JP2016089208A - 防錆組成物及びそれを用いた錆止め材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防錆組成物は、5〜400000mPa・sの5%水溶液粘度を有している水溶性樹脂のみからなるポリマーと、気化性化合物と緩衝性化合物と潮解性化合物とのうち、気化性化合物と緩衝性化合物と潮解性化合物とから選ばれる少なくとも2種、又は潮解性化合物の1種のみを含む防錆剤とを、含んでいるものであり、錆止め材は、この防錆組成物で任意の形状に成形されているもの、又はこの防錆組成物とこの防錆組成物で成形されたペレット等の少なくともいずれかが0.5〜9000g/m2・24Hの透湿度を有する包装材によって包装されているものである。
【選択図】なし
Description
水溶性樹脂であるポリエチレンオキサイド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−1、5%水溶液粘度:125mPa・s)の樹脂粉体88重量%に対し、気化性化合物であるシクロヘキシルアミン・カーバメートが5重量%、緩衝性化合物であるp-tertブチル安息香酸ナトリウムが5重量%、及び潮解性化合物である亜硝酸ナトリウムが2重量%となるように加えて混合し、実施例1の防錆組成物を調製した。
実施例1の防錆組成物を、二軸混練押出機を使用し110℃で溶融混練した。その後、空冷を施しながらペレタイザーを使用してペレット形状に成形した。さらにこのペレットを、110℃で加熱しながらプレス加工して、実施例2のシート状錆止め材を作製した。
水溶性樹脂であるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合樹脂(明成化学工業株式会社製、商品名:EP−20、5%水溶液粘度:35000mPa・s)の樹脂粉体40重量%に対し、気化性化合物である安息香酸アンモニウムが30重量%、緩衝性化合物であるB2O3−SiO2−Na2Oを主成分とするホウケイ酸系焼結生成物が30重量%となるように、加えて混合し、実施例3の防錆組成物を調製した。
実施例3の防錆組成物を6000g/m2・24Hの透湿度を有する不織布の小袋に入れて、実施例4の錆止め材を作製した。
水溶性樹脂であるポリビニルピロリドン(BASF SE製、商品名:Sokalan K85P、5%水溶液粘度:60mPa・s)の樹脂粉体94重量%に対し、気化性化合物である安息香酸アンモニウムが3重量%、潮解性化合物である亜硝酸カリウムが3重量%となるように加えて混合し、実施例5の防錆組成物を調製した。
水溶性樹脂であるポリビニルピロリドン(BASF SE製、商品名:Sokalan K85P、5%水溶液粘度:60mPa・s)の樹脂粉体90重量%に対し、潮解性化合物である亜硝酸ナトリウムが10重量%となるように加えて混合し、実施例6の防錆組成物を調製した。
水溶性樹脂を用いることなく、気化性化合物であるシクロヘキシルアミン・カーバメートが40重量%、緩衝性化合物であるp-tertブチル安息香酸ナトリウムが40重量%、及び潮解性化合物である亜硝酸ナトリウムが20重量%となるように混合し、比較例1の粉体混合物を調製した。
非水溶性樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(ダウ・ケミカル・カンパニー製、商品名:ダウレックス2045G、密度:0.920g/cm3、メルトフローレート値:2.0g/10分)に対し、比較例1の粉体混合物を加え、二軸混練押出機を使用し190℃で溶融混練した。その後ペレット形状に成形した。このペレットを190℃で加熱しながらプレス加工して、比較例2のシートを作製した。加熱時、気化した防錆成分の臭気を確認した。また、作製したシートに変色を確認した。
実施例3で用いた樹脂粉体70重量%に対し、気化性化合物である安息香酸アンモニウム30重量%のみを含んでいる粉体混合物を調製した。
実施例3の防錆組成物を、透湿度0g/m2・24Hであるアルミラミフィルムの小袋に入れて、比較例4の錆止め材を作製した。
実施例3で用いた樹脂粉体90重量%と、炭酸カルシウム10重量%とを混合して、比較例5の粉体混合物を調製した。
縦10cm×横15cm×高さ15cmのプラスチック製のかごの中心に、洗浄した試験片(鋳鉄:FC250)をかごの上部から吊るした。これを低密度ポリエチレン製ガゼット付き袋に入れ、さらに実施例1の防錆組成物1gと、データロガー(温湿度記録計)とを同梱し、袋の口をヒートシールで封をして梱包した。このサンプルを3個用意した。実施例2〜4、及び比較例1〜5についても実施例1と同様にサンプルを用意した。各サンプルを、環境サイクル試験として下記の条件に設定した恒温恒湿槽内に2.5日間載置した。その後、25℃,70%RH程の室内に2.5日間放置し、再び恒温恒湿槽内に10日間載置した。
環境サイクル試験条件(12時間/1サイクル)
50℃,95%RHへ移行(2時間)⇒50℃,95%RH維持(4時間)
⇒25℃,70%RHへ移行(2時間)⇒25℃,70%RH維持(4時間)
データロガーによって記録された値に基いて除湿能力を評価した。試験開始から2.5日後に、梱包内の湿度が露点に達していなかったものを◎、達していたものを×と評価した。
環境サイクル試験終了後、袋を開封して試験片を取り出した。試験片の錆や変色等の発生状況を目視によって確認し、下記の基準で評価した。
錆、変色、異物の付着なし :◎
ごく僅かな点状の錆、変色、異物の付着発生 :○
試験片の表面の80%未満に錆、変色、異物の付着発生:×
サイクル試験中、袋に小孔を開けてから、ガス検知管(株式会社ガステック製、商品名:3La(アンモニア用)、商品名:11L(窒素酸化物用))を梱包内に挿し込んで、梱包内における防錆成分の濃度を測定した。測定後小孔を粘着テープで速やかに塞いだ。測定の時機を、下記A〜C点の3点とした(図2及び3参照)。
A点:1サイクル目(1日目)の50℃,95%RH維持時
B点:7サイクル目(6日目)の50℃,95%RH維持時
C点:26サイクル目(15日目)の25℃,70%RH維持時
Claims (10)
- 5〜400000mPa・sの5%水溶液粘度を有している水溶性樹脂のみからなるポリマーと、
気化性化合物と、緩衝性化合物と、潮解性化合物とのうち、前記気化性化合物と前記緩衝性化合物と前記潮解性化合物とから選ばれる少なくとも2種、又は前記潮解性化合物の1種のみを含む防錆剤とを、
含んでいることを特徴とする防錆組成物。 - 前記水溶性樹脂が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ゼラチン、にかわ、コラーゲンタンパク、カゼイン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸系樹脂、ポリエチレンイミン、アラビアゴム、及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の防錆組成物。
- 前記気化性化合物が、フタル酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、アジピン酸アンモニウム、セバシン酸アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム・ナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウム・リン酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウム・カプリレート、ジイソプロピルアンモニウム・ナイトライト、ニトロナフタリンアンモニウム・ナイトライト、シクロヘキシルアミン安息香酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、シクロヘキシルアミン・カーバメート、シクロヘキシルアミン・ラウレート、尿素、チオ尿素、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−フェニル−1Hテトラゾール及び3−メチル−5−ピラゾロンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防錆組成物。
- 前記緩衝性化合物が、p-tertブチル安息香酸ナトリウム、p-tertブチル安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、B2O3-SiO2-M2Oホウケイ酸系焼結生成物(Mはナトリウム又はカリウム)、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、セバシン酸ナトリウム、セバシン酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム及びモリブデン酸カリウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防錆組成物。
- 前記潮解性化合物が、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸マグネシウム、炭酸カリウム、及び炭酸カリウム2水和物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防錆組成物。
- 前記防錆剤が、0.01〜89重量%含まれていること特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の防錆組成物。
- 前記潮解性化合物が、80%RH未満の臨界湿度を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の防錆組成物。
- 前記ポリマーが、粉体であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の防錆組成物。
- 請求項1から8のいずれかに記載の防錆組成物を、有することを特徴とする錆止め材。
- 前記防錆組成物と、前記防錆組成物で成形されたペレット、シート、フィルム、ストランド、キューブ、平板、及び/又は錠剤との少なくともいずれかが、0.5〜9000g/m2・24Hの透湿度を有する包装材によって包装されていることを特徴とする請求項9に記載の錆止め材。
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