JP2016084461A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性に優れ、薄肉成形品の表面外観ならびに成形収縮率の異方性が改良された熱可塑性樹脂組成物の提供。【解決手段】熱可塑性樹脂100重量部に対して、断面の直径1〜7μm、かつ、平均繊維長が5〜100mmのガラスウールを10〜100重量部含有する、熱可塑性樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
従来、熱可塑性樹脂の機械的性質等を改良するために、熱可塑性樹脂にガラス繊維を配合することはよく知られており、金属やセラミックの代替品として電子機器の筐体、電気電子部品や自動車部品などに使用されている。
さらに、特開昭62−081438号公報(特許文献1)では、スチレン系樹脂に平均繊維長2〜10mmのガラス繊維を含有することで、薄肉突起部での強度や耐グリース性が優れることが開示されている。また、特開2011−183638号公報(特許文献2)には、熱可塑性樹脂に平均繊維長が300〜1000μmで繊維径が3〜6μmのガラス短繊維を含有させることで、薄肉部での外観不良を改良できることが開示されている。
特開昭和62−081438号公報
特開2011−183638号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、薄肉成形品の表面外観、成形収縮率の異方性に問題があり、また、特許文献2に記載の発明では、剛性の改善が不十分なうえに、成形収縮率の異方性については依然として問題がある。
本発明の目的は、剛性に優れ、薄肉成形品の表面外観ならびに成形収縮率の異方性が改良された熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、断面の直径1〜7μm、かつ、平均繊維長が5〜100mmのガラスウールを10〜100重量部含有する、熱可塑性樹脂組成物を提供する。
本発明によれば、剛性に優れ、薄肉成形品の表面外観ならびに成形収縮率の異方性が改良された熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、断面の直径1〜7μm、かつ、平均繊維長が5〜100mmのガラスウールを10〜100重量部含有する、熱可塑性樹脂組成物である。
本発明の熱可塑性樹脂は、ガラスウールを分散できるものであれば特に限定されず、例えば、ゴム強化スチレン系樹脂、非ゴム強化スチレン系樹脂等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリ乳酸樹脂等の生分解性樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂等のエンジニアリングプラスチックス等が挙げられ1種又は2種以上用いることができるが、スチレン系樹脂を含有することが好ましく、中でもゴム強化スチレン系樹脂を含有することがより好ましい。
ゴム強化スチレン系樹脂の具体例としては、ゴム強化ポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム・スチレン重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリル系ゴム・スチレン重合体(AAS樹脂)、メタクリル酸メチル・ブタジエン系ゴム・スチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル・エチレン−プロピレン系ゴム・スチレン重合体(AES樹脂)等が例示される。
ゴム強化スチレン系樹脂は、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体を重合すること(以下、「グラフト重合」という。)により得られる。
ゴム強化スチレン系樹脂に用いられるゴム状重合体としては、特に制限はないが、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン(エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等)ゴム等のエチレン−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレート等のアクリル系ゴム、シリコーン系ゴム、更にはこれらのゴムから選ばれた一種以上の複合ゴムなどが挙げられ、一種または二種以上用いることができる。
ゴム状重合体は、熱可塑性樹脂100重量%中に、5〜40重量%含有することが好ましい。5重量%未満であると耐衝撃性が劣る傾向にあり、40重量%を超えると剛性や耐熱性が劣る傾向にある。より好ましくは7〜20重量%であり、さらに好ましくは10〜15重量%である。
ゴム強化スチレン系樹脂に用いられる芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、一種または二種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
ゴム強化スチレン系樹脂に用いられる共重合可能な他のビニル系単量体としては、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体等が挙げられ、一種または二種以上用いることができる。シアン化ビニル系単量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等が例示でき、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸(ジ)ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸クロルフェニル等を例示でき、マレイミド系単量体としてはN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を例示でき、アミド系単量体としてはアクリルアミド、メタクリルアミド等を例示できる。
非ゴム強化スチレン系樹脂の具体例としては、スチレン重合体(PS樹脂)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、α−メチルスチレン・アクリロニトリル共重合体(αMS−ACN樹脂)、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体(MS樹脂)、メタクリル酸メチル・アクリロニトリル・スチレン共重合体(MAS樹脂)、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体(S−NPMI樹脂)、スチレン・N−フェニルマレイミド・アクリロニトリル共重合体(S−A−NPMI樹脂)等が例示される。
非ゴム強化スチレン系樹脂は、芳香族ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体を公知の重合方法を用いて共重合することで得ることができる。また、グラフト重合により得られた樹脂組成物に含まれるゴム状重合体にグラフトしていない未グラフト(共)重合体は非ゴム強化スチレン系樹脂に分類される。
非ゴム強化スチレン系樹脂に用いられる芳香族ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体としては、ゴム強化スチレン系樹脂と同様のものが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂には、重量平均分子量が100,000以下の非ゴム強化スチレン系樹脂を、熱可塑性樹脂100重量%に対して10重量%以上含有することが好ましい。含有量が10重量%未満であると薄肉成形品の表面外観や成形収縮率の異方性が劣る傾向にある。より好ましくは15〜80重量%であり、80重量%を超えると耐衝撃性が劣る傾向にある。さらに好ましくは20〜70重量%である。また、重量平均分子量が100,000を超えると薄肉成形品の表面外観や成形収縮率の異方性が劣る傾向にある。より好ましくは50,000〜90,000であり、50,000未満であると耐衝撃性が劣る傾向にある。さらに好ましくは60,000〜80,000である。
非ゴム強化スチレン系樹脂の重量平均分子量は、例えば、重合開始剤の種類及び量、重合温度、連鎖移動剤の種類及び量等を変更することにより適宜調整することが可能である。
非ゴム強化スチレン系樹脂の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いてテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量を測定することでもとめることができる。
本発明のガラスウールは、ガラス繊維が綿状になったものを意味し、単繊維を集めたグラスファイバーを所定の長さに切断したものであるチョップドストランドとは、全く異なるものである。チョップドストランドを使用した場合、薄肉成形品の表面外観や成形収縮率の異方性が劣る。
本発明のガラスウールは、断面の直径1〜7μm、かつ、平均繊維長が5〜100mmである。断面の直径が1μm未満であると剛性が劣り、7μmを超えると薄肉成形品の表面外観が劣る。好ましくは2〜7μmであり、より好ましくは3〜6μmである。また、平均繊維長が5mm未満であると剛性が劣り、100mmを超えると溶融混練時に樹脂への分散性が劣る。好ましくは7〜80mmであり、より好ましくは10〜60mmであり、さらに好ましくは20〜40mmである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、ガラスウールを10〜100重量部含有する。ガラスウールが10重量部未満であると剛性が劣り、100重量部を超えると薄肉成形品の表面外観が劣る。好ましくは15〜80重量部であり、より好ましくは20〜60重量部であり、より好ましくは25〜55重量%である。なお、熱可塑性樹脂100重量部に対するガラスウールの含有量は、熱可塑性樹脂組成物を灰化することによっても測定することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂とガラスウールの混合順序ならびにその状態には何ら制限はなく、パウダー、ペレットなどの形態による一括混合、一定量予備混合した後残りを混合する方法が例示されるが、ガラスウールをシランカップリング剤で表面処理してから、熱可塑性樹脂に混合することが溶融混練時に樹脂への分散性の観点から好ましい。
シランカップリング剤としては、従来から用いられているものであれば特に限定されず、熱可塑性樹脂との反応性、熱安定性等を考慮しながら決めればよく、例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等のシランカップリング剤が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、東レ・ダウコーニング社製のZシリーズ、信越化学工業社製のKBMシリーズ、KBEシリーズ、JNC 社製等の市販品を用いればよい。
上記シランカップリング剤は、溶媒に溶解し、ガラスウールに噴霧・乾燥することで、ガラスウールの表面処理をすることができる。シランカップリング剤は、ガラスウール100重量部に対して、0.1〜2重量部が好ましく、0.15〜0.4重量部がより好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.3重量部である。
本発明のガラスウールは、潤滑剤で表面処理してもよい。潤滑剤は、ガラスウールを熱可塑性樹脂に混練する際に、ガラスウールの滑りがよくなり熱可塑性樹脂に分散し易くなるものであれば特に制限は無く、シリコンオイル等、従来から用いられている潤滑剤を使用することができる。
本発明のガラスウールは、上記シランカップリング剤又は潤滑剤で処理されてもよいし、シランカップリング剤及び潤滑剤で処理されてもよい。
また、本発明のガラスウールは、上記のシランカップリング剤及び/ 又は潤滑剤による表面処理に加え、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等の公知の皮膜形成剤で表面処理してもよい。これら皮膜形成剤は単独あるいは2 種類以上を混合して使用でき、皮膜形成剤の重量百分率はシランカップリング剤に対して5〜15倍であることが好ましい。
本発明のガラスウールは、熱可塑性樹脂と混練する前に、上記の表面処理を行ってもよいし、潤滑剤のみで表面処理したガラスウールを準備しておき、使用する熱可塑性樹脂に応じて混練する前に所望のシランカップリング剤で表面処理してもよい。また、潤滑剤及びシランカップリング剤で予め表面処理しておいてもよいし、更に、必要に応じて皮膜形成剤で予め処理しておいてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、整色剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、つや消し剤、衝撃強度改良剤等の添加剤を配合することもできるが、熱可塑性樹脂とガラスウールとの界面接着性の観点から、カルボン酸基含有共重合体をおよび/またはグリシジル基含有共重合体を、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量%含有することが好ましく、このような添加剤としては、例えば住友化学(株)社製のボンドファーストとして入手可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及びガラスウール、並びに必要に応じて添加される各種添加剤を、単軸又は多軸の押出機、ニ−ダ 、ミキシングロ−ル、バンバリ−ミキサ−等の公知の溶融混練機を用いて、200〜400℃の温度で溶融混練することで製造することができるが、予めガラスウールを加熱してから投入することが好ましい。さらに、ガラスウールを予め加熱乾燥することが好ましい。また、熱可塑性樹脂およびガラスウールを溶融混練した後に、各種添加剤を熱可塑性樹脂と再度溶融混練すると、熱可塑性樹脂中のガラスウールが破砕されるため、各種添加剤は熱可塑性樹脂及びガラスウールと同時に混練することが好ましい。製造装置については特に限定されないが、二軸押出機を用いて溶融混練することが簡便で好ましい。混練された熱可塑性樹脂組成物は、金型により直接形状を付与されてもよいし、ペレットにされてもよい。
ガラスウールの加熱温度は、溶融した熱可塑性樹脂の温度を基準に、−150℃〜50℃程度にすることが好ましい。熱可塑性樹脂の溶融温度を高くすれば粘度は下がり、ガラスウールを分散し易くなるが、熱可塑性樹脂は温度を高くし過ぎると、特性が急激に変化することがある。したがって、本発明では、熱可塑性樹脂の溶融温度は、当分野で通常行われている温度で溶融する一方、ガラスウールを加熱することを特徴としている。ガラスウールは、用いる熱可塑性樹脂の種類にもよるが、熱可塑性樹脂の劣化を避けるため、熱可塑性樹脂の溶融温度を基準に20℃程度まで加熱することがより好ましい。一方、下限値は、加熱すれば効果が得られるので特に限定はされないが、熱可塑性樹脂の溶融温度を基準に−100℃程度がより好ましく、−50℃程度が更に好ましい。ガラスウールを、溶融した樹脂と同じ温度に加熱することが、最も好ましい。
ガラスウールの加熱は、例えば、混練装置のガラスウールを投入するホッパー部分に加熱装置を設ける等、溶融した熱可塑性樹脂に、ガラスウールを加熱して投入できるものであれば特に制限はない。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
熱可塑性樹脂(a−1)の製造
耐圧容器に、1,3−ブタジエン93部、スチレン7部、n−ドデシルメルカプタン0.5部、過硫酸カリウム0.24部、ロジン酸ナトリウム1.5部、水酸化ナトリウム0.1部及び脱イオン水150部を仕込み、70℃で15時間反応させた後、冷却して反応を終了させることで、ゴム状重合体ラテックスを得た。撹拌槽に得られたゴム状重合体ラテックス270部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液0.014部を添加して10分間撹拌した後、5%リン酸水溶液0.8部を10分間に亘り添加した。その後、10%水酸化カリウム水溶液1部を添加することでゴム状重合体ラテックスを得た。窒素置換した反応器に得られたゴム状重合体60部(固形分)、水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン30部、アクリロニトリル10部、t−ドデシルメルカプタン0.27部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することで熱可塑性樹脂(a−1)を得た。
熱可塑性樹脂(a−2)の製造
攪拌翼を備えた重合反応器に、純水300部、懸濁安定剤としてヒドロキシエチルセルロース0.3部を溶解した後、3mm角に裁断したエチレン− プロピレン− エチリデンノルボルネン共重合体ゴム(エチレン含有量55%、ムーニー粘度(ML1+4 121℃)60)50部を仕込み懸濁させた。その後、スチレン37部、アクリロニトリル13部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.0部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部を添加し、100℃にて1時間重合した。その後、脱水、乾燥することで、熱可塑性樹脂(a−2)を得た。
熱可塑性樹脂(a−3)の製造
窒素置換した反応器にスチレン66重量部、アクリロニトリル22重量部、エチルベンゼン12重量部、t−ドデシルメルカプタン0.54重量部からなる単量体混合物を連続的に供給して、140℃で重合を行なった。反応器より重合液を予熱器と真空槽より成る分離回収工程に導き、回収、押出後、熱可塑性樹脂(a−3)を得た。
得られた熱可塑性樹脂を乾燥後、1.0gをテトラヒドロフラン20mlに24時間浸漬した後に、300メッシュの金網で不溶部を除去し、さらに孔径0.45μmのディスポーサブルフィルターでろ過したものをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することで、テトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量を求めたところ、熱可塑性樹脂(a−3)の重量平均分子量は120000であった。
熱可塑性樹脂(a−4)の製造
窒素置換した反応器にスチレン66重量部、アクリロニトリル22重量部、エチルベンゼン12重量部、t−ドデシルメルカプタン0.22重量部からなる単量体混合物を連続的に供給して、140℃で重合を行なった。反応器より重合液を予熱器と真空槽より成る分離回収工程に導き、回収、押出後、熱可塑性樹脂(a−4)を得た。上記方法よりテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量を求めたところ、得られた熱可塑性樹脂(a−4)の重量平均分子量は80000であった。
ガラスウール(B−1)
マグ・イゾベール(株)社製 ガラスウール
断面の直径:4μm
平均繊維長:9mm
ガラスファイバー(B−2)
日東紡績(株)社製 SS05DE−413SP
断面の直径:6μm
平均繊維長:0.1mm
ガラスファイバー(B−3
日東紡績(株)社製 CSF 3PE―332S
断面の直径:13μm
平均繊維長:3mm
実施例1〜5、比較例1〜4
(a−1)〜(a−4)を表1に示す重量割合でシリンダ温度230℃に設定したφ50mm単軸押出機にて主スクリュー回転数220pm、吐出量40kg/hrの条件で溶融混練し、ペレット化することで(A−1)〜(A−5)を得た。(A−1)〜(A−5)を200℃に設定したφ36mm同方向二軸押出機のホッパーに投入し、予め100℃で加熱乾燥した(B−1)〜(B−3)をシリンダ温度200℃に設定したサイドフィーダーから表2に示す重量割合にて同押出機内の樹脂溶融部に供給し、主スクリュー回転数300rpm、吐出量25kg/hrの条件で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットより、種々の成形品の物性測定をした結果を表2に示す。なお、それぞれの測定方法を以下に示す。
剛性の評価
各実施例および比較例で得られたペレットを用い、ISO試験方法294に準拠して試験片を成形し、ISO178に準拠して23℃、50%RHにおける曲げ剛性率を測定した。単位;MPa
成形外観の評価
各実施例および比較例で得られたペレットを用い、射出成形機(山城精機製作所製 SAV−30−30−P 、シリンダー温度:250℃ 金型温度:60℃)にて成形された板状成形品(厚み2.5mm)の表面平滑性を目視で評価した。
◎:極めて平滑 、○:平滑 、△:ゲート部のみ平滑でない、×:平滑でない
成形収縮率比の評価
各実施例および比較例で得られたペレットを用い、射出成形機(ハヤブサ鉄工所製 HP−100、シリンダー温度:240℃(実施例3、比較例2は250℃) 金型温度:60℃)にて下記条件で成形された板状成形品(金型:長辺150mm、短辺90mm、厚み2mm、ゲート位置は短辺中央部に1カ所、ゲート幅10mm)を作成し、23℃、50%RH下で24時間放置した後の寸法変化を測定し、下記式より成形収縮率比を評価した。長辺寸法は短辺中央から10mmの位置を測定し、短辺寸法は、ゲートから20mmの位置を測定した。成形収縮率比が1.0に近い方が成形収縮率の異方性が良好である。
成形収縮率比:{(金型の長辺寸法−成形品の長辺寸法)÷金型の長辺寸法}÷{(金型の短辺寸法−成形品の短辺寸法)÷金型の短辺寸法}
射出速度50%、保圧速度30%、保圧圧力30kg/cm、冷却時間20秒
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、剛性、及び射出成形による薄肉成形品の表面外観ならびに成形収縮率の異方性が改良されるため、車輌用外装部品、車輌用内装部品、OA機器筐体等への利用価値が高い。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、断面の直径1〜7μm、かつ、平均繊維長が5〜100mmのガラスウールを10〜100重量部含有する、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂を含有する、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂が重量平均分子量が100,000以下の非ゴム強化スチレン系樹脂を10重量%以上含有する、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、カルボン酸基含有共重合体および/またはグリシジル基含有共重合体を0.1〜10重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、断面の直径1〜7μm、かつ、平均繊維長が5〜100mmのガラスウールを10〜100重量部を供給し、溶融混練する工程を含む、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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