JP2016078780A - 車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアのアウタパネルとヒンジとの干渉を防止でき、かつ、外観性を良好に確保できる車体構造を提供する。【解決手段】車体構造10は、ゲート本体16に下ドアヒンジ25を介してサブドア30が回動自在に設けられ、ゲート本体16の外表面が下ゲート外表部材19で形成されている。サブドア30の下アウタパネル39のヒンジ側端部39aが下ドアヒンジ25の回動中心79よりもドア内方に位置している。サブドア30は外表面が樹脂製の意匠部材41で形成されている。意匠部材41と下ゲート外表部材19とが下離間部83を介して離間されている。意匠部材41の意匠延長部85がヒンジ側端部41bから下ゲート外表部材19の方向かつ車内28方向に延長されている。【選択図】図7

Description

本発明は、車体にドア開口が設けられ、ドア開口にヒンジを介してドアが回動自在に支持される車体構造に関する。
車体構造のなかには、車体の外表部材側にリアドア(以下、ドアという)がヒンジを介して回動自在に設けられ、ドアの前端縁部(以下、アウタパネルの外表部材側端部という)がヒンジの回動中心よりも外表部材側に位置されたものがある。
アウタパネルの外表部材側端部がヒンジの回動中心よりも外表部材側に配置されることにより、アウタパネルを外表部材に近づけることができ、車体の外観性が確保される(例えば、特許文献1参照。)。
特許3216528号公報
ところで、特許文献1のアウタパネルの外表部材側端部は、ドアをヒンジを介して回動させる際に車内側に入り込む。このため、ドアの回動量(すなわち、開放量)が大きくなると、外表部材側端部が車内に回り込む量が大きくなる。特に、ドアを勢いよく開放するときには、外表部材側端部がヒンジと干渉してしまうことが考えられる。
本発明は、ドアのアウタパネルとヒンジとの干渉を防止でき、かつ、外観性を良好に確保できる車体構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体にヒンジによって回動自在に支持されるドアが設けられた車体構造であって、前記ドアは前記ヒンジにより前記車体に対して前記ドアの開放端を車外方向に開くように前記車体に支持され、前記車体は、前記車体の外表面を形成する外表部材を有し、前記ドアは、前記ヒンジより車外側に金属製のアウタパネルを有し、前記アウタパネルの前記外表部材側端部は前記ヒンジの回動中心よりも前記ドア内方に位置しており、前記ドアは、前記アウタパネルより車外側に、前記ドアの外表面を形成する樹脂製の意匠部材を有し、前記意匠部材の外表面のうち、ドア幅方向において前記開放端とは反対側の端部である前記外表部材側の端部と、前記外表部材の外表面のうち意匠部材側端部とは、離間部を介して離間しており、前記外表部材と前記意匠部材は略面一に配置されており、前記意匠部材は、外表面のうち前記外表部材側の端部から、前記外表部材方向かつ車内方向に延長された延長部を有することを特徴とする。
請求項2は、前記延長部は前記外表部材と車内外方向において重なることを特徴とする。
請求項3は、前記延長部は、ドア内外方向とも車内外方向とも直交する方向において、前記離間部に沿って連続して設けられていることを特徴とする。
請求項4は、前記アウタパネルはドア内外方向において前記意匠部材の外表部材側端部よりも前記ドア内方に位置していることを特徴とする。
請求項5は、前記意匠部材は、前記アウタパネルに設けられた連結部位において連結手段にて取り付けられており、前記連結部位は、前記回動中心よりも車内側に設けられていることを特徴とする。
請求項6は、前記アウタパネルは、前記ヒンジより上方、下方において、前記回動中心よりもドア外方に延出する外方延出部を有しており、前記外方延出部は、ドア外方に延出するにつれて、車内方向へも向かうことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、車体に外表部材を備え、ドアに金属製のアウタパネルを備えた。また、アウタパネルの外表部材側端部をヒンジの回動中心よりもドア内方に位置させた。よって、アウタパネルの外表部材側端部がヒンジの回動中心よりドア外方に位置している場合と比べ、ドア開時にアウタパネルが車内側に回り込む距離を小さくすることができる。
これにより、ヒンジとアウタパネルの干渉が防止され、ドアを大きく開くことができる。さらに、ヒンジ中心近傍のスペースを広く確保できるので、ヒンジレイアウトの設計自由度が向上する。
さらに、アウタパネルより車外側に樹脂製の意匠部材を備え、意匠部材のうち外表部材側の端部に延長部を形成した。さらに、延長部を外表部材方向かつ車内方向に延長させた。
これにより、外表部材および意匠部材間の離間部を延長部で隠すことができるので、車外側から車体構造の内部が視認される虞がない。
ここで、意匠部材は樹脂製の部材である。すなわち、意匠部材がヒンジと多少干渉した場合でも、金属製のアウタパネルがヒンジと干渉することと比較すれば、意匠部材の塑性変形を抑えることができる。
よって、意匠部材がヒンジと多少干渉した場合でも、意匠部材(すなわち、ドア)に損傷が生じることを抑えることができる。これにより、意匠部材の外表部材側の端部をアウタパネルより外表部材方向に延長させることが可能になり、車体の外観性を良好に確保できる。
請求項2に係る発明では、延長部を外表部材と車内外方向において重なるようにした。これにより、外表部材および意匠部材間の離間部を延長部で一層良好に隠すことができるので、車外側からの視認をより確実に防ぐことができる。
請求項3に係る発明では、延長部をドア内外方向と車内外方向との両方向に直交する方向に連続させることにより、離間部に沿って延長部を連続させることができる。これにより、車外側から車体構造の内部が視認されることを上下方向に連続した領域で防止できる。
請求項4に係る発明では、アウタパネルをドア内外方向において、意匠部材の外表部材側端部よりもドア内方に位置させた。これにより、アウタパネルを延長部から離すことができるので、延長部とアウタパネルとが干渉することを防止できる。
請求項5に係る発明では、アウタパネルの連結部位をヒンジの回動中心よりも車内側に設け、この連結部位に意匠部材を連結手段で取り付けるようにした。よって、連結部位が回動中心よりも車内側に設けられているので、ヒンジから連結部位が離される。連結部位がヒンジから離れる分だけ、アウタパネル(すなわち、連結部位)を意匠部材から離すことができる。
これにより、連結手段(例えばクリップ用の台座やボルトの頭部など)を収容する空間を、アウタパネルおよび意匠部材間に容易に確保することができる。
請求項6に係る発明では、アウタパネルのうちヒンジより上方、下方に外方延出部を形成した。さらに、外方延出部をドア外方に延出するにつれて、車内方向へも向かわせるようにした。
すなわち、外方延出部は、ドア内外に延出され、かつ、車内外へも曲げられている。これにより、アウタパネルは外方延出部で上下方向と車内外方向への剛性が高められる。
本発明に係る車体構造を車体後方から見た状態を示す背面図である。 図1の車体構造のテールゲートを開放した状態を示す背面図である。 図1の車体構造のサブドアを開放した状態を示す背面図である。 図1の4−4線で破断した状態を示す斜視図である。 図1の5−5線で破断した状態を示す斜視図である。 図2の車体構造から上ゲート外表部材を除去した状態を示す斜視図である。 図6のヒンジ延出部を治具で押さえ付けた状態を示す斜視図である。 図4の8−8線断面図である。 図5の車体構造から意匠部材および下ゲート外表部材を除去した状態を示す斜視図である。 図5の10部拡大図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。さらに、車体構造10の構成の理解を容易にするために、「ドア内方」を矢印A方向、「ドア外方」を矢印B方向、「車内方向」を矢印C方向、「車外方向」を矢印D方向、ドア幅方向を矢印C−D方向で示す。
実施例に係る車体構造10について説明する。
図1、図2に示すように、車体構造10は、車体11の後部11aにテールゲート開口13を備え、車体11の後部11aにおいて水平方向に向けて複数のゲート支軸14を備え、複数のゲート支軸14を軸に回動してテールゲート開口13を開閉するテールゲート15を備えている。
テールゲート15は、車体11の後部11aの上部11bに複数のゲート支軸14を介して上下方向に回動自在に支持されたゲート本体16と、ゲート本体16に設けられたゲート窓ガラス17と、ゲート窓ガラス17の下方に設けられた上ゲート外表部材(ガーニッシュ)18と、上ゲート外表部材18の下方に設けられた下ゲート外表部材(外表部材)19とを備えている。
ゲート本体16は車体11の後部11aを形成する部材である。
上ゲート外表部材18および下ゲート外表部材19は、ゲート本体16の外表面を形成する樹脂製の部材である。
さらに、テールゲート15は、図3に示すように、ゲート窓ガラス17、上ゲート外表部材18および下ゲート外表部材19の左側においてゲート本体16に形成されたドア開口(開口)22と、ドア開口22の右辺部23に設けられた上ドアヒンジ(ヒンジ)24および下ドアヒンジ(ヒンジ)25と、上ドアヒンジ24および下ドアヒンジ25に右側縁部30aが取り付けられたサブドア(ドア)30とを備えている。
図2に示すように、テールゲート15が上方に開かれて略水平に配置されることにより、テールゲート開口13が開放される。テールゲート開口13が開放されることにより、車内28および車外29が連通され、乗員の乗降や荷物の出し入れが可能になる。
一方、テールゲート15が下方に閉じられることによりテールゲート15が略鉛直に配置される。この状態においてテールゲート開口13がテールゲート15で閉塞される。
図3に戻って、サブドア30は、右側縁部30aが上ドアヒンジ24および下ドアヒンジ25によりゲート本体16(すなわち、ドア開口22)の右辺部23に回動自在に支持されている。よって、サブドア30の開放端(すなわち、左側縁部)30bを、ゲート本体16に対して車外29方向に水平に開くことができる。
このように、サブドア30が上ドアヒンジ24および下ドアヒンジ25を軸にして水平方向に回動することにより、ドア開口22がサブドア30で開閉される。
サブドア30は、ゲート本体16の右辺部23に上ドアヒンジ24および下ドアヒンジ25を介して回動自在に支持されるドア本体31と、ドア本体31の上部に設けられたドア窓ガラス32とを備えている。
図4、図5に示すように、ドア本体31は、車内28側に設けられた金属製のインナパネル34と、インナパネル34より車外29側に設けられた金属製のアウタパネル37と、アウタパネル37の下半部より車外29側に設けられた樹脂製の意匠部材41(図1参照)とを有する。
また、アウタパネル37の上半部で上外表部材(外表部材)38が形成されている。
上外表部材38の表面および意匠部材41の表面でサブドア30の外表面が形成される。
以下、サブドア30の構成の理解を容易にするために、アウタパネル37の上半部を上外表部材38、アウタパネル37の下半部を下アウタパネル39、インナパネル34の上半部を上インナパネル35、インナパネル34の下半部を下インナパネル36として説明する。
図4に示すように、上インナパネル35のヒンジ側端部35aおよび上外表部材38のヒンジ側端部(ドア外端部)38aがヘミング成形により加締められている。これにより、上インナパネル35のヒンジ側端部35aが上外表部材38のヒンジ側端部38aで覆われた状態に接合されている。
上インナパネル35のヒンジ側端部35aに隣接して端壁部35bが形成され、端壁部35bが上ドアヒンジ24を介してゲート本体16の右辺部23の中央23aに支持されている。
上外表部材38が平坦に形成され、上外表部材38でドア本体31の上半部の上ドア外表面38bが形成されている。
上ドア外表面38bの上ドアヒンジ24側の端部38cが、上ゲート外表部材18のドア側端部18aに対して上離間部(離間部)43をおいて間隔S1だけ離間されている。また、上外表部材38のヒンジ側端部38aが、上ドア外表面38bに対して車内28側に凹むように段差状に形成されている。
段差状に形成されたヒンジ側端部38aが、上ゲート外表部材18のドア側端部18aと車内外方向(矢印C−D方向)において重なるように配置されている。これにより、上外表部材38および上ゲート外表部材18間の上離間部43が上外表部材38のヒンジ側端部38aで覆われる。
図5に示すように、下インナパネル36のヒンジ側端部(外表部材側端部)36aおよび下アウタパネル39のヒンジ側端部(外表部材側端部)39aがヘミング成形により加締められている。これにより、下インナパネル36のヒンジ側端部36aが下アウタパネル39のヒンジ側端部39aで覆われた状態に接合されている。
下インナパネル36には、ヒンジ側端部36aに隣接して端壁部36bが形成されている。さらに、端壁部36bが下ドアヒンジ25を介してテールゲート15の右辺部23の下部23bに支持されている。
樹脂製の意匠部材41でドア本体31の下半部の下ドア外表面41aが形成されている。下ドア外表面41aおよび上ドア外表面38bでドア本体31のドア外表面が形成される。
図4、図6に示すように、上ドアヒンジ24は、テールゲート15の右辺部23の中央23aに取り付けられる固定部45と、固定部45から延出されるヒンジ延出部46と、固定部45を右辺部23の中央23aに取り付ける複数の締結部47と、固定部45に回動部49を回動自在に連結するドア支軸48と、ドア本体31の端壁部35bに複数のボルト・ナット(図示せず)で取り付けられる回動部49とを備えている。
上ドアヒンジ24のドア支軸48は、テールゲート15のゲート支軸14(図1参照)に対して直交する方向に向けて配置されている。
締結部47は、固定部45の車外29側に固定されるスタッドボルト(締結部材)54と、スタッドボルト54のねじ部54aに締め付けられるナット(被締結部材)55とを備えている。
ドア本体31に複数のボルト・ナットで上ドアヒンジ24が取り付けられ、上ドアヒンジ24の固定部45が右辺部23の中央23aに配置される。この状態で、固定部45の車内28側からスタッドボルト54のねじ部54aにナット55が締め付けられることにより、上ドアヒンジ24が右辺部23の中央23aに複数の締結部47で取り付けられる。
このように、スタッドボルト54を固定部45の車外29側に固定し、固定部45の車内28側からスタッドボルト54のねじ部54aにナット55を締め付けるようにした。よって、固定部45(すなわち、上ドアヒンジ24)の車外29側に締結作業をおこなうための作業空間を不要にできる。
これにより、締結工具(インパクトレンチなど)を差し込むための作業穴などを、スタッドボルト54よりも車外29側(すなわち、上外表部材38側)に備える必要がなく、簡易な構成とすることができる。
また、複数の締結部47がゲート支軸14(図1参照)に対して直交する方向に間隔S2をおいて(オフセットして)設けられている。
ここで、複数のゲート支軸14が水平方向に向けて設けられることにより、テールゲート15が複数のゲート支軸14を軸にして上下方向に回動自在に開閉される。テールゲート15のゲート本体16にサブドア30が設けられている。よって、テールゲート15を開閉する際に、テールゲート15とともにサブドア30も上下方向に回動する。
このため、上ドアヒンジ24の複数の締結部47に、ゲート支軸14に対して直交する方向の荷重F1が作用する。そこで、複数の締結部47をゲート支軸14に対して直交する方向に間隔S2をおいて設けた。
これにより、テールゲート15を上下方向に開閉する際に、開閉により発生する荷重F1を複数の締結部47で好適に支えることができ、テールゲートのゲート本体16にサブドア30を確実に保持できる。
ところで、複数の締結部47は延出軸57に対して対称に設けられている。延出軸57は、ヒンジ延出部46の幅方向中央において、ヒンジ延出部46の延出方向に延ばされる軸である。
ここで、複数の締結部47を延出軸57に対して対称に設けないことも考えられる。この場合、サブドア30を開放した際に、延出軸57の一方側に設けた締結部47と、延出軸57の他方側に設けた締結部47とに荷重が偏って作用することが考えられる。
そこで、複数の締結部47を延出軸57に対して対称に設けるようにした。よって、サブドア30を開放した際に、延出軸57の一方側に設けた締結部47と、延出軸57の他方側に設けた締結部47とに偏らないように荷重F2を作用させることができる。
これにより、サブドア30を開放した際に発生する荷重F2を各締結部47で均等にバランスよく受け止めることができる。
ヒンジ延出部46は、固定部45の端部45aからドア外方(矢印B方向)に延出されている。ヒンジ延出部46がドア外方に延出されることにより、ヒンジ延出部46が上外表部材38のヒンジ側端部38aよりもドア外方に延出されている。
また、複数の締結部47が上外表部材38のヒンジ側端部38aよりドア内方(矢印A方向)にのみ設けられている。
よって、図7に示すように、複数の締結部47(具体的には、スタッドボルト54)を回避させてヒンジ延出部46を治具59(想像線で示す)で押さえ付けることができる。これにより、ヒンジ延出部46を治具59で押さえ付けた状態で複数の締結部47(具体的には、ナット55)を締結できるので、サブドア30をテールゲート15に精度よく組み付けることができる。
さらに、複数の締結部47を回避させてヒンジ延出部46を治具59で押さえ付けることにより、締結部47の個数を減らす必要がない。これにより、サブドア30をテールゲート15に安定させた状態に組み付けることができる。
ここで、例えば、上外表部材38のヒンジ側端部38aよりドア外方(矢印B方向)にヒンジ延出部46を避けて複数の締結部47を締結させることにより、ヒンジ延出部46を治具59で押さえ付けた状態で複数の締結部47を締結することは可能である。
しかし、上外表部材38のヒンジ側端部38aよりドア外方に複数の締結部47を締結させる場合、固定部45がヒンジ側端部38aよりドア外方に大きく張り出され、上ドアヒンジ24が大形化してしまう。
そこで、上外表部材38のヒンジ側端部38aよりドア内方にのみ複数の締結部47を締結するようにした。これにより、固定部45のドア外方への張出しを抑え、上ドアヒンジ24をコンパクトにできる。
また、図4に示すように、ヒンジ延出部46の車外29側が上ゲート外表部材18のドア側端部18aで覆われている。上ゲート外表部材18は、ゲート本体16の外表面を形成する樹脂製の部材である。ヒンジ延出部46をドア側端部18aで覆うことにより、ヒンジ延出部46を上ゲート外表部材18で隠すことができるので、車体の外観性を良好に確保できる。
さらに、上ゲート外表部材18は、ドア側端部18aの裏面18bに脚部61を有する。脚部61は、ドア側端部18aの裏面18bから車内方向(矢印C方向)へ向けて延出され、先端部61aがヒンジ延出部46に取り付けられている。具体的には、先端部61aがヒンジ延出部46に接着剤63(図8参照)で接着されている。
ここで、上ゲート外表部材18の裏面18bに脚部61を形成することにより、上ゲート外表部材18を成形する際に、上ゲート外表部材18の外表面18cのうち、脚部61に相当する部位にヒケが発生することが考えられる。そこで、脚部61をドア側端部18a(すなわち、上ドアヒンジ24側の端部)に形成するようにした。
よって、例えば、外表面18cのうち脚部61に相当する部位にヒケが発生した場合でも、ヒケをドア側端部18a(すなわち、端縁)に隣接させることができる。これにより、ドア側端部18aから離れてヒケが形成される場合と比べて、外表面18cのヒケを目立たなくすることができ、上ゲート外表部材18の外観性を良好に保つことができる。
さらに、脚部61の先端部61aをヒンジ延出部46に取り付けることにより、上ゲート外表部材18およびゲート本体16間の車内外方向(矢印C−D方向)の間隔S3を一定に保つことができ、上ゲート外表部材18の外観性を一層良好に保つことができる。
加えて、図8に示すように、脚部61の先端部61aは、ゲート支軸14(図1参照)に対して直交する方向(矢印E方向)において、ヒンジ延出部46の一方側の部位(一方)61bと、他方側の部位(他方)61cとを有する。一方側の部位61bと、他方側の部位61cとの両方が、ゲート本体16の右辺部23の中央23aに取り付けられている。
よって、ゲート支軸14に対して直交する方向において、脚部61の先端部61aをヒンジ延出部46および右辺部23に亘って取り付けることができる。これにより、上ゲート外表部材18がゲート支軸14に対して直交する方向にずれることを脚部61で規制することができる。
図9に示すように、下ドアヒンジ25は、上ドアヒンジ24と同様の部材である。下ドアヒンジ25は、テールゲート15の右辺部23の下部23bに取り付けられる固定部65と、固定部65から延出されるヒンジ延出部66と、固定部65を右辺部23の下部23bに取り付ける複数の締結部67と、固定部65に回動部69を回動自在に連結するドア支軸68と、サブドア30に複数のボルト・ナットで取り付けられる回動部69とを備えている。
締結部67は、上ドアヒンジ24の締結部47(図4参照)と同じ構成であり、各構成部材に締結部47と同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図9、図10に示すように、下ドアヒンジ25を回避するように、下インナパネル36のヒンジ側端部36aや下アウタパネル39のヒンジ側端部39aのうち下ドアヒンジ25に相当する箇所に膨出部74が形成されている。膨出部74は車外29方に膨出されている。
テールゲート15を閉じた状態において、膨出部74は、下ドアヒンジ25の車外29側に配置された平坦な頂部75と、頂部75の上端75aから上方へ向けて下り勾配に延ばされた上傾斜部76と、頂部75の下端75bから下方へ向けて下り勾配に延ばされた下傾斜部77とを有する。
上傾斜部76は、下ドアヒンジ25の回動中心(すなわち、ドア支軸68の中心)79よりもドア外方(矢印B方向)に延出する上外方延出部(外方延出部)76aを有している。さらに、上外方延出部76aは、ドア外方に延出するにつれて、車内方向(矢印C方向)へも向かうように延出されている。
下傾斜部77は、下ドアヒンジ25の回動中心79よりもドア外方に延出する下外方延出部(外方延出部)77aを有している。さらに、下外方延出部77aは、ドア外方に延出するにつれて、車内方向へも向かうように延出されている。
すなわち、上外方延出部76aおよび下外方延出部77aがドア外方に延出され、かつ、車内外方向へも曲げられている。
これにより、アウタパネル37およびインナパネル34は上外方延出部76aおよび下外方延出部77a(すなわち、膨出部74)で上下方向(すなわち、ゲート支軸14(図1参照)に対して直交する矢印E方向)と車内外方向(矢印C−D方向)への剛性が高められている。
図10に示すように、サブドア30の下アウタパネル39のヒンジ側端部39aが、下ドアヒンジ25より車外29側に位置し、かつ、下ドアヒンジ25の回動中心79よりも距離L1だけドア内方(矢印A方向)に位置している。
よって、下アウタパネル39のヒンジ側端部39aが下ドアヒンジ25の回動中心79よりドア外方(矢印B方向)に位置している場合と比べて、サブドア30の開時にヒンジ側端部39aが車内28側に回り込む距離を小さくできる。
これにより、下ドアヒンジ25(特に、固定部65)とヒンジ側端部39aとの干渉が防止され、サブドア30を矢印方向に大きく開放できる。さらに、回動中心79近傍の空間82を広く確保できるので、ヒンジレイアウトの設計の自由度が向上する。
また、図5に示すように、下アウタパネル39に取付孔39b(取付部位)が形成され、取付孔39bが下ドアヒンジ25の回動中心79よりも車内28側に配置されている。取付孔39bを下ドアヒンジ25の回動中心79よりも車内28側に配置した理由については後で詳しく説明する。
さらに、サブドア30の意匠部材41のうちヒンジ側端部(外表部材側の端部)41bと、下ゲート外表部材19の意匠部材側端部19aとが下離間部(離間部)83を介して間隔S4だけ離間されている。
意匠部材41のヒンジ側端部41bは、意匠部材41の下ドア外表面41aのうち、ドア幅方向(矢印A−B方向)において開放端30b(図1参照)とは反対側の右側縁部30a(図1参照)である。
下ゲート外表部材19の意匠部材側端部19aは、下ゲート外表部材19の外表面19bのうち意匠部材41のヒンジ側端部41bに対向する端部である。
下ゲート外表部材19の外表面19bと意匠部材41の下ドア外表面41aとが略面一に配置されている。意匠部材41は、ヒンジ側端部41bに形成された意匠延長部(延長部)85を有する。
意匠延長部85は、意匠部材41の下ドア外表面41aのうちヒンジ側端部41bから、下ゲート外表部材19に向かう方向で、かつ、車内方向(矢印C方向)に延長されている。これにより、下ゲート外表部材19および意匠部材41間の下離間部83を意匠延長部85で隠すことができるので、車外29側から車体構造の内部が視認される虞がない。
ここで、意匠部材41は樹脂製の部材である。すなわち、意匠部材41が下ドアヒンジ25(すなわち、固定部65)と多少干渉した場合でも、金属製のアウタパネルが下ヒンジと干渉することと比較すれば、意匠部材41の塑性変形を抑えることができる。
よって、意匠部材41が下ドアヒンジ25と多少干渉した場合でも、意匠部材41(すなわち、サブドア30)に損傷が生じることを抑えることができる。これにより、意匠部材41のヒンジ側端部41bや意匠延長部85を下アウタパネル39のヒンジ側端部39aより下ゲート外表部材19側に延長させることが可能になり、車体11の外観性を良好に確保できる。
また、意匠延長部85は、意匠部材41のヒンジ側端部41bから車内方向(矢印C方向)に延長される縦延長部86と、縦延長部86の先端86aから下ゲート外表部材19に向かう方向に延長される横延長部87とを有する。
横延長部87は、下ゲート外表部材19の意匠部材側端部19aより車内28側に配置され、かつ、意匠部材側端部19aと車内外方向(矢印C−D方向)において重なるように配置されている。
これにより、下ゲート外表部材19および意匠部材41間の下離間部83を意匠延長部85で一層良好に覆うことができ、車体11の外観性を一層良好に確保できる。
また、横延長部87がドア内外方向(矢印A−B方向)と車内外方向(矢印C−D方向)との両方向に直交する上下方向(すなわち、図9に示す矢印E方向)に連続されている。すなわち、横延長部87が上離間部43に沿って上下方向に連続されている。
これにより、車外29側から車体構造10の内部構造を視認することを上下方向に連続した領域で防止できる。
さらに、意匠部材41のヒンジ側端部41bよりもドア内外方向において、下アウタパネル39のヒンジ側端部39aがドア内方(矢印A方向)に位置している。
よって、下アウタパネル39のヒンジ側端部39aを意匠延長部85から離すことができる。これにより、意匠延長部85と下アウタパネル39のヒンジ側端部39aとが干渉することを防止できる。
図5に戻って、下アウタパネル39の取付孔39bに意匠部材41がクリップ(連結手段)91で取り付けられている。具体的には、意匠部材41の裏面41cのうち、下アウタパネル39の取付孔39bに対向する部位41dに台座92が形成されている。台座92にクリップ91の頭部91aが連結され、クリップ91のクリップ部91bが下アウタパネル39の取付孔39bに係止される。
ここで、下アウタパネル39の取付孔39bが下ドアヒンジ25の回動中心79よりも車内28側に配置されている。よって、クリップ91が下ドアヒンジ25より車内28側に離れた位置に配置されている。下ドアヒンジ25から離れる分だけ下アウタパネル39の取付孔39bを意匠部材41から車内方向(矢印C方向)に離すことができる。
これにより、意匠部材41およびアウタパネル間に車内外方向(矢印C−D方向)の空間94が確保される。よって、クリップ91用の台座92を収容する空間94を容易に確保できる。
なお、本発明に係る車体構造は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、テールゲート15に取り付けたドアに本発明を適用させる例について説明したが、これに限定するものではなく、車体自体に取り付けるドアに本発明を適用させることも可能である。
また、前記実施例では、連結手段としてクリップ91を例示したが、これに限らないで、ボルトなどの他の連結手段として用いることも可能である。
例えば、ボルトを使用した場合でも、意匠部材41およびアウタパネル間の空間にボルトの頭部あるいはナットを収容することが可能である。
さらに、前記実施例では、連結手段としてクリップ91を例示し、クリップ91を下アウタパネル39の取付部(すなわち、取付孔)39bに係止することにより、下アウタパネル39の取付部39bに意匠部材41を連結する例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、連結手段としてボルト・ナットや接着剤などの他の連結手段を用いることも可能である。
また、前記実施例では、脚部61の先端部61aをヒンジ延出部46に接着剤で接着する例について説明するが、これに限らないで、脚部61の先端部61aをヒンジ延出部46に溶接、ボルト・ナット、クリップなどの他の手段で接合することも可能である。
さらに、前記実施例で示した車体構造、車体、ゲート本体、下ゲート外表部材、下ゲート外表部材の意匠部材側端部、下ゲート外表部材の外表面、上下のヒンジ、サブドア、下アウタパネル、下アウタパネルのヒンジ側端部、意匠部材、下ドア外表面、意匠部材のヒンジ側端部、上傾斜部、上外方延出部、下傾斜部、下外方延出部、下離間部、意匠延長部およびクリップなどの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、車体にドア開口が設けられ、ドア開口にヒンジを介してドアが回動自在に支持される車体構造を備えた自動車への適用に好適である。
10 車体構造
11 車体
16 ゲート本体(車体の後部)
19 下ゲート外表部材(車体の外表部材)
19a 下ゲート外表部材の意匠部材側端部(外表部材の意匠部材側端部)
19b 下ゲート外表部材の外表面(車体の外表面)
24 上ヒンジ(ヒンジ)
25 下ヒンジ(ヒンジ)
28 車内
29 車外
30 サブドア(ドア)
39 下アウタパネル(アウタパネル)
39a 下アウタパネルのヒンジ側端部(アウタパネルの外表部材側端部)
39b 下アウタパネルの取付孔(取付部位)
41 意匠部材
41a 下ドア外表面(ドアの外表面、意匠部材の外表面)
41b 意匠部材のヒンジ側端部(意匠部材の外表部材側の端部)
76 上傾斜部
76a 上外方延出部(外方延出部)
77 下傾斜部
77a 下外方延出部(外方延出部)
79 下ヒンジの回動中心(ヒンジの回動中心)
83 下離間部(離間部)
85 意匠延長部(延長部)
91 クリップ(連結手段)

Claims (6)

  1. 車体にヒンジによって回動自在に支持されるドアが設けられた車体構造であって、
    前記ドアは前記ヒンジにより前記車体に対して前記ドアの開放端を車外方向に開くように前記車体に支持され、
    前記車体は、前記車体の外表面を形成する外表部材を有し、
    前記ドアは、前記ヒンジより車外側に金属製のアウタパネルを有し、
    前記アウタパネルの前記外表部材側端部は前記ヒンジの回動中心よりも前記ドア内方に位置しており、
    前記ドアは、前記アウタパネルより車外側に、前記ドアの外表面を形成する樹脂製の意匠部材を有し、
    前記意匠部材の外表面のうち、ドア幅方向において前記開放端とは反対側の端部である前記外表部材側の端部と、前記外表部材の外表面のうち意匠部材側端部とは、離間部を介して離間しており、
    前記外表部材と前記意匠部材は略面一に配置されており、
    前記意匠部材は、外表面のうち前記外表部材側の端部から、前記外表部材方向かつ車内方向に延長された延長部を有することを特徴とする車体構造。
  2. 前記延長部は前記外表部材と車内外方向において重なることを特徴とする請求項1記載の車体構造。
  3. 前記延長部は、ドア内外方向とも車内外方向とも直交する方向において、前記離間部に沿って連続して設けられていることを特徴とする請求項2記載の車体構造。
  4. 前記アウタパネルはドア内外方向において前記意匠部材の外表部材側端部よりも前記ドア内方に位置していることを特徴とする請求項2または請求項3記載の車体構造。
  5. 前記意匠部材は、前記アウタパネルに設けられた連結部位において連結手段にて取り付けられており、
    前記連結部位は、前記回動中心よりも車内側に設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の車体構造。
  6. 前記アウタパネルは、前記ヒンジより上方、下方において、前記回動中心よりもドア外方に延出する外方延出部を有しており、
    前記外方延出部は、ドア外方に延出するにつれて、車内方向へも向かうことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載の車体構造。
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