JP2016083701A - 溶接システム、溶接方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、適正な溶け込みを確保し、かつ高温割れの発生を抑制する溶接条件を使用して、溶接を行うことを目的とする。
さらに、前記選択手段は、前記隣り合う2つの位置のルートギャップの両方が含まれる前記範囲が、2つ以上存在する場合、2つ以上の当該範囲のそれぞれに対応する前記溶接条件のうち、最初のパスにおける電流値が最も高い当該溶接条件を選択することを特徴とすることができる。
そして、前記選択手段は、前記隣り合う2つの位置のルートギャップの両方が含まれる前記範囲が存在せず、ルートギャップのいずれか一方が含まれる前記範囲が2つ以上存在する場合、2つ以上の当該範囲のそれぞれに対応する前記溶接条件のうち、最初のパスにおける電流値が最も低い当該溶接条件を選択することを特徴とすることができる。
また、前記取得手段は、前記複数の位置で計測された開先角度の大きさを取得し、前記記憶手段は、前記溶接条件に対応して予め定められた開先角度の大きさの範囲を記憶し、前記選択手段は、前記複数の位置のうち溶接線の端で計測された開先角度の大きさが含まれる前記範囲に対応する前記溶接条件を選択することを特徴とすることができる。
<システム構成>
まず、本実施の形態に係る溶接ロボットシステム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る溶接ロボットシステム1の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、溶接ロボットシステム1は、電極により被溶接部材(ワーク)に対して溶接を行う溶接ロボット(マニピュレータ)10と、溶接ロボット10を制御する制御装置(コントローラ)20と、溶接作業に用いられるデータバンクファイルの選択を行うデータバンク選択装置30とを備える。
次に、溶接ロボットシステム1の機能構成について説明する。図2は、溶接ロボットシステム1の機能構成例を示す図である。図2に示すように、制御装置20は、入力受付部21と、センサ制御部22と、溶接制御部23とを備える。また、データバンク選択装置30は、受信部31と、格納部32と、ファイル選択部33とを備える。
入力受付部21は、ユーザからの操作入力を受け付ける。ここで、入力受付部21は、例えば、教示データであるプログラムファイルを実行する操作入力を受け付ける。このプログラムファイルには、溶接ロボット10がワークにおいてセンシングを行う箇所(以下、センシング点と称する)や、データバンクファイルの選択に用いられるテーブル(以下、データバンク選択テーブルと称する)を指定するテーブル番号などの情報が設定されている。そして、ユーザは、プログラムファイルの内容を書き換えることにより、センシング点の位置や数を変更したり、使用するデータバンク選択テーブルを変更したりすることが可能である。センシング点、データバンク選択テーブルの詳細については後述する。
取得手段の一例としての受信部31は、制御装置20から、溶接ロボット10によるセンシング結果や、データバンク選択テーブルのテーブル番号等を受信する。
次に、データバンク選択装置30のハードウェア構成について説明する。図3は、データバンク選択装置30のハードウェア構成例を示す図である。
図3に示すように、データバンク選択装置30は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU101と、記憶手段であるメインメモリ102及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)103とを備える。ここで、CPU101は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、データバンク選択装置30の各機能を実現する。また、メインメモリ102は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD103は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
また、図1に示す制御装置20についても、上述したデータバンク選択装置30のハードウェア構成と同様のものを用いても良い。
次に、溶接ロボット10がセンシングを行うセンシング点について説明する。図4は、センシング点の一例を示す図である。本実施の形態では、図4に示すように、平板42の上面に立板41が接触し、両部材の継ぎ目の開先に対して溶接が行われるものとする。そして、矢印で示す溶接進行方向(溶接線方向)に溶接トーチ11が動作し、溶接が進行する。ただし、平板42及び立板41は、溶接ロボットシステム1が溶接を行うワークの一例であり、ワークはこのような構成に限られるものではない。
次に、溶接ロボット10が行うセンシングの内容について説明する。図5は、センシング内容の一例を説明するための図である。溶接トーチ11(図1参照)を用いたセンシングでは、溶接トーチ11の先端に溶接ワイヤが一定の長さで突き出され、溶接ワイヤとワークとの間に溶接電源(不図示)からセンシング電圧が印加される。そして、溶接トーチ11は、例えば図5に示すように、A1、A2、A3、A4、A5の順番で立板41および平板42の5箇所をセンシングする。本実施の形態に係るセンシングは、従来の手法と同様に行われるものである。
また、開先角度とは、図5に示すように、平板42の開先面と平行なZ軸に対する、立板41の開先面の角度βを示している。センサ制御部22は、溶接ロボット10から取得した立板41の開先面における点A4の位置座標と点A5の位置座標との距離比等を求めることで、開先角度βを算出する。
次に、データバンクファイルの構成について説明する。図6は、データバンクファイルの一例を示す図である。上述したように、データバンクファイルには溶接条件が定められており、図6に示すデータバンクファイルには、溶接電流(電流の単位:A)、アーク電圧(電圧の単位:V)、溶接速度(mm/min)、ウィービング幅(mm)が登録されている。ここで、溶接速度は、溶接トーチ11が動作する際の速度を示す。ウィービング幅は、溶接トーチ11を溶接進行方向に対してほぼ直角に交互に動作させるウィービングの際の幅を示す。
次に、データバンク選択テーブルについて説明する。データバンク選択テーブルは、ワークにおける開先の形状や板厚などに応じて予め作成される。そして、上述したように、プログラムファイルにおいて、呼び出されるデータバンク選択テーブルのテーブル番号が設定されている。付言すると、ユーザは、プログラムファイルが呼び出すデータバンク選択テーブルのテーブル番号を、ワークの開先形状や板厚等に合わせて書き換えることにより、ワークに応じたデータバンク選択テーブルが選択されることとなる。
ここで、データバンク選択テーブルの作成にあたり、予め実験が行われ、開先角度範囲、担当ギャップ範囲に対応する溶接条件が算出される。付言すると、ワークの開先角度、ルートギャップに対して、溶融金属の溶け込みが十分確保され、かつ高温割れを抑制できる(高温割れが発生しづらい)溶接条件が実験により求められる。このような実験が開先形状や板厚を変えて行われ、様々なデータバンク選択テーブルが作成される。
次に、データバンクファイルの選択手順について説明する。図8及び図9は、データバンクファイルの選択手順の一例を示すフローチャートである。図8及び図9に示す手順では、初期状態として、プログラムファイルをもとにセンシング点、データバンク選択テーブルのテーブル番号が指定され、溶接ロボット10のセンシングが行われたものとする。さらに、データバンク選択装置30は、制御装置20から、テーブル番号およびセンシング結果を受信しているものとする。即ち、データバンク選択装置30の受信部31は、各センシング点で計測された勾配角度や、開先角度、ルートギャップを受信している。
次に、データバンクファイルを選択する手順について、具体例を示して説明する。図10(a)、(b)は、データバンクファイルを選択する手順の具体例を説明するための図である。ここで、図10(a)、(b)に示す例では、プログラムファイルにて指定されたテーブル番号によりデータバンク選択テーブルが特定されているものとする。また、図8に示すステップ102で、最初のセンシング点における開先角度を含む開先角度範囲が存在し、肯定の判断(Yes)がされたものとする。
次に、制御装置20の処理手順について説明する。図11は、制御装置20の処理手順の一例を示すフローチャートである。
次に、データバンク選択装置30の処理手順について説明する。図12は、データバンク選択装置30の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12に示す処理は、データバンクファイルを選択する処理を行うためのソフトウェアがデータバンク選択装置30にて起動されている間、繰り返し行われるものとする。
次に、データバンクファイルの選択手順の他の例について説明する。図13は、データバンクファイルの選択手順の他の例を示すフローチャートである。図13に示す手順では、図8及び図9に示す手順と同様に、初期状態として、プログラムファイルをもとにセンシング点、データバンク選択テーブルのテーブル番号が指定され、溶接ロボット10のセンシングが行われたものとする。さらに、データバンク選択装置30は、制御装置20から、テーブル番号およびセンシング結果を受信しているものとする。
一方、ステップ411で肯定の判断(Yes)がされた場合、ファイル選択部33は、次のセンシング区間を選択し、ステップ404に移行する。
さらに、本実施の形態において、制御装置20と溶接ロボット10とが別々に設けられていることとしたが、溶接ロボット10が制御装置20の機能を有することとしても良い。
Claims (8)
- 被溶接部材の溶接線に沿った複数の位置で計測されたルートギャップの大きさを取得する取得手段と、
予め定められた溶接条件、および当該溶接条件に対応して予め定められたルートギャップの大きさの範囲を記憶する記憶手段と、
前記複数の位置のうち隣り合う2つの位置の間の区間を溶接する際の条件として、当該隣り合う2つの位置のルートギャップの大きさから求められる前記範囲に対応する前記溶接条件を選択する選択手段と
を備えた溶接システム。 - 前記選択手段は、前記隣り合う2つの位置のルートギャップの両方が含まれる前記範囲が存在する場合、当該範囲に対応する前記溶接条件を選択すること
を特徴とする請求項1に記載の溶接システム。 - 前記選択手段は、前記隣り合う2つの位置のルートギャップの両方が含まれる前記範囲が、2つ以上存在する場合、2つ以上の当該範囲のそれぞれに対応する前記溶接条件のうち、最初のパスにおける電流値が最も高い当該溶接条件を選択すること
を特徴とする請求項1に記載の溶接システム。 - 前記選択手段は、前記隣り合う2つの位置のルートギャップの両方が含まれる前記範囲が存在せず、ルートギャップのいずれか一方が含まれる前記範囲が2つ以上存在する場合、2つ以上の当該範囲のそれぞれに対応する前記溶接条件のうち、最初のパスにおける電流値が最も低い当該溶接条件を選択すること
を特徴とする請求項1に記載の溶接システム。 - 前記選択手段は、前記隣り合う2つの位置のルートギャップの中間値が含まれる前記範囲が、2つ以上存在する場合、2つ以上の当該範囲のそれぞれに対応する前記溶接条件のうち、最初のパスにおける電流値が最も高い当該溶接条件を選択すること
を特徴とする請求項1に記載の溶接システム。 - 前記取得手段は、前記複数の位置で計測された開先角度の大きさを取得し、
前記記憶手段は、前記溶接条件に対応して予め定められた開先角度の大きさの範囲を記憶し、
前記選択手段は、前記複数の位置のうち溶接線の端で計測された開先角度の大きさが含まれる前記範囲に対応する前記溶接条件を選択すること
を特徴とする請求項1に記載の溶接システム。 - 被溶接部材の溶接線に沿った複数の位置で計測されたルートギャップの大きさを取得し、
予め定められた溶接条件、および当該溶接条件に対応して予め定められたルートギャップの大きさの範囲を記憶し、
前記複数の位置のうち隣り合う2つの位置の間の区間を溶接する際の条件として、当該隣り合う2つの位置のルートギャップの大きさから求められる前記範囲に対応する前記溶接条件を選択すること
を特徴とする溶接方法。 - コンピュータに、
被溶接部材の溶接線に沿った複数の位置で計測されたルートギャップの大きさを取得する機能と、
予め定められた溶接条件、および当該溶接条件に対応して予め定められたルートギャップの大きさの範囲を記憶する機能と、
前記複数の位置のうち隣り合う2つの位置の間の区間を溶接する際の条件として、当該隣り合う2つの位置のルートギャップの大きさから求められる前記範囲に対応する前記溶接条件を選択する機能と
を実現させるためのプログラム。
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