JP2016083746A - 歯車研削盤の加工精度修正方法 - Google Patents

歯車研削盤の加工精度修正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドレッサの形状を修正することなく、簡単な方法でワークの圧力角を変更せずにねじれ角を修正できるようにすることにある。
【解決手段】ねじれ角の誤差からワークテーブルの垂直軸と砥石の中心軸との間の位相の修正値を求め、その修正位相に合わせてネジ状砥石のY方向送りを修正した砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車形状を予測し、そのときの歯面の圧力角の誤差を推定し、ドレッサ回転軸と砥石中心軸との間の送り角度を修正前からずらした場合に修正される圧力角の量を予測して修正角度を計算し、計算された修正角度だけ送り角度を修正した姿勢でドレッサでネジ状砥石を修正した後、ワークを研削する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ネジ状砥石及びドレッサを有する歯車研削盤の加工精度修正方法に関し、特にワークのねじれ角の修正方法に関する。
従来より、外周面に螺旋状のネジ山を有するネジ状砥石を用いてワークの歯面(平歯車、はすば歯車など)を研削する歯車研削盤が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような歯車研削盤は、ネジ状砥石のX軸、Y軸、Z軸の位置及び回転速度並びにワークテーブルの回転速度などをNC制御することにより、歯車を所望の形状に研削する。また、ドレッシング装置を有し、所定量の歯車を研削した後、ネジ状砥石を再生させることができる。
この種の歯車研削盤において、加工した歯車が本来の目標とする形状とならない場合には、何らかの修正作業が必要となる。ドレッシング装置のドレッサの形状を修正することもできるが、その場合には、多大な費用と工数を必要とする。
そこで、例えば特許文献2のように、ドレッシングの際にネジ状砥石のZ軸方向の移動速度とワークテーブルの回転速度との同期運転を調整することにより、歯車のねじれ角を修正する歯車研削盤の加工精度修正方法が知られている。この方法では、ねじれ角を修正したときに同時に発生する歯面圧力角のずれを、回転駆動しているワークテーブルを旋回させたり、ネジ状砥石をYZ平面内で旋回させることで修正している。
特許第4824947号公報 特許第4202306号公報
しかしながら、特許文献2の方法では、ドレッサがドレッサ回転軸を中心に旋回する構成が必要となる。ドレッサを旋回させない場合には、ネジ状砥石のX方向及びY方向の位置を変えると共に、YZ平面での旋回位置を変えなければならず、その制御が複雑となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ドレッサの形状を修正することなく、簡単な方法でワークの圧力角を変更せずに、ねじれ角を修正できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、ねじれ角を修正したときに予想される圧力角のずれをシミュレーションで予測して適切に修正するようにした。
具体的には、第1の発明では、
ワークを垂直軸周りに回転可能に支持するワークテーブルと、
上記ワークテーブルに対し、水平方向であるX方向、垂直方向であるZ方向、該X方向及びZ方向に直交するY方向に移動可能で、YZ平面でA方向に旋回可能で、且つ砥石中心軸を中心にB方向に回転可能なネジ状砥石と、
ドレッサ回転軸を中心に回転して上記ネジ状砥石のネジ山のドレッシングを行う円板状のドレッサとを備えた歯車研削盤の加工精度をシミュレーションを用いて修正する方法において、
歯車及びドレッサの諸元をそれぞれ入力する諸元入力工程と、
上記歯車の諸元を元に理論歯形形状を演算する理論歯形形状演算工程と、
上記ドレッサの形状を上記ドレッサの諸元を元に数式化により求めるドレッサ形状演算工程と、
上記理論歯形形状及び上記ドレッサの形状の元に砥石成形条件を算出する第1砥石成形条件算出工程と、
上記砥石成形条件を元に砥石形状を数式化により算出する第1砥石形状算出工程と、
上記砥石形状を元に歯車の創成条件を算出する第1歯車創成条件算出工程と、
上記歯車の創成条件を元に歯形形状を演算する第1歯形形状演算工程と、
上記演算された歯形形状のねじれ角の計算値と上記理論歯形形状のねじれ角の理論値との誤差を演算する第1誤差検出工程と、
上記ねじれ角の誤差から、上記ワークテーブルの垂直軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の位相を修正前の値からずらす修正位相を設定する第1修正設定工程と、
上記修正位相に合わせて上記ネジ状砥石のY方向送りを修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第1歯形形状再演算工程と、
上記演算された歯形形状の圧力角の計算値と上記理論歯形形状の圧力角の理論値との誤差を演算する第2誤差検出工程と、
上記圧力角の誤差から、上記ドレッサの回転軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の送り角度を修正前の値からずらす修正角度を設定する第2修正設定工程と、
上記修正角度に合わせて上記送り角度を修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第2歯形形状再演算工程とを含む。
本発明の構成によると、検出した歯車のねじれ角の誤差をなくすために必要な、ワークテーブルの垂直軸と砥石の中心軸との間の位相の修正量を設定し、その修正後の位相を用いてネジ状砥石の修正後の形状をシミュレーションにて計算する。この修正後のネジ状砥石で歯車を研削したときの歯車形状をシミュレーションで推定する。すると、ねじれ角(歯筋形状)を修正することにより、歯車の圧力角(歯形形状)も同時に変更されてしまう。この変更された圧力角のシミュレーション上での誤差を検出し、この誤差を小さくする変更をシミュレーションで行う。
特に第1の発明では、検出した歯車の圧力角の誤差をなくすために必要なネジ状砥石の砥石圧力角を修正するためのドレッシング時のドレッサ回転軸とネジ状砥石の中心軸との位置関係をシミュレーションで予測し、その予測結果を基にネジ状砥石の砥石圧力角を修正するので、ドレッサ自体の形状を変更せずに、容易に歯車の圧力角の誤差を修正できる。これにより、シミュレーションで最適な砥石形状及び研削条件を予測して圧力角のずれを防ぎながら、歯車のねじれ角を修正することができる。
第2の発明では、上記圧力角の誤差から、上記ドレッサによるドレッシング時の上記ネジ状砥石のリード量を修正前の値からずらす修正リード量を設定する第2修正設定工程と、
上記修正リード量に合わせて上記ネジ状砥石のリード量を修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第2歯形形状再演算工程とを含む。
特に第2の発明では、検出した歯車の圧力角の誤差をなくすために必要なドレッシング時のネジ状砥石のリード量の修正量をシミュレーションで予測し、その予測結果を基にネジ状砥石の砥石圧力角を修正するので、ドレッサ自体の形状を変更せずに、容易に歯車の圧力角の誤差を修正できる。これにより、シミュレーションで最適な砥石形状及び研削条件を予測して圧力角のずれを防ぎながら、歯車のねじれ角を修正することができる。
第3の発明では、上記圧力角の誤差から、X方向から見た上記ワークテーブルの垂直軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の角度を修正前の値からずらす修正角度を設定する第2修正設定工程と、
上記修正角度に合わせて上記ネジ状砥石をA方向に回転させるように歯車の創成条件を再び算出する第2歯形形状再演算工程とを含む。
特に第3の発明では、検出した歯車の圧力角の誤差をなくすために必要なX方向から見たワークテーブルの垂直軸と砥石中心軸との間の角度の修正量をシミュレーションで予測し、その予測結果を基にネジ状砥石の砥石中心軸の角度を修正するので、ドレッサ自体の形状を変更せずに、容易に歯車の圧力角の誤差を修正できる。これにより、シミュレーションで最適な砥石形状及び研削条件を予測して圧力角のずれを防ぎながら、歯車のねじれ角を修正することができる。
以上説明したように、本発明によれば、ワークのねじれ角の誤差に合わせてワークテーブルの垂直軸と砥石の中心軸との間の位相を修正したときの歯形形状をシミュレーションで予測し、それに伴ってずれた圧力角を元に戻すように、シミュレーションで研削条件等を修正し、修正後の圧力角を求めるようにしたことにより、ドレッサの形状を修正することなく、簡単な方法でワークの圧力角のずれを防ぎながら、ねじれ角を修正することができる。
歯車研削盤の概要を示す斜視図である。 ワークテーブルとネジ状砥石との位置関係を示す斜視図である。 ドレッサとネジ状砥石との位置関係を示す斜視図である。 接触の条件式を説明するための概要図である。 歯車研削盤の加工精度修正方法の前半部分を示すフローチャートである。 歯車研削盤の加工精度修正方法の後半部分を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態の歯面研削盤1を示し、この歯面研削盤1は、ワーク20である例えば、はすば歯車、平歯車等を研削するための機械であり、台状のベッド2を有する。このベッド2の上には、歯車の半径方向(X方向)に移動可能なXスライダ3が載置されている。このXスライダ3の上には、コラム4が載置され、このコラム4には、歯車の軸方向(Z方向)に移動可能な軸スライダ5が取り付けられ、この軸スライダ5に砥石中心軸方向(Y方向)に移動可能なYスライダ8が取り付けられている。Yスライダ8には、A方向(ねじり角の正逆両方向)に旋回可能な旋回スライダ6が設けられ、その旋回スライダ6に円筒形状のネジ状砥石7が砥石中心軸7aを中心にB方向(正逆両方向)に回転可能に取り付けられている。ネジ状砥石7は、リング状の本体の外周に例えばねじれ角γの3条のネジ山7bが形成され、それらネジ山7b間に合計3本の溝7cを有する。
ベッド2上のコラム4に対向する位置には、カウンタコラム9が設けられている。このカウンタコラム9は、ワーク20を垂直方向(W方向)から押さえる心押し台10を有し、この心押し台10の下方にワーク20を保持するワークテーブル11が設けられている。ワークテーブル11は、そのテーブル垂直軸11aを中心にC方向(正逆両方向)に旋回可能となっている。
そして、カウンタコラム9には、ネジ状砥石7をドレッシングするドレッサ12が設けられている。ドレッサ12は、ドレッサ回転軸12aを中心に回転する円板状のドレッシング工具12bを有し、ネジ状砥石7の切れ味が低下したときに、そのネジ山7bのフランクに接触させて再生させるものである。本実施形態では、ドレッシング工具12bは1枚であるが、特許文献2のような一対のものとしてもよい。
そして、ネジ状砥石7の位置及びその回転並びにワーク20の回転は、NC制御により精密に制御されるようになっている。
このような歯面研削盤1で、ネジ状砥石7のX軸、Y軸、Z軸の位置及び回転速度並びにワークテーブル11の回転速度などをNC制御してワーク20である歯車の研削をした場合に、加工後の歯車の形状が設計通りの形状にならない場合がある。特に、ここでは、歯車のねじれ角のずれに注目する。
次いで、歯車研削盤1の加工精度修正方法(特にねじれ角の修正方法)について具体的に説明する。
図5及び図6に示すように、まず、ステップS10の諸元入力工程において、歯車の諸元とドレッサの諸元とを入力する。
次いで、ステップS11において、ねじれ角補正量を0に設定する。
次いで、ステップS12の理論歯形形状演算工程において、歯車の諸元を元に理論歯車形状を演算する。
次いで、ステップS13のドレッサ形状演算工程において、ドレッサの諸元を元にドレッサの形状を数式化する。
次いで、ステップS14の第1砥石成形条件算出工程において、砥石成形条件を算出する。具体的には、砥石リード、砥石とドレッサの向き等が算出される。
次いで、ステップS15の第1砥石形状算出工程において、砥石成形条件等を元に砥石形状を数式化により求める。例えば、ネジ状砥石7の3次元近似形状を創成する。3次元近似形状は、近似インボリュートネジの歯直角断面を計算して求める。
次いで、ステップS16の第1歯車創成条件算出工程において、砥石形状等を元に歯車の創成条件を算出する。具体的には、砥石と歯車の向き及び回転比が算出される。
次いで、ステップS17の第1歯車形状演算工程において、歯車の創成条件を元に歯形形状を演算する。創成されたネジ状砥石7を所定の研削条件(X軸、Y軸、Z軸の位置及び回転速度等)で回転させた場合における、接触の条件式から歯面接触点を算出する。具体的には、図4に示すように、ネジ状砥石7の歯面Sと歯車の歯面Sが点Pで接触しており、両歯面S,Sの点Pにおける速度をV,Vとし、両歯面S,Sの共通法線方向の単位ベクトルをnとした場合、V,Vのn方向成分であるn×Vーn×Vは、等しくなければならない(n×Vーn×V=0)。このことを利用して、所定領域の歯面接触点を計算する。そして、ネジ状砥石7のベクトル線図から連立超越方程式を用いる等により、歯面接触点を歯車座標に変換して修正後の3次元近似歯車形状を算出する。
次いで、ステップS18の第1誤差検出工程において、ねじれ角誤差演算を行う。具体的には、計算値と理論値との差を計算する。
次いで、ステップS19において、ねじれ角誤差の判定を行う。具体的には、ねじれ角誤差がねじれ角補正量以下かを判定する。ねじれ角誤差がねじれ角補正量よりも大きい場合は、ステップS20に進み、第1修正設定工程が行われる。ここでは、ねじれ角の誤差を最小にすることのできるドレッサ回転軸12aと砥石中心軸7aとの間の送り角度の修正角度を決定する。具体的には、ステップS19で検出された歯車のねじれ角の誤差に合わせて適切な送り角度の修正角度を設定する。
この修正角度を反映させるべく、ステップS13に戻り、ドレッサ形状を再計算する。ここでは、ドレッサ形状自体の変更はない。
次いで、ステップS14において、修正角度を反映した砥石成形条件を再び算出する。特にドレッサ回転軸12aと砥石中心軸7aとの間の送り角度を修正前の値から変更する。
次いで、ステップS15からS18を行う。特にステップS16においては、送り角度が修正された状態でドレッサによって修正された仮想のネジ状砥石7を元に歯車の創成条件を再び算出し、ステップS17で歯形形状を演算する(第1歯形形状再演算工程)。
次いで、ステップS19の第2誤差検出工程において、再びねじれ角誤差の判定を行い、ねじれ角誤差がねじれ角補正量以下となった場合は、ステップS21に進む。ねじれ角誤差がいまだにねじれ角補正量よりも大きい場合には、ステップS20以降を繰り返す。
次いで、ステップS21以降において、圧力角の調整を行う。ねじれ角が修正されたとしても、ワークの圧力角が変更されてしまうことが多いことが知られている。
まず、ステップS21の第2誤差検出工程において、ねじれ角を修正後の演算された歯形形状の圧力角と、理論歯形形状の圧力角との誤差を求める。
次いで、ステップS22の第2修正設定工程において、圧力角の補正量を設定する。例えば、ステップS21で求められた誤差をなくすように、ドレッサ回転軸12aと砥石中心軸7aとの間の送り角度を修正前の値からずらす修正角度を設定する。
次いで、ステップS23の第2砥石成形条件算出工程において、砥石成形条件を算出する。具体的には、修正後の砥石リード、砥石とドレッサの向き等が算出される。
次いで、ステップS24の第2砥石形状演算工程において、砥石成形条件等を元に砥石形状を数式化により求める。
次いで、ステップS25の第2歯車創成条件算出工程において、砥石形状等を元に歯車の創成条件を算出する。具体的には、送り角度の修正角度を反映するように、砥石と歯車の向き及び回転比が算出される。
次いで、ステップS26の第2歯車形状演算工程において、修正後の歯車の創成条件を元に歯形形状を演算する(第2歯形形状再演算工程)。創成されたネジ状砥石7を送り角度を修正した研削条件(X軸、Y軸、Z軸の位置及び回転速度等)で回転させた場合における、接触の条件式から歯面接触点を算出する。
次いで、ステップS27において、再び圧力角誤差演算を行う。具体的には、ステップS22で求めた圧力角計算値と圧力角理論値との差を計算する。
次いで、ステップS28において、圧力角誤差の判定を行う。具体的には、圧力角誤差が圧力角補正量以下かを判定する。圧力角誤差が圧力角補正量よりも大きい場合は、ステップS29に進み、再び第2修正設定工程が行われる。ここでは、S27で検出された圧力角の誤差を最小にすることのできるドレッサ回転軸12aと砥石中心軸7aとの間の送り角度の修正角度を再び決定する。
この再び設定した修正角度を反映させるべく、ステップS23に戻り、ステップS28まで繰り返す。
ステップS28において、圧力角誤差が圧力角補正量以下となった場合は、ステップS30に進み、NCデータを作成する。圧力角誤差がいまだに圧力角補正量よりも大きい場合には、ステップS29以降を繰り返す。
ステップS31において、作成したNCデータを用いてNC制御部が制御を開始する。
ステップS32におけるドレッシング作業において、シミュレーションで計算された最適な送り角度を元にネジ状砥石7の加工が実際に行われる。
次いで、ステップS33で、修正されたネジ状砥石7を用いて歯面研削盤1で研削加工が行われる。
このように本実施形態では、検出した歯車のねじれ角の誤差をなくすために必要な、テーブル垂直軸11aと砥石中心軸7aとの間の位相の修正量を設定し、その修正後の位相を用いてネジ状砥石7の修正後の形状をシミュレーションにて計算し、この修正後のネジ状砥石7で歯車を研削したときの歯車形状をシミュレーションで推定する。ねじれ角(歯筋形状)を修正することにより、歯車の圧力角(歯形形状)も同時に変更されてしまうが、この変更された圧力角のシミュレーション上での誤差を検出し、この誤差を小さくする変更をシミュレーションで行う。
そして、検出した歯車の圧力角の誤差をなくすために必要なネジ状砥石7の砥石圧力角を修正するためのドレッシング時のドレッサ回転軸12aと砥石中心軸7aとの位置関係をシミュレーションで予測し、その予測結果を基にネジ状砥石7の砥石圧力角を修正するので、ドレッサ12自体の形状を変更せずに、容易に歯車の圧力角の誤差を修正できる。これにより、シミュレーションで最適な砥石形状及び研削条件を予測して圧力角のずれを防ぎながら、歯車のねじれ角を修正することができる。
したがって、本実施形態に係る歯車研削盤の加工精度修正方法によると、ドレッサ12の形状を修正することなく、簡単な方法でワーク20の圧力角を修正できるようにすることができる。
−変形例1−
本発明の実施形態の変形例1では、図6における圧力角の具体的な修正方法が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、以下の各変形例では、図1〜図6と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
すなわち本変形例では、第2誤差検出工程において計算された圧力角の誤差から、ドレッサ12によるドレッシング時のネジ状砥石7のリード量を、修正前の値からずらす修正リード量を設定する第2修正設定工程を含む。
また第2歯形形状再演算工程では、修正リード量に合わせてネジ状砥石7のリード量を修正した砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する。その他のステップは、上記実施形態1と同様に行われる。
本変形例においても、ねじれ角を修正後の圧力角のずれを有効に防ぐことができる。
−変形例2−
本発明の実施形態の変形例2は、図6に示す圧力角の修正方法が異なる点で上記実施形態及び変形例1と異なる。
すなわち、本変形例では、第2誤差検出工程で検出された圧力角の誤差から、X方向から見たテーブル垂直軸11aと砥石中心軸7aとの間の角度を修正前の値からずらす修正角度を設定する第2修正設定工程を含む。
また第2歯形形状再演算工程では、修正角度に合わせてネジ状砥石7をA方向に回転させるように歯車の創成条件を再び算出する。その他のステップは、上記実施形態1と同様に行われる。
本変形例においても、ねじれ角を修正後の圧力角のずれを有効に防ぐことができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、平歯車、はすば歯車などをネジ状砥石を用いて研削する歯車研削盤の加工精度修正方法について有用である。
1 歯面研削盤
2 ベッド
3 Xスライダ
4 コラム
5 軸スライダ
6 Yスライダ
7 ネジ状砥石
7a 砥石中心軸
7b ネジ山
7c 溝
8 旋回スライダ
9 カウンタコラム
10 心押し台
11 ワークテーブル
11a テーブル垂直軸
12 ドレッサ
12a ドレッサ回転軸
12b ドレッシング工具
20 ワーク

Claims (3)

  1. ワークを垂直軸周りに回転可能に支持するワークテーブルと、
    上記ワークテーブルに対し、水平方向であるX方向、垂直方向であるZ方向、該X方向及びZ方向に直交するY方向に移動可能で、YZ平面でA方向に旋回可能で、且つ砥石中心軸を中心にB方向に回転可能なネジ状砥石と、
    ドレッサ回転軸を中心に回転して上記ネジ状砥石のネジ山のドレッシングを行う円板状のドレッサとを備えた歯車研削盤の加工精度をシミュレーションを用いて修正する方法において、
    歯車及びドレッサの諸元をそれぞれ入力する諸元入力工程と、
    上記歯車の諸元を元に理論歯形形状を演算する理論歯形形状演算工程と、
    上記ドレッサの形状を上記ドレッサの諸元を元に数式化により求めるドレッサ形状演算工程と、
    上記理論歯形形状及び上記ドレッサの形状の元に砥石成形条件を算出する第1砥石成形条件算出工程と、
    上記砥石成形条件を元に砥石形状を数式化により算出する第1砥石形状算出工程と、
    上記砥石形状を元に歯車の創成条件を算出する第1歯車創成条件算出工程と、
    上記歯車の創成条件を元に歯形形状を演算する第1歯形形状演算工程と、
    上記演算された歯形形状のねじれ角の計算値と上記理論歯形形状のねじれ角の理論値との誤差を演算する第1誤差検出工程と、
    上記ねじれ角の誤差から、上記ワークテーブルの垂直軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の位相を修正前の値からずらす修正位相を設定する第1修正設定工程と、
    上記修正位相に合わせて上記ネジ状砥石のY方向送りを修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第1歯形形状再演算工程と、
    上記演算された歯形形状の圧力角の計算値と上記理論歯形形状の圧力角の理論値との誤差を演算する第2誤差検出工程と、
    上記圧力角の誤差から、上記ドレッサの回転軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の送り角度を修正前の値からずらす修正角度を設定する第2修正設定工程と、
    上記修正角度に合わせて上記送り角度を修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第2歯形形状再演算工程とを含む
    ことを特徴とする歯車研削盤の加工精度修正方法。
  2. ワークを垂直軸周りに回転可能に支持するワークテーブルと、
    上記ワークテーブルに対し、水平方向であるX方向、垂直方向であるZ方向、該X方向及びZ方向に直交するY方向に移動可能で、YZ平面でA方向に旋回可能で、且つ砥石中心軸を中心にB方向に回転可能なネジ状砥石と、
    ドレッサ回転軸を中心に回転して上記ネジ状砥石のネジ山のドレッシングを行う円板状のドレッサとを備えた歯車研削盤の加工精度をシミュレーションを用いて修正する方法において、
    歯車及びドレッサの諸元をそれぞれ入力する諸元入力工程と、
    上記歯車の諸元を元に理論歯形形状を演算する理論歯形形状演算工程と、
    上記ドレッサの形状を上記ドレッサの諸元を元に数式化により求めるドレッサ形状演算工程と、
    上記理論歯形形状及び上記ドレッサの形状の元に砥石成形条件を算出する第1砥石成形条件算出工程と、
    上記砥石成形条件を元に砥石形状を数式化により算出する第1砥石形状算出工程と、
    上記砥石形状を元に歯車の創成条件を算出する第1歯車創成条件算出工程と、
    上記歯車の創成条件を元に歯形形状を演算する第1歯形形状演算工程と、
    上記演算された歯形形状のねじれ角の計算値と上記理論歯形形状のねじれ角の理論値との誤差を演算する第1誤差検出工程と、
    上記ねじれ角の誤差から、上記ワークテーブルの垂直軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の位相を修正前の値からずらす修正位相を設定する第1修正設定工程と、
    上記修正位相に合わせて上記ネジ状砥石のY方向送りを修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第1歯形形状再演算工程と、
    上記演算された歯形形状の圧力角の計算値と上記理論歯形形状の圧力角の理論値との誤差を演算する第2誤差検出工程と、
    上記圧力角の誤差から、上記ドレッサによるドレッシング時の上記ネジ状砥石のリード量を修正前の値からずらす修正リード量を設定する第2修正設定工程と、
    上記修正リード量に合わせて上記ネジ状砥石のリード量を修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第2歯形形状再演算工程とを含む
    ことを特徴とする歯車研削盤の加工精度修正方法。
  3. ワークを垂直軸周りに回転可能に支持するワークテーブルと、
    上記ワークテーブルに対し、水平方向であるX方向、垂直方向であるZ方向、該X方向及びZ方向に直交するY方向に移動可能で、YZ平面でA方向に旋回可能で、且つ砥石中心軸を中心にB方向に回転可能なネジ状砥石と、
    ドレッサ回転軸を中心に回転して上記ネジ状砥石のネジ山のドレッシングを行う円板状のドレッサとを備えた歯車研削盤の加工精度をシミュレーションを用いて修正する方法において、
    歯車及びドレッサの諸元をそれぞれ入力する諸元入力工程と、
    上記歯車の諸元を元に理論歯形形状を演算する理論歯形形状演算工程と、
    上記ドレッサの形状を上記ドレッサの諸元を元に数式化により求めるドレッサ形状演算工程と、
    上記理論歯形形状及び上記ドレッサの形状の元に砥石成形条件を算出する第1砥石成形条件算出工程と、
    上記砥石成形条件を元に砥石形状を数式化により算出する第1砥石形状算出工程と、
    上記砥石形状を元に歯車の創成条件を算出する第1歯車創成条件算出工程と、
    上記歯車の創成条件を元に歯形形状を演算する第1歯形形状演算工程と、
    上記演算された歯形形状のねじれ角の計算値と上記理論歯形形状のねじれ角の理論値との誤差を演算する第1誤差検出工程と、
    上記ねじれ角の誤差から、上記ワークテーブルの垂直軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の位相を修正前の値からずらす修正位相を設定する第1修正設定工程と、
    上記修正位相に合わせて上記ネジ状砥石のY方向送りを修正した上記砥石成形条件によって砥石形状を変更した場合の歯車の創成条件を再び算出する第1歯形形状再演算工程と、
    上記演算された歯形形状の圧力角の計算値と上記理論歯形形状の圧力角の理論値との誤差を演算する第2誤差検出工程と、
    上記圧力角の誤差から、X方向から見た上記ワークテーブルの垂直軸と上記ネジ状砥石の中心軸との間の角度を修正前の値からずらす修正角度を設定する第2修正設定工程と、
    上記修正角度に合わせて上記ネジ状砥石をA方向に回転させるように歯車の創成条件を再び算出する第2歯形形状再演算工程とを含む
    ことを特徴とする歯車研削盤の加工精度修正方法。
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