JP2002147269A - エンジン制御装置 - Google Patents

エンジン制御装置

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JP2002147269A
JP2002147269A JP2000342288A JP2000342288A JP2002147269A JP 2002147269 A JP2002147269 A JP 2002147269A JP 2000342288 A JP2000342288 A JP 2000342288A JP 2000342288 A JP2000342288 A JP 2000342288A JP 2002147269 A JP2002147269 A JP 2002147269A
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Japan
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acceleration
pipe pressure
fuel injection
intake pipe
stroke
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JP2000342288A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Sawada
雄一郎 沢田
Tsunehisa Nakamura
倫久 中村
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クランクシャフトの位相と吸気管圧力とから加
速状態を検出し、それに合わせた加速感が得られるよう
にする。 【解決手段】クランクシャフトの回転角度と吸気管圧力
とから行程状態を検出し、排気行程と吸気行程の所定の
クランク角度で検出した吸気管圧と、前のサイクルの同
じ行程の同じクランク角度の吸気管圧との差圧を吸気管
圧力差ΔPA-MINとして算出し、各クランク角度毎に設
定された閾値と比較し、それが閾値以上であるときには
加速状態であるとして、即座に加速時燃料を噴射する。
加速時燃料噴射量は、エンジン回転数、つまりエンジン
負荷と、吸気管圧力差、つまりスロットル開度差とに応
じて設定する。なお、加速状態を検出して、加速時燃料
を噴射した後は、所定時間加速時燃料が噴射されないよ
うにしてオーバリッチを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを制御す
るエンジン制御装置に関するものであり、特に燃料を噴
射する燃料噴射装置を備えたエンジンの制御に好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、インジェクタと呼ばれる燃料噴射
装置が普及するにつれて、燃料を噴射するタイミングや
噴射燃料量、つまり空燃比などの制御が容易になり、高
出力化、低燃費化、排ガスのクリーン化などを促進する
ことができるようになった。このうち、特に燃料を噴射
するタイミングについては、厳密には吸気バルブの状
態、つまり一般的にはカムシャフトの位相状態を検出
し、それに合わせて燃料を噴射するのが一般的である。
しかしながら、カムシャフトの位相状態を検出するため
の所謂カムセンサは高価であり、特に二輪車などではシ
リンダヘッドが大型化するなどの問題があって採用でき
ないことが多い。そのため、例えば特開平10−227
252号公報では、クランクシャフトの位相状態及び吸
気管圧力を検出し、それらから気筒の行程状態を検出す
るエンジン制御装置が提案されている。従って、この従
来技術を用いることにより、カムシャフトの位相を検出
することなく、行程状態を検出することができるので、
その行程状態に合わせて燃料の噴射タイミングなどを制
御することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うな燃料噴射装置から噴射する燃料噴射量を制御するに
は、例えばエンジン回転数やスロットル開度に応じた目
標空燃比を設定し、実際の吸入空気量を検出して、目標
空燃比の逆比に乗ずれば、目標燃料噴射量を算出するこ
とができる。
【0004】この吸入空気量の検出には、一般的にホッ
トワイヤ式エアフローセンサやカルマン渦流センサが、
それぞれ質量流量及び体積流量を測定するセンサとして
使用されているが、逆流する空気による誤差要因を排除
するため、圧力脈動を抑制する容積体(サージタンク)
を必要としたり、逆流した空気が侵入しない位置への取
付けを必要としたりする。しかしながら、多くの二輪車
のエンジンは各気筒毎への所謂独立吸気系となっている
か、若しくはエンジンそのものが単気筒エンジンであ
り、これらの必要条件を十分に満足することができない
ことが多く、これらの流量センサを用いても吸入空気量
を正確に検出することができない。
【0005】また、吸入空気量の検出は、吸気行程の終
盤か若しくは圧縮行程の初期であり、既に燃料は噴射さ
れているため、この吸入空気量を用いた空燃比制御は、
次のサイクルでしか行えない。このことは、次のサイク
ルまでの間に、例えば運転者がスロットルを開いて加速
しようとしたにもかかわらず、それ以前の目標空燃比で
空燃比制御を行ったために、加速に見合うトルクや出力
を得ることができず、十分な加速感が得られないという
違和感となる。このような問題を解決するためには、ス
ロットルの状態を検出するスロットルバルブセンサやス
ロットルポジションセンサを用いて運転者の加速の意思
を検出すればよいが、特に二輪車の場合には、これらの
センサが大型であったり高価であったりするために採用
できず、問題未解決というのが現状である。
【0006】本発明は前記諸問題を解決すべく開発され
たものであり、スロットルバルブセンサやスロットルポ
ジションセンサを用いることなく、運転者の加速の意思
を検出して空燃比を制御することにより、十分な加速感
が得られるエンジン制御装置を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】而して、本発明のうち請
求項1に係るエンジン制御装置は、4サイクルエンジン
のクランクシャフトの位相を検出する位相検出手段と、
前記エンジンの吸気管内の吸気管圧力を検出する吸気管
圧力検出手段と、この吸気管圧力検出手段で検出された
前回の同じ行程の同じクランクシャフト位相のときの吸
気管圧力と現在の吸気管圧力との差分値が所定値以上で
あるときに加速状態であると検出する加速状態検出手段
と、この加速状態検出手段で加速状態が検出されたとき
に燃料噴射装置から噴射する加速時燃料噴射量を設定す
る加速時燃料噴射量設定手段とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0008】また、本発明のうち請求項2に係るエンジ
ン制御装置は、前記請求項1の発明において、前記加速
時燃料噴射量設定手段は、前記加速状態検出手段で加速
状態が検出されたときに、即座に燃料噴射装置から燃料
が噴射されるように前記加速時燃料噴射量を設定するこ
とを特徴とするものである。また、本発明のうち請求項
3に係るエンジン制御装置は、前記請求項1又は2の発
明において、前記位相検出手段で検出されたクランクシ
ャフトの位相及び吸気管圧力検出手段で検出された吸気
管圧力に基づいて行程の状態を検出する行程状態検出手
段を備え、前記加速状態検出手段は、前記行程状態検出
手段で検出された行程の状態に基づいて加速状態の検出
を行うことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明のうち請求項4に係るエンジ
ン制御装置は、前記請求項3の発明において、前記加速
状態検出手段は、前記行程状態検出手段で検出された行
程が排気行程又は吸気行程の少なくとも何れか一方又は
双方で加速状態の検出を行うことを特徴とするものであ
る。また、本発明のうち請求項5に係るエンジン制御装
置は、前記請求項1乃至4の発明において、前記加速状
態検出手段は、前記吸気管圧力の前回値との差分値の所
定値を、クランクシャフトの位相に応じて設定すること
を特徴とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項6に係るエンジ
ン制御装置は、前記請求項1乃至5の発明において、エ
ンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、
前記加速時燃料噴射量設定手段は、前記加速時燃料噴射
量を、前記運転状態検出手段で検出されたエンジンの運
転状態及び前記吸気管圧力の前回値との差分値に応じて
設定することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のうち請求項7に係るエンジ
ン制御装置は、前記請求項1乃至6の発明において、前
記加速状態検出手段で加速状態を検出し、且つ前記加速
時燃料噴射量設定手段で設定された加速時燃料噴射量が
燃料噴射装置から噴射された後、所定時間、加速状態が
検出されても加速時燃料噴射を行わない規制手段を備え
たことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、例えばオートバイ用のエンジン及
びその制御装置の一例を示す概略構成である。このエン
ジン1は、4気筒4サイクルエンジンであり、シリンダ
ボディ2、クランクシャフト3、ピストン4、燃焼室
5、吸気管6、吸気バルブ7、排気管8、排気バルブ
9、点火プラグ10、点火コイル11を備えている。ま
た、吸気管6内には、アクセル開度に応じて開閉される
スロットルバルブ12が設けられ、このスロットルバル
ブ12の上流側の吸気管6に、燃料噴射装置としてのイ
ンジェクタ13が設けられている。このインジェクタ1
3は、燃料タンク19内に配設されているフィルタ1
8、燃料ポンプ17、圧力制御バルブ16に接続されて
いる。なお、このエンジン1は所謂独立吸気系であり、
前記インジェクタ13は、各気筒の各吸気管6に設けら
れている。
【0013】このエンジン1の運転状態は、エンジンコ
ントロールユニット15によって制御される。そして、
このエンジンコントロールユニット15の制御入力、つ
まりエンジン1の運転状態を検出する手段として、クラ
ンクシャフト3の回転角度、つまり位相を検出するため
のクランク角度センサ20、シリンダボディ2の温度又
は冷却水温度、即ちエンジン本体の温度を検出する冷却
水温度センサ21、排気管8内の空燃比を検出する排気
空燃比センサ22、吸気管6内の吸気管圧力を検出する
ための吸気管圧力センサ24、吸気管6内の温度、即ち
吸気温度を検出する吸気温度センサ25が設けられてい
る。そして、前記エンジンコントロールユニット15
は、これらのセンサの検出信号を入力し、前記燃料ポン
プ17、圧力制御バルブ16、インジェクタ13、点火
コイル11に制御信号を出力する。
【0014】前記エンジンコントロールユニット15
は、図示されないマイクロコンピュータなどによって構
成されている。図2は、このエンジンコントロールユニ
ット15内のマイクロコンピュータで行われるエンジン
制御演算処理の実施形態を示すブロック図である。この
演算処理では、前記クランク角度信号からエンジン回転
数を算出するエンジン回転数算出部26と、同じくクラ
ンク角度信号及び前記吸気管圧力信号からクランクタイ
ミング情報、即ち行程状態を検出するクランクタイミン
グ検出部27と、このクランクタイミング検出部27で
検出されたクランクタイミング情報を読込み、前記吸気
温度信号及び前記吸気管圧信号から吸入空気量を算出す
る吸入空気量算出部28と、前記エンジン回転数算出部
26で算出されたエンジン回転数及び前記吸入空気量算
出部28で算出された吸入空気量に基づいて目標空燃比
を設定したり、加速状態を検出したりすることによ
り、、燃料噴射量と燃料噴射時期を算出設定する燃料噴
射量設定部29と、前記クランクタイミング検出部27
で検出されたクランクタイミング情報を読込み、前記燃
料噴射量設定部29で設定された燃料噴射量及び燃料噴
射時期に応じた噴射パルスを前記インジェクタ13に向
けて出力する噴射パルス出力部30と、前記クランクタ
イミング検出部27で検出されたクランクタイミング情
報を読込み、前記エンジン回転数算出部26で算出され
たエンジン回転数及び前記燃料噴射量設定部29で設定
された燃料噴射量に基づいて点火時期を設定する点火時
期設定部31と、前記クランクタイミング検出部27で
検出されたクランクタイミング情報を読込み、前記点火
時期設定部31で設定された点火時期に応じた点火パル
スを前記点火コイル11に向けて出力する点火パルス出
力部32とを備えて構成される。
【0015】前記エンジン回転数算出部26は、前記ク
ランク角度信号の時間変化率から、エンジンの出力軸で
あるクランクシャフトの回転速度をエンジン回転数とし
て算出する。前記クランクタイミング検出部27は、前
述した特開平10−227252号公報に記載される行
程判別装置と同様の構成を有し、これにより例えば図3
に示すように各気筒毎の行程状態を検出し、それをクラ
ンクタイミング情報として出力する。即ち、4サイクル
エンジンにおいて、クランクシャフトとカムシャフトと
は所定の位相差で常時回転し続けているから、例えば図
3に示すようにクランクパルスが読込まれているとき、
図示“4”のクランクパルスは排気行程か又は圧縮行程
の何れかである。周知のように、排気行程では排気バル
ブが開き、吸気バルブが閉じているので吸気管圧力が高
く、圧縮行程の初期は、未だ吸気バルブが開いているた
めに吸気管圧力が低く、若しくは吸気バルブが閉じてい
ても、先行する吸気行程で吸気管圧力が低くなってい
る。従って、吸気管圧力が低いときの図示“4”のクラ
ンクパルスは二番気筒が圧縮行程にあることを示してお
り、図示“3”のクランクパルスが得られたときが2番
気筒の吸気下死点になる。このようにして、何れかの気
筒の行程状態が検出できれば、各気筒は所定の位相差で
回転しているから、例えば前記2番気筒の吸気下死点で
ある図示“3”のクランクパルスの次の図示“9”のク
ランクパルスが1番気筒の吸気下死点であり、その次の
図示“3”のクランクパルスが3番気筒の吸気下死点で
あり、その次の図示“9”のクランクパルスが4番気筒
の吸気下死点であることになる。そして、この行程の間
を、クランクシャフトの回転速度で補間すれば、現在の
行程状態を更に細かく検出することができる。
【0016】前記吸入空気量算出部28は、図4に示す
ように、前記吸気管圧力信号及びクランクタイミング情
報から吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出部281
と、吸気管圧力から吸入空気の質量流量を検出するため
のマップを記憶している質量流量マップ記憶部282
と、この質量流量マップを用いて検出された吸気管圧力
に応じた質量流量を算出する質量流量算出部283と、
前記吸気温度信号から吸気温度を検出する吸気温度検出
部284と、前記質量流量算出部283で算出された吸
入空気の質量流量と前記吸気温度検出部284で検出さ
れた吸気温度とから吸入空気の質量流量を補正する質量
流量補正部285とを備えて構成されている。つまり、
前記質量流量マップは、例えば吸気温度20℃のときの
質量流量で作成されているため、実際の吸気温度(絶対
温度比)でこれを補正して吸入空気量を算出する。
【0017】本実施形態では、圧縮行程における下死点
から吸気バルブ閉じタイミング間の吸気管圧力値を用い
て吸入空気量を算出する。即ち、吸気バルブ解放時は吸
気管圧力と気筒内圧力とがほぼ同等となるため、吸気管
圧力と気筒内容積及び吸気温度が分かれば気筒内空気質
量を求めることができる。しかしながら、吸気バルブは
圧縮行程開始後もしばらく開いているため、この間に気
筒内と吸気管との間で空気が出入りして、下死点以前の
吸気管圧力から求めた吸入空気量は、実際に気筒内に吸
入された空気量と異なる可能性がある。そのため、同じ
吸気バルブ解放時でも、気筒内と吸気管との間で空気の
出入りがない圧縮行程の吸気管圧力を用いて吸入空気量
を算出する。なお、更に厳密を期すために、既燃ガス分
圧の影響を考慮して、それと相関の高いエンジン回転数
を用いて、実験で求めたエンジン回転数に応じた補正を
施してもよい。
【0018】また、独立吸気系である本実施形態では、
吸入空気量算出のための質量流量マップは、図5に示す
ように、吸気管圧力と比較的リニアな関係のものを用い
ている。これは、求める空気質量がボイルシャルルの法
則(PV=nRT)に基づいているためである。これに
対して、吸気管が全ての気筒で連結されている場合に
は、他の気筒の圧力の影響により、吸気管圧力≒気筒内
圧力という前提が成り立たないため、図に破線で示すよ
うなマップを用いなければならない。
【0019】前記燃料噴射量設定部29は、前記エンジ
ン回転数算出部26で算出されたエンジン回転数26及
び前記吸気管圧力信号に基づいて定常時目標空燃比を算
出する定常時目標空燃比算出部33と、この定常時目標
空燃比算出部33で算出された定常時目標空燃比及び前
記吸入空気量算出部28で算出された吸入空気量に基づ
いて定常時燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する定常
時燃料噴射量算出部34と、この定常時燃料噴射量算出
部34で定常時燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する
のに用いられる燃料挙動モデル35と、前記クランク角
度信号及び吸気管圧力信号及びクランクタイミング検出
部27で検出されたクランクタイミング情報に基づいて
加速状態を検出する加速状態検出手段41と、この加速
状態検出手段41で検出された加速状態に応じて、前記
エンジン回転数算出部26で算出されたエンジン回転数
に応じた加速時燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する
加速時燃料噴射量算出部42とを備えている。前記燃料
挙動モデル35は、実質的に、前記定常時燃料噴射量算
出部34と一体のものである。即ち、燃料挙動モデル3
5がなければ、吸気管内噴射を行う本実施形態では、正
確な燃料噴射量や燃料噴射時期の算出設定ができないの
である。なお、燃料挙動モデル35は、前記吸気温度信
号及びエンジン回転数及び冷却水温度信号を必要とす
る。
【0020】前記定常時燃料噴射量算出部34と燃料挙
動モデル35とは、例えば図6のブロック図のように構
成されている。ここでは、前記インジェクタ13から吸
気管6内に噴射される燃料噴射量をMF-INJ 、そのうち
吸気管6壁に付着する燃料付着率をXとすると、前記燃
料噴射量MF-INJ のうち、気筒内に直接噴射される直接
流入量は((1−X)×MF-INJ )となり、吸気管壁に
付着する付着量は(X×MF-INJ )となる。この付着し
た燃料のうちの幾らかは吸気管壁に沿って気筒内に流れ
込む。その残量を燃料残留量MF-BUF とすると、この燃
料残留量MF-BU F のうち、吸気流れによって持ち去られ
る持ち去り率をτとすると、持ち去られて気筒内に流入
量は(τ×MF-BUF )となる。
【0021】そこで、この定常時燃料噴射量算出部34
では、まず前記冷却水温度TW から冷却水温補正係数テ
ーブルを用いて冷却水温補正係数KW を算出する。一
方、前記吸入空気量MA-MAN に対し、例えばスロットル
開度が零であるときに燃料をカットする燃料カットルー
チンを行い、次に吸入空気温度TA を用いて温度補正さ
れた空気流入量MA を算出し、これに前記目標空燃比A
0 の逆比を乗じ、更に前記冷却水温補正係数KW を乗
じて要求燃料流入量MF を算出する。これに対して、前
記エンジン回転数NE 及び吸気管内圧力PA-MAN から燃
料付着率マップを用いて前記燃料付着率Xを求めると共
に、同じくエンジン回転数NE 及び吸気管内圧力P
A-MAN から持ち去り率マップを用いて前記持ち去り率τ
を算出する。そして、前回の演算時に求めた燃料残留量
F-BUF に前記持ち去り率τを乗じて燃料持ち去り量M
F-TAを算出し、これを前記要求燃料流入量MF から減じ
て前記燃料直接流入量MF-DIR を算出する。前述のよう
に、この燃料直接流入量MF-DIRは、前記燃料噴射量M
F-INJ の(1−X)倍であるから、ここでは(1−X)
で除して定常時燃料噴射量MF-INJ を算出する。また、
前回までに吸気管に残留した燃料残留量MF-BUF のう
ち、((1−τ)×MF-BUF )が今回も残留するため、
これに前記燃料付着量(X×MF-INJ )を和して、今回
の燃料残留量MF-BUFとする。
【0022】なお、前記吸入空気量算出部28で算出さ
れる吸入空気量が、これから爆発(膨張)行程に入る吸
気行程の一つ前のサイクルの吸気行程の終盤又はそれに
続く圧縮行程の初期で検出されたものであるため、この
定常時燃料噴射量算出部34で算出設定される定常時燃
料噴射量及び燃料噴射時期も、その吸入空気量に応じ
た、一つ前のサイクルの結果である。
【0023】また、前記加速状態検出部41は、加速状
態閾値テーブルを有している。これは、後述するよう
に、前記吸気管圧力信号のうち、現在と同じ行程で且つ
同じクランク角度での吸気管圧力と現在の吸気管圧力と
の差分値を求め、その値を所定の値と比較して加速状態
であることを検出するための閾値であり、具体的には各
クランク角度毎に異なる。従って、加速状態の検出に
は、前記吸気管圧力の前回値との差分値を、各クランク
角度で異なる所定値と比較して行う。
【0024】この加速状態検出部41と前記加速時燃料
噴射量算出部42とは、実質的に図7の演算処理で一括
に行われる。この演算処理は、例えば30°に設定され
た所定の角度のクランク角度パルス信号が入力される毎
に実行される。なお、この演算処理では、特に通信のた
めのステップを設けていないが、演算処理で得られた情
報は随時記憶装置に記憶され、また演算処理に必要な情
報は随時記憶装置から読込まれる。特に、この演算処理
では、読込まれた吸気管圧力を、そのときのクランク角
度と関連づけて、例えばシフトレジスタのような順次記
憶装置に、クランクシャフト二回転分更新記憶される。
【0025】この演算処理では、まずステップS1で前
記吸気管圧力信号から吸気管圧力P A-MAN を読込む。次
にステップS2に移行して、前記クランク角度信号から
クランク角度ACSを読込む。次にステップS3に移行し
て、前記エンジン回転数算出部26からのエンジン回転
数NE を読込む。
【0026】次にステップS4に移行して、同ステップ
内で行われる個別の演算処理に従って、前記クランクタ
イミング情報から行程状態を検出する。次にステップS
5に移行して、同ステップ内で行われる個別の演算処理
に従って、現在の行程が排気行程か又は吸気行程か否か
を判定し、現在の行程が排気行程か又は吸気行程である
場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはス
テップS7に移行する。
【0027】前記ステップS6では、加速時燃料噴射禁
止カウンタnが、加速時燃料噴射を許可する所定値n0
以上であるか否かを判定し、当該加速時燃料噴射禁止カ
ウンタnが所定値n0 以上である場合にはステップS8
に移行し、そうでない場合にはステップS9に移行す
る。前記ステップS8では、クランクシャフト二回転
前、つまり前回の同じ行程における同じクランク角度A
CSの吸気管圧力(以下、吸気管圧力前回値とも記す)P
A-MAN-L を読込んでからステップS10に移行する。
【0028】前記ステップS10では、前記ステップS
1で読込んだ現在の吸気管圧力PA- MAN から前記吸気管
圧力前回値PA-MAN-L を減じて吸気管圧力差ΔPA-MAN
を算出してからステップS11に移行する。前記ステッ
プS11では、同ステップ内で行われる個別の演算処理
に従って、前記加速状態閾値テーブルから同クランク角
度ACSの加速状態吸気管圧力差閾値ΔPA-MAN0を読込ん
でからステップS12に移行する。
【0029】前記ステップS12では、前記加速時燃料
噴射禁止カウンタnをクリアしてからステップS13に
移行する。前記ステップS13では、前記ステップS1
0で算出した吸気管圧力差ΔPA- MAN が、前記ステップ
S11で読込んだ同クランク角度ACSの加速状態吸気管
圧力差閾値ΔPA-MAN0以上であるか否かを判定し、当該
吸気管圧力差ΔPA-MAN が加速状態吸気管圧力差閾値Δ
A-MAN0以上である場合にはステップS14に移行し、
そうでない場合には前記ステップS7に移行する。
【0030】一方、前記ステップS9では、前記加速時
燃料噴射禁止カウンタnをインクリメントしてから前記
ステップS7に移行する。前記ステップS14では、同
ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記ス
テップS10で算出した吸気管圧力差ΔPA-MAN 及びス
テップS3で読込んだエンジン回転数NE に応じた加速
時燃料噴射量MF-ACC を三次元マップから算出してから
ステップS15に移行する。
【0031】また、前記ステップS7では、前記加速時
燃料噴射量MF-ACC を零に設定してから前記ステップS
15に移行する。前記ステップS15では、前記ステッ
プS14又はステップS7で設定された加速時燃料噴射
量MF-ACC を出力してからメインプログラムに復帰す
る。なお、この実施形態では加速時燃料噴射時期を、前
記加速状態検出部41で加速状態が検出されたとき、つ
まり前記図7の演算処理のステップS13で、吸気管圧
力差ΔPA-MAN が加速状態吸気管圧力差閾値ΔPA-MAN0
以上であると判定されたら、即座に燃料噴射する、換言
すれば加速状態であると判定されたときに加速時燃料を
噴射するものとする。
【0032】また、前記点火時期設定部31は、前記エ
ンジン回転数算出部26で算出されたエンジン回転数及
び目標空燃比算出部33で算出された目標空燃比に基づ
いて基本点火時期を算出する基本点火時期算出部36
と、前記加速時燃料噴射量算出部42で算出された加速
時燃料噴射量に基づいて前記基本点火時期算出部36で
算出された基本点火時期を補正する点火時期補正部8と
を備えて構成される。
【0033】前記基本点火時期算出部36は、現在のエ
ンジン回転数と、そのときの目標空燃比で、最も発生ト
ルクが大きくなる点火時期をマップ検索などにより求
め、基本点火時期として算出する。つまり、この基本点
火時期算出部36で算出される基本点火時期は、前記定
常時燃料噴射量算出部34と同様に、一つ前のサイクル
の吸気行程の結果に基づいている。また、前記点火時期
補正部38では、前記加速時燃料噴射量算出部42で算
出された加速時燃料噴射量に応じ、この加速時燃料噴射
量が前記定常時燃料噴射量に加算されたときの気筒内空
燃比を求め、その気筒内空燃比が前記定常時目標空燃比
算出部33で設定された目標空燃比と大きく異なるとき
に、当該気筒内空燃比、エンジン回転数、吸気管圧力を
用いて新たな点火時期を設定することで点火時期を補正
するものである。
【0034】次に、前記図7の演算処理の作用を図8の
タイミングチャートに従って説明する。このタイミング
チャートでは、時刻t06までスロットル一定であり、そ
の時刻t06から時刻t15まで比較的短い時間にスロット
ルがリニアに開かれ、その後、再びスロットル一定とな
った。この実施形態では、排気上死点より少し前から圧
縮下死点より少し後まで、吸気バルブが解放されるよう
に設定されている。図中に示す菱形のプロットを伴う曲
線が吸気管圧力であり、図の下端部に示されるパルス上
の波形が燃料噴射量である。前述したように、吸気管圧
力が急速に減少する行程が吸気行程であり、それに続い
て圧縮行程、膨張(爆発)行程、排気行程の順でサイク
ルが繰り返される。この吸気管圧力曲線の菱形のプロッ
トは、クランク角度30°毎のパルスを示しており、そ
のうちの○で囲んだクランク角度位置(240°)で、
エンジン回転数に応じた目標空燃比を設定すると共に、
そのときに検出した吸気管圧力を用いて前記定常時燃料
噴射量及び燃料噴射時期を設定する。このタイミングチ
ャートでは、時刻t02で設定した定常時燃料噴射量の燃
料を時刻t03で噴射、以下同様に、時刻t05で設定し、
時刻t07で噴射、時刻t09で設定し、時刻t10で噴射、
時刻t11で設定し、時刻t12で噴射、時刻t13で設定
し、時刻t14で噴射、時刻t17で設定し、時刻t18で噴
射している。このうち、例えば時刻t09で設定され且つ
時刻t10で噴射される定常時燃料噴射量は、それ以前の
定常時燃料噴射量に比して、既に吸気管圧力が高く、そ
の結果、大きな吸入空気量が算出されているために、多
く設定されているが、定常時燃料噴射量を設定するのは
凡そ圧縮行程、定常時燃料噴射時期は排気行程であるた
め、定常時燃料噴射量には、そのときの運転者の加速意
思がリアルタイムに反映されているわけではない。即
ち、前記時刻t06でスロットルが開け始められている
が、その後の時刻t07で噴射される定常時燃料噴射量
は、時刻t06より早い前記時刻t05で設定されているた
め、加速意志に反して少量しか噴射されていない。
【0035】一方、本実施形態では、前記図7の演算処
理によって、前記排気行程から吸気行程、図8に示す白
抜きの菱形のクランク角度で、前のサイクルにおける同
クランク角度の吸気管圧力PA-MAN を比較し、その差分
値を吸気管圧力差ΔPA-MANとして算出し、それを閾値
ΔPA-MAN0と比較する。例えば、スロットル開度が一定
である時刻t01と時刻t04、或いは時刻t16と時刻t19
におけるクランク角度300°の吸気管圧力P
A-MAN(300deg) 同士を比較すると、夫々殆ど同じで、前
回値との差分値、つまり吸気管圧力差ΔPA-MAN は小さ
い。ところが、スロットル開度が大きくなる時刻t08
クランク角度300°の吸気管圧力P
A-MAN(300d eg) は、その前のサイクル、つまり未だスロ
ットル開度が小さいときの前記時刻t04のクランク角度
300°の吸気管圧力PA-MAN(300deg) に対して、大き
くなっている。従って、この時刻t08のクランク角度3
00°の吸気管圧力PA-MAN( 300deg) から前記時刻t04
のクランク角度300°の吸気管圧力PA-MAN(300deg )
を減じた吸気管圧力差ΔPA-MAN(300deg) を閾値ΔP
A-MAN0(300deg)と比較し、当該吸気管圧力差ΔP
A-MAN(300deg) が閾値ΔPA-MAN0(300deg)より大きけれ
ば、加速状態にあると検出できる。
【0036】ちなみに、この吸気管圧力差ΔPA-MAN
よる加速状態検出は、吸気行程の方が顕著である。例え
ば、吸気行程におけるクランク角度120°の吸気管圧
力差ΔPA-MAN(120deg) は明瞭に表れやすい。しかしな
がら、エンジンの特性によっては、例えば図8に二点鎖
線で示すように、吸気管圧力曲線が急峻な、所謂ピーキ
ーな特性を示し、検出されるクランク角度と吸気管圧力
とにずれが生じ、その結果、算出する吸気管圧力差にず
れが生じる恐れがある。そのため、吸気管圧力曲線が比
較的緩やかな排気行程まで加速状態の検出範囲を伸ば
し、両方の行程で吸気管圧力差による加速状態検出を行
う。勿論、エンジンの特性によっては、何れか一方の行
程でのみ、加速状態検出を行うようにしてもよい。
【0037】なお、本実施形態のような4サイクルエン
ジンでは、排気行程も吸気行程も、クランクシャフト二
回転に一度しか行われない。従って、単に前記クランク
角度だけ検出しても、カムセンサを備えていない本実施
形態のような二輪車用エンジンでは、それらの行程であ
ることが分からない。そこで、前記クランクタイミング
検出部27で検出されたクランクタイミング情報に基づ
く行程状態を読込み、それらの行程であることを判定し
てから、前記吸気管圧力差ΔPA-MAN による加速状態検
出を行う。これにより、より正確な加速状態検出が可能
となる。
【0038】また、前述のクランク角度が300°の吸
気管圧力差ΔPA-MAN(300deg) と、クランク角度が12
0°の吸気管圧力差ΔPA-MAN(120deg) とでははっきり
しないが、例えば図8に示すクランク角度が360°の
吸気管圧力差ΔPA-MAN(360d eg) と比較すれば明瞭なよ
うに、同等のスロットル開状態でも、各クランク角度で
前回値との差分値である吸気管圧力差ΔPA-MAN は異な
る。従って、前記加速状態吸気管圧力差閾値ΔPA-MAN0
は、各クランク角度ACS毎に変更しなければならない。
そこで、本実施形態では、加速状態を検出するために、
各クランク角度ACS毎に加速状態吸気管圧力差閾値ΔP
A-MAN0をテーブル化して記憶しておき、それを各クラン
ク角度ACS毎に読込んで、前記吸気管圧力差ΔPA-MAN
との比較を行う。これにより、より正確な加速状態の検
出が可能となる。
【0039】そして、本実施形態では、加速状態が検出
された時刻t08で、エンジン回転数NE 及び前記吸気管
圧力差ΔPA-MAN に応じた加速時燃料噴射量M
F-ACC を、即座に噴射している。加速時燃料噴射量M
F-ACC をエンジン回転数NE に応じて設定するのは極め
て一般的であり、通常は、エンジン回転数が大きいほど
燃料噴射量を小さく設定する。また、吸気管圧力差ΔP
A-MAN は、スロットル開度の変化量と同等であることか
ら、吸気管圧力差が大きいほど燃料噴射量を大きく設定
する。実質的に、これだけの燃料噴射量の燃料を噴射し
ても、既に吸気管圧力は高く、次の吸気行程では、より
多くの吸入空気量が吸入されるはずであるから、気筒内
空燃比が小さくなりすぎて、ノッキングを起こすような
ことはない。そして、本実施形態では、加速状態検出時
に即座に加速時燃料を噴射するようにしているため、こ
れから爆発行程に移行する気筒内空燃比を加速状態に適
した空燃比に制御することができると共に、加速時燃料
噴射量をエンジン回転数及び吸気管圧力差に応じて設定
することで、運転者の意図した加速感を得ることができ
る。
【0040】また、本実施形態では、加速状態を検出
し、且つ加速時燃料噴射量が燃料噴射装置から噴射され
た後、前記加速時燃料噴射禁止カウンタnが、加速時燃
料噴射を許可する所定値n0 以上となるまでは、加速状
態が検出されても加速時燃料噴射を行わない構成とした
ため、加速時燃料噴射が繰り返されて、気筒内空燃比が
オーバリッチな状態になるのを抑制防止することができ
る。
【0041】なお、前記実施形態では、吸入管内噴射型
エンジンについて詳述したが、本発明のエンジン制御装
置は、直噴型エンジンにも同様に展開できる。但し、直
噴型エンジンでは、吸気管に燃料が付着することはない
から、それを考慮する必要はなく、空燃比の算出には噴
射される燃料量総量を代入すればよい。また、前記実施
形態では、気筒数が4気筒の、所謂マルチシリンダ型エ
ンジンについて詳述したが、本発明のエンジン制御装置
は、単気筒エンジンにも同様に展開できる。
【0042】また、エンジンコントロールユニットは、
マイクロコンピュータに代えて各種の演算回路で代用す
ることも可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係るエンジン制御装置によれば、4サイクルエン
ジンのクランクシャフトの位相を検出すると共に、吸気
管内の吸気管圧力を検出し、前回の同じ行程の同じクラ
ンクシャフト位相のときの吸気管圧力と現在の吸気管圧
力との差分値が所定値以上であるときに加速状態である
と検出し、加速状態が検出されたときに燃料噴射装置か
ら噴射する加速時燃料噴射量を設定する構成としたた
め、この加速時燃料噴射量の燃料を、吸気行程中か、そ
れ以前に燃料噴射装置から噴射すれば、これから爆発行
程に移行する気筒内空燃比を加速状態に適した空燃比に
制御することができ、その結果、十分な加速感が得られ
る。
【0044】また、本発明のうち請求項2に係るエンジ
ン制御装置によれば、加速状態が検出されたときに、即
座に燃料噴射装置から燃料が噴射されるように加速時燃
料噴射量を設定する構成としたため、吸気管圧力から加
速状態を検出するタイミングが排気行程か若しくは吸気
行程であっても、これから爆発行程に移行する気筒内空
燃比を加速状態に適した空燃比に制御することができ
る。
【0045】また、本発明のうち請求項3に係るエンジ
ン制御装置によれば、クランクシャフトの位相及び吸気
管圧力に基づいて行程の状態を検出し、検出された行程
の状態に基づいて加速状態の検出を行う構成としたた
め、加速状態を正確に検出することができる排気行程か
吸気行程での吸気管圧力の前回値との差分値を用いて、
加速状態を正確に検出することが可能となる。
【0046】また、本発明のうち請求項4に係るエンジ
ン制御装置によれば、行程が排気行程又は吸気行程の少
なくとも何れか一方又は双方で加速状態の検出を行う構
成としたため、加速状態を正確に検出することができ
る。また、本発明のうち請求項5に係るエンジン制御装
置によれば、加速状態を検出するための吸気管圧力の前
回値との差分値の所定値を、クランクシャフトの位相に
応じて設定する構成としたため、同様の加速状態にあっ
ても、クランクシャフトの位相毎に異なる吸気管圧力の
前回値との差分値に応じて所定値を変更して、より正確
に加速状態を検出することができる。
【0047】また、本発明のうち請求項6に係るエンジ
ン制御装置によれば、エンジンの運転状態を検出し、こ
のエンジンの運転状態及び吸気管圧力の前回値との差分
値に応じて加速時燃料噴射量を設定する構成としたた
め、設定される加速時燃料噴射量を運転者の加速意思に
合わせることができ、これにより運転者の意図した加速
感を得ることができる。
【0048】また、本発明のうち請求項7に係るエンジ
ン制御装置によれば、加速状態を検出し、且つ加速時燃
料噴射量が燃料噴射装置から噴射された後、所定時間、
加速状態が検出されても加速時燃料噴射を行わない構成
としたため、気筒内空燃比が、所謂オーバリッチな状態
になるのを抑制防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートバイ用のエンジン及びその制御装置の概
略構成図である。
【図2】本発明のエンジン制御装置の一実施形態を示す
ブロック図である。
【図3】クランクシャフトの位相と吸気管圧力から行程
状態を検出する説明図である。
【図4】吸入空気量算出部のブロック図である。
【図5】吸気管圧力から吸入空気の質量流量を求める制
御マップである。
【図6】燃料噴射量算出部及び燃料挙動モデルのブロッ
ク図である。
【図7】加速状態検出及び加速時燃料噴射量算出のため
の演算処理を示すフローチャートである。
【図8】図7の演算処理の作用を示すタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
1はエンジン 3はクランクシャフト 4はピストン 5は燃焼室 6は吸気管 7は吸気バルブ 8は排気管 9は排気バルブ 10は点火プラグ 11は点火コイル 12はスロットルバルブ 13はインジェクタ 15はエンジンコントロールユニット 20はクランク角度センサ 21は冷却水温度センサ 24は吸気管圧力センサ 25は吸気温度センサ 27はクランクタイミング検出部(行程状態検出手段) 28は吸入空気量算出部 29は燃料噴射量設定部 31は点火時期設定部 33は定常時目標空燃比算出部 34は定常時燃料噴射量算出部 41は加速状態検出部(加速状態検出手段) 42は加速時燃料噴射量算出部(加速時燃料噴射量算出
手段)
フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 BA13 BA15 BA17 CA04 DA05 EA04 EA07 EA11 EB08 EC01 EC03 FA02 FA07 FA11 FA17 FA20 FA33 FA38 3G301 JA03 JA28 KA12 MA11 MA18 NA08 NB03 NC02 NC06 ND45 NE01 NE22 NE23 PA01Z PA07Z PA10Z PB05Z PB10Z PD03A PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4サイクルエンジンのクランクシャフト
    の位相を検出する位相検出手段と、前記エンジンの吸気
    管内の吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段と、こ
    の吸気管圧力検出手段で検出された前回の同じ行程の同
    じクランクシャフト位相のときの吸気管圧力と現在の吸
    気管圧力との差分値が所定値以上であるときに加速状態
    であると検出する加速状態検出手段と、この加速状態検
    出手段で加速状態が検出されたときに燃料噴射装置から
    噴射する加速時燃料噴射量を設定する加速時燃料噴射量
    設定手段とを備えたことを特徴とするエンジン制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記加速時燃料噴射量設定手段は、前記
    加速状態検出手段で加速状態が検出されたときに、即座
    に燃料噴射装置から燃料が噴射されるように前記加速時
    燃料噴射量を設定することを特徴とする請求項1に記載
    のエンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 前記位相検出手段で検出されたクランク
    シャフトの位相及び吸気管圧力検出手段で検出された吸
    気管圧力に基づいて行程の状態を検出する行程状態検出
    手段を備え、前記加速状態検出手段は、前記行程状態検
    出手段で検出された行程の状態に基づいて加速状態の検
    出を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のエン
    ジン制御装置。
  4. 【請求項4】 前記加速状態検出手段は、前記行程状態
    検出手段で検出された行程が排気行程又は吸気行程の少
    なくとも何れか一方又は双方で加速状態の検出を行うこ
    とを特徴とする請求項3に記載のエンジン制御装置。
  5. 【請求項5】 前記加速状態検出手段は、前記吸気管圧
    力の前回値との差分値の所定値を、クランクシャフトの
    位相に応じて設定することを特徴とする請求項1乃至4
    の何れかに記載のエンジン制御装置。
  6. 【請求項6】 エンジンの運転状態を検出する運転状態
    検出手段を備え、前記加速時燃料噴射量設定手段は、前
    記加速時燃料噴射量を、前記運転状態検出手段で検出さ
    れたエンジンの運転状態及び前記吸気管圧力の前回値と
    の差分値に応じて設定することを特徴とする請求項1乃
    至5の何れかに記載のエンジン制御装置。
  7. 【請求項7】 前記加速状態検出手段で加速状態を検出
    し、且つ前記加速時燃料噴射量設定手段で設定された加
    速時燃料噴射量が燃料噴射装置から噴射された後、所定
    時間、加速状態が検出されても加速時燃料噴射を行わな
    い規制手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の
    何れかに記載のエンジン制御装置。
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