JP2017069118A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】負極活物質に一酸化珪素(SiO)を用いたリチウムイオン二次電池のエージングによる初期容量の低下を防止すること。【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を備える負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を備える正極と、上記負極と上記正極との間に介在する非水電解液とを備える。そして、上記負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有し、上記電解液が、アスコルビン酸と、ビニレンカーボネートとを含有する。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に係り、更に詳細には、初期容量の低下が防止されたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池などの電気デバイスの開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池は、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用リチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性、及び高いエネルギーを有することが求められる。したがって、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、一般的に、正極活物質等を正極集電体に塗布した正極と、負極活物質等を負極集電体に塗布した負極とが、電解液を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
リチウムイオン二次電池の負極には、従来から充放電サイクルの寿命やコスト面で有利な炭素・黒鉛系材料が用いられている。また、電解液には、広範囲の温度域での電池性能を向上させるため、温度環境に適した溶媒を複数種混合して用いられる。
特許文献1の2011−338684号公報には、低温環境下でイオン導電性が優れるビニレンカーボネートと、該ビニレンカーボネートの高温下における分解を抑制する酸化防止剤と、常温での容量劣化を抑制するメトキシベンゼン系化合物とを組み合わせた電解液を用いることが開示されている。そして、上記電解液を用いることで、低温域から高温域までの広い温度域において、リチウムイオン二次電池の充放電サイクルの寿命を向上できる旨が開示されている。
リチウムイオン二次電池は、正極内に微小な金属片が混入していたり、セパレータがマイクロショートしていたりすると正極と負極との間に短絡が生じて動作不良が生じることがある。そこで、充電したセルを一定の高温下または常温下に一定時間放置するエージング処理を行った後、所定条件でセルの電圧降下を計測して電圧降下が大きい場合に、セル内に金属片等のコンタミネーションが存在すると判定することができる。
また、リチウムイオン二次電池の負極に用いられるグラファイトは強い還元力を示し、電気化学反応により非水電解液が分解される。そして、非水電解液が分解した分解生成物は、電極表面でSEI(Solid Electrolyte Interface)膜を形成して、上記溶媒のさらなる還元分解を抑制する。しかし、SEI膜の生成には電荷が消費されるため、SEI膜の厚さが必要以上に厚くなると、不可逆容量が増大してリチウムイオン二次電池の初期容量を低下させてしまう。
したがって、薄く良好なSEIが形成されることで、リチウムイオン二次電池の充放電を安定して行うことができる。上記良好なSEI膜形成剤として、含不飽和結合カーボネート化合物や含フッ素カーボネート化合物が利用されている。
また、負極活物質に一酸化珪素(SiO)を用いることで、エネルギー密度を向上させたリチウムイオン二次電池は、不可逆容量が大きく初期容量が低下し易いものである。
そこで、良好なSEI膜を形成するため、非水電解液の溶媒にビニレンカーボネート等の含不飽和結合カーボネート化合物を用いると、かえって初期容量が著しく低下することが判明した。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、負極活物質に一酸化珪素(SiO)を用いたリチウムイオン二次電池の初期容量の低下を防止することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有するリチウムイオン二次電池において、電解液にビニレンカーボネートと併せてアスコルビン酸を含有させることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を備える負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を備える正極と、上記負極と上記正極との間に介在する非水電解液とを備える。
そして、上記負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有し、上記電解液が、アスコルビン酸と、ビニレンカーボネートとを含有することを特徴とする。
そして、上記負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有し、上記電解液が、アスコルビン酸と、ビニレンカーボネートとを含有することを特徴とする。
本発明によれば、負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有するリチウムイオン二次電池において、電解液にビニレンカーボネートと併せてアスコルビン酸を含有させることとしたため、エージングによる初期容量の低下が防止された放電容量の大きなリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を備える負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を備える正極と、上記負極と上記正極との間に介在する非水電解液とを備える。そして、上記負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有するものであり、上記電解液が、アスコルビン酸と、ビニレンカーボネートとを含有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を備える負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を備える正極と、上記負極と上記正極との間に介在する非水電解液とを備える。そして、上記負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有するものであり、上記電解液が、アスコルビン酸と、ビニレンカーボネートとを含有する。
<非水電解液>
非水電解液は、有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものであり、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。本発明の非水電解液は、ビニレンカーボネート、アスコルビン、有機溶媒、及びリチウム塩を含むものであり、さらに、必要に応じて添加剤を含んでもよい。
非水電解液は、有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものであり、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。本発明の非水電解液は、ビニレンカーボネート、アスコルビン、有機溶媒、及びリチウム塩を含むものであり、さらに、必要に応じて添加剤を含んでもよい。
ビニレンカーボネートは、上記のように良好なSEI膜形成剤であり、良好なSEI膜は、電解液を構成する有機溶媒等の還元分解を抑制するだけでなく、リチウムの拡散を阻害せず、リチウムイオンをスムーズに溶媒和、脱溶媒和させる機能をも有する。
つまり、ビニレンカーボネートは、負極に用いられるグラファイト等によって分解されて良好なSEI膜を形成し、有機溶媒等の他の電解液構成成分の分解を抑制する。
つまり、ビニレンカーボネートは、負極に用いられるグラファイト等によって分解されて良好なSEI膜を形成し、有機溶媒等の他の電解液構成成分の分解を抑制する。
しかし、負極活物質がSiOを含有する場合は、エージングによって初期容量が著しく低下する。この理由は明らかにされているわけではないが、例えば、40℃〜50℃の高温環境下において、負極活物質中のSiOがビニレンカーボネートを重合させる触媒として作用し、ビニレンカーボネートがグラファイトによって分解されずに重合する。すると、ビニレンカーボネートによる良好なSEI膜が形成されずに、有機溶媒等の他の電解液構成成分が還元分解されて電荷が消費されると共に、不必要な厚さを有する厚いSEI膜が形成され、リチウムの拡散が阻害されるためであると考えられる。
本発明においては、電解液中にアスコルビン酸を含有させることで、ビニレンカーボネートの重合反応が抑制されて良好なSEI膜が形成され、エージングによる初期容量の低下が防止される。
上記電解液のアスコルビン酸の含有量は、電解液中のビニレンカーボネートの含有量等にもよるが0.05質量%以上であることが好ましい。アスコルビン酸を0.05質量%以上含有することで、ビニレンカーボネートの重合反応が抑制され、良好なSEI膜が形成される。
電解液中のアスコルビン酸の含有量の上限については特に制限はないが、アスコルビン酸が電解液に溶解している必要がある。アスコルビン酸の有機溶媒に対する溶解量はおよそ1質量%である。
電解液中のアスコルビン酸の含有量の上限については特に制限はないが、アスコルビン酸が電解液に溶解している必要がある。アスコルビン酸の有機溶媒に対する溶解量はおよそ1質量%である。
なお、上記アスコルビン酸は、エージング時などの電池反応により酸化されてデヒドロアスコルビン酸となる。したがって、上記電解液中のアスコルビン酸の含有量とは、アスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸とを併せた合計量を意味する。
上記電解液のビニレンカーボネートの含有量は、0.05質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
ビニレンカーボネートの含有量が上記範囲内であることで良好なSEI膜が形成される。
ビニレンカーボネートの含有量が上記範囲内であることで良好なSEI膜が形成される。
上記有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類を挙げることできる。
上記リチウム塩としては、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiCF3SO3等の後述する負極又は正極の活物質層に添加されうるリチウム塩を挙げることができる。
本発明の非水電解液は添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、含フッ素スルホン酸エステル、含フッ素スルホラン、含フッ素スルホン等の硫黄を含有する溶媒を挙げることができる。硫黄を含有する溶媒は高電圧下でも安定して使用できる溶媒であると共に、SEI膜形成の添加剤としての機能も有する。
上記非水電解液は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に注入されていてもよい。
マトリックスポリマーに注入されることで、非水電解液の流動性が低下し、各層間のイオン伝導性を遮断することが容易になる。
また、マトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。
マトリックスポリマーに注入されることで、非水電解液の流動性が低下し、各層間のイオン伝導性を遮断することが容易になる。
また、マトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。
上記イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。
<負極電極>
負極電極は、集電体上に負極活物質層が形成されたものであり、負極活物質層はリチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質、及びバインダを含み、必要に応じて、導電助剤、リチウム塩等の添加剤を含んでなる。
負極電極は、集電体上に負極活物質層が形成されたものであり、負極活物質層はリチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質、及びバインダを含み、必要に応じて、導電助剤、リチウム塩等の添加剤を含んでなる。
(負極活物質)
上記負極活物質はリチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質であり、一酸化珪素(SiO)を含むものを使用できる。上記負極活物質は炭素・黒鉛系負極活物質を含んでもよい。SiOを含む負極活物質は、炭素・黒鉛系のみから成る負極活物質に比してエネルギー密度が向上し、高容量化が図れるため、車両用途におけるリチウムイオン二次電池として好ましく用いることができる。
上記負極活物質はリチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質であり、一酸化珪素(SiO)を含むものを使用できる。上記負極活物質は炭素・黒鉛系負極活物質を含んでもよい。SiOを含む負極活物質は、炭素・黒鉛系のみから成る負極活物質に比してエネルギー密度が向上し、高容量化が図れるため、車両用途におけるリチウムイオン二次電池として好ましく用いることができる。
上記SiOは、従来公知の方法で製造することができる。SiOの製造方法としては、例えば、(1)二酸化珪素系酸化物粉末からなる混合原料物を減圧非酸化性雰囲気中で熱処理し、SiO蒸気を発生させ、このSiO蒸気を気相中で凝縮させて、0.1μm以下の微細アモルファス状のSiO粉末を連続的に製造する方法(特開昭63−103815号公報)、
(2)原料珪素(Si)を加熱蒸発させて、表面組織を粗とした基体の表面に蒸着させる方法(特開平9−110412号公報)などが挙げられる。
(2)原料珪素(Si)を加熱蒸発させて、表面組織を粗とした基体の表面に蒸着させる方法(特開平9−110412号公報)などが挙げられる。
なお、SiO自体は不安定であるためすぐに不均化してSiとSiOとなるので、SiOとは、微結晶のSiとSiO2が混在したSiOxの状態となっている。本発明においては、SiとSiO2の混合物をSiOという。
また、SiOx粉末のxの値は蛍光X線分析により求めることができる。例えば、OKa線を用いた蛍光X線分析でのファンダメンタルパラメータ法を用いて求めることができる。
具体的には、例えば、理学電機工業(株)製RIX3000を用い、ターゲットにロジウム(Rh)を用いて、管電圧50kV、管電流50mAとすることで測定できる。ここで得られるx値は、基板上の測定領域で検出されるO−Ka線の強度から算出されるため、測定領域の平均値となる。
具体的には、例えば、理学電機工業(株)製RIX3000を用い、ターゲットにロジウム(Rh)を用いて、管電圧50kV、管電流50mAとすることで測定できる。ここで得られるx値は、基板上の測定領域で検出されるO−Ka線の強度から算出されるため、測定領域の平均値となる。
上記SiOの負極活物質中の含有量は、0.5質量%〜50質量%であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、さらに1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。SiOの含有量が0.5質量%以上であることで、放電容量を向上させることができ、50質量%以下であることでサイクル耐久性の低下を防止できる。
本発明の負極活物質は、SiO以外の負極活物質を含有してもよい。他の負極活物質としては、例えば、黒鉛(グラファイト)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素・黒鉛系負極材料、チタン酸リチウム、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、Li4Ti5O12)、金属材料、リチウム合金系の負極活物質等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
中でも黒鉛は、層状の構造を有し、Li挿入脱離によっても構造が安定しているため、サイクル耐久性を向上させることができるため、好ましく使用できる。
中でも黒鉛は、層状の構造を有し、Li挿入脱離によっても構造が安定しているため、サイクル耐久性を向上させることができるため、好ましく使用できる。
(バインダ)
上記バインダは、負極活物質を結着し、集電体上に負極活物質層を形成することができればよく、従来から負極活物質層に用いられているバインダを使用できる。
上記バインダは、負極活物質を結着し、集電体上に負極活物質層を形成することができればよく、従来から負極活物質層に用いられているバインダを使用できる。
上記バインダとしては、例えば、スチレン系高分子(スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム(またはニトリルブタジエンゴム;NBR)、アクリレート系ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル共重合体等)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、メタクリル酸メチルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどゴム系バインダ、(メタ)アクリル系高分子(ポリエチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリイソプロピルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ポリエチルヘキシルメタクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリラウリルメタクリレート等)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブタジエン、ポリエチレンオキシド、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリスチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリビニルピリジン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂;ポリビニルアルコール(平均重合度は、好適には200〜4000、より好適には、1000〜3000、ケン化度は好適には80モル%以上、より好適には90モル%以上)およびその変性体(エチレン/酢酸ビニル=2/98〜30/70モル比の共重合体の酢酸ビニル単位のうちの1〜80モル%ケン化物、ポリビニルアルコールの1〜50モル%部分アセタール化物等)、デンプンおよびその変性体(酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、カチオン化デンプン等)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの塩等)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(塩)、ポリエチレングリコール、(メタ)アクリルアミドおよび/または(メタ)アクリル酸塩の共重合体[(メタ)アクリルアミド重合体、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸塩共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル−(メタ)アクリル酸塩共重合体など]、スチレン−マレイン酸塩共重合体、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性体、ホルマリン縮合型樹脂(尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂等)、ポリアミドポリアミンもしくはジアルキルアミン−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエチレンイミン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、並びにマンナンガラクタン誘導体等の水溶性高分子などが挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して使用できる。
中でも、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)とを含有することが好ましい。SiOを含む負極活物質層は、電池反応による電極の膨張収縮が大きいものであり、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)とを組み合わせることで、サイクル耐久性を向上できるだけでなく、負極活物質層中のバインダの含有量を低減して負極活物質の含有量を高めて高密度エネルギー化を図ることができる。
上記スチレン−ブタジエンゴム(SBR)の負極活物質層中の含有量は、1〜3質量%であることが好ましく、上記カルボキシメチルセルロース(CMC)の負極活物質層中の含有量は、0.2〜2質量%であることが好ましい。
また、負極活物質層中のバインダの含有量は、1〜10質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがさらに好ましい。1質量%未満では、負極活物質を充分結着できない場合があり、10質量%を超えると負極活物質層の負極活物質含有量が減少し、エネルギー密度が低下する。
(導電助剤)
本発明の負極活物質層は、導電助剤を含有してもよい。導電助剤は、負極活物質層の導電性を向上させる添加物をいい、負極活物質層が導電助剤を含むことで負極活物質層内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
上記導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。
本発明の負極活物質層は、導電助剤を含有してもよい。導電助剤は、負極活物質層の導電性を向上させる添加物をいい、負極活物質層が導電助剤を含むことで負極活物質層内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
上記導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。
(リチウム塩)
本発明の負極活物質層は、電解質塩を含有してもよい。 電解質塩(リチウム塩)としては、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3等が挙げられる。
本発明の負極活物質層は、電解質塩を含有してもよい。 電解質塩(リチウム塩)としては、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3等が挙げられる。
上記負極活物質層の厚さは特に制限はなく、例えば、2〜100μm程度である。
(集電体)
上記集電体としては、例えば、金属、導電性高分子材料を使用することができる。上記導電性高分子材料は、導電性フィラー等により非導電性高分子材料に導電性を付与したものであってもよい。
上記集電体としては、例えば、金属、導電性高分子材料を使用することができる。上記導電性高分子材料は、導電性フィラー等により非導電性高分子材料に導電性を付与したものであってもよい。
上記金属としては、アルミニウム、銅、白金、ニッケル、タンタル、チタン、鉄、ステンレス鋼、その他合金などが挙げられる。
上記導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。
このような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
このような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、およびポリスチレン(PS)などが挙げられる。このような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性フィラーとしては、例えば、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。
上記金属としては、例えば、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、K等を挙げることができる。
上記導電性カーボンとしては、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレン等を挙げることができる。
上記金属としては、例えば、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、K等を挙げることができる。
上記導電性カーボンとしては、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレン等を挙げることができる。
<正極電極>
正極電極は、集電体上に正極活物質層が形成されたものであり、正極活物質層はリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質、及びバインダを含み、必要に応じて、導電助剤、リチウム塩等の添加剤を含んでなる。
正極電極は、集電体上に正極活物質層が形成されたものであり、正極活物質層はリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質、及びバインダを含み、必要に応じて、導電助剤、リチウム塩等の添加剤を含んでなる。
(正極活物質)
上記正極活物質はリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質である。正極活物質としては、例えば、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などを挙げることができる。これらは、2種以上を混合して用いてもよい。
上記正極活物質はリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質である。正極活物質としては、例えば、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などを挙げることができる。これらは、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、容量、出力特性の観点から、Li(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたリチウム−遷移金属複合酸化物(以下、「NMC複合酸化物」ということがある)であることが好ましい。
上記NMC複合酸化物は、リチウム原子層と、Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置された遷移金属原子層とが、酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
(バインダ)
正極活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されず、上記負極と同様なものを使用できる。
正極活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されず、上記負極と同様なものを使用できる。
正極活物質層中に含まれるバインダ量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは正極活物質層に対して、0.5〜15質量%であり、好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは2〜6質量%の範囲である。
(添加剤)
バインダ以外のリチウム塩や導電助剤等の添加剤については、上記負極活物質層と同様のものを用いることができる。
バインダ以外のリチウム塩や導電助剤等の添加剤については、上記負極活物質層と同様のものを用いることができる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、実際に充放電反応が進行する上記負極電極、非水電解液、及び正極電極を備える発電要素が、電池外装体の内部に封止された構造を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、実際に充放電反応が進行する上記負極電極、非水電解液、及び正極電極を備える発電要素が、電池外装体の内部に封止された構造を有する。
以下、非双極型の積層型リチウムイオン二次電池を例に説明するが、本発明は、双極型の積層型リチウムイオン二次電池や、捲回型のリチウムイオン二次電池にも適用できる。
図1は、積層型リチウムイオン二次電池の基本構成を模式的に表した断面概略図である。
図1は、積層型リチウムイオン二次電池の基本構成を模式的に表した断面概略図である。
図1に示すように、積層型リチウムイオン二次電池1は、正極電極12と、セパレータ11と、負極電極13とを順に積層した単電池を複数積層した構成の発電要素10を備えている。
なお、上記セパレータ11は、正極電極12と負極電極13との接触を防止するものであり、非水電解液14を保持している。
なお、上記セパレータ11は、正極電極12と負極電極13との接触を防止するものであり、非水電解液14を保持している。
上記正極電極12は、正極集電体121の両面に正極活物質層122が配置された構造を有し、上記負極電極13も、正極電極12と同様に、負極集電体131の両面に負極活物質層132が配置された構造を有する。
具体的には、正極活物質層122と、これに隣接する負極活物質層132とが、セパレータ11を介して対向するようにして、負極電極13、セパレータ11および正極電極12がこの順に積層されて、正極電極12、セパレータ11、及び負極電極13が、1つの単電池層を構成する。
したがって、図1示すリチウムイオン二次電池1は、単電池層が複数積層されることで、電気的に並列接続された構成を有している。
したがって、図1示すリチウムイオン二次電池1は、単電池層が複数積層されることで、電気的に並列接続された構成を有している。
上記正極集電体121及び負極集電体131は、正極電極と導通される正極タブ123、及び負極電極と導通される負極タブ133がそれぞれ取り付けられ、電池外装体20の端部に挟まれるようにして電池外装体20の外部に導出される構造を有している。
(セパレータ)
上記セパレータ11としては、例えば、非水電解液を吸収し保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を使用することができる。
上記セパレータ11としては、例えば、非水電解液を吸収し保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を使用することができる。
上記ポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;これらを複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体など)、ポリイミド、アラミド、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素系樹脂、ガラス繊維などからなる微多孔質(微多孔膜)セパレータが挙げられる。
上記不織布セパレータとしては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミド等、従来公知のものを、単独または混合して用いることができる。
上記セパレータの厚みとしては、使用用途等にもよるが、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、4〜60μmであることが望ましく、単層構成でも多層構成であってもよい。
(電池外装体)
上記電池外装体20は、その内部に発電要素10を封入する部材であり、発電要素を覆うことができる袋状のケースであり、ラミネートフィルムが用いられる。
上記電池外装体20は、その内部に発電要素10を封入する部材であり、発電要素を覆うことができる袋状のケースであり、ラミネートフィルムが用いられる。
上記ラミネートフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができる。
上記ラミネートフィルムにより、エネルギー密度を高くすることができる。
上記ラミネートフィルムにより、エネルギー密度を高くすることができる。
<組電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、複数個接続して組電池とすることができる。リチウムイオン二次電池を直列及び/又は並列に接続することで容量および電圧を自由に調節することができ、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源として使用できる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、複数個接続して組電池とすることができる。リチウムイオン二次電池を直列及び/又は並列に接続することで容量および電圧を自由に調節することができ、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源として使用できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
<正極活物質の作製>
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、および硫酸マンガンを溶解した水溶液(1mol/L)に、60℃にて水酸化ナトリウムおよびアンモニアを連続的に供給してpHを11.3に調整し、共沈法によりニッケルとマンガンとコバルトとが50:30:20のモル比で固溶して成る金属複合水酸化物を作製した。
<正極活物質の作製>
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、および硫酸マンガンを溶解した水溶液(1mol/L)に、60℃にて水酸化ナトリウムおよびアンモニアを連続的に供給してpHを11.3に調整し、共沈法によりニッケルとマンガンとコバルトとが50:30:20のモル比で固溶して成る金属複合水酸化物を作製した。
上記金属複合水酸化物に含まれる金属(ニッケル、コバルト、マンガン)の合計モル数と、リチウムのモル数の比が1:1となるように、上記金属複合水酸化物と炭酸リチウムとを秤量して充分混合した。昇温速度5℃/minで900℃まで昇温し、空気雰囲気中で2時間仮焼成した後、昇温速度3℃/minで920℃まで昇温し、10時間焼成した後、室温まで冷却して正極活物質(LiNi0.50Mn0.30Co0.20O2)を得た。
<正極の作製>
上記正極活物質94質量%、導電助剤(ケッチェンブラック、平均粒径:300nm)3質量%、バインダ(ポリフッ化ビニリデン(PVDF))3質量%、及び粘度調整溶媒(N−メチル−2ピロリドン(NMP))を適量混合して正極活物質スラリーを調節した。
この正極活物質スラリーを集電体(アルミニウム箔、厚さ20μm)に塗布し、120℃で3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形し、正極活物質層の片面塗工量が20mg/cm2の正極を作製した。
上記正極活物質94質量%、導電助剤(ケッチェンブラック、平均粒径:300nm)3質量%、バインダ(ポリフッ化ビニリデン(PVDF))3質量%、及び粘度調整溶媒(N−メチル−2ピロリドン(NMP))を適量混合して正極活物質スラリーを調節した。
この正極活物質スラリーを集電体(アルミニウム箔、厚さ20μm)に塗布し、120℃で3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形し、正極活物質層の片面塗工量が20mg/cm2の正極を作製した。
<負極1の作製>
負極活物質(天然黒鉛:平均粒径20μm)94質量%と、導電助剤(ケッチェンブラック、平均粒径:300nm)3質量%、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)2質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%とを、水に添加して混合して[負極活物質スラリー1]を作製した。
上記[負極活物質スラリー1]を、集電体(銅箔、厚さ10μm)に塗布し充分乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形して、負極活物質層の片面塗工量が8mg/cm2の[負極1]を作製した。
負極活物質(天然黒鉛:平均粒径20μm)94質量%と、導電助剤(ケッチェンブラック、平均粒径:300nm)3質量%、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)2質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%とを、水に添加して混合して[負極活物質スラリー1]を作製した。
上記[負極活物質スラリー1]を、集電体(銅箔、厚さ10μm)に塗布し充分乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形して、負極活物質層の片面塗工量が8mg/cm2の[負極1]を作製した。
<電解液1の作製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)とが3:7(体積比)の混合溶媒にLiPF6を溶解し、LiPF6が1.0Mの[電解液1]を作製した。
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)とが3:7(体積比)の混合溶媒にLiPF6を溶解し、LiPF6が1.0Mの[電解液1]を作製した。
<リチウムイオン二次電池1の作製>
上記正極と[負極1]とを対向させ、この間に、セパレータ(ポリプロピレン(PP))を配置し、正極・セパレータ・負極の積層体を作製した。この積層体をアルミラミネート製セル入れ、上記[電解液1]をセル内に注入して密閉し、[リチウムイオン二次電池1]を得た。
上記正極と[負極1]とを対向させ、この間に、セパレータ(ポリプロピレン(PP))を配置し、正極・セパレータ・負極の積層体を作製した。この積層体をアルミラミネート製セル入れ、上記[電解液1]をセル内に注入して密閉し、[リチウムイオン二次電池1]を得た。
[参考例2]
<電解液2の作製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)とが3:7(体積比)の混合溶媒に、2質量%ビニレンカーボネートを加え、LiPF6を溶解してLiPF6が1.0Mの[電解液2]を作製した。
<電解液2の作製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)とが3:7(体積比)の混合溶媒に、2質量%ビニレンカーボネートを加え、LiPF6を溶解してLiPF6が1.0Mの[電解液2]を作製した。
<リチウムイオン二次電池2の作製>
[電解液1]に代えて[電解液2]を用いる他は参考例1と同様にして[リチウムイオン二次電池2]を得た。
[電解液1]に代えて[電解液2]を用いる他は参考例1と同様にして[リチウムイオン二次電池2]を得た。
[参考例3]
<負極電極2の作製>
ケイ素(Si)粉末と一酸化珪素(SiO2)粉末とを1:1の割合で配合し、混合、造粒および乾燥した混合造粒原料を、不活性ガス雰囲気で830℃以上に加熱してSiOを生成(昇華)させた。昇華により発生した気体状のSiOを析出基体上に蒸着させ、SiO析出物を析出させた。その後、析出基体からSiO析出物を取り外し、ボールミルを使用して粉砕することによりSiO粉末を得た。
上記SiO粉末2質量%と、天然黒鉛(平均粒径20μm)94.5質量%と、導電助剤(ケッチェンブラック、平均粒径:300nm)0.5質量%、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)2質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%とを、水に添加して混合して[負極活物質スラリー2]を作製した。
上記[負極活物質スラリー2]を、集電体(銅箔、厚さ10μm)に塗布し充分乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形して、負極活物質層の片面塗工量が7.5mg/cm2の[負極2]を作製した。
<負極電極2の作製>
ケイ素(Si)粉末と一酸化珪素(SiO2)粉末とを1:1の割合で配合し、混合、造粒および乾燥した混合造粒原料を、不活性ガス雰囲気で830℃以上に加熱してSiOを生成(昇華)させた。昇華により発生した気体状のSiOを析出基体上に蒸着させ、SiO析出物を析出させた。その後、析出基体からSiO析出物を取り外し、ボールミルを使用して粉砕することによりSiO粉末を得た。
上記SiO粉末2質量%と、天然黒鉛(平均粒径20μm)94.5質量%と、導電助剤(ケッチェンブラック、平均粒径:300nm)0.5質量%、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)2質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%とを、水に添加して混合して[負極活物質スラリー2]を作製した。
上記[負極活物質スラリー2]を、集電体(銅箔、厚さ10μm)に塗布し充分乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形して、負極活物質層の片面塗工量が7.5mg/cm2の[負極2]を作製した。
<リチウムイオン二次電池3の作製>
[負極1]に代えて[負極2]を用いる他は参考例1と同様にして[リチウムイオン二次電池3]を得た。
[負極1]に代えて[負極2]を用いる他は参考例1と同様にして[リチウムイオン二次電池3]を得た。
[比較例1]
<リチウムイオン二次電池4の作製>
[負極1]に代えて[負極2]を用いる他は参考例2と同様にして[リチウムイオン二次電池4]を得た。
<リチウムイオン二次電池4の作製>
[負極1]に代えて[負極2]を用いる他は参考例2と同様にして[リチウムイオン二次電池4]を得た。
[実施例1]
<電解液3の作製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)とが3:7(体積比)の混合溶媒に、2質量%のビニレンカーボネート、1質量%のアスコルビン酸粉末、及びLiPF6が1.0MになるようにLiPF6を加えて30分間撹拌した後、1時間静置して溶解しないアスコルビン酸を沈降させて上澄み液を採取し、LiPF6が1.0Mの[電解液3]を作製した。
その後、沈降した
アスコビック酸を濾過し重量を測定したところ、[電解液3]中のアスコルビン酸の含有量は0.05質量%であった。
<リチウムイオン二次電池5の作製>
[電解液2]に代えて[電解液3]を用いる他は比較例1と同様にして[リチウムイオン二次電池5]を得た。
<電解液3の作製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)とが3:7(体積比)の混合溶媒に、2質量%のビニレンカーボネート、1質量%のアスコルビン酸粉末、及びLiPF6が1.0MになるようにLiPF6を加えて30分間撹拌した後、1時間静置して溶解しないアスコルビン酸を沈降させて上澄み液を採取し、LiPF6が1.0Mの[電解液3]を作製した。
その後、沈降した
アスコビック酸を濾過し重量を測定したところ、[電解液3]中のアスコルビン酸の含有量は0.05質量%であった。
<リチウムイオン二次電池5の作製>
[電解液2]に代えて[電解液3]を用いる他は比較例1と同様にして[リチウムイオン二次電池5]を得た。
[参考例4]
<リチウムイオン二次電池6の作製>
[負極2]に代えて[負極1]を用いる他は実施例1と同様にして[リチウムイオン二次電池6]を得た。
<リチウムイオン二次電池6の作製>
[負極2]に代えて[負極1]を用いる他は実施例1と同様にして[リチウムイオン二次電池6]を得た。
<評価>
[リチウムイオン二次電池1〜6]に、(1)0.25mAの電流を1 時間流し、25℃で予備充電を行った。その後、(2)0.5mAで4.15Vまで定電流・定電圧モードで初期充電し、(3)0.5mA相当にて2.5Vまで定電流モードで初期放電した。
その後、(4)電流値を1mAまで上げて満充電(負極活物質層へのLi挿入過程)して(5)45℃で5日間保持し、エージングを行った後、(6)放電させた。
充放電試験機(北斗電工株式会社製:HJ0501SM8A)を用いて下記式(1)、式(2)により、電池特性を評価した。評価結果を表1に示す。
[リチウムイオン二次電池1〜6]に、(1)0.25mAの電流を1 時間流し、25℃で予備充電を行った。その後、(2)0.5mAで4.15Vまで定電流・定電圧モードで初期充電し、(3)0.5mA相当にて2.5Vまで定電流モードで初期放電した。
その後、(4)電流値を1mAまで上げて満充電(負極活物質層へのLi挿入過程)して(5)45℃で5日間保持し、エージングを行った後、(6)放電させた。
充放電試験機(北斗電工株式会社製:HJ0501SM8A)を用いて下記式(1)、式(2)により、電池特性を評価した。評価結果を表1に示す。
参考例1と参考例2の比較から、負極活物質が黒鉛のみである場合は、電解液がビニレンカーボネートを含有することで、エージング後の効率が若干向上し、ビニレンカーボネートにより良好なSEI膜が形成されたことがわかる。
また、負極活物質が一酸化珪素を含む参考例3は、負極活物質が黒鉛である参考例1に比較して若干の効率低下がみられた。
また、負極活物質が一酸化珪素を含む参考例3は、負極活物質が黒鉛である参考例1に比較して若干の効率低下がみられた。
比較例1は電解液の溶媒にビニレンカーボネートを含んでも、参考例3のエージング後の効率80.5%に対してエージング後の効率が74.5%と大きく低下しており、負極活物質が一酸化珪素を含む場合は、ビニレンカーボネートによっては、良好なSEI膜が形成されていないことがわかる。
上記のように、参考例1と参考例2との比較、及び、参考例3と比較例1との比較から、電解液の溶媒がビニレンカーボネートを含有することで、エージングにより効率が低下することは、負極活物質が一酸化珪素(SiO)を含有する場合特有の問題であることがわかる。
上記のように、参考例1と参考例2との比較、及び、参考例3と比較例1との比較から、電解液の溶媒がビニレンカーボネートを含有することで、エージングにより効率が低下することは、負極活物質が一酸化珪素(SiO)を含有する場合特有の問題であることがわかる。
実施例1は、電解液にアスコルビン酸を加えることで、比較例1のエージング後の効率74.5%に対して79.5%と大きく向上しており、アスコルビン酸の効果が確認された。
なお、負極活物質が黒鉛である参考例4は、電解液にアスコルビン酸を加えても、参考例2のエージング後の効率がほぼ同じであり、負極活物質が黒鉛である場合はアスコルビン酸を含有することによる効果は確認されなかった。
1 積層型リチウムイオン二次電池
10 発電要素
11 セパレータ
12 正極電極
121 正極集電体
122 正極活物質層
123 正極タブ
13 負極電極
131 負極集電体
132 負極活物質層
133 負極タブ
14 非水電解液
20 電池外装体
10 発電要素
11 セパレータ
12 正極電極
121 正極集電体
122 正極活物質層
123 正極タブ
13 負極電極
131 負極集電体
132 負極活物質層
133 負極タブ
14 非水電解液
20 電池外装体
Claims (4)
- リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を備える負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を備える正極と、上記負極と上記正極との間に介在する非水電解液とを備えるリチウムイオン二次電池であって、
上記負極活物質が、一酸化珪素(SiO)を含有するものであり、
上記電解液が、アスコルビン酸と、ビニレンカーボネートとを含有するものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 上記電解液が、アスコルビン酸を0.05質量%以上含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 上記電解液が、ビニレンカーボネートを0.05質量%〜10質量%含有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
- 上記負極活物質が、一酸化珪素(SiO)と炭素材料とを含有するものであり、上記一酸化珪素(SiO)の含有量が、0.5質量%〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のリチウムイオン二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015195657A JP2017069118A (ja) | 2015-10-01 | 2015-10-01 | リチウムイオン二次電池 |
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JP (1) | JP2017069118A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021238953A1 (zh) * | 2020-05-27 | 2021-12-02 | 北京卫蓝新能源科技有限公司 | 一种兼具高安全、高容量的锂电池用正极极片及其制备方法和用途 |
-
2015
- 2015-10-01 JP JP2015195657A patent/JP2017069118A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021238953A1 (zh) * | 2020-05-27 | 2021-12-02 | 北京卫蓝新能源科技有限公司 | 一种兼具高安全、高容量的锂电池用正极极片及其制备方法和用途 |
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