JPH11247681A - エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法

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JPH11247681A
JPH11247681A JP10046575A JP4657598A JPH11247681A JP H11247681 A JPH11247681 A JP H11247681A JP 10046575 A JP10046575 A JP 10046575A JP 4657598 A JP4657598 A JP 4657598A JP H11247681 A JPH11247681 A JP H11247681A
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JP
Japan
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supply amount
engine
amount
injection
fuel
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JP10046575A
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English (en)
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Hirokazu Konohara
弘和 此原
Hiroyasu Sugimoto
浩庸 杉本
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷の変動を真に反映させた分割噴射を行う
ことができる燃料噴射制御装置およびその方法を提供
し,定常運転時の良好な燃焼状態と過渡運転時の適切な
追従との両立性の向上を図ること。 【解決手段】 吸気バルブが開く前に吸気量APを測定
しそれに基づく供給量GPの80%のガソリンを噴射し
(Q1 ,第1の噴射),吸気バルブが開いてから吸気量
Sを測定しそれに基づく供給量GSから量Q1 を差し引
いた量のガソリンを噴射する(Q2 ,第2の噴射)。こ
れにより,必要なガソリン量の大部分は吸気バルブが開
く前に噴射され十分に気化してから燃焼室に流入するの
で,燃焼状態がよく排気の清浄性や燃料経済性に優れ
る。その一方,燃焼室に流入するガソリンの総量は,当
該気筒の当該周期における負荷に対応しているので,過
渡運転状態においても追随性がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,エンジンの1サイ
クルにおける燃料噴射を2回に分けて行う分割噴射の燃
料噴射制御に関する。さらに詳細には,定常運転時の良
好な燃焼状態と過渡運転時の適切な追従との両立性の向
上を図ったエンジンの燃料噴射制御装置およびその方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等に用いられるエンジンには,気
筒ごとの吸気ポートに設けられた噴射ノズルから燃料を
供給するポート噴射式のものがある。この方式のエンジ
ンでは,当該気筒の吸気が開始されるより相当前に燃料
を噴射したほうが,燃焼室内に供給される混合気の気化
状態がよく,排気の清浄性(特には未燃焼炭化水素が少
ないこと)や燃料経済性等の観点から望ましい。しか
し,定常状態はともかく加速時のような過渡状態を考え
ると,吸気に間に合う範囲内でなるべく遅い時点で吸気
量を測定してそれに見合う量の燃料を噴射したほうが,
負荷の変動に対する良好な追従性の観点から望ましい。
このように,定常状態と過渡状態とで相反する要求があ
る。
【0003】従来の燃料噴射制御には,このような定常
状態と過渡状態とで相反する要求に答えるため,例え
ば,特開昭63−138135号公報に示されるよう
に,1サイクル当たりの燃料の噴射を,2回に分けて行
う分割噴射といわれるものがある。すなわち,図4に示
すように,吸気バルブが開き始めるタイミングより相当
早くに噴射する第1の噴射91と,吸気バルブが開き始
める直前に噴射する第2の噴射92とを,1回の吸気行
程に対して行うのである。そして,第1の噴射91と第
2の噴射92との噴射量の分担割合を所定の分割比で設
定するとともに,第1の噴射91から第2の噴射92に
至る間の負荷の変動に基づく噴射量の過不足分を,第2
の噴射92で補償するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,前記し
た従来の分割噴射に係る燃料噴射制御には,次のような
問題点があった。すなわち,第2の噴射92を,吸気バ
ルブが開き始める直前に行っているので,第2の噴射9
2での燃料噴射量を決定するための吸気量の測定を,吸
気バルブが開き始めるタイミングより相当早くに行う必
要がある。ところが,負荷の変動が当該気筒の当該周期
における吸気量に反映されるのは当該気筒の吸気が実際
に始まってからであるから,このようなタイミングで測
定された吸気量には負荷の変動があまり反映されていな
いのである。吸気バルブが開く前に測定した吸気量か
ら,何らかの予測制御により当該周期における吸気量を
推定して燃料噴射量を決定することもできるが,過渡運
転時にはそれでも誤差が無視できない。このため,負荷
の変動を十分には第2の噴射92での燃料噴射量に反映
させることができず,過渡時の追従性はなお不十分であ
った。
【0005】本発明は,前記した従来の技術が有する問
題点の解決を目的としてなされたものである。すなわち
その課題とするところは,負荷の変動を真に反映させた
分割噴射を行うことができる燃料噴射制御装置および燃
料噴射制御方法を提供し,定常運転時の良好な燃焼状態
と過渡運転時の適切な追従との両立性の向上を図ること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決を目的と
してなされた本発明は,エンジンの負荷に基づいて1サ
イクル当たりの必要な燃料供給量を決定し,その決定さ
れた燃料供給量に基づいてエンジンへの燃料噴射を行わ
せるエンジンの燃料噴射制御装置であって,エンジンの
吸気が始まる前の負荷(1)に基づいて第1の供給量を
決定する第1供給量決定手段と,前記第1の供給量の燃
料をエンジンの吸気が始まる前に噴射させる第1噴射制
御手段と,エンジンの吸気が始まってからの負荷(2)
に基づいて第2の供給量を決定する第2供給量決定手段
と,前記第2の供給量の燃料をエンジンの吸気が行われ
ているときに噴射させる第2噴射制御手段とを有してい
る。
【0007】または,エンジンの負荷に基づいて1サイ
クル当たりの必要な燃料供給量を決定し,その決定され
た燃料供給量に基づいてエンジンへの燃料噴射を行わせ
るエンジンの燃料噴射制御方法であって,エンジンの吸
気が始まる前に負荷(1)を計測し,その負荷(1)に
基づいて第1の供給量を決定し,前記第1の供給量の燃
料をエンジンの吸気が始まる前に噴射させ,エンジンの
吸気が始まってから負荷(2)を計測し,その負荷
(2)に基づいて第2の供給量を決定し,前記第2の供
給量(2)の燃料をエンジンの吸気が行われているとき
に噴射させる方法である。
【0008】かかる本発明においては,前記第1の供給
量が,前記負荷(1)に対し1サイクル当たりの必要な
燃料供給量より少なく(好ましくは75〜85%の範囲
内),前記第2の供給量が,前記負荷(2)に対し1サ
イクル当たりの必要な燃料供給量から前記第1の供給量
を差し引いた量であることが望ましい。また,エンジン
の負荷は,例えばエンジンの吸気量をもってこれに充て
ればよい。さらには,スロットル開度やアクセル操作
量,あるいはエンジン回転数や温度等のパラメータを加
味してもよい。
【0009】かかる本発明によれば,まず,エンジン
(の当該気筒)の吸気が始まる前に,その時点での負荷
(1)に基づいて第1の供給量が決定され,その第1の
供給量の燃料が噴射させられる。このときの噴射量であ
る第1の供給量は,負荷(1)に対し1サイクル当たり
の必要な燃料供給量の大部分を占める量である。また,
この噴射はエンジンの吸気が始まる前になされるので,
このとき噴射された燃料はエンジンの吸気が始まるまで
には十分に気化する。これにより,特に定常運転時にお
ける良好な燃焼状態が確保され,もって排気の清浄性や
燃料経済性の向上が図られる。
【0010】そして,エンジンの吸気が始まってから,
その時点での負荷(2)に基づいて第2の供給量が決定
され,その第2の供給量の燃料が噴射させられる。この
ときの噴射量である第2の供給量は,負荷(2)に対し
1サイクル当たりの必要な燃料供給量から第1の供給量
を差し引いた量であり,言い換えると,吸気開始前の噴
射時に噴射しなかった残りの供給量に負荷(2)に基づ
く補償を行った量である。ここで使用している負荷
(2)は,エンジンの吸気が開始されてからのものであ
り,過渡状態であってもその変動を的確に反映してい
る。このため,過渡運転時においても良好な追従性が発
揮される。なお,全供給量のうち大部分は吸気開始前の
噴射時に噴射され良好な気化状態で燃焼に供されるの
で,排気の清浄性や燃料経済性を損なうことはない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下,本発明に係る実施の形態に
ついて,図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形
態は,図1に示すようなエンジン1の燃料噴射システム
に,本発明を適用したものである。すなわちこの燃料噴
射システムでは,エンジン1の吸気バルブ2とエアクリ
ーナ3とを結ぶ吸気管4に,上流側から,エアフローメ
ータ5,スロットルバルブ6,燃料噴射ノズル7が設け
られている。スロットルバルブ6は,スロットルモータ
8に接続されている。また,燃料噴射ノズル7には,ガ
ソリンタンク9からガソリンが供給されるようになって
いる。ここで,エアフローメータ5およびスロットルバ
ルブ6は,吸気管4における各気筒への分岐箇所より上
流に設けられており,他の気筒をも受け持つものであ
る。これに対し燃料噴射ノズル7は,分岐箇所より下流
に各気筒ごとに設けられており,各々が1つの気筒を受
け持つ。
【0012】この燃料噴射システムには,燃料噴射ノズ
ル7やスロットルモータ8等のアクチュエータ類を統括
制御するECU10が設けられている。ECU10は,
燃料噴射ノズル7やスロットルモータ8に駆動信号を送
信するほか,エアフローメータ5から吸気量の検知信号
を受信するようになっている。また,アクセルペダル1
1の踏み込み量を検知するアクセルセンサ12やエンジ
ン1のクランク角センサ13からも検知信号を受信する
ようになっている。この燃料噴射システムでは,アクセ
ルセンサ12からアクセル踏み込み量の信号を受信した
ECU10が,スロットルモータ8を介してスロットル
バルブ6の開度制御をするとともに,その時の吸気量の
検知信号をエアフローメータ5から受信しそれに基づき
各気筒の燃料噴射ノズル7を開閉制御してエンジン1の
コントロールがなされる。すなわちECU10は,エン
ジン1の燃料噴射制御装置であり,公知のCPU,RO
M,RAM等を組み合わせてなるマイコンで構成されて
いる。
【0013】この燃料噴射システムでは,図2に示すよ
うに,吸気バルブ2が閉じているうち(このときエンジ
ン1の燃焼室では,圧縮,燃焼,排気が行われている)
に第1の噴射(Q1)が行われ,吸気バルブ2が開いて
から第2の噴射(Q2)が行われる。すなわち分割噴射
である。なお図2には,2周期分の動作が示されてい
る。噴射された合計(Q1+Q2)の量のガソリンは,開
いている吸気バルブ2を通って空気とともにエンジン1
の燃焼室に流入し,圧縮,燃焼,排気の対象となる。こ
の分割噴射の,ECU10による制御について,図3の
フローチャートを参照して説明する。
【0014】(S1,S2)このフローではまず,吸気
バルブ2が開いているか否かの確認がなされる(S
1)。吸気バルブ2の開閉状態によって噴射すべきガソ
リンの量の決定方法が異なるからである。この確認は,
クランク角センサ13の検知信号と,ECU10が有し
ているバルブタイミングの情報とにより行われる。吸気
バルブ2が閉じていた場合には(S1:No),第1の
噴射がすでに行われたか否かが判断される(S2)。吸
気バルブ2が閉じてから開くまでの間に第1の噴射を2
回以上行わないようにするためである。この判断は,E
CU10の内蔵RAMに設けられているフラグによる。
第1の噴射がまだ済んでいない場合には(S2:N
o),第1の噴射を行うため,S3〜S6の処理が行わ
れる。
【0015】(S3,S4)まず,エアフローメータ5
の検知信号により,吸気量AP が検知される(S3)。
この時点では吸気バルブ2が閉じているが,他の気筒に
よる吸入や空気の慣性のために,吸気管4にはエンジン
1の負荷に対応する流量の空気が流れている。このた
め,吸気量AP は,この時点でのエンジン1の負荷を示
している。そして,S3で検知された吸気量APに基づ
き,ガソリンの供給量GPが決定される(S4)。この
とき決定される供給量GP は,分割噴射を行わずに1周
期当たり1回のみ噴射を行うとした場合に,吸気量AP
に対して最適なガソリンの量である。この決定は,吸気
量の各値に対してあらかじめテーブルとしてECU10
の内蔵ROMに用意されている供給量の値を読み出すこ
とにより行われる。
【0016】(S5,S6)しかし,S4で決定された
供給量GP のガソリンが直ちに全部噴射されるわけでは
ない。その前に,供給量GPに所定の係数αが掛けら
れ,第1の噴射量Q1が求められる(S5)。計数α
は,ECU10の内蔵ROMにあらかじめ用意されてい
る数値であり,本実施の形態では0.8とする。そして
燃料噴射ノズル7に,噴射量Q1 のガソリンを噴射する
ように指令が発せられる(S6)。このため,吸気量A
Pに対し最適な供給量GPの80%に当たる量Q1 のガソ
リンが燃料噴射ノズル7から噴射される。これが第1の
噴射である。このとき噴射されたガソリンは,この時点
では吸気バルブ2が閉じているため直ちにはエンジン1
の燃焼室に流入せず,吸気バルブ2が開くまでその手前
側に留まる。なお,このS6の噴射指令の際,ECU1
0の内蔵RAMでは第1の噴射が済んだ旨のフラグが立
てられる。このため,以後フローが反復されても,S2
でYesと判断されるので,吸気バルブ2が開く前に再
度第1の噴射が行われることはない。
【0017】(S7)エンジン1のクランク角が進行し
て吸気バルブ2が開くと,(S1:Yes)の判断がな
され,S7以下の処理に移行する。第2の噴射を行うた
めである。なお,第1の噴射が済んだ旨のフラグがこの
ときにリセットされ,次周期における第1の噴射が可能
な状態とされる。そして,第2の噴射がすでに行われた
か否かが判断される(S7)。吸気バルブ2が開いてか
ら閉じるまでの間に第2の噴射を2回以上行わないよう
にするためである。この判断は,ECU10の内蔵RA
Mに設けられているフラグによる。第2の噴射がまだ済
んでいない場合には(S7:No),第2の噴射を行う
ため,S8〜S11の処理が行われる。
【0018】(S8,S9)まず,エアフローメータ5
の検知信号により,吸気量AS が検知される(S8)。
吸気量AS は,エンジン1の当該周期における負荷を示
している。そして,S8で検知された吸気量ASに基づ
き,ガソリンの供給量GSが決定される(S9)。ここ
では,S4での供給量GPの決定の場合のテーブルから
同様に吸気量ASに対応する値を読み出すことにより供
給量GSが決定される。すなわち供給量GSは,分割噴射
を行わずに1周期当たり1回のみ噴射を行うとした場合
に,吸気量ASに対して最適なガソリンの量である。
【0019】(S10,S11)そして,第2の噴射量
2 が求められる(S10)。ここでは,S6で噴射さ
れた量Q1をS9で決定した供給量GSから差し引くこと
により,第2の噴射量Q2が決定される。そして燃料噴
射ノズル7に,噴射量Q2のガソリンを噴射するように
指令が発せられる(S11)。このため,吸気量AS
対し最適な供給量GSから第1の噴射ですでに噴射した
量Q1を差し引いた量Q2のガソリンが燃料噴射ノズル7
から噴射される。これが第2の噴射である。このとき噴
射されたガソリンは,この時点では吸気バルブ2が開い
ているため直ちにエンジン1の燃焼室に流入する。ま
た,第1の噴射の時点(S6)で噴射されたガソリン
は,吸気バルブ2が開くまでにほぼ完全に気化してお
り,吸気バルブ2が開くのと同時にエンジン1の燃焼室
に流入する。なお,このS11の噴射指令の際,ECU
10の内蔵RAMでは第2の噴射が済んだ旨のフラグが
立てられる。このため,以後フローが反復されても,S
7でYesと判断されるので,吸気バルブ2が閉じる前
に再度第2の噴射が行われることはない。
【0020】かくして,第1の噴射および第2の噴射で
供給された(Q1+Q2)の量のガソリンがエンジン1の
燃焼室に流入し,吸気バルブ2が閉じた後の圧縮,燃
焼,排気に供されることとなる。その後,エンジン1の
クランク角が進行して吸気バルブ2が閉じると,(S
1:No)の判断がなされて次周期のS2以下の処理に
移行する。なお,第2の噴射が済んだ旨のフラグがこの
ときにリセットされ,次周期における第2の噴射が可能
な状態とされる。
【0021】かかる制御フローによれば,吸気バルブ2
が開きそして閉じるまでにエンジン1の燃焼室に流入す
るガソリンの総量は,S9で決定した供給量GS に等し
い。そして供給量GSは,S8で計測された吸気量AS
基づいている。ここで,吸気量AS は,吸気バルブ2が
開いてから測定された値なので,エンジン1の当該気筒
の当該周期における負荷を正確に反映している。このた
め,吸気バルブ2が開く前に第2の噴射の噴射量を決定
する制御の場合よりも過渡運転状態における追随性が良
好である。
【0022】その一方,供給量GS のおよそ80%は,
吸気バルブ2が閉じているうちに噴射される(第1の噴
射)ので,噴射されてからエンジン1の燃焼室に流入す
るまでの間に十分に気化し,空気とよく混合した状態と
なる。このため,燃焼室内での燃焼状態がよく,特に定
常運転状態において排気の清浄性や燃料経済性に優れて
いる。
【0023】ここで,図3のフローチャート中のS5
(第1の噴射量Q1 の決定)で用いられる計数αについ
て,さらに説明する。計数αは,S4で決定された供給
量GP(吸気バルブ2が開く前の吸気量に対し最適なガ
ソリン供給量)のうち,第1の噴射の際に噴射される量
が占める割合である。したがってその数値は,0<α<
1の範囲内の実数である。
【0024】計数αをこの範囲内でなるべく大きくする
(1に近づける)と,その分多くのガソリンが第1の噴
射の時点で噴射されるので,エンジン1の燃焼室に流入
する時点で良好に気化しているガソリンがその分多くな
り,燃焼状態の向上により排気の清浄性や燃料経済性に
優れることとなる。反面,第2の噴射の時点での調整幅
が小さくなるので,負荷が増大しつつあるときはともか
く負荷が減少しつつあるときには,エンジン1の燃焼室
に流入するガソリンの総量が過剰になる場合がある。
【0025】一方,計数αを前記の範囲内でなるべく小
さくする(0に近づける)と,第2の噴射の時点での調
整幅がその分大きくなるので,負荷が増大しつつあると
きはもちろん負荷が減少しつつあるときでも,エンジン
1の燃焼室に流入するガソリンの総量が過剰になること
がない。反面,第1の噴射の時点で噴射されるガソリン
の量はその分少なくなるので,エンジン1の燃焼室に流
入する時点で良好に気化しているガソリンが少なく,燃
焼状態,ひいては排気の清浄性や燃料経済性(特に定常
運転時)に関しては不利となる。
【0026】これらを総合的に勘案すると,計数αの値
は前記の範囲内でも0.75〜0.85の範囲内が好まし
い。本実施の形態で採用した0.8は,その範囲内の中
央値である。
【0027】以上詳細に説明したように,本実施の形態
では,吸気バルブ2が開く前に測定された吸気量AP
基づく供給量GPの一部(80%)のガソリン(Q1
を吸気バルブ2が開く前に噴射する(第1の噴射)とと
もに,吸気バルブ2が開いてから吸気量ASを測定しそ
れに基づく供給量GSから既に噴射した量Q1 を差し引
いた量Q2 のガソリンを噴射する(第2の噴射)ことと
した。このため,必要なガソリン量の大部分は吸気バル
ブ2が開く前に噴射され吸気管4内で十分に気化してか
らエンジン1の燃焼室に流入するので,燃焼状態がよく
排気の清浄性や燃料経済性に優れている。これは特に定
常運転状態において顕著である。その一方,吸気バルブ
2が開いてからエンジン1の燃焼室に流入するガソリン
の総量は,当該気筒の当該周期における負荷に対応して
いるので,過渡運転状態においても追随性がよい。これ
により,定常運転状態における排気の清浄性や燃料経済
性と過渡運転状態における良好な追随性とを両立させた
燃料噴射制御装置およびその方法が実現されている。
【0028】なお,前記実施の形態は単なる例示にすぎ
ず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本
発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良,変形が可能である。例えば,ガソリンの供給量
P,GSの決定(図3のフローチャート中のS4,S
9)では,単に吸気量AP,ASに基づくだけでなくそれ
以外の要素(エンジン1の回転数,温度,アクセル踏み
込み量など)を加味するようにしてもよい。また,第1
の噴射量Q1 の決定(図3のフローチャート中のS5)
に用いる計数αは,0.8に限らず他の数値でもよい。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば,負荷の変動を真に反映させた分割噴射を行うこ
とができるエンジンの燃料噴射制御装置および燃料噴射
制御方法が提供されている。これにより,定常時には良
好な燃焼状態で運転しつつ,過渡運転時には負荷の変動
に適切に追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るエンジンの燃料噴射システム
の構成を説明する図である。
【図2】実施の形態に係る分割噴射のタイミングチャー
トである。
【図3】実施の形態に係る分割噴射を実行する制御を説
明するフローチャートである。
【図4】従来の分割噴射のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気バルブ 5 エアフローメータ 10 ECU(燃料噴射制御装置)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの負荷に基づいて1サイクル当
    たりの必要な燃料供給量を決定し,その決定された燃料
    供給量に基づいてエンジンへの燃料噴射を行わせるエン
    ジンの燃料噴射制御装置において,エンジンの吸気が始
    まる前の負荷(1)に基づいて第1の供給量を決定する
    第1供給量決定手段と,前記第1の供給量の燃料をエン
    ジンの吸気が始まる前に噴射させる第1噴射制御手段
    と,エンジンの吸気が始まってからの負荷(2)に基づ
    いて第2の供給量を決定する第2供給量決定手段と,前
    記第2の供給量の燃料をエンジンの吸気が行われている
    ときに噴射させる第2噴射制御手段とを有することを特
    徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するエンジンの燃料噴射
    制御装置において,前記第1の供給量が,前記負荷
    (1)に対し1サイクル当たりの必要な燃料供給量の7
    5〜85%の範囲内にあり,前記第2の供給量が,前記
    負荷(2)に対し1サイクル当たりの必要な燃料供給量
    から前記第1の供給量を差し引いた量であることを特徴
    とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンの負荷に基づいて1サイクル当
    たりの必要な燃料供給量を決定し,その決定された燃料
    供給量に基づいてエンジンへの燃料噴射を行わせるエン
    ジンの燃料噴射制御方法において,エンジンの吸気が始
    まる前に負荷(1)を計測し,その負荷(1)に基づい
    て第1の供給量を決定し,前記第1の供給量の燃料をエ
    ンジンの吸気が始まる前に噴射させ,エンジンの吸気が
    始まってから負荷(2)を計測し,その負荷(2)に基
    づいて第2の供給量を決定し,前記第2の供給量(2)
    の燃料をエンジンの吸気が行われているときに噴射させ
    ることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載するエンジンの燃料噴射
    制御方法において,前記第1の供給量が,前記負荷
    (1)に対し1サイクル当たりの必要な燃料供給量の7
    5〜85%の範囲内にあり,前記第2の供給量が,前記
    負荷(2)に対し1サイクル当たりの必要な燃料供給量
    から前記第1の供給量を差し引いた量であることを特徴
    とするエンジンの燃料噴射制御方法。
JP10046575A 1998-02-27 1998-02-27 エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法 Pending JPH11247681A (ja)

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