JP2016078327A - カレンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のような大がかりな検出設備を導入せずともシート体の厚みを知ることができるカレンダ装置の提供。
【解決手段】複数のカレンダロールからなるカレンダ部と、カレンダロールの間に形成されるバンク領域にコンベヤによって搬送した原材料を供給する原材料供給部と、を有し、前記供給された前記原材料を前記カレンダ部において圧延し、シート体を成形するカレンダ装置であって、原材料供給幅、原材料供給厚み、コンベヤ速度、シート体幅、バンク高さ、カレンダ速度として算出した前記シート体の厚みを統計処理し、補正係数を積算した式によって、最終的なシート体厚みを算出するシート体厚み算出部を有する、という手段を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カレンダ装置に関するものである。
下記特許文献1には、カレンダのバンク量制御方法が開示されている。カレンダ装置は、ゴム、プラスチック等をシート状に成形するものであり、複数のカレンダロールを組み合わせて構成され、原材料を圧延してシート体を成形するようになっている。このようなカレンダ装置は、カレンダロール間に形成されるバンク領域における原材料のバンク量(たまり量)が成形品質に大きな影響を与えることが知られている。
例えば、バンク量が適量に維持されないと、シート体の切断や、厚さ変動の問題が生じるおそれがある。下記特許文献1のバンク制御方法では、成形されたシート体の厚みを検出することによりバンク領域からの原材料消費量を計算し、その原材料消費量に基づいてバンク領域への原材料供給量を制御するようになっている。このシート体の厚みを計測する手段としては、β線が透過したときの減衰率からシート体の厚みを検出するβ線厚み検出器を用いている。
特開平4−358811号公報
しかしながら、β線、X線等の放射線を用いる検出器は、設備が大がかりで、高価である。また、本質的に危険性を有し、導入に際しては放射線取扱のライセンスを要する。さらに、製品シート種類ごとの事前測定で正確な検量線データを準備・登録しておく必要があるなどの点で、取り扱いが煩雑で、使わなくなるケースも見ている。また、光センサと電磁センサを組み合わすタイプの検出器では、高温のカレンダロールに近い設置環境下での温度ドリフト誤差の問題や、設備の短寿命傾向の問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来のような大がかりな検出設備を導入せずともシート体の厚みを知ることができるカレンダ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、複数のカレンダロールからなるカレンダ部と、前記カレンダロールの間に形成されるバンク領域にコンベヤによって搬送した原材料を供給する原材料供給部と、を有し、前記供給された前記原材料を前記カレンダ部において圧延し、シート体を成形するカレンダ装置であって、Wを原材料供給幅、Hを原材料供給厚み、Vcをコンベヤ速度、wをシート体幅、Bをバンク高さ、vをカレンダ速度として算出した前記シート体の厚みを統計処理し、補正係数aを積算した、
Figure 2016078327
で表される式によって、最終的なシート体厚みhを算出するシート体厚み算出部を有する、という手段を採用する。
第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記補正係数は、前記カレンダ部での脱泡、加熱、引出張力を諸元とする前記シート体の厚みの変化を表す係数である、という手段を採用する。
第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記諸元の変化後の前記シート体の厚みの実測値を入力可能な実測値入力部と、前記補正係数を積算しない前記式から算出された統計値で、前記実測値を除算したものを、前記補正係数として随時更新可能な補正係数更新部と、を有する、という手段を採用する。
本発明によれば、上記の数式でシート体の厚みを算出するため、従来のような大がかりな検出設備を導入せずともシート体の厚みを知ることができる。
本発明の一実施形態に係るカレンダ装置の機能構成を示すシステム構成図である。 本発明の一実施形態に係るカレンダ装置におけるシート体の厚みを算出する処理を示すフローチャート図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係るカレンダ装置Aは、図1に示すように、ミクシングミル1、一対のカッタ2、モータ3、コンベヤ4、カレンダ部5、バンクセンサ6(バンク高さ検出部)及び制御装置7によって構成されている。ミクシングミル1、一対のカッタ2、モータ3、コンベヤ4は、本発明における原材料供給部10を構成している。また、制御装置7は、本発明における駆動制御部11、シート体厚み算出部12、補正係数更新部13を構成している。
ミクシングミル1は、原材料Jを混練してシート状に成形する装置であり、例えば一定距離を隔てて対向配置された一対の圧延ロール1a,1bを備えている。このミクシングミル1は、一対の圧延ロールが矢印で示すように回転することにより、所定幅のシート状に成形された原材料Jをコンベヤ4に向けて供給する。
一対のカッタ2は、ミクシングミル1からコンベヤ4に向けて供給されるシート状の原材料Jの幅(原材料供給幅W)を調節する装置であり、圧延ロールの周面近傍に所定間隔を隔てて設けられている。すなわち、一対のカッタ2は、ミクシングミル1によって成形された所定厚みのシート状の原材料Jについて、幅方向の所望の切幅に相当する部位のみをコンベヤ4に向けて通過させるようにトリミングする。
モータ3は、制御装置7による制御の下で、一対のカッタ2の間隔を調節するカッタ幅調節駆動手段である。このモータ3は、位置決め機能を有する(例えば汎用ブレーキモータと位置センサとの併用、ステッピングモータ、サーボモータ等)。コンベヤ4は、所定長さ(コンベヤ長L)を有する原料搬送装置である。このコンベヤ4は、ミクシングミル1から供給されると共に一対のカッタ2によって切幅が調節されたシート状の原材料Jを一定のコンベヤ速度Vc(線速度)でカレンダ部5まで搬送する。すなわち、ある時刻にコンベヤ4が受け入れた原材料Jは、コンベヤ長Lをコンベヤ速度Vcで除算して得られる搬送時間(遅延時間tc)だけ遅れたタイミングでカレンダ部5に供給される。
カレンダ部5は、コンベヤ4から供給された原材料Jをシート状に最終成形し、シート体Sとする装置であり、第1,第2カレンダロール5a,5bを備えている。第1,第2カレンダロール5a,5bは、一定間隔を隔てて対向配置されており、お互いの対向方向の中間位置上方にコンベヤ4の片端部(先端部)が位置するように設けられている。このような第1,第2カレンダロール5a,5bは、矢印で示すように回転することにより、上記中間位置上方から供給された原材料Jを所定厚(シート体厚みh)に圧延する。
ここで、第1,第2カレンダロール5a,5bの間には、コンベヤ4から原材料Jが供給されるバンク領域BKが形成される。このバンク領域BKは、原材料Jの溜まり領域であり、第1カレンダロール5a及び第2カレンダロール5bのロール軸方向における所定の延在長さ(バンク長(シート体幅w))を有すると共に、所定の高さ(バンク高さB)を有している。
バンクセンサ6は、バンク領域BKにおけるバンク高さBを検出する検出器であり、バンク高さBを示す検出信号を制御装置7に出力する。バンクセンサ6は、例えば、検出光を投光し、その反射光を検出することでバンク高さBを検出する光学センサや、バンク領域BKを撮像し、所定の画像処理をすることによりバンク高さBを検出するカメラ等を用いることができる。なお、バンクセンサ6としては、バンク高さBを検出できるものであれば特に限定されず、例えば、超音波式のセンサを用いてもよい。
制御装置7は、入力された操作信号、外部機器から受信した信号に基づいて、全体動作を統括制御するものである。この制御装置7は、CPU、ROM、RAM並びに上記各構成機器と信号の入出力を行うインタフェース回路、モニターとキーボード、または、タッチパネルなどから構成されている。また、詳細は後述するが、この制御装置7は、駆動制御部11、シート体厚み算出部12、補正係数更新部13の各機能を実行するための制御プログラム、演算式プログラム、補正係数データ、各種パラメータデータ等を記憶している。
続いて、上記構成のカレンダ装置Aの動作(特に制御装置7によるシート体Sの厚みh(以下、シート体厚みh)の算出処理)について説明する。先ず、シート体厚みhを算出する原理について詳しく説明する。
上述したようにバンク領域BKは、一定距離を隔てて対向する第1カレンダロール5aと第2カレンダロール5bとによって形成される原材料Jの溜まり領域である。この領域に溜まっている原材料Jの溜まり量をバンクと呼び、バンク容量をV[mm]とすると、理論上、シート体Sの厚みhは、下式(1)によって表される。
Figure 2016078327
ここで、hはシート体厚み[mm]、h´は補正前シート体厚み[mm]、aは補正係数、Wは原材料供給幅[mm]、Hは原材料供給厚み[mm]、Vcはコンベヤ速度[mm/s]、wはシート体幅[mm]、vはカレンダ速度[mm/s]を示す。
すなわち、補正前シート体厚みh´は、バンク領域BKからの原材料消費量[mm/s]を、シート体幅wとカレンダ速度vで除算することにより得られる。原材料消費量は、バンク領域BKへの原材料供給速度(W・H・Vc)[mm/s]からバンク領域BKにおけるバンク容量Vの微分値dV/dt[mm/s]を減算することにより得られる。ここで、バンク領域BKにおける時刻を基準にした場合に、上式(1)中のdV/dt、w、vは基準時刻の値であるのに対し、原料供給量を決定するW、H、Vcは輸送遅れtcだけ過去の値を使用しなくてはならないという特殊事情がある。なお、tcは、コンベヤ4が原材料Jをカッタ2からバンク領域BKまで輸送する時間[s]を示す。
補正係数aは、カレンダ部5での脱泡、加熱、引出張力を諸元とするシート体Sの厚みの変化を表す係数である。すなわち、シート体厚みhは、補正前シート体厚みh´に、補正係数aを積算することにより得られる。こうした補正係数の有効性の裏付けは、一定の製品ロットを生産し続けることができている実態に鑑みて、この間は上記「厚みへの影響」度は一定しているという推察に基づく。
ここで、式(1)における補正前シート体厚みh´の構成要素のうちdV/dtはバンク形状が流動的であることから、ばらつくことを前提として考える。したがって、統計処理により真値を追求する手法をとる。このため、本実施形態では、補正前シート体厚みh´の算出処理を所定期間に複数回実行し、その所定期間で算出された結果を統計処理したもの[[h´]]を、シート体厚みhの算出アルゴリズムに用いる。すなわち、最終的に、シート体厚みhは、下式(2)によって表される。
Figure 2016078327
ところで、上述した補正係数aの割り出しは、カレンダ装置Aの安定操業当初に行う。先ず、カレンダ装置Aを安定操業させ、そのカレンダ部5から出たシート体Sの厚みを、電磁センサを使ったオフライン作業にて実測し、シート体厚み実測値hを取得する。次に、取得したシート体厚み実測値hから、式(2)の逆算により補正係数aを算出する。すなわち、補正係数aは、式(2)のその時点の補正前シート体厚み統計値[[h´]]を用いて、下式(3)によって表される。
Figure 2016078327
すなわち、補正係数aは、シート体厚み実測値hを、補正前シート体厚み統計値[[h´]]で除算することにより得られる。なお、シート体厚み実測値hは、図1に示す実測値入力部14を介して、制御装置7に入力可能とされている。補正係数更新部13は、式(3)を用いて取得した値を、補正係数aとして更新・記憶する。これはセンサのキャリブレーション操作と位置づけられる。
ところで、バンク形状は不定形かつ常時変化しており、真のdV/dtを求めることは普通に考えれば困難である。しかしながら、近似の立体を想定すれば、バンクセンサ6によって検出可能なバンク高さBによってバンク容量Vの近似計算式が得られ、dV/dtの近似計算式を得ることができ、上述の統計処理で信憑性のある値を得ることができるという考え方である。具体的に、バンクを形成する第1、第2カレンダロール5a、5b間では混練のために回転速度差を与えるが、それによってバンク断面形状は円に近づく傾向がある。したがって、バンクは、どんな多角柱よりも円柱で近似することが適当と考える。すなわち、dV/dtは、下式(4)によって表される。
Figure 2016078327
式(4)のようにバンクを円柱で近似することで、dV/dtは、バンクセンサ6で直接求まるバンク高さBによる式に変換することができる。
以上をまとめると、下式(5)に表されるようになる。
なお、下式(5)において供給と消費の時間差を正しく考慮した計算がなされるように、下式(5)を形作る諸元は少なくとも(td+tc)[s]以上の期間にわたり、適当な書き込みインターバル毎にデータ・テーブルに取り込み記憶させることとする。ここで、tdは微分測定に掛ける時間[s]を示す。
Figure 2016078327
以上が、シート体厚みhを算出する原理である。以下では、当該原理に基づくカレンダ装置Aの具体的な動作について、図2のフローチャートに沿って詳しく説明する。
カレンダ装置Aの操業中、制御装置7は、バンク高さB1を読み、td秒おいて再びバンク高さB2を読む等の手法で、微分値dB/dtを算出し、データとして保存する(ステップS1)。
次に、制御装置7は、前回保存した微分値dB/dtを使用して2次微分値dB/dtを算出する(ステップS2)。
次に、制御装置7は、ステップS2で算出した2次微分値dB/dtがゼロであるか否かを判定する(ステップS3)。
この判定の結果が「NO」の場合、すなわち2次微分値dB/dtがゼロでなければ微分値dB/dtが変遷していて正しい微分測定ができないということなので、シート体Sの厚みhの算出処理(ステップS12)をパスする。
一方、この判定の結果が「YES」の場合、すなわち2次微分値dB/dtがゼロであれば前回算出した微分値dB/dtの以降、その値が変化していない、すなわち変遷中ではないということなので、ステップS4に移行する。
ステップS4では、制御装置7は、補正前シート体厚みh´を計算する。補正前シート体厚みh´は、上述した式(5)から算出する。なお、式(5)を形成する各値のW,H,Vcは、この際、上記データ・テーブルの中からtc秒過去の値を使う。
次に、制御装置7は、補正前シート体厚み統計値[[h´]]を算出する(ステップS5)。補正前シート体厚みh´の統計処理としては、移動平均、スムージング等の公知の統計処理を採用することができる。例えば、移動平均、スムージングは、ステップ応答がランプ(直線)状か、1次遅れかの差でしかなく、どちらを採用しても良い。具体的に、n回の移動平均の場合はn回の積算に要する時間が統計処理時間となり、そのn回の補正前シート体厚みh´の移動平均が、補正前シート体厚み統計値[[h´]]となる。
制御装置7は、このように算出した補正前シート体厚み統計値[[h´]]をモニターに表示する(ステップS6)。
次に、制御装置7は、補正係数aのキャリブレーションの要求操作が行われたか否かを判定する(ステップS7)。補正係数aは、カレンダ部5での脱泡、加熱、引出張力を諸元とするシート体Sの厚みの変化を表す係数であり、同一製品(ロット)かつ、バンク体積が一般的に適量とみなされる範囲にあれば、変化は無視できると考える。しかしながら、当該補正係数aに関わる諸元が変化したときには、補正係数aの更新が必要となる。
補正係数aに関わる諸元が変化する場合とは、原材料組成の変更、カレンダロールギャップ、ベンディング更新時、カレンダ定常操業速度v更新時、カレンダロール温度変更時、カレンダ出口テンション変更時、すなわちこれらの定常値が総括的に更新される、所謂製品(ロット)替えのときが殆どである。但し、カレンダロールギャップの微調、バンクの定常的許容範囲での変化に対してはこの限りではない。
この判定の結果が「NO」の場合、すなわち補正係数aに関わる諸元が変化していない場合、補正係数aを更新する必要がないため、ステップS12に移行する。
一方、この判定の結果が「YES」の場合、オフライン作業によりシート体厚み実測値hを取得し(ステップS8)、実測値入力部14を用いて、制御装置7へ入力し、補正係数aの更新要求操作を行う(ステップS9)。
オフライン作業によるシート体Sの厚みの実測とは、具体的には一例として、ローラでのみ走行するシート体Sに接触する配慮を施し且つ周囲をローラでガードしたセンサ・ブラケットに電磁式鉄センサを搭載し、直動のみ可能なガイドを施したロッドの先にそれを取り付けるなどして、カレンダ部5から出たシート体Sに向けてセンサ・ブラケットを手動で前進させ、走行するシート体Sに短時間接触させることで、シート表面からロール表面までの距離、即ちシート厚みを測る。なお、シート体Sが無い状態でロール表面に接触させた時が0となるようにキャリブレーションしておく。この種のセンサは、半導体回路を内包しており、シート体Sの高温に長く曝されると測定誤差を生じるので一回の測定を短時間にとどめて後退・冷却させ、本体を常温付近に維持しながら前進・接触・後退・冷却を繰り返して十分な回数測定したデータを統計処理し、有効数字3桁の0.NNN[mm]まで割り出したものをシート体厚み実測値hとして算出する。
なお、補正係数aに関わる諸元が変化した状況とは、製品(ロット)替えのときが殆どであると既に述べた通りであるが、これ即ち、工場で扱う製品の数だけ補正係数aが準備されていれば、基本的には更なるシート体厚み実測値hの測定は必須ではないことを意味し、製品(ロット)替えに伴うパラメータ変更の一環として補正係数aも変更すればよい。なお、再確認の意味で適宜に実測することはメンテナンスとして推奨される。
一方で、ステップS10では、継続処理されている補正前シート体厚み統計値[[h´]]が変化中か否かを判定する。補正係数aに関わる諸元が変化した場合、補正係数aを更新する必要があるが、大凡はロット変更という事態であるから補正前シート体厚みh´も変更されており、一般にその統計処理は瞬時には終わらない。制御装置7は、補正前シート体厚み統計値[[h´]]が補正係数aに関わる諸元の変化後の値を反映していると確認してから、すなわち補正前シート体厚み統計値[[h´]]の変遷が収まったことを確認してからステップS11に移行する。
なお、ステップS10はプログラム上必要な記述であるが実際のところは、補正前シート体厚み統計値[[h´]]の変遷が収まるのに要する時間は、シート体厚み実測値hの測定に掛かる時間に比べて非常に短いため、実操業上の待ち時間は無視できる範囲のものである。
次に、制御装置7(補正係数更新部13)は、継続処理されている補正前シート体厚み統計値[[h´]]の変遷がないことを確認したうえで、入力されたシート体厚み実測値hに基づいて、補正係数aを更新する(ステップS11)。この更新では、上述した式(3)を用いて補正係数aを算出することにより行う。すなわち、補正係数aを積算しない理論式から補正前シート体厚みh´を算出し、それを統計処理時間(所定期間)内に複数回(n回)実行して統計処理(移動平均等)した補正前シート体厚み統計値[[h´]]で、シート体厚み実測値hを除算したものを、補正係数aとして更新する。
次に、制御装置7(シート体厚み算出部12)は、上述した式(5)を用いて、シート体厚みhを算出する(ステップS12)。このように、本実施形態によれば、従来のような大がかりな設備を導入せずとも、シート体厚みhを知ることができる。
式(5)によって得られるシート体厚みhの精度の根拠は、次のようになる。式(5)の右辺の各パラメータの有効桁数は、実操業で使われる数値範囲から判断して、以下のように表すことができる。なお、定数か変数かについては、操業上の変更頻度で判断したが、広い意味ではすべて変数としてもよい。
(1)定数パラメータ
補正係数:a=N.NN
コンベヤ速度:Vc=NNN[m/s]
シート体幅:w=NNN[mm]
(2)変数パラメータ
原材料供給厚み:H=N.NN[mm]
原材料供給幅:W=NN.N[mm]
バンク高さ:B=NNN[mm]
カレンダ速度:v=NN.N[mpm]
原材料供給厚みHは、通常の操業では必要のない計測であり、既存の設備ではコンベヤ4上での手計測によりパラメータ・セットするから計測精度が有効数字2桁にとどまる。そこで本システムでは、レーザーセンサ等を設置して、原材料供給厚みHを計測することで、H=N.NN[mm]を容易く確保することができ、且つ連続的に把握できるようにしている。こうして上記のすべての諸元が有効桁数3桁であることから、式(5)の計算結果であるシート体厚みhの有効桁数3桁が裏付けられる。
また、補正係数aは、キャリブレーションという特殊事情があり、人為的な計測技術とデータ処理技術が含まれるが、十分な測定回数を以って有効数字3桁(NN.N%)までの割り出しに努力すれば可能である。こうして、シート体厚み実測値hの測定のために瞬時的に使った電磁式センサと違って、センサレスでかつ連続的にh=0.NNN[mm]の精度が得られる。
このように本実施形態によれば、従来のように高温で原材料を圧延するカレンダ部5の近くに大がかりなシート体厚みhを直接検出するための設備を導入することなく、即ちセンサレスで、したがって一般に精密かつ連続計測を阻害する熱による温度ドリフトや電気のノイズの影響を受けずに、また放射線発生装置等の特殊なハードウェアを設けずに、したがってライセンス不要にて、有効数字3桁の精度でシート体厚みhを算出することができる。
このように、上述の本実施形態によれば、第1,第2カレンダロール5a,5bからなるカレンダ部5と、第1,第2カレンダロール5a,5bの間に形成されるバンク領域BKにコンベヤ4によって搬送した原材料Jを供給する原材料供給部10と、を有し、供給された原材料Jをカレンダ部5において圧延し、シート体Sを成形するカレンダ装置Aであって、Wを原材料供給幅、Hを原材料供給厚み、Vcをコンベヤ速度、wをシート体幅、Bをバンク高さ、vをカレンダ速度として算出したシート体Sの厚みを統計処理し、補正係数aを積算した、式(5)によって、最終的なシート体厚みhを算出するシート体厚み算出部12を有する、という手段を採用することによって、シート体厚みhを算出するため、従来のような大がかりな検出設備を導入せずともシート体厚みhを知ることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々更新可能である。
A カレンダ装置
J 原材料
S シート体
BK バンク領域
5 カレンダ部
5a 第1カレンダロール(カレンダロール)
5b 第2カレンダロール(カレンダロール)
6 バンクセンサ(バンク高さ検出部)
10 原材料供給部
11 駆動制御部
12 シート体厚み算出部
13 補正係数更新部
14 実測値入力部

Claims (3)

  1. 複数のカレンダロールからなるカレンダ部と、前記カレンダロールの間に形成されるバンク領域にコンベヤによって搬送した原材料を供給する原材料供給部と、を有し、前記供給された前記原材料を前記カレンダ部において圧延し、シート体を成形するカレンダ装置であって、
    Wを原材料供給幅、Hを原材料供給厚み、Vcをコンベヤ速度、wをシート体幅、Bをバンク高さ、vをカレンダ速度として算出した前記シート体の厚みを統計処理し、補正係数aを積算した、
    Figure 2016078327
    で表される式によって、最終的なシート体厚みhを算出するシート体厚み算出部を有する、ことを特徴とするカレンダ装置。
  2. 前記補正係数は、前記カレンダ部での脱泡、加熱、引出張力を諸元とする前記シート体の厚み変化を表す係数である、ことを特徴とする請求項1に記載のカレンダ装置。
  3. 前記諸元の変化後の前記シート体の厚みの実測値を入力可能な実測値入力部と、
    前記補正係数を積算しない前記式から算出された統計値で、前記実測値を除算したものを、前記補正係数として随時更新可能な補正係数更新部と、を有する、ことを特徴とする請求項2に記載のカレンダ装置。
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