JP2016088653A - エレベータ装置用巻上機 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルミストによる制動機構の制動機能の低下を簡単な構成で抑制することができる新規なエレベータ装置用巻上機を提供することにある。【解決手段】駆動シーブの回転によって発生する駆動シーブ外周の空気の流れが、ブレーキディスクとは反対側に向けて流れるように、駆動シーブを覆うシーブカバーの一部に空気流生成部を形成した。これによれば、シーブカバーに形成した空気流生成部によって生じる空気流れによってシーブカバー内部に漂うオイルミストをブレーキディスクとは反対側に排出してブレーキディスクにオイルミストが付着するのを抑制することができる。また、シーブカバーに空気流生成部を形成するだけなので、極めて簡単な構成とすることができる。【選択図】図3

Description

本発明はエレベータ装置に使用するエレベータ装置用巻上機に係り、特に制動機構を備えたエレベータ装置用巻上機に関するものである。
最近のエレベータ装置においては、乗りかごの移動速度を速くしてサービス性を向上することが求められている。特に、高層建築物に使用される場合は乗りかごの移動速度を速くすることが重要な課題である。このためには、乗りかごを移動させるための巻上機はその回転速度を高くして乗りかごを高速で移動させることが必要である。
ところで、乗りかごを昇降させるため巻上機によって巻き取られるロープは、鋼製素線を含む複数本の子縄が麻縄からなる芯子縄の周囲に撚り合わされており、潤滑のために芯子縄には油が含浸されている。芯子縄に含浸された油は、駆動シーブやそらせ車等の綱車を通過する際に遠心力や振動により周囲に飛散する。
特に、最近では巻上機に使用される電動機を小型化するため2:1ローピング方式が適用されており、ロープの移動速度が乗りかごの移動速度の2倍となるため、遠心力によって油の飛散が多くなる傾向にある。尚、油の飛散は2:1ローピング方式に限られるものではなく、これ以外のローピング方式でも発生する。油が飛散すると周囲を汚染することから、例えば、図5、図6に示す構成のように、巻上機の駆動シーブをカバーによって覆うことが提案されている。
図5、図6において、参照番号10はエレベータ装置に用いられる巻上機を示しており、基台11には電動機12と駆動シーブ13とが軸受台14Aを介して連結されており、これによって電動機12の回転が駆動シーブ13に伝達されるものである。駆動シーブ13の電動機12とは反対側には制動機構15を構成するブレーキディスク16が固定されており、この端部は軸受台14Bによって支持されている。ブレーキディスク16は制動機構15を構成するブレーキシューに17によって制動をかけられるものである。駆動シーブ13の軸方向の外周囲には、乗りかごを移動させるロープ18が巻き付けられており、更にこのロープ18の外周囲には所定の隙間を介して油の飛散を防ぐシーブカバー19が設けられている。尚、シーブカバー19は基台11にボルトによって肯定されている。
このように、巻上機10の駆動シーブ13をシーブカバー19により覆うことで油滴として飛散した油がシーブカバー19の外側に飛散することを防止できるが、霧状に飛散した油滴(以下、オイルミストという)はシーブカバー19内の空中を漂い、矢印Aで示すような空気の流れに乗って駆動シーブ13の外周とシーブカバー19の隙間Gから流出するようになる。そして、駆動シーブ13の回転に制動をかける制動機構15が駆動シーブ13に近接して配置されていると、シーブカバー19と駆動シーブ13の隙間Gから漏れ出したオイルミストが制動機構15のブレーキディスク16に付着して、制動機構15の制動機能が低下するといった支障をきたす恐れがある。
そして、このようなオイルミストの流出を防止するために、特開2004−203523号公報(特許文献1)では、ロープが出入りする開口を有すると共に駆動シーブやそらせ車を密閉する密閉カバーを設け、またこの密閉カバー内の空気を排気するファン装置を連結ダクトを介して接続し、更に、ファン装置の下部にファン装置から排出される空気を浄化するフィルタを設けた排気装置が提案されている。これによれば、周囲への油の飛散をより確実に防止することができると述べている。
特開2004−203523号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような排気装置を設けた巻上機においては、確かにファン装置によって密閉カバー内の空気と共にオイルミストを吸入できるので、制動機構にオイルミストが流出する恐れは少なくなるが、駆動シーブやそらせ車を密閉する密閉カバー、排気のためのファン装置、連結ダクト等を新たに準備して設けなければならず、密閉カバー、ファン装置、連結ダクト等の製作にかかる費用の増加や、取り付け工数の増加といった新たな課題が発生する。更には、密閉カバー、ファン装置、連結ダクト等の設置場所が新たに必要となり、機械室のレイアウトの変更が必要になるといった課題も併せて発生する。
本発明の目的は、オイルミストによる制動機構の制動機能の低下を簡単な構成で抑制することができる新規なエレベータ装置用巻上機を提供することにある。
本発明の特徴は、駆動シーブの回転によって発生する駆動シーブ外周の空気の流れが、ブレーキディスクとは反対側に向けて流れるように指向させる空気流生成部をシーブカバーの一部に形成した、ところにある。
本発明によれば、シーブカバーに形成した空気流生成部によって生じる空気流によってシーブカバー内部に漂うオイルミストをブレーキディスクとは反対側に排出してブレーキディスクにオイルミストが付着するのを抑制することができる。また、シーブカバーに空気流生成部を形成するだけなので、極めて簡単な構成とすることができる。
本発明が適用されるエレベータ装置の概略の構成を示す構成図である。 図1に示す巻上機の構成を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態になる巻上機の構成を示す構成図である。 本発明の第2の実施形態になる巻上機の構成を示す構成図である。 従来のシーブカバーを備えた巻上機の構成を示す構成図である。 図5のシーブカバーの一部を断面した部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明が適用されるエレベータ装置とその巻上機の構成について簡単に説明する。
まず、本発明が適用されるエレベータ装置の一般的な構成を説明する。エレベータ装置は良く知られているように建築物に設けられた昇降路の内部に収納されている。
図1において、エレベータ装置では一般的に昇降路100の頂部部分に形成した機械室110内に巻上装置120が載置され、固定手段によって機械室床面に固定されている。巻上装置120は図1では詳細に記載していないが、複数本の主ロープ130を懸架するための駆動シーブを有する。駆動シーブから延びる主ロープ130の一端は反らせプーリ140を介して釣合錘150の上端に連結されており、他端は乗りかご160の上端に連結されている。
次に、エレベータ装置の稼働時の各部の動きについて説明する。巻上装置120が稼働して、駆動シーブが回転すると、その際の主ロープ130と駆動シーブの間の摩擦によって、駆動シーブに懸架された主ロープ130が駆動シーブの回転方向に沿って移動する。そして、主ロープ130の動きによって釣合錘150と乗りかご160が上下に昇降される。尚、図1では省略しているが、乗りかご160の昇降を円滑にするために、実際のエレベータ装置では乗りかご160及び釣合錘150の側面をガイドレールと呼ばれる案内部品で案内する構成となっている。
このような、エレベータ装置においては図示しない制御器によって運行指令が巻上装置120を構成する電動機や制動機構等に与えられ、この運行指令によって乗りかご160が建築物の所定の階層に向けて昇降動作するものである。以上はエレベータ装置を簡略化して説明してあるが、実際は更に種々の構成要素が付加されているものである。
次に巻上装置120の概略の構成を図2に基づいて説明する。図2において、巻上装置120の主たる構成要素である巻上機10は電動機12と、駆動軸20に固定された駆動シーブ13と、制動機構15と、一対の軸受台14A,14Bを有している。この巻上機10は基台11に載置されており、基台11の載置部材として機能する図示しないマシンビームに載置されて固定されるものである。尚、マシンビームではなく、機械室を構成する床面であっても良く、要は基台11を載置して固定する機能を備えていれば良いものである。
次に、電動機12と駆動軸20について説明する。電動機12は基台11の上に設置されており、この電動機12には、駆動シーブ13が固定された駆動軸20の一端が回転可能に取り付けられる。駆動軸20は、一対の軸受台14A,14Bによって回転可能に支持されている。電動機12が駆動されると駆動軸20が回転し、駆動軸20の回転に連動して駆動シーブ13が回転するようになる。
軸受台14Aは電動機側軸受台であり、軸受台14Bはブレーキディスク側軸受台であり、基台11によって支持されている。電動機側軸受台14Aは駆動軸20の軸方向における電動機12側の端部を支持している。また、ブレーキディスク側軸受台14Bは、駆動軸20の軸方向における電動機10とは反対側の端部と制動機構15を構成するブレーキディスク16とを支持している。尚、本実施例では、電動機側軸受台14A及びブレーキディスク側軸受台14Bの2つの軸受台により駆動軸20を支持しているが、1つの軸受台で駆動軸20を支持する構成にしても良いものである。
駆動シーブ13は円筒形状に形成されており、その軸の中心には図示しない貫通穴が形成されている。この貫通穴の径は駆動軸20の外径の大きさと略等しくなっている。そして、駆動軸20は駆動シーブ13の貫通穴を貫通して駆動シーブ13に固定されている。駆動シーブ13の外周面部には、主ロープ130を巻き掛ける巻き掛け部21が形成されている。この巻き掛け部21は主ロープ130が巻き掛けられる複数のロープ収納溝21aを有する。駆動シーブ13が回転することで、巻き掛け部21のロープ収納溝21aが主ロープ130を巻き取るものである。また、駆動シーブ13の軸方向における電動機12側の端部には外周側突出部22が設けられ、反対側にはフランジ部23が設けられている。
外周側突出部22は駆動シーブ13の軸方向端部に形成されており、駆動シーブ13の半径方向の外側に向かって突出し、駆動シーブ12の巻き掛け部21の外径よりも大きな径となっている。これにより、巻き掛け部21に巻き掛けられた主ロープ130が外れることを防止することができる。
フランジ部23は駆動シーブ13の電動機12側とは反対側の他端部に配置されており、このフランジ部23は駆動シーブ13の半径方向の外側に向かって突出している。フランジ部23の外径は外周側突出部22の外径よりも大きく形成されている。このフランジ部23と駆動シーブ13の巻き掛け部21と間には嵌合部24が設けられている。
嵌合部24にはブレーキディスク16が圧入によって固定されており、この嵌合部24の外径は外周側突出部22の径よりも大きく形成されている。また、嵌合部24の軸方向の長さはブレーキディスク16の軸方向の長さと同じ、或いはやや長く形成されている。このように、電動機12によって回転される駆動シーブ13と連動して、ブレーキディスク16も一体的に回転するものである。
そして、制動機構15に内蔵された図示しないブレーキコイルに制御駆動電流が流れると、ブレーキコイルが励磁されてブレーキシュー17がブレーキディスク16から離間して自由状態となり、駆動シーブ13は電動機12によって回転、駆動されて主ロープ130の巻き取り、或いは巻き戻しを行うことになる。一方、制御駆動電流が遮断されるとブレーキコイルが消磁され、図示しないブレーキばねによってブレーキシュー17がブレーキディスク16を挟み込むことで制動力が発生し、駆動シーブ13の回転を停止するものである。
このような構成の巻上機10は良く知られているので、これ以上の説明は省略する。次に本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
次に本発明の第1の実施形態について図3を用いて詳細に説明する。図3において、駆動シーブ13の外周側にはシーブカバー25が配置されている。シーブカバー25の全体的な形状は、図5に示す従来のシーブカバー19と類似しており、取り付け方法も従来と同様に基台11にボルトによって固定されるものである。
シーブカバー25は駆動シーブ13の外周で軸方向に沿って延びており、ブレーキディスク16側の垂直端部25Bは駆動シーブ13の端部付近で内側に垂直に折り曲げられている。したがって、この垂直端部25Bと駆動シーブ13の外周面との間には所定の隙間Gが形成されている。垂直端部25Bは、駆動シーブ13の回転によってロープから油が飛散し、この時の飛翔した油がブレーキ制動面に付着することを防ぐ機能を備えており、できるだけ隙間Gの長さは短い方が好ましい。ただ、駆動シーブ13との接触を回避するため隙間Gは必要なものである。このため、従来のシーブカバー19においては、オイルミストが空気の流れによって流出してブレーキディスク16に付着する現象を生じていた。
一方、シーブカバー25の電動機12側の端部には傾斜端部25Aが形成されており、傾斜端部25Aは、従来のシーブカバー19とは大きく異なっている。傾斜端部25Aは、駆動シーブ13の電動機12側の側端面、ここでは外周側突出部22を越えて電動機12側に延びたシーブカバー25の端部に形成され、そして、内側に向けて駆動シーブ13の側端面側に斜め方向に折り曲げられている。この傾斜端部25Aは駆動シーブ13の周方向に所定の角度範囲に亘って形成されており、例えば、駆動シーブ13の周方向での頂点を境にしてそれぞれ90°の範囲内に形成されている。したがって、本実施例ではこの90°の範囲内で、適切な範囲の傾斜端部25Aが形成されているものである。
傾斜端部25Aの一部には空気排出孔26が形成されている。本実施例では傾斜端部25Aの一部に垂直領域が周方向に形成されており、この垂直領域に周方向に複数の空気排出孔26が形成されている。傾斜端部25Aの端面はできるだけ内側に位置することが望ましいが、少なくとも駆動シーブ13の側端面と接触せず、また電動機側軸受台14Aと接触しない範囲で内側斜め方向に延びている。したがって、本実施例では傾斜端部25Aと空気排出孔26によって空気流生成部が構成されることになる。
ここで、駆動シーブ13は円筒形状に構成されているので、駆動シーブ13の外周面側と駆動軸20との固定側の間にはスポークが形成されており、スポークの回転によって駆動シーブ13の内周側から外周側に向けて空気の流れが生じるものである。
以上のような構成において、駆動シーブ13が回転されると、スポークの働きによって駆動シーブ13の電動機12側の側端面から、空気が矢印Aiに示すように駆動シーブ13内に流入し、流入した空気は外周側に向けて更に流れる。外周側に流れた空気は再び、駆動シーブ13の電動機12側の側端面から流出しようとするが、傾斜端部25Aが存在する領域では、傾斜端部25Aによって側端面から流出しようとする空気を取り込み、傾斜端部25Aに沿って流れ出ようとする。
そして、傾斜端部25Aに沿って流れてきた空気は、空気排出孔26に向かう方向性(指向性)を有しているので、空気排出孔26から電動機12側に向けて排出されることになる。ここで、空気排出孔26からの空気が排出される時の流速が速いため、シーブカバー25の垂直端部25Bと駆動シーブ13の外周面との間の隙間Gから空気が流入して空気排出孔26側に指向して流れ排出されるようになる。したがって、シーブカバー25と駆動シーブ13の間に漂っているオイルミストはこの空気の流れに乗って、空気排出孔26から排出されることになる。このようにして、オイルミストが空気の流れによって空気排出孔26側に流れるので、オイルミストが隙間Gからブレーキディスク16側に流れ出すことを抑制することができるようになる。
また、シーブカバー25の端面に傾斜端部25Aと空気排出孔26からなる空気流生成部を形成するだけなので構成が極めて簡単となり、特許文献1のように密閉カバー、ファン装置、連結ダクト等の製作にかかる費用の増加や、取り付け工数の増加といった新たな課題が発生することがないものである。
次に本発明の第2の実施形態について図4を用いて詳細に説明する。図4において、駆動シーブ13の外周側にはシーブカバー27が配置されている。シーブカバー27の全体的な形状は、図5に示す従来のシーブカバー19と類似しており、取り付け方法も従来と同様に基台11にボルトによって固定されるものである。
シーブカバー27は駆動シーブ13の外周で軸方向に沿って延びており、ブレーキディスク16側の垂直端部27Bは、実施例1と同様に駆動シーブ13の端部付近で内側に垂直に折り曲げられている。したがって、この垂直端部27Bと駆動シーブ13の外周面との間には所定の隙間G(図面では表示していない)が形成されている。垂直端部27Bは、これも実施例1と同様に、ロープからの油が飛散した時にブレーキ制動面に付着することを防ぐ機能を備えており、できるだけ隙間Gの長さは短い方が好ましい。
また、シーブカバー27の傾斜本体部27Cは電動機12側に向けて斜め方向に広がるように傾斜して構成されている。そして、シーブカバー27の電動機12側の端部(傾斜本体部27Cの端部)から折り曲げられた折り曲げ端部27Aは、駆動シーブ13の外周側、ここでは外周突出部22に向けて延びるように折り曲げられている。傾斜本体部27Cと折り曲げ端部27Aは駆動シーブ13の周方向に所定の角度範囲に亘って形成されており、例えば、駆動シーブ13の周方向での頂点を境にしてそれぞれ90°の範囲内に形成されている。折り曲げ端部27Aの一部には空気排出孔28が形成されており、また折り曲げ端部27Aの端面はできるだけ外周側突出部22に接近していることが望ましい。
以上のような構成において、駆動シーブ13が回転されると、駆動シーブ13の回転にともなって、駆動シーブ13の外表面の空気が矢印Aiに示すように半径方向へ流れ、シーブカバー27の傾斜本体部27Cの内面壁面に沿って空気排出孔28側に指向して流れる。そして、傾斜本体部27Cに沿って流れてきた空気は、空気排出孔28から電動機12側に向けて排出されることになる。
ここで、傾斜本体部27Cの内面壁面に沿って空気排出孔28に向かって空気が流れるため、シーブカバー27の垂直端部27Bと駆動シーブ13の外周面との間の隙間Gから空気が流入し、この空気は空気排出孔28を指向して流れた後、この空気排出孔28から排出されるようになる。したがって、シーブカバー27と駆動シーブ13の間に漂っているオイルミストはこの空気の流れに乗って、空気排出孔28から排出されることになる。このようにして、オイルミストが空気の流れによって空気排出孔28から排出されるので、オイルミストが隙間Gからブレーキディスク16側に流れ出すことを抑制することができるようになる。
また、シーブカバー27に傾斜本体部27Cと折り曲げ端部27Aに設けた空気排出孔28からなる空気流生成部を形成するだけなので構成が極めて簡単となり、特許文献1のように密閉カバー、ファン装置、連結ダクト等の製作にかかる費用の増加や、取り付け工数の増加といった新たな課題が発生することがないものである。
以上述べた通り、本発明によれば、駆動シーブの回転によって発生する駆動シーブ外周の空気の流れが、ブレーキディスクとは反対側に向けて流れるように、駆動シーブを覆うシーブカバーの一部に空気流生成部を形成するように構成した。これによれば、シーブカバーに形成した空気流生成部によって生じる空気流によってシーブカバー内部に漂うオイルミストをブレーキディスクとは反対側に排出してブレーキディスクにオイルミストが付着するのを抑制することができる。また、シーブカバーに空気流生成部を形成するだけなので、極めて簡単な構成とすることができるものである。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…巻上機、11…基台、12…電動機、13…駆動シーブ、14A,14B…軸受台、15…制動機構、16…ブレーキディスク、17…ブレーキシュー、21…巻き掛け部、22…外周側突出部、23…フランジ部、24…嵌合部、25…シーブカバー、25A…傾斜端部、25B…垂直端部、26…空気排出孔、27…シーブカバー、27A、27B…垂直端部、27C…傾斜本体部、28…空気排出孔。

Claims (7)

  1. 運転指令に基づき駆動される電動機と、前記電動機によって回転され乗りかごに連結されたロープを巻き取る駆動シーブと、前記駆動シーブと一体的に固定され前記電動機と反対側に位置するブレーキディスク及び前記ブレーキディスクに制動をかけるブレーキシューとからなる制動機構を備えたエレベータ装置用巻上機において、
    前記駆動シーブの外周を覆うシーブカバーを設けると共に、前記駆動シーブの回転によって発生する駆動シーブ外周の空気の流れが、前記ブレーキディスクとは反対側に向けて流れるように指向させる空気流生成部を前記シーブカバーの一部に形成したことを特徴とするエレベータ装置用巻上機。
  2. 請求項1に記載のエレベータ装置用巻上機において、
    前記空気流生成部は、前記駆動シーブの前記電動機側の側端面を越えて前記電動機側に延びた前記シーブカバーの端部に形成した傾斜端部よりなり、前記傾斜端部は前記駆動シーブの側端面側に斜め方向に折り曲げられ、更に前記傾斜端部の一部には空気排出孔が形成されていることを特徴とするエレベータ装置用巻上機。
  3. 請求項2に記載のエレベータ装置用巻上機において、
    前記傾斜端部は前記駆動シーブの周方向に所定の角度範囲に亘って形成されており、前記空気排出孔が周方向に複数設けられていることを特徴とするエレベータ装置用巻上機。
  4. 請求項3に記載のエレベータ装置用巻上機において、
    前記傾斜端部は垂直領域が形成されており、前記垂直領域に前記空気排出孔が設けられていることを特徴とするエレベータ装置用巻上機。
  5. 請求項1に記載のエレベータ装置用巻上機において、
    前記空気流生成部は、前記シーブカバーに形成され電動機側に向けて斜め方向に広がるように傾斜する傾斜本体部と前記傾斜本体部の端部に形成した折り曲げ端部よりなり、前記折り曲げ端部は前記駆動シーブの外周側に向けて折り曲げられ、更に前記折り曲げ端部の一部には空気排出孔が形成されていることを特徴とするエレベータ装置用巻上機。
  6. 請求項5に記載のエレベータ装置用巻上機において、
    前記傾斜本体部と前記折り曲げ端部は前記駆動シーブの周方向に所定の角度範囲に亘って形成されていることを特徴とするエレベータ装置用巻上機。
  7. 請求項6に記載のエレベータ装置用巻上機において、
    前記折り曲げ端部には周方向に複数の前記空気排出孔が設けられていることを特徴とするエレベータ装置用巻上機。
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