JP2016086643A - ねぎ収穫機 - Google Patents

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Abstract

【課題】畝肩崩し部と搬送部の先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となすことで、ねぎが栽培されている畝の形状や高さに適応したねぎの収穫ができるねぎ収穫機を提供すること。【解決手段】収穫部は、作業部として、畝の両肩部を崩す畝肩崩し部と、畝肩崩し部により両肩が崩されて進入抵抗が低減された畝に栽培されたねぎを掘り起こす掘り起こし部と、掘り起こし部により掘り起こされたねぎの葉部を挟持してねぎを後方へ搬送する搬送部と、を具備し、畝肩崩し部と掘り起こし部と搬送部は、それぞれ走行機体に基端部を枢支して先端部側を一体的に昇降可能となすとともに、畝肩崩し部と搬送部は、これらの先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となした。【選択図】図7

Description

本発明は、ねぎ収穫機、詳しくは、ねぎを栽培している畝の両肩を崩す畝肩崩し体と、畝肩崩し体によって崩された畝から掘り起こされたねぎを挟持して搬送する搬送部とを具備して、畝肩崩し体と搬送部との上下方向の相対位置関係を調整可能としたねぎ収穫機に関する。
従来、ねぎ収穫機の一形態として、特許文献1に開示されたものがあり、特許文献1には、機体に各作業部を配設して、ねぎを収穫するまでの一連の収穫作業を可能としたねぎ収穫機が開示されている。すなわち、特許文献1に開示されたねぎ収穫機は、各作業部として、畝の両肩部を崩す畝肩崩し部と、畝肩崩し部により両肩が崩されて進入抵抗が低減された畝に栽培されたねぎを掘り起こす掘り起こし部と、掘り起こし部により掘り起こされたねぎを後方へ搬送する搬送部と、を具備しており、これらの各作業部である畝肩崩し部と掘り起こし部と搬送部は、それぞれ走行機体に基端部を枢支して先端部側を一体的に昇降可能となしている。
特開2003−310021号公報
ところが、上記したねぎ収穫機では、畝肩崩し部と搬送部の上下方向の相対位置関係が一定であるため、ねぎが畝中に埋設されている部分の長さによっては、次のような不具合があった。すなわち、畝が高く盛られて、その畝中に埋設されているねぎの茎部の部分が比較的長い場合には、搬送部が畝から突出している茎部を挟持するとともに、畝肩崩し部が高く盛られた畝の両肩を崩すことができるように、畝肩崩し部と搬送部の相対位置関係が大きく設定されているが、このように設定された収穫機で収穫するねぎの栽培された畝が、低く盛られて、その畝中に埋設されているねぎの茎部の部分が比較的短い場合には、搬送部がねぎの茎部の柔らかい先端部を挟持することになるため、ねぎの搬送が不安定になって、ねぎが損傷等されることがある。また、反対に、畝肩崩し部と搬送部の相対位置関係が小さく設定された収穫機で収穫するねぎの栽培された畝が、高く盛られて、その畝中に埋設されているねぎの部分が比較的長い場合には、畝肩崩し部は高く盛られた畝の両肩の上部は崩すことができるが、両肩の下部は崩すことができないため、掘り起こし部の畝への進出抵抗が必要なだけ低減されず、そのため機体が軽量な場合にはスリップして前進できない、つまり、収穫作業ができないという不具合がある。
そこで、本発明は、畝肩崩し部と搬送部の先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となすことで、ねぎが栽培されている畝の形状や高さに適応したねぎの収穫ができるねぎ収穫機を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、
自走可能な走行機体に、ねぎが栽培されている畝からねぎを掘り起こして収穫する収穫部を備えたねぎ収穫機であって、
収穫部は、作業部として、畝の両肩部を崩す畝肩崩し部と、畝肩崩し部により両肩が崩されて進入抵抗が低減された畝に栽培されたねぎを掘り起こす掘り起こし部と、掘り起こし部により掘り起こされたねぎの葉部を挟持してねぎを後方へ搬送する搬送部と、を具備し、
畝肩崩し部と掘り起こし部と搬送部は、それぞれ走行機体に基端部を枢支して先端部側を一体的に昇降可能となすとともに、
畝肩崩し部と搬送部は、これらの先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしたことを特徴とする。
請求項1記載の発明では、畝肩崩し部と搬送部の先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしているため、ねぎが栽培されている畝の形状や高さに適応したねぎの収穫が堅実に行える。すなわち、畝肩崩し部により畝の両肩を必要な深さまで崩すことができるため、畝に対する掘り起こし部の進入抵抗を堅実に低減させることができる。そのため、最低限の負荷と牽引力を有する走行機体で収穫作業を行うことができて、走行機体の軽量化を図ることができる。また、搬送部は、畝と干渉しない可及的低位置でねぎの葉部のしっかりした部位を挟持することができるため、搬送部によるねぎの搬送が安定して、ねぎの損傷等を防止することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、
掘り起こし部と搬送部は、これらの先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、掘り起こし部と搬送部の先端側部の相対位置を上下方向に調節することができるため、これらの上下相対位置を畝の高さに適応させることができる。その結果、搬送部の先端部側をねぎの最適な挟持位置に設定することができて、ねぎの搬送性を良好に確保することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明であって
畝肩崩し部と搬送部の基端部は、左右方向に軸線を向けて走行機体に設けた作業部駆動軸に同軸的に枢支したことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、畝肩崩し部と搬送部の基端部を、左右方向に軸線を向けて走行機体に設けた作業部駆動軸に同軸的に枢支しているため、ねぎ収穫機の構造の簡素化とコンパクト化と低廉化を図ることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明であって、
畝肩崩し部の内側部には、側方に張り出したねぎの枯れ葉等をガイドするガイド体を配設するとともに、ガイド体は、ねぎが栽培されている畝の上端位置よりも低位置から搬送部の先端部上方位置まで、前後方向に延伸させて畝肩崩し部の前後幅よりも幅広に形成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明では、ガイド体によって側方に張り出したねぎの枯れ葉等を、ねぎが栽培されている畝の上端位置よりも低位置から搬送部の先端部上方位置までガイドすることができるため、側方に張り出したねぎの枯れ葉等が畝肩崩し部と干渉して、例えば、畝肩崩し部に巻き込まれて、ねぎの姿勢が乱されることや、ねぎが損傷等されるのを防止することができる。そのため、搬送部がねぎを最適位置にて堅実に挟持して搬送することができて、ねぎの搬送性と商品価値を良好に確保することができる。
本発明によれば、畝肩崩し部と搬送部の先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしているため、ねぎが栽培されている畝の形状や高さに適応したねぎの収穫が堅実に行える。
本実施形態のねぎ収穫機の左側面説明図。 本実施形態のねぎ収穫機の右側面説明図。 本実施形態のねぎ収穫機の平面説明図。 本実施形態のねぎ収穫機の正面説明図。 本実施形態のねぎ収穫機の背面図。 本実施形態のねぎ収穫機の断面左側面説明図。 収穫部の各作業部の分解説明図。 畝肩崩し部の正面説明図。 畝肩崩し部の側面説明図。 葉部側ガイド体と根茎部側ガイド体の平面説明図。 葉部側ガイド体と根茎部側ガイド体の側面説明図。 葉部側ガイド体の説明図。 動力伝達機構の概念説明図。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。すなわち、図1〜図6に示すAは、本実施形態としてのねぎ収穫機であり、ねぎ収穫機Aは、図1〜図6に示すように、自走可能な走行機体1に、ねぎNを栽培している畝UからねぎNを掘り起こして収穫する収穫部2を備えている。本実施形態では、ねぎNは、根茎部Naと葉部Nbを有する長ねぎである。まず、走行機体1の構成について説明し、その後に、収穫部2における特徴的な構成について説明し、それに続いて、収穫部2の構成についてより具体的に説明する。
[走行機体の構成の説明]
走行機体1は、左右一対のクローラ式の走行部10,10間に、立体枠状に枠組みして形成した機体フレーム枠体11を架設している。機体フレーム枠体11の右側後部には、エンジン12を右側の走行部10の後上方に位置させて搭載するとともに、機体フレーム枠体11の下部には、ミッションケース13を左右側の走行部10,10間に位置させて配設して、エンジン12にミッションケース13を連動連結している。機体フレーム枠体11の右側上部には、走行部10,10の操向・変速操作及び収穫部2の収穫操作をするための操作部14を配設している。機体フレーム枠体11の後端部には、作業者Opが搭乗する水平板状の搭乗用ステップ部24を、後述する収穫部2の各作業部の後方で、かつ、図3に示す仮想同一直線L上において、後方へ向けて張り出し状に配設している。仮想同一直線Lは、走行機体1の左右幅の中央部において、前後方向に延伸する仮想の直線である。15は主変速レバー、16は走行・作業レバー、17は左サイドクラッチレバー、18は右サイドクラッチレバー、19はアクセルレバーである。
搭乗用ステップ部24は、前半部の固定側ステップ片94と、固定側ステップ片94の後端縁部に枢支連結部96を介して前端縁部を枢支連結した後半部の可動側ステップ片95とから構成している。固定側ステップ片94は、機体フレーム枠体11の後端下部に設けたステップステー97に前端縁部を固定して、後方へ向けて水平に張り出し状となしている。可動側ステップ片95は、後方へ水平に張り出した使用姿勢と上方へ起立させた不使用姿勢との間で、枢支連結部96を中心に起到方向に回動させることで姿勢変更可能としている。
そして、搭乗用ステップ部24の地上高は、つまり、走行部10が地面と接する下面から搭乗用ステップ部24の下面までの高さは、一定高さ以上(本実施形態では200mm以上)に設定している。そうすることで、堀起こし後の畝U上に、後述する収穫部2の掘り起こし部20や掻き落とし部22によって落とされたねぎNの付着土が堆積したとしても、堆積土Dの高さは最大150mm程度なので、堆積土Dの高さが原因で、走行機体1が走行不能となることはない。
このように構成した走行機体1では、作業者Opが搭乗する水平板状の搭乗用ステップ部24は、後述する収穫部2の各作業部の後方で、かつ、仮想同一直線L上において、機体フレーム枠体11の後端部に後方へ向けて張り出し状に配設しているため、作業者Opは、図6に示すように、搭乗用ステップ部24上に搭乗することで、後述するように上下方向に間隔をあけて、前低後高の傾斜状に平行させて配置された掘り起こし部20と搬送部21の直後方位置に起立することができる。
したがって、作業者Opは、掘り起こし部20と搬送部21の間の搬送空間及び搬送部21の直上方の搬送空間において、収獲されたねぎNが、作業者Opの視線に沿って直前下方位置から作業者Opに接近してくる方向に搬送されてくるのを、前方を視認する作業者Opの視界内で堅実に視認することができる。
[収穫部における特徴的な構成の説明]
収穫部2は、各作業部として、左右一対の畝肩崩し部60,60と、掘り起こし部20と、搬送部21と、掻き落とし部22と、姿勢変更・整列部23と、を具備している。左右一対の畝肩崩し部60,60は、畝Uの両肩部を崩して、畝Uへの掘り起こし部20の進入抵抗を低減する。このようにして進入抵抗が低減された畝Uには、ねぎNが栽培されており、このねぎNは掘り起こし部20により掘り起こされる。搬送部21は、掘り起こし部20により掘り起こされたねぎの葉部Nbの中途部を挟持して、挟持したねぎNを起立姿勢のまま後上方へ向けて搬送する。掻き落とし部22は、搬送部21により搬送されるねぎNの根茎部Naに付着している土塊を掻き落とす。姿勢変更・整列部23は、搬送部21の終端部から起立姿勢で搬送されたねぎNを受け継ぐとともに、受け継いだねぎNの中途部を挟持して、挟持したねぎNを起立姿勢から外側方へ前傾状態に傾斜した前傾姿勢に姿勢変更・整列させながら一側後上方(本実施形態では左側後上方)へ向けて搬送する。
そして、畝肩崩し部60,60と掘り起こし部20と搬送部21は、図7にも示すように、それぞれ走行機体1に基端部(後端部)を枢支して先端部側を一体的に昇降可能となしている。ここで、畝肩崩し部60,60と搬送部21の基端部は、左右方向に軸線を向けて走行機体1に設けた作業部駆動軸150を支持する横軸ケース50に同軸的に枢支している。畝肩崩し部60,60と搬送部21は、これらの先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしている。また、掘り起こし部20と搬送部21は、これらの先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしている。
具体的に説明すると、掘り起こし部20は、図7に示すように、機体フレーム枠体11に設けた枢軸受体26に、支持枠体30の基端部を、左右方向に軸線を向けた枢軸31を介して枢支して、後述する昇降シリンダ37により前端部側を昇降作動可能としている。
搬送部21は、その基端部に搬送部伝動ケース177を垂下状態に連動連設し、搬送部伝動ケース177の背後に後述する横軸ケース50を連設して、機体フレーム枠体11に設けた横軸ケース支持ステー58に、横軸ケース50をその軸線廻りに回動自在に枢支している。搬送部21には、姿勢変更・整列部23の始端部を連動連結しており、搬送部21と姿勢変更・整列部23は、搬送支持フレーム46を介して搬送部伝動ケース177に支持させている。つまり、搬送部21と姿勢変更・整列部23は、横軸ケース50を介して横軸ケース支持ステー58に一体的に枢支されている。したがって、横軸ケース50を中心に搬送部21が上昇動作〈下降動作〉すると、姿勢変更・整列部23は反対に下降動作〈上昇動作〉する。
掘り起こし部20の前部に設けた後述の掘り起こしコンベア32と、搬送部21の下面前端部に連設した搬送支持フレーム46の前端部を形成する連設体46aとの間には、上下方向に有段階に伸縮調節自在となした左右一対の第1上下方向間隔調節体200,200を介設して、各第1上下方向間隔調節体200,200を上下方向に伸縮調節することで、掘り起こしコンベア32の前端部と搬送部21の前端部との上下方向の相対位置を調節可能としている。
第1上下方向間隔調節体200は、掘り起こしコンベア32から上方へ向けて立設した第1下部側調節片210と、連設体46aから垂設した第1上部側調節片220を上下方向に対向させて配設し、各調節片210,220には、上下方向に間隔をあけて上・下部側調節孔230,240を形成して、両調節片210,220を、適宜、内外側に重合状態に面接触させるとともに、両調節孔230,240を符合させて、符合した両調節孔230,240中に連結ボルト250,250を挿通して連結可能としている。
左右一対の畝肩崩し部60,60は、後述する前方延伸軸ケース61,61を介して横軸ケース50に同軸的に取り付けており、各畝肩崩し部60,60の前端部側は、横軸ケース50にその軸線廻りに揺動自在に支持されている。
各前方延伸軸ケース61,61の前部と連設体46aの前部との間には、上下方向に無段階に伸縮調節自在となした左右一対の第2上下方向間隔調節体300,300を介設している。各第2上下方向間隔調節体300,300は、上下方向に伸縮調節することで、畝肩崩し部60,60の前端部と搬送部21の前端部との上下方向の相対位置を調節可能としている。
第2上下方向間隔調節体300は、前方延伸軸ケース61から上方へ向けて立設した第2下部側調節片310と、連設体46aから垂設した第2上部側調節片320を上下方向に対向させて配設している。第2下部側調節片310には、上下方向に延伸する前後一対の長孔330,330を形成する一方、第2上部側調節片320には、前後一対の調節孔340,340を形成している。両調節片310,320は、適宜、内外側に重合状態に面接触させるとともに、両孔330,340を符合させて、符合した両孔330,340中に調節ボルト350,350を挿通して連結可能としている。そして、両調節片310,320は、調節ボルト350,350の締め付けを弛緩させることで、第2下部側調節片310を上下方向にスライド調節し、その後に、調節ボルト350,350を締め付けることで間隔調節を簡単に行うことができる。
畝肩崩し部60の内側部には、左右側方に張り出したねぎNの枯れ葉等をガイドするガイド体70を配設している。ガイド体70は、ねぎNが栽培されている畝Uの上端位置Uaよりも低位置から搬送部21の先端部上方位置まで、前後方向に延伸させて、畝肩崩し部60の前後幅L1よりも幅広のガイド体前後幅L2に形成している。
具体的に説明すると、図8及び図9に示すように、後述するギヤケース62の周壁には、飛散防止カバー69を取り付けている。飛散防止カバー69は、側方被覆カバー片69aと上方被覆カバー片69bとを有している。側方被覆カバー片69aは、ギヤケース62に連動連結した取付円板64と、取付円板64にその半径方向に突設した畝肩崩し爪65の外側方を被覆している。また、上方被覆カバー片69bは、取付円板64及び畝肩崩し爪65の直上方を被覆している。
上方被覆カバー片69bには、取付体74を介してガイド体70を取り付けている。取付体74は、四角形板状の取付片74aと、取付片74aの内側端縁部から下方へ垂下した垂下片74bとから形成している。取付片74aは、上方被覆カバー片69bの上面に重合状態に面接触させるとともに、左右方向に延伸する摺動調節用長孔75,75を介して、摺動調節用ボルト76,76により左右方向に位置調節自在に取り付けている。垂下片74bの下端縁部には、前後方向に直棒状に延伸するガイド体70の中途部を取り付けている。ガイド体70の前部と垂下片74bの上部との間には、ガイド体70の前部を補強する棒状の補強片77を介設している。
このように構成することで、次のような作用効果が生起される。
(1)畝肩崩し部60と搬送部21の先端側部の上下方向の相対位置は、第2上下方向間隔調節体300により調節可能となしているため、ねぎNが栽培されている畝Uの形状や高さに適応したねぎNの収穫が堅実に行える。すなわち、畝肩崩し部60により畝Uの両肩を必要な深さまで崩すことができるため、畝Uに対する掘り起こし部20の進入抵抗を堅実に低減させることができる。そのため、最低限の負荷と牽引力を有する走行機体1で収穫作業を行うことができて、走行機体1の軽量化を図ることができる。また、搬送部21は、畝Uと干渉しない可及的低位置で、かつ、ねぎNの葉部Nbのしっかりした部位を挟持することができるため、搬送部21によるねぎNの搬送が安定して、ねぎNの損傷等を防止することができる。
(2)掘り起こし部20と搬送部21の先端側部の相対位置は、上下方向に第1上下方向間隔調節体200により調節することができるため、これらの上下相対位置を畝Uの高さに適応させることができる。その結果、搬送部21の先端部側をねぎNの最適な挟持位置に設定することができて、ねぎNの搬送性を良好に確保することができる。
(3)畝肩崩し部60と搬送部21の基端部は、左右方向に軸線を向けて走行機体1に設けた作業部駆動軸150に同軸的に枢支しているため、ねぎ収穫機Aの構造の簡素化とコンパクト化と低廉化を図ることができる。
(4)ガイド体70によって側方に張り出したねぎNの枯れ葉等は、ねぎNが栽培されている畝Uの上端位置よりも低位置から搬送部21の先端部上方位置までガイドすることができるため、左右側方に張り出したねぎNの枯れ葉等が畝肩崩し部60と干渉して、例えば、畝肩崩し部60の畝肩崩し爪65に巻き込まれて、ねぎNの姿勢が乱されることや、ねぎNが損傷等されるのを防止することができる。そのため、搬送部21がねぎNを最適位置にて堅実に挟持して搬送することができて、ねぎNの搬送性と商品価値を良好に確保することができる。
次に、姿勢変更・整列部23の構成について説明する。すなわち、姿勢変更・整列部23は、ねぎNを姿勢変更・整列しながら走行機体1の一側(本実施形態では左側)において走行機体1から漸次離隔する外後方へ向けて搬送するようにしている。姿勢変更・整列部23に中途部が挟持されたねぎNの葉部Nb側と根茎部Na側には、それぞれ姿勢変更・整列部23に沿って延伸する葉部側ガイド体87と根茎部側ガイド体88を配設して、各ガイド体87,88によりねぎNの葉部Nb側と根茎部Na側を下方から支持する状態で摺動案内するようにしている。
葉部側ガイド体87と根茎部側ガイド体88は、それぞれ姿勢変更・整列部23の始端部から終端部まで延伸させて形成し、各ガイド体87,88の終端部は、後下方に向けて突出する突出端部となして、両突出端部の下方には収集部25を配置して、姿勢変更・整列部23により搬送されたねぎNが収集部25上に落下されて収集されるようにしている。葉部側ガイド体87の突出端部には、延出ガイド体89の基端部を取り付けるとともに、延出ガイド体89は基端部を中心に上方向へ退避回動自在としている。
葉部側ガイド体87は、姿勢変更・整列部23に沿って延伸するとともに、前後方向に間隔をあけて対向する前後一対のガイド片87a,87bと、両ガイド片87a,87bの中途部同士を連結する連結片87cと、を具備している。各ガイド片87a,87bの終端部は、後下方に向けて突出する突出端部87d,87eとなしている。一方、延出ガイド体89は、平面視U字状に形成している。前後一対の突出端部87d,87eに、延出ガイド体89の両基端部を取り付けるとともに、延出ガイド体89は、両基端部を中心に上方向へ退避回動自在としている。
具体的に説明すると、図10〜図12に示すように、姿勢変更・整列部23を構成する一対の移送体80,80は、搬送部21を構成する左右一対の搬送体42,42の後端部の直下方位置において、基端部(前端部)同士が左右に対向配置される一方、搬送体42,42の後端部の左側後方位置において、先端部(後端部)同士が上下に対向配置されている。先端部が下側の移送体80には、その長手方向に延伸させて移送体フレーム84を設けており、移送体フレーム84の先端部には、従動プーリ82を取り付けている。移送体フレーム84の中途部には、上方へ向けて上部側ステー400を突設して、上部側ステー400に葉部側ガイド体87を支持させている。また、移送体フレーム84の基端部には、下方へ向けて下部側基端部ステー500を突設するとともに、移送体フレーム84の先端部には、下方へ向けて下部側先端部ステー510を突設して、両ステー500,510に根茎部側ガイド体88を横架状に支持させている。
上部側ステー400は、移送体フレーム84に突設したステー本片410と、ステー本片410の先端(上端)に張設した固定板片420と、固定板片420から上方へ突設した可動用枢軸430と、可動用枢軸430にボス部440を介して回転自在に枢支した可動板片450と、両板片420,450に固定・解除ピン460を貫通状に抜き差しして、固定板片420に可動板片450を固定・解除する固定・解除体470とを具備している。固定・解除ピン460は、押圧スプリング480の付勢力により進出方向に摺動されることで可動板片450を固定、つまり、可動用枢軸430を中心とする回転が不能な状態にする。一方、押圧スプリング480の付勢に抗して後退方向に摺動されることで可動板片450を固定解除、つまり、可動用枢軸430を中心とする回転が可能な状態にする。
葉部側ガイド体87は、可動板片450の上面後部に沿わせて後のガイド片87bの内側端部を固定し、可動板片450の上面の右側端縁部に立設した立設片490に沿わせて、前のガイド片87aの内側端部を固定するとともに、その中途部から外後方へ向けて下り傾斜状に延伸させて、両ガイド片87a,87bの外側端を収集部25の直上方位置にて前後に対向状態に配置している。ねぎNの葉部Nb側は、両ガイド片87a,87b上を内側方から外側方へ摺動しながら起立姿勢から前傾姿勢さらには横臥姿勢に姿勢変更される。
各ガイド片87a,87bの終端部(外側端部)に形成された突出端部87d,87eには、枢支ピン89c,89dを介して延出ガイド体89の両基端部89a,89bを枢支連結している。後のガイド片87bの外側端部に垂設した第1スプリング連結片87fと、後の基端部89bに垂設した第2スプリング連結片89eとの間には、引っ張りスプリング78を介設している。79は、突出端部87eに突設したストッパーピンであり、ストッパーピン79に引っ張りスプリング78によって回動付勢された基端部89bを下方から当接させて、延出ガイド体89の先端部側が外側下方へ下り傾斜した所定の姿勢以上に回動するのを規制している。
そして、ねぎNの葉部Nbは、延出ガイド体89に沿って収集部25に向けて下降摺動されるようにしている。bは、枢支ピン89c,89dの軸線である。延出ガイド体89は、軸線bを中心にして、収集部25から離隔する退避方向cである上方向へ跳ね上げ状に回動自在としている。つまり、延出ガイド体89の先端部側が下方から押圧されると、延出ガイド体89は、引っ張りスプリング78の付勢に抗して軸線bを中心に上方へ回動されるようにしている。そのため、搬送部21の前端部側が上昇されるとともに、後端部側及び姿勢変更・整列部23が下降された際に、延出ガイド体89の先端部側が収集部25と干渉すると、延出ガイド体89は上方へ回動されて退避動作する。したがって、延出ガイド体89と収集部25のいずれも損傷等されることがない。また、退避方向cに回動された延出ガイド体89は、ストッパーピン79に基端部が当接することで、退避回動が規制される。
葉部側ガイド体87は、可動用枢軸430の軸線dを中心にして、前後回動方向eに回動させることで、姿勢変更・整列部23に沿わせて配置した使用位置(摺動案内位置)と、搬送部21に沿わせて配置した不使用位置(収納位置)との間で位置変更自在としている。
根茎部側ガイド体88は、直棒状に形成されて、移送体フレーム84に突設した下部側基端部ステー500と、下部側先端部ステー510との間で、横架状に支持されている。根茎部側ガイド体88の外側端部88aは、下り傾斜姿勢の延出ガイド体89と同一平面上に配置して、下り傾斜状となしている。そして、根茎部側ガイド体88には、一対の移送ベルト83,83に中途部が挟持されたねぎNの根茎部Naが、外後方へ向けて摺動案内されるとともに、外側端部88aには、根茎部Naが収集部25に向けて摺動案内される。この際、外側端部88aは、ねぎNの葉部Nb側を摺動案内する延出ガイド体89と同一平面上において下り傾斜状に配置されているため、延出ガイド体89と協働してねぎNの姿勢を乱すことなく収集部25側へねぎNを円滑に摺動移送させることができる。そのため、収集部25上ではねぎNが整然と収集されて、楽にねぎNを回収することができる。
図10及び図11に示すように、右側の搬送体42の終端部には、チェン伝動機構86を内蔵する扁平板状のチェン伝動ケース600を配設している。また、左側の搬送体42の終端部には、搬送部21から姿勢変更・整列部23にねぎNの中途部を受け継ぎガイドするための受け継ぎガイド体610を取り付けている。
すなわち、受け継ぎガイド体610は、棒状体を湾曲させて形成しており、左側の搬送体42の終端部に取付ブラケット620を介して基端部(前端部)630を取り付けている。受け継ぎガイド体610の中途部640は、搬送部21の終端部から姿勢変更・整列部23の始端部に続くねぎNの搬送路に沿うように湾曲させて形成している。受け継ぎガイド体610の先端部650は、葉部側ガイド体87の始端部の上方向に重合状態に配置している。そして、搬送部21の終端部から姿勢変更・整列部23の始端部に受け継がれたねぎNの葉部Nb側が、受け継ぎガイド体610から葉部側ガイド体87に、姿勢を起立姿勢から前傾姿勢に変更されながら円滑かつ堅実に受け継がれるようにしている。
このように構成することで、次のような作用効果が生起される。
(1)姿勢変更・整列部23は、ねぎNを姿勢変更・整列しながら走行機体1の一側(本実施形態では左側)において走行機体1から漸次離隔する外後方へ向けて搬送するようにし、姿勢変更・整列部に中途部が挟持されたねぎNの葉部Nb側と根茎部Na側には、それぞれ姿勢変更・整列部23に沿って延伸する葉部側ガイド体87と根茎部側ガイド体88を配設して、各ガイド体87,88によりねぎNの葉部Nb側と根茎部Na側を下方からガイドするようにしているため、ねぎNの葉部Nb側と根茎部Na側が垂れ下がるのを防止することができる。そして、搬送されるねぎNは、起立姿勢から傾倒姿勢に姿勢変更されながら、走行機体1の一側(本実施形態では左側)において、走行機体1から漸次離隔する外後方へ向けて搬送されるため、走行機体1の他物と干渉することがない。このように、ねぎNの垂れ下がりや他物との干渉を回避することができるため、ねぎNの収穫作業能率や商品価値を良好に確保することができる。
(2)それぞれ姿勢変更・整列部23の始端部から終端部まで延伸させて形成した葉部側ガイド体87と根茎部側ガイド体88の終端部は、後下方に向けて突出する突出端部87d,87eとなして、両突出端部87d,87eの下方には、収集部25を配置して、姿勢変更・整列部23により搬送されたねぎNが収集部25上に落下されて収集されるようにしているため、収穫されたねぎNは堅実に収集部25に収集される。
(3)走行機体1に姿勢変更・整列部23を昇降回動可能に取り付ける一方、走行機体1に収集部25を固定させた場合、姿勢変更・整列部23を上昇回動させると、その回動支点よりも後方に位置する延出ガイド体89は、下降して収集部25と衝突する可能性があるが、延出ガイド体89は、その基端部を中心に上方向へ退避回動自在としているため、延出ガイド体89が収集部25に対して退避回動することで、いずれも損傷等されるのを防止することができる。
(4)葉部側ガイド体87が、姿勢変更・整列部23に沿って延伸するとともに、前後方向に間隔をあけて対向する一対のガイド片87a,87bと、両ガイド片87a,87bの中途部同士を連結する連結片87cとを具備しているため、ねぎNの葉部Nb側を幅広く下方から堅実に支持することができるとともに、安定してガイドすることができて、葉部Nb側の垂れ下がりを防止することができる。また、延出ガイド体89は、U字状に形成して、前後一対の突出端部87d,87eに延出ガイド体89の両基端部を取り付けるとともに、延出ガイド体89は、両基端部を中心に上方向へ退避回動自在としているため、延出ガイド体89が収集部25に対して退避回動することで、いずれも損傷等されるのを防止することができる。
[収穫部の構成についてのより具体的な説明]
各作業部である掘り起こし部20と搬送部21と掻き落とし部22は、走行機体1の前方において、前後方向に延伸する仮想同一直線L(図3参照)上に配設しているとともに、これらの作業部の後方で、かつ、仮想同一直線L上に走行機体1に設けた搭乗用ステップ部24を配設している。つまり、走行機体1の左右中心線である仮想同一直線L上において、掘り起こし部20と搬送部21と掻き落とし部22と搭乗用ステップ部24は、前後方向に一列に配設している。
掘り起こし部20は、機体フレーム枠体11に、前後方向に延伸させて形成した四角形枠状の支持枠体30の基端部を、左右方向に軸線を向けた枢軸31を介して枢支し、支持枠体30上にいわゆるバーコンベアである掘り起こしコンベア32を載設し、掘り起こしコンベア32の始端部(前端部)に、掘り起こし刃33を前方へ向けて突設状に取り付けている。機体フレーム枠体11に設けたシリンダステー35と、枢軸31の中途部から上方へ向けて立設した昇降アーム36との間には、前後方向に伸縮作動する昇降シリンダ37を横架し、昇降アーム36の基端部と支持枠体30の左右延伸片30aとの間に連設片39を介設している。そして、掘り起こし部20は、昇降シリンダ37の伸縮作動に連動して昇降作動可能としており、搬送部21と掻き落とし部22も掘り起こし部20と一体的に昇降されるように構成している。38は、掘り起こし部20等を昇降操作するための昇降操作レバーである。
このように構成した掘り起こし部20では、ねぎNの収穫作業をする際に、昇降シリンダ37により掘り起こし部20を適宜下降させて、掘り起こしコンベア32が、前低後高の傾斜姿勢に配置されるとともに、掘り起こし刃33の先端側半部が、圃場G面に略水平に近接配置されるようにする。このような状態にて、走行機体1の前進走行に伴って、掘り起こし刃33の先端側半部が、ねぎNが栽培されている畝Uに対して、前方へ向けて略水平に進入し、ねぎNの根茎部Naの直下方からねぎNを掘り起こすとともに、掘り起こし刃33の基端側半部がねぎNを後上方へ土塊とともに滑動移送させる。そして、掘り起こされたねぎNは、掘り起こし刃33の基端側半部の上面を滑動しながら後上方へ移送されて、ねぎNの葉部Nbが後述する搬送部21に挟持されて後上方へ搬送される一方、土塊の付着したねぎNの根茎部Naが、掘り起こし刃33の基端側半部から掘り起こしコンベア32上に受け渡されて、掘り起こしコンベア32によりさらに後上方へ搬送される。この際、ねぎNは、畝Uに栽培されている起立姿勢のまま後上方へ向けて搬送される。
搬送部21は、掘り起こし部20の直上方において、掘り起こし部20の掘り起こしコンベア32と平行させて前低後高の傾斜状に配置して、掘り起こした起立姿勢のねぎNの中途部を左右側方から挟持した状態で後上方へ向けて搬送するようにしている。
すなわち、搬送部21は、左右一対の前支持フレームとしての第1上下方向間隔調節体200と後支持フレーム41と搬送支持フレーム46を介して、起こしコンベア32の直上方に平行状態に対向させて配設している。そして、搬送部21は、前後方向に延伸する左右一対の搬送体42,42を配設して構成している。搬送体42は、前後方向に間隔をあけて配置した従動プーリ43と駆動プーリ44とに搬送ベルト45を巻回して形成している。左右に対向する両搬送体42,42の始端部(前端部)から終端部(後端部)に向けて移送する搬送ベルト往路側部45a,45a同士は、対面状態で面接触させており、搬送ベルト往路側部45a,45a同士が、ねぎNの葉部Nbを挟持するとともに、挟持した状態でねぎNを後上方へ搬送するようにしている。
左側の第1上下方向間隔調節体200は、上下方向に延伸させて、掘り起こしコンベア32の左側部と左側の搬送体42の前部との間に介設している。同様に、右側の第1上下方向間隔調節体200は、上下方向に延伸させて、掘り起こしコンベア32の右側部と右側の搬送体42の前部との間に介設している。後述する搬送部伝動横軸170を軸支する伝動横軸ケース47の左右側部には、後述する左右一対のプーリ駆動軸85,85を軸支する左右一対の駆動軸ケース48,48を立設している。左側の後支持フレーム41は、左側の駆動軸ケース48と左側の搬送体42の後部との間に介設している。同様に、右側の後支持フレーム41は、右側の駆動軸ケース48と右側の搬送体42の後部との間に介設している。左側の搬送支持フレーム46は、左側の搬送体42の前部と機体フレーム枠体11の左側前部との間に斜交状に介設している。同様に、右側の搬送支持フレーム46は、右側の搬送体42の前部と機体フレーム枠体11の右側前部との間に斜交状に介設している。49は、送ベルト往路側部45aを弾性付勢するテンションローラである。
このように構成した搬送部21では、左右一対の搬送体42,42の搬送ベルト往路側部45a,45a同士が、ねぎNの葉部Nbを挟持するとともに、挟持した状態でねぎNを後上方へ搬送するようにしているため、ねぎNの根茎部Naを下方から支持して搬送する掘り起こし部20の掘り起こしコンベア32と協働して、ねぎNを起立した姿勢にて堅実に後上方へ搬送することができる。
姿勢変更・整列部23は、搬送部21の直後方位置に、搬送部21により起立姿勢で後上方へ向けて搬送されるねぎNを受け継いで、受け継いだねぎNを起立姿勢から外側方へ傾斜した傾倒姿勢に姿勢変更するとともに、姿勢変更したねぎNを搬送方向に沿って整列させるように配設して、ねぎNを姿勢変更・整列しながら一側後上方(本実施形態では左側後上方)へ向けて搬送するようにしている。
すなわち、姿勢変更・整列部23は、前後方向に延伸する左右一対の移送体80,80を前低後高で、かつ、後端部が左側外方へ向くように配設して構成している。移送体80は、前後方向に間隔をあけて配置した駆動プーリ81と従動プーリ82とに移送ベルト83を巻回して形成しており、左右に対向する両移送体80,80の始端部(前端部)から終端部(後端部)に向けて移送する移送ベルト往路側部83a,83a同士を対面状態で面接触させている。駆動プーリ81,81は、それらの軸線を上下方向に向けて配置する一方、従動プーリ82,82は、それらの軸線を左高右低の傾斜方向(例えば、45°)に傾けて配置して、移送ベルト往路側部83a,83a同士の中途を捩り状に面接触させている。左側の搬送体42の駆動プーリ44と左側の移送体80の駆動プーリ81は、上下方向に軸線を向けて配置した左側のプーリ駆動軸85の上端部と中途部とに同軸的に取り付けている。右側の搬送体42の駆動プーリ44は、上下方向に軸線を向けて配置した右側のプーリ駆動軸85の上端部にチェン伝動機構86を介して連動連結するとともに、右側の移送体80の駆動プーリ81は、右側のプーリ駆動軸85の中途部に取り付けている。そして、搬送部21の終端部からねぎNを受け継いだ姿勢変更・整列部23は、移送ベルト往路側部83a,83a同士がねぎNの葉部Nbを挟持するとともに、挟持した状態でねぎNを起立姿勢から傾到姿勢(前傾姿勢)に姿勢変更させながら搬送方向に沿って整列させて、左側後上方へ搬送するようにしている。
このように構成した姿勢変更・整列部23では、ねぎNの搬送姿勢を起立姿勢から(前傾姿勢)に姿勢変更させることができるため、ねぎNを順次、かつ、堅実に後述する収集部25に収集・貯留させることができる。
姿勢変更・整列部23の後下方位置には、ねぎNを収集する四角形板状の収集部25を配設して、姿勢変更・整列部23により姿勢変更・整列されたねぎNが収集部25に収集されるようにしている。そして、姿勢変更・整列部23の終端部の下方に、収集部25の前端縁部を配置して、姿勢変更・整列部23により搬送されたねぎNが、収集部25上に落下されて収集・貯留されるようにしている。
すなわち、収集部25は、機体フレーム枠体11に収集部支持アーム90を介して取り付けている。収集部支持アーム90は、上下方向に軸線を向けた上下延伸アーム片91と、上下延伸アーム片91の上端部から前後方向に軸線を向けた前後伸延アーム片92とから形成している。前後伸延アーム片92には、取付枠93を左側外方へ張り出し状に設けて、取付枠93に収集部25の下面部を取り付けている。
機体フレーム枠体11の左側後端部には、上下方向に軸線を向けた円筒状支持部98を設けており、収集部支持アーム90は、円筒状支持部98中に上下延伸アーム片91を上方から挿通して、その軸線廻りに回動自在に取り付けている。
収集部25は、前後方向に軸線を向けた前後伸延アーム片92の横軸廻り方向に横臥使用姿勢と、垂下不使用姿勢との間で姿勢変更可能とするとともに、上下方向に軸線を向けた上下延伸アーム片91の縦軸廻り方向に機体の一側方(本実施形態では左側方)に配置した使用位置と、機体の直後方に垂下不使用姿勢で配置した収納位置との間で位置変更可能としている。したがって、搭乗用ステップ部24の可動側ステップ片95を上方へ起立させた不使用姿勢となすとともに、収集部25を、可動側ステップ片95の直後方位置にて垂下不使用姿勢で収納位置に配置することで、ねぎ収穫機Aをコンパクトに格納することができる。また、収集部25を配設した左側とは反対側の右側には、搭乗用ステップ部24を間に挟んで、走行機体1及び収穫部2の各作業部を操作するための操作部14を配設している。
このように構成した収集部25では、搭乗用ステップ部24上に起立して操向・収穫操作している作業者Opの左側方において、収獲したねぎNを、収集部25上に横臥姿勢に山積みして堅実に収集することができるため、ねぎNの収集性能と作業者Opの操向・収穫操作性能を良好に確保することができる。
掘り起こし部20の前方には、収穫部2の一部である左右一対の畝肩崩し部60,60を配設している。畝肩崩し部60,60は、畝Uの両肩部を崩して、後続の掘り起こし部20の進入抵抗を軽減させることで、掘り起こし部20による掘り起こし作業がスムーズに行えるようにしている。
すなわち、畝肩崩し部60,60は、横軸ケース50の左右側部に、前方へ向けて延伸する前方延伸軸ケース61,61の基端部(後端部)を取り付け、各前方延伸軸ケース61,61の先端部(前端部)にギヤケース62,62を取り付け、ギヤケース62,62に円板支軸63,63を介して取付円板64,64を取り付けて、各取付円板64,64に4本ずつの畝肩崩し爪65,65を周方向に一定の間隔をあけて突設している。前方延伸軸ケース61中には前方延伸軸66を軸架し、前方延伸軸66にギヤケース62内のギア67,68を介して円板支軸63を連動連結している。
そして、取付円板64に突設した畝肩崩し爪65をアッパーカット方向aに回転させることで、畝肩崩し爪65により畝Uの肩部を崩すことができるようにしている。71は、収穫部2の前端部の対地高さを決めるゲージ輪、72はゲージ輪支柱、73はゲージ輪支持機枠である。
[動力伝達機構の説明]
図13に示すMは、ねぎ収穫機Aが有する動力伝達機構であり、動力伝達機構Mは、図13に示すように、走行機体伝動機構部Maと収穫部伝動機構部Mbとから形成している。
すなわち、走行機体伝動機構部Maは、次のように構成している。機体フレーム枠体11に搭載したエンジン12の駆動軸12aと、油圧ポンプ100の入力軸101との間に、第1チェン伝動機構110を介設している。エンジン12の駆動軸12aと、機体フレーム枠体11に設けた変速ケース120の入力軸121との間に、第2チェン伝動機構130を介設している。変速ケース120の出力軸122の左側端部と、機体フレーム枠体11の下部に設けたミッションケース13の入力軸13aとの間に、第1ベルト伝動機構140を介設している。ミッションケース13の出力軸13bの両端部には、走行部10,10の駆動輪10a、10aを取り付けている。
また、収穫部伝動機構部Mbは、次のように構成している。変速ケース120の出力軸122の右側端部と、横軸ケース50中に軸架した作業部駆動軸150の右側端部との間に、第2ベルト伝動機構160を介設している。作業部駆動軸150の左側部には、ウォームギヤケース151を連動連設し、ウォームギヤケース151に前方へ延出する伝動シャフト165を介して掘り起こしギヤケース178を連動連結している。掘り起こしギヤケース178は、駆動軸34の左側端部に連動連結しており、駆動軸34は、掘り起こしコンベア32の後部に横架状に軸架している。伝動シャフト165の後部には、搬送部伝動横軸170の左側端部を連動連結しており、搬送部伝動横軸170は、入・出力ギヤ171,172を介して左右方向に軸線を向けている。また、入・出力ギヤ173,174を介して搬送部伝動横軸170の中途端部に、左側のプーリ駆動軸85の下端部を連動連結している。また、入・出力ギヤ175,176を介して搬送部伝動横軸170の右側端部に、右側のプーリ駆動軸85の下端部を連動連結している。左側のプーリ駆動軸85の上端部と中途部とには、左側の搬送体42の駆動プーリ44と左側の移送体80の駆動プーリ81を同軸的に取り付けている。右側のプーリ駆動軸85の上端部には、チェン伝動機構86を介して右側の搬送体42の駆動プーリ44を連動連結するとともに、右側のプーリ駆動軸85の中途部には、右側の移送体80の駆動プーリ81を取り付けている。
作業部駆動軸150の右側部には、前後方向に延伸するチェンケース51の後端部を連動連結している。チェンケース51の先端部(前端部)には、軸ケース52を左側方へ向けて突設して、軸ケース52中に軸架した回転体支軸53の先端部に回転体54を同軸的に取り付けている。チェンケース51の前端部には、回転体支軸53の右側端部を連動連結している。回転体支軸53の左側端部には、掻き落とし部22を取り付けている。57は、回転体54の周壁に多数突設した突片である。作業部駆動軸150の左右側部には、それぞれ前方延伸軸ケース61,61中に軸架した前方延伸軸66,66の後端部を連動連結する一方、前方延伸軸66,66の前端部に、ギヤケース62,62を介して円板支軸63,63の基端部(左側端部)を連動連結している。前方延伸軸66には、ギヤケース62内のギア67,68を介して円板支軸63を連動連結している。
このように構成した動力伝達機構Mでは、エンジン12から各作業部に動力を伝達することができて、ねぎNの収穫が効率良く行える。
A ねぎ収穫機
N ねぎ
Na 根茎部
Nb 葉部
Op 作業者
1 走行機体
2 収穫部
20 掘り起こし部
21 搬送部
22 掻き落とし部
23 姿勢変更・整列部
24 搭乗用ステップ部
70 ガイド体
87 葉部側ガイド体
88 根茎部側ガイド体
200 第1上下方向間隔調節体
300 第2上下方向間隔調節体

Claims (4)

  1. 自走可能な走行機体に、ねぎが栽培されている畝からねぎを掘り起こして収穫する各作業部からなる収穫部を備えたねぎ収穫機であって、
    収穫部は、各作業部として、畝の両肩部を崩す畝肩崩し部と、畝肩崩し部により両肩が崩されて進入抵抗が低減された畝に栽培されたねぎを掘り起こす掘り起こし部と、掘り起こし部により掘り起こされたねぎの葉部を挟持してねぎを後方へ搬送する搬送部と、を具備し、
    畝肩崩し部と掘り起こし部と搬送部は、それぞれ走行機体に基端部を枢支して先端部側を一体的に昇降可能となすとともに、
    畝肩崩し部と搬送部は、これらの先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしたことを特徴とするねぎ収穫機。
  2. 掘り起こし部と搬送部は、これらの先端側部の上下方向の相対位置を調節可能となしたことを特徴とする請求項1記載のねぎ収穫機。
  3. 畝肩崩し部と搬送部の基端部は、左右方向に軸線を向けて走行機体に設けた作業部駆動軸に同軸的に枢支したことを特徴とする請求項1又は2記載のねぎ収穫機。
  4. 畝肩崩し部の内側部には、側方に張り出したねぎの枯れ葉等をガイドするガイド体を配設するとともに、ガイド体は、ねぎが栽培されている畝の上端位置よりも低位置から搬送部の先端部上方位置まで、前後方向に延伸させて畝肩崩し部の前後幅よりも幅広に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のねぎ収穫機。
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