JP2016086116A - 基板液処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】横方向吐出タイプのノズルから下向きまたは斜め下向きに吐出された液が基板の外方にある基板液処理装置の構成部材に落下することを防止する。
【解決手段】基板液処理装置は、基板(W)を水平に保持する基板保持部(31)と、基板保持部により保持された基板上に設定された着液目標位置に向けて、この着液目標位置から水平方向に予め定められた距離だけ離れた吐出位置に位置する吐出口から、横方向に処理液を吐出するノズル(41,410)と、ノズルの下方に設けられ、ノズルの吐出口から下方またはし斜め下方に落下する処理液を受け止める液受け部(42)と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、処理液を用いて基板に液処理を施すための基板液処理装置に関する。
半導体ウエハ等の基板にウエットエッチング処理または洗浄処理を施す際に、枚葉式の基板処理装置がよく用いられる。枚葉式の基板処理装置は、基板を水平姿勢で保持して鉛直軸線周りに回転させるスピンチャックと、回転する基板の上面に処理液を供給するノズルを備える。多くの場合、ノズルは、可動アームに取り付けられていて、基板の真上の処理位置と、基板の外方にある待機位置との間で移動することができる。処理位置にあるとき、ノズルは鉛直方向下方に処理液を吐出する。
上記の鉛直下方向吐出タイプのノズルに加えて、あるいはこれに代えて、基板の外側から基板上面の中央部に向けて横方向(概ね水平方向)に処理液を吐出するタイプのノズルを設けることがある(例えば特許文献1を参照)。このような横方向吐出タイプのノズルは、通常は、基板の半径方向外側の位置(例えばカップの上面)に固定され、例えば、第1の処理液による基板の処理と第2の処理液による基板の処理との間に、基板上面を大気に触れさせないために基板上面に液膜を形成するために用いることができる。
固定式の横方向吐出タイプのノズルには、ダミーディスペンスを行うことができないという欠点がある。ダミーディスペンスを行うと、基板またはスピンチャックに、これらを汚染しうる液が当たってしまうからである。また、ノズルから吐出された液がノズルの下方にある基板液処理装置の構成部材(例えばカップの上面)上に落ちると、当該構成部材自体が汚染される可能性がある。さらに、当該構成部材上で跳ねた液が当該部材の周囲の部材を汚染する可能性もある。
特開2013−093361号公報
本発明は、横方向吐出タイプのノズルから下向きまたは斜め下向きに吐出された液が基板液処理装置の構成部材に落下することを防止しうる技術を提供するものである。
本発明の一実施形態によれば、基板を水平に保持する基板保持部と、前記基板保持部により保持された基板上に前記基板の外側に設けられた吐出口から、横方向に処理液を吐出するノズルと、前記ノズルの下方に設けられ、前記ノズルの吐出口から下方または斜め下方に落下する処理液を受け止める液受け部と、
を備えたことを特徴とする基板液処理装置が提供される。
上記の実施形態によれば、ノズルから下向きまたは斜め下向きに吐出された液が基板液処理装置の構成部材に落下することを防止することができ、当該構成部材の汚染、あるいは当該構成部材上で跳ねた液が当該部材の周囲の部材を汚染することを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す平面図。 図1に示す処理ユニットの概略構成を示す縦断面図。 第1実施形態に係る固定供給部及び液受け部の構成を示す斜視図。 第1実施形態に係る固定供給部及び液受け部の構成を示す、図2のIV−IV線に沿った縦断面図である。 第1実施形態に係る固定供給部及び液受け部の作用を示す図である。 第2実施形態に係る固定供給部及び液受け部を備えた処理ユニットの一部を示す縦断面図である。 第2実施形態に係る固定供給部及び液受け部の作用を示す図である。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚のウエハWを水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウエハWを保持する基板保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、基板保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウエハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウエハWを保持する基板保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、基板保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウエハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウエハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウエハWを取り出し、取り出したウエハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウエハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウエハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウエハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
次に、処理ユニット16の概略構成について図2を参照して説明する。図2は、処理ユニット16の概略構成を示す図である。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と処理流体供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウエハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸線まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウエハWを回転させる。
処理流体供給部40は、ウエハWに対して処理流体を供給する。処理流体供給部40は、少なくとも1つの固定供給部41を有している。固定供給部41はノズル(後述のノズル410に対応)を有する。このノズルは、保持部31により保持されたウエハW上に設定された着液目標位置(例えばここではウエハ中心またはその近傍)に向けて、着液目標位置から水平方向に予め定められた距離Dだけ離れた吐出位置(例えば平面視でウエハWの外方であってかつウエハWよりやや高い位置)に位置する吐出口から、横方向に処理液を吐出する。回転するウエハWの中心部に落ちた処理液は遠心力により広がり、ウエハWの表面全体が処理液の液膜により覆われる。この処理液によりウエハWに対して洗浄またはエッチング等の液処理が施される。
固定供給部41の下方には、固定供給部41から吐出されウエハWの外側に落ちる流体を受け止める液受け部42が設けられている。固定供給部41は、例えば、チャンバ20の壁面にブラケットを介して固定されている。
処理流体供給部40は、さらに少なくとも1つの可動供給部43を有していてもよい。可動供給部43は、例えば、鉛直軸線周りに旋回可能なノズルアーム44と、ノズルアーム44の先端部に担持された少なくとも1つのノズル45から構成することができる。ノズル45は、ウエハWの上方の処理位置(例えばウエハWの中心の真上から真下に向けて処理液を出する位置)と、ウエハWの半径方向外側の待機位置との間で移動可能である。
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウエハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
[固定供給部及び液受け部の第1実施形態]
以下に、図2に概略的に示した固定供給部41及び液受け部42の第1実施形態について、図3〜図5を参照して説明する。この第1実施形態の液受け部42は、固定供給部41からのダミーディスペンスのため、固定供給部41から微小流量で吐出される処理液を、チャンバ20内に配置された固定供給部41の下方にある処理ユニット16の構成部材、例えば回収カップ50の上面に垂れ落ちることを防止するために設けられている。なお、「ダミーディスペンス」とはノズル及びノズルに接続された供給ライン内に存在する処理に不適切な組成の処理液または長期滞留した処理液をノズル及び供給ライン内から廃棄する等の目的で、処理対象基板(ウエハ)とは異なる場所に向けてノズルから処理液を吐出する操作を意味する。
固定供給部41は、ノズル410と、ノズル410を保持するノズル保持体411を有している。ノズル410は円筒形の管状部材からなり、ノズル保持体411に形成された円柱形のノズル挿入穴412に挿入されている。ノズル保持体411は、ブラケット(固定部材)413を介してチャンバ20の壁体に固定されている。ノズル410を形成するパイプは、ブラケット413に設けられた穴にも通されている。
図4に示すように、ノズル410には、処理液供給機構430が接続されている。処理液供給機構430は、処理液供給源431からノズル410に処理液を供給する処理液供給ライン432を有している。処理液供給ライン432には開閉弁433が設けられている。開閉弁433を迂回する小流量ライン434が処理液供給ライン432に接続されている。小流量ライン434には開閉弁435が設けられている。小流量ライン434は処理液供給ライン432より流路径が小さいか、あるいは図4に示したように小流量ライン434にオリフィス436が設けられている。
開閉弁433を開き開閉弁435を閉じることにより、ノズル410から横方向に(ほぼ水平方向に)通常流量で処理液が吐出される(図5の液流LJを参照)。このとき、処理液は、着液目標位置である回転するウエハWの中央部に到達する(図2の固定供給部41から延びる破線を参照)。開閉弁433を閉じ開閉弁435を開くことにより、ノズル410から微小流量で処理液が吐出される(図5の液滴LD,LDを参照)。
液受け部42は、ノズル410の下方に設けられた液受け皿420を有している。図3及び図4に示すように、液受け皿420は、底壁421と、底壁421の前端部から上方に伸びる液案内壁422とを有している。液案内壁422の上端の高さは、ノズル410の開口端410aの最も低い部分410bよりもやや低い。このため、ノズル410から通常流量で水平に吐出される処理液が液案内壁422に衝突しない。
液受け皿42の底壁421の上面421aは、液案内壁422から遠ざかるに従って低くなるように傾斜している。上面421aの最も低い位置には、図4の奥から手前側に向けて延びる排液溝424が形成されている。排液溝424は、図4の紙面の奥側から手前側に向かうに従って低くなるように傾斜している。排液溝424の最も低い部分は、図3に示すように、液受け皿42の側壁425に開口しており、この開口部分に排液管426が接続されている。排液管426は、チャンバ20の外側まで延びている。このため、排液管426に一旦流入した処理液が、チャンバ20内の雰囲気(例えば湿度)に影響を及ぼすことはない。
ノズル保持体411は、液案内壁422のノズル410を向いた液案内面423と平行に延びる液案内面414を有している。液案内面423と液案内面414との間には、隙間Gが形成されている。図4に示した実施形態では、液案内面423及び液案内面414の両方が鉛直方向に延びている。隙間Gの大きさが上方にゆくに従って大きくなるように液案内面423を傾斜させてもよい。隙間Gの大きさは例えば2mmである。
液受け皿42の底壁421の周縁部からは、前述した液案内壁422及び一対の側壁425に加えて、後壁427(図4参照)及び一対の前壁428(液案内壁422の両脇にある)が起立している。すなわち、液受け皿42の底壁421の上面421aは、上記の壁422,425,427,428に囲まれている。上記の壁422,425,427,428が堰としての役割を果たすので、液受け皿42に流入した処理液の全ては、排液溝424及び排液管426に流出し、他の部位から流出することはない。
底壁421の上面421aの上方は、ブラケット413の一部分413a及びノズル保持体411の底面411aにより覆われている。すなわち、ブラケット413の一部及びノズル保持体411の一部が、液受け皿42の上方を覆う蓋としての役割を有している。なお、ブラケット413の一部及びノズル保持体411の一部を蓋として利用する代わりに専用の蓋を設けてもよいし、ノズル保持体411の底面411aだけにより液受け皿42の上方を覆ってもよい。
ノズル保持体411の液案内面414に対する処理液の接触角は、液受け皿42の液案内壁422の液案内面423に対する処理液の接触角よりも小さい。例えば、ノズル410から吐出される処理液が純水(DIW)であるときには、ノズル保持体411をPVC(ポリ塩化ビニル)により形成し、液受け皿42をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成することにより、上記の接触角の関係が成立する。
液案内面414,423に対する処理液の接触角が同じである場合には、液案内面414,423間に液膜が形成されやすくなり、処理液が液案内面414,423間で滞留する。その結果、その後にノズル410から吐出される液が隙間G内に入ってゆかずに外にこぼれ落ちてしまう現象が生じる。
これに対して、液案内面414,423に対する処理液の接触角を異ならせると、処理液は、図5に概略的に示したように、隙間Gより大きな液滴LD1が隙間Gの上端開口部に落ちて隙間Gを塞ごうとしても、液滴LD1は液案内面414上で直ちに平べったく広がり、液案内面423上では球状になる(液滴LD2を参照)。処理液がこのような形状になることにより、液案内面414,423間に液膜が形成されないようになり、処理液は液案内面414,423間の隙間Gにスムースに流入して下方に流れてゆく。実験により、隙間Gの大きさが2mm程度であっても、ノズル410から吐出直後のサイズが3mm程度の液滴(隙間Gの大きさより大きな液滴)がスムースに隙間G内に流入していくことが確認されている。
なお、ノズル保持体411の液案内面414に対する処理液の接触角を、液受け皿42の液案内壁422の液案内面423に対する処理液の接触角よりも大きくしてもかまわない。しかしながら、ノズル保持体411の液案内面414に対する処理液の接触角は、液受け皿42の液案内壁422の液案内面423に対する処理液の接触角よりも小さくした方が好ましい。なお、この場合、処理液を隙間Gにスムースに流入させるためには、ノズル410の吐出口をなす開口端410aと液案内面414を、図4に示されているように同一平面上に位置させることが好ましい。
隙間Gの大きさを小さくしても処理液が隙間Gにスムースに流入してゆくのであれば、隙間Gの大きさを小さくすることができる。前述したように液受け皿42の上方はブラケット413の一部及びノズル保持体411の一部により覆われているので、液受け皿42上にある処理液が蒸発したときに、その蒸気は、隙間G及びその近傍の小さな隙間を通ってのみ、チャンバ20内の空間(ウエハWの近傍の空間)に侵入することができる。このため、隙間Gの大きさを小さくすることができれば、液受け皿42上にある処理液及びその蒸気がチャンバ20内の空間(ウエハWの近傍の空間)の湿度管理に及ぼす悪影響を最小限にすることができる。
[固定供給部及び液受け部の第2実施形態]
次に、図6及び図7を参照して、図2に概略的に示した固定供給部41及び液受け部42の第2実施形態について説明する。ノズル410からウエハW中心部に向けて処理液が吐出されている状態から、処理液供給ライン432の開閉弁433が閉じられた直後に、液勢が衰えて下方または斜め下方に落下している処理液が、ウエハWの外方にある処理ユニット16の構成部材(例えば回転カップ体502)に着液することにより不具合(液滴飛散によるパーティクル発生等)が生じる。これを防止するために、液受け部42が設けられている。第2実施形態において、第1実施形態と同一または実質的に同一な部材に対しては、同一符号を付して重複説明は省略する。
回収カップ50には、回収カップ50内のガス及び処理液の整流等を目的として、ウエハWと一緒に回転する回転カップ体を備えたものがある。そのような回転カップ体を備えた回収カップ50の例が図6に示されている。図6の構成では、保持部31が、回転プレート311と、回転プレート311に取り付けられた複数の(図6には一つだけ示す)ウエハ保持爪312を備えている。ウエハ保持爪312のうちの少なくとも一つは、ウエハWの周縁を保持する保持位置と、ウエハWの周縁から離れる解放位置との間で移動可能である。回収カップ50は、外側にある非回転カップ体501と、非回転カップ体501の内側に設けられた2つの回転カップ体502、503とを有している。回転カップ体502、503は、回転プレート311に固定された支柱504に取り付けられている。従って、回転カップ体502、503はウエハWと同じ角速度で回転する。
回転する回転カップ体502の上面にノズル410から吐出された処理液が落ちると、処理液が回転カップ体502に弾かれて微小液滴となって飛散し、これがパーティクルの原因となりうる(図7の矢印Pで示した液滴を参照)。これを防止するためにこの第2実施形態に係る液受け部42が設けられる。液受け部42を設けることと直接関係が無い回収カップ50の構成及び作用の説明は本明細書では省略するが、所望ならば、本願の出願人と同一出願人による特許出願の公開公報である特開2014−123713号を参照することにより理解することができる。
第2実施形態に係る液受け部42は、上側液受け皿441と、その下方に位置する下側液受け皿442とを有している。上側液受け皿441及び下側液受け皿442は例えば平面視で略長方形とすることができるが、これに限定されるものではない。
上側液受け皿441は底壁4411と、底壁4411の左右両端の縁から上方に延びる一対の側壁4412と、後壁4413とを有している。側壁4412及び後壁4413は、底壁4411上に落ちた処理液が上側液受け皿441からこぼれ落ちることを防止する堰の役割を果たす。底壁4411は、ノズル410からの処理液の吐出方向(図6、図7における図中右方向)と反対の方向に進むに従って(すなわちウエハW上の着液目標場所からの水平方向距離が大きくなるに従って)低くなるように傾斜している。底壁4411の後端には排液口4414が設けられており、この排液口4414は、排液管4415を介してチャンバ20の外側に接続されている。
下側液受け皿442は底壁4421と、底壁4421の左右両端の縁から上方に延びる一対の側壁4422と、後壁4423とを有している。側壁4422及び後壁4423は、底壁4421上に落ちた処理液が上側液受け皿442からこぼれ落ちることを防止する堰の役割を果たす。底壁4421は、ノズル410からの処理液の吐出方向と反対の方向に進むに従って低くなるように傾斜している。底壁4421の後端には排液口4424が設けられており、この排液口4424は、排液管4425を介してチャンバ20の外側に接続されている。
図7に示すように、底壁4411の下面のうち、上側液受け皿441の先端4416から後方に所定距離だけ進んだ位置までの間の領域4417は、ウエハW上の着液目標場所からの水平方向距離が大きくなるに従って低くなるように、比較的大きな角度で傾斜している(水平面に対して角度βをなす)。
ウエハW上の着液目標場所からの上側液受け皿441の先端4416までの水平方向距離は、ウエハW上の着液目標場所からの下側液受け皿442の先端4426までの水平方向距離よりも小さい。
ウエハW上の着液目標場所(例えばウエハ上面の中心部)からの上側液受け皿441の先端4416までの水平方向距離は、ウエハW上の着液目標場所からの回転カップ体502の上面5021の内周縁5022までの水平方向距離よりと同じか、もしくはやや小さい。すなわち、ノズル410からの処理液の吐出方向に関して、上側液受け皿441の先端4416の位置は、回転カップ体502の上面5021の内周縁5022と同じであるかあるいはそれよりもやや進んだ位置にある。
ウエハWの上面の中心部に着液するような液勢でノズル410から処理液が吐出されているときには、処理液は上側液受け皿441の上方を概ね水平方向に飛んでいる(図6で一点鎖線で示した処理液の飛行軌跡及び図7の液流LAを参照)。この状態から開閉弁433(図6参照)を閉じると、直ちにノズル410からの処理液の吐出が完全に停止するのではなく、開閉弁433閉鎖からごく短時間の間に液勢の低い処理液がノズル410から吐出され、その後にノズル410からの処理液の吐出が停止する。このとき液勢の衰えに応じて処理液の飛行軌跡は矢印LB、LC、LDのように順に変化してゆく。このように処理液の飛行軌跡が変化してゆくときでも、上述した形態の上側液受け皿441及び下側液受け皿442が配置されているため、回転カップ体502の上面に処理液の液滴が衝突することが防止される。以下、この点について詳述する。
ここで、考慮しなければならないことは、上側液受け皿441の先端4416の近傍、及び上側液受け皿442の先端4426の近傍に処理液の液滴が落下すると、落下により液滴がつぶれることにより、あるいは、液滴のノズル410から遠ざかる方向の運動エネルギーにより、液滴が先端4416(4426)を乗り越えて液受け皿441(442)の裏面(底壁の下面)に回り込む現象が発生するということである(図7の液滴LEを参照)。この裏面に回り込んだ液滴は、そのまま裏面に沿ってウエハの回転中心軸線から遠ざかる方向に流れてゆくこともあるが、多くの場合、途中で下方に落下する。落下した位置が回転カップ体502の上面であれば、上述した望ましくない液滴の飛散が生じる。
処理液の飛行軌跡が鉛直線と成す角度α(図7参照)は、処理液をノズル410側に押し戻す気流が無い限り0度以上である。従って、(i)上側液受け皿441の先端4416のウエハW上の着液目標場所からの水平方向距離は、回転カップ体502の上面の内周縁5022の前記着液目標場所からの水平方向距離と同じか、もしくはやや小さいため、処理液の飛行軌跡に係わらず、ノズル410から吐出された後に上側液受け皿441及び下側液受け皿442のいずれにも触れずに直接回転カップ体502に衝突する処理液はない。
また、(ii)上側液受け皿441の先端4416のウエハW上の着液目標場所からの水平方向距離は、下側液受け皿442の先端4426よりも小さいため、ノズル410から吐出された後に上側液受け皿441に触れずに下側液受け皿442の先端4426の近傍に衝突する処理液もない。このため、下側液受け皿442の先端4426の近傍に衝突した処理液が下側液受け皿442の裏面に回り込んだ後に、回転カップ体502の上面5021上に落下することもない。
上側液受け皿441の先端4416の近傍に落下した処理液の一部は、上側液受け皿441の裏面(底壁の下面)に回り込み、底壁4411の下面の先端部の領域4417上を図7の左方向に流れてゆき、その多くは下側液受け皿442の上に落下する。仮に、上側液受け皿441の裏面に回り込んだ直後に先端4416の近傍の位置で液滴が下方に落下すると、落下した液滴は下側液受け皿442の先端4426の近傍に衝突し、下側液受け皿442の裏面に回り込んだ後に、回転カップ体502の上面5021上に落下する可能性がある。しかしながら、底壁4411の下面の先端部の領域4417の水平面に対する角度βを比較的大きくとること(例えば20度以上)、並びに、ノズル410からの処理液の吐出方向に測定した距離下側液受け皿442の先端4426と上側液受け皿441の先端4416との距離Xを小さくすることにより、上記の望ましくない事象は回避することができる。
この第2実施形態によれば、上側液受け皿441及び下側液受け皿442を上述した位置関係で配置することにより、ノズル410からの吐出停止直前にノズル410から吐出される液勢の衰えた処理液が、ウエハWの外方にある処理ユニット16の構成部材(例えば回転カップ体502)に落下することにより生じうる不具合(液滴飛散によるパーティクル発生等)を防止することができる。なお、液勢の衰えた処理液の落下地点が回転カップ体502以外の構成部材(例えば固定カップ体)であっても、処理液により当該部材が汚染される場合もあり、当該構成部材上で跳ねた液が、当該構成部材の周囲の部材を汚染する可能性もある。従って、回転カップ体502を有しない処理ユニット16においても、上述した上側液受け皿441及び下側液受け皿442を設けることは有益である。
上記第1実施形態及び第2実施形態の共通の効果は、通常吐出時よりも低い液勢で固定ノズルから吐出された処理液がウエハWの外方にある処理ユニット16の構成部材に落下して当該構成部材を汚染すること、並びに当該構成部材上で跳ねた液滴が当該構成部材及び当該構成部材の周囲にある部材を汚染することを防止することができることである。
上記第1及び第2実施形態では、可動供給部43と対比するため「固定」供給部41という名称を付けたが、固定供給部41は完全に不動でなくてもよい。基板上への着液位置の調整のため、例えば、処理液の吐出角度(水平面に対する仰角ないし俯角)を変化させるために固定供給部41にチルト機構を設けてもよく、あるいは固定供給部を着液目標位置に対して接近(例えばノズル410がウエハの上方にやや張り出す場合も含む)または離間させることができる移動機構を設けてもよい。このような移動機構を設けた場合、液受け部42は、完全に不動であってもよいし、固定供給部41の動きに追従するように液受け部42を移動させる移動機構を設けてもよい。固定供給部41が多少動けたとしても、可動供給部43のように動けないのであれば、背景技術の項で説明した問題は依然として存在するので、上述した第1及び第2実施形態の構成は有益である。
上記第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、第1実施形態の液受け皿420の下方に、第2実施形態の上側液受け皿441及び下側液受け皿442を設けてもよい。
上記の実施形態において、処理ユニット16で処理される基板は、半導体ウエハに限らず、LCD用のガラス基板、セラミック基板等、半導体装置製造の技術分野で用いられる任意の基板とすることができる。
W 基板(ウエハ)
31 基板保持部
410 ノズル
42 液受け部
413 第1案内壁
420 液受け部材
423 第2案内壁
441 上側液受け部材
442 下側液受け部材
G 隙間
50 回収カップ
502 回転カップ体

Claims (13)

  1. 基板を水平に保持する基板保持部と、
    基板保持部により保持された基板上に前記基板の外側に設けられた吐出口から、横方向に処理液を吐出するノズルと、
    前記ノズルの下方に設けられ、前記ノズルの吐出口から下方または斜め下方に落下する処理液を受け止める液受け部と、
    を備えたことを特徴とする基板液処理装置。
  2. 前記液受け部は、平面視で、基板の周縁よりも基板の半径方向外側の位置で処理液を受け止めるように設けられる、請求項1記載の基板液処理装置。
  3. 基板に供給された後の処理液を回収するために基板の周囲に配置された回収カップをさらに備え、
    前記液受け部は前記回収カップの上方に設けられている、請求項2記載の基板液処理装置。
  4. 前記液受け部は、液受け部材と、前記ノズルの吐出口の開口端から下方に延びる第1案内壁と、前記第1案内壁に対面する第2案内壁と、を有し、
    前記第1案内壁と前記第2案内壁との間に隙間が形成され、この隙間を通って処理液が前記液受け部材に導かれる、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  5. 処理液の第2案内壁に対する接触角は、処理液の前記第1案内壁に対する接触角よりも大きい、請求項4記載の基板液処理装置。
  6. 前記第1案内壁の表面は、前記ノズルの開口端と同一平面上に位置している、請求項5記載の基板液処理装置。
  7. 前記隙間の大きさは、前記ノズルの吐出口から吐出される液滴の大きさよりも小さい、請求項5記載の基板液処理装置。
  8. 前記第2案内壁が前記液受け部材と一体的に形成されている、請求項4から7のうちのいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  9. 前記液受け部材の上方が蓋により覆われている、請求項4から8のうちのいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  10. 前記蓋は、前記ノズルを予め定められた位置に保持するための保持部材の一部分により形成されている、請求項9記載の基板液処理装置。
  11. 前記液受け部は、上側液受け部材と、その下方にある下側液受け部材とを含む、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  12. 前記上側液受け部材の下面の前端部は、前記着液目標位置からの水平方向距離が大きくなるに従って低くなるように傾斜しており、前記上側液受け部材の前端縁の前記着液目標位置からの水平方向距離は、前記下側液受け部材の前端縁の前記着液目標位置からの水平方向距離よりも小さい、請求項11記載の基板液処理装置。
  13. 基板に供給された後の処理液を回収するために基板の周囲に配置された回収カップをさらに備え、前記回収カップが、鉛直軸線周りに回転するリング状の回転カップ体を有しており、前記上側液受け部材の前端縁の前記着液目標位置からの水平方向距離は、前記回転カップ体の上面の内周縁の前記着液目標位置からの水平方向距離以下である、請求項12記載の基板液処理装置。
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