JP2016080810A - 電気光学装置、開口要素の位置の補正方法、電気光学装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

電気光学装置、開口要素の位置の補正方法、電気光学装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】一対の基板の貼り合わせにおけるずれを考慮して画素の開口要素の位置を補正し表示ムラが生じ難い電気光学装置、開口要素の位置の補正方法、電気光学装置の製造方法、電子機器を提供する。【解決手段】電気光学装置は、一対の基板と、一対の基板のうち一方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第1開口要素と、一対の基板のうち他方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素(マイクロレンズML)とを備え、一方の基板の第1開口要素の位置を基準とした他方の基板の第2開口要素(マイクロレンズML)の位置が、複数の画素が配置される画素領域Eの中心から画素領域Eの縁部に向かう一方向において、画素領域Eの中心側から離れるにしたがって徐々に大きくずれるように補正されている。【選択図】図12

Description

本発明は、複数の画素を有する電気光学装置、画素における開口要素の位置の補正方法、電気光学装置の製造方法、電子機器に関する。
電気光学装置としての液晶表示装置は、一対の基板を対向配置し、その隙間に液晶層を挟持して、複数の画素を構成することにより表示を可能としている。一対の基板は、一般的に接着剤を用いて所定の位置で貼り合わされるものの、所定の位置に対して、一対の基板が相対的に許容以上ずれて接着されると、所望の光学特性が得られなくなるという課題がある。
このような課題に対して、例えば、特許文献1には、対向配置されてマトリクス状に画素が構成される一対の基板のうち少なくとも一方の基板の画素のピッチが周辺に向かって連続的に変化する基板同士を貼り合わせる工程と、一対の基板に対する熱処理工程とを具備した電気光学装置の製造方法が開示されている。また、画素のピッチが周辺に向かって連続的に変化する基板とは、画素位置を補正して形成した基板であることが示されている。さらに、画素位置の補正値を求める方法として、画素位置が補正されていない一対の基板を対向配置して貼り合わせる工程と、貼り合わせた一対の基板に対する接着工程及び加熱工程終了後に、一対の基板同士の変形量のずれを計測するずれ量計測工程と、ずれ量計測工程の計測結果に基づいて、一対の基板のうちの一方の基板についてマトリクス状の画素の各画素位置における補正値を求める補正値算出工程とを具備する補正値算出方法が開示されている。
特開2004−61633号公報
上記特許文献1では、シール材を用いて一対の基板を接着する際の両基板の熱膨張における変形量の差に起因して、画素位置を規定するところの、遮光膜及びマイクロレンズの各位置と、遮光エリア及び開口領域の各位置とがずれて、開口領域を通過する光の透過率の低下が起こることを画素のピッチを補正することで改善する例が示されている。
しかしながら、一対の基板の熱膨張に起因するずれ量を考慮して一方の基板の画素のピッチを補正すると、熱膨張による変形以外の一対の基板における位置決めのずれがある場合、上記透過率の低下による表示ムラが比較的容易に生じた。つまり単純な組立ずれに対して表示ムラが生じ易い電気光学装置となるおそれがあった。
また、受光型の電気光学装置の場合、照明光は、必ずしも一定の方向(例えば、電気光学装置を構成する基板の法線方向)から入射するわけではなく、照明光が電気光学装置に入射する入射角度による強度分布を有していることもある。したがって、上記特許文献1の電気光学装置の製造方法を用いたとしても、上記透過率の低下を効果的に改善できず、表示ムラが顕著になるおそれがあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る電気光学装置は、一対の基板と、前記一対の基板のうち一方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第1開口要素と、前記一対の基板のうち他方の基板において前記画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素とを備えた電気光学装置であって、前記一方の基板の前記第1開口要素の位置を基準とした前記他方の基板の前記第2開口要素の位置が、複数の前記画素が配置される画素領域の中心から前記画素領域の縁部に向かう一方向において、前記画素領域の中心側から離れるにしたがって徐々に大きくずれるように補正されていることを特徴とする。
本適用例によれば、一方の基板の第1開口要素の位置を基準として、他方の基板の第2開口要素の位置が補正されているため、補正がなされていない場合に比べて、一方の基板と他方の基板とを貼り合わせて電気光学装置を構成する際の双方の基板の相対的な位置ずれの許容量を大きくすることができる。また、画素領域に入射する入射光が入射角度による強度分布を有していたとしても、入射光の光軸が画素領域の中心を通るように設定される場合、上記入射光の強度分布の影響で表示ムラが生じ難い電気光学装置を提供することができる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記画素領域は設計上で複数の補正領域に分割され、前記一方向において、前記画素領域の中心から最も離れた位置にある所定画素の前記第2開口要素の位置の補正量を、前記複数の補正領域の位置に応じて配分された補正値が、当該補正領域に含まれる画素の前記第2開口要素に適用されていることを特徴とする。
この構成によれば、複数の画素のそれぞれにおいて、補正値を求めて適用する場合に比べて、補正値が複数の補正領域ごとに設定されるので、第2開口要素の位置の補正を容易に行える。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記複数の補正領域のうち、前記画素領域の中心を含む補正領域における画素の前記第2開口要素の前記補正値はゼロであるとしてもよい。
この構成によれば、入射光の光軸が画素領域の中心を通るように設定される場合、光軸周りでは画素領域に入射する入射光の入射角度による強度が変動し難いので、画素領域の中心を含む補正領域において補正値をゼロとしても表示ムラが生じ難い。言い換えれば、より簡素な第2開口要素の位置の補正を実現できる。
上記適用例に記載の電気光学装置において、前記第1開口要素及び前記第2開口要素のそれぞれは、マイクロレンズ、プリズム、カラーフィルター、ブラックマトリックスのいずれかであることを特徴とする。
この構成によれば、開口要素としてマイクロレンズ、プリズム、カラーフィルター、ブラックマトリックスのいずれかを含んでいても、表示ムラが生じ難い電気光学装置を提供できる。
[適用例]本適用例に係る開口要素の位置の補正方法は、一対の基板と、前記一対の基板のうち一方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第1開口要素と、前記一対の基板のうち他方の基板において前記画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素とを備えた電気光学装置の複数の画素における開口要素の位置の補正方法であって、複数の前記画素が配置される画素領域の中心を通る一方向において、前記画素領域の中心から最も離れた位置にある所定画素における入射光の入射角度別強度分布を求めるステップS1と、前記ステップS1の結果から、前記所定画素の前記第1開口要素の位置を基準として、前記所定画素の明るさが最大となる前記所定画素の前記第2開口要素のずらし方向と位置の補正量とを求めるステップS2と、前記所定画素の前記第2開口要素の前記ずらし方向と前記位置の補正量に基づいて、前記複数の画素ごとに、前記画素領域における座標に応じて、前記第2開口要素のずらし方向と位置の補正値とを求めるステップS3と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、画素領域に入射する入射光が入射角度別強度分布を有していても、画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素の位置が、第1開口要素の位置を基準として補正されるので、複数の画素のそれぞれの開口部を通過する入射光の光量のばらつきが低減され、電気光学装置において表示ムラが生じ難い開口要素の位置の補正方法を提供できる。
上記適用例に記載の開口要素の位置の補正方法において、前記ステップS3では、前記画素領域を設計上で複数の補正領域に分割し、前記一方向において、前記画素領域の中心から最も離れた位置にある前記所定画素の前記第2開口要素の位置の補正量を、前記複数の補正領域ごとに、前記画素領域における位置に応じて配分した前記補正値を求め、当該補正領域に含まれる画素に当該補正値を適用するとしてもよい。
この方法によれば、複数の画素のそれぞれにおいて、補正値を求めて適用する場合に比べて、補正値が複数の補正領域ごとに設定され、複数の画素における第2開口要素の位置の補正を容易に行うことができる。
上記適用例に記載の開口要素の位置の補正方法において、前記第1開口要素の位置を基準として、前記第2開口要素の位置の前記補正値が、前記画素領域の中心から前記画素領域の縁部に向かう一方向に行くほど大きくなっていることを特徴とする。
この方法によれば、画素領域に入射する入射光が画素領域の中心から離れるほど強度が強くなる強度分布を有していたとしても、入射光の光軸が画素領域の中心を通るように設定される場合、上記入射光の強度分布の影響で表示ムラが生じ難い電気光学装置の開口要素の位置の補正方法を提供できる。
上記適用例に記載の開口要素の位置の補正方法において、前記複数の補正領域のうち、前記画素領域の中心を含む補正領域における画素の前記第2開口要素の位置の前記補正値はゼロであるとしてもよい。
この方法によれば、入射光の光軸が画素領域の中心を通るように設定される場合、光軸周りでは画素領域に入射する入射光の入射角度による強度が変動し難いので、画素領域の中心を含む補正領域において補正値をゼロとしても表示ムラが生じ難い。言い換えれば、より簡素な第2開口要素の位置の補正方法を提供できる。
上記適用例に記載の開口要素の位置の補正方法において、前記第1開口要素及び前記第2開口要素のそれぞれは、マイクロレンズ、プリズム、カラーフィルター、ブラックマトリックスのいずれかが用いられていることを特徴とする。
この方法によれば、開口要素としてマイクロレンズ、プリズム、カラーフィルター、ブラックマトリックスのいずれかを含んでいても、表示ムラが生じ難い電気光学装置の開口要素の位置の補正方法を提供できる。
[適用例]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、一対の基板と、前記一対の基板のうち一方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第1開口要素と、前記一対の基板のうち他方の基板において前記画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素とを備えた電気光学装置の製造方法であって、上記適用例に記載の開口要素の位置の補正方法を用いて、前記一方の基板の前記第1開口要素の位置を基準とした前記第2開口要素の位置を補正して前記他方の基板を形成する工程と、前記一方の基板と前記他方の基板とを電気光学素子を介して対向配置し、貼り合わせる工程と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、一方の基板の第1開口要素の位置を基準として、第2開口要素の位置を補正して他方の基板が形成されているため、他方の基板において第2開口要素の位置の補正を行わない場合に比べて、一方の基板と他方の基板とを電気光学素子を介して貼り合わせる際の双方の基板の相対的な位置ずれの許容量を大きくすることができる。また、画素領域に入射する入射光が入射角度による強度分布を有していたとしても、入射光の光軸が画素領域の中心を通るように設定される場合、上記入射光の強度分布の影響で表示ムラが生じ難い電気光学装置を製造することができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
[適用例]本適用例に係る他の電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置の製造方法を用いて製造された電気光学装置を備えたことを特徴とする。
これらの適用例によれば、一対の基板の相対的な位置ずれに起因する表示ムラが生じ難い電気光学装置を備え、優れた表示品質を有する電子機器を提供することができる。
投写型表示装置の構成を示す概略図。 液晶装置の構成を示す概略平面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 図2のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図。 素子基板における画素の配置を示す概略断面図。 (a)及び(b)は対向基板における画素に対応したマイクロレンズの配置を示す概略平面図。 投写型表示装置における表示ムラを説明するための概略図。 投写映像の明るさを計測する方法を説明するための平面図。 (a)は素子基板側の開口部Psと対向基板側の開口部Pmの位置ずれを説明する平面図、(b)は開口部Psと開口部Pmの位置ずれと投写映像の明るさとの関係を示すグラフ。 (a)は画素領域に入射する入射光の入射角度別強度分布を光学的シミュレーションによって求めた結果を示す図、(b)はスクリーン上の番号04の領域と、番号06の領域とに対応する画素領域の一方向における入射角度別強度を示すグラフ。 (a)はスクリーン上の各領域における組ずれと明るさ(透過率)との関係を示すグラフ、(b)は同図(a)のスクリーン上の番号04の領域における組ずれと明るさ(透過率)との関係を示すグラフ、(c)は同図(a)のスクリーン上の番号06の領域における組ずれと明るさ(透過率)との関係を示すグラフ。 (a)及び(b)は画素領域における画素の開口要素の位置の補正の仕方を示す図。 変形例の第2開口要素(開口部Pm)を示す概略平面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態では、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えた電気光学装置としてのアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、以降に説明する投写型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<電子機器>
まず、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置が適用された電子機器としての投写型表示装置について、図1を参照して説明する。図1は投写型表示装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の電子機器としての投写型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投写レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ1207によってスクリーン1300上に投写され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、後述する液晶装置100(図2参照)が適用されたものである。液晶装置100の色光の入射側と射出側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投写型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、後述する液晶装置100が用いられているので、一対の基板の相対的な位置ずれに起因する表示ムラが生じ難く、明るい表示が可能な投写型表示装置1000を提供することができる。
<電気光学装置>
次に、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100について、図2〜図4を参照して説明する。図2は液晶装置の構成を示す概略平面図、図3は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図、図4は図2のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図である。
図2及び図4に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100は、対向配置された一対の基板としての素子基板20および対向基板30と、素子基板20と対向基板30との間に配置された電気光学素子としての液晶層40とを有する。図2に示すように、素子基板20は対向基板30よりも一回り大きく、両基板は、対向基板30の外縁に沿って額縁状に配置されたシール材42を介して貼り合わされている。
液晶層40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とによって囲まれた空間に封入された、正または負の誘電異方性を有する液晶分子で構成されている。シール材42は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材42の内側には、マトリックス状に配列した複数の画素Pを含む画素領域Eが設けられている。また、シール材42と画素領域Eとの間に画素領域Eを取り囲んで見切り部14が設けられている。見切り部14は、例えば遮光性の金属あるいは金属化合物などからなる。なお、画素領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、詳しくは後述するが、画素領域Eにおいて複数の画素Pの開口部の大きさや位置を規定する開口要素が素子基板20と対向基板30とにそれぞれ設けられている。
素子基板20には、複数の外部接続端子54が配列した端子部が設けられている。素子基板20の該端子部に沿った第1の辺部とシール材42との間にデータ線駆動回路51が設けられている。また、第1の辺部に対向する第2の辺部に沿ったシール材42と画素領域Eとの間に検査回路53が設けられている。さらに、第1の辺部と直交し互いに対向する第3及び第4の辺部に沿ったシール材42と画素領域Eとの間に走査線駆動回路52が設けられている。第2の辺部のシール材42と検査回路53との間に、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。なお、検査回路53の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路51と画素領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けてもよい。
これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、第1の辺部に沿って配列した複数の外部接続端子54に接続されている。以降、第1の辺部に沿った方向をX方向とし、第3の辺部に沿った方向をY方向として説明する。X方向は、図2のA− A’線に沿った方向である。また、X方向およびY方向と直交し、図2における上方に向かう方向をZ方向とする。本明細書では、液晶装置100の対向基板30の表面11b(図4参照)の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」という。
次に図3を参照して、液晶装置100の電気的な構成について説明する。液晶装置100は、少なくとも画素領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号配線としての複数の走査線2及び複数のデータ線3と、走査線2に沿って平行に配置された容量線4とを有する。走査線2が延在する方向がX方向であり、データ線3が延在する方向がY方向である。
走査線2、データ線3及び容量線4と、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極28と、TFT24と、蓄積容量5とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線2はTFT24のゲートに電気的に接続され、データ線3はTFT24のソースに電気的に接続されている。画素電極28はTFT24のドレインに電気的に接続されている。
データ線3はデータ線駆動回路51(図2参照)に接続されており、データ線駆動回路51から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線2は走査線駆動回路52(図2参照)に接続されており、走査線駆動回路52から供給される走査信号G1,G2,…,Gmを画素Pに供給する。
データ線駆動回路51からデータ線3に供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線3同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路52は、走査線2に対して、走査信号G1〜Gmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT24が走査信号G1〜Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線3から供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極28に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極28を介して液晶層40に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極28と液晶層40を介して対向配置された共通電極34(図4参照)との間で一定期間保持される。画像信号D1〜Dnの周波数は例えば60Hzである。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極28と共通電極34との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量5が接続されている。蓄積容量5は、TFT24のドレインと容量線4との間に設けられている。
なお、図2に示した検査回路53には、データ線3が接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図3の等価回路では検査回路53の図示を省略している。
本実施形態における画素回路を駆動制御する周辺回路は、データ線駆動回路51、走査線駆動回路52、検査回路53を含んでいる。また、周辺回路は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線3に供給するサンプリング回路、データ線3に所定電圧レベルのプリチャージ信号を上記画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
次に、図4を参照して、液晶装置100の構造について説明する。図4に示すように、素子基板20は、基板本体21と、基板本体21上に設けられた、第1遮光層22と、絶縁膜23と、TFT24と、第1層間絶縁膜25と、第2遮光層26と、第2層間絶縁膜27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。基板本体21は、例えばガラスや石英などの可視光波長領域における光の透過率が90%以上の透光性を有する材料が用いられている。
第1遮光層22及び第2遮光層26は、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)などの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性と導電性とを兼ね備えている。
第1遮光層22は、上層の第2遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されており、素子基板20の厚さ方向(Z方向)において、TFT24を間に挟むように配置されている。第1遮光層22および第2遮光層26により、TFT24への光の入射が抑制される。第1遮光層22及び第2遮光層26により囲まれた領域(開口部22a,26a内)は、光が素子基板20を透過する開口領域となる。
絶縁膜23は、基板本体21と第1遮光層22とを覆うように設けられている。絶縁膜23は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。TFT24は、絶縁膜23上に設けられている。図示を省略するが、TFT24は、半導体層、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を有している。
ゲート電極は、素子基板20において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に第1層間絶縁膜25の一部(ゲート絶縁膜)を介して対向配置されている。
第1遮光層22は、その一部が走査線2(図3参照)として機能するようにパターニングされている。ゲート電極は、ゲート絶縁膜と絶縁膜23を貫通するコンタクトホールを介して下層側に配置された走査線2に電気的に接続されている。
第1層間絶縁膜25は、絶縁膜23とTFT24とを覆うように設けられている。第1層間絶縁膜25は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。第1層間絶縁膜25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。第1層間絶縁膜25により、TFT24に起因する表面の凹凸が緩和される。
第1層間絶縁膜25上には、第2遮光層26が設けられている。第2遮光層26は、TFT24に電気的に接続される、例えば、データ線3や容量線4、あるいは蓄積容量5の電極のいずれかとして機能するようにパターニングされている。そして、第1層間絶縁膜25と第2遮光層26とを覆うように、無機材料からなる第2層間絶縁膜27が設けられている。
画素電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなり、第2層間絶縁膜27上に、画素Pに対応して設けられている。
画素電極28を覆う配向膜29は、正の誘電異方性を有する液晶(液晶分子)を略水平配向させることが可能な例えばポリイミドなどの有機樹脂材料や、負の誘電異方性を有する液晶(液晶分子)を略垂直配向させることが可能な例えば酸化シリコンなどの無機材料を用いることができる。
液晶層40を構成する液晶分子は、画素電極28と共通電極34との間に印加される電圧レベルにより配向状態が変化することにより、液晶層40に入射する光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置100からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。本実施形態では、対向基板30側から光が入射して液晶層40を透過し、素子基板20側から射出されることを前提に、液晶装置100が構成されている。
対向基板30は、マイクロレンズアレイ基板10と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。マイクロレンズアレイ基板10は、基板本体11と、複数の画素Pのそれぞれに対応して設けられたマイクロレンズMLを含むレンズ層13と、遮光膜としての見切り部14と、光路長調整層であるパス層31とを含んでいる。なお、マイクロレンズアレイ基板10は、共通電極34を含む構成としてもよいし、共通電極34及び配向膜35を含む構成としてもよい。
共通電極34は少なくとも画素領域Eに亘って形成され、対向基板30の4つの角部に設けられた上下導通部材56(図2参照)を介して素子基板20側の配線に電気的に接続されている。
基板本体11は、表面11bとは反対側の液晶層40側の表面11aに形成された複数の凹部12を有している。各凹部12は、各画素Pに対応して設けられている。凹部12は、その底部に向かって先細りとなる曲面状に形成され、マイクロレンズMLにおける凸状のレンズ面を構成するものである。したがって、以降、レンズ面12と呼ぶこともある。基板本体11は、例えばガラスや石英などの透光性を有する材料が用いられている。
レンズ層13は、基板本体11の一方の表面11a側に、複数の画素Pのそれぞれに対応して形成された複数の凹部12を埋めてなる複数のマイクロレンズMLを含んでいる。レンズ層13は、透光性を有し、基板本体11よりも屈折率nが高い無機のレンズ材料からなる。例えば、基板本体11の屈折率nがおよそ1.46の石英基板であるとすると、レンズ層13を構成するレンズ材料としては、SiON(屈折率n=1.55〜1.64)、Al23(屈折率n=1.76)などが挙げられる。なお、屈折率nは、基板本体11やレンズ層13を透過する光の波長に依存する。
レンズ層13は、基板本体11の一方の表面11aを選択的にエッチングして凹部12を形成し、上述したレンズ材料で凹部12を埋めることにより形成された凸状のマイクロレンズMLを含む。また、複数のマイクロレンズMLによりマイクロレンズアレイMLAが構成される。
レンズ層13のマイクロレンズMLと反対側の平坦な表面13aに見切り部14が設けられている。見切り部14は、複数のマイクロレンズMLが設けられた画素領域Eを囲む周辺領域に設けられている。また、詳しくは後述するが、画素領域Eには、見切り部14と同層において、マイクロレンズMLの配置に対応した遮光膜が設けられている。したがって、見切り部14を説明の都合上、単に遮光膜14と呼ぶこともある。
見切り部14は、例えば、Al(アルミニウム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、Cr(クロム)などの遮光性を有する材料、あるいはこれらの材料の中から選ばれた少なくとも2つの材料の積層体で構成することができる。図4では、詳細な図示を省略しているが、本実施形態では、見切り部14は、レンズ層13の表面13a側から順に積層されたAl(アルミニウム)とTiN(窒化チタン)の二層構造となっている。
見切り部14及びレンズ層13の表面13aを覆ってパス層31が設けられている。パス層31は、透光性を有し、例えば、基板本体11とほぼ同じ屈折率nを有する無機材料からなる。パス層31は、マイクロレンズアレイ基板10の液晶層40に面する側の表面を平坦化すると共に、マイクロレンズMLの焦点を所望の位置に合わせるために設けられている。したがって、パス層31の層厚は、光の波長に応じたマイクロレンズMLの焦点距離などの光学条件に基づいて適宜設定される。
パス層31を覆って共通電極34が設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成され、液晶層40を挟んで画素電極28と対向する対向電極である。共通電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜が用いられる。共通電極34は、液晶層40を挟んで複数の画素電極28と対向して配置されるので、画素Pごとに所望の光学特性を実現するためには、共通電極34の表面が平坦であることが好ましい。
共通電極34を覆って配向膜35が設けられている。配向膜35は、素子基板20側の配向膜29と同様に、例えばポリイミドなどの有機樹脂材料や、酸化シリコンなどの無機材料を用いて形成される。前述したように、配向膜29,35の材料選択や配向処理の方法は、液晶装置100の光学設計に基づく液晶の選定や表示モードによる。
液晶装置100では、光(照明光)は、マイクロレンズMLを備える対向基板30(基板本体11の表面11b)側から入射し、マイクロレンズMLによって画素Pごとに集光される。例えば、基板本体11の表面11b側から凸状のマイクロレンズMLに入射する光のうち、光軸に沿って入射し画素Pの平面的な中心を通過する入射光L1は、マイクロレンズMLをそのまま直進し、液晶層40を通過して素子基板20側に射出される。
入射光L1よりも外側でマイクロレンズMLの周縁部に入射した入射光L2は、基板本体11とレンズ層13との屈折率nの差により、画素Pの平面的な中心側へ屈折する。入射光L2が仮にそのまま直進すると、液晶層40や素子基板20を通過することで、わずかに屈折し、第2遮光層26(あるいは第1遮光層22)に入射して遮光されてしまうおそれがある。
液晶装置100では、このように第2遮光層26(あるいは第1遮光層22)で遮光されてしまうおそれがある入射光L2も、マイクロレンズMLの集光作用により液晶層40を通過させて第2遮光層26の開口部26a(あるいは第1遮光層22の開口部22a)内に入射させることができる。この結果、素子基板20側から射出される光の量が多くなるので、光の利用効率を高めることができる。
<画素の開口要素>
次に、素子基板20及び対向基板30のそれぞれにおける画素Pの開口部の大きさや位置を規定するところの開口要素について、図5及び図6を参照して説明する。図5は素子基板における画素の配置を示す概略断面図、図6(a)及び(b)は対向基板における画素に対応したマイクロレンズの配置を示す概略平面図である。
図5に示すように、素子基板20には、X方向とY方向とにマトリックス状に配置される複数の画素Pのそれぞれにおける開口部Psの大きさや位置を規定する第1開口要素としての遮光部が設けられている。遮光部は、主にX方向に延在する第1遮光層22と、主にY方向に延在する第2遮光層26とが平面視で重なり合うことによって格子状に設けられている。よって、符号22,26を付して遮光部22,26と呼ぶこととする。格子状の遮光部22,26の交差部22b,26bは、他のX方向やY方向に延在する部分に比べて幅が大きくなっている。交差部22b,26bの平面視の形状は正方形であり、角部が開口部Ps側に突出した状態となっている。
遮光部22,26によって規定される開口部Psは、第1遮光層22の開口部22aと、第2遮光層26の開口部26aとが重なり合うことで規定される開口領域であり、平面視で略正方形である。
画素電極28は、平面視で開口部Psよりも大きい正方形であって、開口部Psと重なるように配置されている。また、画素電極28の外縁が平面視で遮光部22,26と重なるように配置されている。
図6(a)に示すように、対向基板30におけるマイクロレンズMLは、画素Pの配列に対応して、X方向とY方向とにマトリックス状に配置されている。前述したように、マイクロレンズMLは、基板本体11の凹部12(図4参照)をレンズ材料で埋めて構成されており、凹部12は、その底部に向かって先細りとなる半球面状に形成されている。したがって、凹部12の底部の位置すなわちマイクロレンズMLの中心C1は、画素Pの平面的な中心とほぼ一致する。このような凹部12をレンズ面12と呼ぶこともある。
本実施形態では、画素Pにおいてより多くの光を取り込めるように、平面視で円形のマイクロレンズMLがX方向とY方向とにおいて一部が重なり合うように配置されている。このため、X方向とY方向とに隣り合うマイクロレンズMLの境界において直線となる陵を有している。その一方で、マイクロレンズアレイ基板10は、X方向及びY方向に対して交差する対角方向において、マイクロレンズMLが存在しない部分11cを有している。
本実施形態におけるマイクロレンズMLの直径は、画素Pの対角線の長さに対して例えば95%の長さとなるように設定されている。なお、マイクロレンズMLの直径を画素Pの対角線の長さに対して100%の長さとなるように設定してもよい。
図6(b)に示すように、遮光膜14は、マイクロレンズMLが存在しない部分11cに重なるように設けられている。遮光膜14の形状は正方形である。
なお、図6(b)では、マイクロレンズMLの形状を示すために同心円を用いたが、この同心円はマイクロレンズMLのZ方向における高さの等高線を示すものである。
遮光膜14で覆われたマイクロレンズMLが存在しない部分を除いた領域に入射した光は、マイクロレンズMLによって集光され、液晶層40を介して素子基板20の開口部Ps(開口部22a,26a)に導かれる(図4参照)。つまり、対向基板30において画素Pごとに光を入射させる開口部Pmの大きさや位置を規定する第2開口要素は、マイクロレンズML及び遮光膜14である。
なお、マイクロレンズMLは、レンズ面12の形状が半球面状であることに限定されず、直線的な側面と半球面とが組み合わされた非球面レンズや、平底部と半球面とが組み合わされた平底レンズ、あるいは集光位置が段階的に変化するグラデーションレンズであってもよい。
次に、液晶ライトバルブとして用いられる液晶装置100における一対の基板(素子基板20と対向基板30)の相対的な位置ずれに起因する表示ムラについて、図7〜図9を参照して説明する。図7は投写型表示装置における表示ムラを説明するための概略図、図8は投写映像の明るさを計測する方法を説明するための平面図、図9(a)は素子基板側の開口部Psと対向基板側の開口部Pmの位置ずれを説明する平面図、図9(b)は開口部Psと開口部Pmの位置ずれと投写映像の明るさとの関係を示すグラフである。
なお、図7は、図1に示した投写型表示装置1000における緑(G)の色光が入射する液晶ライトバルブ1220を含む投写光学系をY方向から見た概略図である。図7において、実線または破線の矢印は、液晶装置100への入射光あるいは液晶装置100からの射出光(表示光)を示すものであって、矢印の幅が光の強度を示し、矢印の幅が大きいほど強度が強いことを示す。また、実線の矢印は破線の矢印よりも強度が強いことを示すものである。
図7に示すように、液晶ライトバルブとして機能する液晶装置100において、素子基板20における画素Pの開口部Psの位置を基準として、例えば対向基板30における画素Pの開口部Pmの位置をX方向の(−)側にわずかにずらした状態とする。このとき、この投写光学系におけるシステム光軸Lは、素子基板20の画素領域Eの中心を通るように設定されている。この場合の「わずかにずらした状態」とは、位置ずれの許容限界で素子基板20と対向基板30とを貼り合わせた状態である。許容限界の値は、例えば、画素ピッチの8%〜13%程度の値である。
図1に示したように、偏光照明装置1100から発せられた光は、緑(G)の色光(偏光)に変換され、リレーレンズ1204により集光されて、液晶装置100の対向基板30側から入射する。したがって、完全な平行光として対向基板30に入射する場合に比べて、画素領域Eの外周側に入射する色光の強度は、実線の矢印で示すように画素領域Eの中央部に入射する色光の強度に比べて強くなる。前述したように、素子基板20に対して対向基板30はX方向の(−)側にわずかにずれているため、図7のX方向の(−)側の端に位置する対向基板30の開口部Pmを通過して投写レンズ1207に向かう色光は、X方向の(−)側から入射する色光ほど素子基板20の開口部Psを透過し易くなるので、画素Pを透過する色光の量が多くなる。一方で図7のX方向の(+)側の端に位置する対向基板30の開口部Pmを通過して投写レンズ1207に向かう色光は、X方向の(+)側から入射する色光ほど素子基板20の開口部Psを透過し難くなることから画素Pを透過する色光の量が少なくなる。したがって、投写レンズ1207を介してスクリーン1300に投写された映像は、X方向の(+)側に行くほど明るくなり、X方向の(−)側に行くほど暗くなる傾向が生ずる。
このようなスクリーン1300上における単色映像(緑色の映像)の表示ムラとしての明るさのむらは、例えば、図8に示すように、スクリーン1300に投写された単色映像の領域をX方向とY方向とにそれぞれ3分割し、番号01〜番号09までの合計9つの領域(ANSI9点)における単色映像の明るさを計測することで数値化できる。また、このような単色映像の明るさのむらは、色むらとして認識される。上述したように、素子基板20の開口部Psの位置を基準として、対向基板30の開口部PmがX方向の(−)側にわずかにずれた状態とすると、図8に示したスクリーン1300上では、X方向の中央側における番号02、番号05、番号08の各領域に対して、左側に位置する番号01、番号04、番号07の各領域が暗く認識される。また、中央側の番号02、番号05、番号08の各領域に対して、右側に位置する番号03、番号06、番号09の各領域が明るく認識される。その一方で、上下方向(Y方向)における、例えば番号04の領域に対して番号01や番号07の領域の明るさはほぼ同等に認識される。他の列の上下方向(Y方向)における領域間の明るさもほぼ同等に認識される。つまり、左右方向(X方向)の明るさのむらは認識し易いが、上下方向(Y方向)の明るさのむらは認識し難いという事実がある。
なお、図8は、投写される単色映像として緑色の映像を例に示したが、他の青色の映像及び赤色の映像についても、X方向(左右方向)での明暗が顕在化し、Y方向(上下方向)では明るさのむらは認識し難いものである。また、投写される単色映像の色によっては光学配置の関係上(クロスダイクロイックプリズムと液晶ライトバルブの配置関係上)、X方向(左右方向)での明暗の生じ方が逆になる。例えば、前述した投写型表示装置1000では、投写される青色と赤色の単色映像は左側が明るく右側が暗くなり、緑色の単色映像は左側が暗く右側が明るくなる。
実際に素子基板20と対向基板30とを貼り合わせる際に生ずる位置ずれ(以降、組ずれと称す)は、上述したようなX方向に単純にずれるとは限らない。素子基板20側の開口部Ps(簡易的に破線でしめした)と対向基板30側の開口部Pm(簡易的に実線で示した)との組ずれは、例えば図9(a)に示すようにX方向とY方向とにわずかにずれた状態が考えられる。そこで、複数の液晶装置100のサンプルを用意し、組ずれと左右の明るさのむらについて解析した。
素子基板20側の開口部Psの中心C2を通る中心線を境として、画像解析により、開口部Psと開口部Pmとが重なっていない領域(あるいは開口部Psと開口部Pmとが重なっている領域)の左右の面積の差Δ(L−R)を求めた。また、図8のスクリーン1300において左側の領域である、番号01、番号04、番号07の領域の明るさと、スクリーン1300において右側の領域である番号03、番号06、番号09の領域の明るさとをそれぞれ照度測定して、左側の明るさ(平均値)と右側の明るさ(平均値)との比(L/R)を求めた。上記左右の面積の差Δ(L−R)を横軸とし、左右の明るさの比(L/R)を縦軸とすると、図9(b)に示すような緩やかなS字カーブを描く近似曲線が得られた。具体的には、差Δ(L−R)が「0.0」すなわち、開口部Psと開口部Pmとがずれていないときは、左右の明るさの比(L/R)は「1.0」となる。差Δ(L−R)が(+)側にシフトすると左右の明るさの比(L/R)は「1.0」よりも大きくなり、右側に比べて左側が明るくなる。差Δ(L−R)が(−)側にシフトすると、左右の明るさの比(L/R)は「1.0」よりも小さくなり、左側に比べて右側が明るくなる。つまり、左右の明るさのむら(色むら)は、組ずれの方向と組みずれ量に応じて変化する。
従来、このような組ずれによる左右の明るさのむらが認められる場合、スクリーン1300上で明るく表示される側の液晶装置100における画素Pについて駆動電圧を調整して、明るさのむらを解消する方法が採用されていた。例えば、液晶装置100の光学設計がノーマリーブラックの場合、明るく表示される側の画素Pの駆動電圧を下げてON時の透過率を低下させることで、明るさのむらを解消していた。言い換えれば、均一な表示品質を実現するために、このような明るさのむらを解消するステップ(工程)が必要であるという課題があった。また、駆動電圧を調整することは、液晶装置100が本来備えている光学特性を十分に発揮させることができないという課題があった。さらには、組ずれに起因する明るさのむらは、組ずれ量を飛躍的に小さくすることが難しいため、画素ピッチが小さくなればなるほど、発生し易くなるという課題があった。
組ずれに起因する左右の明るさのむら(色むら)は、光源によって液晶ライトバルブを照明する照明光学系の設計条件(F値など)の影響を受けると考えられるため、発明者らは、画素領域Eに入射する入射光の入射角度別強度分布に対応した開口要素の位置の補正方法を開発して、上述した課題の改善を図った。以降、本実施形態の複数の画素Pにおける光の入射側に位置する第2開口要素の位置の補正方法の例について説明する。
<開口要素の位置の補正方法>
本実施形態の開口要素の位置の補正方法について、図10〜図12を参照して説明する。図10(a)は画素領域に入射する入射光の入射角度別強度分布を光学的シミュレーションによって求めた結果を示す図、図10(b)はスクリーン上の番号04の領域と、番号06の領域とに対応する画素領域の一方向における入射角度別強度を示すグラフである。図11(a)はスクリーン上の各領域における組ずれと明るさ(透過率)との関係を示すグラフ、図11(b)は図11(a)のスクリーン上の番号04の領域における組ずれと明るさ(透過率)との関係を示すグラフ、図11(c)は図11(a)のスクリーン上の番号06の領域における組ずれと明るさ(透過率)との関係を示すグラフである。図12(a)及び(b)は画素領域における画素の開口要素の位置の補正の仕方を示す図である。
本実施形態の複数の画素における開口要素の位置の補正方法は、複数の画素Pが配置される画素領域Eの中心を通る一方向において、画素領域Eの中心から最も離れた位置にある所定画素における入射光の入射角度別強度分布を求めるステップS1と、ステップS1の結果から、所定画素の第1開口要素(開口部Ps)の位置を基準として、所定画素の明るさが最大となる所定画素の第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正量とを求めるステップS2と、所定画素の第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正量に基づいて、複数の画素Pごとに、画素領域Eにおける座標に応じて、第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正値とを求めるステップS3と、を備えている。
また、ステップS3では、画素領域Eを設計上で複数の補正領域に分割し(本実施形態では、9×9=81に分割;図12(a)参照)、上記一方向において、画素領域Eの中心から最も離れた位置にある所定画素の第2開口要素(開口部Pm)の位置の補正量を、複数の補正領域ごとに、画素領域Eにおける位置に応じて配分した補正値を求め、当該補正領域に含まれる画素Pに当該補正値を適用する。以降、具体的に各ステップを説明する。
まず、画素領域Eに入射する入射光の入射角度別強度分布を求める方法について、図10(a)及び(b)を参照して説明する。画素領域Eに入射する入射光の入射角度別強度分布を求める方法としては、例えば吉田光学研究所が提供する照明光学系評価・設計ソフトであるODISを用いる方法が挙げられる。
図10(a)はODISを用いて画素領域Eに入射する入射光の入射角度別強度を図8に示したANSI9点に対応する領域(番号01〜番号09)ごとに求めたものである。より具体的には図7のシステム光軸L上において、素子基板20側から見たときの入射光の入射角度別強度を示すものである。これによれば、例えば図10(b)に示すように、番号04の領域の画素P及び番号06の領域の画素Pでは、システム光軸Lに沿った光の入射角度を0°とすると、一方向であるX方向において±20°の範囲で光が入射している。番号04の領域の画素Pでは、入射角度が0°から(+)側にシフトしたところで強度のピークが現れている。一方で、番号06の領域の画素Pでは、入射角度が0°から(−)側にシフトしたところで強度のピークが現れている。つまり、左側の番号04の領域の画素Pと右側の番号06の領域の画素Pとでは、それぞれ画素領域Eの中心を通るシステム光軸Lに向かって入射する入射光の強度が強くなっているのが分かる。
図11(a)は、図8に示したANSI9点に対応する画素Pと、画素領域Eの4つの角部(A〜D)に対応する画素Pとにおける組ずれと透過率(明るさ)との関係を求めたグラフである。図11(b)に示すように、左側の番号04の領域の画素Pでは、例えば一方向であるX方向の組ずれによって透過率が変化し、組ずれが0から(+)側にシフトしたところに透過率のピークが生ずる。また、組ずれが0から(+)側または(−)側にシフトすると透過率が低下する。一方で、図11(c)に示すように、右側の番号06の領域の画素Pでは、例えば一方向であるX方向の組ずれによって透過率が変化し、組ずれが0から(−)側にシフトしたところに透過率のピークが生ずる。また、組ずれが0から(+)側または(−)側にシフトすると透過率が低下する。つまり、左側の番号4の領域の画素Pと、右側の番号06の領域の画素Pとでは、透過率がピークとなる位置と、組ずれが0の位置とがずれているため、組ずれの方向によって透過率の低下の具合が異なることになる。
一方で、図11(a)に示すように、投写時にX方向において中央側となる番号02、番号05、番号08の各領域の画素Pでは、透過率がピークとなる位置がほぼ組ずれが0の位置と合致している。つまり、組ずれの方向が(+)側でも(−)側でもほぼ同程度に透過率が低下することになる。投写時にX方向において(−)側つまり左側の番号01、番号04、番号07、角部A、角部Cの各領域における画素Pでは、透過率のピークは組ずれが0から(+)側にあり、組ずれが(−)側に行くにしたがって透過率が低下する。投写時にX方向において(+)側つまり右側の番号03、番号06、番号09、角部B、角部Dの各領域における画素Pでは、透過率のピークは組ずれが0から(−)側にあり、組ずれが(+)側に行くにしたがって透過率が低下する。また、透過率のピークは、中央部の番号05からもっとも離れた角部A,B,C,Dに行くほど、組ずれが0の位置から離れていることが分かる。したがって、素子基板20の開口部Psの位置に対して、対向基板30の開口部Pmの位置が補正されていない場合、単純な組むずれが生ずると左右の明るさのむらが顕著になるおそれがある。
そこで、ステップS1では、ODISを用いて画素領域Eの中心から最も離れた位置にある所定画素として例えば角部Aの画素Pにおける入射光の入射角度別強度分布を求める。そしてステップS2へ進む。
ステップS2では、ステップS1の結果から角部Aの第1開口要素(開口部Ps)の位置を基準として、角部Aの画素Pの明るさ(透過率)が最大となる第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正量とを求める。つまり、図11(a)に示した角部Aの画素Pにおける組ずれと透過率のグラフにおいて、組ずれの値が0に対する透過率のピークを示す組ずれの値が第2開口要素(開口部Pm)の位置の補正量である。また、角部Aの画素Pにおける第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向は、組ずれが0のときに透過率がピークとなるあるいはピークに近づく方向であって、この場合はX方向の(−)側、つまり、画素領域Eの中心に対して画素領域Eの縁部に向かう方向になる。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3では、ステップS2で得られた角部Aの画素Pの第2開口要素(開口部Pm)の上記ずらし方向と位置の補正量に基づいて、画素領域Eにおける複数の画素Pごとの座標に応じて、当該画素Pの第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正値とを求める。具体的には、図12(a)及び(b)に示すように、例えば画素領域EをX方向に9分割(A〜I)し、Y方向に同じく9分割(1〜9)して、第2開口要素(開口部Pm)の位置を補正する画素Pが含まれる複数の補正領域を定義する。角部Aは画素領域Eの座標(A,1)で与えられる補正領域内に位置している。画素領域Eの中心は座標(E,5)で与えられる補正領域に位置している。角部Aの画素Pにおける第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正量は、画素領域Eの中心から当該画素Pまでの距離d1に応じた、X方向の補正量とY方向の補正量で与えられるベクトルA1で表すことができる。座標(B,2)で与えられる補正領域の画素Pにおける第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正値は、画素領域Eの中心からの当該画素Pまでの距離d2に応じベクトルA1を配分した、X方向の補正値とY方向の補正値で与えられるベクトルB2で表すことができる。
同様にして、例えば、座標(B,5)で与えられる補正領域の画素Pにおける第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正値は、画素領域Eの中心からの当該画素Pまでの距離d5と角度θとに応じベクトルA1を配分したベクトルB5で表すことができる。他の例えば座標(B,8)、座標(E,2)、座標(E,8)、座標(H,2)、座標(H,5)、座標(H,8)で与えられる補正領域の画素Pにおける第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正値も、ベクトルA1に基づいて配分されたベクトルB8、ベクトルE2、ベクトルE5、ベクトルH2、ベクトルH5、ベクトルH8として表すことができる。各ベクトルA1,B2,B5,B8,E2,E5,H2,H5,H8は、画素領域Eの中心から延びる放射線上にあり、画素領域Eの縁部に向かっている。
このようにして、画素領域Eを9×9=81の補正領域に分割し、当該補正領域に含まれる画素Pに対応するベクトルに基づいて第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正値とが与えられる。
その結果、対向基板30の第2開口要素(開口部Pm)の位置(言い換えれば、マイクロレンズMLの中心C1の位置)は、素子基板20の第1開口要素(開口部Ps)の位置(言い換えれば、開口部Psの中心C2の位置)を基準として、画素領域Eの中心から縁部に向かう一方向において、画素領域Eの中心側から離れるにしたがって徐々に大きくずれるように補正されている。
本実施形態では、画素領域Eの中心を含む座標(E,5)で与えられる補正領域に含まれる画素Pにおいては、第1開口要素(開口部Ps)の位置を基準とした第2開口要素(開口部Pm)の位置をずらす(補正する)ことを行っていない。つまり、当該画素Pの第2開口要素(開口部Pm)の位置の補正値は「0(ゼロ)」である。これは、図11(a)に示すように、画素領域Eの中心を含む番号05の投写領域では、組ずれが「0」のときに透過率がピークとなっていることによるものである。言い換えれば、第2開口要素(開口部Pm)の位置を補正する必要がない。
本実施形態では、画素領域Eを9×9=81の補正領域に分割して、各補正領域における画素Pの第1開口要素(開口部Ps)に対する第2開口要素(開口部Pm)の位置を補正したが、補正領域の分割の仕方はこれに限定されるものではない。画素領域Eの実質的な面積に応じて面積が大きくなるほど分割数を増やすことが好ましい。
また、図8に示したANSI9点の明るさ(輝度)の測定を反映して、画素領域Eを3×3=9の補正領域に分割する。そして、左右の明るさのむらを認識し易いX方向における左側と右側の補正領域に含まれる画素Pの第2開口要素(開口部Pm)の位置を補正し、中央側の補正領域では補正値を「0(ゼロ)」としてもよい。
<電気光学装置の製造方法>
次に、本実施形態の電気光学装置の製造方法としての液晶装置100の製造方法について説明する。本実施形態の液晶装置100の製造方法は、上述した開口要素の位置の補正方法を用いて、一方の基板としての素子基板20の第1開口要素(開口部Ps)の位置を基準とした第2開口要素(開口部Pm)の位置を補正して他方の基板としての対向基板30を形成する工程と、素子基板20と対向基板30とを電気光学素子としての液晶層40を介して対向配置し、貼り合わせる工程と、を備えている。対向基板30を形成する工程では、画素領域Eにおける複数の補正領域の座標に応じて、当該補正領域に含まれる画素Pの第2開口要素(開口部Pm)の位置、すなわちマイクロレンズMLの中心C1の位置と遮光膜14の位置とを補正して形成する。
上記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)画素領域Eの中心を通る一方向において、画素領域Eの中心から最も離れた位置にある角部Aに含まれる画素Pの組ずれと透過率との関係を求め、当該画素Pの透過率(明るさ)が最大となる第1開口要素(開口部Ps)に対する第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正量とを求める。角部Aに含まれる画素Pの第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正量とを、画素領域Eの複数の画素Pの座標に応じて配分したずらし方向と位置の補正値とを求め、これを当該画素Pに適用して第2開口要素(開口部Pm)の位置を補正する。これにより、対向基板30において第2開口要素(開口部Pm)の位置の補正を行わない場合に比べて、素子基板20と対向基板30とを液晶層40を介して貼り合わせる際の双方の基板の相対的な組ずれの許容量を大きくすることができる。言い換えれば、組ずれに強い液晶装置100を提供あるいは製造することができる。また、複数の画素Pごとの第2開口要素(開口部Pm)の位置の補正値は、画素領域Eの中心から画素領域Eの縁部に向かう一方向に行くほど大きくなるように設定されている。したがって、画素領域Eに入射する入射光が入射角度による強度分布を有していたとしても、入射光のシステム光軸Lが画素領域Eの中心を通るように設定されている場合、入射光の強度分布の影響で明るさのむら(表示ムラ、色むら)が生じ難い液晶装置100を提供あるいは製造することができる。
(2)画素領域Eを複数の補正領域に分割し、当該補正領域ごとにずらし方向と位置の補正値を求めて、当該補正領域に含まれる画素Pに適用するので、すべての画素Pに対してそれぞれ第2開口要素(開口部Pm)のずらし方向と位置の補正値を求めて適用する場合に比べて、容易に補正を行うことができる。
(3)第2開口要素(開口部Pm)の位置が補正された液晶装置100を液晶ライトバルブに適用することで、左右の明るさのむらを解消するための液晶装置100の駆動電圧の調整を行わなくても、明るい表示が可能であると共に明るさのむらが低減され優れた表示品質を有する投写型表示装置1000を提供することができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置における開口要素の位置の補正方法、並びに該電気光学装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)画素Pにおける第2開口要素は、マイクロレンズMLと遮光膜14とで規定される開口部Pmであることに限定されない。図13は変形例の第2開口要素(開口部Pm)を示す概略平面図である。図13に示すように、対向基板30における第2開口要素(開口部Pm)は、マイクロレンズMLを有しておらず、X方向とY方向とに格子状に延在するブラックマトリックス(BM)であってもよい。また、第2開口要素は、画素Pの開口領域に入射光を集光させるプリズムや、入射光を色光に変換するカラーフィルターであってもよい。さらに、上記ブラックマトリックス(BM)に対してマイクロレンズMLまたはプリズム、あるいはカラーフィルターを組み合わせて第2開口要素を構成してもよい。
(変形例2)上記実施形態では、対向基板30側に開口要素を構成するマイクロレンズMLを設けた例を示したが、素子基板20側に開口要素を構成するマイクロレンズMLやプリズムを設け、素子基板20側から光を入射させる場合においても、本願の開口要素の位置の補正方法を適用することができる。また、マイクロレンズMLやプリズムが素子基板20と対向基板30とにそれぞれ設けられている構成としてもよい。いずれの場合も光の入射側に位置する開口要素を第2開口要素とする。
(変形例3)上記実施形態では、素子基板20の第1開口要素としての開口部Psは略正方形であり、設計上では素子基板20側の開口部Psの中心C2と対向基板30側の開口部Pmの中心C1とが合致するように設定されている。ところが、開口部Psの平面的な形状が必ずしも点対称や線対称ではないことがある。その場合、開口部Psの中心は、開口部Psの平面的な重心とされる。したがって、素子基板20側の開口部Psの重心を基準として、対向基板30側の開口部Pmの中心C1の位置を補正することもある。
(変形例4)上記実施形態の電気光学装置としての液晶装置100が適用される電子機器は、投写型表示装置1000に限定されない。例えば、液晶装置100の対向基板30において、少なくとも赤(R)、緑(G)、青(B)に対応するカラーフィルターを有し、投写型表示装置を単板構成としてもよい。また、例えば、投写型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部としてカラーフィルターを備えた液晶装置100を好適に用いることができる。
14…見切り部及び遮光膜、20…素子基板、30…対向基板、40…電気光学素子としての液晶層、100…電気光学装置としての液晶装置、1000…電子機器としての投写型表示装置、E…画素領域、ML…マイクロレンズ、P…画素、Pm…第2開口要素としての開口部、Ps…第1開口要素としての開口部。

Claims (12)

  1. 一対の基板と、前記一対の基板のうち一方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第1開口要素と、前記一対の基板のうち他方の基板において前記画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素とを備えた電気光学装置であって、
    前記一方の基板の前記第1開口要素の位置を基準とした前記他方の基板の前記第2開口要素の位置が、複数の前記画素が配置される画素領域の中心から前記画素領域の縁部に向かう一方向において、前記画素領域の中心側から離れるにしたがって徐々に大きくずれるように補正されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記画素領域は設計上で複数の補正領域に分割され、前記一方向において、前記画素領域の中心から最も離れた位置にある所定画素の前記第2開口要素の位置の補正量を、前記複数の補正領域の位置に応じて配分された補正値が、当該補正領域に含まれる画素の前記第2開口要素に適用されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記複数の補正領域のうち、前記画素領域の中心を含む補正領域における画素の前記第2開口要素の前記補正値はゼロであることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記第1開口要素及び前記第2開口要素のそれぞれは、マイクロレンズ、プリズム、カラーフィルター、ブラックマトリックスのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 一対の基板と、前記一対の基板のうち一方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第1開口要素と、前記一対の基板のうち他方の基板において前記画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素とを備えた電気光学装置の複数の画素における開口要素の位置の補正方法であって、
    複数の前記画素が配置される画素領域の中心を通る一方向において、前記画素領域の中心から最も離れた位置にある所定画素における入射光の入射角度別強度分布を求めるステップS1と、
    前記ステップS1の結果から、前記所定画素の前記第1開口要素の位置を基準として、前記所定画素の明るさが最大となる前記所定画素の前記第2開口要素のずらし方向と位置の補正量とを求めるステップS2と、
    前記所定画素の前記第2開口要素の前記ずらし方向と前記位置の補正量に基づいて、前記複数の画素ごとに、前記画素領域における座標に応じて、前記第2開口要素のずらし方向と位置の補正値とを求めるステップS3と、を備えたことを特徴とする開口要素の位置の補正方法。
  6. 前記ステップS3では、前記画素領域を設計上で複数の補正領域に分割し、前記一方向において、前記画素領域の中心から最も離れた位置にある前記所定画素の前記第2開口要素の位置の補正量を、前記複数の補正領域ごとに、前記画素領域における位置に応じて配分した前記補正値を求め、当該補正領域に含まれる画素に当該補正値を適用することを特徴とする請求項5に記載の開口要素の位置の補正方法。
  7. 前記第1開口要素の位置を基準として、前記第2開口要素の位置の前記補正値が、前記画素領域の中心から前記画素領域の縁部に向かう一方向に行くほど大きくなっていることを特徴とする請求項5または6に記載の開口要素の位置の補正方法。
  8. 前記複数の補正領域のうち、前記画素領域の中心を含む補正領域における画素の前記第2開口要素の位置の前記補正値はゼロであることを特徴とする請求項6に記載の開口要素の位置の補正方法。
  9. 前記第1開口要素及び前記第2開口要素のそれぞれは、マイクロレンズ、プリズム、カラーフィルター、ブラックマトリックスのいずれかが用いられていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の開口要素の位置の補正方法。
  10. 一対の基板と、前記一対の基板のうち一方の基板において画素の開口部の大きさや位置を規定する第1開口要素と、前記一対の基板のうち他方の基板において前記画素の開口部の大きさや位置を規定する第2開口要素とを備えた電気光学装置の製造方法であって、
    請求項5乃至9のいずれか一項に記載の開口要素の位置の補正方法を用いて、前記一方の基板の前記第1開口要素の位置を基準とした前記第2開口要素の位置を補正して前記他方の基板を形成する工程と、
    前記一方の基板と前記他方の基板とを電気光学素子を介して対向配置し、貼り合わせる工程と、を備えていることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  11. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  12. 請求項10に記載の電気光学装置の製造方法を用いて製造された電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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