JP2016084653A - インバートブロックおよびインバートブロックの固定方法 - Google Patents

インバートブロックおよびインバートブロックの固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活荷重の繰り返し載荷や振動を受けても鋼製シールドセグメントに対する固定状態を維持することのできるインバートブロック、およびインバートブロックの固定方法を提供する。
【解決手段】インバートブロック1に3個の溶接用板金物を平面視三角形をなすように配置し、該溶接用金物を介して鋼製シールドセグメントにインバートブロック1を3点支持の状態で溶接固定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シールド工法にて構築されたトンネルにインバートを構築するためのインバートブロックおよびその固定方法に関する。
従来より、シールドトンネルの急曲線部もしくは開口部等の覆工材として、鋼製シールドセグメントが採用されている。これら鋼製シールドセグメントを用いて構築した覆工体の内側には、走行路として活用するためのインバートが設置される。
例えば特許文献1には、インバートの構築にプレキャストコンクリート製のインバートブロックを複数用いる方法が開示されている。当該インバートブロックは、インバートをトンネル周方向に3分割、トンネル軸線方向に複数分割してなる部材であり、下面には鋼製シールドセグメント上に載置するための脚部が設けられている。
そして、これらインバートブロックは、当該脚部を介して鋼製シールドセグメント上に載置された上で、インバートブロックと鋼製シールドセグメントとの間、および隣り合うインバートブロックの間に充填材が充填され、鋼製シールドセグメントに接着固定される。
特開2006−233538号公報
しかし、インバートはシールドトンネルの施工中、例えば資機材搬送台車の走行に伴う活荷重の繰り返し載荷等の上載荷重や作業に伴う振動を受ける。このため、充填材の固結接着力を利用してインバートブロックを鋼製シールドセグメントに固着した構造のインバートは、これら活荷重の繰り返し載荷や振動の影響を受けて充填材が先行して破壊する。
充填材が破壊すると、インバートブロックと鋼製シールドセグメントとの間に緩みが生じることから、インバートブロックにガタツキが生じ、インバートブロック自身にも破損が生じる。
このため、シールドトンネルの施工終了時には、破損したインバートブロックの交換や充填材による再固定等の追加作業を行い、再度インバートを構築するという手間が生じていた。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、活荷重の繰り返し載荷や振動等を受けても、鋼製シールドセグメントに対する固定状態を維持することのできるインバートブロック、およびインバートブロックの固定方法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明のインバートブロックは、複数の鋼製シールドセグメントを連結して構築したシールドトンネルの覆工体内にインバートを構築するため、前記鋼製シールドセグメント上に溶接固定されるプレキャストコンクリート造のインバートブロックであって、鋼製シールドセグメント上で、切羽側に向けられる前面、坑口側に向けられる後面および前記鋼製シールドセグメントの内周面に沿う下面を備え、前記前面に2個、前記後面に1個の溶接用板金物が設置されてなり、該溶接用板金物は、表面が前記インバートブロックの前面もしくは後面から露出するとともに、下端が前記インバートブロックの下面から露出するよう、インバートブロックに埋設固定されることを特徴とする。
上記のインバートブロックによれば、溶接用板金物がインバートブロックに対して平面視で三角形をなすように配置されることとなるから、インバートブロックを、その下面に露出する溶接用板金物の下端を介して、安定した3点支持にて鋼製シールドセグメント上に据え付けることができる。このため、前記インバートブロックに作用する上載荷重を、溶接用板金物の下端3点を介して鋼製シールドセグメントにスムーズに伝達することが可能となる。
また、安定した3点支持をもたらす前記溶接用板金物の下端がさらに、鋼製シールドセグメントに溶接固定される。これにより、インバートブロックに上載荷重として資機材搬送台車の走行により生じる活荷重の繰り返し載荷が作用する場合や、シールドトンネルの構築作業に伴う振動等が作用する場合であっても、溶接用板金物の下端と鋼製シールドセグメントとの間に、充填材にて接着固定した場合に発生するような緩みを生じることがない。このため、鋼製シールドセグメントに対するインバートブロックのガタツキを抑制することができ、ひいては、ガタツキに起因するインバートブロックの破損を防止することが可能となる。
さらに、前記溶接用板金物は、その表面が前記インバートブロックの前面もしくは後面から露出するとともに、下端がインバートブロックの下面から露出するよう埋設固定される。これにより、インバートブロックを鋼製セグメント上に載置するのみの簡略な手順で、インバートブロックの前面及び後面に、溶接用板金物と鋼製シールドセグメントからなる溶接用のT継手を形成することが可能となる。
これにより、溶接用のT継手を隅肉溶接できるため、棒状部材を溶接の母材に用いる場合と比較して溶接長さを確保でき、十分な接合強度を得ることが可能となる。
本発明のインバートブロックの固定方法は、前記インバートブロックに設置した3個の前記溶接用板金物各々の下端を前記鋼製シールドセグメント上にそれぞれ配置し、該溶接用板金物の下端と鋼製シールドセグメントを溶接することで、前記インバートブロックを前記鋼製シールドセグメントに対して3点で固定してなり、後行して配置する前記インバートブロックはその後面が、先行して固定されたインバートブロックの前面と所定の隙間をもって対向するように配置され、後行して配置する前記インバートブロックの後面に埋設固定した溶接用板金物と前記鋼製シールドセグメントとの溶接を、前記隙間を介して行うことを特徴とする。
本発明のインバートブロックの固定方法によれば、先行して固定されたインバートブロックに対して所定の隙間をもって対向配置される、後行して配置するインバートブロックの後面には、溶接用板金物が1個配置されているのみである。このため、所定の隙間を利用して溶接作業を行う溶接部は1か所のみでよく、隙間を利用するといった煩雑な溶接作業を大幅に削減して施工性を向上することができるとともに、当該溶接部の品質低下を最小限に抑制することが可能となる。
本発明のインバートブロックの固定方法は、前記鋼製シールドセグメントに鋼材よりなる高さ調整部材を設置し、該高さ調整部材に、前記溶接用板金物を溶接固定することを特徴とする。
本発明のインバートブロックの固定方法によれば、高さ調整部材を、鋼製シールドセグメントにおける前記溶接用板金物の下端と当接する3か所に適宜設置すればよいこととなる。これにより、例えば、掘削によりトンネル軸線方向に隣接する鋼製シールドセグメントの間に高さ方向のズレが生じる場合にも、前記インバートブロックの高さ調整や傾斜角度の調整を自在かつ容易に行うことができるため、インバートブロックの据え付け高さを均一に仕上げることが可能となり、ひいては精度の良い平坦な上面を有するインバートを構築することが可能となる。
本発明によれば、インバートブロックに設置した3個の溶接用板金物を介して、鋼製シールドセグメントにインバートブロックを安定した3点支持の状態で溶接固定する。このため、インバートブロックに作用する上載荷重を鋼製シールドセグメントにスムーズに伝達することが可能となるとともに、上載荷重として活荷重の繰り返し載荷が作用する場合や振動が作用する場合にも、溶接用板金物の下端と鋼製シールドセグメントとの間に緩みを生じることがなく、鋼製シールドセグメントに対するインバートブロックのガタツキを抑制することが可能となる。
覆工体に構築されたインバートの斜視図を示す図である。 覆工体に構築されたインバートの断面図を示す図である。 インバートブロックの拡大図を示す図である。 インバートブロックの詳細を示す図である。 溶接用板金物の詳細を示す図である。 インバートブロックと鋼製シールドセグメントとの取合いを示す図である。 インバートブロックの仕上げ方法を示す図である。
以下に、本発明のインバートブロックおよびインバートブロックの固定方法を、図1〜図7を用いて説明する。
なお、本実施の形態では、シールドトンネルをコンパクトシールド工法にて構築するに際し、急曲線部に鋼製シールドセグメントを使用する場合を例にとり詳述する。
図1の斜視図に示すように、コンパクトシールド工法にて構築するシールドトンネルにおいて、複数の鋼製シールドセグメント2を連結してなる覆工体3内に設置するインバート4としては、トンネル軸線方向に延在する溝4’を断面視中央部に有する、いわゆる溝付きインバートが採用される。そして、本実施の形態におけるインバートブロック1は、図2の断面図に示すように、この溝4’となる間隔を設けてトンネル周方向に対をなして配置されるとともに、これらと並列となるように、図1の斜視図に示すように、トンネル軸線方向に複数配置されるものである。
これらインバートブロック1は、無筋のプレキャストコンクリートよりなるものであるが、必ずしも無筋のコンクリート造に限定されるものではない。例えば、鉄筋コンクリート造や繊維補強コンクリート造等、シールドトンネルの用途に応じて適宜の材料により製造したプレキャスト造のブロックであれば、いずれの材料を用いてもよい。
また、図2の断面図、及び図3の斜視図で示すように、インバートブロック1の形状は、下面1aが鋼製シールドセグメント2の内面に沿う略円弧状に形成されるとともに、上面1bが坑内搬送台車の通行を考慮して平滑面に形成されている。
そして、図2の断面図で示すように、インバートブロック1の両側面のうち対を成した際に向かい合う内側面1cは、上方に進むにつれて互いに離間する方向に傾斜する傾斜面に形成され、その下端部には端欠け防止のための切欠き1c’が設けられている。一方、鋼製シールドセグメント2と向かい合う外側面1dは、鉛直面に形成されている。
なお、インバートブロック1の両側面は必ずしも上述する形状に限定されるものではなく、構築しようとするインバート4の形状に応じて適宜変更すればよい。
このような形状を有するインバートブロック1は、本実施の形態において、インバートブロック1のトンネル軸線方向の長さを鋼製シールドセグメント2の幅より略短小に成形している。しかし、その長さは必ずしもこれに限定するものではなく、運搬や据付け等が可能な長さであれば、いずれに成形してもよい。
さらに、インバートブロック1の平面視形状は、図4(a)に示すように、トンネル軸線方向の長さが内側面1cと外側面1dとでその長さを異ならせて成形した平面視台形形状に形成されている。覆工体3がシールドトンネルの平面線形で曲線部に位置している場合には、このような平面視形状台形形状のインバートブロック1をインバート4の構築に採用する。これは、覆工体3がシールドトンネルの平面線形で曲線部に位置する場合には、覆工体3の内方に設置するインバート4にも、曲線部の外側と内側でその円弧の半径に差が生じることに対応したものである。
なお、覆工体3がシールドトンネルの平面線形で直線部に位置している場合には、トンネル軸線方向の長さが内側面1cと外側面1dで同一の長さに成形した平面視長方形のインバートブロック1を別途製作し、これを採用してシールドトンネルの平面線形で直線部に位置する覆工体3のインバート4を構築すればよい。
上述する形状に成形されたインバートブロック1には、図4(a)の下面1aからみた平面図に示すように、鋼製シールドセグメント上に載置された際に切羽F側に向けられる前面1eに2個、坑口M側に向けられる後面1fに1個の合計3個の溶接用板金物5が設置されている。
溶接用板金物5は、図5(a)〜(c)に示すように、溶接用板材の両側を折り曲げてコの字状に形成した、溶接の母材となる溶接用板材5a、溶接用板材5aの両側に固着されて溶接用板材5aの背面側に突出する一対のアンカー筋5b、および溶接用板材5aの背面に固着されて溶接用板材5aの中央に形成された貫通孔と連続する袋ナット5cを備えている。
なお、本実施の形態では図5(b)に示すように、溶接用板材5aを断面視コの字状に両側を折り曲げ、この折り曲げ部分にアンカー筋5bを溶接しているが、溶接用板材5aの形状は、必ずしもこのような形状に限定されるものではない。例えば、溶接用板材5aを平板に形成するとともにアンカー筋5bをL字状に折り曲げて、この折り曲げ部を溶接用板材5aの背面に溶接する等、いずれの形状を用いてもよい。
上述する形状の溶接用板金物5は、溶接用板材5aの背面側に突出するアンカー筋5bおよび溶接用板材5aの折り曲げ部がインバートブロック1内に埋設固定されるが、図4(a)および(b)に示すように、溶接用板材5aの表面は、インバートブロック1の切羽Fに向けられる前面1eおよび坑口Mに向けられる後面1f各々から露出するように配置される。
ここで、溶接用板材5aの表面における露出とは、溶接用板材5aの表面が、インバートブロック1の切羽Fに向けられる前面1eおよび坑口Mに向けられる後面1f各々と面一の状態、もしくは切羽Fに向けられる前面1eおよび坑口Mに向けられる後面1f各々より突出する状態のいずれかを指すものである。
また、溶接用板材5aの下端は、インバートブロック1を鋼製シールドセグメント2上に載置した際に、鋼製シールドセグメント2上のいずれかの位置で当接するよう、インバートブロック1の下面1aから露出して配置される。
ここで、溶接用板材5aの下端における露出とは、溶接用板材5aの下端が、インバートブロック1の下面1aと面一の状態、もしくはインバートブロック1の下面1aより突出する状態のいずれかを指すものである。つまり、インバートブロック1を鋼製シールドセグメント2上に載置した際に、溶接用板金物5をなす溶接用板材5aの下端と鋼製シールドセグメント2とが当接するよう配置されていればよい。
なお、図6に示すように、鋼製シールドセグメント2は、スキンプレート2dの内面周縁に固定される一対の主桁2aおよび一対の継手板2bと、トンネル軸線方向に延在する縦リブ2cを備えている。このため、インバートブロック1を鋼製シールドセグメント2上に載置すると配置位置によっては、溶接用板金物5の溶接用板材5aが、一対の主桁2a、一対の継手板2bもしくは縦リブ2cのいずれかにも当接しない場合が生じる。
そこで、溶接用板金物5が主桁2a、継手板2bおよび縦リブ2cのいずれにも当接しない場合には、図6に示すように、溶接用板金物5の下面に到達する大きさの補助プレート10を用意し、これを主桁2a、継手板2bまたは縦リブ2cのいずれかに溶接固定しておく。そして、溶接用板材5aをこの補助プレート10に溶接固定するものである。
なお、本実施の形態では、補助プレート10に鋼製板材を採用しているが、その形状や材料はこれにこだわるものではない。溶接の母材となりうる材料よりなり、インバートブロック1と溶接固定した際に、インバートブロック1に作用する上載荷重を鋼製シールドセグメント2に伝達可能な強度を有していれば、いずれの材料および形状のものを用いてもよい。
上述した構成により、インバートブロック1は、溶接用板金物5を介して鋼製シールドセグメント2上に載置すなわち支持されることとなるが、図4(a)の下面から見た平面図に示すように、3個の溶接用板金物5は平面視で三角形をなすように配置される。これにより、インバートブロック1を鋼製シールドセグメント2上に載置すると、溶接用板材5aの下端は、一つも浮くことなく鋼製シールドセグメント2に当接する。
すなわち、インバートブロック1は、その下面1aに露出する溶接用板材5aの下端を介して安定した3点支持にて、鋼製シールドセグメント2上に据え付けられることとなる。これにより、シールドトンネルの施工中、インバートブロック1に作用する上載荷重は、溶接用板金物5の溶接用板材5aを介して鋼製シールドセグメント1にスムーズに伝達することが可能となる。
また、溶接用板材5aは、平板状の板材により形成されるとともに、インバートブロック1の前面1eもしくは後面1f、および下面1aから露出するように設けられる。このため、インバートブロック1を鋼製シールドセグメント2上に載置するのみで、溶接用板金物5の溶接用板材5aは、鋼製シールドセグメント2と共に溶接用のT継手を形成する。したがって、当該T継手を隅肉溶接できることから、棒状部材を溶接の母材に用いる場合と比較して溶接長さを確保でき、十分な接合強度をもって鋼製シールドセグメント2とインバートブロック1とを固定することが可能となる。
このように、インバートブロック1に設置された溶接用板金物5の溶接用板材5aは、鋼製シールドセグメント2に対して安定した3点支持の状態を維持しつつ、さらに溶接固定されるものである。これにより、インバートブロック1に、上載荷重として資機材搬送台車の走行により生じる活荷重の繰り返し載荷が作用したり、シールドトンネルの構築作業に伴う振動が作用する場合であっても、溶接用板材5aと鋼製シールドセグメント2との間に緩みを生じることがない。
このため、鋼製シールドセグメント2に対するインバートブロック1のガタツキを抑制することができ、ひいてはインバートブロック1の損傷も防止することができるものである。
ところで、上述のように、平面視で三角形状をなすように配置された3個の溶接用板金物5は、2個がインバートブロックの切羽F側に向けられる前面1eに、他の1個が坑口M側に向けられる後面1fにそれぞれ配置される。このような溶接用板金物5の配置は、溶接作業性を考慮したものである。
つまり、本実施の形態では図3に示すように、鋼製シールドセグメント2上に坑口M側から切羽F側に向けてインバートブロック1を順次設置していくことで、インバート4を構築するが、先行して固定したインバートブロック1’と、後行して配置するインバートブロック1との間に、少なくとも溶接棒7が挿入可能な所定の隙間Lを設けている。そして、この隙間Lに溶接棒7を差し入れることで、後行して配置するインバートブロック1の後面1fに設けられた溶接用板金物5を、鋼製シールドセグメント2に溶接する。
このとき、後行して配置するインバートブロック1の後面1fに溶接用板金物5を1個のみとしておくと、わずかな隙間Lを介して行う煩雑な溶接作業は、この1個の溶接用板金物5のみ行えばよい。これにより、煩雑な溶接作業を大幅に削減して施工性を向上することができるとともに、溶接に係る品質低下を最小限に抑制できるものである。
なお、溶接用板金物5において、溶接の母材となる溶接用板材5aの背面に設けられた袋ナット5cには、図示しないアイボルトを螺合することが可能なネジ溝が切られている。そして、溶接用板材5aに設けられた貫通孔からアイボルトを挿通して袋ナット5cに螺合嵌合することにより、アイボルトを介して揚重機によるインバートブロック1の楊重・運搬を可能にしている。
上述する構成のインバートブロック1を鋼製シールドセグメント2に溶接固定するための、インバートブロック1の固定方法を以下に示す。
まず、シールドトンネル1の覆工体3において、インバート4の構築予定場所に位置する鋼製シールドセグメント2のインバートブロック1配置予定箇所に、前面1eを切羽Fに対向させてインバートブロック1を載置する。この時、図3に示すように、先行して固定したインバートブロック1と、後行して配置するインバートブロック1との間には、少なくとも溶接棒7が挿入可能な隙間Lを設けておく。
次に、インバートブロック1の前面1eにおける2個の溶接用板金物5各々の溶接用板材5aと鋼製シールドセグメント2により形成された溶接用のT継手を隅肉溶接する。
この後、図3に示すように、隙間Lに溶接棒7を差し入れ、インバートブロック1の後面1fにおける1個の溶接用板材5aと鋼製シールドセグメント2により形成されたT継手を隅肉溶接する。なお、本実施の形態では、インバートブロック1を3点で溶接しているため、インバートブロック1の前面1eにおける2個の溶接用板金物5にて十分な溶接精度が得られていれば、後面1fに設けた溶接用板金物5は組立て溶接としてもよい。
ところで、シールドトンネルの覆工体3を構築すべく鋼製シールドセグメント2を複数組み立てるにあたり、掘削によりトンネル軸線方向に隣接する鋼製シールドセグメント2の間には高さ方向のズレが生じる場合がある。この場合、坑口M側から切羽F側に向けて並列に配置される複数のインバートブロック1にも、その上面1bに段差が生じる場合がある。
そこで、トンネル軸線方向に隣接する鋼製シールドセグメント2の間に高さ方向のズレが確認された場合には、図2および図6に示すように、インバートブロック1と鋼製シールドセグメント2との間に高さ調整部材6を介装する。
高さ調整用板材6は、鋼製板材よりなるいわゆるシムプレートであり、厚さの異なる板材を複数種類揃え、モジュール化しておく。これにより、厚さの異なる複数の高さ調整用板材6を適宜重ね合わせて鋼製シールドセグメント2に配置することで、インバートブロック1を所望の据え付け高さに合致させるべく必要な高さを確保するとともに、傾斜角度の調整を行うものである。
そして、インバートブロック1を鋼製シールドセグメント2に載置する前に、鋼製シールドセグメント2と溶接用板金物5とが当接する当接箇所を確認しておき、当該当接箇所に、必要高さに重ね合わせた高さ調整用板材6を溶接固定する。この後、図6に示すように、当該高さ調整用板材6の上面に、溶接用板金物5を介してインバートブロック1を載置し、溶接用板金物5と高さ調整用板材6とを溶接する。
これにより、坑口M側から切羽F側に向けて並列に配置される複数のインバートブロック1の上面1bには、連続する平坦面が形成されることとなる。
なお、インバートブロック1の溶接用板金物5が、鋼製シールドセグメント2における一対の主桁2a、一対の継手板2bもしくは縦リブ2cのいずれにも当接しない場合には、主桁2a、継手板2bまたは縦リブ2cのいずれかから溶接用板金物5の下面に向けて張出すように、高さ調整用板材6を溶接固定する。その後、溶接用板金物5の溶接用板材5aと高さ調整用板材6とを溶接固定すればよい。もしくは、先にも述べた補助プレート10を鋼製シールドセグメント2に設置し、その上面に高さ調整用板材6を溶接固定してもよい。
鋼製シールドセグメント2を組み立てることで覆工体3を構築する作業を行い、その後に上記の固定方法にて順次インバートブロック1を鋼製シールドセグメント2に溶接固定する作業を行うことにより、覆工体3には、トンネル周方向に対をなして溶接固定したインバートブロック1、およびこれらと並列となるようにトンネル軸線方向に溶接固定した複数のインバートブロック1とにより、インバート4が構築されることとなる。
なお、上記の固定方法と同時に、鋼製シールドセグメント2および溶接用金物5に対する防食機能およびインバート4の美観向上を目的とした仕上げ工として、インバートブロック1と鋼製シールドセグメント2との間に充填材を充填してもよい。
充填材としては、インバートブロック1の下面1aと鋼製シールドセグメント2との隙間にはモルタル8を採用する。また、インバートブロックの外側面1dと鋼製シールドセグメントとの隙間及びトンネル軸線方向に隣接するインバートブロック1の隙間Lには、無収縮モルタル9を採用する。
そして、図7(a)に示すように、先行してインバートブロック1の下面1aと鋼製シールドセグメント2との隙間にモルタル8を充填した後、図7(b)に示すように、インバートブロックの外側面1dと鋼製シールドセグメントとの隙間及びトンネル軸線方向に隣接するインバートブロック1の隙間Lに、無収縮モルタル9を充填する。こうしてモルタル8が流入しなかった狭小空間にも無収縮モルタル9を流入させて、未充填領域が残存することを防止する。
なお、本実施の形態では、図7(a)に示すように、インバートブロック1に設けた切欠き1c’の上端をモルタル8の計画レベルと同一高さに成形しておき、モルタル8の打設時において切欠き1c’の上端をレベル出しの基準として用いるものである。
本発明によれば、インバートブロック1に設置した3個の溶接用板金物5を介して、鋼製シールドセグメント2にインバートブロック1を3点支持の状態で溶接固定した。これにより、インバートブロック1に上載荷重として活荷重の繰り返し載荷が作用する場合や、シールドトンネルの構築作業に伴う振動が作用する場合においても、溶接用板金物5と鋼製シールドセグメント2との間に緩みを生じることがなく、鋼製シールドセグメント2に対するインバートブロック1のガタツキを抑制することが可能となる。
1 インバートブロック
1a 下面
1b 上面
1c 内側面
1d 外側面
1e 前面
1f 後面
2 鋼製シールドセグメント
2a 主桁
2b 継手板
2c 縦リブ
2d スキンプレート
3 覆工体
4 インバート
5 溶接用板金物
5a 溶接用板材
5b アンカー筋
5c 袋ナット
6 高さ調整用板材
7 溶接棒
8 モルタル
9 無収縮モルタル
10 補助プレート

Claims (3)

  1. 複数の鋼製シールドセグメントを連結して構築したシールドトンネルの覆工体内にインバートを構築するため、前記鋼製シールドセグメント上に溶接固定されるプレキャストコンクリート造のインバートブロックであって、
    鋼製シールドセグメント上で、切羽側に向けられる前面、坑口側に向けられる後面および前記鋼製シールドセグメントの内周面に沿う下面を備え、
    前記前面に2個、前記後面に1個の溶接用板金物が設置されてなり、
    該溶接用板金物は、表面が前記インバートブロックの前面もしくは後面から露出するとともに、下端が前記インバートブロックの下面から露出するよう、インバートブロックに埋設固定されることを特徴とするインバートブロック。
  2. 請求項1に記載のインバートブロックを、鋼製シールドセグメントの内面に溶接固定するインバートブロックの固定方法であって、
    前記インバートブロックに設置した3個の前記溶接用板金物各々の下端を前記鋼製シールドセグメント上にそれぞれ配置し、該溶接用板金物の下端と鋼製シールドセグメントを溶接することで、前記インバートブロックを前記鋼製シールドセグメントに対して3点で固定してなり、
    後行して配置する前記インバートブロックはその後面が、先行して固定されたインバートブロックの前面と所定の隙間をもって対向するように配置され、
    後行して配置する前記インバートブロックの後面に固定した溶接用板金物と前記鋼製シールドセグメントとの溶接を、前記隙間を介して行うことを特徴とするインバートブロックの固定方法。
  3. 請求項2に記載のインバートブロックの固定方法において、
    前記鋼製シールドセグメントに鋼材よりなる高さ調整部材を設置し、該高さ調整部材に、前記溶接用板金物を溶接固定することを特徴とするインバートブロックの固定方法。
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