JP2016077211A - 食用クリームおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパウンドクリームや純植脂クリームにミルク感や濃厚感等の風味を付与すること等のできる、新しい技術を提供する。【解決手段】少なくとも植物油脂と水を含有する油脂組成物を乳化して乳化物を得た後、この乳化物に脱脂濃縮乳を添加、混合して得られることを特徴とする食用クリーム。【選択図】なし

Description

本発明は、食用クリームおよびその製造方法に関する。
生乳から乳脂肪分を分離して製造される天然の生クリームは、風味の点では非常に優れているものの、ホイップ前の状態では、保存中の品温の上昇や固化が起こり易く、また、ホイップ時には、荒れやばさつきが起こり易く、取り扱い面で難点があった。また、生クリームは、価格的に高価である等の問題点があった。また、純乳脂クリームは、生クリームと比較するとホイップ時の荒れやばさつきは抑えられるものの、後述するコンパウンドクリームや純植脂クリームと比較すると物性は劣り、さらに価格的に高価であることに変わりなかった。さらに、近年は価格の問題以外に、コレステロールなど栄養上の問題もあることも知られている。(例えば、非特許文献1、p238−239参照)
このため、比較的低価格で入手し易く、比較的品質の安定した水中油型乳化物として、コンパウンドクリームや純植脂クリームの需要が増加している。また、嗜好のライト化や健康的な思考により、これらコンパウンドクリームや純植脂クリームが好まれるようになっている。
しかし、一般的にコンパウンドクリームや純植脂クリームには、乳脂肪分が少ないあるいは全く含有されていないためライト感はあるものの、乳由来のクリーム感やミルク感が不足しているため、風味的に満足のいくものはなかった。
これまでコンパウンドクリームや純植脂クリームにミルク感等を付与するために、ミルクフレーバー、バニラフレーバー等の香料を添加する手段は広く知られている。(例えば、特許文献1、[0059]参照)
しかしながら、このように人工的にミルク感等を付与したクリームは、やはり生クリームと比較すると、ミルク感や濃厚感等の風味がかなり劣るという問題があった。
特開2007−236348号公報
藤田 哲著、「食用油脂−その利用と油脂食品」、株式会社幸書房、2000年4月5日、p238−239
従って、本発明は、コンパウンドクリームや純植脂クリームにミルク感や濃厚感等の風味を付与すること等のできる、新しい技術を提供することを課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ミルク感や濃厚感等の風味を付与するための材料として脱脂濃縮乳に着目し、これをコンパウンドクリームや純植脂クリームに添加することを試みたが、単純にコンパウンドクリームや純植脂クリームを製造する際に、植物油脂や添加剤と共に脱脂濃縮乳も一緒に混合してしまうと、得られるクリームの物性が良くなく、実用的なものとはならなかった。
そこで、本発明者らは、コンパウンドクリームや純植脂クリームを調製してから、それに脱脂濃縮乳を添加して、混合することにより、生クリームやコンパウンドクリーム等のその他のクリームとブレンドした際に生乳のミルク感、生クリームの濃厚感等の優れた風味および乳化安定性、ホイップクリーム性等に優れた物性を付与でき、更には、それ自身も優れた風味および物性を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、少なくとも植物油脂と水を含有する油脂組成物を乳化して乳化物を得た後、この乳化物に脱脂濃縮乳を添加、混合して得られることを特徴とする食用クリームである。
また、本発明は、少なくとも植物油脂と水を含有する油脂組成物を乳化して乳化物を得た後、この乳化物に脱脂濃縮乳を添加、混合することを特徴とする食用クリームの製造方法である。
本発明の食用クリームは、植物油脂を含有していながらも、生乳のミルク感、生クリームの濃厚感等の優れた風味および乳化安定性(ゲルテスト)、ホイップクリーム性(オーバーラン、造花性、保型性、離水)等に優れた物性を有するものである。
また、本発明の食用クリームは生クリームやコンパウンドクリーム等のその他のクリームとブレンドした際にも優れた風味および物性を付与できるものである。
従って、本発明の食用クリームは、そのままあるいは生クリームやコンパウンドクリーム等のその他のクリームとブレンドして、従来の生クリームに置き換えて製菓や料理に使用したり、飲料に添加したりすることができる。
本明細書においては、「乳および乳製品の成分規格等に関する省令」(以下、「乳等省令」という)において、生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したものであり、乳脂肪分が18質量%(以下、単に「%」という)以上のものと定義されている種類別クリームのことを「生クリーム」という。また、乳等省令において、名称 乳等を主要原料とする食品のうち、脂肪分として乳脂肪のみが使用され、更に、乳化剤、安定剤等の添加剤も使用されているものを「純乳脂クリーム」といい、乳脂肪の一部を植物油脂に換えたものを「コンパウンドクリーム」といい、乳脂肪の全部を植物油脂に換えたものを「純植脂クリーム」という。なお、本発明の食用クリームは、上記においてコンパウンドクリームまたは純植脂クリームに分類されるものである。
本発明の食用クリームは、少なくとも植物油脂と水を含有する油脂組成物を乳化して乳化物を得た後、この乳化物に脱脂濃縮乳を添加、混合して得られるものである。
上記油脂組成物に用いられる植物油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、大豆油、なたね油等の純植物油または純植物脂、これらに水素添加、エステル交換等の処理を行ったもの等が挙げられる。なお、上記植物油脂として、例えば、特許第4498465号に油脂組成物として記載されているラウリン系油脂主体の植物油脂、特許第4445037号に油脂組成物として記載されているパーム系油脂主体の植物油脂等も用いることもできる。これら植物油脂は1種または2種以上を用いることができる。また、上記油脂組成物における植物油脂の含有量は特に限定されず、最終的に得たい食用クリームのタイプに合わせて適切な量を選択含有させればよい。なお、上記油脂組成物における水の含有量も特に限定されず、食用クリームを製造する上で適切な量であればよい。
また、上記油脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、乳化剤、安定剤、塩類、脱脂乳、脱脂粉乳等のその他の成分を添加することもできる。これらの成分も1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記油脂組成物へのこれらその他の成分の添加量は適宜選択すればよい。
具体的に、乳化剤としては、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の従来公知の乳化剤が挙げられる。安定剤としては、例えばキサンタンガム、ジェランガム、グァガム、ガラクトマンナン分解物等が挙げられる。塩類としては、例えば、メタリン酸ナトリウム、リン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
上記植物油脂と水、必要により、乳脂肪やその他の成分を含有させた油脂組成物を乳化して乳化物を得る方法は特に限定されず、従来公知の方法、例えば、予備乳化、殺菌、均質化、冷却、エージングを順次行う方法が挙げられる。なお、均質化については、殺菌前に行う前均質であっても、殺菌の後に行う後均質であってもよく、また、前均質および後均質の両者を組み合わせた二段均質であってもよい。
上記のようにして得られた乳化物に、次に、脱脂濃縮乳を添加、混合して食用クリームを得る。なお、ここで脱脂濃縮乳とは、乳等省令において、生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分を除去したものを濃縮したものと定義されたものであり、無脂乳固形分が18.5%以上のものであれば特に限定されないが、本発明に用いる脱脂濃縮乳は、成分の調整や風味の調整の点から無脂乳固形分が26〜32%のものが好ましい。上記乳化物に添加する脱脂濃縮乳の量は特に限定されず、最終的に得たい食用クリームの無脂乳固形分濃度にあわせて適宜量を選択して添加し、混合すればよい。なお、脱脂濃縮乳の添加方法は特に限定されない。また、混合については、食用クリーム中の成分が均一になるように、攪拌のスピード、回数、時間等を適切に設定すればよい。
なお、上記食用クリームには、更に乳脂肪を含有させることができる。上記食用クリームにおける乳脂肪の量は特に限定されず、最終的に得たい食用クリームの種類に合わせて適切な量を選択すればよい。また、乳脂肪の由来も特に限定されず、例えば、生クリーム、純乳脂クリーム、生クリームや純乳脂クリームにコンパウンドクリームや純植脂クリームを混合したもの、チーズ、バター等でよい。更に、乳脂肪の由来は複数であってもよい。なお、乳脂肪の添加時期は特に限定されず、油脂組成物に添加してもよいし、乳化物に添加してもよい。
斯くして得られる食用クリームは、従来の生クリームやコンパウンドクリームと同様に、料理用、製菓用、コーヒー等への飲料添加用等に使用することができるが、特に物性が優れていることからホイップクリームに使用することが好ましい。
なお、本発明の食用クリームの好ましい態様としては、乳脂肪が0〜45%、植物油脂が1〜45%、無脂乳固形分が5〜15%のものである
また、本発明の食用クリームのうち、特に乳脂肪分が0〜10%、植物油脂が20〜40%、無脂乳固形分が7〜15%のものは、生クリーム、従来のコンパウンドクリームや純乳脂クリームへのブレンド用として好ましい。
このブレンド用の食用クリームは、生クリーム、従来のコンパウンドクリームや純乳脂クリームに、所望の量で添加すればよく、例えば、生クリームであれば2〜4割、好ましくは3割程度食用クリームに置き換えることにより、おいしさや風味の向上、乳化安定性、ホイップクリーム性の向上、コストメリット等がある。
以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
食用クリームの調製:
最終的に以下の表1に記載の組成となるように、水、脱脂粉乳、乳化剤2、安定剤1、メタリン酸ナトリウムをバッチ方式で攪拌しながら分散混合し、水相を調製した。また、最終的に以下の表1に記載の組成となるように、特許第4498465号に記載のラウリン系油脂主体の植物油脂に予め乳化剤1を溶解して油相を調製した。水相を攪拌しながら60℃まで昇温させたものに油相を加え、65℃〜75℃で15分程度予備乳化した。その後、8.5MPaの圧力下で均質化し、85℃達温までバッチ殺菌した後、約10℃まで冷却し、更に5℃の冷蔵庫で約18時間エージングした。これにより植物油脂45%、無脂乳固形分4.2%の純植脂クリームを得た。この純植脂クリームに、無脂乳固形分27%の脱脂濃縮乳を11.0%となるように添加、混合し、植物油脂40%、無脂乳固形分7.0%の表1に記載の組成となる食用クリームを得た。
Figure 2016077211
比 較 例 1
食用クリームの調製:
実施例1において、純植脂クリームに最後に添加した脱脂濃縮乳を、予め水相に添加する以外は、実施例1と同様にして植物油脂40%、無脂乳固形分7.0%の食用クリームを得た。
試 験 例 1
物性試験:
実施例1で得た食用クリームと、比較例1で得た食用クリームについて、乳化安定性(ゲルテスト)、ホイップクリーム性(オーバーラン、造花性、保型性、離水)を以下の方法と評価基準によって評価した。その結果を表2に示した。
<乳化安定性試験>
ビーカーに各クリームを60g計量し、品温を20℃に調整した後、スリーワンモーターにて四枚羽根のプロペラを160rpmで回転させ、各クリームが凝固・増粘する(ボテる)までの時間を測定した。各クリームが凝固・増粘するまでの時間が長いほど、乳化安定性が高いことを示す。各クリームが凝固・増粘するまでの時間は、通常、1200秒以上であると好ましいとされる。
<ホイップクリーム性>
各クリーム900gに砂糖63gを加え、ホバートミキサー(ホバートジャパン社製)を用い、中速2でホイップさせたホイップ後のホイップクリームについて、オーバーラン、造花性、保型性、離水を以下の基準で評価した。
<オーバーラン>
各クリームについて、以下に示す式から、クリームの増加体積の割合(オーバーラン(%))を算出した。オーバーランの値が大きいほど、起泡性が良好であることを示す。オーバーランは、通常、80〜180%が好ましいとされ、120〜160%程度が好ましいとされる。
[式1]
オーバーラン(%)=[(定容積のホイップ前のクリーム質量―定容積のホイップ後のクリーム質量)/(定容積のホイップ後のクリーム重量)]×100
<造花性>
各クリームを10分立てしたホイップクリームを絞り袋に入れ、花型で絞り出した時のホイップクリームの外観を以下の4段階基準で評価した。
(評価) (内容)
◎ : 表面が滑らかでツヤがあり、エッジがシャープな極めて良好な状態
○ : 良好
△ : 表目に荒れが見られ、エッジがややフラットな状態
× : 荒れ、戻りのある状態
<保型性>
各クリームを10分立てしたホイップしたホイップクリームを絞り袋に入れ、花型で絞り出し、20℃3時間保存した後のホイップクリームの外観を以下の4段階基準で評価した。
(評価) (内容)
◎ : 型崩れなく極めて良好
○ : 殆ど型崩れなく良好
△ : わずかに型崩れがある状態
× : 型崩れが大きい状態
<離水試験>
各クリームを10分立てしたホイップクリームを5℃24時間保存した後、ホイップクリームからの離水について以下の基準で評価した。
(評価) (内容)
◎ : なし
○ : 殆どなし
△ : ややあり
× : 多い
Figure 2016077211
以上の結果より、実施例1で得た食用クリームは、植物油脂および無脂乳固形分が同じであり、濃縮脱脂乳を添加する順序が異なる比較例1で得た食用クリームと比べて、乳化安定性、起泡性、造花性、保型性に優れ、離水が少ない優れたものであった。
実 施 例 2
ブレンド用食用クリームの調製:
最終的に以下の表3に記載の組成となるように、水、生クリーム、脱脂粉乳、乳化剤4、安定剤2、メタリン酸ナトリウムをバッチ方式で攪拌しながら分散混合し、水相を調製した。また、最終的に以下の表3に記載の組成となるように、特許第4498465号に記載のラウリン系油脂主体の植物油脂に予め乳化剤3を溶解して油相を調製した。水相を攪拌しながら60℃まで昇温させたものに油相を加え、65℃〜75℃で15分程度予備乳化した。その後、8.5MPaの圧力下で均質化し、85℃達温までバッチ殺菌した後、約10℃まで冷却し、更に5℃の冷蔵庫で約18時間エージングした。これにより乳脂肪分2.6%、植物油脂38.5%、無脂乳固形分5.4%のコンパウンドクリームを得た。このコンパウンドクリームに、無脂乳固形分27%の脱脂濃縮乳を22.0%となるように添加、混合し、乳脂肪分2.0%、植物油脂30%、無脂乳固形分10.0%の表3に記載の組成となるブレンド用食用クリームを得た。
Figure 2016077211
比 較 例 2
ブレンド用食用クリームの調製:
実施例2において、コンパウンドクリームを調製する際に最後に添加、混合した脱脂濃縮乳を添加せず、その代わりに脱脂濃縮乳と同量の水を予め水相に添加、混合する以外は、実施例2と同様にして乳脂肪分2.0%、植物油脂30%、無脂乳固形分4.2%のブレンド用食用クリームを得た。
試 験 例 2
ブレンド性能試験:
実施例2で得たブレンド用食用クリーム270gと、乳脂肪分47%の生クリーム630gとを混合して乳脂肪分33%、植物性脂肪分9%、無脂乳固形分6.0%のコンパウンドクリームを得た。また、比較例2で得たブレンド用食用クリーム270gと、乳脂肪分47%の生クリーム630gとを混合して乳脂肪分33%、植物性脂肪分9%、無脂乳固形分4.4%のコンパウンドクリームを得た。
こうして得た2種のコンパウンドクリーム900gのそれぞれに砂糖63gを加え、ホバートミキサー(ホバートジャパン社製)を用い、中速2でホイップさせてホイップクリームを得た。これら2種のホイップクリームを15名のパネラーに比較しながら食してもらい、ミルク感、甘み、総合的なおいしさについて7段階評価で点数をつけてもらい、これについてJNP10(SAS Inst.)を用い、分散分析(ANOVA)を行った。その結果を表4に示した。数値は平均点を表している。なお、各評価において、点数が高いほど(7に近いほど)、各項目について優れており、点数が低いほど(1に近いほど)、各項目について劣っていることを示している。
Figure 2016077211
以上の結果より、実施例2で得たブレンド用食用クリームと生クリームとを混合して得たコンパウンドクリームは、比較例2で得たブレンド用食用クリームと生クリームとを混合して得たコンパウンドクリームと比べて、ミルク感、甘み、総合的なおいしさで統計的に有意差があり、美味しいクリームであることがわかった。また、実施例2で得たブレンド用食用クリームと生クリームとを混合して得たコンパウンドクリームについては、キメの細かさ、終点の見極めやすさ等の仕上がりの向上、離水・保型性の改善効果等の物性が向上することがわかった。
実 施 例 3
食用クリームの調製:
最終的に以下の表5に記載の組成となるように、水、生クリーム、脱脂粉乳、乳化剤6、安定剤3、メタリン酸ナトリウムをバッチ方式で攪拌しながら分散混合し、水相を調製した。また、最終的に以下の表5に記載の組成となるように、特許第4498465号に記載のラウリン系主体の植物油脂に予め乳化剤5を溶解して油相を調製した。水相を攪拌しながら60℃まで昇温させたものに油相を加え、65℃〜75℃で15分程度予備乳化した。その後、8.5MPaの圧力下で均質化し、85℃達温までバッチ殺菌した後、約10℃まで冷却し、更に5℃の冷蔵庫で約18時間エージングした。これにより乳脂肪分36.0%、植物油脂9.0%、無脂乳固形分4.5%のコンパウンドクリームを得た。このコンパウンドクリームに、無脂乳固形分27%の脱脂濃縮乳を6.0%となるように添加、混合し、乳脂肪分33.0%、植物油脂9.0%、無脂乳固形分5.8%の表5に記載の組成となる食用クリームを得た。
Figure 2016077211
この食用クリームについて試験例1と同様に評価したところ、物性的に実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
試 験 例 3
官能試験:
実施例3で得た食用クリーム900gに砂糖63gを加え、ホバートミキサー(ホバートジャパン社製)を用い、中速2でホイップさせてホイップクリームを得た。また、比較として乳脂肪分42%の生クリームを同様にホイップさせてホイップクリームを得た。
これら2種のホイップクリームについて、どちらが総合的においしいかどうかのアンケートを125名に行ったところ、そのうち88人(約70%)が実施例3の食用クリームを選択した(有意水準5%で統計的な有意差あり)。従って、実施例3で得た食用クリームは、生クリームよりも美味しいという評価を得た。
本発明の食用クリームは、そのままあるいは生クリームやコンパウンドクリーム等のその他のクリームとブレンドして、従来の生クリームに置き換えて製菓や料理に使用したり、飲料に添加したりすることができる。

以 上

Claims (7)

  1. 少なくとも植物油脂と水を含有する油脂組成物を乳化して乳化物を得た後、この乳化物に脱脂濃縮乳を添加、混合して得られることを特徴とする食用クリーム。
  2. 更に乳脂肪を含有するものである請求項1記載の食用クリーム。
  3. 乳脂肪が、生クリーム、純乳脂クリームおよびコンパウンドクリームからなる群から選ばれる1種または2種以上を由来とするものである請求項2記載の食用クリーム。
  4. 無脂乳固形分が5.0〜15.0質量%である請求項1〜3の何れかに記載の食用クリーム。
  5. ホイップクリームである請求項1〜4の何れかに記載の食用クリーム。
  6. ブレンド用である請求項1〜4の何れかに記載の食用クリーム。
  7. 少なくとも植物油脂と水を含有する油脂組成物を乳化して乳化物を得た後、この乳化物に脱脂濃縮乳を添加、混合することを特徴とする食用クリームの製造方法。

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