JP2018101066A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶分子のプレチルト角や屈折率異方性に起因する位相差を適正に光学補償可能な液晶装置、液晶装置の製造方法、該液晶装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置は、一方の基板に、液晶分子が傾斜して配向する第1の方向と交差する第2の方向(Y方向)に傾斜した第1傾斜面16aと、第1傾斜面16aに設けられた第1光学補償層18とを有する第1位相補償素子14と、第2の方向と直交する第3の方向(X方向)に傾斜した第2傾斜面17aと、第2傾斜面17aに設けられた第2光学補償層19とを有する第2位相補償素子15と、を有し、平面視で第1光学補償層18と第2光学補償層19とが重なるように第1位相補償素子14に対して第2位相補償素子15が重畳されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、液晶装置を備えた電子機器に関する。
液晶装置として、例えば負の誘電異方性を有する液晶分子が配向膜面に対してプレチルト角を有して略垂直配向している、VA(Vertical Alignment)方式の液晶装置が知られている。このようなVA方式の液晶装置では、液晶層に斜め方向から入射した直線偏光は、液晶分子のプレチルト角や屈折率異方性に起因して位相差が生じ楕円偏光に変換されるため、光漏れが生じてコントラストが低下するという課題があった。
このような課題を鑑みて、例えば、特許文献1には、液晶層を挟持する一対の基板のうちの一方の基板内に形成された傾斜面と、該傾斜面の上に配置され無機膜からなる光学補償層とを備えた液晶表示装置が提案されている。また、該傾斜面の傾斜角度は、液晶分子の軸方向に対して直交するように設定されるとしている。このような特許文献1の液晶表示装置によれば、上記位相差を光学補償層によって補償できることから、上述した光漏れを防止して、高コントラスト化を実現できるとしている。
特開2013−174649号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されているように、光学補償層は複数の傾斜面を覆うように形成される。そうすると傾斜面の傾斜方向において隣り合う傾斜面の境界には段差部が生じ、当該段差部を覆う光学補償層の膜厚が変動するおそれがある。光学補償層の膜厚が変動している当該段差部を透過する直線偏光は、上記位相差が適正に光学補償されないおそれがある。つまり、上記位相差により直線偏光が楕円偏光に変換されることによる光漏れを確実に防止することが困難であるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る液晶装置は、第1基板と第2基板との間に、負の誘電異方性を有する液晶分子が第1の方向にプレチルトを有して略垂直配向した液晶層を備える液晶装置であって、前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、前記第1の方向と交差する第2の方向に傾斜した第1傾斜面と、前記第1傾斜面に設けられた第1光学補償層とを有する第1位相補償素子と、前記第2の方向と直交する第3の方向に傾斜した第2傾斜面と、前記第2傾斜面に設けられた第2光学補償層とを有する第2位相補償素子と、を有し、平面視で前記第1光学補償層と前記第2光学補償層とが重なるように前記第1位相補償素子に対して前記第2位相補償素子が重畳されている。
本適用例によれば、液晶分子のプレチルト角や屈折率異方性に起因する位相差は、第1位相補償素子と第2位相補償素子とによって光学補償される。したがって、1つの位相補償素子によって光学補償を行う場合に比べて、第1位相補償素子における第1傾斜面の傾斜角度及び第2位相補償素子における第2傾斜面の傾斜角度をいずれも小さくすることができる。そうすると、各傾斜面の傾斜方向において隣り合う傾斜面の段差部を小さくすることができるため、該段差部を覆うように光学補償層を形成したとしても、該段差部における光学補償層の膜厚変動が抑えられる。よって、該段差部を直線偏光が透過したとしても上記位相差が適正に光学補償される。すなわち、上記位相差に起因する光漏れを低減し、優れた光学特性を有する液晶装置を提供することができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1傾斜面の傾斜角度と、前記第2傾斜面の傾斜角度とが同じであることが好ましい。
この構成によれば、傾斜方向に隣り合う第1傾斜面の段差部の大きさと、傾斜方向に隣り合う第2傾斜面の段差部の大きさとを同じにすることができる。したがって、第1傾斜面に係る段差部を覆う第1光学補償層の膜厚の変動と、第2傾斜面に係る段差部を覆う第2光学補償層の膜厚の変動とをそれぞれ同程度に抑えることができる。つまり、各光学補償層の膜厚のばらつきに起因する光漏れがより低減される。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1光学補償層及び前記第2光学補償層は、それぞれ誘電体多層膜からなり、前記第1光学補償層のレターデーション値と前記第2光学補償層のレターデーション値とが同じであることが好ましい。
この構成によれば、第1光学補償層の構成と、第2光学補償層の構成とを同じにすることができる。つまり、各光学補償層の光学設計を簡素化できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1光学補償層及び前記第2光学補償層のそれぞれに対して、光の入射側と出射側とに反射防止膜を有することが好ましい。
この構成によれば、反射防止膜により、各光学補償層に入射した偏光、あるいは各光学補償層から出射した偏光の反射が抑えられ、偏光の反射あるいは散乱に起因する光学特性の低下を抑えることができる。
上記適用例に記載の液晶装置において、マトリックス状に配置された複数の画素を有し、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のうちの一方は、前記複数の画素の行ごとに配置され、他方は、前記複数の画素の列ごとに配置されていることが好ましい。
この構成によれば、画素ごとに各傾斜面を独立して配置する場合に比べて、複数の画素に対応する各傾斜面の傾斜角度のばらつきを低減することができ、上記位相差を複数の画素ごとに適正に光学補償できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、互いに直交して配置された走査線及び信号線と、前記走査線と前記信号線とに接続され、複数の画素ごとに設けられたトランジスターとを有し、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のうちの一方は、前記走査線に沿って配置され、他方は、前記信号線に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、走査線及び信号線は遮光性を有する配線材料を用いて構成されることから、各傾斜面の段差部と走査線または信号線とを重ねて配置することができる。したがって、該段差部における光学補償層の膜厚ばらつきに起因する光漏れを走査線または信号線で遮光することができる。つまり、より優れた光学特性を有する液晶装置を実現できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1位相補償素子及び前記第2位相補償素子は、前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板の前記液晶層に近い側に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、一方の基板において、第1位相補償素子及び第2位相補償素子と液晶層との間に存在する、例えば配線や絶縁膜などによる光の反射や屈折に伴う影響を受け難くなる。すなわち、上記位相差を適正に光学補償して優れた光学特性を有する液晶装置を実現できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、複数の画素ごとに設けられたマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイを有し、前記第1位相補償素子及び前記第2位相補償素子は、前記マイクロレンズアレイと前記液晶層との間に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、一方の基板において、マイクロレンズアレイを第1位相補償素子及び第2位相補償素子と液晶層との間に配置する場合に比べて、マイクロレンズアレイを光が透過することに伴う上記位相差への影響を受け難くすることができる。すなわち、上記位相差を適正に光学補償して優れた光学特性を有する液晶装置を実現できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、複数の画素ごとに設けられたトランジスターを有し、前記第1位相補償素子及び前記第2位相補償素子は、前記トランジスターと前記液晶層との間に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、一方の基板において、トランジスターを第1位相補償素子及び第2位相補償素子と液晶層との間に配置する場合に比べて、トランジスターやトランジスターに接続される配線などによって反射した光が液晶層に入射して上記位相差へ影響を及ぼすことを防ぐことができる。すなわち、上記位相差を適正に光学補償して優れた光学特性を有する液晶装置を実現できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1位相補償素子は、前記第1傾斜面を有する第1構造体と、前記第1構造体に積層された第1保護層とを有し、前記第2位相補償素子は、前記第2傾斜面を有する第2構造体と、前記第2構造体に積層された第2保護層とを有し、前記第1保護層の前記第2構造体に対向する側の面及び前記第2保護層の前記液晶層に対向する側の面は、平坦となっていることが好ましい。
この構成によれば、第1基板と第2基板とのうちの一方の基板に、第1位相補償素子及び第2位相補償素子を設けることに伴う、凹凸を防ぐことができる。したがって、該凹凸によって光が散乱されることを防ぎ、上記位相差を適正に光学補償して優れた光学特性を有する液晶装置を実現できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1保護層の屈折率と前記第2構造体の屈折率とが同じであることが好ましい。
この構成によれば、第1保護層と第2構造体との境界における光の反射を防ぎ、上記位相差を適正に光学補償して優れた光学特性を有する液晶装置を実現できる。
上記適用例に記載の液晶装置において、前記第1構造体及び前記第2構造体、前記第1保護層及び前記第2保護層は、いずれも無機材料を用いて形成されていることが好ましい。
この構成によれば、耐熱性、耐光性などにおいて高い信頼性を有する第1位相補償素子及び第2位相補償素子を備えた液晶装置を提供することができる。
[適用例]本適用例に係る液晶装置の製造方法は、第1基板と第2基板との間に、負の誘電異方性を有する液晶分子が第1の方向にプレチルトを有して略垂直配向した液晶層を備える液晶装置の製造方法であって、前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、前記第1の方向と交差する第2の方向に傾斜した第1傾斜面を形成する工程と、前記第1傾斜面に異なる屈折率の誘電体膜を積層して第1光学補償層を形成する工程と、前記第2の方向と直交する第3の方向に傾斜した第2傾斜面を形成する工程と、前記第2傾斜面に異なる屈折率の誘電体膜を積層して第2光学補償層を形成する工程と、を有し、平面視で前記第1光学補償層と前記第2光学補償層とが重なるように、前記第1傾斜面に対して前記第2傾斜面を形成する。
本適用例によれば、液晶分子のプレチルト角や屈折率異方性に起因する位相差は、第1傾斜面に形成された第1光学補償層と第2傾斜面に形成された第2光学補償層とによって光学補償される。したがって、1つの光学補償層により光学補償を行う場合に比べて、第1傾斜面の傾斜角度及び第2傾斜面の傾斜角度をいずれも小さくすることができる。そうすると、各傾斜面の傾斜方向において隣り合う傾斜面の段差部を小さくすることができるため、該段差部を覆うように異なる屈折率の誘電体膜を積層して光学補償層を形成したとしても、該段差部における光学補償層の膜厚変動を抑えることができる。よって、該段差部を直線偏光が透過したとしても上記位相差が適正に光学補償される。すなわち、上記位相差に起因する光漏れを低減し、優れた光学特性を有する液晶装置を製造することができる。
上記適用例に記載の液晶装置の製造方法において、それぞれの傾斜角度が同じとなるように、前記第1傾斜面と、前記第2傾斜面とを形成することが好ましい。
この方法によれば、傾斜方向に隣り合う第1傾斜面の段差部の大きさと、傾斜方向に隣り合う第2傾斜面の段差部の大きさとを同じにすることができる。つまり、第1傾斜面に係る段差部を覆う第1光学補償層の膜厚の変動と、第2傾斜面に係る段差部を覆う第2光学補償層の膜厚の変動とをそれぞれ同程度に抑えることができる。つまり、各光学補償層の膜厚のばらつきに起因する光漏れをより低減することができる。
上記適用例に記載の液晶装置の製造方法において、それぞれのレターデーション値が同じとなるように、前記第1光学補償層と、前記第2光学補償層とを形成することが好ましい。
この方法によれば、第1光学補償層の成膜条件と、第2光学補償層の成膜条件とを同じにすることができる。つまり、光学補償層の形成工程を簡素化できる。
上記適用例に記載の液晶装置の製造方法において、前記第1光学補償層及び前記第2光学補償層のそれぞれに対して、光の入射側と出射側とに、異なる屈折率の誘電体膜を積層して反射防止膜を形成する工程をさらに有することが好ましい。
この方法によれば、反射防止膜により、各光学補償層に入射した偏光、あるいは各光学補償層から出射した偏光の反射が抑えられ、偏光の反射あるいは散乱に起因する光学特性の低下を抑えた液晶装置を製造することができる。また、異なる屈折率の誘電体膜を積層して反射防止膜を形成することから、第1光学補償層及び第2光学補償層をそれぞれ形成する工程で、反射防止膜を形成することができる。言い換えれば、反射防止膜を形成するための特別な工程が不要となる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、第1位相補償素子と第2位相補償素子とにより上記位相差が光学補償された液晶装置を備えているので、表示における見栄えがよい電子機器を提供することができる。
第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図。 第1実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 図1のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図。 液晶層における液晶分子の配向状態を示す概略断面図。 液晶分子の配向処理における方位角を示す概略平面図。 第1位相補償素子及び第2位相補償素子の構成を示す概略斜視図。 第1光学補償層及び第2光学補償層による光学補償を説明する図。 対向基板の製造方法を示すフローチャート。 対向基板の製造方法における工程を説明するための図。 対向基板の製造方法における工程を説明するための図。 対向基板の製造方法における工程を説明するための図。 対向基板の製造方法における工程を説明するための図。 反射防止膜及び第1光学補償層の構成を示す模式断面図。 対向基板の製造方法における工程を説明するための図。 対向基板の製造方法における工程を説明するための図。 対向基板の製造方法における工程を説明するための図。 第2実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図。 電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<液晶装置>
本実施形態の液晶装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調手段(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
まず、本実施形態の液晶装置について、図1〜図5を参照して説明する。図1は第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は第1実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図、図3は図1のA−A’線に沿った液晶装置の構造を示す概略断面図、図4は液晶層における液晶分子の配向状態を示す概略断面図、図5は液晶分子の配向処理における方位角を示す概略平面図である。
図1及び図3に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板20及び対向基板30と、素子基板20と対向基板30との間に配置された液晶層40とを有している。図1に示すように、素子基板20は対向基板30よりも一回り大きく、両基板は、対向基板30の外縁に沿って額縁状に配置されたシール材42を介して貼り合わされている。本実施形態では、素子基板20が第1基板に相当し、対向基板30が第2基板に相当するものである。
液晶層40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とによって囲まれた空間に封入された、負の誘電異方性を有する液晶分子で構成されている。シール材42は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材42の内側には、マトリックス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域Eが設けられている。また、シール材42と表示領域Eとの間に表示領域Eを取り囲んで見切り部31が設けられている。見切り部31は、後述する遮光性の金属あるいは金属化合物などからなる第1遮光層22、第2遮光層26、遮光層32によって規定されている。なお、表示領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、詳しくは後述するが、表示領域Eにおいて複数の画素Pのそれぞれに対応して配置された集光手段としてのマイクロレンズMLと、液晶層40の位相差を補償するための第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15と、遮光層32とが対向基板30に設けられている(図3参照)。
素子基板20には、複数の外部接続端子54が配列した端子部が設けられている。素子基板20の該端子部に沿った第1の辺部とシール材42との間にデータ線駆動回路51が設けられている。また、第1の辺部に対向する第2の辺部に沿ったシール材42と表示領域Eとの間に検査回路53が設けられている。さらに、第1の辺部と直交し互いに対向する第3及び第4の辺部に沿ったシール材42と表示領域Eとの間に走査線駆動回路52が設けられている。第2の辺部のシール材42と検査回路53との間に、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。なお、検査回路53の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路51と表示領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けてもよい。
これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、第1の辺部に沿って配列した複数の外部接続端子54に接続されている。以降、第1の辺部に沿った方向をX方向とし、第3の辺部に沿った方向をY方向として説明する。図1のA−A’線に沿った方向はX方向である。また、X方向及びY方向と直交し、素子基板20から対向基板30に向かう方向をZ方向とする。本明細書では、Z方向に沿って対向基板30から見ることを「平面視」という。
次に図2を参照して、液晶装置100の電気的な構成について説明する。液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線2及び複数のデータ線3と、走査線2に沿って平行に配置された容量線4とを有する。走査線2が延在する方向がX方向であり、信号線としてのデータ線3が延在する方向がY方向である。
走査線2、データ線3及び容量線4と、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極28と、TFT24と、蓄積容量5とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線2はTFT24のゲートに電気的に接続され、データ線3はTFT24のソースに電気的に接続されている。画素電極28はTFT24のドレインに電気的に接続されている。
データ線3はデータ線駆動回路51(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路51から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線2は走査線駆動回路52(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路52から供給される走査信号G1,G2,…,Gmを画素Pに供給する。
データ線駆動回路51からデータ線3に供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線3同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路52は、走査線2に対して、走査信号G1〜Gmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT24が走査信号G1〜Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線3から供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極28に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極28を介して液晶層40に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極28と液晶層40を介して対向配置された共通電極34(図3参照)との間で一定期間保持される。画像信号D1〜Dnの周波数は例えば60Hzである。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極28と共通電極34との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量5が接続されている。蓄積容量5は、TFT24のドレインと容量線4との間に設けられている。
なお、図1に示した検査回路53には、データ線3が接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図2の等価回路では図示を省略している。
本実施形態における画素回路を駆動制御する周辺回路は、データ線駆動回路51、走査線駆動回路52、検査回路53を含んでいる。また、周辺回路は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線3に供給するサンプリング回路、データ線3に所定電圧レベルのプリチャージ信号を上記画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
次に、図3を参照して、液晶装置100の構造について説明する。図3に示すように、素子基板20は、透光性の基板本体21と、基板本体21上に設けられた、第1遮光層22と、絶縁膜23と、TFT24と、第1層間絶縁膜25と、第2遮光層26と、第2層間絶縁膜27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。基板本体21は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料が用いられている。
第1遮光層22及び第2遮光層26は、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)などの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性と導電性とを兼ね備えている。
第1遮光層22は、上層の第2遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されており、素子基板20の厚さ方向(Z方向)において、TFT24を間に挟むように配置されている。第1遮光層22及び第2遮光層26により、TFT24への光の入射が抑制される。第1遮光層22及び第2遮光層26に囲まれた領域(開口部22a,26a内)は、光が素子基板20を透過する開口領域(画素開口部)となる。
絶縁膜23は、基板本体21と第1遮光層22とを覆うように設けられている。絶縁膜23は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。TFT24は、絶縁膜23上に設けられている。図示を省略するが、TFT24は、半導体層、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極を有している。
ゲート電極は、素子基板20において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に第1層間絶縁膜25の一部(ゲート絶縁膜)を介して対向配置されている。
第1遮光層22は、その一部が走査線2(図2参照)として機能するようにパターニングされている。ゲート電極は、ゲート絶縁膜と絶縁膜23を貫通するコンタクトホールを介して下層側に配置された走査線2に電気的に接続されている。
第1層間絶縁膜25は、絶縁膜23とTFT24とを覆うように設けられている。第1層間絶縁膜25は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。第1層間絶縁膜25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。第1層間絶縁膜25により、TFT24に起因する表面の凹凸が緩和される。
第1層間絶縁膜25上には、第2遮光層26が設けられている。第2遮光層26は、TFT24に電気的に接続される、例えば、データ線3や容量線4、あるいは蓄積容量5の電極のいずれかとして機能するようにパターニングされている。そして、第1層間絶縁膜25と第2遮光層26とを覆うように、無機材料からなる第2層間絶縁膜27が設けられている。
画素電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなり、第2層間絶縁膜27上に、画素Pに対応して設けられている。画素電極28は、第1遮光層22の開口部22a及び第2遮光層26の開口部26aに平面視で重なる領域に配置されている。また、画素電極28の外縁は、平面視で第2遮光層26と重なるように配置されている。
画素電極28を覆う配向膜29は、負の誘電異方性を有する液晶分子を略垂直配向させることが可能な例えば酸化シリコンなどの無機材料を用いることができる。
液晶装置100は、画素電極28と共通電極34との間に印加される電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化して液晶層40に入射する光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置100からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。本実施形態では、対向基板30側から光が入射して液晶層40を透過し、素子基板20側から出射されることを前提に、液晶装置100が構成されている。
対向基板30は、マイクロレンズアレイ基板10と、第1位相補償素子14と、第2位相補償素子15と、遮光層32と、遮光層32を覆う平坦化層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。マイクロレンズアレイ基板10は、透光性の基板本体11と、複数の画素Pのそれぞれに対応して配置されたマイクロレンズMLを含むレンズ層13とを含んでいる。なお、マイクロレンズアレイ基板10は、第1位相補償素子14、第2位相補償素子15、遮光層32、平坦化層33、共通電極34を含む構成としてもよい。
基板本体11は、表面11bとは反対側の液晶層40側の表面11aに形成された複数の凹部12を有している。各凹部12は、各画素Pに対応して設けられている。凹部12は略半球状に形成され、マイクロレンズMLにおけるレンズ面を構成するものである。基板本体11は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料が用いられている。
レンズ層13は、基板本体11の表面11a側に、複数の画素Pのそれぞれに対応して形成された複数の凹部12を埋めてなる複数のマイクロレンズMLを含んでいる。レンズ層13は、光透過性を有し、基板本体11よりも屈折率nが高い無機のレンズ材料からなる。例えば、基板本体11の屈折率nがおよそ1.46の石英基板であるとすると、レンズ層13を構成するレンズ材料としては、SiON(屈折率n=1.50〜1.70)、Al23(屈折率n=1.76)などが挙げられる。なお、屈折率nは、基板本体11やレンズ層13を透過する光の波長に依存する。
レンズ層13を形成する方法は、公知の技術を用いることができる。例えば、基板本体11の一方の表面11aを選択的にエッチングして凹部12を形成し、上述したレンズ材料で凹部12を埋めることにより、マイクロレンズMLが形成される。また、複数のマイクロレンズMLによりマイクロレンズアレイMLAが構成される。
レンズ層13の表面13aを覆って第1位相補償素子14が設けられている。さらに第1位相補償素子14に対して第2位相補償素子15が重畳されている。第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15は、マイクロレンズMLに入射した光(直線偏光)が、液晶層40を透過する際に、液晶層40における液晶分子のプレチルト角や屈折率異方性に起因する位相差によって楕円偏光に変換されることを光学的に補償するために設けられている。第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15の詳しい構成については後述する。
第2位相補償素子15の平坦な表面に遮光層32が設けられている。遮光層32は、複数のマイクロレンズMLが設けられた表示領域Eを囲む周辺領域に設けられて見切り部31を構成している。また、表示領域Eにおける各画素Pを区画するように設けられている。
遮光層32は、例えば、Al(アルミニウム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、Cr(クロム)などの遮光性を有する材料、あるいはこれらの材料の中から選ばれた少なくとも2つの材料の積層体で構成することができる。本実施形態では、遮光層32は、第2位相補償素子15の共通電極34側の表面から順に積層されたAl(アルミニウム)とTiN(窒化チタン)の二層構造となっている。
遮光層32を覆って平坦化層33が設けられている。平坦化層33は、絶縁性を有する例えば酸化シリコンからなり、被覆性に優れた例えばプラズマCVD法などの方法を用いて形成される。平坦化層33は、平坦化層33を覆って形成される共通電極34の表面の平坦性を確保するために設けられるものである。したがって、絶縁膜を成膜した後にその表面の凹凸を無くすための平坦化処理(研磨処理やエッチング処理など)を施したものであってもよい。
平坦化層33を覆って共通電極34が設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成され、液晶層40を挟んで画素電極28と対向する対向電極である。共通電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜が用いられる。共通電極34は、液晶層40を挟んで複数の画素電極28と対向して配置されるので、画素Pごとに所望の光学特性を実現するためには、共通電極34の表面が平坦であることが好ましい。なお、共通電極34は、対向基板30の角部に設けられた上下導通部56を介して、素子基板20の外部接続端子54に繋がる配線と電気的に接続されている(図1参照)。
共通電極34を覆って配向膜35が設けられている。配向膜35は、素子基板20側の配向膜29と同様に、例えば酸化シリコンなどの無機材料を用いて形成される。前述したように、配向膜29,35の材料選択や配向処理の方法は、液晶装置100の光学設計に基づく液晶の選定や表示モードによる。
液晶装置100では、光は、マイクロレンズMLを備える対向基板30(基板本体11の表面11b)側から入射し、マイクロレンズMLによって画素Pごとに集光される。例えば、基板本体11の表面11b側からマイクロレンズMLに入射する光のうち、画素Pの平面的な中心を通過する光軸に沿って入射した入射光L1は、マイクロレンズMLをそのまま直進し、液晶層40を通過して素子基板20側から出射される。
入射光L1よりも外側でマイクロレンズMLの周囲に入射した入射光L2は、基板本体11とレンズ層13との屈折率nの差により、画素Pの平面的な中心側へ屈折する。入射光L2が仮にそのまま直進すると、液晶層40や素子基板20を通過することで、わずかに屈折し、第2遮光層26(あるいは第1遮光層22)に入射して遮光されてしまうおそれがある。
液晶装置100では、このように第2遮光層26(あるいは第1遮光層22)で遮光されてしまうおそれがある入射光L2も、マイクロレンズMLの集光作用により液晶層40を通過させて第2遮光層26の開口部26a(あるいは第1遮光層22の開口部22a)内に入射させることができる。この結果、素子基板20側から出射される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。なお、本実施形態では、対向基板30側から光が入射するので、マイクロレンズMLを対向基板30側に設けたが、マイクロレンズMLを素子基板20側に設け、素子基板20側から光を入射させる構成としてもよい。
次に、液晶装置100における液晶分子の配向状態について、図4を参照して説明する。なお、図4では、液晶分子の配向状態を説明するにあたり、素子基板20におけるTFT24などの電気的な構成や、対向基板30におけるマイクロレンズMLなどの構成については図示を省略している。
本実施形態の液晶装置100における液晶層40は、VA方式と呼ばれる液晶分子の配向方式が採用されている。具体的には、図4に示すように、液晶装置100における画素電極28の表面には、酸化シリコンを気相成長法の一例である真空蒸着法により斜め蒸着して得られた配向膜29が形成されている。斜め蒸着により基板面には酸化シリコンが蒸着方向に向かって柱状に堆積する。この柱状体をカラム29aと呼ぶ。配向膜29はこのようなカラム29aの集合体である。同様に、液晶装置100における共通電極34の表面を覆う配向膜35もカラム35aの集合体である。
このような配向膜29,35の表面において、負の誘電異方性を有する液晶分子LCは、基板面の法線に対しておよそ3度〜5度のプレチルト角(傾斜角)θpを有して略垂直配向している。また、液晶分子LCを傾斜させるプレチルトの方向すなわち傾斜方向は、配向膜29,35における斜め蒸着の平面的な蒸着方向と同じである。
具体的には、図5に示すように、表示領域Eにおいて液晶分子LCのプレチルトの傾斜方向は、Y方向となす方位角θaが45度となるように設定されている。破線で示した矢印方向が素子基板20に対する斜め蒸着の方向であり、右下から左上に向かう方向である。一方、実線で示した矢印方向が対向基板30に対する斜め蒸着の方向であり、左上から右下に向かう方向である。なお、図5は対向基板30側から見たときの液晶分子LCのプレチルトの傾斜方向を示すものである。液晶分子LCのプレチルトの傾斜方向は、上記の方向に限定されず、例えば、素子基板20側が右上から左下に向かう方向であり、対向基板30側が左下から右上に向かう方向であってもよい。つまり、本実施形態の液晶分子LCのプレチルトの傾斜方向は、本発明の第1の方向の一例であって、液晶装置100の光学設計条件に基づいて適宜設定される。
次に、図4を参照して液晶装置100の電気的な駆動について説明する。
対向配置された素子基板20及び対向基板30並びにこれら一対の基板間に挟持された液晶層40を含めたものを液晶パネル110と呼ぶ。液晶装置100は、液晶パネル110の光の入射側と出射側とにそれぞれ配置された偏光素子81,82を有して用いられる。また、偏光素子81,82は、偏光素子81,82のうちの一方の透過軸または吸収軸がX方向またはY方向に対して平行となるように、且つ互いの透過軸または吸収軸が直交するように液晶パネル110に対してそれぞれ配置されている。
本実施形態では、表示領域Eにおいて偏光素子81,82の透過軸または吸収軸に対して液晶分子LCのプレチルトの方位角θaが45度で交差するように略垂直配向処理が施されている。したがって、図4に示すように画素電極28と共通電極34との間に駆動電圧を印加して液晶層40を駆動すると、液晶分子LCがプレチルトの傾斜方向に倒れることにより、高い透過率が得られる光学的な配置となっている。
液晶層40の駆動(ON/OFF)を繰り返すと、液晶分子LCはプレチルトの傾斜方向に倒れたり、初期の配向状態に戻ったりする挙動を繰り返す。このような液晶分子LCの挙動が起る略垂直配向処理を1軸の略垂直配向処理という。
負の誘電異方性を有するネマチック型の液晶分子LCは屈折率異方性を有している。したがって、液晶分子LCによって構成される液晶層40は複屈折性を有している。前述したように、液晶パネル110に入射する光は、偏光素子82により直線偏光に変換される。画素Pの平面的な中心を通過する光軸に沿って入射した入射光L1(直線偏光)は、マイクロレンズMLを直進し、液晶層40を通過して素子基板20側に出射される。このような入射光L1(直線偏光)は、液晶層40における複屈折性の影響を受け難い。一方で、マイクロレンズMLによって集光され、液晶層40を光軸に対して斜めに透過する入射光L2(直線偏光)は、液晶層40の複屈折性の影響を受け、液晶分子LCのプレチルト角や屈折率異方性に起因する位相差が生じて楕円偏光に変換される。そうすると、例えばノーマリーブラックモードでは光漏れを生ずることになり、表示におけるコントラストの低下を招く。このような不具合を改善する方法として、例えば、位相補償素子としての負のC−プレートを液晶パネル110と偏光素子82との間において、光軸に対して所定の角度で傾斜させて配置する方法がある。しかしながら、余計な部品が増えて液晶装置100としての構成が複雑になったり、負のC−プレートを傾斜して配置するための空間的な制約が生ずるといった問題があった。また、負のC−プレートの耐光性や耐熱性を確保する必要があるといった課題があった。そこで、本実施形態では、液晶層40における位相差を光学的に補償可能な位相補償素子を対向基板30側に設けた。
<位相補償素子>
次に、本実施形態の位相補償素子について、図6及び図7を参照して説明する。図6は第1位相補償素子及び第2位相補償素子の構成を示す概略斜視図、図7は第1光学補償層及び第2光学補償層による光学補償を説明する図である。なお、図6は、Z方向において液晶層40が上方に位置するように対向基板30を配置したときの第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を示すものである。
図6に示すように、本実施形態において対向基板30側に設けられた第1位相補償素子14は、画素Pの配列に対応してY方向に所定の配置ピッチで設けられ、X方向に延在する複数の第1構造体16を有している。第1構造体16は、画素Pの配列に対して行ごとに配置され、図面上でY方向の手前側に傾斜した第1傾斜面16aを有している。図6では詳細を示していないが、第1傾斜面16aには反射防止膜と第1光学補償層18とが形成されている。第1構造体16をX方向から見たときの断面は、直角三角形である。直角三角形の長辺と斜辺とがなす角度、つまり、第1傾斜面16aの傾斜角度はθ1である。
第1位相補償素子14に積層された第2位相補償素子15は、画素Pの配列に対応してX方向に所定の配置ピッチで設けられ、Y方向に延在する複数の第2構造体17を有している。第2構造体17は、画素Pの配列に対して列ごとに配置され、図面上でX方向の左側に傾斜した第2傾斜面17aを有している。図6では詳細を示していないが、第2傾斜面17aには反射防止膜と第2光学補償層19とが形成されている。第2構造体17をY方向から見たときの断面は、直角三角形である。直角三角形の長辺と斜辺とがなす角度、つまり、第2傾斜面17aの傾斜角度はθ2である。第1構造体16及び第2構造体17は、透光性の部材を用いて形成されている。
X方向に延在する第1構造体16とY方向に延在する第2構造体17とが交差した部分が画素Pに対応する部分であり、当該部分では、第1傾斜面16aに形成された第1光学補償層18と、第2傾斜面17aに形成された第2光学補償層19とがZ方向において重なった配置となっている。第1光学補償層18はY方向に傾斜角度θ1で傾斜し、第2光学補償層19はY方向と直交するX方向に傾斜角度θ2で傾斜している。本実施形態において、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2は同じ値である。また、第1光学補償層18及び第2光学補償層19は、それぞれ負のC−プレートとして機能するように誘電体多層膜を用いて形成され、光学的に同じレターデーション値を有している。以降、第1位相補償素子14に第2位相補償素子15が重畳されて構成されたものを総称して位相補償素子と呼ぶこととする。
図7に示すように、Y方向に傾斜角度θ1で傾斜する第1光学補償層18(負のCプレート)と、X方向に傾斜角度θ2で傾斜する第2光学補償層19(負のC−プレート)とが画素PにおいてZ方向に重なっていることから、第1光学補償層18と第2光学補償層19との組み合わせによって得られる位相補償素子は、Z方向から見たときX方向及びY方向に対して45度の方位に光学軸を有する屈折率楕円体(nx=ny>nz)として表される。
一方で、液晶層40における液晶分子LCは前述したように、プレチルト角θpで1軸の略垂直配向しており、光学軸が同じく45度の方位に傾斜した屈折率楕円体(nx=ny<nz)として表される。第1光学補償層18の法線とZ方向とがなす角度θ3は傾斜角度θ1と同じである。また、第2光学補償層19の法線とZ方向とがなす角度θ4は傾斜角度θ2と同じである。したがって、傾斜角度θ1及び傾斜角度θ2のそれぞれをプレチルト角θpの半分とすると、上記位相補償素子を示す屈折率楕円体(nx=ny>nz)の光学軸(長軸)と、液晶分子LCを示す屈折率楕円体(nx=ny<nz)の光学軸(長軸)とが直交した状態となる。したがって、上記位相補償素子と液晶分子LCとの組み合わせは、光学的に等方な屈折率楕円体(nx=ny=nz)となり、液晶分子LCのプレチルト角と屈折率異方性とに起因する位相差は、上記位相補償素子によって補償される。
本実施形態において、液晶分子LCのプレチルトの方向(傾斜方向)が本発明の第1の方向の一例であり、Y方向が本発明の第1の方向と交差する第2の方向の一例であり、X方向が本発明の第2の方向と直交する第3の方向の一例である。
<液晶装置の製造方法>
本実施形態の液晶装置100の製造方法における特徴は、対向基板30における第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15の形成方法に係る。素子基板20などの他の構成要素の形成方法は、公知の技術を採用可能であることから、本実施形態では、液晶装置100の製造方法として、対向基板30の製造方法について図8〜図16を参照して説明する。図8は対向基板の製造方法を示すフローチャート、図9〜図16は対向基板の製造方法における工程を説明するための図である。なお、図13は反射防止膜及び第1光学補償層の構成を示す模式断面図である。
図8に示すように、本実施形態の対向基板30の製造方法は、マイクロレンズアレイの形成工程(ステップS1)と、第1構造体16(第1傾斜面16a)の形成工程(ステップS2)と、反射防止膜及び第1光学補償層18の形成工程(ステップS3)と、第1保護層の形成工程(ステップS4)とを備えている。また、第2構造体17(第2傾斜面17a)の形成工程(ステップS5)と、反射防止膜及び第2光学補償層19の形成工程(ステップS6)と、第2保護層の形成工程(ステップS7)とを備えている。さらに、遮光層32の形成工程(ステップS8)と、平坦化層33の形成工程(ステップS9)と、共通電極34の形成工程(ステップS10)とを備えている。ステップS1のマイクロレンズアレイの形成工程は、前述したように公知の技術を採用できることから、以降、ステップS2から順に説明する。
ステップS2の第1構造体16(第1傾斜面16a)の形成工程では、図9に示すように、まずレンズ層13に透光性の下地層16fを形成する。下地層16fの形成方法としては、例えばプラズマCVD法などにより酸化シリコンを堆積させて形成する方法が挙げられる。下地層16fの膜厚は、レンズ層13上に形成される第1構造体16の高さに応じて設定される。
次に、図10に示すように、下地層16f上に第1構造体16に類似したレジストパターン71を形成する。なお、図10はX方向から見たY方向に沿う画素の断面図である。このように断面形状が直角三角形の繰り返しであるレジストパターン71の形成方法としては、感光性レジスト層をグレースケールマスクを用いて露光・現像する方法、感光性レジスト層を場所と光量とを変えて段階的に露光・現像する方法、ナノプリントなどにより樹脂材料を積層する方法などが挙げられる。レジストパターン71のY方向における直角三角形の幅は、画素Pの画素ピッチによる。また、レジストパターン71の直角三角形の高さは、第1構造体16の高さ、つまり第1傾斜面16aの傾斜角度θ1に依存する。傾斜角度θ1は、前述したように液晶分子LCのプレチルト角θpの半分の値である。
そして、樹脂材料からなるレジストパターン71と酸化シリコンからなる下地層16fとをドライエッチング(異方性エッチング)する。ドライエッチングにより、レジストパターン71の形状を下地層16fに転写させ、図11に示すように、マイクロレンズアレイMLAのマイクロレンズMLごとに配置される第1傾斜面16aを有する第1構造体16を形成する。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3の反射防止膜及び第1光学補償層18の形成工程では、図12に示すように、複数の第1傾斜面16aを覆うように、反射防止膜及び第1光学補償層18を形成する。反射防止膜及び第1光学補償層18は、屈折率が異なる2種の誘電体膜を交互に積層することにより形成する。具体的には、図13に示すように、屈折率が小さい誘電体膜として例えば酸化シリコン膜を用い、これを誘電体膜Lと表示する。また、酸化シリコン膜よりも屈折率が大きい誘電体膜として例えば酸化ニオブ(Nb25)膜を用い、これを誘電体膜Hと表示する。また、単に誘電体膜を指す場合には、誘電体膜Deと呼ぶ。なお、誘電体膜Hは酸化ニオブ膜であることに限定されず、例えば酸化タンタル(Ta25)膜を用いてもよい。これらの誘電体膜は、例えば真空蒸着法やスパッタ法を用いて形成される。
まず、第1構造体16の第1傾斜面16aに反射防止膜AR1を形成する。反射防止膜AR1は、第1構造体16が屈折率が小さい酸化シリコンからなることから、誘電体膜H、誘電体膜Lの順に繰り返して積層することで反射防止膜AR1を構成できる。
次に、反射防止膜AR1上に第1光学補償層18を形成する。図13に示したように、本実施形態では反射防止膜AR1の最上層が誘電体膜Lであることから、誘電体膜H、誘電体膜Lの順に繰り返して積層して第1光学補償層18を形成する。第1光学補償層18は、誘電体膜De1〜誘電体膜Denのn層で構成される。屈折率が異なる誘電体膜Deをn回成膜して第1光学補償層18を形成することから、各誘電体膜Deの膜厚が同じに設定されている。第1光学補償層18は、光学補償に必要なレターデーション値と誘電体膜L及び誘電体膜Hのそれぞれの屈折率とに基づき、誘電体膜L及び誘電体膜Hのそれぞれの膜厚と層数nとを、光学的なシミュレーションによって決定する。
次に、第1光学補償層18上に再び反射防止膜AR2を形成する。本実施形態では第1光学補償層18の最上層が誘電体膜Lであることから、誘電体膜H、誘電体膜Lの順に繰り返して積層して反射防止膜AR2を形成する。反射防止膜AR1,AR2もまた、目標とする透過率と誘電体膜L及び誘電体膜Hのそれぞれの屈折率とに基づき、誘電体膜L及び誘電体膜Hのそれぞれの膜厚と層数とを、光学的なシミュレーションによって決定する。したがって、反射防止膜AR1,AR2及び第1光学補償層18の層数は偶数であることに限定されない。
本実施形態では、第1光学補償層18の光の入射側と出射側とに反射防止膜AR1,AR2を形成することにより、高い光の透過率が得られる構成としている。具体的は透過率の目標値は、例えば波長が550nmのときの光の透過率の目標値を99.5%以上として、誘電体膜L、誘電体膜Hの膜厚を設定している。言い換えれば、第1構造体16と第1光学補償層18との界面、及び第1光学補償層18と第1保護層18c(図14参照)との界面における光の反射を低減している。なお、これらの誘電体膜を、上述したように真空蒸着法やスパッタ法を用いて形成する観点から、所望のレターデーション値が得られるように膜厚ばらつきを抑えることが好ましく、各誘電体膜の膜厚は、少なくとも10nm以上とすることが好ましい。膜厚を大きくすれば第1傾斜面16aに対する被覆性が向上するが、一方で第1傾斜面16aの段差部における膜厚ばらつきが増大するおそれがあるので、可能な限り膜厚を抑えることが好ましい。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4の第1保護層18cの形成工程では、図14に示すように、第1光学補償層18が形成された第1構造体16を覆うように第1保護層18cを形成する。具体的には、例えばプラズマCVD法により、第1構造体16と同じ屈折率を有する酸化シリコンを堆積させて、第1構造体16上に堆積層18dを形成する。堆積層18dには、第1傾斜面16aと同様な凹凸が形成されることから、平坦化処理を施して平坦な表面18caを有する第1保護層18cを形成する。平坦化処理としては、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理などが挙げられる。これにより、レンズ層13上に第1構造体16、第1光学補償層18、第1保護層18cが積層されて構成された第1位相補償素子14ができあがる。そして、ステップS5へ進む。
ステップS5〜ステップS7は、ステップS2〜ステップS4と基本的に同じであるが、第1構造体16の第1傾斜面16aがX方向に延在してY方向に傾斜しているのに対して、Y方向に延在してX方向に傾斜する第2傾斜面17aを有する第2構造体17を形成する。第2傾斜面17aの傾斜角度θ2は、前述したように液晶分子LCのプレチルト角θpの半分の値である。第2傾斜面17aに形成される第2光学補償層19の構成は、第1光学補償層18と同じであり、第2光学補償層19の光の入射側に反射防止膜AR1を形成し、第2光学補償層19の光の出射側に反射防止膜AR2を形成する。また、第2光学補償層19が形成された第2構造体17を覆うように第2保護層19cを形成する。第2保護層19cもまた平坦化処理が施されることにより、平坦な表面19caを有する。これにより、図15に示すように、第1位相補償素子14上に、第2構造体17、第2光学補償層19、第2保護層19cが積層されて構成された第2位相補償素子15ができあがる。なお、図15はY方向から見たX方向に沿う画素の断面図である。第1保護層18cと第2構造体17とは同じ材料を用いて形成され、屈折率が同じになることから、第1位相補償素子14と第2位相補償素子15との界面における光の反射が防止される。そして、ステップS8へ進む。
ステップS8では、第2保護層19c上に遮光層32を形成する。遮光層32は図1に示したように表示領域Eを囲む見切り部31として機能するように形成する。また、画素領域Eに配置される各画素Pを囲むBM(ブラックマトリックス)として機能するように形成する。つまり、BMとして機能する遮光層32は、X方向とY方向とに格子状に形成され、X方向に隣り合う第2傾斜面17aの境界と重なる。また、図16には示していないが、Y方向に隣り合う第1傾斜面16aの境界と重なる。ステップS9では、遮光層32を覆う平坦化層33を形成する。ステップS10では、平坦化層33上に共通電極34を形成する。これにより、図16に示すように、マイクロレンズアレイ基板10と、マイクロレンズアレイ基板10に積層された、第1位相補償素子14、第2位相補償素子15、遮光層32、平坦化層33、共通電極34を有する対向基板30ができあがる。また、この後、共通電極34を覆うように前述した配向膜35が形成される。なお、図16もまたY方向から見たX方向に沿う画素の断面図である。
上記第1実施形態の液晶装置100とその製造方法によれば、以下の効果が得られる。
(1)液晶分子LCのプレチルト角θpや屈折率異方性に起因する位相差は、第1位相補償素子14と第2位相補償素子15とによって光学補償される。したがって、1つの位相補償素子によって光学補償を行う場合に比べて、第1位相補償素子14における第1傾斜面16aの傾斜角度θ1及び第2位相補償素子15における第2傾斜面17aの傾斜角度θ2をいずれも小さくすることができる。そうすると、第1傾斜面16aの傾斜方向において隣り合う第1傾斜面16aの段差部を小さくすることができるため、該段差部を覆うように第1光学補償層18を形成したとしても、該段差部における第1光学補償層18の膜厚変動が抑えられる。同様に、第2傾斜面17aの傾斜方向において隣り合う第2傾斜面17aの段差部を小さくすることができるため、該段差部を覆うように第2光学補償層19を形成したとしても、該段差部における第2光学補償層19の膜厚変動が抑えられる。よって、該段差部を直線偏光が透過したとしても上記位相差が適正に光学補償される。すなわち、上記位相差に起因する光漏れを低減し、優れた光学特性を有する液晶装置100を提供することができる。
(2)第1傾斜面16aの傾斜角度θ1と第2傾斜面17aの傾斜角度θ2とは同じであって、液晶分子LCのプレチルト角θpの半分の値である。したがって、傾斜方向に隣り合う第1傾斜面16aの段差部の大きさと、傾斜方向に隣り合う第2傾斜面17aの段差部の大きさとを同じにすることができる。ゆえに、第1傾斜面16aに係る段差部を覆う第1光学補償層18の膜厚の変動と、第2傾斜面17aに係る段差部を覆う第2光学補償層19の膜厚の変動とをそれぞれ同程度に抑えることができる。つまり、各光学補償層の膜厚のばらつきに起因する光漏れがより低減される。
(3)第1光学補償層18及び第2光学補償層19のそれぞれは、屈折率が異なる2種の誘電体膜Hと誘電体膜Lとを交互に所定の回数積層することによって形成され、第1光学補償層18の構成と、第2光学補償層19の構成とは同じあり、第1光学補償層18のレターデーション値と第2光学補償層19のレターデーション値とは同じである。したがって、各光学補償層の光学設計と、各光学補償層を形成する工程とを簡素化することができる。
(4)第1光学補償層18及び第2光学補償層19のそれぞれにおいて、光の入射側と出射側とに反射防止膜が形成される。したがって、高い光の透過率が実現され、第1光学補償層18及び第2光学補償層19のそれぞれの界面において光の反射が低減される。すなわち、上記位相差を適正に光学補償可能な第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を有すると共に、より優れた光学特性を有する液晶装置100を提供することができる。
(5)第1傾斜面16aはX方向に延在して形成され、第2傾斜面17aはY方向に延在して形成される。すなわち、第1傾斜面16a上の第1光学補償層18は、X方向(行方向)の複数の画素Pに跨って形成され、第2傾斜面17a上の第2光学補償層19は、Y方向(列方向)の複数の画素Pに跨って形成される。したがって、第1傾斜面16a及び第2傾斜面17a、すなわち第1光学補償層18及び第2光学補償層19を画素Pごとに独立して形成する場合に比べて、X方向(行方向)における第1光学補償層18の膜厚ばらつきを低減すると共に、Y方向(列方向)における第2光学補償層19の膜厚ばらつきを低減することができる。ゆえに、第1光学補償層18と第2光学補償層19とによって画素Pごとに上記位相差を適正に光学補償することができる。
(6)表示領域Eにおいて対向基板30に設けられる遮光層32はBMとして機能する。したがって、Y方向に傾斜する第1傾斜面16aの段差部を覆う第1光学補償層18の膜厚が変動したり、X方向に傾斜する第2傾斜面17aの段差部を覆う第2光学補償層19の膜厚が変動したりしても、これらの光学補償層の膜厚の変動した部分を透過した光は、遮光層32で遮光される。つまり、各光学補償層の膜厚変動による光漏れは生じ難い。
(7)傾斜面を有する第1構造体16及び第2構造体17、第1光学補償層18及び第2光学補償層19、第1保護層18c及び第2保護層19cは、いずれも無機材料を用いて形成されているため、耐熱性、耐光性において高い信頼性を有する第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を備えた液晶装置100を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の液晶装置について、図17を参照して説明する。図17は第2実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、図17は、上記第1実施形態の液晶装置100の構造を示す図3に対応させた概略断面図である。
第2実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置100に対して、第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を素子基板側に設けたことが異なっている。したがって、上記第1実施形態の液晶装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図17に示すように、本実施形態の液晶装置200は、素子基板220と対向基板230との間に挟持された負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層40を有している。素子基板220は、基板本体21上において、画素Pごとに設けられたTFT24と、画素電極28と、画素電極28を覆う配向膜29とを有している。また、素子基板220は、基板本体21上において、TFT24と画素電極28との間に設けられた、第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を有している。
対向基板230は、画素Pごとに設けられたマイクロレンズMLを含むマイクロレンズアレイMLAが構築されたマイクロレンズアレイ基板10と、マイクロレンズアレイ基板10のレンズ層13に対して液晶層40側に設けられた、パス層13Pと、遮光層32と、平坦化層33と、共通電極34と、共通電極34を覆う配向膜35とを有している。レンズ層13と遮光層32との間に設けられたパス層13Pは、マイクロレンズMLによって集光された光の集光範囲を調整するための透過層である。
上記第1実施形態で説明したように、素子基板220において、基板本体21とTFT24との間に設けられた第1遮光層22は走査線2として機能している。また、TFT24と画素電極28との間に設けられた第2遮光層26は、信号線としてのデータ線3として機能している。したがって、図17では図示を省略しているが、第1位相補償素子14における第1傾斜面16a(第1光学補償層18)は走査線2に沿って配置され、第2位相補償素子15における第2傾斜面17a(第2光学補償層19)はデータ線3に沿って配置されている。
Y方向に隣り合う第1傾斜面16aの段差部は走査線2として機能する第1遮光層22と重なっている。また、X方向に隣り合う第2傾斜面17aの段差部はデータ線3として機能する第2遮光層26と重なっている。
素子基板220における第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15の形成方法は、上記第1実施形態の対向基板30の製造方法におけるステップS2〜ステップS7を適用することができる。
上記第2実施形態の液晶装置200とその製造方法によれば、上記第1実施形態の効果(1)〜(5)と同様な効果を得ることができる。また、以下の効果が得られる。
(8)表示領域Eにおいて素子基板220に設けられる第1遮光層22及び第2遮光層26はBMとして機能する。したがって、Y方向に傾斜する第1傾斜面16aの段差部を覆う第1光学補償層18の膜厚が変動したり、X方向に傾斜する第2傾斜面17aの段差部を覆う第2光学補償層19の膜厚が変動したりしても、これらの光学補償層の膜厚の変動した部分を透過した光は、第2遮光層26と第1遮光層22とにより遮光される。つまり、各光学補償層の膜厚変動による光漏れは遮光されるので目立ち難い。
上記第1実施形態及び上記第2実施形態に示したように、液晶層40の液晶分子LCのプレチルト角や屈折率異方性に起因する位相差を光学補償する位相補償素子(第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15)は、液晶層40に近い側に設けられることが好ましい。
上記第1実施形態では、位相補償素子は、レンズ層13と遮光層32との間に設けられている。したがって、マイクロレンズMLで集光された光は位相補償素子を透過するため、画素Pの光軸に対して斜めに入射する光の光学補償を適正に行うことができる。
上記第2実施形態では、位相補償素子は、TFT24と画素電極28との間、さらに言えば、第2遮光層26と画素電極28との間に設けられている。したがって、液晶層40を透過した光の一部が第2遮光層26やTFT24で反射して位相補償素子に入射することがない。つまり、第2遮光層26やTFT24による光の乱反射の影響を受けずに、上記位相差が適正に光学補償される。
(第3実施形態)
<電子機器>
次に、上記実施形態の液晶装置が適用された電子機器の一例としての投射型表示装置について、図18を参照して説明する。図18は投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図18に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸L0に沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、を備えている。また、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、を備えている。さらに、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207と、を備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から出射された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて出射される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上記第1実施形態の液晶装置100(図1参照)が適用されたものである。液晶装置100の色光の入射側と出射側とにクロスニコルに配置された一対の偏光素子が隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、上記第1実施形態の液晶装置100が用いられているので、液晶層40の光の複屈折による位相差が第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15によって補償されている。したがって、明るい表示が可能であると共に、高いコントラストが実現され、見栄えのよい表示の投射状態を実現可能な投射型表示装置1000を提供することができる。
なお、液晶ライトバルブ1210,1220,1230には、上記第1実施形態の液晶装置100だけでなく、上記第2実施形態の液晶装置200も適用可能である。
また、上記実施形態の液晶装置100(液晶装置200)が適用可能な電子機器は、投射型表示装置1000に限定されず、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やヘッドアップディスプレイ(HUD)の表示部として好適に用いることができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置及び該液晶装置の製造方法ならびに該液晶装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を内蔵する構成は、透過型の液晶装置100(液晶装置200)に適用することに限定されない。例えば、画素電極28が光反射性を有する反射型の液晶装置に適用することも可能である。
(変形例2)第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を内蔵させる基板は、上記第1実施形態では対向基板30であり、上記第2実施形態では素子基板220であったが、例えば、液晶層40を挟持する一対の基板の光の入射側と出射側とに透光性の防塵基板を設けた場合、2つの防塵基板の一方に第1位相補償素子14及び第2位相補償素子15を形成してもよい。
(変形例3)第1光学補償層18及び第2光学補償層19のそれぞれにおいて、光の入射側と出射側とに設けられた反射防止膜AR1,AR2は必須な構成ではない。例えば、光の入射側に反射防止膜AR1だけを設ける構成としてもよい。
(変形例4)第1構造体16を覆う第1保護層18c、及び第2構造体17を覆う第2保護層19cの代わりに、第1光学補償層18及び第2光学補償層19のそれぞれにおいて光の出射側に設けられる反射防止膜AR2を保護層として用いてもよい。
(変形例5)上記各実施形態では対向基板側に画素Pを区画するBMとして機能するように遮光層32を設けたが、遮光層32は必須な構成ではなく削除してもよい。
2…走査線、3…信号線としてのデータ線、14…第1位相補償素子、15…第2位相補償素子、16…第1構造体、16a…第1傾斜面、17…第2構造体、17a…第2傾斜面、18…第1光学補償層、18c…第1保護層、19…第2光学補償層、19c…第2保護層、20…第1基板としての素子基板、24…トランジスターとしてのTFT、30…第2基板としての対向基板、40…液晶層、100,200…液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置、AR1,AR2…反射防止膜、ML…マイクロレオンズ、MLA…マイクロイレンズアレイ、P…画素。

Claims (17)

  1. 第1基板と第2基板との間に、負の誘電異方性を有する液晶分子が第1の方向にプレチルトを有して略垂直配向した液晶層を備える液晶装置であって、
    前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、
    前記第1の方向と交差する第2の方向に傾斜した第1傾斜面と、前記第1傾斜面に設けられた第1光学補償層とを有する第1位相補償素子と、
    前記第2の方向と直交する第3の方向に傾斜した第2傾斜面と、前記第2傾斜面に設けられた第2光学補償層とを有する第2位相補償素子と、を有し、
    平面視で前記第1光学補償層と前記第2光学補償層とが重なるように前記第1位相補償素子に対して前記第2位相補償素子が重畳されている、液晶装置。
  2. 前記第1傾斜面の傾斜角度と、前記第2傾斜面の傾斜角度とが同じである、請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記第1光学補償層及び前記第2光学補償層は、それぞれ誘電体多層膜からなり、
    前記第1光学補償層のレターデーション値と前記第2光学補償層のレターデーション値とが同じである、請求項1または2に記載の液晶装置。
  4. 前記第1光学補償層及び前記第2光学補償層のそれぞれに対して、光の入射側と出射側とに反射防止膜を有する、請求項3に記載の液晶装置。
  5. マトリックス状に配置された複数の画素を有し、
    前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のうちの一方は、前記複数の画素の行ごとに配置され、他方は、前記複数の画素の列ごとに配置されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 互いに直交して配置された走査線及び信号線と、前記走査線と前記信号線とに接続され、複数の画素ごとに設けられたトランジスターとを有し、
    前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のうちの一方は、前記走査線に沿って配置され、他方は、前記信号線に沿って配置されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 前記第1位相補償素子及び前記第2位相補償素子は、前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板の前記液晶層に近い側に配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
  8. 前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、複数の画素ごとに設けられたマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイを有し、
    前記第1位相補償素子及び前記第2位相補償素子は、前記マイクロレンズアレイと前記液晶層との間に配置されている、請求項7に記載の液晶装置。
  9. 前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、複数の画素ごとに設けられたトランジスターを有し、
    前記第1位相補償素子及び前記第2位相補償素子は、前記トランジスターと前記液晶層との間に配置されている、請求項7に記載の液晶装置。
  10. 前記第1位相補償素子は、前記第1傾斜面を有する第1構造体と、前記第1構造体に積層された第1保護層とを有し、
    前記第2位相補償素子は、前記第2傾斜面を有する第2構造体と、前記第2構造体に積層された第2保護層とを有し、
    前記第1保護層の前記第2構造体に対向する側の面及び前記第2保護層の前記液晶層に対向する側の面は、平坦となっている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液晶装置。
  11. 前記第1保護層の屈折率と前記第2構造体の屈折率とが同じである、請求項10に記載の液晶装置。
  12. 前記第1構造体及び前記第2構造体、前記第1保護層及び前記第2保護層は、いずれも無機材料を用いて形成されている、請求項10または11に記載の液晶装置。
  13. 第1基板と第2基板との間に、負の誘電異方性を有する液晶分子が第1の方向にプレチルトを有して略垂直配向した液晶層を備える液晶装置の製造方法であって、
    前記第1基板と前記第2基板のうちの一方の基板に、
    前記第1の方向と交差する第2の方向に傾斜した第1傾斜面を形成する工程と、
    前記第1傾斜面に異なる屈折率の誘電体膜を積層して第1光学補償層を形成する工程と、
    前記第2の方向と直交する第3の方向に傾斜した第2傾斜面を形成する工程と、
    前記第2傾斜面に異なる屈折率の誘電体膜を積層して第2光学補償層を形成する工程と、を有し、
    平面視で前記第1光学補償層と前記第2光学補償層とが重なるように、前記第1傾斜面に対して前記第2傾斜面を形成する、液晶装置の製造方法。
  14. それぞれの傾斜角度が同じとなるように、前記第1傾斜面と、前記第2傾斜面とを形成する、請求項13に記載の液晶装置の製造方法。
  15. それぞれのレターデーション値が同じとなるように、前記第1光学補償層と、前記第2光学補償層とを形成する、請求項13または14に記載の液晶装置の製造方法。
  16. 前記第1光学補償層及び前記第2光学補償層のそれぞれに対して、光の入射側と出射側とに、異なる屈折率の誘電体膜を積層して反射防止膜を形成する工程をさらに有する、
    請求項15に記載の液晶装置の製造方法。
  17. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液晶装置を備えた、電子機器。
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