patent/JP6354524B2/ja
Priority to US14/933,588 priority patent/US9897032B2/en
Priority to DE102015014406.5A priority patent/DE102015014406B4/de
Publication of JP2016089740A publication Critical patent/JP2016089740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6354524B2 publication Critical patent/JP6354524B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3005Details not otherwise provided for
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/009Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents using means for generating position or synchronisation signals
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0097Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents using means for generating speed signals
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
    • F02D41/10Introducing corrections for particular operating conditions for acceleration
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1497With detection of the mechanical response of the engine
    • F02D41/1498With detection of the mechanical response of the engine measuring engine roughness
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/04Engine intake system parameters
    • F02D2200/0406Intake manifold pressure

Abstract

【課題】吸気圧およびエンジン回転数に基づき、過渡運転時における運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量の決定および迅速な過渡燃料噴射の実行を実現する。
【解決手段】アクセル操作により生じる1サイクル間の測定吸気圧変化量を、当該1サイクル間のエンジン回転数変化量に対応した全閉吸気圧変化量で補正し、補正後の測定吸気圧変化量とエンジン回転数により過渡燃料噴射量を定める。また、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置を1サイクル内に複数設定し、各クランク位置において、これらクランク位置ごとに用意された専用の変換データを用い、補正後の測定吸気圧変化量およびエンジン回転数から過渡燃料噴射量を決定する。また、これらの設定したクランク位置において、過渡燃料噴射量の決定後直ちに過渡燃料噴射を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン(内燃機関)を作動させるためにエンジンの吸気経路において燃料噴射を行う燃料噴射装置に関する。
例えば、自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されるエンジンに用いられる燃料噴射装置は、エンジンの吸気経路において吸気ポートの近傍に設けられたインジェクタと、クランク位置およびエンジン回転数の検出を行うセンサと、吸気圧を検出するセンサと、スロットル開度を検出するセンサと、これらセンサからの出力に基づいてインジェクタの動作を電子制御するコントロールユニットとを備えている。このような燃料噴射装置において、コントロールユニットは、上記センサからの出力に基づいて燃料噴射量を算出し、算出した燃料噴射量の燃料を噴射させるべくインジェクタを制御する燃料噴射処理を行う。
燃料噴射処理には、定常運転用の基本燃料噴射処理と、加速時等の過渡運転用の過渡燃料噴射処理がある。基本燃料噴射処理における基本燃料噴射量の算出には、吸気圧およびエンジン回転数を用いて算出する方式(スピードデンシティ法)と、スロットル開度およびエンジン回転数を用いて算出する方式(スロットルスピード法)がある。基本燃料噴射量の算出には、吸気圧の分解能がスロットル開度の分解能よりも高い場合にはスピードデンシティ法が利用されることが多く、その逆の場合にはスロットルスピード法が利用されることが多い。一方、過渡燃料噴射処理における過渡燃料噴射量の算出には、スロットル開度の方が応答性の良いことから、スロットル開度およびエンジン回転数を用いる方式が利用されることが多い。
他方、下記の特許文献1には、加速運転時の燃料噴射量をエンジン回転数および吸気圧差に応じて設定するエンジン制御装置が記載されている。
国際公開第2003/038261号
ところで、基本燃料噴射量だけでなく過渡燃料噴射量についても、吸気圧およびエンジン回転数を用いて算出を行う方式を採用すれば、スロットル開度を取得する必要がなくなるので、エンジンからスロットルセンサを廃することができ、エンジンの小型化または製造コストの削減を図ることができる。そこで、過渡燃料噴射処理において、吸気圧およびエンジン回転数を用いて過渡燃料噴射量を算出することが望まれる。
しかしながら、過渡燃料噴射処理においては、例えば運転者による自動二輪車の運転操作に即応して過渡燃料噴射を行うことにより、エンジンの高い応答性を実現することが要求されるが、過渡燃料噴射処理において吸気圧およびエンジン回転数を用いて過渡燃料噴射量を算出することとした場合、エンジンの高い応答性を実現することは容易でない。
すなわち、一般に、吸気圧およびエンジン回転数を用いて基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射処理では、吸気圧の検出が吸気行程内または圧縮行程内で行われ、その吸気圧の検出結果に基づいて算出された基本燃料噴射量の基本燃料噴射が排気行程内または次のサイクルの吸気行程内で行われる。このため、運転者による運転操作と、この運転操作に応じて変更された基本燃料噴射量による基本燃料噴射の実行との間にタイムラグが生じる。この結果、吸気圧およびエンジン回転数を用いて基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射処理では運転操作に対するエンジンの応答性が低い。したがって、過渡燃料噴射処理における過渡燃料噴射量の算出に、このような基本燃料噴射処理における基本燃料噴射量の算出方法を採用した場合には、エンジンの高い応答性を実現することは難しい。それゆえ、吸気圧およびエンジン回転数を用いて過渡燃料噴射量を算出する方法として、上述したような基本燃料噴射処理における基本燃料噴射量の算出方法とは異なる新たな方法を考え出さなければならず、これは容易でない。
一方、上記特許文献1には、吸気圧差に基づいて加速状態を検出し、加速状態である場合には、エンジン回転数および吸気圧差に基づいて加速時燃料噴射量を決定し、その加速時燃料噴射量の燃料噴射を即座に実行することで、運転者の意図した加速感を得ることができる旨が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1には、エンジン回転数および吸気圧差に応じた加速時燃料噴射量の算出につき、単にそれを三次元マップから算出すると記載されているに止まり、三次元マップの内容については示されていない。それゆえ、当該文献の記載から、運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量の算出を実現できるか否かは不明であり、また、これを実現するための三次元マップを作成することは容易でない。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、吸気圧およびエンジン回転数に基づき、過渡運転時における運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量の決定および迅速な過渡燃料噴射の実行を実現することができる燃料噴射装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の燃料噴射装置は、エンジンにおける燃料噴射を行う燃料噴射装置であって、前記エンジンのクランク位置を検出するクランク位置検出部と、前記エンジンの回転数を測定する回転数測定部と、前記エンジンの吸気圧を測定する吸気圧測定部と、前記エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射部と、記憶部と、過渡運転時における燃料噴射である過渡燃料噴射について、その噴射量である過渡燃料噴射量を決定すると共に、前記燃料噴射部による過渡燃料噴射を制御する制御部とを備え、前記エンジンの1サイクル間の吸気圧の変化量を「吸気圧変化量」といい、前記エンジンの吸気経路を開閉するスロットルバルブが全閉であるときの前記エンジンの吸気圧を「全閉吸気圧」といい、前記エンジンの1サイクル間の全閉吸気圧の変化量を「全閉吸気圧変化量」というとすると、前記記憶部には、所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記エンジンの過渡燃料噴射量との関係を予め定めた過渡燃料噴射量変換データ、および、前記所定のクランク位置における前記エンジンの回転数と前記エンジンの全閉吸気圧との関係を予め定めた全閉吸気圧変換データが記憶され、前記制御部は、前記クランク位置検出部の検出に基づき前記所定のクランク位置を認識し、前記回転数測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数および1サイクル前の回転数を認識し、前記吸気圧測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧を認識し、前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧に基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量を測定吸気圧変化量として算出し、前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数および1サイクル前の回転数、並びに前記全閉吸気圧変換データに基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの全閉吸気圧変化量を算出し、前記全閉吸気圧変化量により前記測定吸気圧変化量を補正し、当該補正後の測定吸気圧変化量、前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数、および前記過渡燃料噴射量変換データに基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの過渡燃料噴射量を決定することを特徴とする。
上述した本発明の燃料噴射装置によれば、測定吸気圧変化量を全閉吸気圧変化量により補正することにより、運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量を決定することができる。すなわち、測定吸気圧変化量には、例えば自動二輪車を加速させるための運転者による運転操作(アクセル操作)に対応した吸気圧変化分が含まれる。これは、スロットルバルブの開度の変化により生じる吸気圧変化分である。これに加え、測定吸気圧変化量には、エンジン回転数の変化自体により生じる吸気圧変化分が含まれる。ところで、全閉吸気圧変化量は、スロットルバルブが全閉のときの吸気圧変化分であり、すなわち、スロットルバルブの開度が変化せず、かつ吸気の流れがほとんどない状態における吸気圧変化分である。それゆえ、全閉吸気圧変化量は、エンジン回転数の変化自体により生じる吸気圧変化分にほぼ対応する。したがって、測定吸気圧変化量を全閉吸気圧変化量により補正することにより、測定吸気圧変化量から、エンジン回転数の変化自体により生じる吸気圧変化分を除去することができる。この結果、補正後の測定吸気圧変化量は、スロットルバルブの開度の変化により生じる吸気圧変化分にほぼ対応したものとなる。それゆえ、補正後の測定吸気圧変化量に基づいて過渡燃料噴射量を決定することにより、スロットルバルブの開度の変化に対応した過渡燃料噴射量、すなわち、運転操作に応じた過渡燃料噴射量を正確に求めることができる。
また、上述した本発明の燃料噴射装置において、前記所定のクランク位置は前記エンジンの1サイクル内において複数設定され、前記記憶部には、前記複数の所定のクランク位置ごとにそれぞれ定められた互いに異なる複数の前記過渡燃料噴射量変換データ、および、前記複数の所定のクランク位置ごとにそれぞれ定められた互いに異なる複数の前記全閉吸気圧変換データが記憶されていることが望ましい。
これにより、エンジンの1サイクル内における複数のクランク位置において過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を実行することができ、運転操作に応じた過渡燃料噴射を迅速に行うことができる。また、吸気圧変化量とエンジン回転数と過渡燃料噴射量との関係はクランク位置により変化する。したがって、複数の所定のクランク位置ごとに過渡燃料噴射量変換データを用意し、かつ複数の所定のクランク位置ごとに全閉吸気圧変換データを用意し、各クランク位置において、当該クランク位置に対応する過渡燃料噴射量変換データと全閉吸気圧変換データとを用いて過渡燃料噴射量を決定することにより、各クランク位置において、運転操作に応じた過渡燃料噴射量を正確に決定することができる。
また、上述した本発明の燃料噴射装置において、前記複数の所定のクランク位置のうちの1つは前記エンジンの吸気行程内に設定され、もう1つは前記エンジンの膨張行程内または排気行程内に設定されていることが望ましい。
エンジンの吸気行程内では、他の行程と比較し、スロットルバルブの開度に応じて吸気圧が大きく変化する。したがって、過渡燃料噴射量を決定する1つの所定のクランク位置をエンジンの吸気行程内に設定することにより、スロットルバルブの開度に応じた、緻密な過渡燃料噴射量の決定を行うことができ、微少な運転操作に対応した正確な過渡燃料噴射量を精度良く求めることができる。
また、過渡燃料噴射量を決定するもう1つのクランク位置をエンジンの膨張行程内または排気行程内に設定し、吸気行程内における過渡燃料噴射に加え、膨張行程内または排気行程内においても過渡燃料噴射を実行することにより、要求される過渡燃料噴射量が大きい場合でも、全量の噴射を確実にかつ迅速に実行することができ、過渡燃料噴射の正確性および迅速性を高めることができる。すなわち、冷機運転時や、低温環境下における運転時、または急でかつ大きなアクセル操作によりスロットルバルブの開度が急にかつ大幅に大きくなった時などに、要求される過渡燃料噴射量が急に大きくなり、吸気行程内で行う過渡燃料噴射で噴射可能な燃料噴射量を超える場合がある。このような場合でも、本発明によれば、過渡燃料噴射を、吸気行程内と、膨張行程内または排気行程内とに分割して実行することにより、過渡燃料噴射量の全量の噴射を確実にかつ早期に行うことができる。
また、上述した本発明の燃料噴射装置において、前記複数の所定のクランク位置のうちの2つを、前記エンジンの吸気行程内における互いに異なる位置にそれぞれ設定してもよい。
このように、過渡燃料噴射量を決定するクランク位置をエンジンの吸気行程内に2つ設定し、吸気行程内における過渡燃料噴射を2回実行することにより、運転操作に応じた過渡燃料噴射の精度を高めることができる。特に、スナップ操作のような素早い小刻みなアクセル操作に応じた正確な過渡燃料噴射を実現することができる。
また、上述した本発明の燃料噴射装置において、前記制御部は、前記燃料噴射部を制御し、前記複数の所定のクランク位置のそれぞれにおいて過渡燃料噴射を実行することが望ましい。
これにより、吸気圧およびエンジン回転数に基づき、過渡運転時における運転操作に応じた迅速な過渡燃料噴射の実行を実現することができる。
また、上述した本発明の燃料噴射装置において、前記エンジンの1サイクル内におけるあるクランク位置を「基準クランク位置」とし、当該基準クランク位置から1サイクルの範囲を「基準サイクル」といい、当該基準サイクル内において過渡燃料噴射を実行するクランク位置を「実行クランク位置」といい、前記基準サイクル内において前記実行クランク位置よりも前に既に過渡燃料噴射が実行されたクランク位置を「実行済みクランク位置」というとすると、前記制御部は、前記実行クランク位置において前記補正後の測定吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記過渡燃料噴射量変換データとに基づいて決定した過渡燃料噴射量から、実行済みクランク位置において実行された過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量の合計を引き、これにより得られた過渡燃料噴射量を、前記実行クランク位置において実行する過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量とすることが望ましい。
このように、1サイクル内における複数の過渡燃料噴射量の決定処理を互いに連携させ、1サイクル内において初回よりも後の過渡燃料噴射量を調整することにより、1サイクル内において決定された複数の過渡燃料噴射量の重複分を除去することができ、過渡燃料噴射量が過大となるのを防止することができる。
上記課題を解決するために、本発明の他の燃料制御装置は、エンジンにおける燃料噴射を行う燃料噴射装置であって、前記エンジンのクランク位置を検出するクランク位置検出部と、前記エンジンの回転数を測定する回転数測定部と、前記エンジンの吸気圧を測定する吸気圧測定部と、前記エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射部と、記憶部と、過渡運転時における燃料噴射である過渡燃料噴射の量である過渡燃料噴射量を決定すると共に、前記燃料噴射部による過渡燃料噴射を制御する制御部とを備え、前記エンジンの1サイクル間の吸気圧の変化量を「吸気圧変化量」というとすると、前記記憶部には、所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記エンジンの過渡燃料噴射量との関係を予め定めた過渡燃料噴射量変換データが記憶され、前記制御部は、前記クランク位置検出部の検出に基づき前記所定のクランク位置を認識し、前記回転数測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数を認識し、前記吸気圧測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧を認識し、前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧に基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量を測定吸気圧変化量として算出し、当該測定吸気圧変化量、前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数、および前記過渡燃料噴射量変換データに基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの過渡燃料噴射量を決定し、前記燃料噴射部を制御し、前記所定のクランク位置において前記決定した過渡燃料噴射量の過渡燃料噴射を実行し、前記所定のクランク位置は、前記エンジンの1サイクル内において複数設定され、前記制御部は、前記過渡燃料噴射量の決定および当該決定した過渡燃料噴射量の過渡燃料噴射を前記複数のクランク位置のそれぞれにおいて行うことを特徴とする。
このように、現在の吸気圧と1サイクル前の吸気圧との変化量およびエンジン回転数に基づく過渡燃料噴射量の決定と、当該過渡燃料噴射量の過渡燃料噴射とを、1サイクル内において複数回行うことにより、過渡運転時における運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量の決定および迅速な過渡燃料噴射の実行を実現することができる。
また、上述した本発明の他の燃料噴射装置において、前記複数の所定のクランク位置のうちの1つは前記エンジンの吸気行程内に設定され、もう1つは前記エンジンの膨張行程内または排気行程内に設定されていることが望ましい。
このように、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行う1つの所定のクランク位置をエンジンの吸気行程内に設定することにより、スロットルバルブの開度に応じた、緻密な過渡燃料噴射量の決定を行うことができ、微少な運転操作に対応した正確な過渡燃料噴射量を精度良く求めることができる。
また、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うもう1つのクランク位置をエンジンの膨張行程内または排気行程内に設定することにより、冷機運転時、低温環境下における運転時、または急で大きなアクセル操作時等に過渡燃料噴射量が急に大きくなり、吸気行程内で行う過渡燃料噴射で噴射可能な燃料噴射量を超える場合でも、過渡燃料噴射量の全量の噴射を確実かつ迅速に実行することができ、過渡燃料噴射の正確性および迅速性を高めることができる。
また、上述した他の燃料噴射装置において、前記複数の所定のクランク位置のうちの2つを、前記エンジンの吸気行程内における互いに異なる位置にそれぞれ設定してもよい。
これにより、運転操作に応じた過渡燃料噴射の精度を高めることができる。特に、スナップ操作のような素早い小刻みなアクセル操作に応じた正確な過渡燃料噴射を実現することができる。
また、上述した他の燃料噴射装置において、前記エンジンの1サイクル内におけるあるクランク位置を「基準クランク位置」とし、当該基準クランク位置から1サイクルの範囲を「基準サイクル」といい、当該基準サイクル内において過渡燃料噴射を実行するクランク位置を「実行クランク位置」といい、前記基準サイクル内において前記実行クランク位置よりも前に既に過渡燃料噴射が実行されたクランク位置を「実行済みクランク位置」というとすると、前記制御部は、前記実行クランク位置において前記測定吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記過渡燃料噴射量変換データとに基づいて決定した過渡燃料噴射量から、実行済みクランク位置において実行された過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量の合計を引き、これにより得られた過渡燃料噴射量を、前記実行クランク位置において実行する過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量とすることが望ましい。
これにより、1サイクル内において決定された複数の過渡燃料噴射量の重複分を除去することができ、過渡燃料噴射量が過大となるのを防止することができる。
本発明によれば、吸気圧およびエンジン回転数に基づき、過渡運転時における運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量の決定および迅速な過渡燃料噴射の実行を実現することができる。
本発明の実施形態による燃料噴射装置が設けられたエンジンを示す説明図である。 本発明の実施形態による燃料噴射装置においてクランク位置の検出およびエンジン回転数の測定を行う機構を示す説明図である。 本発明の実施形態による燃料噴射装置において過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置を示す説明図である。 所定のエンジン回転数において、複数の異なるスロットルバルブ開度についてクランク位置と吸気圧との関係を示す特性線図である。 所定のエンジン回転数において、スロットルバルブが全閉であるときのクランク位置と吸気圧との関係を示す特性線図である。 所定のクランク位置において、スロットルバルブが全閉であるときのエンジン回転数と吸気圧との関係を示す特性線図である。 吸気圧変化量、エンジン回転数および過渡燃料噴射量の関係を示す過渡燃料噴射量変換マップの説明図である。 本発明の実施形態による燃料噴射装置において、クランク位置Aにおける過渡燃料噴射処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による燃料噴射装置において、クランク位置Bにおける過渡燃料噴射処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による燃料噴射装置において、クランク位置Cにおける過渡燃料噴射処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による燃料噴射装置において、全閉吸気圧変化量の算出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照しながら説明する。
(燃料噴射装置の構成)
図1は、本発明の実施形態による燃料噴射装置が設けられたエンジンを示している。図1において、エンジン30は、例えば、自動二輪車等の鞍乗型車両に用いることができる単気筒4サイクルエンジンである。エンジン30は、内部にクランクシャフト33を支持するクランクケース31を備え、クランクケース31の上部にはシリンダボディ32が取り付けられ、シリンダボディ32内には、ピストン34、クランクシャフト33とピストン34とを接続するコネクティングロッド35等が設けられている。また、シリンダボディ32の頭部にはシリンダヘッド36が取り付けられ、シリンダヘッド36に形成された吸気ポート37および排気ポート38には吸気管39および排気管40がそれぞれ接続されている。また、シリンダヘッド36には、吸気ポート37を開閉する吸気バルブ41、排気ポート38を開閉する排気バルブ42、および点火プラグ43が設けられている。また、吸気管39の途中には、アクセル操作に連動して開閉動作し、吸気管39(吸気経路)の通路断面積を変化させ、吸気管39を流れる空気の量を調整するスロットルバルブ44が設けられている。
また、エンジン30には、本発明の実施形態による燃料噴射装置51が設けられている。燃料噴射装置51は、エンジン30における燃料噴射を行う装置である。燃料噴射装置51は、クランク位置検出部および回転数測定部としてのクランクセンサ52、吸気圧測定部としての吸気圧センサ53、燃料噴射部としてのインジェクタ54、記憶部55、および制御部56を備えている。
クランクセンサ52は、クランクケース31に設けられ、エンジン30におけるクランク位置の検出、およびエンジン30のエンジン回転数の測定を行う。吸気圧センサ53は、吸気管39の途中であって吸気ポート37の近傍に設けられ、吸気管39内の圧力である吸気圧を測定する。インジェクタ54は、吸気管39の途中に設けられ、吸気管39内に燃料噴射を行う。記憶部55および制御部56は、鞍乗型車両に設けられ、例えば、エンジン30の種々の制御を総括的に行うエンジンコントロールユニット57の一部である。制御部56は演算処理装置であり、記憶部55は例えば半導体記憶素子を備えたメモリである。制御部56の入力端子には、吸気圧センサ53およびクランクセンサ52等が電気ケーブルを介して接続されている。また、制御部56の出力端子には、インジェクタ54および点火プラグ43等が電気ケーブルを介して接続されている。また、制御部56と記憶部55とはバスを介して互いに接続されている。後述する過渡燃料噴射処理は制御部56の制御の下で行われ、過渡燃料噴射処理に用いられる値およびデータは記憶部55に記憶される。
図2は、クランクセンサ52により、クランク位置の検出およびエンジン回転数の測定を行う機構を示している。クランクケース31の内部には、図2に示すように、クランク位置を検出するための円盤58が設けられている。円盤58は、クランクシャフト33と同期して回転し、外周部に複数の凸状の歯59が形成されている。例えば、円盤58の外周部には、11個の歯59が、矢示Kが指し示す部分を除き、円盤58の中心を基準にして30度間隔で配置されている。
一方、クランクセンサ52は磁気センサを備え、円盤58の外周部の近傍に配置されている。クランクセンサ52は、例えば、クランクセンサ52に歯59が接近したときに立ち上がるパルス信号であるクランクパルスを制御部56へ出力する。円盤58は、エンジン30における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、および排気行程からなる1サイクルにおいて2回転する。したがって、エンジン30の回転速度が一定である場合には、1サイクルの長さを24等分した間隔でクランクパルスが出力される。しかしながら、連続して11個のクランクパルスが出力された直後の1間隔分、クランクパルスが出力されない区間が到来する。それは、図2中の矢示Kが指し示す歯59のない部分に対応する区間である。制御部56は、このようなクランクパルスのパターンに基づき、クランク位置を認識することができる。また、制御部56はクランクパルスの周波数に基づき、エンジン回転数を認識することができる。
以下、説明の便宜上、図2に示すように、1サイクルの長さを24等分した各区間の開始位置に、区間の順序に応じた番号を付す。番号は0から始まり、23で終わる。そして、これら区間の開始位置をクランク位置0、1、2、…23ということとする。クランク位置0〜10(12〜22)は歯59(クランクパルス)にそれぞれ対応し、クランク位置11(23)は、図2中の矢示Kが指し示す歯59のない部分(クランクパルスが出力されない部分)に対応する。また、図2は、ピストン34が上死点に位置するときのクランクセンサ52と円盤58との位置関係を示している。この場合、クランク位置6(18)を越えた直後のクランク位置において、ピストン34は上死点に達する。
(過渡燃料噴射処理の内容)
以上説明した本発明の実施形態による燃料噴射装置51は基本燃料噴射処理および過渡燃料噴射処理を行う。基本燃料噴射処理は定常運転用の燃料噴射処理であり、過渡燃料噴射処理は過渡運転用の燃料噴射処理である。燃料噴射装置51は、定常運転時には基本燃料噴射処理のみを行い、過渡運転時には基本燃料噴射処理および過渡燃料噴射処理を行う。すなわち、燃料噴射装置51において、基本燃料噴射処理による基本燃料噴射は過渡運転の有無に拘わらず毎サイクル実施される。そして、過渡運転時には、基本燃料噴射処理による基本燃料噴射に、過渡燃料噴射処理による過渡燃料噴射が追加される。燃料噴射装置51における基本燃料噴射処理は周知のものであるので、ここではその説明を省略する。
一方、燃料噴射装置51における過渡燃料噴射処理は概ね次の通りである。すなわち、燃料噴射装置51が行う過渡燃料噴射処理において、過渡燃料噴射量は、吸気圧変化量とエンジン回転数に基づいて決定される。この過渡燃料噴射量の決定は、所定のクランク位置において行われる。
吸気圧変化量は、1サイクル間の吸気圧の変化量である。吸気圧変化量は、過渡燃料噴射量の決定を行う所定のクランク位置においてクランクセンサ52により現在測定された吸気圧から、同クランク位置においてクランクセンサ52により1サイクル前に測定された吸気圧を引くことにより求められる。説明の便宜上、以下、クランクセンサ52により測定された吸気圧を「測定吸気圧」といい、測定吸気圧の1サイクル間の変化量を「測定吸気圧変化量」という。
また、過渡燃料噴射量の決定に用いるエンジン回転数の値は、1サイクル間(本実施形態では2回転分)のエンジン回転数の平均値である。このエンジン回転数の値は、過渡燃料噴射量の決定を行う現時点から1サイクル前の時点と当該現時点との間に、クランクセンサ52により複数回測定されたエンジン回転数の平均を算出することにより求められる。
また、過渡燃料噴射量は、過渡燃料噴射量変換マップと、測定吸気圧変化量(後述の全閉吸気圧変化量により補正されたもの)と、クランクセンサ52により測定されたエンジン回転数とに基づいて決定される。過渡燃料噴射量変換マップは、(補正後の)吸気圧変化量とエンジン回転数と過渡燃料噴射量との関係を予め定めたデータであり、記憶部55に予め記憶されている。過渡燃料噴射量変換マップを参照することにより、(補正後の)吸気圧変化量およびエンジン回転数から過渡燃料噴射量を定めることができる。
また、燃料噴射装置51が行う過渡燃料噴射処理において、測定吸気圧変化量を求めた後、過渡燃料噴射量変換マップを用いて過渡燃料噴射量を決定する前に、測定吸気圧変化量は全閉吸気圧変化量により補正される。全閉吸気圧変化量とは、全閉吸気圧の1サイクル間の変化量である。また、全閉吸気圧とは、スロットルバルブ44が全閉であるときの吸気圧である。全閉吸気圧変化量の算出は、過渡燃料噴射量を決定する所定のクランク位置において行われる。全閉吸気圧変化量は、当該所定のクランク位置において決定された全閉吸気圧から、同クランク位置において1サイクル前に決定された全閉吸気圧を引くことにより求められる。
後述するように、全閉吸気圧はエンジン回転数により変化する。全閉吸気圧は、全閉吸気圧変換テーブルと、クランクセンサ52により測定されたエンジン回転数とに基づいて決定される。全閉吸気圧変換テーブルは、エンジン回転数と全閉吸気圧との関係を予め定めたデータであり、記憶部55に予め記憶されている。全閉吸気圧変換テーブルを参照することにより、エンジン回転数から全閉吸気圧を定めることができる。
また、全閉吸気圧の決定に用いるエンジン回転数の値は、1サイクル間(本実施形態では2回転分)のエンジン回転数の平均値である。この値は、全閉吸気圧の決定を行う現時点から1サイクル前の時点と当該現時点との間にクランクセンサ52により複数回測定されたエンジン回転数の平均を算出することにより求められる。
また、燃料噴射装置51が行う過渡燃料噴射処理において、過渡燃料噴射量の決定を行う所定のクランク位置は1サイクル内に3つ設定されている。以下、これらの所定のクランク位置を、「クランク位置A」、「クランク位置B」、「クランク位置C」という。ここで、図3は、1サイクル内におけるクランク位置A、BおよびCの設定範囲を示している。図3中の信号波形は、クランクセンサ52から出力されるクランクパルスである。図3に示すように、クランク位置Aは膨張行程内または排気行程内に設定され、具体的には膨張行程の後期または排気行程の前期に設定され、より具体的にはクランク位置10からクランク位置16までの範囲内に設定される。また、クランク位置BおよびCは吸気行程内の異なる位置にそれぞれ設定される。クランク位置Bは、具体的には吸気行程の前期または中期に設定され、より具体的にはクランク位置20からクランク位置22までの範囲内に設定される。クランク位置Cは、具体的には吸気行程の後期、または圧縮行程の直前に設定され、より具体的にはクランク位置22からクランク位置0までの範囲内に設定される。
過渡燃料噴射量の決定は、クランク位置A、BおよびCのそれぞれの位置において行われる。また、クランク位置A、BおよびCのそれぞれの位置において、過渡燃料噴射量が決定された直後、その決定された過渡燃料噴射量の過渡燃料噴射が直ちに実行される。また、過渡燃料噴射量変換マップは、クランク位置A、BおよびCごとにそれぞれ用意され、記憶部55に記憶されている。これら3つの過渡燃料噴射量変換マップの内容はそれぞれ異なる。また、全閉吸気圧変換テーブルは、クランク位置A、BおよびCごとにそれぞれ用意され、記憶部55に記憶されている。これら3つの全閉吸気圧変換テーブルの内容はそれぞれ異なる。
また、燃料噴射装置51が行う過渡燃料噴射処理においては、過渡燃料噴射量変換マップを用いて過渡燃料噴射量を決定した後、過渡燃料噴射を実行する前に、必要に応じて、噴射量調整処理が行われる。ここで、エンジン30の1サイクル内におけるあるクランク位置を「基準クランク位置」とし、当該基準クランク位置から1サイクルの範囲を「基準サイクル」といい、当該基準サイクル内において過渡燃料噴射を実行するクランク位置を「実行クランク位置」といい、前記基準サイクル内において前記実行クランク位置よりも前に既に過渡燃料噴射が実行されたクランク位置を「実行済みクランク位置」というとすると、噴射量調整処理とは、実行クランク位置において、補正後の測定吸気圧変化量とエンジン回転数と過渡燃料噴射量変換マップとに基づいて決定した過渡燃料噴射量から、実行済みクランク位置において実行された過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量の合計を引き、これにより得られた過渡燃料噴射量を、実行クランク位置において実行する過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量とする処理である。
例えば、基準クランク位置がクランク位置Aであり、クランク位置AおよびBにおいてそれぞれ過渡燃料噴射が実行され、クランク位置Cにおいてこれから過渡燃料噴射を実行する場合、クランク位置AおよびBがそれぞれ実行済みクランク位置に当たり、クランク位置Cが実行クランク位置に当たる。この場合、噴射量調整処理では、クランク位置Cにおいて、補正後の測定吸気圧変化量とエンジン回転数と過渡燃料噴射量変換マップとに基づいて決定した過渡燃料噴射量から、クランク位置AおよびBにおいてそれぞれ実行された過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量の合計を引き、これにより得られた過渡燃料噴射量を、クランク位置Cにおいて実行する過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量とする。
噴射量調整処理は、実行クランク位置において過渡燃料噴射を実行するときに、当該実行クランク位置が属する基準サイクル内において実行済みクランク位置が存在する場合に実行され、そうでない場合には実行されない。
(過渡燃料噴射量の決定の根拠等)
図4は、エンジン30の回転数がある一定の値の場合におけるクランク位置と吸気圧との関係を、スロットルバルブ44の6通りの開度について示している。図4において、黒塗り菱形で示すポイントを結んだ曲線は、スロットルバルブ44が全閉である場合のクランク位置と吸気圧との関係を示している。白抜き正方形で示すポイントを結んだ曲線は、スロットルバルブ44の開度が6.25%である場合のクランク位置と吸気圧との関係を示している。黒塗り三角形で示すポイントを結んだ曲線は、スロットルバルブ44の開度が12.5%である場合のクランク位置と吸気圧との関係を示している。×印で示すポイントを結んだ曲線は、スロットルバルブ44の開度が25%である場合のクランク位置と吸気圧との関係を示している。黒塗り正方形で示すポイントを結んだ曲線は、スロットルバルブ44の開度が50%である場合のクランク位置と吸気圧との関係を示している。黒塗り円形で示すポイントを結んだ曲線は、スロットルバルブ44が全開(100%)である場合のクランク位置と吸気圧との関係を示している。なお、図4には、吸気バルブ41および排気バルブ42のそれぞれのバルブリフト量とクランク位置との関係も記載されている。
図4からわかる通り、スロットルバルブ44の開度の変化量と吸気圧変化量との間には相関関係がある。したがって、スロットルバルブ44の開度の変化量を吸気圧変化量に置き換え、吸気圧変化量に基づいて過渡燃料噴射量を決定することができる。そして、実験またはシミュレーションにより、吸気圧変化量、エンジン回転数、および過渡燃料噴射量の関係を示す過渡燃料噴射量変換マップを作成することができ、この過渡燃料噴射量変換マップを記憶部55に記憶し、過渡燃料噴射量の決定時に、この過渡燃料噴射量変換マップを参照することにより、吸気圧変化量およびエンジン回転数から過渡燃料噴射量を求めることができる。図7は、過渡燃料噴射量変換マップの一例を示している。
また、図4からわかる通り、スロットルバルブ44の開度の変化量と吸気圧変化量との間の相関関係は、クランク位置によって異なる。したがって、過渡燃料噴射量の決定を行うクランク位置A、BおよびCごとに、実験またはシミュレーションを行って吸気圧変化量、エンジン回転数および過渡燃料噴射量の関係を求め、それぞれ専用の過渡燃料噴射量変換マップを作成する。そして、このようにして作成したクランク位置A、BおよびCにそれぞれ専用の過渡燃料噴射量変換マップを記憶部55に記憶し、クランク位置Aにおける過渡燃料噴射量の決定には、クランク位置A用の過渡燃料噴射量変換マップを参照し、クランク位置Bにおける過渡燃料噴射量の決定には、クランク位置B用の過渡燃料噴射量変換マップを参照し、クランク位置Cにおける過渡燃料噴射量の決定には、クランク位置C用の過渡燃料噴射量変換マップを参照する。これにより、各クランク位置A、B、Cにおいて正確な過渡燃料噴射量を求めることができる。
また、図4からわかる通り、吸気行程内において、スロットルバルブ44の開度の変化に対する吸気圧の変化が大きい。したがって、吸気行程に属するクランク位置BまたはCにおいて吸気圧変化量を用いて過渡燃料噴射量を決定することにより、アクセル操作に応じた吸気圧変化量を高い分解能で捉えることができ、アクセル操作に応じた過渡燃料噴射量を吸気圧変化量に基づいて緻密に定めることができる。
また、図4からわかる通り、膨張行程内および排気行程内においては、スロットルバルブ44の開度が所定の値(例えば6.25%)を超えて増加すると、スロットルバルブ44の開度の変化に対する吸気圧の変化がほとんど生じなくなる。このため、膨張行程または排気行程に属するクランク位置Aにおける吸気圧変化量を用いて決定される過渡燃料噴射量の最大は、全閉から例えば6.25%までのスロットルバルブ44の開度の変化量に対応する量のアクセル操作に応じた過渡燃料噴射量に制限される。
一方、図5は、図4に示すスロットルバルブ44が全閉である場合のクランク位置と吸気圧との関係を抜き出して示している。なお、図5には、吸気バルブ41および排気バルブ42のそれぞれのバルブリフト量とクランク位置との関係も記載されている。また、図6は、スロットルバルブ44が全閉である場合におけるエンジン回転数と吸気圧との関係を示している。
図5からわかる通り、スロットルバルブ44が全閉である場合でもクランク位置により吸気圧が異なる。また、図6からわかる通り、スロットルバルブ44が全閉である場合でも、所定のクランク位置においてエンジン回転数により吸気圧が変化する。すなわち、スロットルバルブ44の開度が変化せず、かつ吸気の流れがほとんどない状態においても、エンジン回転数に応じて吸気圧が変化することが図6からわかる。アクセル操作が行われたときにはスロットルバルブ44の開度の変化とエンジン回転数の変化が同時に起こるので、アクセル操作が行われたときの吸気圧の変化には、スロットルバルブ44の開度の変化に起因する吸気圧変化分と、エンジン回転数の変化に起因する吸気圧変化分とが含まれていると考えられる。そこで、燃料噴射装置51では、過渡燃料噴射量を決定するに際し、クランクセンサ52により測定した1サイクル間の吸気圧変化量(すなわち測定吸気圧変化量)を、スロットルバルブ44が全閉であるときの1サイクル間の吸気圧変化量(すなわち全閉吸気圧変化量)により補正する。具体的には、測定吸気圧変化量から全閉吸気圧変化量を引く。測定吸気圧変化量には、スロットルバルブ44の開度の変化量に対応する部分と、エンジン回転数の変化量に対応する部分が含まれていると考えられ、また、全閉吸気圧変化量はエンジン回転数の変化量に対応する変化量であると考えられるので、測定吸気圧変化量から全閉吸気圧変化量を引くことにより、測定吸気圧変化量は、スロットルバルブ44の開度の変化量に対応した変化量に近くなる。したがって、過渡燃料噴射量の決定に際して測定吸気圧変化量から全閉吸気圧変化量を引く補正を行うことにより、アクセル操作に応じた過渡燃料噴射量の正確性を高めることができる。
また、図示していないが、スロットルバルブ44が全閉である場合において、クランク位置によりエンジン回転数の変化量に対する吸気圧の変化量が異なる。したがって、クランク位置A、BおよびCごとに、それぞれ異なる専用の全閉吸気圧変換テーブルを作成し、これらを記憶部55に記憶し、クランク位置Aにおける全閉吸気圧変化量の決定には、クランク位置A用の全閉吸気圧変換テーブルを参照し、クランク位置Bにおける全閉吸気圧変化量の決定には、クランク位置B用の全閉吸気圧変換テーブルを参照し、クランク位置Cにおける全閉吸気圧変化量の決定には、クランク位置C用の全閉吸気圧変換テーブルを参照することにより、各クランク位置A、B、Cにおいて正確な全閉吸気圧変化量を求めることができる。
(燃料噴射処理の具体例)
図8ないし図11は、燃料噴射装置51が行う過渡燃料噴射処理の具体的な流れを示している。すなわち、図8はクランク位置Aにおいて行われる過渡燃料噴射処理の具体的な流れを示し、図9はクランク位置Bにおいて行われる過渡燃料噴射処理の具体的な流れを示し、図10はクランク位置Cにおいて行われる過渡燃料噴射処理の具体的な流れを示している。図11は、過渡燃料噴射処理において行われる全閉吸気圧変化量を算出する処理の一例として、クランク位置Aにおける全閉吸気圧変化量を算出する処理を示している。
まず、クランク位置Aにおける過渡燃料噴射処理は次の通りである。すなわち、図8に示すように、まず、制御部56は、クランクセンサ52から出力されたクランクパルスを取得したか否かを判断する(ステップS1)。制御部56は、クランプパルスを取得するまで待ち(ステップS1:NO)、クランクパルスを取得した場合には(ステップS1:YES)、取得したクランクパルスに対応するクランク位置がクランク位置Aであるか否かを判断する(ステップS2)。
ステップS1で取得したクランクパルスに対応するクランク位置がクランク位置Aである場合には(ステップS2:YES)、制御部56は、クランク位置Aにおける現在のエンジン回転数Nを算出する(ステップS3)。現在のエンジン回転数Nは、現時点から遡って1サイクル前の時点と当該現時点との間のエンジン回転数の平均値である。
続いて、制御部56は、吸気圧センサ53から、クランク位置Aにおける現在の測定吸気圧値PATを取得し、取得した測定吸気圧値PATを記憶部55に記憶する(ステップS4)。続いて、制御部56は、記憶部55から、クランク位置Aにおける1サイクル前の測定吸気圧値PAT−1を読み出す(ステップS5)。続いて、制御部56は、クランク位置Aにおける現在の測定吸気圧値PATからクランク位置Aにおける1サイクル前の測定吸気圧値PAT−1を引くことにより、クランク位置Aにおける測定吸気圧変化量DPATを算出する(ステップS6)。
続いて、制御部56は、クランク位置Aにおける全閉吸気圧変化量DQを算出する(ステップS7)。全閉吸気圧変化量DQの算出処理は図11に示す通りである。すなわち、図11において、制御部56は、クランクパルスを取得し(ステップS81:YES)、取得したクランクパルスに対応するクランク位置がクランク位置Aである場合には(ステップS82:YES)、クランク位置Aにおける現在のエンジン回転数Nを算出する(ステップS83)。なお、ステップS81ないしS83の処理は、図8中のステップS1ないしステップS3の処理と同じなので省略することができる。続いて、制御部56は、クランク位置A用の全閉吸気圧変換テーブルTEAを参照し、クランク位置Aにおける現在のエンジン回転数Nに対応する全閉吸気圧値Qを決定する(ステップS84)。続いて、制御部56は、この全閉吸気圧値Qを、クランク位置Aにおける現在の全閉吸気圧値として記憶部55に記憶する(ステップS85)。続いて、制御部56はクランク位置Aにおける1サイクル前の全閉吸気圧値QA−1を記憶部55から読み出す(ステップS86)。続いて、制御部56は、クランク位置Aにおける現在の全閉吸気圧値Qからクランク位置Aにおける1サイクル前の全閉吸気圧値QA−1を引くことにより、クランク位置Aにおける全閉吸気圧変化量DQを算出する(ステップS87)。続いて、処理は図8中のステップS8へ移行する。
図8中のステップS8において、制御部56は、クランク位置Aにおける測定吸気圧変化量DPATをクランク位置Aにおける全閉吸気圧変化量DQにより補正する。具体的には、クランク位置Aにおける測定吸気圧変化量DPATからクランク位置Aにおける全閉吸気圧変化量DQを引くことにより、クランク位置Aにおける補正吸気圧変化量DPを算出する。
続いて、制御部56は、閾値THを記憶部55から読み出す(ステップS9)。ここで、閾値THは、例えば過渡燃料噴射を要しない程度の小さな吸気圧変化によって、過渡燃料噴射が実行されないようにするために設けられた値であり、記憶部55に予め記憶されている。
続いて、制御部56は、クランク位置Aにおける補正吸気圧変化量DPが閾値TH以上であるか否かを判断する(ステップS10)。クランク位置Aにおける補正吸気圧変化量DPが閾値TH以上でない場合(ステップS10:NO)、処理はステップS1へ戻る。
一方、クランク位置Aにおける補正吸気圧変化量DPが閾値TH以上である場合には(ステップS10:YES)、制御部56は、クランク位置A用の過渡燃料噴射量変換マップTFAを参照し、クランク位置Aにおける現在のエンジン回転数N、およびクランク位置Aにおける補正吸気圧変化量DPから、クランク位置Aにおける過渡燃料噴射量FATを決定する(ステップS11)。
続いて、制御部56は、クランク位置Aにおける過渡燃料噴射量FATを、クランク位置における実行過渡燃料噴射量Fとし(ステップS12)、インジェクタ54を制御して、実行過渡燃料噴射量Fの過渡燃料噴射を直ちに実行する(ステップS13)。
なお、後述するクランク位置BまたはCにおける過渡燃料噴射処理では、過渡燃料噴射量変換マップを用いて過渡燃料噴射量を決定した後、噴射量調整処理を行うが、クランク位置Aにおける過渡燃料噴射処理では、噴射量調整処理は行わない。すなわち、本具体例では、噴射量調整処理における基準クランク位置がクランク位置Aに設定されており、したがって、クランク位置Aが実行クランク位置である場合、当該実行クランク位置が属する基準サイクル内において実行済みクランク位置が存在することがなく、それゆえ、噴射量調整処理は実行されない。クランク位置Aにおける過渡燃料噴射処理では、噴射量調整処理を行わないため、ステップS12において、過渡燃料噴射量FATを単に実行過渡燃料噴射量Fとする処理を行う。
次に、クランク位置Bにおける過渡燃料噴射処理は次の通りである。クランク位置Bにおける過渡燃料噴射処理は、クランク位置B用の過渡燃料噴射量変換マップTFBおよびクランク位置B用の全閉吸気圧変換テーブルTEBが用いられる点と、処理の最後に噴射量調整処理(ステップS42ないしS44)が行われる点を除き、上述したクランク位置Aにおける過渡燃料噴射処理と同様である。
すなわち、図9に示すように、制御部56は、クランクセンサ52から取得したクランクパルスが対応するクランク位置がクランク位置Bである場合に、クランク位置Bにおける現在のエンジン回転数Nを算出する(ステップS31ないしS33)。続いて、制御部56は、クランク位置Bにおける現在の測定吸気圧値PBTを吸気圧センサ53から取得し、これを記憶部55に記憶した後、クランク位置Bにおける1サイクル前の測定吸気圧値PBT−1を記憶部55から読み出し、クランク位置Bにおける現在の測定吸気圧値PBTからクランク位置Bにおける1サイクル前の測定吸気圧値PBT−1を引くことにより、クランク位置Bにおける測定吸気圧変化量DPBTを算出する(ステップS34ないしS36)。
続いて、制御部56は、クランク位置Bにおける全閉吸気圧変化量DQを算出する処理を実行する(ステップS37)。全閉吸気圧変化量DQの算出処理において、制御部56は、クランク位置B用の全閉吸気圧変換テーブルTEBを参照し、クランク位置Bにおける現在のエンジン回転数Nに対応する全閉吸気圧値Qを決定し、これをクランク位置Bにおける現在の全閉吸気圧値として記憶部55に記憶した後、クランク位置Bにおける1サイクル前の全閉吸気圧値QB−1を記憶部55から読み出し、クランク位置Bにおける現在の全閉吸気圧値Qからクランク位置Bにおける1サイクル前の全閉吸気圧値QB−1を引くことにより、クランク位置Bにおける全閉吸気圧変化量DQを算出する(図11参照)。
続いて、制御部56は、クランク位置Bにおける測定吸気圧変化量DPBTからクランク位置Bにおける全閉吸気圧変化量DQを引くことにより、クランク位置Bにおける補正吸気圧変化量DPを算出し、この補正吸気圧変化量DPが閾値TH以上である場合には、クランク位置B用の過渡燃料噴射量変換マップTFBを参照し、クランク位置Bにおける補正吸気圧変化量DPおよびクランク位置Bにおける現在のエンジン回転数Nから、クランク位置Bにおける過渡燃料噴射量FBTを決定する(ステップS38ないしS41)。
続いて、制御部56は噴射量調整処理を行う。本具体例では、噴射量調整処理における基準クランク位置がクランク位置Aに設定されており、したがって、基準サイクルはクランク位置Aから1サイクルの範囲である。クランク位置Bにおける噴射量調整処理では、クランク位置Bが実行クランク位置であり、クランク位置Aにおいて過渡燃料噴射が実行された場合には、クランク位置Aが実行済みクランク位置となる。
クランク位置Bにおける噴射量調整処理について具体的に説明すると、まず、制御部56は、クランク位置Aにおいて過渡燃料噴射が実行されたか否かを判断する(ステップS42)。クランク位置Aにおいて過渡燃料噴射が実行された場合(ステップS42:YES)、制御部56は、クランク位置Bにおける過渡燃料噴射量FBTからクランク位置Aにおける実行過渡燃料噴射量Fを引き、これにより得られた値をクランク位置Bにおける実行過渡燃料噴射量Fとする(ステップS43)。一方、クランク位置Aにおいて過渡燃料噴射が実行されていない場合には(ステップS42:NO)、制御部56は、クランク位置Bにおける過渡燃料噴射量FBTをクランク位置Bにおける実行過渡燃料噴射量Fとする(ステップS44)。
続いて、制御部56は、インジェクタ54を制御して、実行過渡燃料噴射量Fの過渡燃料噴射を直ちに実行する(ステップS45)。
次に、クランク位置Cにおける過渡燃料噴射処理は次の通りである。クランク位置Cにおける過渡燃料噴射処理は、クランク位置C用の燃料噴射量変換テーブルTFCおよびクランク位置C用の全閉吸気圧変換テーブルTECが用いられる点を除き、上述したクランク位置Bにおける過渡燃料噴射処理と同様である。
すなわち、図10に示すように、制御部56は、クランクセンサ52から取得したクランクパルスが対応するクランク位置がクランク位置Cである場合に、クランク位置Cにおける現在のエンジン回転数Nを算出する(ステップS61ないしS63)。続いて、制御部56は、クランク位置Cにおける現在の測定吸気圧値PCTを吸気圧センサ53から取得し、これを記憶部55に記憶した後、クランク位置Cにおける1サイクル前の測定吸気圧値PCT−1を記憶部55から読み出し、クランク位置Cにおける現在の測定吸気圧値PCTからクランク位置Cにおける1サイクル前の測定吸気圧値PCT−1を引くことにより、クランク位置Cにおける測定吸気圧変化量DPCTを算出する(ステップS64ないしS66)。
続いて、制御部56は、クランク位置Cにおける全閉吸気圧変化量DQを算出する処理を実行する(ステップS67)。全閉吸気圧変化量DQの算出処理において、制御部56は、クランク位置C用の全閉吸気圧変換テーブルTECを参照し、クランク位置Cにおける現在のエンジン回転数Nに対応する全閉吸気圧値Qを決定し、これをクランク位置Cにおける現在の全閉吸気圧値として記憶部55に記憶した後、クランク位置Cにおける1サイクル前の全閉吸気圧値QC−1を記憶部55から読み出し、クランク位置Cにおける現在の全閉吸気圧値Qからクランク位置Cにおける1サイクル前の全閉吸気圧値QC−1を引くことにより、クランク位置Cにおける全閉吸気圧変化量DQを算出する(図11参照)。
続いて、制御部56は、クランク位置Cにおける測定吸気圧変化量DPCTからクランク位置Cにおける全閉吸気圧変化量DQを引くことにより、クランク位置Cにおける補正吸気圧変化量DPを算出し、この補正吸気圧変化量DPが閾値TH以上である場合には、クランク位置C用の過渡燃料噴射量変換マップTFCを参照し、クランク位置Cにおける補正吸気圧変化量DPおよびクランク位置Cにおける現在のエンジン回転数Nから、クランク位置Cにおける過渡燃料噴射量FCTを決定する(ステップS68ないしS71)。
続いて、制御部56は噴射量調整処理を行う。クランク位置Cにおける噴射量調整処理の基準クランク位置は、クランク位置Bにおける噴射量調整処理の基準クランク位置と同じく、クランク位置Aに設定されている。クランク位置Cにおける噴射量調整処理において、まず、制御部56は、クランク位置AまたはBにおいて過渡燃料噴射が実行されたか否かを判断する(ステップS72)。クランク位置AおよびBの双方において過渡燃料噴射が実行された場合(ステップS72:YES)、制御部56は、クランク位置Aにおける実行過渡燃料噴射量Fとクランク位置Bにおける実行過渡燃料噴射量Fとの合計値を、クランク位置Cにおける過渡燃料噴射量FCTから引き、これにより得られた値をクランク位置Cにおける実行過渡燃料噴射量Fとする(ステップS73)。また、クランク位置Aのみにおいて過渡燃料噴射が実行された場合には、制御部56は、クランク位置Aにおける実行過渡燃料噴射量Fをクランク位置Cにおける過渡燃料噴射量FCTから引き、これにより得られた値をクランク位置Cにおける実行過渡燃料噴射量Fとする。また、クランク位置Bのみにおいて過渡燃料噴射が実行された場合には、制御部56は、クランク位置Bにおける実行過渡燃料噴射量Fをクランク位置Cにおける過渡燃料噴射量FCTから引き、これにより得られた値をクランク位置Cにおける実行過渡燃料噴射量Fとする。一方、クランク位置AおよびBのいずれにおいても過渡燃料噴射が実行されていない場合には(ステップS72:NO)、制御部56は、クランク位置Cにおける過渡燃料噴射量FCTをクランク位置Cにおける実行過渡燃料噴射量Fとする(ステップS74)。
続いて、制御部56は、インジェクタ54を制御して、実行過渡燃料噴射量Fの過渡燃料噴射を直ちに実行する(ステップS75)。
以上説明した通り、本発明の実施形態による燃料噴射装置51によれば、全閉吸気圧変化量により補正した測定吸気圧変化量を用いて過渡燃料噴射量を決定するので、過渡運転時における運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量の決定を実現することができる。また、1サイクル内において過渡燃料噴射を行うクランク位置を複数設定し、それぞれのクランク位置において互いに異なる専用の過渡燃料噴射量変換マップおよび全閉吸気圧変換テーブルを用いて過渡燃料噴射量を決定するので、運転操作に応じた正確な過渡燃料噴射量の決定および迅速な過渡燃料噴射の実行を実現することができる。また、1サイクル内において複数設定されたクランク位置のそれぞれにおいて、過渡燃料噴射量の決定後直ちに過渡燃料噴射を実行することにより、過渡運転時における運転操作に応じた迅速な過渡燃料噴射を実現することができる。また、吸気圧変化量およびエンジン回転数に基づき、正確な過渡燃料噴射量の決定と迅速な過渡燃料噴射を行うことができるので、過渡燃料噴射処理を行うに当たり、スロットルバルブ44の開度の検出値が不要となる。したがって、基本燃料噴射処理を行う際にもスロットルバルブ44の開度が不要な場合(基本燃料噴射処理においてスピードデンシティ法を採用している場合)には、スロットルバルブ44の開度を検出するスロットルセンサをエンジン30から廃除することができ、エンジンの小型化および低コスト化を図ることができる。
また、本発明の実施形態による燃料噴射装置51によれば、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置Bを、図3および図4に示すようにスロットルバルブ44の開度の変化に対する吸気圧の変化が大きい吸気行程内に設定することにより、アクセル操作に応じた過渡燃料噴射量を吸気圧変化量を用いて緻密に定めることができる。また、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置Aを膨張行程内または排気行程内に設定することにより、例えば冷機運転時や、低温環境下における運転時、または急でかつ大きなアクセル操作によりスロットルバルブの開度が急にかつ大幅に大きくなった時に、要求される過渡燃料噴射量が急に大きくなった場合でも、過渡燃料噴射量の全量の噴射を確実かつ迅速に実行することができ、過渡燃料噴射の正確性および迅速性を高めることができる。また、吸気行程内において、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置として、クランク位置Bに加えてクランク位置Cを設定し、吸気行程内における2回の過渡燃料噴射を可能にしたことにより、例えばスナップ操作のような素早い小刻みなアクセル操作に応じた正確な過渡燃料噴射を実現することができる。
また、本発明の実施形態による燃料噴射装置51において噴射量調整処理を行うことにより、1サイクル内のクランク位置A、B、Cにおいて決定された複数の過渡燃料噴射量の重複分を除去することができ、過渡燃料噴射量が過大となるのを防止することができる。
なお、上述した実施形態では、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置として、1サイクル内に3つのクランク位置A、BおよびCを設定する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置を1サイクル内に2つにしてもよい。この場合、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行う2つのクランク位置のうちの1つを吸気行程内に設定し、もう1つを膨張行程内または排気行程内に設定する。また、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行う2つのクランク位置のすべてを吸気行程内に設定し、膨張行程内および排気行程内のいずれにも過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置を設定しないこととしてもよい。また、過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行うクランク位置を1サイクル内に4つ以上設定してもよい。
また、上述した実施形態では、測定吸気圧変化量を全閉吸気圧変化量で補正する場合を述べたが、本発明の他の態様においては、測定吸気圧変化量を全閉吸気圧変化量で補正しない構成を採用してもよい。この場合、測定吸気圧変化量を全閉吸気圧変化量で補正する作用効果を得ることができないが、複数のクランク位置のそれぞれにおいて吸気圧変動量およびエンジン回転数に基づいて過渡燃料噴射量の決定および過渡燃料噴射を行う構成により、スロットルセンサを用いることなく、過渡燃料噴射を迅速に行うことができる。
また、上述した実施形態では、本発明の燃料噴射装置を単気筒エンジンに適用する場合を例にあげたが、発明の燃料噴射装置は複数気筒のエンジンにも適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う燃料噴射装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
30 エンジン
31 クランクケース
32 シリンダボディ
33 クランクシャフト
34 ピストン
35 コネクティングロッド
36 シリンダヘッド
37 吸気ポート
38 排気ポート
39 吸気管
40 排気管
41 吸気バルブ
42 排気バルブ
43 点火プラグ
44 スロットルバルブ
51 燃料噴射装置
52 クランクセンサ
53 吸気圧センサ
54 インジェクタ
55 記憶部
56 制御部
57 エンジンコントロールユニット
58 円盤
59 歯

Claims (10)

  1. エンジンにおける燃料噴射を行う燃料噴射装置であって、
    前記エンジンのクランク位置を検出するクランク位置検出部と、
    前記エンジンの回転数を測定する回転数測定部と、
    前記エンジンの吸気圧を測定する吸気圧測定部と、
    前記エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射部と、
    記憶部と、
    過渡運転時における燃料噴射である過渡燃料噴射の量である過渡燃料噴射量を決定すると共に、前記燃料噴射部による過渡燃料噴射を制御する制御部とを備え、
    前記エンジンの1サイクル間の吸気圧の変化量を「吸気圧変化量」といい、前記エンジンの吸気経路を開閉するスロットルバルブが全閉であるときの前記エンジンの吸気圧を「全閉吸気圧」といい、前記エンジンの1サイクル間の全閉吸気圧の変化量を「全閉吸気圧変化量」というとすると、前記記憶部には、所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記エンジンの過渡燃料噴射量との関係を予め定めた過渡燃料噴射量変換データ、および、前記所定のクランク位置における前記エンジンの回転数と前記エンジンの全閉吸気圧との関係を予め定めた全閉吸気圧変換データが記憶され、
    前記制御部は、
    前記クランク位置検出部の検出に基づき前記所定のクランク位置を認識し、
    前記回転数測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数および1サイクル前の回転数を認識し、
    前記吸気圧測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧を認識し、
    前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧に基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量を測定吸気圧変化量として算出し、
    前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数および1サイクル前の回転数、並びに前記全閉吸気圧変換データに基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの全閉吸気圧変化量を算出し、
    前記全閉吸気圧変化量により前記測定吸気圧変化量を補正し、
    当該補正後の測定吸気圧変化量、前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数、および前記過渡燃料噴射量変換データに基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの過渡燃料噴射量を決定することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記所定のクランク位置は前記エンジンの1サイクル内において複数設定され、前記記憶部には、前記複数の所定のクランク位置ごとにそれぞれ定められた互いに異なる複数の前記過渡燃料噴射量変換データ、および、前記複数の所定のクランク位置ごとにそれぞれ定められた互いに異なる複数の前記全閉吸気圧変換データが記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記複数の所定のクランク位置のうちの1つは前記エンジンの吸気行程内に設定され、もう1つは前記エンジンの膨張行程内または排気行程内に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記複数の所定のクランク位置のうちの2つは、前記エンジンの吸気行程内における互いに異なる位置にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記制御部は、前記燃料噴射部を制御し、前記複数の所定のクランク位置のそれぞれにおいて過渡燃料噴射を実行することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  6. 前記エンジンの1サイクル内におけるあるクランク位置を「基準クランク位置」とし、当該基準クランク位置から1サイクルの範囲を「基準サイクル」といい、当該基準サイクル内において過渡燃料噴射を実行するクランク位置を「実行クランク位置」といい、前記基準サイクル内において前記実行クランク位置よりも前に既に過渡燃料噴射が実行されたクランク位置を「実行済みクランク位置」というとすると、前記制御部は、前記実行クランク位置において前記補正後の測定吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記過渡燃料噴射量変換データとに基づいて決定した過渡燃料噴射量から、実行済みクランク位置において実行された過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量の合計を引き、これにより得られた過渡燃料噴射量を、前記実行クランク位置において実行する過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量とすることを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. エンジンにおける燃料噴射を行う燃料噴射装置であって、
    前記エンジンのクランク位置を検出するクランク位置検出部と、
    前記エンジンの回転数を測定する回転数測定部と、
    前記エンジンの吸気圧を測定する吸気圧測定部と、
    前記エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射部と、
    記憶部と、
    過渡運転時における燃料噴射である過渡燃料噴射の量である過渡燃料噴射量を決定すると共に、前記燃料噴射部による過渡燃料噴射を制御する制御部とを備え、
    前記エンジンの1サイクル間の吸気圧の変化量を「吸気圧変化量」というとすると、前記記憶部には、所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記エンジンの過渡燃料噴射量との関係を予め定めた過渡燃料噴射量変換データが記憶され、
    前記制御部は、
    前記クランク位置検出部の検出に基づき前記所定のクランク位置を認識し、
    前記回転数測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数を認識し、
    前記吸気圧測定部の測定により前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧を認識し、
    前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の吸気圧および1サイクル前の吸気圧に基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの吸気圧変化量を測定吸気圧変化量として算出し、
    当該測定吸気圧変化量、前記所定のクランク位置における前記エンジンの現在の回転数、および前記過渡燃料噴射量変換データに基づき、前記所定のクランク位置における前記エンジンの過渡燃料噴射量を決定し、
    前記燃料噴射部を制御し、前記所定のクランク位置において前記決定した過渡燃料噴射量の過渡燃料噴射を実行し、
    前記所定のクランク位置は、前記エンジンの1サイクル内において複数設定され、前記制御部は、前記過渡燃料噴射量の決定および当該決定した過渡燃料噴射量の過渡燃料噴射を前記複数のクランク位置のそれぞれにおいて行うことを特徴とする燃料噴射装置。
  8. 前記複数の所定のクランク位置のうちの1つは前記エンジンの吸気行程内に設定され、もう1つは前記エンジンの膨張行程内または排気行程内に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記複数の所定のクランク位置のうちの2つは、前記エンジンの吸気行程内における互いに異なる位置にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記エンジンの1サイクル内におけるあるクランク位置を「基準クランク位置」とし、当該基準クランク位置から1サイクルの範囲を「基準サイクル」といい、当該基準サイクル内において過渡燃料噴射を実行するクランク位置を「実行クランク位置」といい、前記基準サイクル内において前記実行クランク位置よりも前に既に過渡燃料噴射が実行されたクランク位置を「実行済みクランク位置」というとすると、前記制御部は、前記実行クランク位置において前記測定吸気圧変化量と前記エンジンの回転数と前記過渡燃料噴射量変換データとに基づいて決定した過渡燃料噴射量から、実行済みクランク位置において実行された過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量の合計を引き、これにより得られた過渡燃料噴射量を、前記実行クランク位置において実行する過渡燃料噴射の過渡燃料噴射量とすることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の燃料噴射装置。
JP2014225943A 2014-11-06 2014-11-06 燃料噴射装置 Active JP6354524B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014225943A JP6354524B2 (ja) 2014-11-06 2014-11-06 燃料噴射装置
US14/933,588 US9897032B2 (en) 2014-11-06 2015-11-05 Fuel injection device
DE102015014406.5A DE102015014406B4 (de) 2014-11-06 2015-11-06 Kraftstoffeinspritzvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014225943A JP6354524B2 (ja) 2014-11-06 2014-11-06 燃料噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089740A true JP2016089740A (ja) 2016-05-23
JP6354524B2 JP6354524B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=55803387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014225943A Active JP6354524B2 (ja) 2014-11-06 2014-11-06 燃料噴射装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9897032B2 (ja)
JP (1) JP6354524B2 (ja)
DE (1) DE102015014406B4 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015146930A1 (ja) * 2014-03-25 2015-10-01 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射装置
JP6856504B2 (ja) * 2017-11-29 2021-04-07 本田技研工業株式会社 吸気圧検知装置および電子制御式燃料供給装置
DE102018208037A1 (de) * 2018-05-23 2019-11-28 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Diagnose von Ventilsteuerzeiten einer Brennkraftmaschine
CN113795659B (zh) * 2019-05-03 2024-03-26 沃尔布罗有限责任公司 带节流阀的充气形成装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11247681A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Aisan Ind Co Ltd エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法
JP2002147269A (ja) * 2000-11-09 2002-05-22 Yamaha Motor Co Ltd エンジン制御装置
JP2007224810A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Keihin Corp 内燃機関の燃料噴射装置及び方法
JP2007332944A (ja) * 2006-06-19 2007-12-27 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2008184968A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Mazda Motor Corp ガソリンエンジンの制御装置
JP2012047145A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2012246784A (ja) * 2011-05-25 2012-12-13 Mazda Motor Corp 火花点火式エンジンの制御装置
JP2013194532A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Hitachi Automotive Systems Ltd エンジンの制御装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3767391B2 (ja) * 2001-02-05 2006-04-19 日産自動車株式会社 エンジンの燃料噴射制御装置
DE60239954D1 (de) 2001-10-29 2011-06-16 Yamaha Motor Co Ltd Motorsteuervorrichtung
TWI221505B (en) 2001-10-29 2004-10-01 Yamaha Motor Co Ltd Engine control device
EP1953375A1 (en) 2007-01-30 2008-08-06 Mazda Motor Corporation Method and computer program product of operating an internal combustion engine as well as engine operating system
JP5586733B1 (ja) 2013-04-17 2014-09-10 三菱電機株式会社 内燃機関の燃料噴射量制御装置および内燃機関の燃料噴射量制御方法
JP2014225943A (ja) 2013-05-15 2014-12-04 オークマ株式会社 レゾルバ
US9334826B2 (en) * 2013-08-23 2016-05-10 Ford Global Technologies, Llc Method and system for improved dilution tolerance
US9284909B2 (en) * 2013-08-23 2016-03-15 Ford Global Technologies, Llc Method and system for knock control
JP6129097B2 (ja) * 2014-02-26 2017-05-17 ヤンマー株式会社 ディーゼルエンジン

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11247681A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Aisan Ind Co Ltd エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法
JP2002147269A (ja) * 2000-11-09 2002-05-22 Yamaha Motor Co Ltd エンジン制御装置
JP2007224810A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Keihin Corp 内燃機関の燃料噴射装置及び方法
JP2007332944A (ja) * 2006-06-19 2007-12-27 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2008184968A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Mazda Motor Corp ガソリンエンジンの制御装置
JP2012047145A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2012246784A (ja) * 2011-05-25 2012-12-13 Mazda Motor Corp 火花点火式エンジンの制御装置
JP2013194532A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Hitachi Automotive Systems Ltd エンジンの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE102015014406B4 (de) 2019-03-21
DE102015014406A1 (de) 2016-05-12
US20160131071A1 (en) 2016-05-12
JP6354524B2 (ja) 2018-07-11
US9897032B2 (en) 2018-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6354524B2 (ja) 燃料噴射装置
JP5758862B2 (ja) 内燃機関の筒内圧検出装置
JP4788640B2 (ja) 内燃機関の筒内圧推定方法および筒内圧推定装置
JP2007231883A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3976322B2 (ja) エンジン制御装置
KR101773707B1 (ko) 다기통 엔진
KR102095336B1 (ko) 내연 기관의 목표 흡입관 압력을 결정하기 위한 방법 및 제어 장치
JP2016125363A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2016103548A1 (en) Control device for internal combustion engine
US9903293B2 (en) Diagnostic system for internal combustion engine
JP2012172591A (ja) クランク室圧縮2サイクルエンジンの吸入空気量計測装置
US6840236B2 (en) Engine control device
EP2253820A1 (en) Controller for internal-combustion engine
US10612477B2 (en) Method for calculating a residual gas mass in a cylinder of an internal combustion engine and controller
JP6267279B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2018168701A (ja) Egr制御装置
JP2017057803A (ja) 内燃機関のエンジントルク推定装置
JP6267280B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5240208B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US10408145B2 (en) EGR control device
JP5737205B2 (ja) 筒内圧センサの異常診断装置
JP5263184B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5626182B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5673565B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5527805B2 (ja) 燃料噴射制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180528

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6354524

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151