JP2016086112A - 六方晶フェライト複合磁性体、及びこれを用いた高周波磁性部品 - Google Patents
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[式1]
ここでθはブラッグ回折角、βは回折ピークの半値幅、λはX線波長、ηは格子ひずみ、Dは結晶子径であり、格子ひずみは、sinθ/λを横軸、βcosθ/λを縦軸としてXRD測定の結果をプロットし、直線近似することによって得られる勾配から計算される。本実施形態で用いる六方晶フェライトを主相とする粉末においては、Dは十分に大きいため1/D≒0とし、実際には[式1]を以下の[式2]で置き換えて算出されるηを格子ひずみとすることができる。
[式2]
実施例1として、炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、及び酸化亜鉛(ZnO)を原料とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量した。秤量後の原料を湿式ボールミルで水を媒体として16時間配合した後、大気中において1200℃で2時間仮焼した。得られた仮焼粉を振動ミルで10分間乾式粉砕した後、湿式ボールミルで水を媒体として24時間粉砕し、粉砕後の粉を150℃で24時間乾燥させて粉砕粉を得た。
実施例2では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、及び酸化コバルト(Co3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量した以外は実施例1と同様の条件で、W型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例2の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあるため、上記複合磁性体の3GHzでのμ´が1.50以上の大きい値であり、且つtanδμが0.010以下の小さい値となっている。
実施例3では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、及び酸化スカンジウム(Sc2O3)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量した以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例3の六方晶フェライト複合磁性体は、粉末がHAの大きいM型六方晶フェライトであることから、frがより高められ、GHz帯のtanδμがより低減される。そのため、3GHzでのtanδμが0.005以下となっており、実施例1及び実施例2の値よりも小さい値となっている。
実施例4では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化コバルト(Co3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量した以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例4の六方晶フェライト複合磁性体は、粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであり、HAが効果的に調整されるため、GHz帯のμ´がより高められる。そのため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上となっており、実施例1から実施例3の値よりも大きい値となっている。
実施例5では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量した以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例5の六方晶フェライト複合磁性体においても、粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例6から実施例11では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量した以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例6から実施例11の六方晶フェライト複合磁性体においても、粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例12、実施例13では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び粉末の体積比率をそれぞれ50vol%、80vol%に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例12、実施例13の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあり、且つ粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例14では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで10分間乾式粉砕した後、湿式ボールミルで水を媒体として8時間粉砕としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例14の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあり、且つ粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例15では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで1分間乾式粉砕としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例15の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあり、且つ粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例16では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び仮焼粉の粉砕条件を振動ミルで10分間乾式粉砕した後、湿式ボールミルで水を媒体として40時間粉砕としたこと、さらに焼成条件を大気中1200℃で10時間保持としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例16の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあり、且つ粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例17では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼成条件を大気中1350℃で10時間保持としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例17の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあり、且つ粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例18では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで2分間乾式粉砕としたこと、さらに焼結体粉砕粉のアニール条件を1000℃で2時間としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例18の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあり、且つ粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
実施例19では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで10分間乾式粉砕としたこと、さらに焼結体粉砕粉のアニールを行わなかったこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた実施例19の六方晶フェライト複合磁性体においても、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあり、且つ粉末がMAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19で表されるM型六方晶フェライトであるため、3GHzでのtanδμが0.005以下の十分小さい値に維持されたまま、μ´が1.60以上の大きい値となっている。
比較例1として、平均粒子径10μm、平均結晶粒径3μm、格子ひずみ0.033であるFe粉とビスフェノールF型液状エポキシ樹脂を粉末の体積比率が70vol%となるように混合してペーストを作製した。得られたペーストを180℃で6時間保持して硬化させることにより、Fe粉と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例1の複合磁性体は、複合磁性体に占める粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲にあり、上記粉末の平均粒子径が5μmから150μm、平均結晶粒径が0.5μmから60μm、さらに格子ひずみが0.010から10の範囲にあるものの、粉末の組成が六方晶フェライトではないため、frが低い値となり、上記複合磁性体の3GHzでのμ´は1.50未満の小さい値であり、且つtanδμは0.010よりも大きい値となっている。
比較例2として、酸化鉄(Fe2O3)、及び酸化ニッケル(NiO)を原料とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量した。秤量後の原料を湿式ボールミルで水を媒体として16時間配合した後、大気中において900℃で3時間仮焼した。得られた仮焼粉を湿式ボールミルで水を媒体として16時間粉砕した後、150℃で24時間乾燥させて粉砕粉を得た。
比較例3、比較例4では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び粉末の体積比率をそれぞれ45vol%、85vol%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例3、比較例4の六方晶フェライト複合磁性体は、複合磁性体に占める六方晶フェライトを主相とする粉末の体積比率が50vol%から80vol%の範囲に入っておらず、上記体積比率が50vol%よりも小さい比較例3においては、3GHzでのμ´が1.50よりも小さい値となり、上記体積比率が80vol%よりも大きい比較例4においては、3GHzでのtanδμが0.010よりも大きい値となっている。
比較例5では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで10分間乾式粉砕した後、湿式ボールミルで水を媒体として12時間粉砕としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例5の六方晶フェライト複合磁性体は、上記粉末の平均粒子径が5μmよりも小さい値となっており、上記平均粒子径が5μmから150μmの範囲に入っていないため、3GHzでのtanδμが0.010よりも大きい値となっている。
比較例6では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで50秒間乾式粉砕としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例6の六方晶フェライト複合磁性体は、上記粉末の平均粒子径が150μmよりも大きい値となっており、上記平均粒子径が5μmから150μmの範囲に入っていないため、3GHzでのtanδμが0.010よりも大きい値となっている。
比較例7では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び仮焼粉の粉砕条件を振動ミルで10分間乾式粉砕した後、湿式ボールミルで水を媒体として48時間粉砕としたこと、さらに焼成条件を大気中1200℃で10時間保持としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例7の六方晶フェライト複合磁性体は、上記粉末の平均結晶粒径が0.5μmよりも小さい値となっており、上記平均結晶粒径が0.5μmから60μmの範囲に入っていないため、3GHzでのtanδμが0.010よりも大きい値となっている。
比較例8では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼成条件を大気中1380℃で12時間保持としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例8の六方晶フェライト複合磁性体は、上記粉末の平均結晶粒径が60μmよりも大きい値となっており、上記平均結晶粒径が0.5μmから60μmの範囲に入っていないため、3GHzでのtanδμが0.010よりも大きい値となっている。
比較例9では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで2分間乾式粉砕としたこと、さらに焼結体粉砕粉のアニール条件を1100℃で2時間としたこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例9の六方晶フェライト複合磁性体は、上記粉末の格子ひずみが0.010よりも小さい値となっており、上記格子ひずみが0.010から10の範囲に入っていないため、3GHzでのtanδμが0.010よりも大きい値となっている。
比較例10では、原料を炭酸バリウム(BaCO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化マンガン(Mn3O4)とし、これらを表1に示す所定の組成となるように秤量したこと、及び焼結体の粉砕条件を振動ミルで15分間乾式粉砕としたこと、さらに焼結体粉砕粉のアニールを行わなかったこと以外は実施例1と同様の条件で、M型六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体を得た。このようにして得られた比較例10の六方晶フェライト複合磁性体は、上記粉末の格子ひずみが10よりも大きい値となっており、上記格子ひずみが0.010から10の範囲に入っていないため、3GHzでのtanδμが0.010よりも大きい値であり、且つμ′が1.50よりも小さい値となっている。
複合磁性体表面を研磨、フッ酸(濃度36%)エッチング後に走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製、JSM−6340F)で観察し、N=100個の粒子径、及び結晶粒径をそれぞれ平均することにより、平均粒子径、及び平均結晶粒径を求めた。その際、各粒子、及び各結晶粒それぞれの面積と同一の面積を持つ円の直径の長さをそれぞれ粒子径、及び結晶粒径とした(Heywood径)。
複合磁性体のX線回折(XRD)測定((株)リガク製、RINT−2500)を行い、2θが20°から65°の範囲で観測される回折ピークについて、それぞれブラッグ回折角θ、回折ピークの半値幅βから、格子ひずみをη=β/(2tanθ)により求め、得られた値を平均して格子ひずみとした。
3GHzの複素透磁率の実部μ´、及び磁気損失tanδμは、1mm×1mm×80mmの棒状に加工した試験片を使用し、ネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー(株)製、HP8753D)と空洞共振器((株)関東電子応用開発製)を用いた摂動法により測定した。
Claims (4)
- 六方晶フェライトを主相とする粉末と樹脂を含む複合磁性体であって、該複合磁性体に占める前記粉末の体積比率が50vol%以上80vol%以下であり、前記粉末の平均粒子径が5μm以上150μm以下、平均結晶粒径が0.5μm以上60μm以下、格子ひずみが0.010以上10以下であることを特徴とする六方晶フェライト複合磁性体。
- 前記六方晶フェライトが、M型六方晶フェライトであることを特徴とする請求項1に記載の六方晶フェライト複合磁性体。
- 前記六方晶フェライトが、MAαFe12−β(MB1−γMCγ)βO19(式中、MAはBa、Sr、及びCaからなる群より選択される少なくとも一種であり、MBは、Ti、Zr及びSnからなる群より選択される少なくとも一種であり、MCはNi、Zn、Mn、Mg、Cu及びCoからなる群より選択される少なくとも一種であり、αは0.8以上1.2以下、βは1.5以上6.0以下、γは0.48以上0.55以下である)で表されるM型六方晶フェライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の六方晶フェライト複合磁性体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の六方晶フェライト複合磁性体を用いることを特徴とする高周波磁性部品。
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