JP2016081393A - キーボード装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】キーキャップとその周囲のフレームとの間の隙間を小さくすることができるキーボード装置及び該キーボード装置を備えた電子機器を提供する。【解決手段】キーボード装置10は、ベースプレート30と、ベースプレート30の上面側に設けられたガイド機構28と、ガイド機構28に取り付けられて上下方向にガイドされることで上下動可能に配設された複数のキーキャップ24とを備え、隣接するキーキャップ24間をフレーム26で区画した構成からなる。このキーボード装置10において、ガイド機構28は、ベースプレート30に対して水平方向に浮動可能な状態で取り付けられ、且つフレーム26に対して水平方向に移動不能に位置決めされて取り付けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に用いられるキーボード装置及び該キーボード装置を備えた電子機器に関する。
パーソナルコンピュータ等の電子機器に用いられるキーボード装置では、ベースプレートと、ベースプレートの上面又は下面に設けられたメンブレンシートと、ベースプレートの上面側に上下動可能に配設されたキーキャップとを備えた構成がある。この構成では、キーキャップが押下された場合にメンブレンシートの接点が接離することで押下されたキーに該当する信号が出力され、キーキャップの押下が解除されると内部に設けた弾性部材の弾性力によってキーキャップが元の位置に復帰する。
キーボード装置には、各キーキャップ同士がフレームレスで互いに隣接配置される構成の他、各キーキャップの押し間違え防止等のために各キーキャップの周囲をフレーム(コスメティックフレーム)で囲んだアイソレーション型のものがある。例えば、特許文献1,2には、キーキャップをベースプレートに対してパンタグラフ型や変形可能な板状部材からなるガイド機構によって上下動可能にガイドする構成を備えたアイソレーション型のキーボード装置が開示されている。
特開2011−107824号公報 特開2013−89240号公報
上記特許文献1,2記載のキーボード装置では、ガイド機構をベースプレートに対して位置決め固定している。従って、フレームやベースプレート等の部品精度や各部品の組立精度によってはフレームに複数形成されたキーキャップ配置用の孔部とキーキャップとが干渉する懸念があり、これら孔部とキーキャップとの間の隙間にある程度の余裕を持たせておく必要がある。そのため、この隙間から異物が侵入し易く、また隙間が大きいとキーボード装置の美観が損なわれてしまう。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、キーキャップとその周囲のフレームとの間の隙間を小さくすることができるキーボード装置及び該キーボード装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係るキーボード装置は、ベースプレートと、該ベースプレートの上面側に設けられたガイド機構と、該ガイド機構に取り付けられて上下方向にガイドされることで上下動可能に配設された複数のキーキャップとを備え、隣接するキーキャップ間をフレームで区画したキーボード装置であって、前記ガイド機構は、前記ベースプレートに対して水平方向に浮動可能な状態で取り付けられ、且つ前記フレームに対して水平方向に移動不能に位置決めされて取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る電子機器は、上記構成のキーボード装置を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、ガイド機構に取り付けられたキーキャップとフレームとの間の位置関係が固定され、これらキーキャップ及びフレームとベースプレートとの位置関係はある程度調整可能な浮動状態にある。このため、フレームとキーキャップとの間の隙間を可及的に小さくしつつも、ガイド機構とベースプレートとの組付け性を確保できる。これにより、フレームとキーキャップとの間の隙間からの異物の侵入を抑制できると共に、当該キーボード装置の美観も向上する。また、キーキャップに対して指先や爪を引っ掛けにくくなることから、キーキャップの脱落防止性能も向上する。
前記フレームは、前記キーキャップが上下動可能に挿入配置される孔部と、該孔部の内壁面から突出し、前記ガイド機構を位置決め固定するアーム部とを有する構成であると、アーム部によってガイド機構を容易に且つ確実に位置決めすることができる。
前記ガイド機構は、一端が前記ベースプレートに対して水平方向に浮動可能且つ回転可能に係止され、他端が前記キーキャップに対して水平方向に移動不能且つ回転可能に支承された内側枠と、前記内側枠の外側に該内側枠に対して筋交い状に設けられ、一端が前記キーキャップに対して水平方向で他端側に向かって移動可能且つ回転可能に係止され、他端が前記ベースプレートに対して水平方向に浮動可能且つ回転可能に係止された外側枠とを有し、前記外側枠の他端が前記フレームに対して水平方向に位置決めされた構成であってもよい。
この場合、前記ベースプレートは、前記内側枠の一端に設けられた軸部材を係止する内側枠用係止片と、前記外側枠の他端に設けられた軸部材を係止する外側枠用係止片とを有し、前記内側枠と前記内側枠用係止片との間、前記外側枠と前記外側枠用係止片との間、前記内側枠の軸部材と内側枠用係止片との間、及び前記外側枠の軸部材と前記外側枠用係止片との間には、水平方向の隙間が設けられる構成であると、簡素な構造でガイド機構をベースプレートに対して水平方向に浮動可能に取り付けることができる。
前記キーキャップには、その側面下端部から外方へと突出し、前記フレームの下面に当接可能な突出部が設けられ、該突出部が前記フレームに当接することで前記キーキャップの最高高さが規定されるものであり、前記内側枠の軸部材と内側枠用係止片との間及び前記外側枠の軸部材と外側枠用係止片との間の隙間は、前記キーキャップの上下方向位置に関わらず確保されるとよい。そうすると、ガイド機構の上動限界によってキーキャップの最高高さが規定されず、キーキャップの突出部がフレームに当接することでキーキャップの最高高さが規定される。このため、各キーキャップの高さ位置の精度が向上し、キーストロークやキーフィーリングが安定する。また、突出部によってキーキャップのより確実な抜け止めがなされる。
本発明によれば、フレームとキーキャップとの間の隙間を可及的に小さくでき、この隙間からの異物の侵入を抑制できると共に、当該キーボード装置の美観も向上する。
図1は、本発明の一実施形態に係るキーボード装置を備えた電子機器の斜視図である。 図2は、図1に示すキーボード装置に設けられたキースイッチを拡大した平面図である。 図3は、図2に示すキースイッチの側面図である。 図4は、図2に示すキースイッチからキーキャップを取り外した状態を示す平面図である。 図5は、図4中のV−V線に沿う断面図である。 図6は、キーキャップを下面側から見た斜視図である。 図7は、フレームを下面側から見た要部拡大斜視図である。
以下、本発明に係るキーボード装置について、この装置を備えた電子機器との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るキーボード装置10を備えた電子機器12の斜視図であり、図2は、図1に示すキーボード装置10に設けられたキースイッチ14を拡大した平面図である。本実施形態では、キーボード装置10をノートブック型パーソナルコンピュータ(ノート型PC)である電子機器12に適用した構成を例示する。本発明は、デスクトップ型パーソナルコンピュータ(デスクトップ型PC)等、ノート型PC以外の各種電子機器用のキーボード装置にも適用できる。
以下、図1に示すノート型PCでの使用形態を基準とし、ディスプレイ16を視認しながらキーボード装置10を操作する使用者から見た方向で、手前側を前側(前方)、奥側を後側(後方)、幅方向をそれぞれ左右方向(左側及び右側)、さらにキーボード装置10の厚み方向を上下方向と呼んで説明する。
図1に示すように、電子機器12は、ディスプレイ16を有する表示部18と、キーボード装置10を有する本体部20とを備え、表示部18と本体部20とが左右一対のヒンジ機構22によって回動可能に連結されている。
表示部18は、ヒンジ機構22を通過した図示しないケーブルにより、本体部20と電気的に接続されている。ディスプレイ16は、例えば、タッチパネル式の液晶表示装置によって構成される。
本体部20は、扁平な箱状に形成された筐体20aの後端縁部にヒンジ機構22が設けられている。筐体20aの内部には、図示しない基板、演算装置、及びメモリ等の各種電子部品が収納されると共に、キーボード装置10が筐体20aの上面で露出している。
キーボード装置10は、複数のキースイッチ14と、各キースイッチ14の操作面を構成するキーキャップ24の周囲の隙間を埋めるフレーム(コスメティックフレーム)26とを備えたアイソレーション型のキーボード装置である。このようにキーボード装置10では、隣接するキーキャップ24間がフレーム26によって区画され、それぞれが独立した構成となっている。
フレーム26は、樹脂等で形成された1枚の板状部材に各キースイッチ14のキーキャップ24を挿通させる複数の孔部26a(図2及び図7参照)が形成された枠体である。孔部26aの内壁面とキーキャップ24の外周側面との間には、図2に示すような僅かな隙間G1が設定されている。フレーム26は、筐体20aの上面と略面一又は多少低位置となるように該筐体20aに対して取り付けられている。
次に、キーボード装置10の具体的な構成について説明する。
図3は、図2に示すキースイッチ14の側面図であり、キーキャップ24を最高高さまで上動させたときの状態を示している。図4は、図2に示すキースイッチ14からキーキャップ24を取り外した状態を示す平面図であり、図5は、図4中のV−V線に沿う断面図である。また、図6は、キーキャップ24を下面側から見た斜視図であり、図7は、フレーム26を下面側から見た要部拡大斜視図である。
図3〜図5に示すように、キーボード装置10は、キーキャップ24をガイド機構28で上下動可能に支持したキースイッチ14と、キースイッチ14を上面側に支持するベースプレート30と、ベースプレート30の上面側に積層されたメンブレンシート32と、ベースプレート30の下面側に貼着された防水シート34とを備える。
ベースプレート30は、キースイッチ14の取付板となるものであり、当該キーボード装置10に配設される全てのキースイッチ14が1つのベースプレート30を共用している。ベースプレート30は、薄いアルミニウム板等の金属板に切り起こし成形や打ち抜き成形を施したものである。ベースプレート30の上面には、ガイド機構28を取り付けるための係止片36,38がそれぞれ左右一対で前後に形成されている。前側の係止片36は前方を向いたフック形状であり、後側の係止片38は後方を向いたフック形状である(図3参照)。フレーム26は、ベースプレート30の上面に設置される。
メンブレンシート32は、押圧された場合に接点が閉じる三層構造のスイッチシートであって、ベースプレート30の上に積層されている。メンブレンシート32は、固定接点及び可動接点が重なる位置が押圧された場合に、固定接点と可動接点とが密着することにより、接点を閉じるものである。メンブレンシート32は、例えば上面に固定接点が形成された下側シートと、固定接点と対向する可動接点が下面に形成された上側シートと、下側シートと上側シートとの間に設けられ、通常状態において固定接点と可動接点とを離隔するスペーサシートとを積層した構成である。メンブレンシート32は各所に貫通孔を有し、この貫通孔を通してガイド機構28がベースプレート30の上面に着地する。メンブレンシート32は、ベースプレート30の下に積層されてもよい。
キーキャップ24は信号を入力するための操作部材であり、ベースプレート30の上方にガイド機構28を介して配設される。図2に示すように、キーキャップ24は平面視で略四角形状であり、操作面となる上面24aと、上面24aの4辺の縁部から下方に延びた側面24bとを有し、樹脂等で成形される。上面24aは、キーキャップ24を指で確実に押下操作可能とするため、中央が凹んだ湾曲面となっている。左側の側面24bには前後一対の突出部25L,25Lが外方へと突出形成され、右側の側面24bには前後一対の突出部25R,25Rが外方へと突出形成されている。上面24a及び各側面24bで囲まれたキーキャップ24の内側空間は、ガイド機構28及びラバードーム40の配設空間となっている(図3及び図5参照)。キーキャップ24の下面には、ガイド機構28を係止する係止部42,44がそれぞれ左右一対で前後に形成されている(図3及び図6参照)。
突出部25L,25Rは、側面24bから外方に突出した平面視略矩形形状の翼状部材である。突出部25L,25Rは、フレーム26の孔部26aの内壁面に形成された溝部26b内で上下動可能であり(図7参照)、溝部26bの天面に当接することで上方への抜け止めがなされる。突出部25L,25Rは、キーキャップ24の上動方向での最高高さ位置を規定する機能も有し、キーキャップ24を押下操作していない状態で突出部25L,25Rは溝部26bの天面に当接した状態となる。
ラバードーム40は、キーキャップ24が押下された場合にメンブレンシート32を押圧すると共に、キーキャップ24の押下操作が解除された際にキーキャップ24を元の位置に復帰させるための弾性部材であり、メンブレンシート32とキーキャップ24との間に配設されている。ラバードーム40は、シリコンゴム等、可撓性を有する弾性材料で形成されている。ラバードーム40は、キーキャップ24の下面に接する頂部40aと、頂部40aの下端から下方に向けて傘状に拡開してメンブレンシート32上に固着される基部40bと、基部40bの内側中心で下方に向けて突設されてメンブレンシート32を押圧する押圧部40cとを有する。
キースイッチ14では、キーキャップ24が押下操作されると、その操作力がラバードーム40の頂部40aに伝わり、基部40bが弾性変形すると共に、押圧部40cがメンブレンシート32を押圧する。これにより、メンブレンシート32は接点を閉じる。一方、キーキャップ24への押下操作が解除されると、ラバードーム40の弾性復元力により、基部40bが元の形状に戻り、押圧部40cが元の位置に復帰する。これにより、キーキャップ24が元の位置に戻り、メンブレンシート32が接点を開く。
図3及び図4に示すように、ガイド機構28は、キーキャップ24を上下動可能に支持するものであり、ベースプレート30とキーキャップ24との間に折り畳み可能に取り付けられている。ガイド機構28は、内側枠50と、内側枠50と対を成す外側枠52とを備える。これら内側枠50と外側枠52とは筋交い状に取り付けられ、キーキャップ24をベースプレート30上で上下動可能にガイドするパンタグラフとして機能する。
内側枠50は、中央にラバードーム40が挿通する開口部50aが形成された枠体であって、外形が平面視矩形状、内形が平面視円形状に形成されている。内側枠50は、後側に左右一対形成された軸部材54,54がベースプレート30の後側の係止片38,38に対して水平方向に浮動可能な状態で前後方向に移動可能且つ回転可能に係止され、前側に左右一対形成された軸部材56,56がキーキャップ24の前側の係止部42,42に対して水平方向に移動不能且つ回転可能に支承される。
外側枠52は、内側枠50が内側に嵌り込む枠体であって、外形及び内形が平面視矩形状に形成されている。外側枠52は、後側に左右一対形成された軸部材58,58がキーキャップ24の後側の係止部44,44に対して前後方向に移動可能且つ回転可能に係止され、前側に左右一対形成された軸部材60,60がベースプレート30の前側の係止片36,36に対して水平方向に浮動可能且つ回転可能に係止される。
すなわち、内側枠50の軸部材54とベースプレート30の係止片(内側枠用係止片)38との間には、図4に示すような左右方向の隙間G2が設けられ、外側枠52の軸部材60とベースプレート30の係止片(外側枠用係止片)36との間には、図4に示すような左右方向の隙間G3が設けられる。さらに、上記のようにキーキャップ24が押下操作されず、突出部25L,25Rがフレーム26の溝部26bの天面に当接してキーキャップ24が最も上動した位置にある状態では、図3に示すように外側枠52の軸部材60及び内側枠50の軸部材54がベースプレート30の係止片36,38との間に前後方向の隙間G4,G5を有する。これにより、ガイド機構28はベースプレート30に対して水平方向で前後左右に浮動可能な状態で取り付けられている。
外側枠52の前側の各軸部材60は、さらに、係止片36での係止位置より先端側となる位置で、フレーム26のアーム部26cによって水平方向に移動不能且つ回転可能に支承されている。アーム部26cは、フレーム26の孔部26aの内壁面から内方に突出しており、その先端部には、下面側に向かって拡径する一対のテーパ形状が設けられている。アーム部26cは、このテーパ形状によって軸部材60を上方から押さえ付けて回転のみを許容した状態で支承する(図3及び図4参照)。
従って、ガイド機構28は、内側枠50の軸部材56がキーキャップ24に対して水平方向に移動不能且つ回転可能に支承されることでキーキャップ24との間での位置決めがなされている。さらに、ガイド機構28は、内側枠50の軸部材54及び外側枠52の軸部材60がベースプレート30に対して隙間G2,G3によって水平方向で浮動可能な状態で係止される一方、外側枠52の軸部材60がフレーム26に対して水平方向に移動不能且つ回転可能な状態で位置決め支承されている。これにより、ガイド機構28とフレーム26との間での位置決めがなされ、同時にキーキャップ24とフレーム26との間の位置決めがなされる一方、これらキーキャップ24及びガイド機構28はベースプレート30に対して水平方向に浮動可能な状態で係止されている。
なお、図3から明らかなように、キーキャップ24が押下操作された際には、軸部材54は係止片38から離間する後方へと移動するが、軸部材60はアーム部26cによってフレーム26に対して位置決めされており、係止片36に対する位置は変化しない。このため、軸部材60,54と係止片36,38との間の前後方向の隙間G4,G5は、キーキャップ24の上方方向位置に関わらず常に確保されることになる。
以上のように、本実施形態に係るキーボード装置10では、隣接するキーキャップ24間をフレーム26で区画した構造において、ガイド機構28がベースプレート30に対して水平方向に浮動可能な状態で取り付けられると同時に、フレーム26に対して水平方向に移動不能に位置決めされて取り付けられている。
これにより、ガイド機構28に取り付けられたキーキャップ24とフレーム26との間の位置関係が固定され、これらキーキャップ24及びフレーム26とベースプレート30との位置関係はある程度調整可能な浮動状態となる。このため、フレーム26の孔部26aとここに挿入配置されるキーキャップ24の側面24bとの間の隙間G1(図2参照)を可及的に小さく設定しても、ガイド機構28とベースプレート30との間が浮動状態にあるため円滑な組付け性が確保でき、例えば隙間G1を0.5〜0.2mm程度と極小に設定することが可能となる。その結果、隙間G1からの異物の侵入を抑制できると共に、液体の浸入圧力が減って防水性能が向上し、さらにキーボード装置10の美観も向上する。また、指先や爪を引っ掛けにくくなることから、キーキャップ24の脱落防止性能も向上する。
さらに、キーキャップ24とフレーム26との間の位置関係が固定され、これらキーキャップ24及びフレーム26とベースプレート30との位置関係はある程度調整可能な浮動状態にあるため、当該キーボード装置10が温度の影響を受けた場合の不具合の発生が抑制されている。すなわち、例えば樹脂材料で形成されるキーキャップ24及びフレーム26の熱伸縮量が略同一となる一方、熱伸縮量が異なる金属材料で形成されるベースプレート30との間は浮動状態で取り付けられている。このため、キーボード装置10が温度の影響を受けた場合であっても、キーキャップ24とフレーム26との間の隙間G1を維持し易く、両者の干渉によるキーキャップ24の操作に対する不具合が出ることが抑えられ、さらに熱伸縮量の異なるベースプレート30に対しては浮動状態にあるため、ベースプレート30の熱伸縮によってキーキャップ24とフレーム26との位置関係に影響がでることも抑制できる。
本実施形態に係るキーボード装置10では、内側枠50と係止片38との間、外側枠52と係止片36との間、内側枠50の軸部材54と係止片38との間、及び外側枠52の軸部材60と係止片36との間には、水平方向の隙間G2,G3,G5,G4がそれぞれ設けられる。すなわち、キーボード装置10では、これら各隙間G2〜G5を設けるだけの簡素な構造によってガイド機構28をベースプレート30に対して浮動可能に取り付けることができる。
この場合、キーキャップ24には、その側面24bの下端部から外方へと突出し、フレーム26の下面に当接可能な突出部25L,25Rが設けられ、該突出部25L,25Rがフレーム26に当接することでキーキャップ24の最高高さが規定される。そして、外側枠52の軸部材60と係止片36との間及び内側枠50の軸部材54と係止片38との間の隙間G4,G5は、キーキャップ24の上下方向位置に関わらず確保される構造となっている。換言すれば、キーボード装置10では、ガイド機構28の上動限界によってキーキャップ24の最高高さが規定されず、キーキャップ24の突出部25L,25Rがフレーム26に当接することでキーキャップ24の最高高さ位置が規定される。このため、各キーキャップ24の高さ位置の精度が向上し、キーストロークやキーフィーリングが安定する。例えば、パンタグラグ型のガイド機構によってキーキャップの最高高さを規定する従来構造では、各キーキャップ間の高さ精度が±0.2〜0.3mm程度であったのに対し、当該キーボード装置10の場合には±0.1mm程度の高さ精度を実現できる。また、突出部25L,25Rによってキーキャップ24のより確実な抜け止めを図ることができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 キーボード装置
12 電子機器
14 キースイッチ
16 ディスプレイ
18 表示部
20 本体部
24 キーキャップ
25L,25R 突出部
26 フレーム
26a 孔部
26b 溝部
26c アーム部
28 ガイド機構
30 ベースプレート
32 メンブレンシート
36,38 係止片
40 ラバードーム
42,44 係止部
50 内側枠
52 外側枠
54,56,58,60 軸部材
G1〜G5 隙間

Claims (6)

  1. ベースプレートと、該ベースプレートの上面側に設けられたガイド機構と、該ガイド機構に取り付けられて上下方向にガイドされることで上下動可能に配設された複数のキーキャップとを備え、隣接するキーキャップ間をフレームで区画したキーボード装置であって、
    前記ガイド機構は、前記ベースプレートに対して水平方向に浮動可能な状態で取り付けられ、且つ前記フレームに対して水平方向に移動不能に位置決めされて取り付けられていることを特徴とするキーボード装置。
  2. 請求項1記載のキーボード装置において、
    前記フレームは、前記キーキャップが上下動可能に挿入配置される孔部と、該孔部の内壁面から突出し、前記ガイド機構を位置決め固定するアーム部とを有することを特徴とするキーボード装置。
  3. 請求項1又は2記載のキーボード装置において、
    前記ガイド機構は、一端が前記ベースプレートに対して水平方向に浮動可能且つ回転可能に係止され、他端が前記キーキャップに対して水平方向に移動不能且つ回転可能に支承された内側枠と、
    前記内側枠の外側に該内側枠に対して筋交い状に設けられ、一端が前記キーキャップに対して水平方向で他端側に向かって移動可能且つ回転可能に係止され、他端が前記ベースプレートに対して水平方向に浮動可能且つ回転可能に係止された外側枠とを有し、
    前記外側枠の他端が前記フレームに対して水平方向に位置決めされていることを特徴とするキーボード装置。
  4. 請求項3記載のキーボード装置において、
    前記ベースプレートは、前記内側枠の一端に設けられた軸部材を係止する内側枠用係止片と、前記外側枠の他端に設けられた軸部材を係止する外側枠用係止片とを有し、
    前記内側枠と前記内側枠用係止片との間、前記外側枠と前記外側枠用係止片との間、前記内側枠の軸部材と内側枠用係止片との間、及び前記外側枠の軸部材と前記外側枠用係止片との間には、水平方向の隙間が設けられることを特徴とするキーボード装置。
  5. 請求項4記載のキーボード装置において、
    前記キーキャップには、その側面下端部から外方へと突出し、前記フレームの下面に当接可能な突出部が設けられ、該突出部が前記フレームに当接することで前記キーキャップの最高高さが規定されるものであり、
    前記内側枠の軸部材と内側枠用係止片との間及び前記外側枠の軸部材と外側枠用係止片との間の隙間は、前記キーキャップの上下方向位置に関わらず確保されることを特徴とするキーボード装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のキーボード装置を備えることを特徴とする電子機器。
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