JP2016080398A - 生体情報検出レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
つまり、寝室や病室、車内といった限られた範囲の狭い空間毎に、従来のようなレーダ装置を設置することは、多大な費用と手間がかかり、実用的でないといった問題があった。
図1に示すように、生体が異常か否かを検知するためのレーダ本体1は、UWB信号Taを発信するための送信部11と、送信部11から送信したUWB信号Taが検出対象とする生体を含む複数の反射箇所Zにより反射した反射信号Waを受信するための受信部12と、送信部11及び受信部12にデータを送受信可能に接続されると共にMPUやFPGA等によって構成され制御部と演算部と記憶部を有する処理部(デジタル処理)16と、処理部16に接続されパーソナルコンピュータ(PC)等のレーダ用情報処理装置(外部機器)9とデータを送受信するためのデータ入出力部(インターフェース)17と、を備えている。
図示省略するが、レーダ本体1は、病室や寝室の壁や天井、ベットの枠体、車内のダッシュボードや天井等の所定位置に配設され、検出対象とする生体の呼吸による胸郭や腹部の挙動や心拍等の生体情報を検出して、生体が異常か否かを検知するためのものである。
レーダ本体1の処理部16は、図2及び図3に示すように、タイミング発生部21からのスタートタイミング(命令)により擬似乱数発生部22にてM系列のPN符号のビット列を31ビット生成する(PN符号生成処理)。
送信可変遅延部(プログラマブル遅延素子)23にてタイミング発生部21からのスタートタイミングよりも、後述のサンプリング周期よりも小さい所定遅延時間遅らせる(ディレイ付与処理)。
スタートタイミングよりも所定遅延時間遅らせた(ディレイを付与した)M系列のPN符号のビット列をインパルス発生部24にて、M系列のPN符号をもったUWBインパレス列信号にし、送信用増幅部25にて増幅し、送信アンテナ26からM系列のPN符号をもったUWB信号Ta(アナログ)として送信する(UWB信号送信処理)。
その後、受信した反射信号WaをA/D変換部(小ビットのA/D変換器、又は、1ビットの比較器)35にて、所定閾値と比較し、「1」と「0」の受信デジタルデータに変換し、FPGAやMPUといった集積回路等で構成される処理部16(制御部と演算部と記憶部を有している処理部16)に送信する(受信デジタル変換処理)。
このように、サンプリング時間よりも短い時間をもった固定遅延部51,51を用いて、受信側で複数のサンプリングを行うことにより、解像度を向上させ、安価なLSI等の処理部16でも十分なサンプリングを行うことを可能としている。この固定遅延部51は厳密な遅延値を持つものが好ましい。
つまり、タイミング発生部21からのスタートタイミング(タイミング発生時刻)を基準として、サンプリングするまでにかかった時間を反射時間とし、64番〜127番の検出結果データを反射時間が0ns〜20nsまでの間で312.5ps刻みで計測した反射信号Waの検出結果データとし、0番〜63番の検出結果データを反射時間が20nsを越え40nsまでの間で312.5ps刻みで計測した反射信号Waの検出結果データとして、検出対象の生体及び検出対象の生体以外の反射箇所Zを区別することなく、反射時間順に、集計し、検出結果データ保持部54(128ビットシフトレジスタ)に格納する(検出結果データ作成処理)。この手法を繰り返せば、より計測距離を拡張できる。
1番格納室に格納した検出結果データは、スタートタイミングを基準としてサンプリングするまでに312.5psかかった反射信号Wa(反射時間が312.5psの反射信号Wa)があったか否かを意味し、図4において未検知データなので「無し」を意味する。
128番格納室に格納した検出結果データは、反射時間が40000ps(40ns)の反射信号Waがあるか否かを意味し、図4に於て検知データなので「有り」を意味する。
1番格納室に格納した検出結果データは、レーダ本体1から4.6875cmの位置に反射箇所があるか否かを意味し、図5に於て未検知データなので反射箇所が「無し」を意味する。
128番の格納室に格納した検出結果データは、レーダ本体1から600cmの位置に反射箇所Zがあったか否かを意味し、図5に於て検知データなので反射箇所Zが「有り」を意味する。
この擬似値は、312.5刻み(所定検知時間刻み)の反射時間を1刻み(整数)に置き換えた擬似反射時間値と言える。あるいは、4.6875cm刻み(所定検知距離刻み)のレーダ本体1からの距離を、1刻み(整数)に置き換えた擬似距離値とも言える。
処理部16は、マスクデータと検出結果データを比較して、所望距離範囲の検出結果データを取り出すデータ抽出処理(結果データ抽出処理)を行う。
マスクデータを設定(記憶)可能とすることで、所定距離範囲からの反射信号Taを抽出でき、処理を迅速かつ効率よく行える。
なお、レーダ測定範囲の設定情報を入力しない場合は、全ての検出結果データを抽出結果データとする。
なお、検出結果データや抽出結果データを、データ入出力部17を介して、情報処理装置9に出力(送信)しても良い。
図1に於て、処理部16の擬似平均値演算部56は、次々と受信する反射信号Waに対して、擬似平均値処理をおこなって擬似平均値Gを算出する。
そして、処理部16は比較用平均値演算部57にて、所定セット検出時間内に算出した複数の擬似平均値Gの平均値である比較用平均値Jを算出する(比較用平均値算出処理)を行う。
そして、図7に示す検出結果データを、第1UWB信号Ta1と異なる所定遅延間をもった(送信可変遅延部23により付与した)第2UWB信号Ta2の反射である第2反射信号Wa2のデータとする。マスクデータは同じとする。また、図5においてZaで示す反射箇所が、図6においてはレーダ本体1から離れた位置に移動している。
検知合計値eは「5」、擬似合計値fは「86+87+89+90+91=443」で、擬似平均値Gは「443÷5=88.6」である(第2回目の擬似平均値演算処理)。
また、図示省略するが、第1UWB信号Ta1及び第2UWB信号Ta2と異なる所定遅延時間をもった第3UWB信号Ta3の反射である第3反射信号Wa3のデータが、図6の検出結果データと同じであると、擬似平均値Gは88.25である(第3回目の擬似平均値演算処理)。
例えば、所定セット検出時間内で第1〜第3回の擬似平均値演算処理を行ったとし、算出した3つ擬似平均値Gの平均値である比較用平均値J(265.1÷3)を1セットの検出結果として求めて記憶する(比較用平均値算出処理)。
つまり、送信側又は受信側に、サンプリング周期よりも短い遅延(ディレイ)を意図的に設定可能な可変遅延部(プログラマブルな遅延部)を介設し、送信側と受信側のクロックを意図的にずらして非同期にし、検出の繰り返しごとに遅延時間を調整し(順次ずらし)、準モンテカルロ的な確立で真の距離値に近づくようにしている。
また、アナログ回路は小規模なフロントエンドのみで、あとはデジタル処理で実現しているため、容易に小型化できると共に低コストで製造が可能となる。例えば、図9に示すように、レーダ本体1の基板(盤)ケーシング10は、高さ寸法Hが70mm〜75mm、前後寸法Lが20mm〜25mm、横寸法Kが115mm〜135mmで製造可能である。言い換えると161000mm3〜253125mm3の空間に収まるように、非常にコンパクトに製造可能である(高さ寸法H×前後寸法L×横寸法Kが小さい)。しかも、重量も100gと軽量である。また、小電力(30V未満の電力)で作動可能で、例えば、5V、500mA(USBバスパワー)や、車両の12Vソケット電源からの電力であっても十分に作動させることができる。
検出対象とする生体の正常・異常を検知するための方法であって、スタートタイミングによってM系列のPN符号をもったデジタルデータ発生させるPN符号生成工程と、M系列のPN符号をもったデジタルデータをM系列のPN符号をもったアナログのインパルス列のUWB信号Taを送信するUWB送信工程と、検出対象とする生体を含む複数の反射箇所ZによってUWB信号Taが反射した反射信号Waを受信して受信デジタルデータに変換する受信デジタル変換工程と、変換した受信デジタルデータを所定サンプリング周期でオーバーサンプリングする受信サンプリング工程と、を有し、スタートタイミングよりも所定遅延時間遅らせてUWB信号Taを送信させる、又は、スタートタイミングよりも所定時間遅延させて反射信号Waをサンプリング(受信)させるためのディレイ付与工程を有している。
また、受信デジタルデータを、検出対象とする生体及び生体以外の反射箇所を区別することなく、演算処理して、(所定時間刻みの)所定反射時間毎に反射信号Waが有りを意味する検知データと無しを意味する未検知データとを有する検出結果データを作成する検出結果データ作成工程を有している。
また、予め(レーダ検出開始前に)入力されて記憶されているマスクデータと検出結果データを比較して所望距離範囲の検出結果データを抽出結果データとして取り出す結果データ抽出工程と、を有している。
また、抽出結果データの検知データの数を数えて検知合計数eを求める検知合計演算工程と、抽出結果データの検知データと未検知データ夫々に擬似値を対応させて検知データに対応する擬似値を合算した値である擬似合計値fを求める擬似値合計演算工程と、擬似合計値fを検知合計値eで割った値である擬似平均値Gを求める擬似平均値演算工程と、を有している。
また、次々と受信する反射信号Waに対して擬似平均値Gを算出し、所定セット検出時間内に算出した複数の擬似平均値Gの平均値である比較用平均値Jを算出し、1セットの検出として記憶する比較平均値演算工程を有している。
また、算出した複数セット分の比較用平均値Jを、夫々、比較して変動を検出する変動検出工程と、変動検出工程で検出した変動の変化を読み取って検出対象の生体が正常か否かを検知する異常検知工程を有している。
Wa 反射信号
Z 反射箇所
Claims (1)
- M系列のPN符号をもったUWB信号(Ta)を発信して、検出対象とする生体を含む複数の反射箇所(Z)からの反射信号(Wa)を受信して、上記検出対象とする生体及び該検出対象とする生体以外の反射箇所(Z)を区別することなく反射時間を集計し、かつ、平均値を算出し、算出した該平均値の変動を検出して、上記検出対象とする生体の正常・異常を検知することを特徴とする生体情報検出レーダ装置。
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