以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウェハ(以下ウェハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウェハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウェハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウェハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
次に、処理ユニット16(基板処理装置の一例)の構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る処理ユニット16の概略構成を示す図である。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と処理流体供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウェハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウェハWを回転させる。
処理流体供給部40は、ウェハWに対して処理流体を供給する。処理流体供給部40は、処理流体供給源70に接続される。
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウェハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
次に、処理ユニット16の具体的な構成の一例について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る処理ユニットの具体的な構成の一例を示す図である。
図3に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20内に、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50と、ノズルバス60とを備える。
処理流体供給部40は、ノズル41と、ノズルアーム42と、移動機構43とを備える。ノズル41は、基板保持機構30の保持部31に保持されたウェハWの上方からウェハWに処理液を吐出する。具体的にはノズル41は、処理液の吐出口45を下部に有し、吐出口45から鉛直下向きに処理液を吐出する。
処理流体供給部40には、バルブ71を介して酸系処理液供給源72が接続される。酸系処理液供給源72は、酸系処理液をバルブ71を介してノズル41へ供給する。また、処理流体供給部40には、バルブ73を介して有機系処理液供給源74が接続される。有機系処理液供給源74は、有機系処理液をバルブ73を介してノズル41へ供給する。酸系処理液供給源72および有機系処理液供給源74は、処理流体供給源70の一例である。
一例として、酸系処理液供給源72は、酸系処理液としてBHF(フッ酸とフッ化アンモニウム溶液との混合液)を供給し、有機系処理液供給源74は、有機系処理液としてIPA(イソプロピルアルコール)を供給する。なお、酸系処理液としては、たとえばDHF(希フッ酸)が用いられてもよく、有機系処理液としては、たとえばアセトンが用いられてもよい。また、処理液の種類の組合せも、酸系処理液および有機系処理液に限定されない。たとえば、処理液の種類の組合せは、酸系処理液およびアルカリ性処理液であってもよい。アルカリ性処理液としては、たとえばSC1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)が用いられる。
ノズルアーム42は、ノズル41を水平に支持する。移動機構43は、たとえばモータ等を含んで構成され、ノズルアーム42を鉛直軸まわりに旋回させる。移動機構43は、ノズルアーム42を旋回させることにより、ノズルアーム42に支持されたノズル41を、ウェハW上方の処理位置とウェハW外方の退避位置との間で同一の高さを保ったまま旋回移動させる。
なお、ノズル41の移動方法は、水平移動であればよく、上述した旋回移動に限らず直進移動であってもよい。ノズル41を直進移動させる場合、水平方向に延びるレールに沿ってノズルアーム42を移動させる移動機構を用いればよい。
退避位置では、たとえば不要な処理液をノズル41から排出するために、ノズル41から処理液を吐出させるダミーディスペンスが行われる。ノズルバス60は、退避位置に配置され、ノズル41から吐出された処理液を受けて外部へ排出する。
ノズルバス60は、有機系処理液を受けて外部へ排出する第1受液槽61と、酸系処理液を受けて、第1受液槽61とは異なる経路で外部へ排出する第2受液槽62とを備える。第1受液槽61と、第2受液槽62とは、ノズル41の移動軌跡上に並べて配置される。
有機系処理液のダミーディスペンスを行う場合には、ノズル41を第1受液槽61の上方に配置させ、ノズル41から第1受液槽61に向けて有機系処理液を吐出させる。また、酸系処理液のダミーディスペンスを行う場合には、ノズル41を第2受液槽62の上方に配置させ、ノズル41から第2受液槽62に向けて酸系処理液を吐出させる。
ところで、ダミーディスペンスされた処理液がノズルバスの外部へ飛散した場合、チャンバ20の内部が処理液によって汚染されるおそれがある。
たとえば、BHFのように乾燥により結晶化する処理液が使用される場合、ダミーディスペンスされた処理液がノズルバスの外部へ飛散してしまうと、飛散した処理液がチャンバ内の他の機器(たとえば回収カップ)やチャンバの内壁に付着して結晶化することで、チャンバ内が汚染されるおそれがある。さらに、処理液の結晶がノズルに付着した場合、ノズルに付着した結晶がノズルからウェハに落下することで、ウェハが汚染されるおそれもある。
そこで、本実施形態に係るノズルバス60は、第2受液槽62の周囲に側壁80を設けることとした。第2受液槽62の周囲に側壁80を設けることで、第2受液槽62の外部へ飛散しようとする処理液を側壁80によって受け止めることができる。したがって、ダミーディスペンスされた処理液が第2受液槽62の外部へ飛散することによるチャンバ20内部の汚染を未然に防ぐことができる。
また、側壁80に処理液が付着した状態を放置しておくと、たとえば、側壁80に付着した処理液が乾燥により結晶化し、この結晶物がノズル41に付着するなどしてノズルバス60の外部へ移動することにより、チャンバ20内を汚染させるおそれがある。
そこで、本実施形態に係るノズルバス60は、側壁80に洗浄液を供給する洗浄液供給部を備えることとした。洗浄液供給部から供給される洗浄液を用いて側壁80に付着した処理液または処理液の結晶物を洗い流すことで、側壁80に付着した処理液によるチャンバ20内の汚染を防止することができる。
以下、本実施形態に係るノズルバス60の具体的な構成の一例について図4〜図6を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るノズルバス60の概略的な断面図である。図5は、本実施形態に係るノズルバス60の平面図である。図6は、洗浄液供給部が備える第1供給部〜第4供給部から吐出される洗浄液の流れを示す図である。
図4に示すように、ノズルバス60が備える側壁80は、退避位置に退避させたノズル41の吐出口45の高さ位置H1よりも高い高さ位置H2まで延在する。このため、吐出口45の高さ位置H1よりも低い側壁を設けた場合と比較して、ダミーディスペンスされた処理液の第2受液槽62の外部への飛散をより確実に防止することができる。具体的には、側壁80は、退避位置に退避させたノズル41とチャンバ20(処理室の一例)の内壁との間に配置されるため、ダミーディスペンスされた処理液のチャンバ20の内壁への飛散を防止することができる。
なお、処理位置における吐出口45の高さ位置は、退避位置における吐出口45の高さ位置H1と同一であり、ノズル41は、高さ位置H1のまま、移動機構43によって処理位置から退避位置まで水平に移動され、退避位置において水平移動時と同一の高さ位置H1からノズルバス60に対して処理液を吐出する。かかる処理ユニット16によれば、ノズル41を昇降させる機構を必要としないため、構造を簡素化することができる。
側壁80には、側壁80の高さ位置H2よりも低い高さ位置H1に配置されたノズル41が側壁80を通過できるように、通過部811が設けられる。通過部811は、側壁80のうち、移動機構43によるノズル41の移動軌跡と交わる第1壁部81の一部に設けられる。通過部811の上面は、吐出口45の高さ位置H1よりも低い高さ位置H3に設定される。
図5に示すように、側壁80は、第1壁部81と第2壁部82と第3壁部83と第4壁部84とを備え、第1壁部81〜第4壁部84によって第2受液槽62の周囲を囲む。このように、第2受液槽62の周囲を囲むことで、ダミーディスペンスされた処理液の第2受液槽62の外部への飛散が防止される。
第1壁部81〜第4壁部84のうち、第1壁部81および第4壁部84は、ノズル41の移動軌跡と交わる位置に配置される壁部であり、処理位置に近い側(X軸負方向側)に第1壁部81が配置される。また、第2壁部82および第3壁部83は、第1壁部81および第4壁部84の並び方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に並べて配置される。
第1壁部81〜第4壁部84における第2受液槽62側の壁面は、第2受液槽62の縁部621に連続し、第2受液槽62の縁部621に向かって下り傾斜する傾斜面を少なくとも一部に有する。
なお、第4壁部84には、第1壁部81の通過部811よりも深く切り欠かれた切欠部841が設けられる。切欠部841は、ノズル41を浸漬洗浄するための洗浄槽を第2受液槽62の隣に配置した場合に、洗浄槽からオーバーフローする洗浄液を第2受液槽62に流入させるための流路として機能する。ただし、切欠部841は必ずしも設けられることを要しない。
ノズルバス60は、洗浄液供給部90を備える。洗浄液供給部90は、第1壁部81に洗浄液を供給する第1供給部91と、第2壁部82に洗浄液を供給する第2供給部92と、第3壁部83に洗浄液を供給する第3供給部93と、第4壁部84に洗浄液を供給する第4供給部94とを備える。
第1供給部91、第3供給部93および第4供給部94は、第1配管101を介して第1洗浄液供給源104に接続される。また、第2供給部92は、第2配管105を介して第2洗浄液供給源108に接続される。第1洗浄液供給源104および第2洗浄液供給源108から供給される洗浄液は、たとえば常温(20〜25℃)の純水である。
なお、洗浄力を高めるために常温よりも高い温度(たとえば45〜80℃)に加熱された純水を洗浄液として用いてもよい。
また、第1配管101および第2配管105には、スピードコントローラ102,106と、バルブ103,107とがそれぞれ設けられる。スピードコントローラ102,106およびバルブ103,107の動作は、制御部18によって制御される。
なお、スピードコントローラ102,106およびバルブ103,107は、洗浄液供給部90から側壁80に供給される洗浄液の流量を変更する流量調整機構の一例に相当する。
第1供給部91〜第4供給部94は、第1吐出口911、第2吐出口921、第3吐出口931および第4吐出口941をそれぞれ備える。
第1吐出口911は、第1壁部81に設けられ、第3壁部83側から第2壁部82側へ向けて洗浄液を水平に吐出する。第2吐出口921は、第2壁部82に設けられ、第1壁部81側から第4壁部84側へ向けて洗浄液を水平に吐出する。第3吐出口931は、第3壁部83は、第4壁部84側から第1壁部81側へ向けて洗浄液を水平に吐出する。第4吐出口941は、第4壁部84に設けられ、第3壁部83側から第2壁部82側へ向けて洗浄液を水平に吐出する。
各吐出口911,921,931,941から吐出された洗浄液は、図6に示すように、第1壁部81〜第4壁部84の各壁面を弧を描きながら第2受液槽62に向かって流れ落ちる。これにより、第1壁部81〜第4壁部84の各壁面が洗浄される。
つづいて、第1壁部81〜第4壁部84の詳細な形状について図7〜図10をさらに参照して説明する。図7は、図5に示すF−F矢視における断面図であり、図8は、図5に示すK−K矢視における断面図であり、図9は、図5に示すH−H矢視における断面図である。また、図10は、図9に示すE−E矢視における断面図である。
図5および図7に示すように、第1壁部81は、第2受液槽62側の壁面の一部を厚み方向(X軸方向)に窪ませた第1溝部812を有する。第1溝部812は、通過部811の下方に形成され、第2受液槽62側(X軸正方向側)および通過部811側(Z軸正方向側)に開口し、その他は閉じられている。
第1溝部812は、第1壁部81の幅方向(Y軸方向)における一端側から他端側に向かう第1流路813(第1の部分の一例)を有する。具体的には、第1流路813は、第1壁部81に隣接する第2壁部82および第3壁部83のうちの一方側(第3壁部83側)から他方側(第2壁部82側)へ向かって横方向に延在する。また、第1溝部812は、第1流路813の他方側(第2壁部82側)の端部から第2受液槽62側へ向かう第2流路814(第2の部分の一例)を有する。
第1吐出口911は、第1流路813における第3壁部83側の端部に設けられる。第1溝部812は、第1吐出口911から吐出された洗浄液を第1流路813に沿って第3壁部83側から第2壁部82側へ向かわせ、第1流路813の第2壁部82側の端部に到達した洗浄液を第2流路814に沿って第2受液槽62側へ向かわせる。
図8および図9に示すように、第1溝部812(第1流路813および第2流路814)の底部は、第1壁部81の第2受液槽62側の壁面に向かって下り傾斜している。これにより、第1溝部812から第1壁部81の第2受液槽62側の壁面に洗浄液を効率よく供給することができる。また、第1吐出口911から弧を描きつつ第2受液槽62へ向かう洗浄液の流れ(図6参照)を容易に形成することができる。
図5および図7に示すように、第2壁部82は、第2受液槽62側の壁面の一部を厚み方向(Y軸方向)に窪ませた第2溝部821を有する。第2溝部821は、第2受液槽62側(Y軸正方向側)に開口し、その他は閉じられている。
第2溝部821は、第2壁部82の幅方向(X軸方向)における一端側から他端側に向かう第1流路822(第1の部分の一例)を有する。具体的には、第1流路822は、第2壁部82に隣接する第1壁部81および第4壁部84のうちの一方側(第1壁部81側)から他方側(第4壁部84側)へ向かって延在する。また、第2溝部821は、第1流路822の他方側(第4壁部84側)の端部から第2受液槽62側へ向かう第2流路823(第2の部分の一例)を有する。
図8に示すように、第1流路822における第1壁部81側の端部は、通過部811の上面の高さ位置(図4に示す高さ位置H3)よりも高い位置に設けられる。具体的には、第1流路822における第1壁部81側の端部は、ノズル41の吐出口45の高さ位置H1よりも高い位置に設けられる。一方、第1流路822における第4壁部84側の端部は、通過部811の上面の高さ位置よりも低い位置に設けられる。
第2吐出口921は、第1流路822の第1壁部81側の端部に設けられ、通過部811の上面よりも高い位置から洗浄液を吐出する。このように、通過部811の上面よりも高い位置に第2吐出口921が設けられているため、第2受液槽62から洗浄液をオーバーフローさせる手法では洗浄することができない通過部811の上面よりも上方の壁面についても洗浄することができる。
なお、第2吐出口921から吐出された洗浄液がノズルバス60の外部へ飛散することを防止するために、第2溝部821の上方には、第1天井部材151が設けられる。図7に示すように、第1天井部材151の下面は、第2受液槽62に向かって下り傾斜している。これにより、第2吐出口921から吐出された洗浄液がノズルバス60の外部へ飛散することを防止しつつ、第2溝部821の流路面積を確保することができる。なお、第1天井部材151の下面は平坦面であってもよい。
第2溝部821は、第2吐出口921から吐出された洗浄液を第1流路822に沿って第1壁部81側から第4壁部84側へ向かわせ、第1流路822の第4壁部84側の端部に到達した洗浄液を第2流路823に沿って第2受液槽62側へ向かわせる。
また、第2溝部821(第1流路822および第2流路823)の底部は、第2壁部82の第2受液槽62側の壁面に向かって下り傾斜している。これにより、第2溝部821から第2壁部82の第2受液槽62側の壁面に洗浄液を効率よく供給することができる。また、第2吐出口921から弧を描きつつ第2受液槽62へ向かう洗浄液の流れ(図6参照)を容易に形成することができる。
図5および図7に示すように、第3壁部83は、第2受液槽62側の壁面の一部を厚み方向(Y軸方向)に窪ませた第3溝部831を有する。第3溝部831は、第2受液槽62側(Y軸負方向側)に開口し、その他は閉じられている。
第3溝部831は、第3壁部83に隣接する2つの壁部(第1壁部81および第4壁部84)のうちの一方側(第4壁部84側)から他方側(第1壁部81側)へ向かって延びる。
第3溝部831は、第3壁部83の幅方向(X軸方向)における一端側から他端側に向かう。具体的には、第3溝部831は、第3壁部83に隣接する第1壁部81および第4壁部84のうちの一方側(第1流路843側)から他方側(第1壁部81側)へ向かって横方向に延在する。
図7および図9に示すように、第3溝部831における第4壁部84側の端部は、通過部811の上面の高さ位置(図4に示す高さ位置H3)よりも高い位置に設けられる。具体的には、第3溝部831における第4壁部84側の端部は、ノズル41の吐出口45の高さ位置H1よりも高い位置に設けられる。第3吐出口931は、第3溝部831の第4壁部84側の端部に設けられ、通過部811の上面よりも高い位置から洗浄液を吐出する。
なお、第3吐出口931から吐出された洗浄液がノズルバス60の外部へ飛散することを防止するために、第3溝部831の上方には、第2天井部材152が設けられる。図7に示すように、第2天井部材152の下面は、第2受液槽62に向かって下り傾斜している。これにより、第2吐出口921から吐出された洗浄液がノズルバス60の外部へ飛散することを防止しつつ、第2溝部821の流路面積を確保することができる。なお、第2天井部材152の下面は平坦面であってもよい。
また、第3壁部83に隣接する第1壁部81には、第3溝部831に連続する第5溝部815が設けられている。第5溝部815は、通過部811よりも第3壁部83側に位置する第1壁部81の壁面の一部を厚み方向(X軸方向)に窪ませた溝部であり、第2受液槽62側(X軸正方向側)および上方に開口し、その他は閉じられている。
第5溝部815は、第1壁部81に隣接する第3壁部83および第2壁部82のうちの一方側(第3壁部83側)から他方側(第2壁部82側)へ向かって延びる第1流路816と、第1流路816の他方側(第2壁部82側)の端部から第2受液槽62側へ向かう第2流路817とを含む。なお、第5溝部815の第3壁部83側の一部は、第2天井部材152によって覆われている。
図7に示すように、第5溝部815は、第1壁部81の通過部811の上面の高さ位置(図4に示す高さ位置H3)よりも高い位置に設けられる。また、第5溝部815の第2流路817は、第1流路816よりも低い位置に設けられており、第1流路816は、第2流路817に向かって下り傾斜している。
第3吐出口931から吐出された洗浄液は、まず、第3溝部831を第4壁部84側から第1壁部81側へ向かって流れた後、第5溝部815の第1流路816を第3壁部83側から第2壁部82側へ向かって流れ、その後、第2流路817から第2受液槽62へ向かって流れる。
また、第3溝部831の底部は、第3壁部83の第2受液槽62側の壁面に向かって下り傾斜し、第1流路816および第2流路817の底部も、第1壁部81の第2受液槽62側の壁面に向かって下り傾斜している。これにより、第3溝部831および第5溝部815から第3壁部83および第1壁部81の第2受液槽62側の壁面に洗浄液を効率よく供給することができる。また、第3吐出口931から弧を描きつつ第2受液槽62へ向かう洗浄液の流れ(図6参照)を容易に形成することができる。
図5および図9に示すように、第4壁部84は、第2受液槽62側の壁面の一部を厚み方向(X軸方向)に窪ませた第4溝部842を有する。第4溝部842は、第2受液槽62側(X軸負方向側)に開口し、その他は閉じられている。
第4溝部842は、第4壁部84の幅方向(Y軸方向)における一端側から他端側に向かう第1流路843(第1の部分の一例)を有する。具体的には、第1流路843は、第4壁部84に隣接する第3壁部83および第2壁部82のうちの一方側(第3壁部83側)から他方側(第2壁部82側)へ向かって延在する。また、第4溝部842は、第1流路843の他方側(第2壁部82側)の端部から第2受液槽62側へ向かう第2流路844(第2の部分の一例)を有する。
図9に示すように、第1流路843における第3壁部83側の端部は、通過部811の上面の高さ位置(図4に示す高さ位置H3)よりも高い位置に設けられる。具体的には、第1流路843における第3壁部83側の端部は、ノズル41の吐出口45の高さ位置H1よりも高い位置に設けられる。一方、第1流路843における第2壁部82側の端部は、通過部811の上面の高さ位置よりも低い位置に設けられる。
第4吐出口941は、第1流路843の第3壁部83側の端部に設けられ、通過部811の上面よりも高い位置から洗浄液を吐出する。
第4溝部842は、第4吐出口941から吐出された洗浄液を第1流路843に沿って第3壁部83側から第2壁部82側へ向かわせ、第1流路843の第2壁部82側の端部へ到達した洗浄液を第2流路844に沿って第2受液槽62へ向かわせる。
なお、第4吐出口941から吐出された洗浄液がノズルバス60の外部へ飛散することを防止するために、第4溝部842の上方には、第3天井部材153が設けられる。図10に示すように、第3天井部材153の下面は、第4吐出口941と対向するように傾斜しており、これにより、第4吐出口941から水平に吐出された洗浄液の向きを斜め下向きに変えて、洗浄液を第4壁部84の壁面に沿わせることができる。
第4溝部842(第1流路843および第2流路844)の底部は、第4壁部84の第2受液槽62側の壁面に向かって下り傾斜している。これにより、第4溝部842から第4壁部84の第2受液槽62側の壁面に洗浄液を効率よく供給することができる。また、第4吐出口941から弧を描きつつ第2受液槽62へ向かう洗浄液の流れ(図6参照)を容易に形成することができる。
次に、側壁80の洗浄処理について図11を参照して説明する。図11は、側壁80の洗浄処理の一例を示す図である。
制御部18は、バルブ103,107を開放して、第1吐出口911、第2吐出口921、第3吐出口931および第4吐出口941から洗浄液を吐出させる。つづいて、制御部18は、スピードコントローラ102,106を制御することにより、第1吐出口911、第2吐出口921、第3吐出口931および第4吐出口941から吐出される洗浄液の流量を変化させる。
たとえば、制御部18は、バルブ103,107を開放した後、スピードコントローラ102,106を制御して、洗浄液の流量を徐々に増加させる。あるいは、制御部18は、バルブ103,107を開放した後、スピードコントローラ102,106を制御して、洗浄液の流量を徐々に減少させてもよい。制御部18は、洗浄液の流量を増加させる処理と減少させる処理とを繰り返し行ってもよい。
このように、流量を変化させながら洗浄液を吐出することにより、図11に示すように、第1壁部81〜第4壁部84の各壁面に対し、洗浄液を満遍なく供給することができる。したがって、第1壁部81〜第4壁部84の各壁面に付着した処理液または処理液の結晶をより確実に洗い流すことができる。
その後、制御部18は、バルブ103,107を閉鎖することにより、各吐出口911,921,931,941からの洗浄液の吐出を停止させる。
このとき、制御部18は、スピードコントローラ102,106を制御することにより、洗浄液供給部90から側壁80に供給される洗浄液の流量を、洗浄液供給部90から側壁80への洗浄液の供給を開始する場合における流量よりも少なくした状態で、バルブ103,107を制御して、洗浄液供給部90から側壁80への洗浄液の供給を停止する。
洗浄液の供給を停止した後、第2受液槽62内には洗浄液が残存している可能性がある。第2受液槽62内に洗浄液が残存していると、ダミーディスペンスされた処理液を回収して再利用する場合に、処理液に洗浄液が混入して処理液の濃度が変動するおそれがある。
そこで、制御部18は、側壁80への洗浄液の供給を停止した後、ノズル41から第2受液槽62に対して処理液を一定時間吐出させる。これにより、第2受液槽62内に残存する洗浄液を処理液により第2受液槽62から排出することができる。したがって、回収する処理液の濃度が洗浄液によって変動することを防止することができる。
上述してきたように、本実施形態に係る処理ユニット16(基板処理装置の一例)は、保持部31と、ノズル41と、ノズルバス60と、移動機構43とを備える。保持部31は、ウェハW(基板の一例)を保持する。ノズル41は、保持部31に保持されたウェハWの上方からウェハWに処理液を吐出する。ノズルバス60は、ノズル41をウェハWの上方から退避させた退避位置に配置され、退避位置に退避させたノズル41から吐出された処理液を受けて外部へ排出する。移動機構43は、ウェハWの上方における処理位置と退避位置との間でノズル41を水平移動させる。また、ノズル41は、水平移動時と同一の高さ位置からノズルバス60に対して処理液を吐出する。また、ノズルバス60は、側壁80と、洗浄液供給部90とを備える。側壁80は、退避位置に退避させたノズル41における処理液の吐出口45の高さ位置H1よりも高い位置まで延在する。洗浄液供給部90は、側壁80に洗浄液を供給する。
したがって、本実施形態に係る処理ユニット16によれば、ダミーディスペンスされた処理液によるチャンバ20内部の汚染を防止することができる。
なお、上述した実施形態では、ダミーディスペンスされた酸系処理液を受ける第2受液槽62の周囲に側壁80を設けることとしたが、側壁80が設けられる受液槽は、必ずしも酸系処理液を受けるものであることを要しない。たとえば、アルカリ系処理液を受ける受液槽の周囲に側壁を設けてもよい。
また、上述した実施形態では、酸系処理液と有機系処理液とを別々に排出するために、2つの受液槽(第1受液槽61および第2受液槽62)を備える構成としたが、たとえば、ノズル41から吐出される処理液が1種類である場合や、複数種類の処理液をまとめて排出可能である場合には、単一の受液槽を備える構成としてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。