JP2016085131A - 水素ガスセンサ装置の駆動方法およびこれを用いた水素ガスセンサ装置 - Google Patents

水素ガスセンサ装置の駆動方法およびこれを用いた水素ガスセンサ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素ガスセンサの水素感応膜は、高濃度水素ガスに高温で晒されると、急速に水素感応膜が劣化する。これを防止する水素ガスセンサの駆動方法とこの方法を用いる水素ガスセンサを提供する。【解決手段】計測領域が後記水素ガスセンサBと比較して相対的に低濃度である水素ガスセンサAと、計測領域が前記水素ガスセンサAと比較して相対的に高濃度である水素ガスセンサBと、を備える水素ガスセンサ装置の駆動方法であって、最初に水素ガスセンサBを駆動し、測定雰囲気が水素ガスセンサAの高濃度側のセンサを傷めない程度の安全限界センス濃度を下回る切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていると判断される場合には水素ガスセンサAで水素ガス濃度を計測するようにした水素ガスセンサ装置の駆動方法などを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、水素ガスセンサ装置の駆動方法に関し、水素ガスセンサの感応部である水素感応物質が、特に、高温加熱時に数%から100%に近い極めて高い濃度の水素ガス(H)に晒されると、水素脆化などによる変質が発生して、水素ガスセンサの特性が、劣化してしまうことを防止するための方法を提供すると共に、この方法を用いた水素ガスセンサ装置を提供するものである。
水素ガスが空気中に4.0から75.0%(体積%)の非常に広い存在範囲で爆発の危険性があることが分かっている。従来、ガスセンサには、ヒータにより酸化膜中に微粒白金(Pt)などを分散した触媒の温度を上げて、この触媒作用と組み合わせた接触燃焼式の水素ガス検知センサ(特許文献1参照)などがあった。この接触燃焼式の水素ガスセンサでは、触媒反応の促進のために、一般に100℃以上の温度に常に加熱している。空気中などの酸素雰囲気で、酸素と水素とが接触したとき、水素ガスセンサの感応部に触媒があると100℃程度の比較的低温でも接触燃焼し、温度を更に高温にさせるので、その温度変化から空気中の水素濃度を検出する原理に基づくものである。しかし、数%から100%近い極めて高濃度の水素ガスに水素ガスセンサの感応部が晒されると、異常な温度上昇をして触媒を水素還元してしまい、水素感応物質である触媒が元に戻らない状態になり感度劣化をきたすことが大きな問題になっていた。
本発明者は、先に、「ガスセンサ素子およびこれを用いたガス濃度測定装置」(特許文献2参照)を発明して、基板から熱分離した薄膜に、1個または複数個の温度センサと被検出ガスを吸収するガス吸収物質とを具備して、被検出ガスの吸収や放出時の吸熱や発熱に伴う温度変化を前記温度センサにより計測できるように配置形成した水素ガスの濃度計測を意図したガスセンサ素子とガス濃度測定装置を提案した。
更に、本発明者は、実験と改良を重ねて、2個のカンチレバ型の熱電対兼ヒータを用いて、一方のカンチレバ先端部には、水素ガスセンサの感応部として、水素吸収物質であるパラジウム(Pd)薄膜をスッパタリング堆積して検出部とし、他方のカンチレバ先端部には水素吸収物質を付けない状態で参照部として、低濃度(おおよそ、5%以下で1ppm程度まで)の水素ガスを計測するようにする水素ガスセンサ(水素吸収発熱型)を提案した(特許文献3)。ヒータ加熱している期間に水素ガス濃度計測をすると、5%程度以上の水素濃度では、水素ガスの熱伝導率がガス中で最も大きいので、この影響のために、水素ガス濃度が5%を超えると所定の電力でヒータが駆動しても、温度上昇が停滞し、水素濃度が大きいとむしろ温度が感応部の温度が低下する傾向になることが判明し(水素ガス濃度が5%程度で出力にピークがあることが判明)、ヒータ加熱を止め、冷却過程での温度変化を見た方が良いことが分かった。そのために、水素ガスセンサの感応部に水素吸収物質のPd薄膜を有した検出部のカンチレバと水素吸収物質を付けない参照部のカンチレバの2個のカンチレバを用意し、数%以上の高濃度での水素ガスセンサでは、上述の2個のカンチレバのうち、参照部を用いて、これをヒータ加熱し、熱伝導型水素ガスセンサとして利用することを提案した。
また、ここでは、吸蔵した水素ガスを水素吸収物質であるPd薄膜から追い出すために、100℃以上の高温に間欠的に加熱するが、数%から100%近い高濃度の水素ガス中では、水素吸収物質であるPdも酸素ガスの存在で接触燃焼の効果が現れ、非常に高温になってしまうことがあること、更に水素ガスが大量に、冷却時にはPd薄膜に吸収されて、加熱により放出されるために、Pd薄膜の密度変化(体積変化)が加熱・冷却サイクルにより激しくなり、この時のPd薄膜の体積変化に伴う亀裂等により微粉化が促進されること、また、水素脆化が進むなど水素感応物質であるPd薄膜が変質してしまうことや剥がれの原因にもなって、水素ガス濃度計測に経時変化など大きな影響を及ぼすことが判明した。
また、従来、パラジウム(Pd)膜の水素の選択性を利用して、Pd膜をFETのゲート電極に使用して、水素を吸収したときにその仕事関数が変化するためにドレイン電流が変化することを利用したFET型の水素ガスセンサや、Pd膜に水素を吸収することによるPd膜の電気抵抗が変化することを利用した水素ガスセンサ(水素吸収抵抗変化型)、などがあったが、大量の水素の吸収によるヒステリシス現象が起こり、やはり、高濃度の水素ガスに晒すことがこれらの水素ガスセンサの劣化を招くことで、問題になっていた。
特開2006−201100号公報 特開2008−111822号公報 PCT/JP2011/70427
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、特に100ppm以下の水素ガス濃度を検出するために、一般には、上述のように水素ガスセンサに水素感応膜を形成してあり、この水素感応膜は数%から100%に近い高濃度水素ガスに、特に100℃程度の高温で晒されると、急速に水素感応膜が劣化して、水素ガスセンサの感度の回復不可能な劣化が生じることが判明しており、これを防止する水素ガスセンサ装置の駆動方法とこの方法を用いる水素ガスセンサ装置を提供することが目的である。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、計測領域が後記水素ガスセンサBと比較して相対的に低濃度である水素ガスセンサAと、計測領域が前記水素ガスセンサAと比較して相対的に高濃度である水素ガスセンサBと、を組み合わせて水素ガス濃度を計測する水素ガスセンサ装置の駆動方法であって、水素ガスセンサBは、水素ガスセンサAの高濃度側のセンサを傷めない程度の安全限界センス濃度を下回る所定の基準値である切替基準濃度を測定雰囲気が下回っているか判断可能に構成されており、水素ガス濃度の計測を開始するときに、最初に水素ガスセンサBを駆動し、測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていると判断した場合に、水素ガスセンサAによる計測に切り替えができるようにしてあり、水素ガスセンサAにより水素ガス濃度を計測するようにしたことを特徴とするものである。
水素感応物質としてのPt触媒を用いた接触燃焼型の水素ガスセンサAでも、水素感応物質としてのPdなどの水素吸収物質による発熱反応を利用する水素ガスセンサAであっても、例えば、10ppmを検出しようとして設定してあるヒータの電力量を供給して100℃以上の高温状態で水素感応物質が100%(ここでは体積%を指す)近い水素ガスに晒されると、接触燃焼型の水素ガスセンサAでは、異常過熱し、高温になり過ぎて、Pt触媒が復帰できない状態になり、水素感度特性における劣化が生じること、また、水素吸収物質による発熱反応を利用する水素ガスセンサAでは、大量の水素の冷却時の吸収と、ヒータでの高温動作における放出の繰り返しにより、体積変化が大きく亀裂の発生による微粉化が生じ、水素脆化が促進されて、水素吸収物質が、表面が荒れてしまい黒化するなど変質してしまうために水素感度特性における劣化に繋がる現象が生じることが、実験により分かった。
このような水素感度特性における劣化を防止するために、水素濃度計測の最初は、雰囲気ガスである被測定ガスの窒素ガスや空気などに、どれだけの水素(H)ガスが存在しているか分からないので、先ずは、最初に100%に近い水素ガス濃度が存在したとしても、水素の接触燃焼や水素吸収発熱による異常過熱や劣化が起こらない動作原理の異なる近接配置させた水素ガスセンサBを動作させて、その被測定周囲環境ガス(被検ガスという)中の水素ガス濃度を調べる、すなわち、水素ガスセンサBの計測範囲である高濃度領域の水素ガス濃度なのか、それとも、水素ガスセンサBの計測範囲では誤差が大きすぎる水素ガス濃度、すなわち、所定の値(切替基準濃度)よりも低水素ガス濃度であるから低水素ガス濃度計測用の水素ガスセンサAの計測範囲なのか、を判断して、水素ガスセンサAでの計測動作が適する場合(切替基準濃度以下の水素ガス濃度)は、水素ガスセンサAを用いて水素ガス濃度を計測させる動作をさせるようにするものである。水素ガスセンサBとしては、高濃度水素ガスに晒されても劣化しない構造であること、水素ガスが気体の中で最も熱伝導率が高いこと、水素ガス濃度が高いと加熱ヒータからの放熱が激しいことを利用して加熱ヒータの温度変化を計測する熱伝導型の水素ガスセンサが好適である。もちろん、高濃度水素ガスが存在していない環境であることが保証されているリークディテクタとしての使用などでは、水素ガスセンサBの動作を省き、最初から水素ガスセンサAを用いて水素ガス濃度を計測させる動作(水素ガスセンサAモード)をさせるようにして、高速動作をさせることもできるようにすると良い。
ここで、上述の切替基準濃度は、水素ガスセンサAの高濃度側のセンサを傷めない程度の安全限界センス濃度を下回る濃度である。後述するように水素ガスセンサAは計測領域の低濃度側においては数ppmレベルでの計測が可能であるが、計測領域の高濃度側においては、例えば3%を上回る濃度の水素ガスに晒されることにより感応特性の劣化などをもたらす損傷が生じてしまう。したがって、このような損傷が生じない程度の濃度である安全限界センス濃度を下回る濃度(例えば、1%濃度)に切替基準濃度を設定することにより、水素ガスセンサAの損傷を未然に防ぐことが可能となる。なお、切替基準濃度を測定雰囲気が下回っているかの判断は、その測定雰囲気の濃度を正確に測定したうえで行うことに限定するものではなく、少なくとも測定雰囲気が切替基準濃度を下回っていることを判断できればよい。
なお、接触燃焼式センサや半導体式センサは、高濃度の水素ガスだけでなく高濃度のプロパンガスやメタンガスに晒されることによっても劣化が生じる。したがって、接触燃焼式や半導体式のガスセンサを用いるガスセンサ装置において、高濃度のプロパンガスやメタンガスに晒されることによる感応劣化を防止するための手段として、本発明に係る技術思想を適用することが可能である。
本発明の請求項2に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、水素ガス濃度の計測を開始するときに、最初に水素ガスセンサBを駆動し、測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていないと判断される場合には水素ガスセンサBで水素ガス濃度を計測するようにした場合である。
本発明の請求項3に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、水素ガスセンサBを駆動して水素ガス濃度の計測中に、測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていると判断される場合には水素ガスセンサAに切り替えて水素ガス濃度を計測するようにした水素ガスセンサ装置の駆動方法である。
本発明の請求項4に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、水素ガスセンサBを駆動して水素ガス濃度の計測中に、測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていないと判断される場合には継続して水素ガスセンサBで水素ガス濃度を計測するようにした水素ガスセンサ装置の駆動方法である。
請求項3及び4に係わる発明における判断の時機は任意に定めることができ、例えば、10秒間隔で周期的に行ってもよいし、前回の測定結果と今回の測定結果の差が相対的に小さい場合には測定間隔を長くし、その差が相対的に大きい場合には測定間隔を短くするなどしてもよい。請求項3及び4に係わる発明により、いったん水素ガスセンサBによる計測を開始した後においても、測定雰囲気濃度に応じて適切な水素ガスセンサを選択し計測を行うことが可能となる。
本発明の請求項5に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、水素ガスセンサAは水素ガス濃度が切替基準濃度を超えるおそれがある水素濃度である切替限界濃度を上回っていないか判断可能に構成されており、水素ガスセンサAを駆動して水素ガス濃度の計測中に、測定雰囲気が切替限界濃度を上回っていないか判断し、判断結果が切替限界濃度を上回っていると判断される場合には水素ガスセンサBに切り替えて水素ガス濃度を計測するようにした水素ガスセンサ装置の駆動方法である。
水素ガスセンサAによる計測中に測定雰囲気が高濃度化した場合に、水素ガスセンサAの損傷を防止するための措置である。このような構成とすることにより、測定雰囲気が切替限界濃度を上回った場合に水素ガスセンサBによる計測に切り替え、水素ガスセンサの計測を停止することで損傷を防止することができる。切替限界濃度は、切替基準濃度を上回らないことが好ましい。例えば、本発明の請求項6に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法のように、切替限界濃度と切替基準濃度とが等しい値となるように構成してもよい。
本発明の請求項7に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、水素ガスセンサAに、ヒータを備えた場合である。
水素ガスセンサAとして、従来からの接触燃焼型水素ガスセンサ、半導体式ガスセンサ、水素吸収発熱を利用する水素ガスセンサ(水素吸収発熱型)などが、1ppm程度の極めて低水素ガス濃度を計測できるので好適であるが、動作には下記に示す水素感応物質を100℃程度のヒータ加熱による昇温が必要である。接触燃焼型水素ガスセンサや半導体式ガスセンサでは、ヒータ加熱中に水素濃度計測を行うが、水素吸収発熱を利用する場合は、水素吸収物質に吸収された水素を追い出す時にヒータ加熱が必要である。
本発明の請求項8に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、水素ガスセンサAに、水素感応物質を形成してある場合である。
水素ガスセンサAが、少なくとも1%以下の低水素ガス濃度域での水素ガス濃度計測用のセンサであり、ここでいう水素感応物質とは、動作原理により異なるが、微量の水素ガスに晒されることにより、水素ガスセンサAのセンシング領域に形成された水素感応物質の光沢変化などの光学的特性、電気抵抗、発熱、膨張変形などの物理学的特性、仕事関数、吸着状態や化学的結合状態などの化学的特性などの変化を示す物質である。水素感応物質は、水素ガスとの接触面積を増加させる観点から同一の体積の中では、薄膜状の形成が好適である。
本発明の請求項9に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記水素感応物質として、接触燃焼用物質とした場合である。
接触燃焼式の水素ガスセンサでは、ヒータで加熱し、水素感応物質としてPtなどの微粒子を酸化物に担持させるなどして触媒として比較的低温で燃焼できるようにし、そのときの反応熱を利用するものであり、可燃性ガスであれば、そのガスとも反応してしまうと言う、ガスの選択性が乏しく、また、触媒による低温と言っても100℃以上の温度を必要とすると共に、燃焼という作用を利用するので、大気中の酸素の存在が欠かすことができなかった。特に、微量の水素ガス濃度をヒータの加熱中に計測するので、安定になるようにヒータ加熱温度を制御する必要があり、高温の中での微小な温度上昇分を計測することになるので、その制御回路や検出回路の精度を必要とする。しかし、高感度であることから水素ガスも含む可燃性ガスの微量検出用センサとして多用されている。
本発明の請求項10に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記水素感応物質として、半導体式ガスセンサの水素ガス吸着による電気抵抗の変化を利用する物質とした場合である。
従来、水素感応物質としての酸化錫薄膜などの半導体表面でのガス吸着反応により、一般に半導体表面がn型になり電気抵抗が小さくなるという変化を利用する半導体式ガスセンサで多用されている。すなわち、水素感応物質として、酸化錫などを用いた半導体式ガスセンサでは、高温の下で動作させると水素ガスの吸着により、酸化錫が多少還元されて錫(Sn)リッチの状態になり電気抵抗が小さくなることを利用した水素ガスセンサである。水素による発熱反応は見えないが、電気抵抗変化を予め用意した校正データに基づき水素濃度に換算するものである。100%に近い高い水素濃度では、酸化錫膜が還元されて、Snリッチになり、これが微粒子化して互いに接触して塊となるなど、形状に大きな変化が生じて元に戻らない状態となり、劣化して行くという問題があった。
本発明の請求項11に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記水素感応物質として、水素吸収物質とした場合である。
水素感応物質としての水素吸収物質を備えた水素ガスセンサで、気体中の水素ガスの吸収(吸蔵や吸着を含む)時の発熱反応に基づく温度変化を利用している。一般に、水素吸収物質は低温の方が多く水素を吸収する。しかし、水素を吸収してその温度での平衡状態に達すると水素の吸収が止み、水素吸収時に発熱反応が生じるので、吸収が止んでしまうと発熱反応も止んでしまうということになる。したがって、継続的に発熱反応による水素ガス濃度を計測するには、水素吸収物質から水素を追い出す必要がある。たとえば、パラジウム(Pd)を水素吸収物質として使用すると、160℃程度に加熱したときにPd中の水素の分圧が1気圧になるので、この程度の温度になるようなヒータ加熱が必要になる。このような高温のヒータ加熱による温度上昇が高濃度水素ガス中で行われると水素吸収物質としてのPd膜の上記したような劣化が生じる。
水素感応物質としての水素吸収物質(吸蔵や吸着を含む)が、パラジウム(Pd)や白金(Pt)、更には、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)などの単体の金属や合金である水素吸蔵合金と呼ばれる金属、有機材料、セラミックスなどは、水素を吸収(吸蔵や吸着を含む)するときの反応は、一般に発熱反応であり、例えば、LaNiの水素吸蔵合金の反応熱は、水素1モル当り、約7kcalであり、水素1g当り、約0.048kcalという大きな値である。また、逆に金属水素化合物を加熱して温度を上昇させると(このとき、吸熱反応が起こる)、水素を放出して元の水素吸蔵合金に戻る。このように水素吸収物質は、可逆的に水素を吸収したり放出したりして、これに伴い多量の熱の出入りがあることが知られている。
水素ガス(H)の水素吸収物質への吸収時は、一般にガスの状態ではなく、水素の単原子の状態で吸蔵される。水素吸収物質の表面が容易に酸化されたり、水蒸気や水分の影響を受けたり、更には、加熱・冷却を繰り返しても亀裂が入ったり、形状が変形したりしない水素吸収物質が望ましい。また、合金の場合は、製作時の組成変化が特性への吸収量、発熱量などへの影響が大きく、製作の歩留まりや設計に基づく製品化画一性への問題もあり、このような意味でパラジウム(Pd)や白金(Pt)などの化学的に安定で、不活性な単体金属が本発明の水素吸収物質として好適である。
水素吸収物質を薄膜状に形成すると、スパッタリングや電子ビーム蒸着等で容易に形成できること、水素ガスに触れる表面積が大きくなること、熱容量が小さく高速応答性があること、その厚みの制御で、水素ガスの吸収完了までの時間が調整できること、従って、加熱中止後の発熱反応による昇温の時間調整ができること、必ずしも多孔質や微粒子にする必要が無く、平坦な薄膜で良いことなどから好都合である。
本発明の請求項12に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記水素吸収物質として、パラジウム(Pd)を含む物質とした場合である。
水素吸収物質としてのPdは、水素に対して極めて大きな選択性を有しており、水素吸収物質としてPd膜を用いることにより、水素ガスに対する極めて選択性の高い水素ガスセンサを提供できることになる。また、Pd膜は、スパッタリング堆積や蒸着により容易に薄膜状に堆積できるので、センシング領域への堆積とパターン化により大量生産性のある低消費電力で高速応答性のある安価な水素ガスセンサ装置が提供できる。
本発明の請求項13に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記水素吸収物質への水素吸収発熱に基づく温度上昇を計測することにより水素ガス濃度を計測するようにした場合である。
水素吸収物質への水素吸収発熱に基づく温度上昇を、搭載している温度センサで計測するようにした場合である。温度センサとして温度上昇分を計測することになるので、熱電対やサーモパイルなどの温度差センサを用いると良い。
本発明の請求項14に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記水素ガスセンサBとして、熱伝導型センサとした場合である。
本発明では、少なくとも数%(体積%)以上の水素ガス濃度計測で、水素吸収発熱などを利用する水素ガスセンサAとは、異なる原理に基づくものであり、水素とは高温でも反応し難いようにした熱伝導型の水素ガスセンサを水素ガスセンサBとして用いた場合である。水素ガスが気体中で最も熱伝導率が大きいことを利用し、ヒータ加熱したセンシング領域からの放熱量が周囲気体中の水素濃度に依存することを利用するものであり、例えば、水素ガス濃度が多い場合は、同一の加熱電力でヒータ加熱しても到達温度が小さくなり、また、同一の加熱温度にしようとするとそれだけ多くにヒータ加熱電力を必要とするから、これらの温度や電力量に計測により水素ガス濃度が予め用意してある校正データを基にして水素ガス濃度を求めるものである。
本発明の請求項15に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとは、どちらも基板から熱分離した薄膜上に、少なくとも、ヒータと温度センサとを備えてある場合である。
水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとは、どちらも熱型センサとした場合は、その消費電力を小さくさせ、応答速度を上げたいので、これらの加熱用ヒータとそのセンシング領域である水素感応部の温度センサは、外部への熱伝導を小さくさせ、その熱容量を小さくさせる必要から宙に浮いた構造、すなわち、基板から熱分離した薄膜構造上に形成する必要がある。
本発明の請求項16に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記ヒータの加熱により水素吸収物質から水素を放出させるようにした場合である。
上記したように、水素感応物質として、水素吸収物質を用いた場合、水素ガスセンサAは、水素吸収時の発熱反応による温度上昇を利用しているので、継続的な水素ガス計測ために吸収された水素をPd膜などの水素吸収物質から追い出す必要があり、ヒータ加熱により水素ガスを追い出すようにした場合である。
本発明の請求項17に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記ヒータの加熱により水素吸収物質から水素を放出させるようにし、前記ヒータの加熱を停止させた後、前記ヒータの水素が存在していないときの前記薄膜の熱時定数τ以上の所定の時間経過時点もしくは、その時点以降での前記温度センサの出力を利用し、その雰囲気ガス中での水素ガス濃度を知るようにした場合である。
ヒータ加熱停止後では、加熱により水素吸収物質から一度放出された水素が、吸収され始めて、そのとき水素吸収時の発熱反応に基づき温度上昇が発生し、このために、あたかも熱時定数が大きくなったように、ゆっくりと元の雰囲気ガスの温度(室温)に戻ってゆく。もし、水素が含まれていない純粋の空気(水素ガス濃度が0%)では、基板から熱分離した薄膜に水素吸収物質が搭載されていても水素の吸収がないから、反応熱もなく、本来の熱時定数τで冷却される。水素ガスの計測を、ヒータ加熱停止後、熱時定数τ程度時間経過したときでも良いが、一般に、熱時定数τの4倍程度の時間経過後では、水素ガス濃度が0%の場合、ほぼ完全に冷却されて薄膜が室温に戻っていると考えられるので、水素吸収物質が搭載されている薄膜が加熱停止後の熱時定数τの4倍程度以降の時間経過後での室温からの温度(上昇分)ΔTは、水素吸収物質の水素吸収に基づく発熱反応の結果のみに依ると考えることができる。
本発明の請求項18に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、ヒータの加熱停止後、水素が存在していないときの前記薄膜の熱時定数τ以上の所定の時間経過時点以降において、前記温度センサを利用して、雰囲気ガスの温度と温度センサの位置の温度との温度差の出力を時間積分して出力し、該出力を利用して水素ガス濃度を知るようにした場合である。
水素ガスが存在していないときは、加熱停止後の薄膜の熱時定数τ以上の所定の時間経過時点での周囲温度と薄膜の温度センサの位置での温度と薄膜の温度との温度差は極めてゼロに近づき、その温度差に基づく出力電圧は極めてゼロに近い値である。しかし、水素ガスが存在すると、その吸収発熱により温度上昇があり、室温と考えられる基板と薄膜とに温度差が生じ、出力電圧が発生する。その信号出力には、ノイズが含まれており特定の1点での時間経過時点での出力は大きく変動してS/Nが小さな計測になる。このためには、コンデンサCに温度差に基づく信号電流を所定の期間だけ充電させて、所謂、温度差の出力を時間積分して出力してS/Nを向上させて高精度で、高感度の水素ガスセンサ装置を提供するようにしたものである。
本発明の請求項19に係わる水素ガスセンサ装置の駆動方法は、前記ヒータを所定のサイクルで加熱・冷却できるようにした場合である。
本発明の水素ガスセンサ装置は、基板から宙に浮かした薄膜に水素感応物質を形成してあるので、その応答速度としての熱時定数τは、薄膜の寸法にもよるが、数ミリ秒程度の高速動作となる。したがって、水素吸収物質も薄膜状であるから、ヒータ加熱による水素ガスの放出過程も、この場合、10ミリ秒もあれば済む。また、のこの場合、冷却過程も、やはり、10ミリ秒もあれば済むことになり、加熱・冷却過程を含めても、100ミリ秒程度あれば十分で、従来にない高速動作の水素ガスセンサ装置が提供できることになる。
ヒータ加熱も、所定の定常温度に薄膜を加熱して置き、この温度を基準にして、更に所定の温度まで、周期的に所定のサイクルで薄膜をヒータで加熱しても良い。いずれにしても、水素ガスセンサの薄膜に形成された水素感応物質が、雰囲気ガスの温度である室温、または、ある所定の温度から更に所定の電力量などで加熱し、加熱を停止し、冷却されるようにする場合である。接触燃焼型水素ガスセンサにおいては、ヒータの加熱・冷却サイクルで、主に加熱中にその水素ガスとの接触燃焼に基づく温度上昇を計測するが、冷却時にはヒータ供給電力を止めるので、節電の効果があり、さらに水素ガスセンサの水素感応物質の寿命を延ばすことに繋がる。また、水素吸収に基づく発熱効果を利用する場合は、ヒータ加熱は、水素感応物質である水素吸収物質からの水素ガスの脱離(放出)を促進して、初期状態に戻させるような作用を期待するものであり、冷却時には、雰囲気ガス中の水素を吸収して発熱させて、その時の温度上昇分を温度センサで計測して水素濃度に換算するものである。
雰囲気ガスの温度である室温は、その環境により測定ごとに異なるので、この温度を計測しておくことが必要である。このためには、基板にダイオードなどの絶対温度センサを形成しておき、基板1の温度を雰囲気ガスの温度として見做すか、それとも基板1の温度をと雰囲気ガスの温度との関係を求めておき、構成するようにすれば良い。計測の初期状態または初期条件を一定にするために、敢えて、通常測定する場所の周囲温度よりも少し高めの所定の温度(例えば、30℃)に薄膜をヒータで加熱しておいても良い。
上述のように、空気中の水素ガスの濃度が、4.0−75.0%の広い範囲で、爆発性があることが分かっている。本発明では、ヒータにより水素ガスを水素感応物質から放出させたり、熱伝導型センサとしてヒータ加熱したりするので、これらの水素ガス濃度範囲の計測が欠かせない。従って、本発明の水素ガスセンサ装置は、防爆型にする必要がある。防爆型の構造は、従来技術が適用できる。すなわち、金属などのメッシュ構造が好適であり、本発明の水素ガスセンサでは、宙に浮いた薄膜の温度計測をするので、気流の影響を極度に嫌うものである。従って、気流を遮るが水素ガスには、スムーズに検出部に到達して貰う必要がある。このような目的にも、気流を遮る金属などの多孔性となるメッシュ構造のキャップが好適である。
継続的に水素濃度計測対象の周囲環境気体中の水素ガス濃度を計測するために、請求項1に記載のように、最初に水素ガスセンサBを駆動し、被検ガス中の水素ガス濃度を判定度、水素ガス濃度が所定の値より大きければ、そのまま水素ガスセンサBで計測し、水素ガス濃度が所定の値より小さければ、水素ガスセンサAで計測するようにすることを、常時、サイクリックに計測するようにしても良い。しかしながら、その周囲環境気体中の水素ガス濃度が所定の値より大きいか、それとも小さいかの判定が一度なされると、例えば、自動的に、もしくは手動にて、水素ガスセンサAの計測モードや水素ガスセンサBの計測モードの切り替えができるようにすることもできる。もちろん、初めから水素ガスセンサAの計測モードや水素ガスセンサBの計測モードで計測するように設定することもできるようにすることが望ましい。
本発明の請求項20に係わる水素ガスセンサ装置は、請求項1から19のいずれかに記載水素ガスセンサ装置の駆動方法を用いるように構成したことを特徴とするものである。
基本的には、1%以下の水素ガス濃度を計測する水素ガスセンサAと、少なくとも1%以上の水素濃度を計測できる前記水素ガスセンサAとは動作原理が異なる水素ガスセンサBとを備えた水素ガスセンサ装置であって、水素ガス濃度を計測する時に、最初に水素ガスセンサBを駆動し、水素ガスセンサBの計測できる範囲内であれば(所定の規定値以上の水素ガス濃度)、水素ガスセンサBで水素ガス濃度を計測するようにし、水素ガスセンサBでの計測結果、水素ガスセンサBの所定の誤差内での計測範囲よりも小さい水素ガス濃度であると判断した時には(所定の規定値以下の水素ガス濃度)、水素ガスセンサAにより水素ガス濃度を計測するようにすることができるようにしたことを特徴とする水素ガスセンサ装置である。
本発明の請求項21に係わる水素ガスセンサ装置は、前記水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを近接して設けた場合である。
水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとが離れて設置すると、水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとの位置によって、水素ガス濃度が異なったり、周囲温度がそれぞれ異なってしまうことが想定され、その場合、測定結果に大きな誤差を生じてしまうことになる。近接とは、水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとの周囲環境が略同一とみなされる程度に接近配置した場合のことをいう。
本発明の請求項22に係わる水素ガスセンサ装置は、前記水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを同一の基板に形成した場合である。
例えば、水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを同一のシリコン単結晶基板に形成した場合である。水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとが、熱型センサであり、基板から熱分離した薄膜を有する場合など、好適である。シリコン単結晶基板としてSOI基板を用いて、SOI基板のSOI層をカンチレバ構造、架橋構造、ダイアフラム構造の薄膜として基板から熱分離した薄膜とし、この上にヒータや温度センサ、更には、水素感応膜を形成すると良い。必要に応じて、ヒータと温度センサとを兼用にすることもできる。
本発明の請求項23に係わる水素ガスセンサ装置は、少なくとも、増幅回路、演算回路、前記ヒータ駆動回路、水素ガスセンサBの出力を利用した判断回路を搭載した場合である。
水素ガスセンサ装置の駆動と水素濃度の計測に必要な各種回路(少なくとも、増幅回路、演算回路、前記ヒータ駆動回路、水素ガスセンサBの出力を利用した判断回路)をモジュール化して、水素ガスセンサ装置に搭載しても良いし、同一のシリコンSOI基板に集積回路を形成しておいても良い。
本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法では、特に、100℃程度の高温状態で高濃度の水素ガスに晒されると、その特性が劣化してしまうという低濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサAを保護するために、高濃度の水素ガスに晒されても特性が劣化しないという高濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサBを用いて、水素ガスセンサAを動作させる前に水素ガスセンサBで、被計測対象ガスの水素ガス濃度の判定を行う動作をさせるもので、水素ガスセンサAを高温状態で高濃度の水素ガスに晒さないで済むという利点がある。
本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法及び水素ガスセンサ装置では、低濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサAと高濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサBとを備えているので、1ppm程度の極めて低濃度の水素ガスの検出から100%までの極めて高水素ガス濃度の計測まで、幅広い水素ガス濃度の計測が可能となるという利点がある。
本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法は、従来の高感度水素ガスセンサである接触燃焼型、半導体式ガスセンサ型、水素吸収発熱型、電気水素吸収抵抗変化型、FET型など多くの水素ガスセンサに適用可能であるという利点がある。
本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法は、予め被検ガス中に低濃度水素ガス状態であることがはっきりしている場合は、高水素ガス濃度計測用の水素ガスセンサBの動作を省略できるようにしているので、低水素ガス濃度計測用の水素ガスセンサAの動作を初めから行うようにして高速に低水素濃度計測ができるという利点がある。
本発明の水素ガスセンサ装置では、同一基板に低水素ガス濃度計測用の水素ガスセンサAと高水素ガス濃度計測用の水素ガスセンサBとを近接して搭載できること、また、これらを駆動する増幅回路、演算回路、前記ヒータ駆動回路、水素ガスセをンサBの出力を利用した判断回路を近接して搭載できることから、極めてコンパクトな水素ガスセンサ装置を提供できるという利点がある。
本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。(実施例1) 本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法に用いる水素ガスセンサのセンサチップの一実施例の平面概略図である。(実施例1、実施例2、実施例4) 本発明の水素ガスセンサ装置の図2に示すセンサチップ100の水素ガスセンサAの部分のX−X線に沿う断面概略図である。(実施例1、実施例2) 本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法で、ヒータ25Bの加熱と冷却サイクルにおける温度センサ20Bの出力の一実施例のタイムチャートで、同図(A)は、クロックパルス、同図(B)は、温度センサ20Bの出力波形のタイムチャートである。(実施例1) 本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法に用いる水素ガスセンサとしての水素ガス濃度計測装置の一実施例の構成ブロック図である。(実施例1) 本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法に用いる加熱・冷却のサイクルで、水素ガスセンサAからの応答波形の概略図である。(実施例1) 本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法に用いるセンサチップ100の一実施例の概略図を示し、同図(A)は、その平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。(実施例3) 本発明の水素ガスセンサ装置の熱伝導型の水素ガスセンサBを用いた場合の一実施例で、同図(A)は、平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。(実施例4) 本発明の水素ガスセンサ装置で、カンチレバ状のセンシング領域7Aを有する場合の一実施例を示し、同図(A)は、平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。(実施例4) 本発明の水素ガスセンサ装置において、単独の水素ガスセンサAとして実現したセンサチップ100の一実施例で、同図(A)は、平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。(実施例4) 本発明の水素ガスセンサ装置において、単独の水素ガスセンサAとして実現したセンサチップ100で、架橋構造のセンシング領域7Aを有する場合の一実施例であり、同図(A)は、平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。(実施例4)
以下、本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法と水素ガスセンサ装置について、実施例に基づき詳細に説明する。なお、水素ガスセンサのセンサチップは、成熟した半導体集積化技術とMEMS技術を用いて、シリコン(Si)基板で形成できる。このシリコン(Si)基板、特にSOI基板を用いて製作した場合の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。図2は、同一のSOI層を有する基板1(シリコン単結晶の中に、埋め込み絶縁層であるBOX層がある基板)に、低濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサAと高濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサBとを搭載している場合の本発明の水素ガスセンサ装置のセンサチップ100の平面概略図である。水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとは、基板1を共有してそれぞれのカンチレバ状のセンシング領域7A、7Bを用いて水素ガス濃度を計測するようにした場合である。また、ここでは、水素ガスセンサA用のヒータ25Aと温度センサ20Aとがカンチレバ状のセンシング領域7Aに形成されてあり、水素感応物質5として水素吸収物質をセンシング領域7Aの先端付近に形成した場合である。また、水素ガスセンサB用のヒータ25Bと温度センサ20Bとがカンチレバ状のセンシング領域7Bに形成されてあり、水素ガスセンサBとして熱伝導型水素ガスセンサを採用した場合であるので、水素感応物質5は設けない。温度センサ20Aと温度センサ20Bとは、どちらもSOI層を薄膜熱電対の一方の熱電導体120aとし、絶縁膜50を介しての他方の熱電導体120bからなる温度差センサである薄膜熱電対を温度センサとして採用している場合である。図3は、図2示すセンサチップ100の水素ガスセンサAの部分のX−X線に沿う断面概略図である。
図1を用いて、本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法について説明する。図1に示すように、水素ガス濃度を計測する周囲環境気体(被検ガス)に、水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを備えた水素ガスセンサ装置(水素ガス濃度計測装置)を用い、電源をオンにさせる(S0101)。この時、水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを被検ガスに晒すが、水素ガス濃度計測動作は先ずは行わないようにし、次に、例えば、自動的に高濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサBの計測動作を行わせる(S0102)。次に、水素ガスセンサBでの水素ガス濃度の測定結果が所定の水素ガス濃度値(切替基準濃度)以上であるか、それ以下であるかを判断させる(S0103)。もし、切替基準濃度以上の水素ガス濃度であれば(図1では、No)、水素ガスセンサBでの計測結果を表示するようにする(S0104)。もし、切替基準濃度以下の水素ガス濃度であれば(図1では、Yes)、水素ガスセンサAでの低水素ガス濃度の計測に着手し(S0105)、その結果を表示するようにするものである(S0106)。水素ガスセンサBでの所定の水素ガス濃度値(切替基準濃度)を、水素ガスセンサAでの水素ガス濃度の計測で問題にならない、すなわち、被検ガス中の水素ガスは、低濃度水素ガスであるために、水素ガスセンサAの劣化を引き起こさない程度の値にしてあるので、水素ガスセンサAは、これ以下の水素ガス濃度では、安定な水素ガスセンサAとして水素ガス濃度計測ができる。
図2や図3に示す同一のSOI層を有する基板1に形成した水素ガスセンサAと水素ガスセンサBを持つセンサチップ100は、公知のMEMS技術により容易に形成することができる。ここでは、SOI基板のSOI層11を用いて、カンチレバ状の薄膜10A、10Bを形成し、ここに温度センサとして、温度差センサである薄膜熱電対を形成してあり、本実施例では、ヒータとしてSOI層11の上に形成しているシリコン酸化膜の絶縁膜50の上に、ニクロム薄膜の抵抗体の薄膜を用いて形成した例である。カンチレバ状薄膜10A、10Bの先端部は、その面積を大きくしてあり、一様に発熱できるように薄膜熱電対の測定点(温接点)26を囲むようにニクロム薄膜の抵抗体をジグザグ形状に配置してある。薄膜熱電対は、SOI層11(例えば、n型シリコン単結晶膜で、厚み10μm程度)を第1の熱電導体120aとし、その上にSOI層11を熱酸化して形成したシリコン酸化膜である絶縁膜50を介して形成してある第2の熱電導体120b(例えば、ニッケル薄膜やニクロム薄膜)を形成して、測定点(温接点)26としてのオーム性コンタクト60を作成して形成される。基板1には、薄膜熱電対の基準点(冷接点)27を形成している。カンチレバの長さは、700μm程度で良い。また、ここでは、基板1の温度を計測するために、基板1にpn接合ダイオード(半導体ダイオード)を形成してあり、基板1の絶対温度を計測するための絶対温度センサ23として利用している。なお、半導体ダイオードを絶対温度センサ23として使用する方法は、150℃以下の比較的低温である室温の計測では、半導体ダイオードに、一定の順電圧を印加し、その時のダイオード電流の温度依存性から求める方法、一定の電流を流し、その時のダイオード順電圧の温度依存性から求める方法があり、150℃以上の高温計測では、0.5Vから1V程度の固定の逆方向印加電圧でのダイオードの逆方向電流の温度依存性から求めることができる。
高濃度水素ガス計測用の水素ガスセンサBを熱伝導型としているが、この水素ガスセンサBの動作と被検ガス中の水素ガス濃度の判断機能等について説明する。図2及び図3に示す同一のSOI層11を有する基板1に水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを備えた水素ガスセンサ装置(水素ガス濃度測定装置)を用いて説明する。水素ガスセンサBのカンチレバ状に形成したセンシング領域7Bのヒータ25Bに、水素ガスセンサAのヒータ25Aと共通の電極パッド71cと電極パッド71bとを介して電流を流してヒータ加熱をする。この時のヒータ温度は200℃程度のように高温の方が高感度になる。温度センサとして上述の薄膜熱電対の温度センサ20Bを用いている。薄膜熱電対の温度センサ20Bは、温度差センサであるから基板1に形成した基準点27(共通電極バッド75)とカンチレバ状に形成したセンシング領域7Bの先端部にある測定点26(電極パッド70bを使用)との間の温度差を出力する。図4には、その時の温度センサ20Bのヒータ25Bの加熱と冷却サイクルの一実施例のタイムチャートを示す。図4(A)は、ヒータ25Bの加熱冷却用のクロックパルスのタイムチャートであり、図4(B)は、温度センサ20Bの出力波形のタイムチャートである。
図4(B)に示す温度センサ20Bの出力波形に示すように、被検ガス中に水素ガスが存在しない場合(水素ガス濃度:0%)、水素ガスセンサBのセンシング領域7Bの温度上昇に対応する出力電圧は、飽和出力電圧である最大のV0となる。しかし、水素ガス濃度が大の時は、飽和出力電圧は最大V0よりも小さな電圧Vmとなり、水素ガス濃度が大きくなるにつれて、飽和出力電圧Vmは、V0よりさらに小さくなる。この時の水素ガス濃度が0%の時の飽和出力電圧である最大出力電圧V0から、ある水素ガス濃度の時の飽和出力電圧Vmは、出力差ΔVだけ小さくなる。この出力差ΔV(=V0−Vm)と水素ガス濃度との予め用意してある校正データを利用して、被検ガス中の水素ガス濃度を計測するものである。図4に示すように、被検ガス中の水素ガス濃度が所定の水素ガス濃度値である規定値(水素ガス濃度での表現)に対応する飽和出力電圧Vcよりも小さな電圧Vmであれば(水素ガス濃度では、大きくなる)、被検ガス中の水素ガス濃度が水素ガスセンサBで計測できる範囲に入っているので、そのまま、水素ガスセンサBで計測できると、判断回路で判断して、演算回路等で被検ガス中の水素ガス濃度に換算して表示する。しかし、被検ガス中の水素ガス濃度が所定の値(例えば、1000ppm)である規定値に対応する飽和出力電圧Vcよりも大きな電圧Vm(V0に近い値)であれば、被検ガス中の水素ガス濃度が水素ガスセンサBで計測するには誤差が大きい。例えば、1000ppm以下の低水素ガス濃度に対しては、計測が困難な熱伝導型の水素ガスセンサBである熱伝導型水素ガスセンサは、被検ガス中の水素ガス濃度が所定の値である規定値(切替基準濃度)以下であると、判断回路を用いて判断して、1000ppm以下の低水素ガス濃度に対しても感度が大きい水素ガスセンサAでの計測に切り替えて、水素ガスセンサAで被検ガス中の水素ガス濃度を計測するものである。
図5には、水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを備えた本発明の水素ガスセンサ装置としての水素ガス濃度計測装置の構成ブロック図を示す。図1に示した本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法のフローチャートを説明する水素ガス濃度計測装置の構成とその動作の説明を図示したものである。水素ガス濃度計測装置の電源を入れると、先ず、水素ガスセンサBの被検ガス中の水素ガス濃度の計測が、水素ガスセンサBのヒータ駆動により始まり、その出力信号を増幅回路にて増幅して、水素ガスセンサBからの信号の大きさ、すなわち、上述の規定値に対応する飽和出力電圧Vcよりも大きな出力電圧Vmであるか、それとも小さな出力電圧Vmであるか、を判断回路で判断させる。そして、飽和出力電圧Vcよりも小さな出力電圧Vmである場合(水素ガス濃度が切替基準濃度より大きく、ΔVが大きい)は、必要に応じて増幅回路を利用して増幅し、校正データなどを利用して、演算回路で処理をして、水素ガスセンサBの出力結果を利用して、水素ガス濃度を表示する。また、飽和出力電圧Vcよりも大きな出力電圧Vmである場合(ΔVが小さい)は、水素ガスセンサAのヒータ駆動回路に切り替え、水素ガスセンサAでの低濃度水素ガス計測により、必要に応じて増幅回路を利用して増幅し、校正データなどを利用して、演算回路で処理をして、水素ガスセンサAの出力結果を利用して、水素ガス濃度を表示するものである。もちろん、リークディテクタなどの応用で、被検ガス中、極めて低濃度の水素ガスしかに存在していないことが明らかな場合は、高速応答性を重視して、最初から水素ガスセンサAの動作だけで行わせることもできるようにしても良い。また、逆に、高水素ガス濃度である被検ガスである場合は、水素ガスセンサAの動作が行われないようにセットできるようにしても良い。
水素ガスセンサAの動作に関して、ここでは、水素ガスセンサAとして、水素吸収発熱型の例を用いて説明する。この場合、図2と図3に示す水素感応物質5として、ここでは、パラジウム(Pd)を主体とした薄膜(Pd膜という)を用いた場合についての例を示す。Pd膜は、スパッタリング堆積により容易に1マイクロメートル(μm)程度の膜厚に形成することができる。Pd膜は水素だけを透過する金属膜として多用されており、水素ガスの高純度化にも使用されている。Pd膜は、水素吸収時に発熱反応を起こし、温度上昇する。低温である程、水素の吸収量が多く、高温に加熱すると吸収していた水素を放出して、平衡状態に達する。したがって、ある温度で水素ガスを吸収するとその温度での平衡状態になるまで水素を吸収するが、平衡状態になり飽和すると、それ以上吸収しないので、発熱反応も止み、したがって、温度上昇も止む。継続的に発熱作用を引き起こすには、Pd膜から水素ガスを追い出す必要があり、サイクリックなヒータ加熱により、加熱・冷却のサイクルを続けることが重要である。加熱時に、Pd膜に吸収されている水素を放出させ、冷却時に水素吸収をして発熱させ、この時の温度上昇を計測すると良い。
図6には、図2及び図3に示す水素ガスセンサAとしてのセンシング領域7Aに形成してある水素感応物質5としてのPd膜をそのヒータ25Aにより加熱・冷却のサイクルでヒータ加熱した場合の水素ガスセンサAからの応答波形の概略図を示す。たとえば、被検ガス中に、100ppmの水素ガス濃度があった場合を示し、更に、被検ガス中には、水素ガス濃度が0%(例えば、純粋の空気)の場合の水素ガスセンサAからの応答波形の概略も示している。被検ガス中に、100ppmの水素ガス濃度があった場合は、Pd膜中に吸収されていた水素ガスは、加熱サイクル(例えば、160℃のヒータ加熱)では、水素ガスとして周囲に放出されて平衡状態になるが、100ppmの水素ガス濃度に晒されているので、冷却サイクルでは、低温になるにつれてこれを吸収して発熱反応が生じている。したがって、センシング領域7Aの冷却時の温度は、緩やかな曲線で低下する。この温度を、水素ガスセンサAのセンシング領域7Aに形成されている温度センサ20Aとしての温度差センサの薄膜熱電対センサで計測する。ヒータ25Aの加熱は、電極バッド71aと電極バッド71c間に電流を流し、温度センサ20Aは、温度センサ20A用の電極パッド70aと共通電極パッド75間で熱起電力を計測する。しかしながら、被検ガス中の水素ガス濃度が0%(例えば、純粋の空気)の場合は、水素吸収に伴う発熱がないので、センシング領域7Aは、ヒータ加熱を止めると本来の熱時定数τで急速に指数関数的に冷却される。一般に、その熱時定数τの数倍になる時間経過後(例えば、τの4倍の時間経過後の時点)には、周囲温度との温度差は完全にゼロになるから、そのような時点で、被検ガス中の水素ガス濃度を計測すると、温度センサ20Aの出力が観測されるので、この出力値ΔVは、被検ガス中の水素ガスによる発熱反応に依るものであり、これを計測して予め用意してある校正用データに基づき水素ガス濃度を求めるものである。前記出力値ΔVをコンデンサに充電するなどで時間積分することにより、さらに高感度化させることができる。
ここでは、水素ガスセンサAとして、接触燃焼型の用いた場合について説明する。水素ガスセンサBとしては、前記実施例1の場合と同様に、熱伝導型の水素ガスセンサを用いることができる。ここでも図2と図3に示した同一基板1に水素ガスセンサAと水素ガスセンサBのセンシング領域7A、7Bを有する場合について説明する。水素ガスセンサBの動作と、水素ガスセンサBの被検ガス中の水素ガス濃度の計測が、水素ガスセンサBのヒータ駆動により始まり、その出力信号を増幅回路にて増幅して、水素ガスセンサBからの信号の大きさ、すなわち、上述の規定値に対応する飽和出力電圧Vcよりも大きな出力電圧Vmであるか、それとも小さな出力電圧Vmであるか、を判断回路で判断させることは、実施例1と同様なので、その説明はここでは省略する。
図2と図3に示したセンシング領域7Aに設けてある水素感応物質5として、例えば、アルミナ微粒子の中に低温で水素を燃焼させる触媒作用をする白金(Pt)微粒子を混ぜた膜を利用して、接触燃焼型にすることができる。スパッタリング堆積やコーティング後焼結させるようにして形成することができる。接触燃焼型の水素ガスセンサAは、ヒータ25Aを用い、150℃程度に加熱して、この加熱中に水素ガスが被検ガス中に存在していないとき(水素ガス濃度が0%)のセンシング領域7Aに設けてある薄膜熱電対の温度センサ20Aの出力電圧に対して、水素ガスが被検ガス中に存在していると、水素感応物質5と接触燃焼をしてセンシング領域7Aの温度を上昇させる。この温度上昇分は、被検ガス中に存在する水素ガス濃度にほぼ比例して上昇するので、この温度上昇分を温度センサ20Aにより計測して、予め用意してある校正データを用いて被検ガス中の水素ガス濃度を求めることができる。このようにして、水素ガスセンサの水素ガスセンサBの最初の動作により規定値の水素ガス濃度(切替基準濃度)より被検ガス中の水素ガス濃度が少ないと判断された場合は、接触燃焼型の水素ガスセンサAに切り替えて、低濃度水素ガス濃度を計測するものであり、水素ガスセンサAを高濃度の水素ガスに高温状態で晒すことを防ぐことができるので、水素ガスセンサ装置(水素ガス濃度測定装置)の劣化を防ぐとともに、水素ガスセンサAでの低水素ガス濃度1ppm程度から、水素ガスセンサBでの高水素ガス濃度100%までの広水素ガス濃度範囲を計測できる水素ガスセンサ装置が提供できる。
ここでは、水素ガスセンサAとして、半導体式ガスセンサを使用した場合について説明する。本発明の水素ガスセンサ装置での水素ガスセンサBとしては、上述と同様、熱伝導型水素ガスセンサを用いることができる。図7には、このような水素ガスセンサAとして、半導体式ガスセンサを使用し、水素ガスセンサBとして、熱伝導型水素ガスセンサのそれぞれのセンシング領域7A, 7Bを、同一SOI層を有する基板1に形成したセンサチップ100の一実施例の概略図を示し、同図(A)は、その平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。上述の実施例では、センシング領域7A, 7Bをカンチレバ状の場合であったが、ここでは、どちらも架橋構造にした場合であり、カンチレバ構造では、その支持部が1個であるから、ヒータや温度センサの配線、更に半導体式ガスセンサの水素感応物質5としての金属薄膜である酸化錫薄膜などの抵抗計測用の配線が基板1側への導入の際は非常に込み合うが、架橋構造にした場合は、その支持部が2個であるから、配線の基板1側への導入は楽になるという利点がある。しかし、その代わりに、基板1への熱伝導による放熱も大きくなるからセンシング領域7A, 7Bの長さを長くする必要があり、センサチップ100の寸法が大きくしなければならない。
水素ガスセンサBのヒータ25Bは、例えば、ニクロム(NiCr)薄膜で形成される。また、温度センサ20Bは、前記実施例1,2と同様、SOI層とニクロム膜の薄膜熱電対の場合である。ヒータ25Bは、電極パッド73aと電極パッド73bとの間に電流を流すことによりヒータ加熱ができる。また、温度センサ20Bは、センシング領域7Bがヒータ加熱されたときに電極パッド74aと電極パッド74b間に熱起電力が生じる。また、水素ガスセンサAのヒータ25Aは、ここでは、センシング領域7AのSOI層を用いている。さらに、温度センサ20Aは、ヒータ25Aの抵抗温度計数を利用して測温抵抗体として使用している。水素ガスセンサAとしての半導体式ガスセンサは、例えば、水素感応物質5としての酸化錫薄膜を400℃程度に加熱しておき、水素ガスなどの還元性ガスが表面に吸着されたときに、酸化錫薄膜を還元して、金属リッチな酸化錫薄膜になり電気抵抗が小さくなることで、この電気抵抗変化から予め用意している校正データを利用して被検ガス中の水素ガス濃度を算定するものである。すなわち、水素感応物質5としての酸化錫薄膜の電気抵抗の計測は、図7に示す水素感応物質5の電極80a、80bを介して電極パッド70aと電極パッド70bとの間の抵抗変化を計測して被検ガス中の水素ガス濃度を計測するものである。水素ガスセンサBの被検ガス中の水素ガス濃度を計測して、その値を規定値と比較して、判断回路を用いて水素ガスセンサAで低水素ガス濃度域を計測するなどの判断機能を有する本発明の水素ガスセンサの駆動方法は、上述の実施例と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施例では、単独の水素ガスセンサAに近接配置した単独の水素ガスセンサBを用いて、本発明の水素ガスセンサ装置の駆動方法を実施した場合の例を示す。単独の水素ガスセンサBとして、図8に示す熱伝導型の水素ガスセンサBを用いた場合の例を示す。この図8に示す熱伝導型水素ガスセンサBの平面概略図を図8(A)に示し、その断面概略図を図8(B)に示しているが、図8(A)に示しているように、実施例1で示した図2の平面概略図のうちの一方のセンシング領域7Aを独立にした形である。したがって、その動作は、実施例1で示した場合と同様であるからここでの説明は省略する。本実施例では、単独の水素ガスセンサAとして、図9は、カンチレバ状のセンシング領域7Aを有する場合の一実施例を示し、同図(A)は、平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。その水素感応物質5として、水素吸収発熱型としてのPdなどの水素吸収物質の薄膜を形成してある時は、実施例1の場合と同様であり、その水素感応物質5として接触燃焼型としての白金触媒を用いた場合は、その動作は、上記実施例2と同様である。
図10は、水素ガスセンサにおいて、単独の水素ガスセンサAとして実現し、かつ、ヒータ25Aと温度センサ20Aとを兼用にした場合のセンサチップ100の一実施例で、同図(A)は、平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。また、カンチレバ状のセンシング領域7Aを有する場合を示し、図11は、水素ガスセンサにおいて、単独の水素ガスセンサAとして実現したセンサチップ100で、架橋構造のセンシング領域7Aを有し、かつ、ヒータ25Aと温度センサ20Aとを兼用にした場合の一実施例であり、同図(A)は、平面概略図、同図(B)は、断面概略図である。本実施例でのヒータ25Aと温度センサ20Aとを兼用にした場合は、水素感応物質5として、水素吸収発熱型としてのPdなどの水素吸収物質の薄膜を形成した場合に好適である。水素吸収発熱型の場合は、水素吸収物質に吸収された水素を追い出すためにヒータ加熱するが、実施例1に示したように、水素吸収発熱は、冷却サイクル時にその温度計測を行うので、水素の追い出しのヒータ25Aとしての作用であるヒータ加熱サイクルと温度センサ20Aとしての温度上昇分の温度(差)計測作用の冷却サイクルとは、時系列で異なるので、好都合である。ヒータ25Aと温度センサ20Aとを兼用にすることにより、配線等の電気的分離が単純になり製作工程が少なく、また、単純な構造のコンパクトな水素ガスセンサのセンサチップ100が提供できる。
本実施例では、これらの単独の水素ガスセンサAと単独の水素ガスセンサBとを、近接配置して水素ガスセンサ装置である水素ガス濃度測定装置を構成するもので、上記実施例の同一の基板1に形成した場合と動作は本質的に同等であるので、その説明は省略する。
上述の実施例では、水素濃度計測にヒータの加熱を行っているので、空気中の水素の引火温度が低く、爆発性があることから金属メッシュでの覆いを付けるなどして、防爆型にして使用することが求められる。
上述の実施例は、それぞれ一実施例に過ぎず、本願発明の主旨と作用および効果が同様でありながら、種々の変形があることは当然である。
水素ガスは、燃料として使用したり、物質の水素還元工程、燃料電池や二次電池に使用されたり、プローブガスとして水素ガスを微量混入させて、リークディテクタに採用されるなど、極めて広範囲に使用されている。しかし、空気中での爆発の危険性があるなど、その管理には、水素ガスの濃度を知る必要があり、必要に応じて、1ppm程度の極めて低水素ガス濃度の計測から、100%までの高水素濃度計測など、極めて広範囲の濃度計測が必要になっている。特に、高感度水素濃度計測には、ヒータ加熱が必要なことが多く、しかも、低水素ガス濃度計測では、水素感応物質5は、高温での高濃度水素ガスへの暴露により、水素感応物質5が急速に劣化することが知られており、これらの対策が必要になっていた。本発明の水素ガスセンサの駆動方法により、これらの問題点が解消されるので、コンパクトで、長寿命かつ広範囲の水素ガス濃度計測ができる水素ガスセンサ装置が提供できる。
1 基板
5 水素感応物質
7A, 7B センシング領域
10A、10B 薄膜
11 SOI層
12 SOI層の島
13 BOX層
15 下地基板
20A, 20B 温度センサ
23 絶対温度センサ
25A, 25B ヒータ
26 測定点(温接点)
27 基準点(冷接点)
40 空洞
41 溝
50 絶縁膜
60 オーム性コンタクト
70a、70b 電極パッド
71a、71b、71c 電極パッド
72a、72b 電極パッド
73a、73b 電極パッド
74a、74b 電極パッド
75 共通電極パッド
80a、80b 電極
100 センサチップ
120 熱電対
120a, 120b
熱電導体

Claims (23)

  1. 計測領域が後記水素ガスセンサBと比較して相対的に低濃度である水素ガスセンサAと、
    計測領域が前記水素ガスセンサAと比較して相対的に高濃度である水素ガスセンサBと、
    を組み合わせて水素ガス濃度を計測する水素ガスセンサ装置の駆動方法であって、
    水素ガスセンサBは、水素ガスセンサAの高濃度側のセンサを傷めない程度の安全限界センス濃度を下回る所定の基準値である切替基準濃度を測定雰囲気が下回っているか判断可能に構成されており、
    水素ガス濃度の計測を開始する時に、
    最初に水素ガスセンサBを駆動し、測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていると判断される場合には水素ガスセンサAで水素ガス濃度を計測するようにした水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  2. 水素ガス濃度の計測を開始するときに、
    最初に水素ガスセンサBを駆動し、測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていないと判断される場合には水素ガスセンサBで水素ガス濃度を計測するようにした請求項1に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  3. 水素ガスセンサBを駆動して水素ガス濃度の計測中に、
    測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていると判断される場合には水素ガスセンサAに切り替えて水素ガス濃度を計測するようにした請求項1又は2に水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  4. 水素ガスセンサBを駆動して水素ガス濃度の計測中に、
    測定雰囲気が切替基準濃度を下回っているか判断し、判断結果が切替基準濃度を下回っていないと判断される場合には継続して水素ガスセンサBで水素ガス濃度を計測するようにした請求項1から3のいずれか一に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  5. 水素ガスセンサAは水素ガス濃度が切替基準濃度を超えるおそれがある水素濃度である切替限界濃度を上回っていないか判断可能に構成されており、
    水素ガスセンサAを駆動して水素ガス濃度の計測中に、
    測定雰囲気が切替限界濃度を上回っていないか判断し、判断結果が切替限界濃度を上回っていると判断される場合には水素ガスセンサBに切り替えて水素ガス濃度を計測するようにした請求項1から4のいずれか一に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  6. 切替限界濃度と切替基準濃度とは等しい値である請求項5に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  7. 水素ガスセンサAに、ヒータを備えた請求項1から6のいずれか一に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  8. 水素ガスセンサAに、水素感応物質を形成してある請求項1から7のいずれか一に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  9. 前記水素感応物質として、接触燃焼用物質とした請求項8に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  10. 前記水素感応物質として、半導体ガスセンサの水素ガス吸着による電気抵抗の変化を利用する物質とした請求項8に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  11. 前記水素感応物質として、水素吸収物質とした請求項8に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  12. 前記水素吸収物質として、パラジウム(Pd)を含む物質とした請求項11に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  13. 前記水素吸収物質への水素吸収発熱に基づく温度上昇を計測することにより水素ガス濃度を計測するようにした請求項12に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  14. 前記水素ガスセンサBとして、熱伝導型センサとした請求項1から13のいずれか一に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  15. 水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとは、どちらも基板から熱分離した薄膜上に、少なくとも、ヒータと温度センサとを備えてある請求項1から14のいずれかに記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  16. 前記ヒータの加熱により水素吸収物質から水素を放出させるようにした請求項11から15のいずれかに記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  17. ヒータの加熱により水素吸収物質から水素を放出させるようにし、前記ヒータの加熱を停止させた後、前記ヒータの水素が存在していないときの前記薄膜の熱時定数τ以上の所定の時間経過時点もしくは、それ以降での前記温度センサの出力を利用し、その雰囲気ガス中での水素ガス濃度を知るようにした請求項11から15のいずれかに記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  18. ヒータの加熱停止後、水素が存在していないときの前記薄膜の熱時定数τ以上の所定の時間経過時点以降において、前記温度センサを利用して、雰囲気ガスの温度と温度センサの位置の温度との温度差の出力を時間積分して出力し、該出力を利用して水素ガス濃度を知るようにした請求項17に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  19. 前記ヒータを所定のサイクルで加熱・冷却できるようにした請求項7から18のいずれかに記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法。
  20. 請求項1から20のいずれか一に記載の水素ガスセンサ装置の駆動方法を用いるように構成したことを特徴とする水素ガスセンサ装置。
  21. 前記水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを近接して設けてある請求項20に記載の水素ガスセンサ装置。
  22. 前記水素ガスセンサAと水素ガスセンサBとを同一の基板に形成した請求項21に記載の水素ガスセンサ装置。
  23. 少なくとも、増幅回路、演算回路、前記ヒータ駆動回路、水素ガスセンサBの出力を利用した判断回路を搭載した請求項20から22のいずれかに記載の水素ガスセンサ装置。
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