JP2016079317A - 熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 Download PDF

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徳昭 村上
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Abstract

【課題】溶融粘度の低い、そして積層板のプレス成形時の成形性に優れる熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供する。【解決手段】(A)(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(a2)1分子中に少なくとも1個以上のアミノ基と酸性置換基を有する化合物とを反応させて得られる反応物と、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(C)シリコーン化合物と、(D)無機充填材と、(E)チタネートカップリング剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物であって、前記(D)無機充填材が、無溶剤状態で、(E)チタネートカップリング剤を用いて表面処理をしてなるものである、熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板に関する。
近年、半導体用パッケージ基板では、小型化、薄型化に伴い、部品実装時やパッケージ組み立て時において、チップと基板との熱膨張係数の差に起因した反りが大きな課題となっている。このため、低熱膨張性と高弾性を兼ね備えた半導体用パッケージ基板が要求されている。この低熱膨張化、高弾性化の手法として無機充填材の配合量を上げることが一般的であるが、無機充填材の配合量を上げるとプレス成形が困難になることが知られている(特許文献1及び2参照)。この対策として、低粘度のエポキシ樹脂を用いて成形性と低熱膨張率を両立することが行われているが、Tg(ガラス転移点)や弾性率の低下が起きることが知られている(特許文献3参照)。
特開平6−263843号公報 特開2012−149155号公報 特開2011−168650号公報
本発明の目的は、低熱膨張性と高弾性の点から無機充填材の配合量を上げるため、溶融粘度の低い、そして積層板のプレス成形時の成形性に優れる熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、(D)無機充填材の(E)チタネートカップリング剤での表面処理を無溶剤で行った後、(A)(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(a2)1分子中に少なくとも1個以上のアミノ基と酸性置換基を有する化合物とからなる反応物と、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(C)シリコーン化合物とを配合することで、同一量の(D)無機充填材を配合しても樹脂の溶融粘度を下げられることを見出した。そして、(D)無機充填材の配合量を高めることができるため、低熱膨張性に優れ、高弾性であり、且つ積層板のプレス成形が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られること見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、かかる知見にもとづいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)(A)(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(a2)1分子中に少なくとも1個以上のアミノ基と酸性置換基を有する化合物とを反応させて得られる反応物と、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(C)シリコーン化合物と、(D)無機充填材と、(E)チタネートカップリング剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物であって、前記(D)無機充填材が、無溶剤状態で、(E)チタネートカップリング剤を用いて表面処理をしてなるものである、熱硬化性樹脂組成物。
(2)(C)シリコーン化合物が官能基を1個以上有している(1)記載の熱硬化性樹脂組成物。
(3)(C)シリコーン化合物がアミノ基を1個以上有している(1)又は(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(4)(C)シリコーン化合物が水酸基を1個以上有している(1)〜(3)いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸又は塗工してなるプリプレグ。
(6)(5)に記載のプリプレグを所定の枚数積層し成形してなる積層板。
(7)(6)に記載の積層板を回路加工してなるプリント配線板。
本発明により、溶融粘度の低い、そして積層板のプレス成形時の成形性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供することが可能となる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸、又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した積層板、及び該積層板を用いて製造されたプリント配線板は、成形性が良好なことから、高集積化された電子機器用プリント配線板として有用である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態は、(A)(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(a2)1分子中に少なくとも1個以上のアミノ基と酸性置換基を有する化合物とを反応させて得られる反応物(以下、(A)反応物とも表す)と、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物と、(C)シリコーン化合物と、(D)無機充填材と、(E)チタネートカップリング剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物であって、前記(D)無機充填材が、無溶剤状態で、(E)チタネートカップリング剤を用いて表面処理をしてなるものである。また、無溶剤状態とは、有機溶剤等が意図的には添加されていない状態であり、通常、カップリング剤中の有機溶剤を除いて有機溶剤濃度が0.1質量%未満の状態である。
前記(A)反応物とは、(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(以下、(a1)マレイミド化合物とも表す)と、(a2)1分子中に少なくとも1個以上のアミノ基と酸性置換基を有する化合物(以下、(a2)化合物とも表す)とを、例えば、有機溶剤中で、50〜180℃で、1〜8時間程度撹拌し、反応させ、得られるものである。
本実施形態に用いられる(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物は、1分子中に少なくともN−置換マレイミド基を2個以上有していればどのような物でもよいが、例えば、N,N´−エチレンビスマレイミド、N、N´−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N´−(1、3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N´−[1、3−(2−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N´−[1,3−(4−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N´−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4−マレイミドシクロヘキシル)メタン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニル)シクロヘキサン、1、4−ビス(マレイミドメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1、2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、2,2-ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、2,2´−ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α、α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α、α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α、α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α、α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド(例えば、大和化成株式会社製、商品名:BMI−2300)が挙げられ、これらの(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物は、単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物の中で、フェノキシ基を有するマレイミド化合物は、溶剤への溶解性が良いので好ましい。例えば、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンが特に好ましい。
(a2)アミノ基と酸性置換基の有する化合物としては、アミノ基と酸性置換基の両方を1個以上有していればどのようなものでもよいが、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が挙げられ、これらの中で、溶解性や合成の収率の点から、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、及び3,5−ジヒドロキシアニリンが好ましく、耐熱性の点からm−アミノフェノール及びp−アミノフェノールがより好ましく、低熱膨張性の点からp−アミノフェノールが特に好ましい。
本実施形態に用いられる(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物(以下、(B)化合物とも表す)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有していればどのようなものでもよく、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられ、特にナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよく、何種類かを併用することもできる。
(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物の配合量は、(A)反応物100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは15〜50質量部である。10質量部未満では銅箔との接着強度の向上効果に乏しく、100質量部超では低熱膨張性が発現しなくなるおそれがある。
本実施形態における(C)シリコーン化合物としては、シリコーン化合物であればどのようなものでもよいが、分子構造中に1個以上の反応性の官能基を有していることが好ましく、分子構造中に2個以上の反応性の官能基を有していることがより好ましい。反応性の官能基としては、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メタクリル基、メルカプト基、カルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。特に、アミノ基、又は、水酸基を有するシリコーン化合物が好ましい。
分子構造中にエポキシ基を有するシリコーン化合物は、市販品を用いることができ、例えば、両末端にエポキシ基を有する「X−22−163」(官能基当量200)、「KF−105」(官能基当量490)、「X−22−163A」(官能基当量1000)、「X−22−163B」(官能基当量1750)、「X−22−163C」(官能基当量2700)、両末端に脂環式エポキシ基を有する「X−22−169AS」(官能基当量500)、「X−22−169B」(官能基当量1700)、一方の末端にエポキシ基を有する「X−22−1730X」(官能基当量4500)、側鎖及び両末端にエポキシ基を有する「X−22−9002」(官能基当量5000)、側鎖にエポキシ基を有する「X−22−343」(官能基当量525)、「KF−101」(官能基当量350)、「KF−1001」(官能基当量3500)、「X−22−2000」(官能基当量620)、「X−22−4741」(官能基当量2500)、「KF−1002」(官能基当量4300)、側鎖に脂環式エポキシ基を有する「X−22−2046」(官能基当量600)、「KF−102」(官能基当量3600、以上、信越化学工業株式会社製;商品名)が挙げられ、これらは単独で、または2種類以上を混合して、さらには各種エポキシ樹脂と混合して使用することができる。これらの分子構造中にエポキシ基を有するシリコーン化合物の中で、耐熱性の点から「X−22−163A」、「X−22−163B」、「X−22−343」、「X−22−9002」、「KF−101」が好ましく、「X−22−163A」、「X−22−163B」がより好ましく、低熱膨張率の点から「X−22−163B」が特に好ましい。
分子構造中にアミノ基を有するシリコーン化合物は、市販品を用いることができ、例えば、末端にアミノ基を有する「KF−8010」(官能基当量430)、「X−22−161A」(官能基当量800)、「X−22−161B」(官能基当量1500)、「KF−8012」(官能基当量2200)、「KF−8008」(官能基当量5700)、「X−22−9409」(官能基当量700)、「X−22−1660B−3」(官能基当量2200)(以上、信越化学工業株式会社製;商品名)、「BY−16−853U」(官能基当量460)、「BY−16−853」(官能基当量650)、「BY−16−853B」(官能基当量2200)(以上、東レダウコーニング株式会社製;商品名)、側鎖にアミノ基を有する「KF−868」(官能基当量8800)、「KF−865」(官能基当量5000)、「KF−864」(官能基当量3800)、「KF−880」(官能基当量1800)、「KF−8004」(官能基当量1500)(以上、信越化学工業株式会社製;商品名)が挙げられる。分子構造中にアミノ基を有するシリコーン化合物の中で低吸水率の点からX−22−161A、X−22−161B、KF−8012、KF−8008、X−22−1660B−3、BY−16−853Bが好ましく、低熱膨張性の点からX−22−161A、X−22−161B、KF−8012が特に好ましい。
分子構造中に水酸基を有するシリコーン化合物は、市販品を用いることができ、例えば、両末端に水酸基を有する「KF−6001」(官能基当量900)、「KF−6002」(官能基当量1600)、両末端にフェノール性水酸基を有する「X−22−1821」(官能基当量1470)(以上、信越化学工業株式会社製;商品名)、「BY−16−752A」(官能基当量1500)(以上、東レダウコーニング株式会社製;商品名)、一方の末端に水酸基を有する「X−22−170BX」(官能基当量2800)、「X−22−170DX」(官能基当量4670)、側鎖に水酸基を有する「X−22−4039」(官能基当量970)「X−22−4015」(官能基当量1870)(以上、信越化学工業株式会社製;商品名)が挙げられる。
分子構造中にメタクリル基を有するシリコーン化合物は、市販品を用いることができ、例えば、両末端にメタクリル基を有する「X−22−164A」(官能基当量860)、「X−22−164B」(官能基当量1630)、一方の末端にメタクリル基を有する「X−22−174DX」(官能基当量4600)(以上、信越化学工業株式会社製;商品名)が挙げられる。
分子構造中にメルカプト基を有するシリコーン化合物は、市販品を用いることができ、例えば、両末端にメルカプト基を有する「X−22−167B」(官能基当量1670)、側鎖にメルカプト基を有する「KF−2001」(官能基当量1900)、「KF−2004」(官能基当量30000)(以上、信越化学工業株式会社製;商品名)が挙げられる。
分子構造中にカルボキシル基を有するシリコーン化合物は、市販品を用いることができ、例えば、両末端にカルボキシル基を有する「X−22−162C」(官能基当量2300)、一方の末端にカルボキシル基を有する「X−22−3710」(官能基当量1450)、側鎖にカルボキシル基を有する「X−22−3701E」(官能基当量4000)(以上、信越化学工業株式会社製;商品名)が挙げられる。
分子構造中にアルコキシ基を有するシリコーン化合物は、市販品を用いることができ、例えば、側鎖にアルコキシ基を有する「FZ−3704」(官能基当量150)(以上、東レダウコーニング株式会社製;商品名)が挙げられる。
上記の(C)シリコーン化合物は、単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
(C)シリコーン化合物の配合量は、(A)反応物及び(B)化合物の総和100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、5〜80質量部がより好ましい。1質量部以上とすることにより樹脂の流動性が向上し、100質量部以下とすることにより銅箔密着性を確保することができる。
本実施形態に用いられる(D)無機充填材としては、絶縁性を有する無機化合物の粉子であればどのようなものでもよいがシリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、EガラスやTガラス、Dガラス等のガラス粉や中空ガラスビーズなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
形状は樹脂組成物の流動の観点から球形が好ましい。また、無機充填材は、誘電特性、耐熱性、低熱膨張性の点からシリカ好ましく、樹脂組成物の流動性の観点から球状シリカがより好ましく、溶融球状シリカが特に好ましい。
(D)無機充填材の粒径は、その平均粒子径が0.1〜30μmであることが好ましく、0.2〜10μmであることがより好ましく、0.3〜8μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.1μm未満では、樹脂組成物の物性が低下するおそれがある。また、30μm以下であれば、粗大粒子の混入確率を減らし、粗大粒子起因の不良の発生を抑えることができる。ここで、平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径であり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。また、2種類以上の平均粒径の異なる無機充填材を用いてもよい。
(D)無機充填材の配合量は、固形分換算の(A)反応物及び(B)化合物の合計100質量部に対し10〜300質量部であることが好ましく、50〜250質量部であることがより好ましい。無機充填材の配合量を10〜300質量部にすることで、樹脂組成物の成形性と低熱膨張性を良好に保つことができる。また、10質量部未満だと低熱膨張性が発現せず、300質量部を超えると、耐薬品性が低下するおそれがある。
本実施形態における(E)チタネートカップリング剤は、一般的に、下記式(1)に示す構造を有するものである。
(R)4−n−Ti−(X) ・・・式(1)
(X:アルコキシ基、R:側鎖有機官能基、n:1〜4の整数)
具体的には、テトラオクチルビス(ジドデシルホスファイト)チタネート、イソプロピル(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネートを挙げることができる。1種類、又は2種類以上併用してもよい。
(E)成分の使用量は、(D)無機充填材100質量部に対して0.2〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.4〜3質量部が特に好ましい。0.2質量部以上とすることにより耐薬品性が向上し、10質量部以下とすることにより耐熱性が向上する。
本実施形態において、(E)チタネートカップリング剤による(D)無機充填材の表面処理は、(D)無機充填材と(E)チタネートカップリング剤を、無溶剤状態で、混合・撹拌し、行う。その後、(E)チタネートカップリング剤で表面処理された(D)無機充填材を、有機溶剤に分散する方法が、樹脂組成物の溶融粘度を低減させる効果が大きく好ましい。なお、(D)無機充填材と(E)チタネートカップリング剤の混合・撹拌、あるいは、(E)チタネートカップリング剤で表面処理された(D)無機充填材の有機溶剤への分散を行った後、三本ロール、ビーズミル、ナノマイザー等の分散機を用いてさらに分散性を高めても良い。
なお、本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物の低熱膨張性と高弾性の点から、無機充填材の配合量を上げるため、熱硬化性樹脂組成物の最低溶融粘度は、2500Pa・s以下であることが好ましく、2200Pa・s以下であることがより好ましい。
使用される有機溶剤は、(A)反応物、(B)化合物、(C)シリコーン化合物が溶解でき、(D)無機充填材と(E)チタネートカップリング剤を分散することができればどのようなものでもよいが、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチルエステルやγ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤などが挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、溶解性の点からメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、及びジメチルアセトアミドが好ましく、低毒性であることや揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶剤として残りにくい点から、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びメチルエチルケトンが特に好ましい。
有機溶剤の使用量は、溶解性の観点から、(A)反応物、(B)化合物、(C)シリコーン化合物、(D)無機充填材、(E)チタネートカップリング剤の合計量100質量部に対して、25〜300質量部とすることが好ましく、40〜250質量部とすることがより好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、さらに、硬化促進剤を用いてもよく、エポキシ樹脂にはイミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩等が好適である。これらの1種又は2種以上を混合して使用しても良い。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、樹脂組成物として熱硬化性の性質を損なわない程度に、熱可塑性樹脂、エラストマー、有機充填材、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び接着性向上剤等を使用できる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリルが挙げられる。
有機充填材の例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等よりなる均一構造の樹脂フィラー、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、共役ジエン系樹脂等よりなるゴム状態のコア層と、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、シアン化ビニル系樹脂よりなるガラス状態のシェル層を持つコアシェル構造の樹脂フィラーが挙げられる。
難燃剤の例としては、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、赤リン等のリン系難燃剤;スルファミン酸グアニジン、硫酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤;シクロホスファゼン、ポリホスファゼン等のホスファゼン系難燃剤;三酸化アンチモン等の無機系難燃剤などが挙げられる。
その他、紫外線吸収剤の例としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化防止剤の例としてはヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系酸化防止剤、光重合開始剤の例としてはベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系の光重合開始剤、蛍光増白剤の例としてはスチルベン誘導体の蛍光増白剤、接着性向上剤の例としては尿素シラン等の尿素化合物やシラン系、アルミネート系等のカップリング剤などが挙げられる。
最終的に得られるワニス中の熱硬化性樹脂組成物固形分は、ワニス全体の40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。ワニス中の樹脂組成物固形分の含有量を40〜90質量%にすることで、塗工性を良好に保ち、適切な樹脂組成物付着量のプリプレグを得ることができる。
本実施形態のプリプレグは、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工した後、Bステージ化してなるものである。すなわち、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は、吹付け、押出し等の方法で塗工した後、加熱等により半硬化(Bステージ化)して、本実施形態のプリプレグを製造する。以下、本実施形態のプリプレグについて詳述する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、プリプレグの樹脂として適用することができ、基材には各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維;ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物などが挙げられる。
これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。
基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.01〜0.5mmのものを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。
該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させることで、本実施形態のプリプレグを得ることができる。
本実施形態の積層板は、絶縁樹脂層が本実施形態のプリプレグを用いて製造されたものであり、前述のプリプレグを用いて、所定の枚数積層し成形して、本実施形態の積層板を製造することができる。例えば、前述のプリプレグを、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより積層板を製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用積層板で用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、昇温速度1〜10℃/分、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本実施形態のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
本実施形態のプリント配線板は、例えば、前記の積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものである。すなわち、本実施形態の積層板の導体層を通常のエッチング法によって配線加工し、前述のプリプレグを介して配線加工した積層板を複数積層し、加熱プレス加工することによって一括して多層化した後、ドリル加工又はレーザ加工によるスルーホール又はブラインドビアホールの形成と、メッキ又は導電性ペーストによる層間配線の形成を経て多層プリント配線板を製造することができる。
実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
(実施例1)
500mLのフラスコの中に、(D)無機充填材としてシリカ:192g(アドマテックス株式会社製;商品名 SO−G1)、(E)チタネートカップリング剤としてKR-TTS:2g(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、味の素株式会社製;商品名)を加え25℃で1時間攪拌し、(E)チタネートカップリング剤で表面処理した(D)無機充填材(シリカ)を作製した。前記(D)無機充填材(シリカ)に、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:82.3g配合して、さらに25℃で1時間分散し、分散液(I)を作製した。
その後、1Lのフラスコの中に(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物としてBMI−80:50.4g(2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ケイアイ化成株式会社製;商品名)、(a2)アミノ基と酸性置換基の有する化合物としてp−アミノフェノール:30.7g(関東化学株式会社製)、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:66.7gを加え110℃で4時間攪拌を行い、(A)反応物を作製し、その後、前記(A)反応物に対し、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物としてN865(ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、DIC株式会社製;商品名):57.7g、(C)シリコーン化合物としてBY−16−853B(アミノ基含有シリコーン化合物、官能基当量2200、東レダウコーニング株式会社製;商品名):15.4g、2−エチル−4-メチルイミダゾール:0.1gと、前記分散液(I)加え、30℃で1時間攪拌を行い、固形分:70質量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
その後、前記熱硬化性樹脂組成物のワニスを、PETフィルムに150μmのギャップで塗布し、140℃で10分加熱乾燥した後、PETから樹脂を粉として取り出し樹脂粉を得た。
(実施例2)
(E)チタネートカップリング剤をKR−TTSからKR−9SA(アルキルベンゼンスルホン酸型チタネートカップリング剤、味の素株式会社製;商品名)に変えた以外は実施例1と同様にして樹脂粉を得た。
(比較例1)
1Lのフラスコの中に、(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物としてBMI−80:50.4g(ケイアイ化成株式会社製;商品名)、(a2)アミノ基と酸性置換基の有する化合物としてp−アミノフェノール:30.7g(関東化学株式会社製)、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:66.7g加え110℃で4時間攪拌を行った後、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物としてN865(DIC株式会社製;商品名):57.7g、(C)シリコーン化合物としてBY−16−853B(東レダウコーニング株式会社製;商品名):15.4g、(D)無機充填材としてシリカ:192g(アドマテックス株式会社製;商品名 SO−G1)、(E)チタネートカップリング剤としてKR-TTS:2g(味の素株式会社製;商品名)、2−エチル−4-メチルイミダゾール:0.1gと、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:82.3gを加え30℃で2時間攪拌を行い、固形分:70質量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
その後、前記熱硬化性樹脂組成物のワニスを、PETフィルムに150μmのギャップで塗布し、140℃で10分加熱乾燥した後、PETから樹脂を粉として取り出し樹脂粉を得た。
(比較例2)
500mLのフラスコの中に、(D)無機充填材としてシリカ:192g(アドマテックス株式会社製;商品名 SO−G1)、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:82.3gを加え1時間分散した後、(E)チタネートカップリング剤としてKR-TTS:2g(味の素株式会社製;商品名)を加え25℃で1時間攪拌し、分散液(II)を作製した。
その後1Lのフラスコの中に(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物としてBMI−80:50.4g(ケイアイ化成株式会社製;商品名)、(a2)アミノ基と酸性置換基の有する化合物としてp−アミノフェノール:30.7g(関東化学株式会社製)、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:66.7gを加え110℃で4時間攪拌を行った後、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物としてN865(DIC株式会社製;商品名):57.7g、(C)シリコーン化合物としてBY−16−853B(東レダウコーニング株式会社製;商品名):15.4gと、前記分散液(II)、2−エチル−4-メチルイミダゾール:0.1gを加え30℃で1時間攪拌を行い、固形分:70質量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
その後、前記熱硬化性樹脂組成物のワニスを、PETフィルムに150μmのギャップで塗布し、140℃で10分加熱乾燥した後、PETから樹脂を粉として取り出し樹脂粉を得た。
(比較例3)
500mLのフラスコの中に、(D)無機充填材としてシリカ:192g(アドマテックス株式会社製;商品名 SO−G1)、(E)チタネートカップリング剤としてKR-TTS:2g(味の素株式会社製;商品名)を加え25℃で1時間攪拌した後、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:82.3g配合して、さらに25℃で1時間分散し、分散液(I)を作製した。
その後1Lのフラスコの中に(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物としてBMI−80:56.0g(ケイアイ化成株式会社製;商品名)、(a2)アミノ基と酸性置換基の有する化合物としてp−アミノフェノール:34.1g(関東化学株式会社製)、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:66.7gを加え110℃で4時間攪拌を行った後、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物としてN865(DIC株式会社製;商品名):64.1g、前記分散液(I)と、2−エチル−4-メチルイミダゾール:0.1gを加え30℃で1時間攪拌を行い、固形分:70質量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
その後、前記熱硬化性樹脂組成物のワニスをPETフィルムに150μmのギャップで塗布し、140℃で10分加熱乾燥した後、PETから樹脂を粉として取り出し樹脂粉を得た。
(比較例4)
500mLのフラスコの中に、(D)無機充填材としてシリカ:192g(アドマテックス株式会社製;商品名 SO−G1)、(E)チタネートカップリング剤の代わりにシランカップリング剤KBM−9103:2g(信越化学工業株式会社製;商品名)を加え25℃で1時間攪拌した後、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:82.3g配合してさらに25℃で1時間分散し、分散液(III)を作製した。
その後、1Lのフラスコの中に(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物としてBMI−80:50.4g(ケイアイ化成株式会社製;商品名)、(a2)アミノ基と酸性置換基の有する化合物としてp−アミノフェノール:30.7g(関東化学株式会社製)、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル:66.7gを加え110℃で4時間攪拌を行った後、(B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物としてN865(DIC株式会社製;商品名):57.7g、(C)シリコーン化合物としてBY−16−853B(東レダウコーニング株式会社製;商品名):15.4gと、前記分散液(III)と、2−エチル−4-メチルイミダゾール:0.1gを加え30℃で1時間攪拌を行い、固形分:70質量%の熱硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
その後、前記熱硬化性樹脂組成物のワニスをPETフィルムに150μmのギャップで塗布し、140℃で10分加熱乾燥した後、PETから樹脂を粉として取り出し樹脂粉を得た。
(比較例5)
(E)チタネートカップリング剤を、シランカップリング剤であるKBM−573(信越化学工業株式会社製;商品名)に変えた以外は比較例3と同様にして樹脂粉を作製した。
実施例及び比較例で得られた樹脂粉について、一定昇温で加熱し、溶融粘度特性を測定した。
溶融粘度測定方法は以下の通りである。
測定サンプル :樹脂粉を一軸成形により成形し、1mmの厚みに調整した。
測定:Pheometric製ARES−2KSTD(粘弾性測定装置)を用い、4℃昇温で40℃から200℃の温度範囲で一定圧力0.5Nをかけ、最低溶融粘度を測定した。結果を表1〜2に示した。
Figure 2016079317
Figure 2016079317
比較例1及び2は、有機溶剤存在下において、(D)無機充填材と(E)チタネートカップリング剤を混合しており、比較例3は、(C)シリコーン化合物を含有せず、比較例4は、(E)チタネートカップリング剤を含有せず、また、比較例5は、(C)シリコーン化合物及び(E)チタネートカップリング剤を含有せず、いずれも最低溶融粘度が2500Pa・sを超えており、大きいことがわかる。
表2の比較例1〜5と比較し、表1の実施例1〜2の方が最低溶融粘度の低いことが確認でき、樹脂の流れやすさが向上していることがわかる。したがって、本発明が成型性の向上に有効であることが確認できる。
よって、(E)チタネートカップリングの処理は、(D)無機充填材と(E)チタネートカップリング剤を混ぜて処理を行った後、有機溶剤に分散する方法が、他の成分と共にいっしょに混合する方法や、有機溶剤中で(E)チタネートカップリング剤を添加した後、(D)無機充填材を配合する方法、有機溶剤中に(E)無機充填材を分散した後、(E)チタネートカップリング剤を添加する方法に比較して、樹脂組成物(樹脂粉)の溶融粘度の低減効果が大きくことがわかる。
本発明のプリプレグを積層成形することで、成形性に優れた銅張積層板を提供することができ、電子機器用のプリント配線板の製造に有用である。

Claims (7)

  1. (A)(a1)1分子中に少なくとも2個以上のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(a2)1分子中に少なくとも1個以上のアミノ基と酸性置換基を有する化合物とを反応させて得られる反応物と、
    (B)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物と、
    (C)シリコーン化合物と、
    (D)無機充填材と、
    (E)チタネートカップリング剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記(D)無機充填材が、無溶剤状態で、(E)チタネートカップリング剤を用いて表面処理をしてなるものである、熱硬化性樹脂組成物。
  2. (C)シリコーン化合物が、官能基を1個以上有している請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. (C)シリコーン化合物が、アミノ基を1個以上有している請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. (C)シリコーン化合物が、水酸基を1個以上有している請求項1〜3いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸又は塗工してなるプリプレグ。
  6. 請求項5に記載のプリプレグを所定の枚数積層し成形してなる積層板。
  7. 請求項6に記載の積層板を回路加工してなるプリント配線板。
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JP2016079318A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 日立化成株式会社 熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板

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