JP2016084561A - 架橋アクリル繊維およびその製造方法および紡績糸および布帛 - Google Patents

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【課題】アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって自己調節機能を有する布帛に適用可能な架橋アクリル繊維、およびその製造方法および紡績糸および布帛を提供する。【解決手段】アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって、繊維長の変化率が4%以上であり、必要に応じてかかる架橋アクリル繊維を用いて紡績糸を得た後、布帛を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって自己調節機能を有する布帛に適用可能な架橋アクリル繊維、およびその製造方法および紡績糸および布帛に関する。
従来、吸放水により可逆的に伸縮または通気性変化する自己調節機能を有する布帛に用いられる繊維として、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとしポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる弾性繊維が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる繊維は弾性繊維であるため、取扱いが難しいなどの問題を有していた。
一方、吸放湿性を有する繊維としてアクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
国際公開第2004/113599号パンフレット 特開2001−146678号公報 特開2005−299027号公報
本発明の目的は、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって自己調節機能を有する布帛に適用可能な架橋アクリル繊維、およびその製造方法および紡績糸および布帛を提供することにある。
本発明者は、アクリル繊維に架橋処理を施して架橋アクリル繊維を得る際に、処理条件を工夫することにより、吸放水により可逆的に伸縮する架橋アクリル繊維が得られること、また、かかる架橋アクリル繊維は吸放水により可逆的に伸縮または通気性変化する自己調節機能を有する布帛に好適に用いられることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって、以下に定義する繊維長の変化率が4%以上であることを特徴とする架橋アクリル繊維。」が提供される。
繊維長の変化率=(L2−L1)/L1×100
ただし、L1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維長であり、L2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維長である。
その際、以下に定義する繊維径の変化率が9%以上であるであることが好ましい。
繊維径の変化率=(R2−R1)/R1×100
ただし、R1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維径であり、R2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維径である。
また、単繊維繊度が0.1〜2.0dtexの範囲内であることが好ましい。また、本発明によれば、前記の架橋アクリル繊維を用いてなる紡績糸が提供される。また、本発明によれば、かかる紡績糸を用いてなる布帛が提供される。また、本発明によれば、前記の架橋アクリル繊維の製造方法であって、アクリル繊維を、ヒドラジン濃度1〜3質量%の水溶液を用いて、温度90〜140℃下で、1〜5時間の架橋処理を行った後、または同時に、無機塩基濃度2.0〜10.0質量%の溶液中で、温度90〜140℃下で、1〜3時間の加水分解処理を行う、架橋アクリル繊維の製造方法が提供される。
本発明によれば、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって自己調節機能を有する布帛に適用可能な架橋アクリル繊維、およびその製造方法および紡績糸および布帛が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
まず、本発明の架橋アクリル繊維は、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって、以下に定義する繊維長の変化率が4%以上(好ましくは4〜30%)であることを特徴とする架橋アクリル繊維である。
繊維長の変化率=(L2−L1)/L1×100
ただし、L1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維長であり、L2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維長である。
ここで、前記繊維長の変化率が4%未満の場合、自己調節機能を有する布帛に適用できないおそれがあり好ましくない。
また、かかる架橋アクリル繊維において、以下に定義する繊維径の変化率が9%以上(好ましくは9〜30%)であることが好ましい。
繊維径の変化率=(R2−R1)/R1×100
ただし、R1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維径であり、R2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維径である。
本発明の架橋アクリル繊維において、単繊維繊度は特に限定されないが、吸放水により可逆的に伸縮する効果を高める上で、0.1〜10dtex(より好ましくは0.1〜6dtex)の範囲内であることが好ましい。なお、単繊維繊度の測定は、温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後に測定するものとする。
本発明の架橋アクリル繊維は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。まず、アクリル繊維原料モノマーとしては、アクリロニトリル、および、架橋および加水分解の反応を促進させるため、酸性基を有するコモノマー単位を20質量%以下含有させることが好ましく、1〜15質量%含有させることが特に好ましい。
この酸性基を有するコモノマーとしては、アクリロニトリルと共重合できる酸性基を有する通常使用されているビニルモノマーが挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー又はその塩類、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸等のスルホン酸基を有するモノマー又はその塩類が挙げられる。
ここで、上記アクリル繊維原料モノマーに顔料粒子を混合してもよい。混合する顔料粒子は、特に制限がなく、有機顔料(フタロシアニン系、アゾ系、縮合多環系など)、無機系(天然無機、酸化物、水酸化物、硫化物、珪酸塩、燐酸塩、炭酸塩、金属紛、炭素紛)などを例示できる。
これらの顔料粒子を適宜使い分けることにより、任意の色相に着色された吸放湿発熱繊維を得ることができる。具体的には、顔料粒子としてコバルトブルー又はセルリアンブルーを用いる場合は、紺色に着色された吸放湿発熱繊維を得ることができる。
上記顔料粒子の粒径は、平均粒径で0.5μm以下が好ましく、0.1〜0.5μmが特に好ましい。顔料粒子の添加量は、ブレンド成分全量に対して0.5〜5.0質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%が特に好ましい。
上記顔料粒子とモノマーとが混合されたブレンドモノマーは、必要によりジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイト、アセトン、硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロダンソーダ水溶液などの溶媒に添加される。ブレンド成分の添加量は、溶媒100質量部に対して10〜50質量部が好ましく、10〜30質量部が特に好ましい。
さらに、ブレンドモノマー溶液には、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、アゾ―ビス―イソブチロニトリル等の単独重合開始剤、または、過酸化水素―酸化鉄塩、過硫酸塩―還元性スルホキシ化合物、過硫酸カリ―第一鉄塩、過硫酸カリ―硝酸銀、過硫酸カリ―トリエタノールアミン、塩素酸ソーダ―亜硫酸ソーダ、過マンガン酸カリ―蓚酸等のレドックス系重合開始剤が添加され、重合反応処理される。重合反応方法としては、水溶液レドックス重合、溶液レドックス重合、溶液重合、水溶液重合、塊状重合などを適宜用いることができる。重合反応温度は、20〜70℃が好ましい。重合反応時間は、1〜5時間が好ましい。
この重合反応により、ポリマー濃度5〜30質量%、平均分子量5〜50万のポリマー溶液が得られる。
得られたポリマー溶液は綿布濾布等で濾過され、ポリマー溶液中の夾雑物を除去される。
紡糸ノズルを用い、DMF等の有機溶媒と水との溶液などからなる5〜30℃の紡糸浴中に前記ポリマー溶液を紡出することによりゲル状繊維が得られる。
得られるゲル状繊維は、5〜30℃の冷延伸浴、続いて、80〜95℃熱延伸浴を3〜15倍のストレッチで通過し、脱溶媒(湿熱延伸)処理が施される。
湿熱延伸処理された繊維は、内部温度90〜150℃に設定されたサクションドラムドライヤー等で繊維水分を除去(乾熱乾燥)すると共に繊維内部構造を緻密化してアクリル繊維が得られる。
得られたアクリル繊維は、アクリル系繊維中の主としてニトリル基を、ヒドラジン化合物を用いて架橋処理すると同時に、または架橋処理後、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウム等の無機塩基を用いて加水分解される。
ヒドラジン化合物を用いて架橋処理をした後、無機塩基を用いて加水分解する場合について説明すると、以下のようになる。
架橋処理は、上記酸性基を有するコモノマー単位を15質量%以下含むアクリル繊維にヒドラジン化合物を反応させることにより、アクリル系繊維の窒素含有量の増加を1.0〜8.0質量%となるようにして架橋構造を導入させるものである。
反応条件は、特に制限はないが、例えば酸性基含有コモノマー単位を15質量%以下含むアクリル繊維を、ヒドラジン濃度1〜3質量%の水溶液を用いて、温度90〜140℃下(より好ましくは125〜140℃)で、1〜5時間の架橋処理を行うことが好ましい。
ヒドラジン化合物としては、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、水加ヒドラジン、炭酸ヒドラジン等が使用でき、特に制限はない。
ここでヒドラジン濃度とは、前記ヒドラジン化合物中のヒドラジン成分の濃度をいう。
次いで、上記架橋構造を導入したアクリル系繊維中の主としてニトリル基を、無機塩基を用いて加水分解する。
加水分解反応は、アクリル系繊維中のカルボキシル基量を2〜5meq/gにコントロ−ルすることが好ましい。
無機塩基を用いる加水分解反応は、水溶液、又は、水と混和可能な溶媒との混合溶液中で行うことが好ましい。無機塩基濃度は2.0〜10.0質量%が好ましい。反応温度は90〜140℃が好ましい(より好ましくは90〜120℃)。反応時間は1〜3時間が好ましい。加水分解処理後、酢酸または蟻酸水溶液で中和および水洗を行うことが好ましい。
ここで、架橋処理と加水分解処理とを同時に行う場合は、同浴で同時間の処理を行うことが好ましい。
かくして得られた架橋アクリル繊維において、単繊維繊度は0.1〜10.0dtex(より好ましくは、1.0〜6.0dtex)であることが好ましい。
次に、本発明の紡績糸は前記の架橋アクリル繊維を用いてなる紡績糸である。なお、紡績糸の製造方法は常法によるものでよい。
また、他繊維と紡績して混紡糸にしてもよい。他繊維としては、木綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維等が例示される。混紡する場合は、混打綿工程で、原綿ブレンドミックス法を採用することが好ましい。これにより、混紡相手の素材の物性に助けられ、混紡糸の製造が容易になる。混紡割合は、通常行われる範囲で任意のものである。
次に、本発明の布帛はかかる紡績糸を用いてなる布帛である。かかる布帛は前記の紡績糸(前記の架橋アクリル繊維)を用いているので、国際公開第2004/113599号パンフレットに記載された布帛と同様に、汗などを吸水した際には繊維が伸長し布帛の目が開いて衣料内部の湿度を逃がし、乾燥した際には繊維は収縮してもとの長さに戻り、布帛の目が詰まって、衣料内部の温度を逃がさない、いわゆる自己調節機能を有する、快適性に優れた布帛となる。
ここで、前記の紡績糸と他の繊維とで布帛を構成してもよい。かかる他の繊維としては特に限定されず、木綿、ウール等の天然繊維、セルロース系繊維、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系の合成繊維等が例示される。ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸やこれらの共重合体からなるものが例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。繊維中には、本考案の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
前記他の繊維の形態は特に限定されず、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし、短繊維でもよい。その際、前記繊維を単独で用いてもよいし、複数の繊維を用いて例えば混綿してもよい。
また、布帛の布帛組織は特に限定されず、編物、織物、不織布などいずれでもよい。なかでも、前記の自己調節機能を得る上で編物または織物が好ましい。特に編物が好ましい。例えば、よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等などが例示され、織物組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示されるがこれらに限定されない。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。なお、これらの織物や編物は常法により製造することができる。
また、前記生地には、通常の染色加工、減量加工、起毛加工、撥水加工、カレンダー加工、エンボス加工、蓄熱加工、吸汗加工、マイナスイオン加工などの後加工剤を、本発明の目的が損なわれない範囲内で適宜施してもよい。
かかる布帛は特に衣料用として好ましく用いられる。かかる衣料としては、スポーツ衣料、下着などが例示される。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)繊維長の変化率
下記式により求めた。
繊維長の変化率=(L2−L1)/L1×100
ただし、L1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維長であり、L2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維長である。
(2)繊維径の変化率
下記式により求めた。
繊維径の変化率=(R2−R1)/R1×100
ただし、R1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維径であり、R2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維径である。
[実施例1]
単繊維繊度1dtexの、定長カットしたアクリル繊維を濃度2.4%の水加ヒドラジン水溶液で浴比1:10、130℃、3時間の架橋処理をした。架橋処理をした繊維を3.3%%の水酸化ナトリウム溶液で、浴比1:10で100℃、1時間の加水分解処理をし、0.3%酢酸溶液、浴比1:10、70℃で1時間の中和処理をし、次いで9%の紡績用油剤溶液を浴比1:10で60℃、20分処理をし、140℃、5分間乾燥後、綿紡績用の単繊維繊度2.4dtexの架橋アクリル繊維を得た。
得られた架橋アクリル繊維において、繊維長の変化率は21.3%であり、繊維径の変化率は10.0%であった。
次いで、該架橋アクリル繊維を用いて、国際公開第2004/113599号パンフレットの実施例1と同様に筒編物を得たところ、吸水した際には繊維が伸長し布帛の目が開いて透湿性が向上し、逆に乾燥した際には繊維は収縮してもとの長さに戻り、布帛の目が詰まって透湿性が低下し、自己調節機能を有する布帛であった。
[実施例2]
単繊維繊度1.7dtexの、定長カットしたアクリル繊維を濃度2.4%の水加ヒドラジン水溶液で浴比1:10、130℃、3時間の架橋処理をした。架橋処理をした繊維を3.3%の水酸化ナトリウム溶液で、浴比1:10で100℃、1時間の加水分解処理をし、0.3%酢酸溶液、浴比1:10、70℃で1時間の中和処理をし、次いで9%の紡績用油剤溶液を浴比1:10で60℃、20分処理をし、140℃、5分間乾燥後、梳毛紡績用の単繊維繊度4.7dtexの架橋アクリル繊維を得た。
得られた架橋アクリル繊維において、繊維長の変化率は6.4%であり、繊維径の変化率は20.2%であった。
[比較例1]
単繊維繊度1dtexの、定長カットしたアクリル繊維を濃度2.4%の水加ヒドラジン水溶液で浴比1:10、130℃、3時間の架橋処理をした。架橋処理をした繊維を1.5%の水酸化ナトリウム溶液で、浴比1:10で100℃、1時間の加水分解処理をし、0.3%酢酸溶液、浴比1:10、70℃で1時間の中和処理をし、次いで9%の紡績用油剤溶液を浴比1:10で60℃、20分処理をし、140℃、5分間乾燥後、綿紡績用の単繊維繊度1.3dtexの架橋アクリル繊維を得た。
得られた架橋アクリル繊維において、繊維長の変化率は3%であり、繊維径の変化率は5.0%であった。
[比較例2]
単繊維繊度1.7dtexの、定長カットしたアクリル繊維を濃度2.4%の水加ヒドラジン水溶液で浴比1:10、130℃、3時間の架橋処理をした。架橋処理をした繊維を1.5%の水酸化ナトリウム溶液で、浴比1:10で100℃、1時間加水分解処理をし、0.3%酢酸溶液、浴比1:10、70℃で1時間の中和処理をし、次いで9%の紡績用油剤溶液を浴比1:10で60℃、20分処理をし140℃、5分間乾燥後、梳毛紡績用の単繊維繊度3.0dtexの架橋アクリル繊維を得た。
得られた架橋アクリル繊維において、繊維長の変化率は3.0%であり、繊維径の変化率は8.0%であった。
本発明によれば、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって自己調節機能を有する布帛に適用可能な架橋アクリル繊維、およびその製造方法および紡績糸および布帛が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (6)

  1. アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維であって、以下に定義する繊維長の変化率が4%以上であることを特徴とする架橋アクリル繊維。
    繊維長の変化率=(L2−L1)/L1×100
    ただし、L1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維長であり、L2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維長である。
  2. 以下に定義する繊維径の変化率が9%以上である、請求項1に記載の架橋アクリル繊維。
    繊維径の変化率=(R2−R1)/R1×100
    ただし、R1は繊維を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の繊維径であり、R2は、繊維を20℃の蒸留水中に60秒間浸漬した後の繊維径である。
  3. 単繊維繊度が0.1〜10.0dtexの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の架橋アクリル繊維。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の架橋アクリル繊維を用いてなる紡績糸。
  5. 請求項4に記載の紡績糸を用いてなる布帛。
  6. 請求項1に記載の架橋アクリル繊維の製造方法であって、アクリル繊維を、ヒドラジン濃度1〜3質量%の水溶液を用いて、温度90〜140℃下で、1〜5時間の架橋処理を行った後、または同時に、無機塩基濃度2.0〜10.0質量%の溶液中で、温度90〜140℃下で、1〜3時間の加水分解処理を行う、架橋アクリル繊維の製造方法。
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