JP2016089274A - ホットスタンプ用めっき鋼板 - Google Patents

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剛 箕輪
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広司 入江
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彬 川上
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Abstract

【課題】ホットスタンプ工程の制約を極力抑えて、ホットスタンプ部品成形時に発生するLMEクラックを抑制し、鋼部品を良好に製造することのできる、ホットスタンプ用めっき鋼板を提供する。
【解決手段】素地鋼板の少なくとも片面にめっき層を有するホットスタンプ用めっき鋼板であって、前記素地鋼板は、規定の成分を含み、かつ前記めっき層は、素地鋼板側から順にNiめっき層とZnめっき層を有し、単位g/m2で表されるZnめっき層の付着量をX、前記Yは、単位g/m2で表されるNiめっき層の付着量をYとしたときに、前記Znめっき層と前記Niめっき層の合計付着量が50g/m2以下の場合は、100×Y/(X+Y)≧10を満たし、前記合計付着量が50g/m2超の場合は、100×Y/(X+Y)≧15を満たすホットスタンプ用めっき鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホットスタンプ用めっき鋼板に関する。特には、亜鉛めっき鋼板をホットスタンプに用いる場合に生じる溶融金属脆化を抑制することのできる、ホットスタンプ用めっき鋼板に関する。上記溶融金属脆化を、以下、LME(Liquid Metal Embrittlement)という。
自動車用部品の製造において、近年では、高強度化と複雑な形状の両立が可能な技術として、鋼板を高温でプレスして製造するホットスタンプ技術が提案されている。以下では、ホットプレスに供する鋼板を「ブランク」ということがある。ホットスタンプは、熱間成形、ホットプレスなどとも呼ばれており、上記ブランクを、オーステナイト+フェライトの温度域、即ちAc変態点以上の高温にまで加熱し、プレス加工する方法である。該ブランクの加熱工程を、以下「ホットスタンプの加熱工程」ということがある。また、このホットスタンプの加熱工程と、これに続く該ブランクをプレス成形する部品成形工程とを、以下「ホットスタンプ工程」と総称する場合がある。このホットスタンプ法によれば、高強度でありながら、複雑な形状の自動車用部品等のホットスタンプ部品を得ることができる。
前記ブランクとして、熱間圧延後に酸洗して得られる鋼板、即ち「熱延酸洗鋼板」や、更に冷間圧延して得られる冷延鋼板が用いられる他、耐食性向上の観点から、上記熱延酸洗鋼板や冷延鋼板の少なくとも片面にめっきを施しためっき鋼板も使用される。前記めっき鋼板は、主に、Zn系めっき鋼板とAl系めっき鋼板に大別されるが、耐食性などを考慮し、Znめっき鋼板が汎用されている。よって、ホットスタンプにもZnめっき鋼板がブランクとして用いられる。
しかしZnめっき鋼板をホットスタンプに用いる場合、LMEの発生が問題となる。Znめっきを構成するZnは、融点が419℃、沸点が907℃であり、ホットスタンプの加熱温度域では液相または気相となる。前記LMEは、ブランクであるZnめっき鋼板の加熱工程で、上記の通り融点の低い亜鉛が溶融し、部品成形工程で素地鋼板の粒界へ溶融亜鉛が侵入することにより生じる。このLMEによって発生したクラックは、クラックの深さによっては、成形部品の耐衝撃性・耐久性を大きく損なうといった問題がある。以下、上記LMEによって発生したクラックを「LMEクラック」という。
この問題を回避する手法として、例えば特許文献1の技術が提案されている。この技術は、ホットスタンプの加熱工程で亜鉛と鉄の合金化を進行させ、LMEクラック深さを低減させたものである。めっき中のFe%を増加させるため、部品成形を行う前処理として300℃以上まで加熱を行い、そのときの加熱処理時間を長く、例えば300〜1000秒とする工夫を行うものである。しかしながら、この特許文献1に開示された手法は、部品製造工程の増加や、設定温度の異なる加熱炉を2個以上必要とすること、更には加熱処理時間の延長を強いられるため、実用的とは言い難い。
また自動車部品の製造では、前記ホットスタンプ後に化成処理及び電着塗装が施される。該電着塗装において、塗膜密着性は、ホットスタンプ後の部品の表面状態に強く影響を受ける。一方、ブランクにめっき材を用いる場合、ホットスタンプ工程は大気中で加熱を行うことが一般的であり、加熱時間に伴ってめっき層表面の酸化が進む。上記特許文献1の手法の通り加熱処理時間が長いと、酸化膜の成長が進みすぎて、良好な塗膜密着性を確保し難いと思われる。
特表2012−512747号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、ホットスタンプ工程の制約を極力抑えつつ、部品成形工程で生じ易いLMEクラックを抑制し、鋼部品を良好に製造するための、ホットスタンプ用めっき鋼板を実現することにある。尚、本発明において「LMEクラックの抑制」とは、LMEクラック深さの低減と、LMEクラック発生防止の、一方または両方を意味する。
上記課題を解決し得た本発明のホットスタンプ用めっき鋼板は、素地鋼板の少なくとも片面にめっき層を有するホットスタンプ用めっき鋼板であって、前記素地鋼板は、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.5〜3%、およびAl:0.01〜0.5%を含有し、かつ、前記めっき層は、素地鋼板側から順に、Niめっき層とZnめっき層を有し、前記Znめっき層の付着量と前記Niめっき層の付着量の合計付着量が50g/m2以下の場合は、下記式(1)を満たし、前記合計付着量が50g/m2超の場合は、下記式(2)を満たすところに特徴を有する。
100×Y/(X+Y)≧10・・・(1)
100×Y/(X+Y)≧15・・・(2)
式(1)および式(2)において、XはZnめっき層の付着量、YはNiめっき層の付着量を示し、単位はいずれもg/m2である。
前記素地鋼板は、更に質量%で、下記(I)〜(V)の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
(I)Bを0%超0.005%以下
(II)Tiを0%超0.10%以下
(III)CrおよびMoの少なくとも1種の元素を合計で0%超1%以下
(IV)Nb、ZrおよびVよりなる群から選択される1種以上の元素を合計で0%超0.1%以下
(V)CuおよびNiの少なくとも1種の元素を合計で0%超1%以下
本発明によれば、ホットスタンプ工程の制約を極力抑えつつ、部品成形工程で生じ易いLMEクラックを抑制し、鋼部品を良好に製造することができる。
図1は、実施例におけるLME評価のための曲げ加工を示した概略説明図である。 図2は、実施例における曲げ加工後のL曲げ材からの観察試料採取位置を示す図である。 図3は、実施例における表2のNo.3のFE−SEM(Field Emission−Scanning Electron Microscope)観察写真である。 図4は、実施例におけるLMEクラック深さの測定位置を説明する図である。
ホットスタンプで成形した部品のLMEクラックが深くなる原因として、前述の通り、ブランクの加熱時、つまり亜鉛めっき鋼板の加熱時に鋼板表面に溶融亜鉛が多量に生成し、部品成形時に溶融亜鉛が素地鋼板と接触して、素地鋼板の粒界へ溶融亜鉛が侵入することが考えられる。そこで、ホットスタンプの加熱工程で生じる溶融亜鉛量を低減すべく、また、生成した溶融亜鉛が鋼板素地に接触するのを回避すべく、その具体的手段について検討を行った。
その結果、素地鋼板側から順に、Niめっき層とZnめっき層とを有する積層めっき構造とすれば、LMEクラックを抑制できることを見出した。以下、上記Niめっき層とZnめっき層を併せて「積層めっき」ということがある。
そして更に、LMEクラックを確実に抑制すると共に、めっき層が本来有する耐食性等を具備させる観点から、上記Niめっき層とZnめっき層の付着量のバランスについて更に検討を行った。
その結果、前記Znめっき層の付着量と前記Niめっき層の付着量の合計付着量に応じて、該合計付着量に対するNiめっき付着量の割合を制御すればよいことを見出した。尚、以下では、前記Znめっき層の付着量を「Znめっき付着量」、前記Niめっき層の付着量を「Niめっき付着量」、前記Znめっき層の付着量と前記Niめっき層の付着量の合計付着量を「合計付着量」、合計付着量に対するNiめっき付着量の割合を、単に「Niめっき付着量の割合」ということがある。また、上記付着量は、片面あたりの付着量をいう。以下同じである。
具体的には、前記合計付着量が50g/m2以下の場合は、下記式(1)を満たし、前記合計付着量が50g/m2超の場合は、下記式(2)を満たすようにする。
100×Y/(X+Y)≧10・・・(1)
100×Y/(X+Y)≧15・・・(2)
式(1)および式(2)において、XはZnめっき層の付着量、YはNiめっき層の付着量を示し、単位はいずれもg/m2である。
上記積層めっきとすることにより、ホットスタンプの加熱工程で上記Niめっき層とZnめっき層の間で合金化が生じ、融点の高い合金含有めっき層が形成されるため、溶融亜鉛量が減少し、LMEクラックを抑制できると考えられる。また素地鋼板側にNiめっき層を有する積層めっきを形成することで、積層めっきと鋼板素地の界面及びその近傍のNi濃度が高くなる濃度勾配が形成され、積層めっきと鋼板素地の界面及びその近傍のめっき層の融点が高まる、つまり、積層めっきと鋼板素地の界面及びその近傍のめっき層の溶融亜鉛量が減少するため、溶融亜鉛と鋼板素地が接触するのを回避し、LMEクラックを抑制できると考えられる。
上記の通り、本発明では、合計付着量に応じて、上記Niめっき層とZnめっき層の付着量のバランス制御が異なる。以下では、合計付着量の各範囲に分けて説明する。
合計付着量が50g/m2以下の場合、Niめっき層の付着量の割合、即ち、100×Y/(X+Y)は、上記式(1)の通り10質量%以上必要である。Niめっき付着量の割合が高くなるほど、積層したZnめっきとNiめっきが合金化しためっきの融点が、Zn単層めっきに比べて高くなるため、LMEクラックが抑制されやすくなる。よって、前記100×Y/(X+Y)の下限は10質量%以上とする。上記100×Y/(X+Y)の下限は、好ましくは11質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは14質量%以上、より更に好ましくは18質量%以上である。一方、Niめっき付着量の割合が著しく高くなると、犠牲防食能を発揮するZnめっき付着量が相対的に減少するため、耐食性の低下を招きやすくなる。よって前記100×Y/(X+Y)の上限は、55質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。
合計付着量が50g/m2以下の場合、該合計付着量の下限は、耐食性確保の観点から20g/m2以上とすることが好ましく、より好ましくは25g/m2以上、更に好ましくは30g/m2以上である。
尚、100×Y/(X+Y)が10質量%以上15質量%未満の場合は、Niめっき付着量の割合が比較的少ないため、ホットスタンプの加熱工程で積層めっきの合金化を促進させてLMEクラックの抑制を十分図るには、合計付着量を抑えることが好ましい。この観点から、100×Y/(X+Y)が10質量%以上15質量%未満の場合は、前記合計付着量を48g/m2以下とすることが好ましく、より好ましくは45g/m2以下、さらに好ましくは42g/m2以下である。
一方、合計付着量が50g/m2を超える場合、Niめっき付着量の割合、即ち、100×Y/(X+Y)は、上記式(2)の通り15質量%以上必要である。Niめっき付着量の割合が高くなるほど、積層したZnめっきとNiめっきが合金化しためっきの融点が、Zn単層めっきに比べて高くなるため、溶融亜鉛量が減少する。さらに全付着量が増加することで、生成する溶融亜鉛の相対量が増加しても、鋼板素地界面及びその近傍の高融点の合金層が厚くなり、溶融亜鉛と鋼板素地の接触を回避するため、LMEクラックが抑制されやすくなる。よって、前記100×Y/(X+Y)の下限は、好ましくは16質量%以上、より好ましくは17質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。一方、Niめっき付着量の割合が著しく高くなると、犠牲防食能を発揮するZnめっき付着量が相対的に減少するため、耐食性の低下を招きやすくなる。よって前記100×Y/(X+Y)の上限は、55質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。
また、合計付着量が50g/m2を超える場合、該合計付着量の好ましい上限は次の通りである。即ち、合計付着量が120g/m2を超えると、Znめっき付着量も多くなる。そうすると、ホットスタンプの加熱工程で溶融したZnがプレス成形時に金型へ付着しやすくなる。これは、Znめっき付着量が増加すると、Niめっき層のNi原子がZnめっき表層付近まで拡散するのに時間を要するため、Znめっき表層付近ではプレス成形時に融点の高い合金層が形成され難いことに起因する。Znが金型に付着したままプレス成形を行うと、付着したZnがブランク材と接触しつつ成形が行われるため、成形部品の外観品質が損なわれる。これを防止するため、金型を研磨するなど設備メンテナンスの頻度が著しく増加してしまう。これらの観点から、合計付着量は120g/m2以下とすることが好ましく、より好ましくは110g/m2以下、更に好ましくは100g/m2以下である。
Niめっき層とは、実質的にNiから成るめっき層であり、例えばNiを95質量%以上、好ましくは97質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上含み、残部が不可避的不純物からなるものが挙げられる。
Znめっき層とは、実質的にZnから成るめっき層であり、例えばZnを95質量%以上、好ましくは97質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上含み、残部が不可避的不純物からなるものが挙げられる。
めっき成分の分析は、下記(A)や(B)の方法で行うことができる。
(A)めっき表面を、グロー放電発光分析法(GD−OES、Glow Discharge−Optical Emission Spectroscopy)にて定量分析を行い、Znめっき量とNiめっき量を測定する方法。
(B)めっき鋼板の表面を、10wt%HNO3に浸漬させ、めっき層及び母材を溶解させ、溶解液を、誘導結合プラズマ(ICP、Inductively Coupled Plasma)発光分析法にて定量分析を行う。母材成分にめっき成分が含まれる場合、めっき層を研磨等で除去したのち、10質量%HNO3に浸漬させ、母材を溶解し、溶解液をICPにて定量分析を行って「母材中に含まれるめっき成分の量」を求める。そして、めっき層及び母材を溶解させた場合から、上記「母材中に含まれるめっき成分の量」を差し引いてめっき成分の量を求める。
本発明のめっき鋼板は、上記構成のめっき層を素地鋼板の少なくとも片面に有する。
本発明の積層めっきの表面、即ち、積層めっきの、素地鋼板側とは反対の表面には、LMEの発生に悪影響を及ぼさないのであれば、どのような層を何層形成してもよい。例えば耐食性や潤滑性を確保したり、ブランク加熱時に生成する表面酸化物の成長を抑制するために、特殊化成処理皮膜として有機樹脂皮膜・有機無機複合皮膜;リン酸塩処理皮膜やジルコニウム系処理皮膜;シリカ・アルミナなどの無機化合物皮膜;等を形成することが挙げられる。
ホットスタンプにより得られる部品に求められる高強度等の特性を確保するには、めっき鋼板を構成する素地鋼板が下記成分組成を満たす必要がある。以下では、上記部品を「ホットスタンプ成形品」または単に「部品」という場合がある。
C:0.1〜0.5%
Cは、固溶強化元素として、ホットスタンプ成形品の高強度化に寄与する元素である。ホットスタンプにより、所望とする980MPa以上の高強度を得るためには、C量の下限を0.1%以上とする。C量の好ましい下限は0.13%以上であり、より好ましい下限は0.15%以上、更に好ましい下限は0.17%以上である。一方、C量が過剰になると、ホットスタンプ成形品の溶接性が低下するため、その上限を0.5%以下とする。C量の好ましい上限は0.40%以下、より好ましい上限は0.35%以下、さらに好ましい上限は0.30%以下である。
Si:0.01〜2.5%
Siは、ホットスタンプ成形品のスポット溶接部の接合強度、即ち溶接強度の向上に寄与する元素である。後述の実施例1の1.5kN以上の溶接強度を得るため、Si量の下限を0.01%以上とする。Si量の好ましい下限は、0.04%以上、更には0.10%以上、更には0.15%以上、更には0.20%以上、更には0.50%以上、更には0.70%以上、更には0.80%以上であり、最も好ましくは1.0%以上である。一方、Si量が過剰になると、強度が高くなり過ぎて、熱延酸洗鋼板または冷延鋼板、即ち素地鋼板製造時の圧延負荷が増大するほか、熱間圧延の際に素地鋼板表面にSiO2を含むスケールが発生し、めっき後の鋼板の表面性状が悪化する。よってSi量の上限を2.5%以下とする。Si量の上限は、好ましくは2.3%以下であり、より好ましくは2.1%以下である。
Mn:0.5〜3%
Mnは、焼入れ性を高め、ホットスタンプ成形品の強度バラツキを抑えるために有用な元素である。この効果を発揮させるため、Mn量の下限を0.5%以上とする。Mn量の下限は、好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.2%以上、さらに好ましくは1.5%以上、よりさらに好ましくは1.7%以上、特に好ましくは2.0%以上である。一方、Mn量が過剰になると、強度が高くなり過ぎて素地鋼板製造時の圧延負荷が増大する。よってMn量の上限を3%以下とする。Mn量の上限は、好ましくは2.8%以下、より好ましくは2.5%以下である。
Al:0.01〜0.5%
Alは脱酸のために必要な元素であり、そのため、Al量の下限を0.01%以上とする。好ましくは0.03%以上である。しかしながら、Al量が過剰になると上記効果が飽和するだけでなく、アルミナ等の介在物が増加して加工性が劣化するため、Al量の上限を0.5%以下とする。Al量の上限は、好ましくは0.3%以下である。
素地鋼板は、上記成分を基本的に含み、残部は鉄および不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えばP、S、Nなどが挙げられる。
Pは、スポット溶接部の接合強度に悪影響を及ぼす元素であり、その量が過剰であると、スポット溶接で形成されるナゲットの最終凝固面に偏析してナゲットが脆化し、接合強度が低下する。従ってP量は、0.020%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.015%以下である。
SもPと同様、スポット溶接部の接合強度に悪影響を及ぼす元素であり、その量が過剰であると、ナゲット内の粒界偏析による粒界破壊が助長され、接合強度が低下する。従ってS量は、0.010%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.008%以下である。
Nは、Bと結合して固溶B量を減少させ、焼入れ性に悪影響を与える。またN量が過剰であると、窒化物の析出量が増大し、靱性に悪影響を与える。そこでN量の上限は、0.01%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.008%以下である。なお、製鋼上のコスト等を考慮すると、N量は、通常0.001%以上である。
本発明の素地鋼板は、上記元素に加えて更に、下記の元素を含んでいてもよい。
B:0%超0.005%以下
Bは鋼材の焼入れ性を向上させる元素である。この効果を発揮させるには、Bを0.0003%以上含有させることが好ましい。B量の下限は、より好ましくは0.0005%以上、更に好ましくは0.0010%以上とするのがよい。一方、B量が0.005%を超えると、ホットスタンプ成形品中に粗大なホウ化物が析出して成形品の靭性が劣化する。よってB量は、0.005%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.004%以下である。
Ti:0%超0.10%以下
Tiは、Nを固定して、Bによる焼入れ効果を確保する役割を持つ元素である。またTiは、組織を微細化する効果も併せ持つ。組織が微細化することで部品延性が向上する。こうした作用を充分に発揮させるため、Ti量は、0.01%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.02%以上である。しかし、Ti量が過剰であると、鋼板の延性が劣化するため、Ti量を0.10%以下とすることが好ましい。Ti量は、より好ましくは0.07%以下である。
CrおよびMoの少なくとも1種の元素:合計で0%超1%以下
CrおよびMoは、素地鋼板の焼入れ性を向上させるために有効な元素であり、これらの元素を含有させることによって、ホットスタンプ成形品の硬さばらつき低減を期待できる。これらの元素は単独で含んでいてもよいし、2種類が含まれていてもよい。このような作用を有効に発揮させるためには、これら元素の合計量を0.01%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.10%以上である。上記合計量は、単独で含むときは単独の量であり、複数の元素が含まれるときはこれら複数の元素の合計量をいう。以下、「合計量」について同じである。
一方、上記合計量が過剰になると、上記効果が飽和すると共に、コストも上昇するため、その上限を1%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下である。
Nb、ZrおよびVよりなる群から選択される1種以上の元素:合計で0%超0.1%以下
Nb、Zr、Vは組織を微細化する効果を有しており、組織が微細化することで部品の延性を向上させる効果を有する。これらの元素は、単独で添加してもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。このような効果を有効に発揮させるには、これらの元素の合計量の下限を0.01%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.02%以上である。しかしながら、これらの元素の合計量が過剰になると、その効果が飽和してコストの上昇を招くため、その上限を0.1%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.05%以下である。
CuおよびNiの少なくとも1種の元素:合計で0%超1%以下
CuおよびNiは、ホットスタンプ成形品に耐遅れ破壊性を付与したいときに、必要に応じて添加される元素である。これらの元素は、単独で添加してもよいし、2種類が含まれていてもよい。このような作用を有効に発揮させるためには、これら元素の合計量を0.01%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.05%以上である。しかしながら、これらの量が過剰になると、鋼板製造時における表面疵の発生原因となるため、上記合計量の上限を1%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.5%以下である。
本発明の積層めっき鋼板を得るには、下記方法で製造することが挙げられる。まず、めっき鋼板の製造工程の概略を示すと下記の通りである。
規定成分の鋼を鋳造→加熱→熱間圧延→酸洗→必要に応じて冷間圧延→ニッケルめっき工程→亜鉛めっき工程
以下、各工程について説明する。
まず、上記成分組成を満たす鋼を鋳造し、スラブ等の鋳片を得る。そして熱間圧延を行うにあたり前記鋳片を加熱する。加熱条件は特に限定されず、通常用いられる条件を適宜採用することができるが、おおむね1100〜1300℃の温度で加熱することが好ましい。
次いで、熱間圧延を行って熱延鋼板を得る。熱間圧延条件は特に限定されず、通常用いられる条件を適宜採用することができる。好ましい条件は、おおむね、以下のとおりである。
仕上げ圧延温度、即ちFDT(Finishing Delivery Temperature):800〜950℃
巻き取り温度、即ちCT(Coiling Temperature):500〜700℃
上記熱延鋼板の好ましい板厚の上限は3.5mm以下である。好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下である。板厚の下限はおおよそ1.6mmである。
熱間圧延した後、酸洗し、熱延酸洗鋼板を作製する。この酸洗工程では、酸洗により、少なくとも熱延スケールが除去できれば良い。例えば、比較的高い巻き取り温度で巻き取った熱延鋼板の場合、熱延スケールと鋼板の界面近傍にSiやMnの酸化物による粒界酸化層が形成していることがある。しかしこの粒界酸化の残存は、不めっきなどのめっき処理性に悪影響を及ぼさないため、この酸洗工程で、必ずしも粒界酸化まで除去する必要はない。但し、外観や粗さなどの表面性状安定化の観点からは、上記粒界酸化層を出来るだけ除去することが好ましく、粒界酸化層除去のために通常用いられる酸洗方法を適宜採用することができる。例えば、80〜90℃に加熱した塩酸などを用い、20〜300秒酸洗することが好ましい。このとき塩酸中に、例えばメルカプト基を有する化合物などの酸洗促進剤や、例えばアミン系有機化合物等のインヒビターを適量加えることが好ましい。
このようにして得られた熱延酸洗鋼板の好ましい厚さも、上記熱延鋼板と、おおむね、同じである。
上記酸洗の後、必要に応じて、更に冷間圧延し、冷延鋼板を作製しても良い。本発明の方法によって得られる鋼板は、特に、自動車の軽量化などを目的として自動車部材に好適に用いられるため、素地鋼板は、寸法精度や平坦度の観点から、冷延鋼板であることが好ましい。
冷延率は、工場での生産性などを考慮すると、おおむね、40〜95%の範囲内に制御することが好ましい。このようして得られる冷延鋼板の好ましい板厚の上限は2.5mm以下である。より好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.8mm以下である。板厚の下限はおおよそ0.4mmである。
次いで、上記のようにして得られた熱延酸洗鋼板または冷延鋼板に対し、好ましくは脱脂や酸洗などの前処理を行った後、電気めっきを施す。尚、以下では、熱延酸洗鋼板または冷延鋼板を「素地鋼板」で代表させる場合がある。
脱脂処理は、鋼板表面の油脂や汚れを除去するために通常行われるものであり、代表的には、アルカリ脱脂によって行われる。アルカリ脱脂に用いられるアルカリは、油脂などを水溶性石鹸として除去できるものであれば特に限定されないが、例えば、苛性ソーダやケイ酸塩が好ましく用いられる。また、脱脂性を向上させるために、電解洗浄、スクラバー処理、脱脂液中への界面活性剤・キレート剤の添加処理を行なうこともできる。本発明では、鋼板表面が適切に脱脂されれば前処理の方法は限定されず、上述した処理をどのように組み合わせてもよい。上記アルカリ液の濃度、液温、電解脱脂における電解条件等は一般的に行われている方法を採用できる。
酸洗処理は、脱脂処理で付着したアルカリ性の脱脂液を中和・除去すること及び鋼板表面の酸化物を除去することを目的に実施される。酸洗に用いられる処理液は、上記目的が達成されるならば特に限定されないが、めっき液に影響を及ぼさない処理液を選定することが望ましい。例えば、後工程のニッケルめっき処理を硫酸ニッケルを含む浴を用いて行う場合、硫酸系の酸を用いるのが良い。また、必要に応じて鉄の過溶解を防ぐインヒビターなどを添加しても良い。本発明では、鋼板表面が適切に酸洗されれば前処理の方法は限定されず、上記処理液の濃度、液温、酸洗や水洗の時間等は一般的に行われている方法を採用できる。
次にめっき処理を施す。積層めっきの形成には、まず電気Niめっき法により、素地鋼板の上にNiめっき層を形成した後、電気Znめっき法または溶融Znめっき法により、該Niめっき層の上にZnめっき層を形成する。
前記めっき処理の条件として、Niめっき付着量とZnめっき付着量を、上述の通り、合計付着量に応じて式(1)または式(2)を満たすように調整すればよい。
上記Niめっき付着量の制御は、後述する実施例の通り、電気めっき処理時の通電量で制御することができる。電気Niめっき法において、めっき浴の温度は、例えば50〜70℃程度、電流密度は、例えば30〜50A/dm2程度とすればよい。
前記電気Niめっき法に用いるめっき液として、例えば、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう酸を含有するめっき液や、硫酸ニッケルと塩化アンモニウムとほう酸を含有するめっき液や、硫酸ニッケルと塩化アンモニウムと硫酸ナトリウムとほう酸を含有するめっき液や、塩化ニッケルとほう酸を含有する電気Niめっき液などを用いることができる。
前記Znめっき層の形成に電気Znめっき法を用いる場合も、Znめっき付着量の制御は、後述する実施例の通り、電気めっき処理時の通電量で制御することができる。電気Znめっき法において、めっき浴の温度は、例えば50〜70℃程度、電流密度は、例えば30〜50A/dm2程度とすればよい。
前記電気Znめっき法に用いるめっき液としては、例えば、硫酸亜鉛と硫酸を含有する電気Znめっき液や、硫酸亜鉛と硫酸ナトリウムと硫酸を含有する電気Znめっき液や、硫酸亜鉛と硫酸ナトリウムと硫酸アンモニウムを含有する電気Znめっき液などを用いることができる。
前記Znめっき層の形成に溶融Znめっき法を用いる場合、上記Niめっき層を形成した素地鋼板を還元炉に投入し、還元炉で焼鈍(還元性雰囲気下での熱処理)する。このときの焼鈍条件として、焼鈍温度:500〜900℃の範囲での滞在時間を30〜270秒とすることが好ましい。上記温度域での焼鈍処理を「均熱処理」ともいう。上記焼鈍温度を「均熱温度」ともいう。また上記滞在時間を「焼鈍時間」「均熱時間」ともいう。なお、省エネルギーの観点から、還元炉に入る前に、排ガスを用いた還元性雰囲気の予熱炉にて、前処理後の鋼板を予熱してもよい。このときの予熱条件は、還元性雰囲気であれば特に限定されない。
上記の焼鈍条件は、素地鋼板表面に形成される極薄いNi系またはFe系酸化物を還元して不めっきをなくすとの観点から、多くの基礎実験によって決定されたものである。
焼鈍温度の上限・下限、焼鈍時間の上限・下限のそれぞれが、上記範囲を外れる場合は、不めっきが発生する。
還元時の雰囲気や露点は、不めっきが発生されない範囲であれば特に限定されないが、例えば、H2−N2混合ガスでH2濃度が1〜30%、−10〜−60℃の露点範囲とすることが好ましい。具体的には、前述した焼鈍時の温度や時間との関係で、焼鈍時間を適切に制御することが推奨される。
次に、還元炉を出たNiめっき層を形成した素地鋼板は、冷却帯で冷却される。通常、冷却帯は徐冷帯、急冷帯、調整帯(保持帯とも呼ばれる)で構成されるが、冷却方法は、不めっきが発生しないよう、通常用いられる条件で行えば良く、例えば、還元性雰囲気の気体を鋼板に吹き付けて冷却するなどの方法が挙げられる。
このようにして連続焼鈍工程を行った後、鋼板の表裏面に亜鉛めっきを施す。
上記溶融亜鉛めっき処理工程は特に限定されず、通常、用いられる方法を採用することができる。例えば、溶融亜鉛めっき浴の温度は、430〜500℃程度に制御すればよい。該めっきの付着量の調整は、ガスワイピング等の方法で行うことができる。また、めっき処理を実施した後、めっき処理設備に付随する加熱炉で合金化処理を実施しても良い。
本発明のめっき鋼板を用いてホットスタンプを行うときの条件は限定されず、通常行われる方法でホットスタンプを行うことができる。例えば、通常の方法に従って、上記鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱してオーステナイト化した後、例えば、約450℃以上の温度で成形を完了、即ち、金型が下死点位置に到達した時点の温度が約450℃以上となるようにする方法が挙げられる。
前記加熱の方法として、炉加熱、通電加熱、誘導加熱等を採用することができる。上記加熱の条件は、Ac3変態点以上の温度での保持時間を、好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは7分以下に制御することにより、オーステナイトの粒成長が抑制され、熱間の絞り性やホットスタンプ成形品の靭性などの特性が向上するようになる。下限時間は特に規定はなくAc3変態点以上に到達すればよいが、現実的には厳密な制御が難しいため、炉加熱の場合1分以上、通電加熱、誘導加熱の場合数秒以上であればよい。尚、前記Ac3変態点は、「レスリー鉄鋼材料化学」(丸善株式会社、1985年5月31日発行、273頁)に記載されている下記式(3)を用いて求めることができる。下記式(3)において、含まれない元素はゼロとして計算すればよい。
Ac3変態点(℃)=910−203×[C]0.5−15.2×[Ni]+44.7×[Si]+104×[V]+31.5×[Mo]+13.1×[W]−30×[Mn]−11×[Cr]−20×[Cu]+700×[P]+400×[Al]+400[Ti]・・・(3)上記式(3)において、[元素]は、各元素の質量%での鋼中含有量を示す。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
実施例1では、まず素地鋼板の特性として、ホットスタンプ後の引張強度と溶接強度を評価した。
表1に示す化学組成を満たす鋼のスラブを、1200℃に加熱した後、表1のFDT、即ち仕上げ圧延温度で熱間圧延、および表1のCT、即ち巻取温度で巻取→酸洗工程によるデスケーリング処理→冷間圧延を行い、原板として表1に示す厚さの冷延鋼板を得た。
このようにして得られた各冷延鋼板を用い、以下に示す通り、ホットスタンプ後の引張強度と溶接強度を測定した。
〔ホットスタンプ後の引張強度と溶接強度の測定〕
上記冷延鋼板を切断して得られた、長さが30mmで幅が210mmの短冊状ブランクを用い、下記に示す通り、ホットスタンプを模擬したヒートパターンを実施するホットスタンプ模擬実験を行った。
上記ブランクを、大気中で930℃に保持した加熱炉内に再度投入して4分間滞在させ、上記ブランクの中心の表面部分、即ち、板の中心の表面部分が930℃になるように加熱した。次いで、上記加熱炉から上記ブランクを取り出した後、直ちに水冷した。
ホットスタンプ後の鋼板の引張強度の評価
上述したホットスタンプ模擬実験後のブランクからJIS5号試験片を切り出して、JISZ2201に記載の方法で引張試験を行い、ホットスタンプ後の鋼板の引張強度を測定した。尚、前記引張試験において引張速度は10mm/minとした。そして、ホットスタンプ後の鋼板の引張強度が980MPa以上を合格、表1ではOK、980MPa未満を不合格、表1ではNGと評価した。
ホットスタンプ後の溶接強度の評価
上記ホットスタンプ模擬実験後のブランクを用い、下記の条件でスポット溶接試験を行い、接合部の強度として十字継手破断荷重を、溶接強度として測定した。
(スポット溶接試験条件)
試験片条件:JISZ3137に準拠した十字張力用試験片
溶接機:単相交流式スポット溶接機
電極:先端径φ6mmのドームラジアスタイプ
加圧力:4kN
初期加圧時間:60サイクル
通電時間:10サイクル、電源周波数60Hz
上記溶接強度の評価基準を以下に示す。本実施例ではa、bおよびcの場合を合格、dの場合を不合格と評価した。
(溶接強度の評価基準)
a:3.0kN以上
b:2.0kN以上3.0kN未満
c:1.5kN以上2.0kN未満
d:1.5kN未満
これらの結果を表1に併記する。
表1より、いずれの素地鋼板も、ホットスタンプ後の鋼板の引張強度および溶接強度が合格であることがわかる。
[実施例2]
実施例2では、上記実施例1で得られた素地鋼板を用い、下記の通り、前処理およびめっき処理を施して、めっき層の評価を行うと共に、ホットスタンプを模擬して曲げ加工を行い、LMEの評価を行った。
〔鋼板の前処理〕
表1に示す冷延鋼板を切断し、100mm×150mmの試験片を得た。この試験片を、60℃の3%オルソ珪酸ナトリウム水溶液中で20A、10秒間電解脱脂した後、5秒間水洗した。このようにしてアルカリ脱脂した試験片に対し、更に、50℃の10質量%硫酸で5秒間酸洗し、次いで5秒間水洗してめっき用原板を用意した。該めっき用原板に対し、下記の手順および条件でめっき処理を行い、試験片として積層めっき鋼板を作製した。
〔めっき処理〕
めっき用原板を、Niめっき浴へ浸漬させ、電気めっき法でNiめっき層を形成した後、Znめっき浴へ浸漬させ、電気めっき法でZnめっき層を形成、または、溶融Znめっき浴へ浸漬させ、溶融めっき法でZnめっき層を形成した。上記Niめっき浴と電気めっき法で使用するZnめっき浴、上記溶融Znめっき浴の成分組成、および各めっき条件は以下の通りである。
めっき浴の成分組成
(a)Niめっき浴
硫酸ニッケル六水和物:300g/L
塩化ニッケル六水和物:50g/L
硼酸:30g/L
(b)Znめっき浴
硫酸亜鉛七水和物:300g/L
硫酸ナトリウム:80g/L
硫酸:30g/L
(c)溶融Znめっき浴
亜鉛:99%以上
Al:0.13〜0.23%
残部は不可避的不純物
電気めっき条件
(a)Niめっき浴
浴温:50℃
電流密度:10A/dm2
(b)Znめっき浴
浴温:60℃
電流密度:40A/dm2
溶融めっき条件
めっきシミュレータにて、5%H2−N2、露点−45℃の還元性雰囲気下で均熱温度650℃、均熱時間90秒で焼鈍を行った後、460℃まで平均冷却速度:5〜15℃/秒で冷却した。次いで、浴温460℃の溶融Znめっき浴でめっきし、ガスワイピングでめっき付着量の制御を行い、次いで室温まで冷却し積層めっき鋼板を得た。
めっき付着量
通電量に対するNiめっき層及びZnめっき層の付着量を別途確認しており、Niめっき層及びZnめっき層の付着量は、通電量で制御した。尚、めっき付着量は、前述の通り片面あたりの付着量である。
めっき成分の分析
めっき成分の分析は、ICP発光分析法で行った。その結果、本実施例で形成したNiめっき層及び、電気Znめっき層の純度は99.9%であった。また、溶融Znめっき層の純度は98.0%以上であった。
Niめっき付着量、Znめっき付着量、該Znめっき付着量とNiめっき付着量の合計付着量を示す合計付着量、および該合計付着量に対する前記Niめっき付着量の割合を表2および表3に示す。表2および表3において、前記Niめっき付着量は「Ni付着量」、前記Znめっき付着量は「Zn付着量」、前記Niめっき付着量の割合は「Ni付着量の割合」と示している。また、Ni付着量、電気Znめっきまたは溶融ZnめっきのZn付着量は、ICP発光分析法で得た結果から、Al成分や不純物成分を除く正味のNi付着量、Zn付着量を示している。
〔ホットスタンプ部品の評価〕
ホットスタンプ部品の製造を模擬して、次の通り加熱、曲げ加工を行い、LME発生の程度を評価した。
加熱および加工
前記積層めっき鋼板を100mm×50mmに切断して得られたサンプルを、ブランクとして用いた。該ブランクを900℃に設定した加熱炉に4分間投入して加熱した後、下記プレス開始温度となるまで空冷し、以下の加工条件で図1に示す通り曲げ加工を施した。具体的には、図1に示す通り曲げ刃3を白矢印方向に移動させることにより、パッド1とパンチ2で挟んだブランク4に対し、黒矢印の通り曲げ加工を施し、部品を模擬した試験片、即ちL曲げ材11を得た。尚、いずれのサンプルも、加熱開始から120秒±15秒でAc3変態点以上の温度となった。
(加工条件)
素材寸法:長さ100mm×奥行き50mm
パッド圧:5トン
クリアランス、即ちパンチと曲げ刃との間の距離:板厚と同じ1.4mm
曲げR、具体的には図1のパンチ半径rp:2.5mm
プレス開始温度:750℃
下死点保持時間:10秒
ホットスタンプ部品のLMEクラック深さの測定
図2は、前記曲げ加工後のL曲げ材からの観察試料採取位置を示す図である。この図2に示す通り、前記曲げ加工後のL曲げ材11から、曲げ部中央12の断面13を観察できるように切り出し、観察用試験片14を得た。この観察用試験片14を、上記断面13が観察できるように支持基材内に埋め込み、研磨後にナイタールでエッチングした後、該断面における曲げ外側、即ち曲げによる引張応力発生側の表層近傍を、FE−SEM、ZEISS製SUPRA35で観察した。前記LMEクラックは、必ずしも曲げ部の頂点が最も深いわけではなく、該頂点から若干平面部寄りの方が深いことが多い。よって、前記断面における曲げ部の全域を観察した。前記FE−SEMでの観察条件は、倍率:500倍、視野サイズ:230μm×155μmとした。図3に、表2のNo.3のFE−SEM観察写真を一例として示す。以下では、この図3を例に、LMEクラックの測定方法を説明する。
図3において、破線で表示する合金含有めっき層23と素地鋼板21との間の破線で示す界面22からのクラック、即ちLMEクラックの深さLを測定した。尚、図3に示す合金層の割れ24はLMEクラックではない。前記ナイタールエッチングにより、この図3に示す通り、素地鋼板21の組織と合金含有めっき層23の組織を明確に区別することが可能となる。
上記の通り、観察用試験片14の断面13における曲げ部の全域を、前記視野を移動させながら観察し、LMEクラックが存在しない場合はゼロ、LMEクラックが複数発生している場合は、最も深いLMEクラックの深さを、この断面13における最も深いLMEクラックの深さとした。
1断面目である断面13の観察後、図4に説明する通り、この断面13と平行かつ曲げ方向に対して垂直方向に数mm離れた断面13Aを観察できるように研磨した。そして断面13Aにおいて、上記断面13と同様の観察を行い、2断面目である断面13Aにおいて最も深いLMEクラックの深さを求めた。同様に図4に示す3断面目である断面13Bにおいても測定を行う等、研磨と観察を繰り返し、合計10断面の観察を行った。そして、合計10断面のうち最も深いLMEクラックの深さを求めた。その結果を、表2に「LMEクラック深さL」として示す。このLMEクラック深さLの判定基準を以下に示す。本実施例ではa、bおよびcの場合を合格、dの場合を不合格とした。
LMEクラック深さの判定基準
a:L=0μm
b:0μm<L≦10μm
c:10μm<L≦15μm
d:15μm<L
表2および表3より次のことがわかる。No.1、4、7、8、11〜16、18、21、22、27〜42、44、46、47および50は、本発明で規定の要件を満たすため、LMEクラックの発生が抑制されている。特に、No.1、7、8、11、14〜16、21、28、29、31〜38および44の通り、Niめっき付着量の割合を20質量%以上とすることによって、LMEクラックの発生を確実に防止できることがわかる。
これに対し、上記以外の例では、本発明で規定の少なくともいずれかの要件を満たさないため、LMEクラック深さが著しくなった。
詳細には、No.2、3、5、6、9、10、17、19、20、24〜26、43、45、48および49は、は、合計付着量が50g/m2を超える例である。これらの例では、Niめっき付着量の割合が15質量%未満であるため、LMEクラック深さを抑制できなかった。特にNo.24や26の通り、合計付着量が80g/m2であるのに対し、Niめっき付着量がゼロの場合は、かなり深いLMEクラックが形成されている。
またNo.23は、合計付着量が50g/m2以下の例であるが、Niめっき付着量の割合が10質量%未満であるため、LMEクラックを抑制できなかった。
本発明のホットスタンプ用めっき鋼板は、例えば、自動車シャーシ、足回り部品、補強部品等の自動車用部品をホットスタンプで製造するのに好ましく用いられる。
1 パッド
2 パンチ
3 曲げ刃
4 ブランク
11 L曲げ材
12 L曲げ材の曲げ部中央
13、13A、13B L曲げ材の曲げ部の断面
14 観察用試験片
21 素地鋼板
22 合金含有めっき層と素地鋼板の界面
23 合金含有めっき層
24 合金層の割れ
L LMEクラックの深さ

Claims (6)

  1. 素地鋼板の少なくとも片面にめっき層を有するホットスタンプ用めっき鋼板であって、前記素地鋼板は、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.5〜3%、およびAl:0.01〜0.5%を含有し、かつ、
    前記めっき層は、素地鋼板側から順に、Niめっき層とZnめっき層を有し、
    前記Znめっき層の付着量と前記Niめっき層の付着量の合計付着量が50g/m2以下の場合は、下記式(1)を満たし、前記合計付着量が50g/m2超の場合は、下記式(2)を満たすことを特徴とするホットスタンプ用めっき鋼板。
    100×Y/(X+Y)≧10・・・(1)
    100×Y/(X+Y)≧15・・・(2)
    式(1)および式(2)において、XはZnめっき層の付着量、YはNiめっき層の付着量を示し、単位はいずれもg/m2である。
  2. 前記素地鋼板は、更に、質量%で、Bを0%超0.005%以下含む請求項1に記載のホットスタンプ用めっき鋼板。
  3. 前記素地鋼板は、更に、質量%で、Tiを0%超0.10%以下含む請求項1または2に記載のホットスタンプ用めっき鋼板。
  4. 前記素地鋼板は、更に、質量%で、CrおよびMoの少なくとも1種の元素を合計で0%超1%以下含む請求項1〜3のいずれかに記載のホットスタンプ用めっき鋼板。
  5. 前記素地鋼板は、更に、質量%で、Nb、ZrおよびVよりなる群から選択される1種以上の元素を合計で0%超0.1%以下含む請求項1〜4のいずれかに記載のホットスタンプ用めっき鋼板。
  6. 前記素地鋼板は、更に、質量%で、CuおよびNiの少なくとも1種の元素を合計で0%超1%以下含む請求項1〜5のいずれかに記載のホットスタンプ用めっき鋼板。
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