JP2016088916A - 抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ - Google Patents

抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ Download PDF

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Abstract

【課題】実用に適する、抗ウイルス・抗菌性を付与する用具(貼付けテープ)の提供。【解決手段】粘着成分を含む粘着層30と、粘着層30に積層され、且つ外気と接するように配置され、樹脂と、抗ウイルス・抗菌剤11として作用する少なくとも1種の一価の銅化合物の粒子11と、表面における樹脂の電位を変化させる表面電位制御剤12であるカチオン系界面活性剤とを含む抗ウイルス・抗菌層10と、樹脂を含んで構成され、粘着層30と抗ウイルス・抗菌層10との間に配置され、一価の銅化合物の粒子11と粘着層30との接触を阻害する接触阻害層20と、を少なくとも備える抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1。抗ウイルス・抗菌層10の厚さは、10〜500μmであり、前記一価の銅化合物の粒子が抗ウイルス・抗菌層10当たり0.5〜20質量%含まれ、接触阻害層20の厚さは、1〜200μmである抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1。【選択図】図1

Description

本発明は、抗ウイルス・抗菌性貼付けテープに関する。特に、抗ウイルス・抗菌剤としてエンベロープの有無に関わらず、また脂質やタンパク質存在下でも、付着した様々なウイルスや菌を不活化できる一価の銅化合物の粒子を含む、抗ウイルス・抗菌性貼付けテープに関する。
近年、SARS(重症急性呼吸器症候群)やノロウイルス、鳥インフルエンザなどウイルス感染による死者が報告されている。さらに現在、交通の発達やウイルスの突然変異によって、世界中にウイルス感染が広がる「パンデミック(感染爆発)」の危機に直面している。さらに新型インフルエンザや口蹄疫による大きな被害も出てきており、緊急の対策が急務である。このような事態に対応するために、ワクチンによる抗ウイルス剤の開発も急がれているが、ワクチンの場合、その特異性により、感染を防ぐことができるのは特定のウイルスに限定される。
また病院や診療所においては、院内感染が社会的にも大きな問題になってきている。院内感染の原因としては、保菌者あるいは感染者によって院内へ持ち込まれたMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や抗生剤投与によって黄色ブドウ球菌からMRSAへと変異した株が病原体となり、患者から直接感染する場合がその1つとして挙げられる。また、医療従事者が身に付けている衣類や、院内で書類を持ち運ぶためのファイリング用具や、院内の手摺り等の設備、建具などを介して、ウイルスや菌などが他の患者・医療従事者に感染する場合もある。また、調理場、給食施設、食品工場等でも、作業者が感染に気づかずに作業をし、使用物品を介してウイルスや菌などに感染する場合もある。
そこで、様々な設備や物品等に抗ウイルス・抗菌効果を付与することができる用具が提案されている。例えば特許文献1ではヨウ素吸着サイトとしての第四級アンモニウム基とヨウ素徐放サイトとしてのN−アルキルアミド基が側鎖として基材に導入されており、さらにヨウ素を側鎖に固定することでヨウ素の徐放性を制御した殺菌材料が提案されている。特許文献2では抗ウイルス性物質を含む繊維や、抗ウイルス性繊維を用いた繊維構造体などが提案されている。
特開2008−307253号公報 特許4584339号公報
しかしながら、特許文献1については殺菌性を付与するためにヨウ素などを固定した場合、部材が黄色く着色してしまったり、ウイルスに対する不活化効果がない、などの問題がある。
また、特許文献2の抗ウイルス性繊維構造体については、繊維状の布帛などには適用できるものの、繊維を用いないフィルムやシート、成形体については適用できるか不明である。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、より実用に適する、新規な抗ウイルス・抗菌性を付与できる用具を提供することを目的とする。
本発明者はまず、様々な設備や物品等に抗ウイルス・抗菌効果を付与することができる用具として、貼付けテープを着想した。そして、抗ウイルス・抗菌剤として作用する一価の銅化合物の粒子を樹脂材料に含有させたシートに、貼付けて固定できるように粘着層を設け、抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを構成した。しかし、発明者は、一価の銅化合物の粒子を含有させた樹脂材料に粘着層を組み合わせて貼付けテープを構成すると、粘着層に接している一価の銅化合物の粒子が、時間の経過とともに変色してしまうことを発見した。このように樹脂材料中の一価の銅化合物の粒子が変色すると、テープの意匠性が損なわれ、使用のときの価値が下がってしまう。
本発明者は鋭意研究の結果、テープを3層以上の積層体とし、抗ウイルス・抗菌層に含有される一価の銅化合物の粒子が粘着層に直接接触しないように、抗ウイルス・抗菌層と粘着層との間に樹脂を含んで構成される層を設けた。これにより、抗ウイルス・抗菌性を有し、かつ一価の銅化合物の粒子の変色を抑制して抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを構成できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 抗ウイルス・抗菌性貼付けテープであって、
粘着成分を含む粘着層と、
前記粘着層に積層され、且つ外気と接するように配置され、樹脂と、抗ウイルス・抗菌剤として作用する少なくとも1種の一価の銅化合物の粒子と、前記抗ウイルス・抗菌層表面における前記樹脂の電位をプラス方向に変化させる表面電位制御剤として作用するカチオン系界面活性剤とを含む抗ウイルス・抗菌層と、
樹脂を含んで構成されるとともに、前記粘着層と前記抗ウイルス・抗菌層との間に配置され、前記一価の銅化合物の粒子と前記粘着層との接触を阻害する接触阻害層と、を少なくとも備えることを特徴とする抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
[2] 前記抗ウイルス・抗菌層の厚さは、10μm以上500μm以下であることを特徴とする[1]に記載の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
[3] 前記一価の銅化合物の粒子が前記抗ウイルス・抗菌層当たり0.5質量%以上20質量%以下含まれることを特徴とする[1]または[2]に記載の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
[4] 前記ベース層の厚さは、1μm以上200μm以下であることを特徴とする[1]から[3]のいずれか一つに記載の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
本発明によれば、より実用に適する、新規な抗ウイルス・抗菌性を付与できる用具を提供することができる。
本実施形態の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープの模式図である。
以下、本発明の実施形態について図1を用いてさらに詳述する。
図1は、本実施形態の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1の断面の一部を模式的に表した図である。抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1は、粘着層30と、当該粘着層30に積層され、且つ外気と接するように配置される抗ウイルス・抗菌層10と、粘着層30と抗ウイルス・抗菌層10の間に配置されるベース層20(接触阻害層に相当)とを有する、シート状の3層以上の積層体を有する。例えば、抗ウイルス・抗菌層10は積層方向における一端部に配置され、上述の積層方向と直行する面において外気と接している。また、粘着層30は当該積層体の他端部に配置される。
抗ウイルス・抗菌層10は、樹脂を含んで構成されるシート状の基材に、抗ウイルス・抗菌剤である1種類または2種類以上の一価の銅化合物の粒子11と、表面電位制御剤(カチオン系界面活性剤)12と、を含んで構成されている。
本実施形態において抗ウイルス・抗菌剤として作用する一価の銅化合物の粒子11は特に限定されないが、抗ウイルス、抗菌性の観点から、塩化物、酢酸化合物、硫化物、ヨウ化物、臭化物、過酸化物、酸化物、またはチオシアン化物とすることが好適である。さらに、本実施形態において抗ウイルス・抗菌剤として作用する一価の銅化合物の粒子11として、CuCl、Cu(CHCOO)、CuBr、CuI、CuSCN、CuSおよびCuOからなる群から少なくとも1種選択される化合物の粒子であることが一層好適である。
特に、本実施形態においては、一価の銅化合物の粒子11として、空気中における保存安定性に優れるCuI、CuCl、CuBr、およびCuSCNからなる群から少なくとも1種選択される化合物の粒子とすることが一層好適である。
抗ウイルス・抗菌剤である一価の銅化合物によるウイルスの不活化機構については、現在のところ必ずしも明確ではないが、抗ウイルス・抗菌層に固定されて露出している一価の銅化合物がウイルスや細菌と接触すると、その一部が、酸化還元反応したり、活性種を発生させることにより、本実施形態の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープに付着したウイルス表面の膜タンパク質やDNA、RNAなどを損傷させることで、不活化させるものと考えられる。
本実施形態に係る一価の銅化合物の粒子11により不活性化できるウイルスについては特に限定されず、ゲノムの種類や、エンベロープの有無等に係ることなく、様々なウイルスを不活化することができる。例えば、ライノウイルス・ポリオウイルス・ロタウイルス・口蹄疫ウイルス・ノロウイルス・エンテロウイルス・ヘパトウイルス・アストロウイルス・サポウイルス・E型肝炎ウイルス・A型、B型、C型インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス(おたふくかぜ)・麻疹ウイルス・ヒトメタニューモウイルス・RSウイルス・ニパウイルス・ヘンドラウイルス・黄熱ウイルス・デングウイルス・日本脳炎ウイルス・ウエストナイルウイルス・B型、C型肝炎ウイルス・東部および西部馬脳炎ウイルス・オニョンニョンウイルス・風疹ウイルス・ラッサウイルス・フニンウイルス・マチュポウイルス・グアナリトウイルス・サビアウイルス・クリミアコンゴ出血熱ウイルス・スナバエ熱・ハンタウイルス・シンノンブレウイルス・狂犬病ウイルス・エボラウイルス・マーブルグウイルス・コウモリリッサウイルス・ヒトT細胞白血病ウイルス・ヒト免疫不全ウイルス・ヒトコロナウイルス・SARSコロナウイルス・ヒトポルボウイルス・ポリオーマウイルス、ヒトパピローマウイルス・アデノウイルス・ヘルペスウイルス・水痘・帯状発疹ウイルス・EBウイルス・サイトメガロウイルス・天然痘ウイルス・サル痘ウイルス・牛痘ウイルス・モラシポックスウイルス・パラポックスウイルスなどを挙げることができる。
また、一価の銅化合物により不活化できる菌についても特に限定されず、グラム陽性、陰性、好気性、嫌気性などの性質に関わらず様々な細菌を不活化することができる。その一例としては、大腸菌、黄色ぶどう球菌、表皮ぶどう球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、百日咳菌、腸炎菌、肺炎桿菌、緑膿菌、ビブリオ、緑膿菌、MRSA、セレウス菌、肺炎桿菌などの細菌やカビなどが挙げられる。
本実施形態において、一価の銅化合物の粒子11の大きさは特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、貼付けテープ1が透過性を有する場合に当該透過性が低下するのを抑える観点から、300nm以下であることが好ましい。また、本実施形態においては特に限定されず、当業者が適宜設定可能であるが、一価の銅化合物の粒子11の大きさは1nm以上とすることが、粒子の製造上、取扱上および化学的安定性の観点より好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径とは、体積平均粒子径のことをいう。
本実施形態において、一価の銅化合物の粒子11の含有量は特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、抗ウイルス・抗菌層10全体に対して0.5質量%以上20質量%以下の範囲が好ましく、1質量%以上20質量%以下の範囲がより好ましい。0.5質量%未満であると範囲内である場合と比較して本実施形態の貼付けテープ1が有する抗ウイルス・抗菌性が低くなり、20質量%を超えると、範囲内である場合と比較して、貼付けテープ1が透過性を有する場合に、当該透過性が低下する。
本実施形態においては、抗ウイルス・抗菌層10において、一価の銅化合物の粒子11とともに、表面電位制御剤として作用するカチオン系界面活性剤12が含有される。
ここで、本明細書において、表面電位制御剤とは、樹脂に含有されることで、樹脂単体の場合よりも、樹脂の表面の電位をプラス方向に制御可能である物質をいう。
本実施形態に係る抗ウイルス・抗菌層10の基材である樹脂の表面電位は一般的にマイナスであり、また、ゲノムの種類や、エンベロープの有無等に係ることなくウイルスの表面電位もマイナスである。そのため、抗ウイルス・抗菌層10に表面電位制御剤12を含有することにより、抗ウイルス・抗菌層10を構成する樹脂の表面電位をプラス方向に制御することでウイルスが抗ウイルス・抗菌層10に吸着しやすくなる。その結果、一価の銅化合物の粒子11による抗ウイルス・抗菌効果を効率よく発現することができる。
本実施形態において表面電位制御剤として作用するカチオン系界面活性剤12としては、例えば、テトラアルキル(炭素数4〜100(以下、炭素数をCn(nは正の整数)とも記載する。))アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイドおよびステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド)、トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩(例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩(例えばセチルピリジニウムクロライド)、ポリオキシアルキレン(C2〜4)トリアルキルアンモニウム塩(例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド)、サパミン型第4級アンモニウム塩(例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート)などの第4級アンモニウム塩型や、脂肪族アミン(C12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよびロジンアミン)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩、脂肪族アミン(C1〜30)のEO付加物等の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩および3級アミン(C3〜30、例えばトリエタノールアミンモノステアレートおよびステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミン)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩などのアミン塩型などが挙げられる。
本実施形態において、カチオン系界面活性剤12の状態・形状は特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
本実施形態において、カチオン系界面活性剤12の含有量は特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、抗ウイルス・抗菌層10全体に対して0.01質量%から5.0質量%の範囲が好ましい。0.01質量%未満であると範囲内にある場合と比較してウイルスや菌が抗ウイルス・抗菌層10に対して吸着されにくくなり、5.0質量%より多いと樹脂表面にタック性がでる。
このほか、本実施形態において、抗ウイルス・抗菌層10は、抗ウイルス・抗菌剤11と表面電位制御剤12のほか、所望の機能や意匠性を抗ウイルス・抗菌層10に付与するために、任意の機能性材料を含んでもよい。当該機能性材料としては、抗菌剤、防黴剤、傷防止剤、カラー顔料、蓄光顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、真珠光沢顔料などの顔料および触媒などを挙げることができる。
本実施形態において、抗ウイルス・抗菌層10の粘着層30、ベース層20および抗ウイルス・抗菌層10の積層方向における厚さは、適宜設定でき、特に限定されないが、10μm以上500μm以下が好ましい。厚さが500μmを超えると柔軟性がなくなり、曲面に貼付ける際のテープの接着性が低下する。また厚さが10μm未満になると、範囲内にある場合と比較して抗ウイルス・抗菌層10の厚さを均一にすることが難しくなり、抗ウイルス・抗菌性も均一でなくなる。
次に、抗ウイルス・抗菌層10が積層されるベース層20について説明する。ベース層20の構成に用いられる樹脂は特に限定されず、当業者が適宜選択することができる。
本実施形態に係るベース層20に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、EVA樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂などの熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレンエラストマーなどのスチレン系エラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマーなどのオレフィン系エラストマー、ポリウレタンエラストマーなどのポリウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ナイロン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。
また、本実施形態のベース層20は、機能性物質などを含有していてもよい。例えば、機能性物質として、他の抗ウイルス剤、抗菌剤、防黴剤、抗アレルゲン剤、可塑剤、乾燥剤、硬化剤、皮張り防止剤、平坦化剤、たれ防止剤、熱線吸収剤、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、増粘剤、粘性調整剤、安定剤、乾燥調整剤、顔料、紫外線吸収剤、触媒、反射防止材料が挙げられる。
ベース層20の粘着層30、ベース層20および抗ウイルス・抗菌層10の積層方向における厚さについては特に限定されないが、1μm以上200μm以下であることが好ましい。厚さが200μmを超えると、抗ウイルス・抗菌層10の厚さにもよるが柔軟性がなくなり、曲面に貼付ける際のテープの接着性が低下する。また、厚さが1μm未満になると、範囲内と比較して一価の銅化合物が変色しやすくなるほか、製造上ベース層20の厚さを均一にすることも難しくなる。
また、本実施形態のベース層20は、機能性物質を含む機能層と、機能性物質を含まない層の2層以上で構成されてもよく、機能層も2種類以上の機能性物質を含ませる場合、機能性物質ごとに、複数の機能層を積層してもよい。
例えば、ベース層20において、顔料を含むようにしてもよい。このとき、ベース層20を2層以上の積層体によって構成するようにしてもよい。
本実施形態において粘着層30は、ベース層20を介して抗ウイルス・抗菌層10に積層されている。抗ウイルス・抗菌層10と粘着層30の間にベース層20を設けることで、抗ウイルス・抗菌層10中の一価の銅化合物の粒子11と粘着層30との接触が阻害される。その結果、価の銅化合物の粒子11と粘着層30の粘着成分との反応が抑えられ、一価の銅化合物の粒子11の変色を抑制することができる。
また、本実施形態においては、ベース層20に抗ウイルス・抗菌層10が積層されている構成とすることにより、抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1の厚さが増えても、抗ウイルス・抗菌剤である一価の銅化合物の含有量を増やす必要なく貼付けテープ1を構成することができる。また、ベース層20を設けることにより、貼付けテープ1全体の強度低下を抑えて貼付けテープ1を構成することができる。
本実施形態の粘着層30に用いられる粘着剤は、抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1を貼付ける対象物に固定できれば特に限定されるものではない。粘着テープや粘着シートに一般的に用いられる公知の粘着剤を用いることができる。例えば、アクリル樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤、ポリエステル樹脂系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤などの公知慣用の粘着剤(感圧性接着剤)から形成される粘着層が挙げられる。上記の中でも、耐候性の観点から、アクリル樹脂系粘着剤から形成されるアクリル樹脂系粘着層が好ましい。上記の粘着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)、活性エネルギー線硬化型粘着剤(紫外線硬化型粘着剤等)などが用いられる。粘着剤には、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メタノールなどが含まれていることもあり、一価の銅化合物はこれらの物質と接触すると反応して変色しやすい。しかし、粘着層30と抗ウイルス・抗菌層10の間にベース層20を設けることで一価の銅化合物の粒子11の変色が抑えられるため、粘着剤は用途に応じて様々なものを用いることが可能となる。
粘着層30の粘着層30、ベース層20および抗ウイルス・抗菌層10の積層方向における厚さは特に限定されず、当業者が適宜設定できる。
また、本実施形態の粘着層30は、使用目的によって単層の粘着層にしてもよいし、粘着力の異なる強粘着層と弱粘着層を積層する2層の構成としても良い。あるいは粘着層30は両面テープのような強粘着層と弱粘着層の間に粘着ベース層を設けて3層以上の構成としてもよい。この場合、強粘着層はベース層20に積層し、さらに強粘着層に弱粘着層を積層する構成とすることで、長期間使用されて抗ウイルス・抗菌性が低くなったテープを新しいものと交換する際、貼付けた対象物にテープが残りにくくなる。
本実施形態の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1は、粘着層30に塵埃等が付着して粘着力の低下を抑えるため、粘着層30の表面を保護するための剥離層で覆うことができる。剥離層としては、基材の少なくとも一方の表面に剥離処理したものを用いることができる。
剥離層としては、慣用の剥離紙などを利用でき、具体的には、例えば、剥離処理剤による剥離処理した面を少なくとも一方の表面に有する基材の他、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体など)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などを用いることができる。
また、剥離層としては、例えば、剥離層用基材の少なくとも一方の面に剥離処理したものを好適に用いることができる。このような剥離層用基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなど)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)や紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)の他、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2〜3層の複合体)などが挙げられる。
剥離層に用いられる剥離処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤などを用いることができる。剥離処理剤は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。なお、剥離層厚みや、形成方法などは、特に限定されない。
続いて、本実施形態の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1の製造方法の一例について、より具体的に説明する。
抗ウイルス・抗菌層10の合理的かつ安価な製造方法として、高濃度の抗ウイルス・抗菌剤(一価の銅化合物の粒子11)を含有した樹脂ペレットのマスターバッチペレットを予め製造し、該マスターバッチペレットを表面電位制御剤と樹脂ペレットに一定の割合で混合し、さらに溶融混練して抗ウイルス・抗菌層10を製造する。
まず、一価の銅化合物をジェットミル、ハンマーミル、ボールミル、振動ミル、ビーズミルなどにより例えばナノオーダーの粒子に粉砕する。粉砕方法に関しては特に限定されず、乾式、湿式の両方が利用可能である。
マスターバッチペレットの製造方法としては、まず、粉砕により得られた一価の銅化合物の粒子11を市販の樹脂ペレットと混合する。次に、得られた混合物を混練押出機に供し、一価の銅化合物の粒子11を樹脂内部に均一に含有させる。得られた混練物を冷却後、ペレタイザを用いて細かくカットし、一価の銅化合物の粒子11を高濃度に含有したマスターバッチペレットを得る。
次に、一価の銅化合物の粒子11が高濃度に含有したマスターバッチペレットを、表面電位制御剤12と、上記樹脂ペレットと同じ樹脂ペレットに、一価の銅化合物の粒子11が所定の割合になるように混合する。得られたペレットを溶融混練し、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法などで一価の銅化合物の粒子11、カチオン系界面活性剤12が樹脂中に均一に分散された抗ウイルス・抗菌層10を得ることができる。
なお、マスターバッチペレットを作成する段階で、一価の銅化合物の粒子11とともにカチオン系界面活性剤12を添加して、一価の銅化合物の粒子11およびカチオン系界面活性剤12を含むマスターバッチペレットを得てもよいし、更に任意の機能性材料を含んだマスターバッチペレットを得てもよい。
ベース層20は、ベース層20に使用する樹脂ペレットを用いればよい。ベース層に機能性材料を含有させる場合は、任意の機能性材料を含有したベース層樹脂ペレットを予め製造しておいて、抗ウイルス・抗菌層10と同様の方法でベース層20を得ればよい。ベース層20は、顔料を含む層と含まない層と2層に分けても良い。2層に分けて顔料を含まない層を粘着層に積層することで、顔料や任意の機能性材料と粘着剤の反応による変色を防止することができる。
続いて、ベース層20と抗ウイルス・抗菌層10とを、抗ウイルス・抗菌層10が外気と接するように配置して積層し、本実施形態の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ1を得る。抗ウイルス・抗菌層10とベース層20を積層する方法としては、特に限定されるものではないが、ラミネート法、共押出法などの方法で積層することができる。
なお、ベース層20に使用する樹脂ペレットと、抗ウイルス・抗菌層10に使用するマスターバッチペレットを用いて、共押出法によりベース層20と抗ウイルス・抗菌層10を形成すると同時に積層してもよい。
次に、抗ウイルス・抗菌層10が積層されていない側のベース層20に、粘着層30を積層する。積層する方法は特に限定されるものではなく、粘着剤溶液をリバースコーティング、グラビアコーティングなどのロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などで塗布すればよい。
粘着層30は強粘着層と弱粘着層の2層に分けてもよく、上述の塗布方法で、強粘剤溶液を塗布し、続いて同様の方法で弱粘着剤溶液を塗布して、積層してもよい。
強粘着層と弱粘着層の間に粘着ベース層を設ける場合、粘着ベース層の一面に強粘着層を前記の方法で積層し、他面に弱粘着層を積層し、ベース層20に積層すればよい。またベース層20に強粘着層を積層した後、強粘着層に粘着ベース層を積層し、続いて弱粘着層を積層してもよい。使用目的によって、弱粘着層と強粘着層を入れ替えてもよい。
剥離層を設ける場合は、粘着層に剥離紙等の剥離層を積層すればよい。
以上、本実施形態によれば、より実用に適する、新規な抗ウイルス・抗菌性を付与できる用具(貼付けテープ)を提供することができる。当該貼付けテープ1は、新設、既設を問わず様々な設備や物品に対して抗ウイルス・抗菌性を付与することができる。設備等の一例としては、手摺り、ドア等の取っ手、機械や装置等のレバー、ハンドル、エスカレータのベルト、テーブル、椅子、車椅子、椅子の肘掛、歩行補助具、歩行補助具の部品、つり革、窓、床板等の建装剤など、樹脂タイルなどの内装材、押しボタン、スイッチ、パソコン用キーボード、マウス、車両用内装材、医療用機器、エアコン、換気扇、電気掃除機、扇風機等、を挙げることができる。また、既存の貼付けテープと同様に補修用や物品の固定用にも使用することができ、補修・物品の固定とともに様々な場所へ後から抗ウイルス・抗菌性を付与することが可能である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(抗ウイルス・抗菌貼付けテープの作製)
(実施例1)
市販のヨウ化銅(I)粉末(日本化学産業株式会社製)を乾式粉砕にて、平均粒子径150nmに粉砕したヨウ化銅粒子を得た。
得られたヨウ化銅粒子を42質量%になるように、ベース樹脂としてのポリエチレン(PE)樹脂ペレット(旭化成ケミカルズ株式会社製)を加えて調製し、2軸溶融混練機に供給し、マスターバッチペレットを得た。
機能層(抗ウイルス・抗菌層)においてヨウ化銅粒子10質量%、カチオン系界面活性剤(ライオン株式会社製、レオミックスHTフレーク)0.2質量%になるように、ポリエチレン樹脂ペレット、マスターバッチペレット、カチオン系界面活性剤を混合し、ベース層としてポリエチレン(PE)樹脂ペレット(旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いて共押出法により2層シートを得た。このとき機能層は10μm、ベース層は190μmの厚さとした。
さらに、ベース層の、機能層が積層された側と反対側にアクリル樹脂系粘着剤を乾燥後の粘着層の厚さが120μmになるように塗布し、その後乾燥して、抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例2)
機能層のヨウ化銅を1質量%にして混合した以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例3)
機能層のヨウ化銅を5質量%にして混合した以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例4)
機能層のヨウ化銅を20質量%にし混合した以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例5)
機能層のポリエチレン樹脂ペレットをポリプロピレン(PP)樹脂ペレットにした以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(比較例1)
機能層の厚さを200μmとして、ベース層を設けずに機能層に直接粘着層を積層した以外は実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例6)
機能層のヨウ化銅を0.5質量%にして混合した以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例7)
機能層のヨウ化銅を0.1質量%にして混合した以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例8)
機能層(抗ウイルス・抗菌層)において、カチオン系界面活性剤(ライオン株式会社製、リポカード22−80)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例9)
機能層(抗ウイルス・抗菌層)において、カチオン系界面活性剤として(ライオン株式会社製、レオミックスC)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(実施例10)
機能層(抗ウイルス・抗菌層)において、カチオン系界面活性剤として(日油株式会社製、ニッサンカチオンSA)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で抗ウイルス・抗菌性貼付けテープを得た。
(抗ウイルス性評価方法)
シートのウイルス不活化性の測定は、エンベロープを持つウイルスとして、MDCK細胞を用いて培養したインフルエンザウイルス(influenza A/北九州/159/93(H3N2))を用い、エンベロープを持たないウイルスとして、ノロウイルスの代替ウイルスとして一般によく用いられるネコカリシウイルスを用いた。
実施例および比較例の貼付けテープ(50mm×50mm)をプラスチックシャーレにいれ、PBSで希釈したウイルス液100μLを滴下し、室温で15分間作用させた。このときシート試験品の上面をPETフィルム(40mm×40mm)で覆うことで、ウイルス液と試験品の接触面積を一定にし、試験を行った。15分間作用させたのち、反応を停止させるためSCDLP培地を900μL添加し、ピペッティングによりウイルスを洗い出した。その後、各反応後のウイルス液が10-1〜10-5になるまでMEM希釈液にて希釈を行い(10倍段階希釈)、サンプル液を作成した。シャーレに培養したMDCK細胞にサンプル液100μLを接種した。60分間34℃、5%CO2インキュベータにて静置し、ウイルスを細胞へ吸着させた後、0.7%寒天培地を重層し、48時間、34℃、5%CO2インキュベータにて培養後、ホルマリン固定、メチレンブルー染色を行い形成されたプラーク数をカウントして、ウイルスの感染価(PFU/0.1mL、Log10);(PFU:plaque−forming units)を算出した。
(殺菌性評価方法)
シートの殺菌性の測定は、グラム陽性菌として、NB培地にて培養した黄色ブドウ球菌を用い、グラム陰性菌として、NB培地にて培養した大腸菌を用いた。
実施例および比較例の貼付けテープ(50mm×50mm)をプラスチックシャーレにいれ、菌数が2.5×10〜10×10個になるまで1/500 NB培地で希釈した菌液100μLを滴下し、室温で60分間作用させた。このときシート試験品の上面をPETフィルム(40mm×40mm)で覆うことで、菌液と試験品の接触面積を一定にし、試験を行った。60分間作用させたのち、反応を停止させるためSCDLP培地を4mL添加し、ピペッティングにより菌を洗い出した。その後、各反応後の菌液が10-1〜10-5になるまでSCDLP液にて希釈を行い(10倍段階希釈)、サンプル液を作成した。シャーレにサンプル液1mLを分注し、1.5%寒天培地を加えて混合した。倒置したシャーレを37℃のインキュベータにて24〜48時間培養後、コロニー数をカウントして、菌の生菌数(CFU/0.1mL、Log10);(CFU:colony−forming units)を算出した。
(色差測定方法)
時間の経過による各貼付けテープの色の変化を見るために、実施例および比較例の貼付けテープを50℃、90%の恒温恒湿槽に3ヶ月間静置する前と後の色差(ΔE値)をカラーリーダーCR-10(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定した。
以上に説明した実施例1〜10及び比較例1のシートにおける測定結果を表1にまとめた。
表1から、比較例1の貼付けテープにおいては試験の前後において変色が進行していることが確認できる一方、粘着層と機能層との間にベース層を配置した実施例の貼付けテープにおいては当該変色が比較例1と比較して抑えられていることが理解できる。
1: 抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ
10: 抗ウイルス・抗菌層
11: 抗ウイルス・抗菌剤(一価の銅化合物の粒子)
12: 表面電位制御剤(カチオン系界面活性剤)
20: ベース層
30: 粘着層

Claims (4)

  1. 抗ウイルス・抗菌性貼付けテープであって、
    粘着成分を含む粘着層と、
    前記粘着層に積層され、且つ外気と接するように配置され、樹脂と、抗ウイルス・抗菌剤として作用する少なくとも1種の一価の銅化合物の粒子と、前記抗ウイルス・抗菌層表面における前記樹脂の電位をプラス方向に変化させる表面電位制御剤として作用するカチオン系界面活性剤とを含む抗ウイルス・抗菌層と、
    樹脂を含んで構成されるとともに、前記粘着層と前記抗ウイルス・抗菌層との間に配置され、前記一価の銅化合物の粒子と前記粘着層との接触を阻害する接触阻害層と、を少なくとも備えることを特徴とする抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
  2. 前記抗ウイルス・抗菌層の厚さは、10μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
  3. 前記一価の銅化合物の粒子が前記抗ウイルス・抗菌層当たり0.5質量%以上20質量%以下含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
  4. 前記接触阻害層の厚さは、1μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の抗ウイルス・抗菌性貼付けテープ。
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