JP2016088588A - コンテナ、保冷保温容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み立て作業および折り畳み作業を容易に行うことができ、かつ内部温度を良好に維持することができる保冷保温容器、およびそれを備えたコンテナを提供する。【解決手段】コンテナの輸送容器内に収納されて用いられる保冷保温容器であって、天面パネルと、開閉可能な正面パネル、左面パネル、奥面パネル、および右面パネルが連結部を介して互いに折り曲げ可能に連結された側面パネルと、底面パネルと、を備え、天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結され、他方のパネルと側面パネルとは互いに分離されており、天面パネル、側面パネル、および底面パネルは、断熱性部材を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、輸送容器とその輸送容器内に収納された保冷保温容器とを備えたコンテナ、および輸送容器内に収納されて用いられる保冷保温容器に関する。
近年、地球温暖化が深刻な問題となっている。これに伴い、航空機、鉄道、トラック等による物流分野においても他の分野と同様に省エネルギー化が推進されている。そのため、物流分野で用いられるコンテナでは、その重量を軽くする軽量化やその内部スペースを拡張する省スペース化は、極めて重要な課題である。
ところが、物流分野では、新鮮な商品を鮮度を保った状態で輸送することが要求される場合がある。そのような場合には、保冷保温容器を内部に収納した輸送容器がコンテナとして使用されている。
一般に、保冷保温容器は、そのパネルが断熱性部材を有することによって、容器内外の熱の移動を抑制している。従来の保冷保温容器のパネルには、断熱性部材として発泡断熱材が用いられている。また、最近、真空断熱材をパネルに用いた保冷保温容器が提案されている。真空断熱材は、単位厚み当りの断熱性能が発泡断熱材よりも大幅に高いので、所望の保冷保温機能を確保しつつ、保冷保温容器の軽量化や省スペース化を図ることができる。
特許文献1には、前面パネルおよび天面パネルと組み合わせて直方体状の密閉容器を形成する筐体パネルを有し、筐体パネルの内部に真空断熱材を設けたものが記載されている。
また、特許文献2および特許文献3には、真空断熱材を有する4つの壁面からなる筒状の壁体と、壁体の一端縁部に嵌合する蓋体と、壁体の他端縁部に嵌合する基台とを有し、壁体と蓋体と基台とが互いに分離可能となっているものが記載されている。さらに、特許文献2および特許文献3には、壁体のうち一対の対向する壁面がそれぞれ谷折りに折り畳み可能となっていることが記載されている。
特開2013−249125号公報 特許第4189022号公報 特開2009−137653号公報
ところで、特許文献1乃至特許文献3に記載のものは、いずれもコンテナで用いるには適していない。すなわち、内部温度管理が要求されない貨物を輸送する場合には、保冷保温容器が組み立てられた状態で輸送容器内に収納されていると、貨物の出し入れの邪魔になったり、積載効率を阻害したりするおそれがある。そのため、コンテナで用いられる保冷保温容器は、必要に応じて組み立てと折り畳みとが可能であることが重要である。それによって、内部温度管理が要求される貨物を輸送する場合には、保冷保温容器を組み立てた状態で輸送容器内に収納し、一方、内部温度管理が要求されない貨物を輸送する場合には、保冷保温容器を折り畳んだ状態で輸送容器内に収納することができる。
さらに、コンテナで用いられる保冷保温容器では、コスト削減も重要であるため、組み立て作業や折り畳み作業を行うにあたっては、作業性が良好で、かつ広大な作業場が要らないことが重要である。例えば、一人二人程度の少人数で組み立て作業や折り畳み作業の大部分を輸送容器内で行うことができれば、容易であると言える。しかし、従来の保冷保温容器では、コンテナで用いることを目的として、組み立てと折り畳みとを可能とし、かつそれらの作業を容易とすることについて、考慮されていない。
特許文献1においては、筐体パネルが、後面パネル部と右側面パネル部と左側面パネル部と底面パネル部とから構成されているが、これらの各パネル部の接続部は気密性を保つために溶接されている。そのため、筐体パネルを折り畳むことは不可能であり、不使用時であっても相当の広さの保管スペースが必要になるという問題がある。
また、特許文献2および特許文献3においては、箱体の寸法に関する具体的な記載がなく、また、構造上、壁体を立たせた状態では開閉が天面に限定される。折り畳まれた状態の壁体を筒状に広げるためには、作業者が壁体の内側に入って谷折りにされた壁面を外側に押しやる必要があるが、仮に各辺の長さが1m以上に大型化される場合、壁体を立たせた状態では開閉が天面に限定されることから作業者が壁体の内側に入ることが困難である。また、壁体を寝かせた状態では作業者が壁体の内側に入ることが可能であるものの、筒状に広げられた壁体を立たせる作業には過大な労力を要するとともに、周囲に十分な作業スペースが必要になるという問題がある。また、折り畳み作業では、蓋体と基台と壁体とに分解する必要があり、すなわち少なくとも3点以上に分解する必要があり、部品点数が多くて作業性が悪い。また、組み立て作業では、壁体から分離された蓋体および基台を、その向きや裏表を間違わずに壁体に対して適切に位置決めする必要があり、作業者の負担が大きい。また、蓋体と基台と壁体とに分解可能であることから、蓋体と壁体との間および壁体と基台との間から熱が出入りし易いという問題もある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、組み立て作業および折り畳み作業を容易に行うことができ、かつ内部温度を良好に維持することができる保冷保温容器、およびそれを備えたコンテナを提供することにある。
本発明は、輸送容器と、輸送容器内に収納された保冷保温容器と、を備えたコンテナであって、保冷保温容器は、天面パネルと、開閉可能な正面パネル、左面パネル、奥面パネル、および右面パネルが連結部を介して互いに折り曲げ可能に連結された側面パネルと、底面パネルと、を有し、天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結され、他方のパネルと側面パネルとは互いに連結されておらず、天面パネル、側面パネル、および底面パネルは、断熱性部材を有することを特徴とするコンテナである。
また、本発明は、コンテナの輸送容器内に収納されて用いられる保冷保温容器であって、天面パネルと、開閉可能な正面パネル、左面パネル、奥面パネル、および右面パネルが連結部を介して互いに折り曲げ可能に連結された側面パネルと、底面パネルと、を備え、天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結され、他方のパネルと側面パネルとは互いに連結されておらず、天面パネル、側面パネル、および底面パネルは、断熱性部材を有することを特徴とする保冷保温容器である。
本発明によれば、組み立て作業および折り畳み作業を容易に行うことができ、かつ内部温度を良好に維持することができる。
図1aは、本発明の第1の実施の形態によるコンテナを示す斜視図である。 図1bは、図1aのコンテナにおいて、保冷保温容器が折り畳まれて積載されている状態を示す斜視図である。 図1cは、図1aのコンテナの保冷保温容器を拡大して示す斜視図である。 図2は、図1cの保冷保温容器の内部平面図である。 図3は、図1cの保冷保温容器の内部側面図である。 図4は、図3の保冷保温容器において符号Aが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。 図5は、図3の保冷保温容器において符号Bが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。 図6は、図1cの保冷保温容器が展開された状態を示す斜視図である。 図7(a)は、断熱性部材を示す斜視図である。図7(b)は、断熱性部材と外装袋とを有する外装袋付断熱性部材を示す斜視図である。 図8は、図7(b)の外装袋付断熱性部材を接合した状態を示す斜視図である。 図9(a)および図9(b)は、真空断熱材を示す断面図である。 図10(a)乃至図10(c)は、図1cの保冷保温容器の組み立て方法を説明するための図である。 図11は、図1cの保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図12は、図1cの保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図13は、図1cの保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図14は、図1cの保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図15は、図1cの保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図16は、第2の実施の形態の保冷保温容器が平板状に展開された状態を示す斜視図である。 図17(a)乃至図17(c)は、図16の保冷保温容器の組み立て方法を説明するための図である。 図18は、第2の実施の形態の保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図19は、第2の実施の形態の保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図20は、第2の実施の形態の保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図21は、第2の実施の形態の保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図22は、第2の実施の形態の保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図23は、第2の実施の形態の保冷保温容器が展開された状態の変形例を示す斜視図である。 図24(a)乃至図24(c)は、左面パネルに設けられた固定具付ベルトについて説明するための図である。
本発明の実施の形態のコンテナは、輸送容器と、輸送容器内に収納された保冷保温容器と、を備えている。保冷保温容器は、天面パネルと、開閉可能な正面パネル、左面パネル、奥面パネル、および右面パネルが連結部を介して互いに折り曲げ可能に連結された側面パネルと、底面パネルと、を有している。天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結され、他方のパネルと側面パネルとは互いに分離されている。そして、天面パネル、側面パネル、および底面パネルは、断熱性部材を有する。
上記の実施の形態のコンテナによれば、天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結されているため、部品点数が減り、折り畳み作業が容易である。また、他方のパネルと側面パネルとは互いに分離されているため、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。また、組み立て作業では、前記一方のパネルを、その向きや裏表を間違わずに側面パネルに対して適切に位置決めする必要が無く、作業性が良い。さらに、前記一方のパネルと側面パネルとの間からの熱の出入りを抑制でき、保冷保温容器の内部温度を良好に維持することができる。
また、本発明の実施の形態の保冷保温容器は、天面パネルと、開閉可能な正面パネル、左面パネル、奥面パネル、および右面パネルが連結部を介して互いに折り曲げ可能に連結された側面パネルと、底面パネルと、を備えている。天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結され、他方のパネルと側面パネルとは互いに分離されている。そして、天面パネル、側面パネル、および底面パネルは、断熱性部材を有する。
上記の実施の形態の保冷保温容器によれば、天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結されているため、部品点数が減り、折り畳み作業が容易である。また、他方のパネルと側面パネルとは互いに分離されているため、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。また、組み立て作業では、前記一方のパネルを、その向きや裏表を間違わずに側面パネルに対して適切に位置決めする必要が無く、作業性が良い。さらに、前記一方のパネルと側面パネルとの間からの熱の出入りを抑制でき、保冷保温容器の内部温度を良好に維持することができる。したがって、輸送容器内に収納されて、コンテナとして用いる用途に特に適している。
上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、側面パネルは、全高方向に延びる分離部を介して、少なくとも一方の側面パネル部分と他方の側面パネル部分とに分離可能であってもよい。この場合、側面パネルを少なくとも一方の側面パネル部分と他方の側面パネル部分とに分離して小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、前記一方のパネルは、一方のパネル部分と他方のパネル部分とに分離可能であり、一方の側面パネル部分に、一方のパネル部分が連結され、他方の側面パネル部分に、他方のパネル部分が連結されていてもよい。この場合、分離された一方の側面パネル部分を含む一方の連結パネルの大きさと他方の側面パネル部分を含む他方の連結パネルの大きさとを概ね揃えることができ、一部品あたりの大きさを概ね半減することができる。
あるいは、上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、前記一方のパネルは、一方の側面パネル部分に連結されていてもよい。この場合、一方の側面パネル部分と他方の側面パネル部分とを容易に区別することができる。
また、上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、前記一方のパネルは、折曲部を介して折り曲げ可能であってもよい。この場合、前記一方のパネルを折曲部を介して折り畳んで小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、側面パネルは、連結部とは異なる部位に存在する折曲部を介して折曲可能であってもよい。この場合、側面パネルを連結部および折曲部を介して折り畳んで小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、前記他方のパネルは、折曲部を介して折り曲げ可能であってもよい。この場合、前記他方のパネルを折曲部を介して折り畳んで小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、天面パネルおよび側面パネルは、真空断熱材を含む断熱性部材を有することが好ましい。この場合、天面パネルおよび側面パネルが軽量化され、組み立て作業および折り畳み作業を一層容易に行うことができる。また、天面パネルおよび側面パネルの断熱性が上がるため、保冷保温容器の内部温度を一層良好に維持することができる。
また、上記の実施の形態のコンテナにおける保冷保温容器または上記の実施の形態の保冷保温容器において、天面パネルには、下方に引っ張ることが可能な取っ手が設けられていることが好ましい。この場合、取っ手を下方に引っ張ることで、天面パネルと側面パネルとを互いにより密着させることができ、熱が移動し難くすることができる。特に、輸送容器内で保冷保温容器を組み立てる場合や保冷保温容器が大型の場合、外側から天面パネルを側面パネルに押し付けて密着させることが困難であるため、取っ手を設けることは極めて有用である。さらに、天面パネルの取っ手にバックルを用い、側面パネルにベルトを配置することがより好ましい。天面パネルと側面パネルとの密着を保持することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について具体例を説明する。
<第1の実施の形態>
図1aは、本発明の第1の実施の形態によるコンテナを示す斜視図である。図1bは、図1aのコンテナにおいて、保冷保温容器が折り畳まれて積載されている状態を示す斜視図である。
図1a及び図1bに示すように、本実施の形態によるコンテナ1は、輸送容器2と、輸送容器2内に収納された保冷保温容器10と、を備えている。
保冷保温容器10は、例えば輸送容器2の保冷性または保温性を向上させる用途に用いることができる。すなわち、保冷保温容器10の各辺の長さは輸送容器2の内部空間の各辺の長さに対応するように設計されている。折り畳まれた状態の保冷保温容器10は、輸送容器2内で組み立てられた後、その内部に保冷あるいは保温すべき貨物が収納され、輸送容器2とともにコンテナ1として輸送される。また、不使用時には、保冷保温容器10は、輸送容器2内において折り畳まれた後、輸送容器2内で保管される。なお、折り畳まれた状態の保冷保温容器10は、それを収納している輸送容器2に常に収納される必要はなく、それを収納している輸送容器2とは異なる他の輸送容器2に、その他の輸送容器が収納している折り畳まれた状態の保冷保温容器10と一緒にまとめて収納されてもよい。それによって、各コンテナ1の積載効率を向上させることができ、効率的な輸送が可能になる。
図1cは、本実施の形態の保冷保温容器10を拡大して示す斜視図である。図2は、図1cの保冷保温容器10の内部平面図である。図3は、図1cの保冷保温容器10の左側から見た内部側面図である。なお、図2では、天面パネル11の図示を省略しており、図3では、左面パネル13の図示を省略している。
図1c、図2、および図3に示すように、本実施の形態による保冷保温容器10は、天面パネル11と、正面パネル12、左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15(下記では、これらのパネル12、13、14、15の共通名称として「側面用パネル」と言う場合がある。)と、底面パネル16と、を備えている。
このうち側面用パネル12、13、14、15は、図1cおよび図2に示すように、連結部31a、31b、31c、31dを介して互いに折り曲げ可能に連結され、全幅方向に延びる側面パネル17を構成している。
また、図1cに示すように、天面パネル11と側面パネル17とは、連結部31eを介して互いに折り曲げ可能に連結されている。一方、底面パネル16と側面パネル17とは、互いに分離されている。
本実施の形態では、天面パネル11および各側面用パネル12、13、14、15は、伸縮性を有する柔軟な材料(例えば樹脂)からなる外装袋に包まれており、隣り合う一対のパネルの各々の外装袋の端部同士が接合されて(例えば外装体の端部の耳部同士が縫合されて)、その接合部分から連結部31a〜31eが構成されている。したがって、本実施の形態の連結部31a〜31eは、折り曲げ可能であるとともに伸縮可能となっている。連結部31a〜31eが伸縮可能であることで、天面パネル11および各側面用パネル12、13、14、15が積み重ねられた状態となるように保冷保温容器10を容易に折り畳むことができる。
図4は、図3の保冷保温容器10において符号Aが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。図5は、図3の保冷保温容器10において符号Bが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。
図4に示すように、天面パネル11は、天井部と、天井部の底面に積層され天井部より各辺が小さい嵌合部と、からなる2層構造を有しており、天井部の底面が奥面パネル14の端面に当接されて支持されるとともに、嵌合部の端面が奥面パネル14の上端部の内面に当接されている。図示されていないが、同様に、天井部の別の底面が左面パネル13の端面に当接されて支持されるとともに、嵌合部の別の端面が左面パネル13の上端部の内面に当接されており、天井部のさらに別の底面が右面パネル15の端面に当接されて支持されるとともに、嵌合部のさらに別の端面が右面パネル15の上端部の内面に当接されている。なお、本明細書において「内面」とは、保冷保温容器10の内側を向く面を意味し、「外面」とは、保冷保温容器10の外側を向く面を意味する。
また、図5に示すように、底面パネル16の端面は奥面パネル14の下端部の内面に当接されている。図示されていないが、同様に、底面パネル16の別の端面は左面パネル13の下端部の内面に当接されており、底面パネル16のさらに別の端面は右面パネル15の下端部の内面に当接されている。
図1cおよび図2に示すように、本実施の形態では、正面パネル12は、中央付近に設けられた全高方向に延びる分離部33aを介して、一方の正面パネル部分12aと他方の正面パネル部分12bとに分離可能となっており、保冷保温容器10の両開き扉を構成するようになっている。なお、本明細書において「中央付近」とは、パネルの全幅を3分割したときに、両端部分に挟まれた真ん中の部分を意味する。
図6は、本実施の形態による保冷保温容器10が展開された状態を示す斜視図である。
図6に示すように、側面パネル17は、全高方向に延びる第2分離部33bを介して、少なくとも一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離可能である。図示された例では、第2分離部33bは、奥面パネル14の中央付近に設けられており、奥面パネル14は、第2分離部33bを介して、一方の奥面パネル部分14aと他方の奥面パネル部分14bとに分離可能である。
そして、一方の正面パネル部分12aと左面パネル13と一方の奥面パネル部分14aとが連結部31a、31bを介して互いに連結されて一方の側面パネル部分17aを構成している。また、他方の正面パネル部分12bと右面パネル15と他方の奥面パネル部分14bとが連結部31c、31dを介して互いに連結されて他方の側面パネル部分17bを構成している。このように、側面パネル17が一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに第2分離部33bを介して分離されることで、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。さらに、第2分離部33bが奥面パネル14の中央付近に設けられていることで、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとの大きさを概ね揃えることができる。
図6に示すように、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとは、適宜の締結手段、例えば面ファスナにより互いに締結されるようになっている。なお、締結手段としては、面ファスナに限定されず、点ファスナ、線ファスナ、留め金、ネジなどを用いることもできる。図示された例では、一方の側面パネル部分17aのうち第2分離部33b側の端部の内面には、全高方向に延びる雌型面ファスナ54が取り付けられており、その外面には、上下2箇所に雄型面ファスナ付フラップ55が取り付けられている。また、他方の側面パネル部分17bのうち第2分離部33b側の端部の内面には、全高方向に延びる雄型面ファスナ付フラップ53が取り付けられており、その外面には、上下2箇所に雌型面ファスナ(不図示)が取り付けられている。そして、一対の側面パネル部分17a、17bは、その内面において雄型面ファスナ付フラップ55が雌型面ファスナ54に当接されるとともに、その外面において雄型面ファスナ付フラップ53が雌型面ファスナ(不図示)に当接されることで、互いに締結されるようになっている。
本実施の形態では、図6に示すように、側面パネル17は、連結部31a、31b、31c、31dとは異なる部位に存在する2つの折曲部32a、32bを介して折り曲げ可能である。図示された例では、一方の折曲部32aは、左面パネル13の中央付近に設けられており、左面パネル13は、当該一方の折曲部32aを介して折り曲げ可能に連結された一対の左面パネル部分13a、13bを有している。また、他方の折曲部32bは、右面パネル15の中央付近に設けられており、右面パネル15は、当該他方の折曲部32bを介して折り曲げ可能に連結された一対の右面パネル部分15a、15bを有している。このように、側面パネル17のうち連結部31a、31b、31c、31dとは異なる部位に折曲部32a、32bが設けられていることで、側面パネル17を折り畳んで小型化することができる。特に、一方の側面パネル部分17aを、連結部31a、31bにおいて山折りに折り曲げるとともに折曲部32aにおいて谷折りに折り曲げることで、M字状に折り畳むことが可能である。また、他方の側面パネル部分17bを、連結部31c、31dにおいて山折りに折り曲げるとともに折曲部32bにおいて谷折りに折り曲げることで、M字状に折り畳むことが可能である。各側面パネル部分17a、17bは、M字状に折り畳まれた状態で自立可能である。
さらに、図6に示すように、天面パネル11は、一方の天面パネル部分11aと他方の天面パネル部分11bとに分離可能である。そして、一方の側面パネル部分17aに、一方の天面パネル部分11aが連結され、他方の側面パネル部分17bに、他方の天面パネル部分11bが連結されている。図示された例では、一方の側面パネル部分17aのうち奥面パネル14側の左面パネル部分13bに一方の天面パネル部分11aが連結されている。また、他方の側面パネル部分17bのうち正面パネル12側の右面パネル部分15bに他方の天面パネル部分11bが連結されている。このように、一方の側面パネル部分17aに、一方の天面パネル部分11aが連結され、他方の側面パネル部分17bに、他方の天面パネル部分11bが連結されていることで、分離された分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aの大きさと、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bの大きさと、を概ね揃えることができ、一部品あたりの大きさを概ね半減することができる。
なお、本実施の形態では、図6に示すように、一方の側面パネル部分17aのうち奥面パネル14側の左面パネル部分13bに一方の天面パネル部分11aが連結され、他方の側面パネル部分17bのうち正面パネル12側の右面パネル部分15bに他方の天面パネル部分11bが連結されていたが、これに限定されず、一方の側面パネル部分17aのうち正面パネル12側の左面パネル部分13aに一方の天面パネル部分11aが連結され、他方の側面パネル部分17bのうち奥面パネル14側の右面パネル部分15aに他方の天面パネル部分11bが連結されていてもよい。
図6に示すように、天面パネル11は、左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15に適宜の連結手段、例えば面ファスナによって締結されるようになっている。より詳しくは、左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の上端部の内面には、それぞれ、左右2箇所に雌型面ファスナ52が取り付けられている。また、天面パネル11の3つの端面には、左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の雌型面ファスナ52に対応するように雄型面ファスナ付フラップ51が取り付けられている。そして、各雄型面ファスナ付フラップ51が雌型面ファスナ52に当接されることで、天面パネル11は左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15に締結されるようになっている。
また、図6に示すように、底面パネル16は、折曲部32cを介して折り曲げ可能に連結された一対の底面パネル部分16a、16bを有している。折曲部32cは、底面パネル16の中央付近に設けられている。これにより、底面パネル16の不使用時に、底面パネル16を折曲部32cを介して折り畳んで小型化することができる。
本実施の形態では、図6に示すように、左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の内面には、それぞれ、保冷材または保温材を収納するポケット状の収納部41が設けられている。このようなポケット状の収納部41は、必ずしも左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の内面に設ける必要は無く、天面パネル11の内面、あるいは底面パネル16の内面にポケット状の収納部41が設けられてもよい。なお、図6では、正面パネル12が重くなり開閉を妨げるおそれを防ぐために収納部41は設けられていないが、特段の問題が生じなければ、正面パネル12に収納部41を設けてもよい。
次に、天面パネル11および側面用パネル12、13、14、15の構造について詳しく説明する。
図4に示すように、天面パネル11および側面用パネル12、13、14、15は、いずれも、断熱性部材20と、この断熱性部材20を覆う断熱性の外装袋25と、を有する板状の外装袋付断熱性部材20Aからなっている。断熱性部材20は、真空断熱材21を含むことが好ましい。
本実施の形態では、天面パネル11は、一対の天面パネル部分11a、11bに対応して一対の外装袋付断熱性部材20Aを有している。また、正面パネル12は、一対の正面パネル部分12a、12bに対応して一対の外装袋付断熱性部材20Aを有しており、同様に、左面パネル13は、一対の左面パネル部分13a、13bに対応して一対の外装袋付断熱性部材20Aを有しており、奥面パネル14は、一対の奥面パネル部分14a、14bに対応して一対の外装袋付断熱性部材20Aを有しており、右面パネル15は、一対の右面パネル部分15a、15bに対応して一対の外装袋付断熱性部材20Aを有している。断熱性部材20は、真空断熱材21を含む場合、真空断熱材21は、一対のパネル部分のそれぞれに配置されており、パネル部分同士の間には配置されていない。そのため、パネル部分同士の間で、天面パネル11や側面用パネル12、13、14、15が折り曲げられたり分離される場合であっても、真空断熱材21が破損するおそれがない。真空断熱材21では真空が破れた場合に、断熱性が急激に低下してしまうので、真空断熱材21が破損しないようにパネルに配置することは重要である。
図7(a)は、断熱性部材20を示す斜視図である。図7(b)は、断熱性部材20と外装袋25とを有する外装袋付断熱性部材20Aを示す斜視図である。
外装袋25は、断熱性の柔軟な可撓性材料からなり、容易に折り曲げることができるものである。
一方、図7(a)に示すように、断熱性部材20は、少なくとも真空断熱材21と、真空断熱材21を両面から挟持する一対の追加断熱材22と、一方の追加断熱材22上に積層された保護材23と、を有している。
図9(a)および図9(b)は、真空断熱材21を示す断面図である。
図9(a)および図9(b)に示すように、真空断熱材21は、繊維状、発泡状または粒状体の素材のうちのいずれか一つを少なくとも含む芯材21aと、この芯材21aを覆うとともにガスバリア性を有する外被材21bと、を有し、外被材21b内を減圧して真空状態とすることにより得られる断熱材である。この場合、図9(a)に示すように、外被材21b内のうち芯材21aの両端に空間が形成されるが、図9(b)に示すように、外被材21bのうち芯材21aの両端に空間を形成することなく、外被材21bを密着させてもよい。
図8に示すように、左面パネル13の一対の左面パネル部分13a、13bに対応する一対の外装袋付断熱性部材20Aは、全高方向に延びる折曲部32aを介して互いに連結されている。より詳しくは、一方の外装袋付断熱性部材20Aの長手方向に延びる稜線部が、他方の外装袋付断熱性部材20Aの長手方向に延びる稜線部に当接された状態で、外装袋25の端部同士が接合されて(例えば、外装袋25の端部の耳部同士が縫合されて)折曲部32aを構成している。これにより、一方の外装袋付断熱性部材20Aと他方の外装袋付断熱性部材20Aとは、折曲部32aを介して折り曲げ可能となっている。同様に、右面パネル15の一対の右面パネル部分15a、15bに対応する一対の外装袋付断熱性部材20Aも、全高方向に延びる折曲部32bを介して互いに折り曲げ可能に連結されている。
次に、保冷保温容器10の底面パネル16の構造について詳しく説明する。
図5に示すように、底面パネル16は、底面用断熱性部材20’と、この底面用断熱性部材20’を覆う断熱性の外装袋25と、を有する外装袋付底面用断熱性部材20Bからなっている 。底面用断熱性部材20’は、発泡断熱材26を含んでいる。
本実施の形態では、底面パネル16は、一対の底面パネル部分16a、16bに対応して一対の外装袋付底面用断熱性部材20Bを有している。底面パネル16の一対の底面パネル部分16a、16bに対応する一対の外装袋付底面用断熱性部材20Bは、左面パネル13、右面パネル15の一対の外装袋付断熱性部材20Aと同様に、折曲部32cを介して互いに折り曲げ可能に連結されている。
外装袋付底面用断熱性部材20Bの外装袋25は、上述の外装袋付断熱性部材20Aの外装袋25と同じものであり、説明を省略する。
一方、底面用断熱性部材20’は、発泡断熱材26と、発泡断熱材26上に積層された底面用保護材27と、を有している。
次に、各部の構成材料について説明する。
(断熱性部材20)
まず、断熱性部材20の材料について説明する。断熱性部材20は、上述のように、真空断熱材21と、一対の追加断熱材22と、保護材23と、を有している。
このうち、真空断熱材21は、芯材21aと、芯材21aを覆うガスバリア性の外被材21bとからなる。
また、追加断熱材22としては、一般的な発泡材料を用いることができる。具体的には、押し出し発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、フェノールフォーム等の発泡プラスチック系断熱材等を挙げることができる。
また、保護材23は、以下のようなものである。すなわち、真空断熱材21は外傷等で亀裂やしわ、貫通が生じやすく、単独で用いると特に物流過程で損傷しやすく、いったん外装が破壊されると真空度が低下して十分な断熱性を維持できないおそれがある。そこで、本実施の形態では、追加断熱材22により真空断熱材21の表裏を被覆するとともに、保護材23により追加断熱材22の容器外側を被覆することで真空断熱材21を保護し、真空断熱材21の繰り返しの使用ができるようになっている。
保護材23としては、保護機能のある剛性を備えていれば特に限定されず、例えば合板、鋼板、発泡材、剛性樹脂板、エンボス樹脂シート、板紙等を用いても良いが、物流上、重量や体積が低減されることで輸送コストを軽減できることから、特に、いわゆる養生材やプラダン(プラスチックダンボール)、あるいはその複合材を用いることが、特にコスト、重量的に好ましい。
断熱性部材20を形成する材料の熱伝導率としては、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されないが、例えば、100mW・m−1・K−1以下、なかでも50mW・m−1・K−1以下、特に35mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。断熱性部材20の熱伝導率が大きいと、十分な断熱機能を発揮することが困難となるからである。
また、断熱性部材20を構成する材料の比熱としては、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されないが、例えば、0.5kJ・g−1・K−1〜2.0kJ・g−1・K−1程度であり、なかでも0.8kJ・g−1・K−1〜1.5kJ・g−1・K−1の範囲内、特に1.0kJ・g−1・K−1〜1.4kJ・g−1・K−1の範囲内であることが好ましい。
断熱性部材20の厚さとしては、所望の断熱性を有することができれば特に限定されず、様々の用途に応じて適宜選択することができるが、物流に関しては体積を低減するこが物流コスト上、好ましく、例えば、0.1mm〜100mmの範囲内、なかでも1mm〜80mmの範囲内、特に3mm〜50mmの範囲内であることが好ましい。
断熱性部材20の厚さが厚すぎる場合は、断熱性部材20が重くなり、保冷保温容器10全体が重くなって、保冷保温容器10の取り扱いが困難となる可能性がある。一方、断熱性部材20の厚さが薄すぎると十分な断熱性を発揮することが困難となる場合や、断熱性部材20の真空断熱材21が破損等し易くなる可能性がある。また、本実施の形態においては、上述した数値範囲内において、断熱性部材20の厚さは薄いことがより好ましい。
本実施の形態による保冷保温容器10においては、保護材23の厚みを薄くすれば、計量化できるだけでなく、真空断熱材21の断熱機能をより発揮することができ、保冷保温容器10の重量や寸法を抑制できる。また、断熱性部材20全体としての厚さを薄くして、軽量化やコンパクト化を示すことができる。この場合、本実施の形態による保冷保温容器10を軽量なものとすることができることで、組み立て作業、および分解作業における作業者の負担を低減することができる。
(外装袋25)
次に、外装袋25の材料について述べる。
外装袋25は、断熱性をもつ柔軟な可撓性材料からなり、PET・アルミ箔・ポリエチレンフォーム等、あるいはPET・アルミ箔・ペフ等で袋化したものを用いることができる。外装袋25として軟質の袋体を用いることで、収納された断熱性部材20の擦過傷等を予防し、商品寿命を延長することができる。
(底面用断熱性部材20’)
次に、底面用断熱性部材20’の材料について述べる。底面用断熱性部材20’は、上述のように、発泡断熱材26と、発泡断熱材26上に積層された底面用保護材27と、を有している。
発泡断熱材26としては、追加断熱材22と同様、一般的な発泡材料を用いることができる。具体的には、例えば、押し出し発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、フェノールフォーム等の発泡プラスチック系断熱材等を挙げることができる。
底面用保護材27としては、保護材23と同様、保護機能のある剛性を備えていれば特に限定されず、例えば合板、鋼板、発泡材、剛性樹脂板、エンボス樹脂シート、板紙等を用いても良いが、物流上、重量や体積が低減されることで輸送コストを軽減できることから、特に、いわゆる養生材やプラダン(プラスチックダンボール)、あるいはその複合材を用いることが、特にコスト、重量的に好ましい。
次に、図1a、図1b、および図10(a)乃至図10(c)を参照して、以上のような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、図1bに示すように、第2分離部33bを介して分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aと、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bとが、それぞれ、各連結部31a〜31eおよび折曲部32a、32bを介して折り畳まれて小型化された状態で、例えば航空輸送用コンテナのアルミ製の輸送容器2内に搬入される。本実施の形態では、底面パネル16と側面パネル17とは互いに分離されているため、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上している。また、側面パネル17が第2分離部33bを介して一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離されており、一方の側面パネル部分17aに一方の天面パネル部分11aが連結され、他方の側面パネル部分17bに他方の天面パネル部分11bが連結されているため、分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aの大きさと他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bの大きさとを概ね揃えることができ、一部品あたりの大きさを概ね半減することができる。そのため、全高方向の長さが1m以上であっても、1人または少数の作業者により容易に搬入することができる。さらに、天面パネル11および各側面用パネル12、13、14、15が真空断熱材21を含んでいるため軽量であり、作業者の負担が一層軽減する。
次に、輸送容器2内において、図10(a)に示すように、一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aが立たされた状態で、一方の側面パネル部分17aが展開される。そして、左面パネル13の内面に取り付けられた不図示の雌型面ファスナに対して折曲部32aを跨ぐように雄型面ファスナ付フラップ56(図6参照)が当接されることで、左面パネル13の折曲部32aが固定される。また、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bが立たされた状態で、他方の側面パネル部分17aが展開される。そして、右面パネル15の内面に取り付けられた不図示の雌型面ファスナに対して折曲部32bを跨ぐように雄型面ファスナ付フラップ56(図6参照)が当接されることで、右面パネル15の折曲部32aが固定される。また、一方の側面パネル部分17aの第2分離部33b側の端部と他方の側面パネル部分17bの第2分離部33b側の端部とが、上述のように面ファスナ53、54、55によって締結される。
次に、図10(b)に示すように、一方の側面パネル部分17aに連結部31eを介して連結された一方の天面パネル部分11aと、他方の側面パネル部分17bに連結部31eを介して連結された他方の天面パネル部分11bとが、それぞれ広げられる(押し上げられる)。そして、天面パネル11の天井部の底面が左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の端面に当接されるとともに、天面パネル11の嵌合部の端面が左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の上端部の内面に当接される。天面パネル11の嵌合部の端面と左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の上端部の内面とは、前記したように面ファスナ51、52によって締結される。ここで、天面パネル11は側面パネル17に連結されているため、天面パネル11を、その向きや裏表を間違わずに側面パネル17に対して適切に位置決めする必要が無く、作業性が良い。
次に、正面パネル12の一対の正面パネル部分12a、12bが開とされた状態で、平面状に広げられた状態の底面パネル16が、一対の正面パネル部分12a、12b間を通って輸送容器2内に搬入され、底面パネル16の端面が、左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の下端部の内面に当接される。
このようにして、図10(c)および図1aに示すように、輸送容器2内に収容され、組み立てられた保冷保温容器10が得られる。天面パネル11は側面パネル17に連結されているため、天面パネル11と側面パネル17との間からの熱の出入りを抑制でき、保冷保温容器10の内部温度を良好に維持することができる。
次に、正面パネル12の一対の正面パネル部分12a、12bが開の状態で、この一対の正面パネル部分12a、12bから保冷保温容器10の内部に貨物が収納される。その後、この一対の正面パネル部分12a、12bが閉とされる。この時、一方の正面パネル部分12aの端部に全高方向に延びるように取付られた雌型面ファスナ58に、他方の正面パネル部分12bの端部に全高方向に延びるように取付られた雄型面ファスナ付フラップ57が当接されることで、2つの正面パネル部分12a、12bがロックされる。その後、保冷保温容器10は、輸送容器とともに輸送される。
次に、保冷保温容器10を使用しない場合、輸送容器2内において、前述の工程が逆の順序で行われることにより、底面パネル16と側面パネル17とが互いに分離されるとともに、側面パネル17が第2分離部33bを介して一対の側面パネル部分17a、17bに分離される。そして、一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aが連結部31a、31b、31eおよび折曲部32aを介して折り畳まれて小型化されるとともに、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bも連結部31c、31d、31eおよび折曲部32bを介して折り畳まれて小型化される。また、底面パネル16も折曲部32cを介して折り畳まれて小型化される。本実施の形態では、天面パネル11と側面パネル17とが互いに連結されているため、部品点数が減り、折り畳み作業が容易である。また、側面パネル17が少なくとも一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離されることで、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。さらに、一方の連結パネル18a、他方の連結パネル18b、および底面パネル16がそれぞれ折り畳まれて小型化されることで、持ち運びが一層容易であるとともに、保管スペースが縮小される。
以上のように、本実施の形態によれば、天面パネル11と側面パネル17とが互いに連結されているため、部品点数が減り、折り畳み作業が容易である。また、底面パネル16と側面パネル17とは互いに分離されているため、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。また、組み立て作業では、天面パネル11を、その向きや裏表を間違わずに側面パネル17に対して適切に位置決めする必要が無く、作業性が良い。
また、本実施の形態によれば、天面パネル11と側面パネル17との間の少なくとも一部が連結部31eにより連結されて塞がれているため、天面パネル11と側面パネル17との間からの熱の出入りを抑制でき、保冷保温容器10の内部温度を良好に維持することができる。
また、本実施の形態によれば、側面パネル17を少なくとも一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離して小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、天面パネル11は一方の天面パネル部分11aと他方の天面パネル部分11bとに分離可能であり、一方の側面パネル部分17aに一方の天面パネル部分11aが連結され、他方の側面パネル部分17bに他方の天面パネル部分11bが連結されているため、分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aの大きさと他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bの大きさとを概ね揃えることができ、一部品あたりの大きさを概ね半減することができる。
また、本実施の形態によれば、側面パネル17を連結部31a〜31dおよび折曲部32a、32bを介して折り畳んで小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、底面パネル16も折曲部32cを介して折り畳んで小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、天面パネル11および側面パネル17が真空断熱材21を含む断熱性部材20を有しているため、天面パネル11および側面パネル17が軽量化され、組み立て作業および折り畳み作業を一層容易に行うことができる。また、天面パネル11および側面パネル17の断熱性が上がるため、保冷保温容器10の内部温度を一層良好に維持することができる。
なお、本実施の形態では、図6に示すように、天面パネル11の一対の天面パネル部分11a、11bが連結部31eを介して左面パネル13および右面パネル15にそれぞれ連結されていたが、これに限定されず、図11に示すように、天面パネル11の一対の天面パネル部分11a、11bが連結部31eを介して奥面パネル14に連結されていてもよい。このような態様によっても、本実施の形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態では、一方の側面パネル部分17aに一方の天面パネル部分11aが連結され、他方の側面パネル部分17bに他方の天面パネル部分11bが連結されていたが、これに限定されず、図12に示すように、一方の側面パネル部分17aに一方の天面パネル部分11aと他方の天面パネル部分11bとが連結されていてもよい。この場合、天面パネル11が連結されているか否かに応じて、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを容易に区別することができ、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを左右の配置を間違えることなく輸送容器2内に適切に搬入することができる。
また、図12に示す態様では、天面パネル11は一対の天面パネル部分11a、11bに分離可能であるとともに、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16はそれぞれ折曲部32a、32b、32cを介して折り曲げ可能であったが、これに限定されず、図13に示すように、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16は、それぞれ、折り曲げ不能且つ分離不能な一枚のパネルから構成されていてもよい。この場合も、天面パネル11が連結されているか否かに応じて、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを容易に区別することができ、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを左右の配置を間違えることなく輸送容器2内に適切に搬入することができる。また、この場合、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16をそれぞれ折り畳んで小型化することはできなくなるが、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16の各々の中央付近にも断熱性部材、好ましくは真空断熱材21を配置することができる。これにより、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16の各々の断熱性を向上でき、保冷保温容器10の内部温度を一層良好に維持することができる。
また、図6および図11乃至図13に示す態様では、いずれも、側面パネル17が第2分離部33bを介して一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離可能であったが、これに限定されず、図14に示すように、側面パネル17が2つの分離部31b’、31c’を介して第1側面パネル部分17cと第2側面パネル部分17dと第3側面パネル部分17eとに分離可能であってもよい。図示された例では、一方の分離部31b’は左面パネル13と奥面パネル14との連結部に設けられており、他方の分離部31c’は奥面パネル14と右面パネル15との連結部に設けられている。分離部31b’、31c’としては、適宜の連結手段、例えば線ファスナが用いられる。天面パネル11の一対の天面パネル部分11a、11bは、第2側面パネル部分17d、すなわち奥面パネル14に連結部31eを介して連結されており、奥面パネル14の一対の奥面パネル部分14a、14bは、折曲部32dを介して折り曲げ可能に連結されている。このような態様によれば、部品点数が増えるものの、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。
また、図14に示す態様では、天面パネル11は一対の天面パネル部分11a、11bに分離可能であるとともに、奥面パネル14および底面パネル16はそれぞれ折曲部32d、32cを介して折り曲げ可能であったが、これに限定されず、図15に示すように、天面パネル11、奥面パネル14、および底面パネル16は、それぞれ、折り曲げ不能且つ分離不能な一枚のパネルから構成されていてもよい。この場合、天面パネル11、奥面パネル14、および底面パネル16をそれぞれ折り畳んで小型化することはできなくなるが、天面パネル11、奥面パネル14、および底面パネル16の各々の中央付近にも断熱性部材、好ましくは真空断熱材21を配置することができる。これにより、天面パネル11、奥面パネル14、および底面パネル16の各々の断熱性を向上でき、保冷保温容器10の内部温度を一層良好に維持することができる。
なお、図14および図15に示された例では、天面パネル11は、第2側面パネル部分17dに連結されているが、これに限定されず、天面パネル11は、第1側面パネル部分17cに連結されていてもよいし、あるいは、第3側面パネル部分17eに連結されていてもよい。
<第2の実施の形態>
次に、図16及び図17を参照し、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図16は、第2の実施の形態の保冷保温容器102が平板状に展開された状態を示す斜視図である。図17(a)乃至図17(c)は、図16の保冷保温容器102の組み立て方法を説明するための図である。
図16に示すように、第2の実施の形態による保冷保温容器102では、底面パネル16と側面パネル17とは、連結部31fを介して互いに折り曲げ可能に連結されている。一方、天面パネル11と側面パネル17とは、互いに分離されている。
本実施の形態では、図16に示すように、底面パネル16は、一方の底面パネル部分16aと他方の底面パネル部分16bとに分離可能である。そして、一方の側面パネル部分17aに、一方の底面パネル部分16aが連結され、他方の側面パネル部分17bに、他方の底面パネル部分16bが連結されている。図示された例では、一方の側面パネル部分17aのうち奥面パネル14側の左面パネル部分13bに一方の底面パネル部分16aが連結されている。また、他方の側面パネル部分17bのうち正面パネル12側の右面パネル部分15bに他方の底面パネル部分16bが連結されている。このように、一方の側面パネル部分17aに、一方の底面パネル部分16aが連結され、他方の側面パネル部分17bに、他方の底面パネル部分16bが連結されていることで、分離された分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aの大きさと、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bの大きさと、を概ね揃えることができ、一部品あたりの大きさを概ね半減することができる。
なお、本実施の形態では、図16に示すように、一方の側面パネル部分17aのうち奥面パネル14側の左面パネル部分13bに一方の底面パネル部分16aが連結され、他方の側面パネル部分17bのうち正面パネル12側の右面パネル部分15bに他方の底面パネル部分16bが連結されていたが、これに限定されず、一方の側面パネル部分17aのうち正面パネル12側の左面パネル部分13aに一方の底面パネル部分16aが連結され、他方の側面パネル部分17bのうち奥面パネル14側の右面パネル部分15aに他方の底面パネル部分16bが連結されていてもよい。
また、本実施の形態では、図16に示すように、天面パネル11は、折曲部32eを介して折り曲げ可能に連結された一対の天面パネル部分11a、11bを有している。折曲部32eは、天面パネル11の中央付近に設けられている。これにより、天面パネル11の不使用時に、天面パネル11を折曲部32eを介して折り畳んで小型化することができる。 その他の構成は、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と略同様である。図16および図17において、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、図17(a)乃至図17(c)を参照して、第2の実施の形態の作用について説明する。
まず、第1の実施の形態と同様に、第2分離部33bを介して分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aと、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bとが、それぞれ、各連結部31a〜31d、31fおよび折曲部32a、32bを介して折り畳まれて小型化された状態で、例えば航空輸送用コンテナのアルミ製の輸送容器2内に搬入される。本実施の形態では、天面パネル11と側面パネル17とが互いに分離されているため、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上している。また、側面パネル17が第2分離部33bを介して一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離されており、一方の側面パネル部分17aに一方の底面パネル部分16aが連結され、他方の側面パネル部分17bに他方の底面パネル部分16bが連結されているため、分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aの大きさと他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bの大きさとを概ね揃えることができ、一部品あたりの大きさを概ね半減することができる。そのため、全高方向の長さが1m以上であっても、1人または少数の作業者により容易に搬入することができる。さらに、天面パネル11および各側面用パネル12、13、14、15が真空断熱材21を含んでいるため軽量であり、作業者の負担が一層軽減する。
次に、輸送容器2内において、図17(a)に示すように、一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aが立たされた状態で、一方の側面パネル部分17aが展開される。そして、左面パネル13の内面に取り付けられた不図示の雌型面ファスナに対して折曲部32aを跨ぐように雄型面ファスナ付フラップ56(図16参照)が当接されることで、左面パネル13の折曲部32aが固定される。また、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bが立たされた状態で、他方の側面パネル部分17aが展開される。そして、右面パネル15の内面に取り付けられた不図示の雌型面ファスナに対して折曲部32bを跨ぐように雄型面ファスナ付フラップ56(図16参照)が当接されることで、右面パネル15の折曲部32aが固定される。また、一方の側面パネル部分17aの第2分離部33b側の端部と他方の側面パネル部分17bの第2分離部33b側の端部とが、上述のように面ファスナ53、54、55によって締結される。
次に、一方の側面パネル部分17aに連結部31fを介して連結された一方の底面パネル部分16aと、他方の側面パネル部分17bに連結部31fを介して連結された他方の底面パネル部分16bとが、それぞれ広げられる(押し下げられる)。そして、底面パネル16の端面が、左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の下端部の内面に当接される。ここで、底面パネル16は側面パネル17に連結されているため、底面パネル16を、その向きや裏表を間違わずに側面パネル17に対して適切に位置決めする必要が無く、作業性が良い。
次に、図17(b)に示すように、正面パネル12の一対の正面パネル部分12a、12bが開とされた状態で、平面状に広げられた状態の天面パネル11が、一対の正面パネル部分12a、12b間を通って輸送容器2内に搬入される。そして、天面パネル11の天井部の底面が左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の端面に当接されるとともに、天面パネル11の嵌合部の端面が左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の上端部の内面に当接される。天面パネル11の嵌合部の端面と左面パネル13、奥面パネル14、および右面パネル15の上端部の内面とは、前記したように面ファスナ51、52によって締結される。
このようにして、図17(c)および図1aに示すように、輸送容器2内に収容され、組み立てられた保冷保温容器10が得られる。底面パネル16は側面パネル17に連結されているため、底面パネル16と側面パネル17との間からの熱の出入りを抑制でき、保冷保温容器10の内部温度を良好に維持することができる。
次に、正面パネル12の一対の正面パネル部分12a、12bが開の状態で、この一対の正面パネル部分12a、12bから保冷保温容器10の内部に貨物が収納される。その後、この一対の正面パネル部分12a、12bが閉とされる。この時、一方の正面パネル部分12aの端部に全高方向に延びるように取付られた雌型面ファスナ58に、他方の正面パネル部分12bの端部に全高方向に延びるように取付られた雄型面ファスナ付フラップ57が当接されることで、2つの正面パネル部分12a、12bがロックされる。その後、保冷保温容器10は、輸送容器とともに輸送される。
次に、保冷保温容器10を使用しない場合、輸送容器2内において、前述の工程が逆の順序で行われることにより、天面パネル11と側面パネル17とが互いに分離されるとともに、側面パネル17が第2分離部33bを介して一対の側面パネル部分17a、17bに分離される。そして、一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aが連結部31a、31b、31fおよび折曲部32aを介して折り畳まれて小型化されるとともに、他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bも連結部31c、31d、31fおよび折曲部32bを介して折り畳まれて小型化される。また、天面パネル11も折曲部32eを介して折り畳まれて小型化される。本実施の形態では、底面パネル16と側面パネル17とが互いに連結されているため、部品点数が減り、折り畳み作業が容易である。また、側面パネル17が少なくとも一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離されることで、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。さらに、一方の連結パネル18a、他方の連結パネル18b、および天面パネル11がそれぞれ折り畳まれて小型化されることで、持ち運びが一層容易であるとともに、保管スペースが縮小される。
以上のように、第2の実施の形態によれば、底面パネル16と側面パネル17とが互いに連結されているため、部品点数が減り、折り畳み作業が容易である。また、天面パネル11と側面パネル17とは互いに分離されているため、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。また、組み立て作業では、底面パネル16を、その向きや裏表を間違わずに側面パネル17に対して適切に位置決めする必要が無く、作業性が良い。
また、第2の実施の形態によれば、底面パネル16と側面パネル17との間の少なくとも一部が連結部31fにより連結されて塞がれているため、底面パネル16と側面パネル17との間からの熱の出入りを抑制でき、保冷保温容器10の内部温度を良好に維持することができる。
また、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、側面パネル17を少なくとも一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離して小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、第2の実施の形態によれば、底面パネル16は一方の底面パネル部分16aと他方の底面パネル部分16bとに分離可能であり、一方の側面パネル部分17aに一方の底面パネル部分16aが連結され、他方の側面パネル部分17bに他方の底面パネル部分16bが連結されているため、分離された一方の側面パネル部分17aを含む一方の連結パネル18aの大きさと他方の側面パネル部分17bを含む他方の連結パネル18bの大きさとを概ね揃えることができ、一部品あたりの大きさを概ね半減することができる。
また、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、側面パネル17を連結部31a〜31dおよび折曲部32a、32bを介して折り畳んで小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、第2実施の形態によれば、天面パネル11も折曲部32eを介して折り畳んで小型化できるので、組み立て作業および分解作業を一層容易に行うことができる。
また、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、天面パネル11および側面パネル17が真空断熱材21を含む断熱性部材20を有しているため、天面パネル11および側面パネル17が軽量化され、組み立て作業および折り畳み作業を一層容易に行うことができる。また、天面パネル11および側面パネル17の断熱性が上がるため、保冷保温容器10の内部温度を一層良好に維持することができる。
なお、第2の実施の形態では、図16に示すように、底面パネル16の一対の底面パネル部分16a、16bが連結部31fを介して左面パネル13および右面パネル15にそれぞれ連結されていたが、これに限定されず、図18に示すように、底面パネル16の一対の底面パネル部分16a、16bが連結部31fを介して奥面パネル14に連結されていてもよい。このような態様によっても、第2の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
また、第2の実施の形態では、一方の側面パネル部分17aに一方の底面パネル部分16aが連結され、他方の側面パネル部分17bに他方の底面パネル部分16bが連結されていたが、これに限定されず、図19に示すように、一方の側面パネル部分17aに一方の底面パネル部分16aと他方の底面パネル部分16bとが連結されていてもよい。この場合、底面パネル16が連結されているか否かに応じて、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを容易に区別することができ、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを左右の配置を間違えることなく輸送容器2内に適切に搬入することができる。
また、図19に示す態様では、底面パネル16は一対の底面パネル部分16a、16bに分離可能であるとともに、天面パネル11、左面パネル13および右面パネル15はそれぞれ折曲部32e、32a、32bを介して折り曲げ可能であったが、これに限定されず、図20に示すように、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16は、それぞれ、折り曲げ不能且つ分離不能な一枚のパネルから構成されていてもよい。この場合も、底面パネル16が連結されているか否かに応じて、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを容易に区別することができ、一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとを左右の配置を間違えることなく輸送容器2内に適切に搬入することができる。また、この場合、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16をそれぞれ折り畳んで小型化することはできなくなるが、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16の各々の中央付近にも断熱性部材、好ましくは真空断熱材21を配置することができる。これにより、天面パネル11、左面パネル13、右面パネル15、および底面パネル16の各々の断熱性を向上でき、保冷保温容器10の内部温度を一層良好に維持することができる。
また、図16および図18乃至図20に示す態様では、いずれも、側面パネル17が第2分離部33bを介して一方の側面パネル部分17aと他方の側面パネル部分17bとに分離可能であったが、これに限定されず、図32に示すように、側面パネル17が2つの分離部31b’、31c’を介して第1側面パネル部分17cと第2側面パネル部分17dと第3側面パネル部分17eとに分離可能であってもよい。図示された例では、一方の分離部31b’は左面パネル13と奥面パネル14との連結部に設けられており、他方の分離部31c’は奥面パネル14と右面パネル15との連結部に設けられている。分離部31b’、31c’としては、適宜の連結手段、例えば線ファスナが用いられる。底面パネル16の一対の底面パネル部分16a、16bは、第2側面パネル部分17d、すなわち奥面パネル14に連結部31eを介して連結されており、奥面パネル14の一対の奥面パネル部分14a、14bは、折曲部32dを介して折り曲げ可能に連結されている。このような態様によれば、部品点数が増えるものの、一部品あたりの大きさが減少し、持ち運び性が向上する。
また、図21に示す態様では、底面パネル16は一対の底面パネル部分16a、16bに分離可能であるとともに、天面パネル11および奥面パネル14はそれぞれ折曲部32e、32dを介して折り曲げ可能であったが、これに限定されず、図22に示すように、天面パネル11、底面パネル16および奥面パネル14は、それぞれ、折り曲げ不能且つ分離不能な一枚のパネルから構成されていてもよい。この場合、天面パネル11、底面パネル16および奥面パネル14をそれぞれ折り畳んで小型化することはできなくなるが、天面パネル11、底面パネル16および奥面パネル14の各々の中央付近にも断熱性部材、好ましくは真空断熱材21を配置することができる。これにより、天面パネル11、底面パネル16および奥面パネル14の断熱性を向上でき、保冷保温容器10の内部温度を一層良好に維持することができる。
なお、図21および図22に示された例では、底面パネル16は、第2側面パネル部分17dに連結されているが、これに限定されず、底面パネル16は、第1側面パネル部分17cに連結されていてもよいし、あるいは、第3側面パネル部分17eに連結されていてもよい。
また、図19に示す態様では、一方の側面パネル部分17aの左面パネル13に底面パネル16が連結されていたが、図23に示すように、一方の側面パネル17aの奥面パネル14に底面パネル16が連結されていてもよい。より詳しくは、底面パネル16の一対の底面パネル部分16a、16bは折曲部32cを介して折り曲げ可能に連結されており、一方の底面パネル部分16aが一方の側面パネル部分17aの奥面パネル部分14aに連結部31fを介して連結されている。このような態様によっても、図19に示す態様と同様の作用効果が得られる。
さらに、図24(a)乃至図24(c)を用いて、第1および第2の実施の形態の好ましい変形例について説明する。図24(a)乃至図24(c)は、左面パネル13に設けられた固定具付ベルト65について説明するための図である。
図24(a)に示すように、左面パネル13の上方には、左面パネル13に上方の一端が固定され、他端に固定具を有するベルト65を有している。また、天面パネル11の左側方には、取っ手としてバックル66が取り付けられている。そして、図24(b)および図24(c)に示すように、左面パネル13のベルト65の他端側を天面パネル11のバックル66の輪の中を通す。このような状態で、ベルト65をバックル66の輪を梃子として使いながら引っ張ることで、バックル66が下方に引っ張られ、天面パネル11と左面パネル13がより密着するようになる。最後に、ベルト65の固定具を使って、ベルト65とバックル66とを固定することで、その密着状態を保持することができる。なお、組み立て時に密着を向上させる目的であれば、ベルト65は、左面パネル13に固定している必要や固定具を有している必要はない。また、輪、フック、摘みなどの公知の取っ手を用いてもよく、作業者が手で引っ張ることも可能である。
1 コンテナ
2 輸送容器
10 保冷保温容器
102 保冷保温容器
11 天面パネル
11a、11b 天面パネル部分
12 正面パネル
12a、12b 正面パネル部分
13 左面パネル
13a、13b 左面パネル部分
14 奥面パネル
14a、14b 奥面パネル部分
15 右面パネル
15a、15b 右面パネル部分
16 底面パネル
16a、16b 底面パネル部分
17 側面パネル
17a〜17e 側面パネル部分
18a、18b 連結パネル
20 断熱性部材
20’ 底面用断熱性部材
20A 外装袋付断熱性部材
20A 外装袋付底面用断熱性部材
21 真空断熱材
21a 芯材
21b 外被材
22 追加断熱材
23 保護材
25 外装袋
26 発泡断熱材
27 底面用保護材
31a〜31f 連結部
31b’、31c’ 連結部
32a〜32e 折曲部
33a、33b 分離部
41 収納部
42 保冷材または保温材
51 雄型面ファスナ付フラップ
52 雌型面ファスナ
53 雄型面ファスナ付フラップ
54 雌型面ファスナ
55 雄型面ファスナ付フラップ
56 雄型面ファスナ付フラップ
57 雄型面ファスナ付フラップ
58 雌型面ファスナ
65 ベルト
66 バックル(取っ手)

Claims (18)

  1. 輸送容器と、輸送容器内に収納された保冷保温容器と、を備えたコンテナであって、
    保冷保温容器は、
    天面パネルと、
    開閉可能な正面パネル、左面パネル、奥面パネル、および右面パネルが連結部を介して互いに折り曲げ可能に連結された側面パネルと、
    底面パネルと、
    を有し、
    天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結され、他方のパネルと側面パネルとは互いに分離されており、
    天面パネル、側面パネル、および底面パネルは、断熱性部材を有する
    ことを特徴とするコンテナ。
  2. 側面パネルは、全高方向に延びる分離部を介して、少なくとも一方の側面パネル部分と他方の側面パネル部分とに分離可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
  3. 前記一方のパネルは、一方のパネル部分と他方のパネル部分とに分離可能であり、
    一方の側面パネル部分に、一方のパネル部分が連結され、
    他方の側面パネル部分に、他方のパネル部分が連結されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のコンテナ。
  4. 前記一方のパネルは、一方の側面パネル部分に連結されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のコンテナ。
  5. 前記一方のパネルは、折曲部を介して折り曲げ可能である
    ことを特徴とする請求項4に記載のコンテナ。
  6. 側面パネルは、連結部とは異なる部位に存在する折曲部を介して折曲可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンテナ。
  7. 前記他方のパネルは、折曲部を介して折り曲げ可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコンテナ。
  8. 天面パネルおよび側面パネルは、真空断熱材を含む断熱性部材を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンテナ。
  9. 天面には、下方に引っ張ることが可能な取っ手が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のコンテナ。
  10. コンテナの輸送容器内に収納されて用いられる保冷保温容器であって、
    天面パネルと、
    開閉可能な正面パネル、左面パネル、奥面パネル、および右面パネルが連結部を介して互いに折り曲げ可能に連結された側面パネルと、
    底面パネルと、
    を備え、
    天面パネルおよび底面パネルのうちいずれか一方のパネルと側面パネルとは互いに連結され、他方のパネルと側面パネルとは互いに分離されており、
    天面パネル、側面パネル、および底面パネルは、断熱性部材を有する
    ことを特徴とする保冷保温容器。
  11. 側面パネルは、全高方向に延びる分離部を介して、少なくとも一方の側面パネル部分と他方の側面パネル部分とに分離可能である
    ことを特徴とする請求項10に記載の保冷保温容器。
  12. 前記一方のパネルは、一方のパネル部分と他方のパネル部分とに分離可能であり、
    一方の側面パネル部分に、一方のパネル部分が連結され、
    他方の側面パネル部分に、他方のパネル部分が連結されている
    ことを特徴とする請求項11に記載の保冷保温容器。
  13. 前記一方のパネルは、一方の側面パネル部分に連結されている
    ことを特徴とする請求項11に記載の保冷保温容器。
  14. 前記一方のパネルは、折曲部を介して折り曲げ可能である
    ことを特徴とする請求項13に記載の保冷保温容器。
  15. 側面パネルは、連結部とは異なる部位に存在する折曲部を介して折曲可能である
    ことを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の保冷保温容器。
  16. 前記他方のパネルは、折曲部を介して折り曲げ可能である
    ことを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の保冷保温容器。
  17. 天面パネルおよび側面パネルは、真空断熱材を含む断熱性部材を有する
    ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の保冷保温容器。
  18. 天面パネルには、下方に引っ張ることが可能な取っ手が設けられている
    ことを特徴とする請求項10乃至17のいずれかに記載の保冷保温容器。
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