JP2016076348A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
電解液は、溶質としてのアルカリ金属塩(MX)が、溶媒としてのメチルトリグライムおよびメチルテトラグライムに溶解されてなる。
本形態では、メチルトリグライム(以下「G3」と略記する場合がある)およびメチルテトラグライム(以下「G4」と略記する場合がある)の混合液を溶媒として用いる。
本形態では、アルカリ金属塩(MX)を溶質として用いる。
なかでも、実用面、ならびに元素の存在量の観点から、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、およびカリウム(K)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、リチウム(Li)を含むことがより好ましい。これらのアルカリ金属(M)は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。なお、電解液中においては、グライムの酸素原子がアルカリ金属イオン(M+)に配位し、錯体(錯塩)として存在しうる。
負極活物質層は、負極活物質を含む。負極活物質としては、ケイ素系材料(ケイ素を含み、リチウムイオンを吸蔵放出することにより負極活物質として機能しうる材料)が必須に用いられる。
正極活物質層は活物質を含み、必要に応じて、導電助剤、バインダー、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤をさらに含む。
セパレータは、電解液を保持して正極と負極との間のリチウムイオン伝導性を確保する機能、および正極と負極との間の隔壁としての機能を有する。
集電体を構成する材料に特に制限はないが、好適には金属が用いられる。
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板27と負極集電板25とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
電池外装体29は、その内部に発電要素を封入する部材であり、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースなどが用いられうる。該ラミネートフィルムとしては、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができることから、外装体はアルミニウムを含むラミネートフィルムがより好ましい。
[比較例1]
溶媒であるメチルトリグライム(G3)に、溶質であるリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([Li]+[N(CF3SO2)2]−、以下「LiTFSI」とも称する)を加え、60℃にて24時間以上スターラーを用いて混合撹拌し、電解液を調製した。この際、メチルトリグライムのモル数(MG3)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG3/MLi)が1となるように添加量を調節した。なお、一連の作業は全て露点−60℃以下となるアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で行なった。
溶媒であるメチルトリグライム(G3)に代えて、メチルテトラグライム(G4)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で電解液を調製した。この際、メチルテトラグライムのモル数(MG4)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG4/MLi)が1となるように添加量を調節した。
溶質であるLiTFSIに代えて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド([Li]+[N(FSO2)2]−、以下「LiFSI」とも称する)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で電解液を調製した。この際、メチルトリグライムのモル数(MG3)とLiFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG3/MLi)が1となるように添加量を調節した。
溶媒であるメチルトリグライム(G3)に代えて、メチルテトラグライム(G4)を用いたこと以外は、実施例3と同様の方法で電解液を調製した。この際、メチルテトラグライムのモル数(MG4)とLiFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG4/MLi)が1となるように添加量を調節した。
メチルトリグライムのモル数(MG3)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG3/MLi)が0.9となるように添加量を調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で電解液を調製した。
メチルトリグライムのモル数(MG3)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG3/MLi)が1.1となるように添加量を調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で電解液を調製した。
メチルテトラグライムのモル数(MG4)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG4/MLi)が0.9となるように添加量を調節したこと以外は、実施例2と同様の方法で電解液を調製した。
メチルテトラグライムのモル数(MG4)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG4/MLi)が1.1となるように添加量を調節したこと以外は、実施例2と同様の方法で電解液を調製した。
比較例1と同様の方法で、溶媒であるメチルトリグライム(G3)に、溶質であるLiTFSIを加え、60℃にて24時間以上スターラーを用いて混合撹拌し、リチウム塩メチルトリグライム溶媒和イオン液体(Li(G3)TFSI)を調製した。この際、メチルトリグライムのモル数(MG3)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG3/MLi)が1となるように添加量を調節した。また、比較例2と同様の方法で、溶媒であるメチルテトラグライム(G4)に、溶質であるLiTFSIを加え、60℃にて24時間以上スターラーを用いて混合撹拌し、リチウム塩メチルテトラグライム溶媒和イオン液体(Li(G4)TFSI)を調製した。この際、メチルテトラグライムのモル数(MG4)とLiTFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG4/MLi)が1となるように添加量を調節した。
Li(G3)TFSIおよびLi(G4)TFSIの総モル数に対する、Li(G3)TFSIのモル数の割合を50モル%としたこと以外は、実施例1と同様の方法で電解液を調製した。
Li(G3)TFSIおよびLi(G4)TFSIの総モル数に対する、Li(G3)TFSIのモル数の割合を70モル%としたこと以外は、実施例1と同様の方法で電解液を調製した。
比較例3と同様の方法で、溶媒であるメチルトリグライム(G3)に、溶質であるLiFSIを加え、60℃にて24時間以上スターラーを用いて混合撹拌し、リチウム塩メチルトリグライム溶媒和イオン液体(Li(G3)FSI)を調製した。この際、メチルトリグライムのモル数(MG3)とLiFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG3/MLi)が1となるように添加量を調節した。また、比較例4と同様の方法で、溶媒であるメチルテトラグライム(G4)に、溶質であるLiFSIを加え、60℃にて24時間以上スターラーを用いて混合撹拌し、リチウム塩メチルテトラグライム溶媒和イオン液体(Li(G4)FSI)を調製した。この際、メチルテトラグライムのモル数(MG4)とLiFSI中のLiのモル数(MLi)との比(MG4/MLi)が1となるように添加量を調節した。
Li(G3)FSIおよびLi(G4)FSIの総モル数に対する、Li(G3)FSIのモル数の割合を30モル%としたこと以外は、実施例4と同様の方法で電解液を調製した。
Li(G3)FSIおよびLi(G4)FSIの総モル数に対する、Li(G3)FSIのモル数の割合を50モル%としたこと以外は、実施例4と同様の方法で電解液を調製した。
Li(G3)FSIおよびLi(G4)FSIの総モル数に対する、Li(G3)FSIのモル数の割合を70モル%としたこと以外は、実施例4と同様の方法で電解液を調製した。
まず、負極集電体として、ニッケル箔(厚み20μm)を準備した。次いで、このニッケル箔の表面に、RFスパッタ法により負極活物質層であるアモルファスケイ素薄膜(厚み100nm)を形成して、負極を作製した。
上記で作製した負極と、対極であるリチウム箔とで、セパレータ(厚み25μmのポリプロピレン多孔質膜)を2枚挟持し、セパレータに上記で調製した電解液を注入した。これら積層体を市販のHSセル(宝泉社製)内に収納して、ねじ止めにて封止することで評価用セルを完成させた。なお、一連の作業は全て露点−60℃以下となるアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で行なった。
実施例1〜7および比較例1〜8で調製した電解液を用いて作製した評価用セルについて、サイクル試験の評価を行なった。具体的には、0.5Cレートの電流を一定のまま通電させて充電・放電を繰り返すことで、サイクル試験を実施した。充電は、開回路電圧の状態から評価用セルを極間電位差が5mVとなるまで所定の電流を流すことで行った。また、放電は、充電と同じく0.5Cレートの定電値のまま極間電位差が2Vとなるまで一定の電流を流すことで実施した。以上の評価は、30℃一定に保持された恒温槽内で実施した。充電容量、放電容量は、ともに充電過程、放電過程それぞれにおける総通電量を積算することで求めた。サイクル試験は、この充電過程、放電過程を所定の回数繰り返すことで行った。そして、5サイクル目における放電容量を100%とした場合の、各サイクルでの放電容量の割合(放電容量維持率%)を算出した。結果を表1に示す。
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層、
15 正極活物質層、
17 セパレータ、
19 単電池層、
21 発電要素、
25 負極集電板、
27 正極集電板、
29 電池外装材。
Claims (6)
- 正極集電体の表面にアルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、
負極集電体の表面にケイ素を含有する負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、
電解液を保持するセパレータと、
を有する発電要素を備え、
前記電解液は、溶質としてのアルカリ金属塩(MX)が、溶媒としてのメチルトリグライムおよびメチルテトラグライムに溶解されてなり、
前記メチルトリグライムおよびメチルテトラグライムの総モル数(MG)と前記アルカリ金属塩(MX)中のアルカリ金属(X)のモル数(Mx)との比(MG/Mx)は、0.9を超えて1.1未満である、二次電池。 - 前記アルカリ金属塩(MX)におけるXは、Cl、Br、I、BF4、PF6、CF3SO3、ClO4、CF3CO2、AsF6、SbF6、AlCl4、N(FSO2)2、N(CF3SO2)2およびN(CF3CF2SO2)2からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二次電池。
- 前記アルカリ金属塩(MX)におけるXは、N(CF3SO2)2であり、
当該メチルトリグライムおよびメチルテトラグライムの総モル数に対するメチルテトラグライムのモル数の割合は、30〜70モル%である、請求項1に記載の二次電池。 - 前記アルカリ金属塩(MX)におけるXは、N(FSO2)2であり、
当該メチルトリグライムおよびメチルテトラグライムの総モル数に対するメチルテトラグライムのモル数の割合は、10〜70モル%である、請求項1に記載の二次電池。 - 前記アルカリ金属塩(MX)におけるアルカリ金属(M)は、Li、NaおよびKからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
- 前記負極活物質は、ケイ素単体およびケイ素酸化物から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池。
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JP2019121456A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | トヨタ自動車株式会社 | 固体電池 |
WO2019177055A1 (ja) * | 2018-03-14 | 2019-09-19 | 日立化成株式会社 | リチウムイオン二次電池 |
CN114388883A (zh) * | 2020-10-16 | 2022-04-22 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 包含离子凝胶的固态双极型电池组 |
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