JP2016075669A - 位置推定システム、位置推定方法、プログラム - Google Patents

位置推定システム、位置推定方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】所定の空間内に存在する端末装置の位置を正確に推定することの可能な位置推定システム、位置推定方法、プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の位置推定システムは、所定の空間内に設けられた複数の通信装置から発信された電波を端末装置が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する取得手段41と、第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、第1タイミングにおける端末装置の位置を始点とする変位ベクトルを複数の通信装置毎に生成する生成手段42と、複数の通信装置毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、端末装置の移動方向を推定する方向推定手段43と、推定された移動方向に基づいて、第2タイミングにおける端末装置の位置を推定する位置推定手段44と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、所定の空間内に存在する端末装置の位置を推定する位置推定システム、位置推定方法、プログラムに関する。
近年、インターネットの様々な機能を活用して、ネット上(オンライン)から実店舗(オフライン)に誘客して物品を販売するO2O(Online to Offline)市場が拡大している。O2O市場では、例えば実店舗内の位置情報と連動したサービスが急速に広まっており、位置測定技術への関心が高まっている。
多くの位置情報サービスでは、位置測定技術としてGPS(Global Positioning System)が利用されている。しかしながら、屋内環境ではGPS電波を受信し難いため、例えば実店舗内等の屋内の位置情報サービスにおいてGPSを好適に利用することが困難であった。そこで、ユーザが所持している端末装置に設けられたセンサを用いて、屋内での当該ユーザの位置測定を行う歩行者自立航法(PDR:Pedestrian Dead Reckoning)技術が提案されている。
このようなPDR技術としては、例えば、加速度センサと、地磁気センサ等の方向センサとを備える端末装置を用いて、ユーザがどの位の速度でどの方向に移動しているのかを推定することにより、当該端末装置の位置(すなわち、ユーザの位置)を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−097722号公報
ところで、方向センサを用いて端末装置の移動方向を推定する場合には、端末装置の所持態様(例えば、ユーザが歩行しながら端末装置を操作している、ユーザが端末装置を持った手を振りながら歩行している、又は、ユーザが端末装置をバッグ等に入れた状態で歩行している等)によっては、端末装置の移動方向(すなわち、ユーザの移動方向)と端末装置の向く方向とが必ずしも一致しないことから、端末装置の移動方向を正確に推定することができない場合がある。
このように、方向センサを用いた場合には、端末装置の移動方向を正確に推定することができない場合があるので、結果として、例えば屋内等の空間内に存在する端末装置の位置(すなわち、ユーザの位置)を正確に推定することが困難になるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、所定の空間内に存在する端末装置の位置を正確に推定することの可能な位置推定システム、位置推定方法、プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、所定の空間内に存在する端末装置の位置を推定する位置推定システムであって、前記空間内に設けられた複数の通信装置から発信された電波を前記端末装置が受信したときの受信信号強度に関する情報、又は、前記端末装置から発信された電波を前記複数の通信装置が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する取得手段と、第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、前記第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記第1タイミングにおける前記端末装置の位置を始点とする変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成する生成手段と、前記複数の通信装置毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向を推定する方向推定手段と、推定された移動方向に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定する位置推定手段と、を備える位置推定システムを提供する(発明1)。
ここで、受信信号強度に関する情報とは、例えば、受信信号強度の値(RSSI値)であってもよいし、RSSI値を所定の計算式に代入することによって得られた値であってもよいし、受信信号強度の度合いを表す情報であってもよい。
かかる発明(発明1)によれば、端末装置又は複数の通信装置が受信した電波の受信信号強度に関する情報に基づいて、複数の通信装置の各々に対応する変位ベクトルを生成し、これらの変位ベクトルに基づき生成された合成ベクトルに基づいて端末装置の移動方向を推定しているので、端末装置又は複数の通信装置が受信した電波の受信信号強度に基づいて端末装置の移動方向を推定することが可能となる。ここで、受信信号強度を用いて端末装置の移動方向を推定する場合には、例えば端末装置の移動方向と端末装置の向く方向とが一致しているか否かにかかわらず、同等の受信信号強度が得られると考えられるので、例えばジャイロセンサや地磁気センサ等の方向センサを用いて端末装置の移動方向を推定する場合と比較して、端末装置の所持態様による影響を抑制することができる。このため、端末装置の移動方向を正確に推定することができる。また、かかる発明(発明1)では、このように推定された移動方向に基づいて端末装置の位置を推定しているので、所定の空間内に存在する端末装置の位置(すなわち、ユーザの位置)を正確に推定することができる。
上記発明(発明1)においては、前記変位ベクトルは、前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの、前記複数の通信装置のうち何れかの通信装置と前記端末装置との距離の変位を表し、前記方向推定手段は、前記合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動距離を推定し、前記位置推定手段は、推定された移動方向及び移動距離に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定することが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、複数の通信装置の各々と端末装置との距離の第1タイミングから第2タイミングまでの変位を表す変位ベクトルを合成して得られる合成ベクトルによって、端末装置の移動方向だけでなく、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置の移動距離も表すことが可能になるので、この合成ベクトルの終点を第2タイミングにおける端末装置の位置と推定することができる。これにより、端末装置の位置を、例えば加速度センサ等の移動距離計測用の装置を用いることなく推定することができるので、端末装置の位置推定を容易に行うことができるとともに、位置推定システムの製造コストを抑えることができる。
上記発明(発明2)においては、受信信号強度に関する情報を取得すると、受信信号強度と、受信信号強度の所定の基準値との差に基づいて、受信信号強度を補正する補正手段を備え、前記生成手段は、第1タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報と、前記第2タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成することが好ましい(発明3)。
端末装置と通信装置との距離と、受信信号強度との関係は、端末装置又は通信装置の種類毎及び/又は個体毎に異なり得るし、端末装置又は通信装置の周囲の環境によって異なり得る。例えば、第1の端末装置と通信装置との距離と、受信信号強度との関係を用いて、第1の端末装置と異なる第2の端末装置の位置を推定する場合には、第2の端末装置が第1の端末装置と同じ位置に存在したとしても、上記関係に基づいてもとめられた第2の端末装置と通信装置との距離が、第1の端末装置と通信装置との距離と異なる場合がある。この場合、第2の端末装置が第1の端末装置と異なる位置に存在すると推定され得ることから、端末装置の位置を正確に推定することができない虞がある。
かかる発明(発明3)によれば、受信信号強度に関する情報を取得すると、受信信号強度と、受信信号強度の所定の基準値との差に基づいて、受信信号強度を補正しているので、例えば、異なる端末装置又は通信装置を用いた場合や端末装置又は通信装置の周囲の環境が異なる場合であっても、距離と受信信号強度との所定の関係に適合するように受信信号強度を補正することによって、端末装置又は通信装置の種類や環境等の違いに基づく距離と受信信号との関係の差異を低減することができ、ひいては、端末装置の位置を正確に推定することができる。したがって、端末装置又は通信装置の種類及び/又は個体の違いや、端末装置又は通信装置の周囲の環境の違いに拘わらずに、端末装置の位置を正確に推定することができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記位置推定手段は、前記複数の通信装置のうち少なくとも1つの通信装置に対応する受信信号強度が前記第2タイミングにおいて所定の閾値以上となる場合に、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を所定の位置に推定することが好ましい(発明4)。
例えば、端末装置の位置を推定する毎に端末装置の正確な位置と推定位置との間に誤差が生じる場合には、端末装置の位置を繰り返して推定する毎に誤差が累積した状態で端末装置の位置が推定されることから、端末装置の位置を正確に推定することが困難になるおそれがある。ところで、端末装置と通信装置との間で送受信される電波の受信信号強度は、これらの距離が短くなるほど高くなり、これらの距離が長くなるほど小さくなるので、受信信号強度に応じて、端末装置と通信装置との距離を推定することが可能となる。
かかる発明(発明4)によれば、例えば、第2タイミングにおける受信信号強度が所定の閾値以上の場合には、第2タイミングにおける端末装置の位置を所定の位置(例えば、閾値以上の受信信号強度に対応する通信装置の位置)に推定しているので、端末装置と通信装置との距離と、受信信号強度との関係に基づいて、端末装置の位置を正確に推定することができる。これにより、例えば、端末装置の正確な位置と推定位置との間に誤差が生じた場合であっても、この誤差が累積した状態で端末装置の位置が新たに推定されるのを抑制することができる。
上記発明(発明1〜4)においては、前記生成手段は、前記複数の通信装置の各々に対応する受信信号強度の前記第1タイミング以前の第1期間内の平均値と、前記複数の通信装置の各々に対応する受信信号強度の前記第2タイミング以前の第2期間内の平均値とに基づいて、前記変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成することが好ましい(発明5)。
例えば第1タイミング及び第2タイミングの少なくとも一方で取得した受信信号強度が異常値の場合には、当該受信信号強度がそのまま移動方向の推定に用いられることによって移動方向の推定精度が劣化し、ひいては端末装置の位置の推定精度が劣化するおそれがある。かかる発明(発明5)によれば、複数の通信装置の各々に対応する受信信号強度の平均値に基づいて端末装置の位置を推定することができるので、例えば受信信号強度の異常値が第1期間及び第2期間の少なくとも一方に含まれる場合であっても、各期間において受信信号強度を平均化することによって、当該異常値による影響を低減することができる。これにより、受信信号強度の異常値に基づく移動方向の推定精度の劣化を抑制し、ひいては端末装置20の位置の推定精度の劣化を抑制することができる。
上記発明(発明1〜5)においては、前記通信装置は、前記空間内に3つ以上設けられていることが好ましい(発明6)。
かかる発明(発明6)によれば、第1タイミングにおける端末装置の位置を始点とする3つ以上の変位ベクトルの各々を、同一の平面に沿った何れかの方向を向くように生成することができるので、各変位ベクトルの合成ベクトルも、当該平面に沿った何れかの方向を向くように生成することができる。これにより、端末装置の移動方向を二次元的に推定することができる。
第二に本発明は、所定の空間内に存在する端末装置の位置をコンピュータに推定させる位置推定方法であって、前記コンピュータは、前記空間内に設けられた複数の通信装置から発信された電波を前記端末装置が受信したときの受信信号強度に関する情報、又は、前記端末装置から発信された電波を前記複数の通信装置が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得するステップと、第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、前記第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記第1タイミングにおける前記端末装置の位置を始点とする変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成するステップと、前記複数の通信装置毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向を推定するステップと、推定された移動方向に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定するステップと、の各ステップを実行する位置推定方法を提供する(発明7)。
第三に本発明は、所定の空間内に存在する端末装置の位置をコンピュータに推定させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記空間内に設けられた複数の通信装置から発信された電波を前記端末装置が受信したときの受信信号強度に関する情報、又は、前記端末装置から発信された電波を前記複数の通信装置が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する機能、第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、前記第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記第1タイミングにおける前記端末装置の位置を始点とする変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成する機能、前記複数の通信装置毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向を推定する機能、及び推定された移動方向に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定する機能、を実現させるためのプログラムを提供する(発明8)。
本発明の位置推定システム、位置推定方法、プログラムによれば、所定の空間内に存在する端末装置の位置を正確に推定することができる。このため、例えば実店舗内等の屋内での位置情報サービスに好適に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る位置推定システムの基本構成を概略的に示す図である。 端末装置の構成を示すブロック図である。 位置推定システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。 空間内での端末装置の移動方向の一例を示す図である。 変位データの構成例を示す図である。 複数の通信装置の各々に対応する変位ベクトルの一例を示す図である。 合成ベクトルの一例を示す図である。 端末装置の推定位置の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る位置推定システムの主要な処理の一例を示すフローチャートである。 変形例における変位データの構成例を示す図である。 変形例に係る位置推定システムにおける端末装置の移動方向の一例を示す図である。 通信装置と端末装置の間の距離と、受信信号強度との関係を示す図である。 変形例における変位データの構成例を示す図である。 変形例に係る位置推定システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。 受信信号強度の補正値を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)位置推定システムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係る位置推定システムの基本構成を概略的に示す図である。図1に示すように、この位置推定システムでは、例えば実店舗内の所定の空間Sに設けられた複数(図1では3つ)の通信装置10から発信された電波を端末装置20が受信したときの受信信号強度(RSSI)に基づいて、端末装置20が自らの移動方向を推定し、推定した移動方向に基づいて自らの位置を推定するようになっている。
各通信装置10は、空間Sにおいて、Bluetooth(登録商標)を用いて端末装置20と無線通信を行うことが可能な位置に設けられており、無線通信用の電波を送信するように構成されている。なお、図1の例では、各通信装置10が同じ高さの位置に設けられている場合を一例として示しているが、各通信装置10は、異なる高さの位置に設けられてもよい。また、ここでは、Bluetooth(登録商標)を用いて無線通信を行う場合を一例として説明しているが、この場合に限られない。例えば、無線LAN(例えばWi−Fi(登録商標))、ZigBee(登録商標)、UWB、光無線通信(例えば赤外線)などの無線通信方式が用いられてもよい。さらに、各通信装置10は、端末装置20からデータを直接受信するために、端末装置20から発信された電波を受信するように構成されてもよい。また、各通信装置10は、電波到達範囲内にそれぞれ存在する端末装置20と他の端末装置(図示省略)との間の無線通信を中継してもよいし、端末装置20と、通信装置10に対して有線又は無線で接続された他の通信装置(例えば、端末装置20の空間S内の位置に基づくサービスを提供するためのサービス提供用サーバなど)との間の通信を中継してもよい。
端末装置20は、空間S内に存在する場合に、各通信装置10との間で無線通信を行うことが可能になっており、各通信装置10から発信された電波を受信したときの受信信号強度を測定することが可能に構成されている。端末装置20は、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)などのように、個々のユーザによって操作される通信端末であってよい。
(2)端末装置の構成
図2を参照して端末装置20について説明する。図2は、端末装置20の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置20は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、不揮発性メモリ24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、加速度センサ28と、通信インタフェース部29とを備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス20aが設けられている。
CPU21は、電源が端末装置20に投入されると、ROM22又は不揮発性メモリ24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。本実施形態では、CPU21は、ROM22又は不揮発性メモリ24に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する取得手段41、生成手段42、方向推定手段43及び位置推定手段44(図3に示す)の機能を実現する。CPU21は、各通信装置10から送信された信号を、通信インタフェース部29を介して受信し、その信号を解釈する。また、CPU21は、ROM22、RAM23又は不揮発性メモリ24に記憶されているデータを、通信インタフェース部29を介して各通信装置10に送信してもよい。
不揮発性メモリ24は、例えばフラッシュメモリなどであって、CPU21が実行するプログラムやCPU21が参照するデータを格納する。また、不揮発性メモリ24には、後述する変位データ(図5に示す)が記憶されていてもよい。
表示処理部25は、CPU21から与えられる表示用データを、表示部26に表示する。表示部26は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。
端末装置20が釦入力方式の通信端末である場合には、入力部27は、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示釦及び決定釦などの複数の指示入力釦を含む釦群と、テンキーなどの複数の指示入力釦を含む釦群とを備え、各釦の押下(操作)入力を認識してCPU21へ出力するためのインタフェース回路を含む。
端末装置20がタッチパネル入力方式の通信端末である場合には、入力部27は、主として表示画面に指先又はペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。タッチパネル入力方式は、静電容量方式などの公知の方式でよい。
加速度センサ28は、例えば3軸加速度センサであり、端末装置20の3軸方向の加速度に応じて所定の検出信号を一定周期で出力するセンサである。加速度センサ28は、例えば、端末装置20の加速度が増加している場合には正の信号を出力し、減速度が発生している場合には負の信号を出力する。
通信インタフェース部29は、上述した無線通信方式を用いて通信を行うためのインタフェース回路と、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路とを含む。無線通信方式を用いて通信を行うためのインタフェース回路には、各通信装置10から発信された電波を受信したときの受信信号強度の値(RSSI値)を検出するRSSI回路が設けられている。ここで、CPU21は、検出されたRSSI値を、例えば電波を発信した通信装置10の識別情報などと対応付けて、RAM23又は不揮発性メモリ24に記憶する。ここで、通信装置10の識別情報は、例えば、端末装置20が通信装置10から電波を受信した場合に、当該通信装置10から取得可能であってもよい。
(3)位置推定システムにおける各機能の概要
本実施形態の位置推定システムで実現される機能について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態の位置推定システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図3の機能ブロック図では、取得手段41、生成手段42、方向推定手段43及び位置推定手段44が本発明の主要な構成に対応している。
なお、本実施形態の位置推定システムにおける各機能を説明するにあたって、各通信装置10は、電波を常時又は所定間隔(例えば数十〜数百ミリ秒間隔)で発信しているものと想定する。また、端末装置20は、図4に示すように、重力方向に対して垂直な水平方向に延びる空間S内の平面をxy平面とした場合に、xy平面上に存在しており、xy平面上に存在している間、各通信装置10から発信された電波を逐次的に受信しているものと想定する。
ここで、通信装置10は、空間S内に3つ以上設けられていることが好ましい。この場合、後述するように、第1タイミングにおける端末装置20の位置を始点とする変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4(図6に示す)の各々を、xy平面に沿った何れかの方向を向くように生成することができるので、各変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4の合成ベクトルRV(図7に示す)も、xy平面に沿った何れかの方向を向くように生成することができる。これにより、端末装置20の移動方向を二次元的に推定することができる。
なお、以下の説明では、空間S内(xy平面のx軸方向及びy軸方向の四隅)に4つの通信装置10が設けられている場合を一例として説明する。また、4つの通信装置10の各々を、通信装置A、通信装置B、通信装置C、通信装置Dと適宜表記する。
取得手段41は、空間S内に設けられた複数の通信装置10から発信された電波を端末装置20が受信したときの受信信号強度に関する情報、又は、端末装置20から発信された電波を複数の通信装置10が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する機能を備える。なお、ここでは、取得手段41が、複数の通信装置10から発信された電波を端末装置20が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する場合を一例として説明する。
また、受信信号強度に関する情報とは、例えば、受信信号強度の値(RSSI値)であってもよいし、RSSI値を所定の計算式に代入することによって得られた値であってもよいし、受信信号強度の度合いを表す情報であってもよい。
取得手段41の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、各通信装置10から発信された電波を受信する毎に、通信インタフェース部29で検出されたRSSI値と、当該電波を発信した通信装置10の識別情報とを対応付けて、例えばRAM23に記憶する。
生成手段42は、第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、第1タイミングにおける端末装置20の位置を始点とする変位ベクトルを複数の通信装置10毎に生成する機能を備える。
生成手段42の機能は、例えば以下のように実現される。なお、ここでは、端末装置20が、第1タイミングにおいて、空間S内のxy平面上の位置P(図6に示す)に存在していた場合を一例として説明する。端末装置20のCPU21は、取得手段41の機能に基づいて、第1タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値をRAM23に記憶すると、RAM23に記憶されたRSSI値を例えば図5に示す変位データに記憶する。変位データは、第1タイミングのRSSI値と、第1タイミング後の第2タイミングのRSSI値と、第1タイミングと第2タイミングとの間のRSSI値の変位とが、複数の通信装置A,B,C,D毎に記述されているデータである。変位データは、例えば端末装置20の不揮発性メモリ24に記憶されている。
次に、端末装置20のCPU21は、取得手段41の機能に基づいて、第1タイミング後(例えば第1タイミングの1秒後)の第2タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を取得してRAM23に記憶すると、RAM23に記憶されたRSSI値を、第2タイミングにおける複数の通信装置A,B,C,D毎の受信信号強度として、変位データに記憶する。そして、CPU21は、第1タイミングと第2タイミングとの間のRSSI値の変位を複数の通信装置A,B,C,D毎に算出し、算出した変位値を変位データに記憶する。
そして、端末装置20のCPU21は、xy平面において、第1タイミングにおける端末装置20の位置Pを始点とする変位ベクトルを複数の通信装置A,B,C,D毎に生成する。具体的に説明すると、先ず、CPU21は、変位データにアクセスして、各通信装置A,B,C,Dの変位値を抽出する。次に、CPU21は、例えば図6に示すように、xy平面において、位置Pを始点とする変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4を、通信装置A,B,C,Dの各々と位置Pとを結ぶ直線上に生成する。ここで、変位ベクトルDV1は通信装置Aに対応しており、変位ベクトルDV2は通信装置Bに対応しており、変位ベクトルDV3は通信装置Cに対応しており、変位ベクトルDV4は通信装置Dに対応している。各変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4の大きさは、対応する通信装置10の変位値の絶対値に相当する。また、各変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4の方向は、対応する通信装置10の変位値が正の場合には、対応する通信装置10に向かう方向となり、対応する通信装置10の変位値が負の場合には、対応する通信装置10から離れる方向となる。
なお、CPU21は、後述する位置推定手段44の機能に基づいて第2タイミングにおける端末装置20の位置を推定すると、変位データにアクセスして、第2タイミングにおける複数の通信装置A,B,C,D毎の受信信号強度を、第1タイミングにおける複数の通信装置A,B,C,D毎の受信信号強度として記憶する。そして、CPU21は、複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を端末装置20から新たに取得すると、取得したRSSI値を、第2タイミングにおける複数の通信装置A,B,C,D毎の受信信号強度として変位データに記憶し、RSSI値の変位を複数の通信装置A,B,C,D毎に算出する。
方向推定手段43は、複数の通信装置10毎の変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4を合成した合成ベクトルRVに基づいて、端末装置20の移動方向を推定する機能を備える。
方向推定手段43の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、図7に示すように、xy平面において、各変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4を合成することにより、合成ベクトルRVを生成する。そして、CPU21は、合成ベクトルRVの傾き(ここでは、合成ベクトルRVとx軸とのなす角)θをもとめることによって、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動方向を推定する。なお、傾きθは、合成ベクトルRVをuとし、x軸方向の単位ベクトルをvとしたときに、以下の式(1)を満たすθを算出することによって得られる。
Figure 2016075669
位置推定手段44は、推定された移動方向に基づいて、第2タイミングにおける端末装置20の位置を推定する機能を備える。
位置推定手段44の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、方向推定手段43の機能に基づいて端末装置20の移動方向を推定すると、加速度センサ28の検出データを用いて、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動距離を推定する。ここで、端末装置20の移動距離d(nは0以上の整数)は、以下の式(2)のように示される。
=s×l …(2)
式(2)中、sは、端末装置20を所持するユーザの歩数を示しており、lは、当該ユーザの歩幅を示している。歩数sは、例えば、加速度センサ28の検出データ(すなわち加速度)の値が所定の閾値以上に達する毎に1つずつ増加するようにしてもとめられてもよい。また、歩幅lは、例えばユーザの体のサイズに応じて適宜設定される値であってもよいし、固定値であってもよい。
次に、CPU21は、第1タイミングにおける端末装置20の位置と、端末装置20の移動方向と、端末装置20の移動距離とを用いて、第2タイミングにおける端末装置20の位置をもとめる。ここで、第1タイミングにおける端末装置20の位置をP=(x,y)、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動方向をθとすると、第2タイミングにおける端末装置20の位置Pn+1は、以下の式(3)のように示される。
n+1=(x+dcosθ,y+dsinθ) …(3)
ここで、図8を参照して、端末装置20の推定位置の一例を説明する。なお、ここでは、空間S内の端末装置20の初期位置をP=(x,y)と想定している。第1タイミングにおいて端末装置20が位置Pに存在しており、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動距離がd、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動方向がθである場合には、第2タイミングにおける端末装置20の位置Pは、P=(x,y)=(x+dcosθ,y+dsinθ)と示される。
次に、位置Pを第1タイミングにおける端末装置20の位置とした場合には、第2タイミングにおける端末20の位置Pは、P=(x,y)=(x+dcosθ,y+dsinθ)と示される。このようにして、CPU21は、端末装置20の位置推定を経時的に繰り返し行う。
(4)本実施形態の位置推定システムの主要な処理のフロー
次に、本実施形態の位置推定システムにより行われる主要な処理のフローの一例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
先ず、端末装置20のCPU21は、各通信装置10から発信された電波を受信する毎に、通信インタフェース部29で検出されたRSSI値と、当該電波を発信した通信装置10の識別情報とを対応付けて、例えばRAM23に記憶する。
次に、端末装置20のCPU21は、第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、第1タイミングにおける端末装置20の位置Pを始点とする変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4を複数の通信装置A,B,C,D毎に生成する(ステップS102)。
具体的に説明すると、端末装置20のCPU31は、取得手段41の機能に基づいて、第1タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値をRAM23に記憶すると、RAM23に記憶されたRSSI値を変位データに記憶する。また、CPU21は、第1タイミング後(例えば第1タイミングの1秒後)の第2タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を取得してRAM23に記憶すると、RAM23に記憶されたRSSI値を、第2タイミングにおける複数の通信装置A,B,C,D毎の受信信号強度として、変位データに記憶する。そして、端末装置20のCPU21は、第1タイミングにおける端末装置20の位置Pを始点とする変位ベクトルを複数の通信装置A,B,C,D毎に生成する。
次いで、端末装置20のCPU21は、複数の通信装置10毎の変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4を合成した合成ベクトルRVに基づいて、端末装置20の移動方向を推定する(ステップS104)。
具体的に説明すると、端末装置20のCPU21は、各変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4を合成することにより、合成ベクトルRVを生成する。そして、CPU21は、合成ベクトルRVの傾き(ここでは、合成ベクトルRVとx軸とのなす角)θをもとめることによって、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動方向を推定する。
次に、端末装置20のCPU21は、推定された移動方向に基づいて、第2タイミングにおける端末装置20の位置を推定する(ステップS106)。具体的に説明すると、CPU31は、第1タイミングにおける端末装置20の位置と、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動方向と、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動距離とを用いて、第2タイミングにおける端末装置20の位置をもとめる。
なお、端末装置20のCPU21は、ステップS106の処理後に所定時間(例えば1秒)が経過したときには(ステップS108:YES)、ステップS100の処理に移行する。これにより、CPU21は、端末装置20の位置推定を経時的に繰り返し行う。
上述したように、本実施形態の位置推定システム、位置推定方法、プログラムによれば、端末装置20が受信した電波の受信信号強度に関する情報に基づいて、複数の通信装置10の各々に対応する変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4を生成し、これらの変位ベクトルDV1,DV2,DV3,DV4に基づき生成された合成ベクトルRVに基づいて端末装置20の移動方向を推定しているので、端末装置20が受信した電波の受信信号強度に基づいて端末装置20の移動方向を推定することが可能となる。ここで、受信信号強度を用いて端末装置20の移動方向を推定する場合には、例えば端末装置20の移動方向と端末装置20の向く方向とが一致しているか否かにかかわらず、同等の受信信号強度が得られると考えられるので、例えばジャイロセンサや地磁気センサ等の方向センサを用いて端末装置20の移動方向を推定する場合と比較して、端末装置20の所持態様による影響を抑制することができる。このため、端末装置20の移動方向を正確に推定することができる。また、本実施形態では、このように推定された移動方向に基づいて端末装置20の位置を推定しているので、空間S内に存在する端末装置20の位置(すなわち、ユーザの位置)を正確に推定することができる。
以下、上述した実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上記実施形態では、取得手段41が、複数の通信装置10から発信された電波を端末装置20が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、取得手段41は、端末装置20から発信された電波を複数の通信装置10が受信したときの受信信号強度に関する情報を取得してもよい。この場合、各通信装置10には、端末装置20と同様に、端末装置20から発信された電波を受信したときの受信信号強度の値を検出するRSSI回路が設けられていてもよい。
この場合、端末装置20のCPU21は、取得手段41の機能として、各通信装置10に対して、端末装置20から受信した電波のRSSI値を端末装置20に送信するように要求する。そして、CPU21は、各通信装置10から送信された情報を、通信インタフェース部29を介して受信(取得)すると、受信した情報を例えばRAM23に記憶する。なお、生成手段42、方向推定手段43及び位置推定手段44の機能は、上述した実施形態と同様である。
このように、本変形例にかかる位置推定システム、位置推定方法、プログラムによれば、上述した実施形態と同様の作用効果を発揮することが可能である。
(変形例2)
上記実施形態において、位置推定手段44は、複数の通信装置10のうち少なくとも1つの通信装置10に対応する受信信号強度が第2タイミングにおいて所定の閾値以上となる場合に、第2タイミングにおける端末装置20の位置を所定の位置に推定してもよい。
例えば、端末装置20の位置を推定する毎に、端末装置20の正確な位置と推定位置との間に誤差が生じる場合には、端末装置20の位置を繰り返して推定する毎に誤差が累積した状態で端末装置20の位置が推定されることから、端末装置20の位置を正確に推定することが困難になるおそれがある。ところで、端末装置20と通信装置10との間で送受信される電波の受信信号強度は、これらの距離が短くなるほど高くなり、これらの距離が長くなるほど小さくなるので、受信信号強度に応じて、端末装置20と通信装置10との距離を推定することが可能となる。
本変形例によれば、例えば、第2タイミングにおける受信信号強度が所定の閾値以上の場合には、第2タイミングにおける端末装置20の位置を所定の位置(例えば、閾値以上の受信信号強度に対応する通信装置10の位置)に推定しているので、端末装置20と通信装置10との距離と、受信信号強度との関係に基づいて、端末装置20の位置を正確に推定することができる。これにより、例えば、端末装置20の正確な位置と推定位置との間に誤差が生じた場合であっても、この誤差が累積した状態で端末装置20の位置が新たに推定されるのを抑制することができる。
本変形例における位置推定手段44の機能は例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、変位データにアクセスして、各通信装置A,B,C,Dのうち、第2タイミングにおける受信信号強度の値が所定の閾値以上の通信装置(例えば通信装置D)が存在する場合には、端末装置20の位置を所定の位置(例えば通信装置Dの位置)に推定する。
また、CPU31は、各通信装置A,B,C,Dのうち、第2タイミングにおける受信信号強度の値が所定の閾値以上の通信装置が2つ存在する場合には、例えば、これらの2つの通信装置間の中心となる位置を端末装置20の位置として推定してもよい。さらに、CPU31は、各通信装置A,B,C,Dのうち、第2タイミングにおける受信信号強度の値が所定の閾値以上の通信装置が3つ存在する場合には、例えば、これらの3つの通信装置間の中心となる位置を端末装置20の位置として推定してもよい。
さらに、位置推定手段44は、複数の通信装置10のうち少なくとも1つの通信装置10に対応する受信信号強度の第2タイミング以前の第2期間(例えば第2タイミングを含む過去1秒間)における平均値が所定の閾値以上となる場合に、第2タイミングにおける端末装置20の位置を所定の位置に推定してもよい。これにより、例えば、受信信号強度が瞬時的に所定の閾値以上となる異常値であったとしても、平均化した受信信号強度が当該閾値以下の場合には、端末装置20が所定の位置に誤って推定されるのを抑制することができる。
この場合における位置推定手段44の機能は、例えば以下のように実現される。ここで、変位データは、例えば図10に示すように、第1タイミング以前の第1期間(例えば第1タイミングを含む過去1秒間)内のRSSI値の平均値と、第2期間内のRSSI値の平均値と、第1期間と第2期間との間のRSSI値の平均値の変位とが、複数の通信装置A,B,C,D毎に記述されていてもよい。CPU31は、変位データにアクセスして、各通信装置A,B,C,Dのうち、第2期間における受信信号強度の平均値が所定の閾値以上の通信装置(例えば通信装置D)が存在する場合には、端末装置20の位置を所定の位置(例えば通信装置Dの位置)に推定してもよい。
(変形例3)
上記実施形態において、生成手段42は、複数の通信装置10の各々に対応する受信信号強度の第1タイミング以前の第1期間内の平均値と、複数の通信装置10の各々に対応する受信信号強度の第2タイミング以前の第2期間内の平均値とに基づいて、変位ベクトルを複数の通信装置10毎に生成してもよい。
例えば第1タイミング及び第2タイミングの少なくとも一方で取得した受信信号強度が異常値の場合には、当該受信信号強度がそのまま移動方向の推定に用いられることによって移動方向の推定精度が劣化し、ひいては端末装置20の位置の推定精度が劣化するおそれがある。本変形例によれば、複数の通信装置10の各々に対応する受信信号強度の平均値に基づいて端末装置20の位置を推定することができるので、例えば受信信号強度の異常値が第1期間及び第2期間の少なくとも一方に含まれる場合であっても、各期間において受信信号強度を平均化することによって、当該異常値による影響を低減することができる。これにより、受信信号強度の異常値に基づく移動方向の推定精度の劣化を抑制し、ひいては端末装置20の位置の推定精度の劣化を抑制することができる。
本変形例における生成手段42の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、取得手段41の機能に基づいて、第1タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を取得すると、複数の通信装置A,B,C,D毎にRSSI値の第1タイミング以前の第1期間(例えば第1タイミングを含む過去1秒間)内の平均値をもとめる。そして、CPU21は、RSSI値の平均値を、例えば図10に示す変位データに記憶する。また、CPU21は、取得手段41の機能に基づいて、第2タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を取得すると、複数の通信装置A,B,C,D毎にRSSI値の第2タイミング以前の第2期間(例えば第2タイミングを含む過去1秒間)内の平均値をもとめる。そして、CPU21は、RSSI値の平均値を変位データに記憶する。なお、変位ベクトルを生成する処理の内容については、上述した実施形態と同様である。
また、生成手段42は、複数の通信装置10の各々に対応する受信信号強度の第1タイミング以前の第1期間内の指数平滑平均値と、複数の通信装置10の各々に対応する受信信号強度の第2タイミング以前の第2期間内の指数平滑平均値とに基づいて、変位ベクトルを複数の通信装置10毎に生成してもよい。この場合においても、受信信号強度の異常値に基づく移動方向の推定精度の劣化を抑制し、ひいては端末装置20の位置の推定精度の劣化を抑制することができる。
この場合、端末装置20のCPU21は、第1タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を取得すると、複数の通信装置A,B,C,D毎にRSSI値の第1タイミング以前の第1期間(例えば第1タイミングを含む過去10秒間)内の指数平滑平均値をもとめる。そして、CPU21は、RSSI値の指数平滑平均値を、例えば変位データに記憶してもよい。また、CPU21は、第2タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を取得すると、複数の通信装置A,B,C,D毎にRSSI値の第2タイミング以前の第2期間(例えば第2タイミングを含む過去10秒間)内の指数平滑平均値をもとめる。そして、CPU21は、RSSI値の指数平滑平均値を変位データに記憶してもよい。
なお、RSSI値の指数平滑平均値に基づいて端末装置20の移動方向を推定する場合には、第2期間の始期は、第1期間の始期と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、所定期間A(例えば1秒間)のRSSI値の平均値の、所定期間B(例えば10秒間)の指数平滑平均値に基づいて、端末装置20の移動方向を推定してもよい。
(変形例4)
上記実施形態では、通信装置10の数が3つ以上の場合を一例として説明したが、通信装置10の数は2つであってもよい。この場合、上記実施形態と同様の処理を行うことによって、図11に示す2つの通信装置A,Bを結ぶ直線状の空間における端末装置20の位置を推定することが可能となる。
(変形例5)
上記実施形態において、変位ベクトルは、第1タイミングから第2タイミングまでの、複数の通信装置10のうち何れかの通信装置10と端末装置20との距離の変位を表し、方向推定手段43は、合成ベクトルに基づいて、端末装置20の移動方向及び移動距離を推定し、位置推定手段44は、推定された移動方向及び移動距離に基づいて、第2タイミングにおける端末装置20の位置を推定してもよい。
本変形例によれば、複数の通信装置10の各々と端末装置20との距離の第1タイミングから第2タイミングまでの変位を表す変位ベクトルを合成して得られる合成ベクトルによって、端末装置20の移動方向だけでなく、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動距離も表すことが可能になるので、この合成ベクトルの終点を第2タイミングにおける端末装置20の位置と推定することができる。これにより、端末装置20の位置を、例えば加速度センサ等の移動距離計測用の装置を用いることなく推定することができるので、端末装置20の位置推定を容易に行うことができるとともに、位置推定システムの製造コストを抑えることができる。
本変形例における生成手段42の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、取得手段41の機能に基づいて、第1タイミングで各通信装置10からRSSI値(受信信号強度に関する情報)を取得すると、取得したRSSI値を用いて、各通信装置10と端末装置20との距離をもとめる。ここで、一つの通信装置10と端末装置20との距離は、例えば、当該距離とRSSI値との関係を事前に実測することによってもとめられてもよい。また、両者の関係は、以下の式(4)及び(5)を用いることによって、より正確にもとめることが可能である。
=P+G+G−L …(4)
Figure 2016075669

式(4)中、PはRSSIを示し、Pは通信装置10の送信電力(dBm)を示し、Gは端末装置20の受信アンテナの利得(dBi)を示し、Gは通信装置10の送信アンテナの利得(dBi)を示し、Lは自由空間損失(dBm)を示している。このLは式(5)でもとめられ、式(5)中、dは通信装置10と端末装置20との距離(m)を示し、fは電波の周波数(Hz)を示し、cは光速(=2.99792458×10)(m/s)を示している。式(4)及び(5)によってもとめられる距離とRSSI値の関係は、例えば図12に示す対数関数で表される。
CPU21は、第1タイミングにおける各通信装置10と端末装置20との距離をもとめると、もとめた距離を例えば図13に示す変位データに記憶する。本変形例における変位データは、第1タイミングでの通信装置10と端末装置20との距離と、第2タイミングでの通信装置10と端末装置20との距離と、第1タイミングと第2タイミングとの間の距離の変位とが、複数の通信装置(図の例ではA,B,C,D)毎に記述されているデータである。
次に、端末装置20のCPU21は、取得手段41の機能に基づいて、第1タイミング後の第2タイミングで複数の通信装置A,B,C,Dの各々から受信した電波のRSSI値を取得すると、取得したRSSI値を用いて各通信装置A,B,C,Dと端末装置20との距離をもとめ、もとめた距離を変位データに記憶する。そして、CPU21は、第1タイミングと第2タイミングとの間の距離の変位値を複数の通信装置A,B,C,D毎に算出し、算出した変位値を変位データに記憶する。
そして、端末装置20のCPU21は、xy平面において、第1タイミングにおける端末装置20の位置を始点とする変位ベクトルを複数の通信装置A,B,C,D毎に生成する。これらの変位ベクトルは、図6に示した変位ベクトルDV1〜DV4と同様に生成される。
本変形例において、方向推定手段43は、複数の通信装置A,B,C,D毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、端末装置20の移動方向及び移動距離を推定する機能を備える。
方向推定手段43の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、xy平面において、各変位ベクトルを合成することにより、合成ベクトルを生成する。この合成ベクトルは、図7に示した合成ベクトルRVと同様に生成される。そして、CPU21は、上述した式(1)を用いて合成ベクトルの傾きをもとめることによって、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動方向を推定する。また、CPU21は、合成ベクトルの大きさをもとめることによって、第1タイミングから第2タイミングまでの端末20の移動距離を推定する。
本変形例において、位置推定手段44は、推定された移動方向及び移動距離に基づいて、第2タイミングにおける端末装置20の位置を推定する機能を備える。
位置推定手段44の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、方向推定手段43の機能に基づいて端末装置20の移動方向及び移動距離を推定すると、合成ベクトルの終点の位置を、第2タイミングにおける端末装置20の位置と推定する。ここで、合成ベクトルの終点の位置は、第1タイミングにおける端末装置20の位置をP=(x,y)(nは0以上の整数)、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動方向をθ、第1タイミングから第2タイミングまでの端末装置20の移動距離をdとすると、上述した式(3)と同様にもとめられる。
(変形例6)
本変形例の機能ブロック図を図14に示す。図14に示すように、この機能ブロック図は、図3に示したものとは、補正手段45が追加されている点で異なる。
上述した変形例5において、受信信号強度に関する情報を取得すると、受信信号強度と、受信信号強度の所定の基準値との差に基づいて、受信信号強度を補正する補正手段45を備え、生成手段42は、第1タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報と、第2タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報とに基づいて、変位ベクトルを複数の通信装置10毎に生成してもよい。
端末装置と通信装置との距離と、受信信号強度との関係は、端末装置又は通信装置の種類毎及び/又は個体毎に異なり得るし、端末装置又は通信装置の周囲の環境によって異なり得る。例えば、第1の端末装置と通信装置との距離と、受信信号強度との関係を用いて、第1の端末装置と異なる第2の端末装置の位置を推定する場合には、第2の端末装置が第1の端末装置と同じ位置に存在したとしても、上記関係に基づいてもとめられた第2の端末装置と通信装置との距離が、第1の端末装置と通信装置との距離と異なる場合がある。この場合、第2の端末装置が第1の端末装置と異なる位置に存在すると推定され得ることから、端末装置の位置を正確に推定することができない虞がある。
本変形例によれば、受信信号強度に関する情報を取得すると、受信信号強度と、受信信号強度の所定の基準値との差に基づいて、受信信号強度を補正しているので、例えば、異なる端末装置20又は通信装置10を用いた場合や端末装置20又は通信装置10の周囲の環境が異なる場合であっても、距離と受信信号強度との所定の関係に適合するように受信信号強度を補正することによって、端末装置20又は通信装置10の種類や環境等の違いに基づく距離と受信信号との関係の差異を低減することができ、ひいては、端末装置20の位置を正確に推定することができる。したがって、端末装置20又は通信装置10の種類及び/又は個体の違いや、端末装置20又は通信装置10の周囲の環境の違いに拘わらずに、端末装置20の位置を正確に推定することができる。
補正手段45は、受信信号強度に関する情報を取得すると、受信信号強度と、受信信号強度の所定の基準値との差に基づいて、受信信号強度を補正する機能を備える。
補正手段45の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、取得手段41の機能に基づいて、各通信装置10からRSSI値(受信信号強度に関する情報)を取得すると、取得したRSSI値を補正する。ところで、RSSI値と距離との関係をそれぞれ表す複数の対数関数の各々の傾きは、例えば図15に示すように、端末装置20又は通信装置10の種類毎及び/又は個体毎や、端末装置20又は通信装置10の周囲の環境に依存することなく同じである。すなわち、RSSI値と距離との所定の関係を示す対数関数(図15において実線で示す)と、RSSI値と距離との他の関係(例えば、端末装置20又は通信装置10の種類や環境等が異なる場合のRSSI値と距離との関係)を示す対数関数(図15において一点鎖線で示す)との間のRSSI値の差CVは、距離が変化しても同じ値である。したがって、空間S内の所定の位置におけるRSSI値の基準値(例えば理論値)と当該位置におけるRSSI値の実測値との差CVを用いてRSSI値を補正することにより、端末装置20又は通信装置10の種類や環境等の違いに基づく距離と受信信号との関係の差異を低減することができる。
CPU21は、上述した式(4)及び(5)を用いて、空間S内の所定の位置におけるRSSI値の基準値(例えば理論値)を事前にもとめてもよい。また、CPU21は、例えば、この所定の位置におけるRSSI値の実測値が入力部27を用いて入力された場合に、RSSI値の実測値と、RSSI値の基準値との差CVをもとめてもよい。さらに、CPU21は、差CVを事前にもとめてもよい。そして、CPU21は、通信装置10からRSSI値を取得すると、取得したRSSI値が基準値に適合するように、取得したRSSI値を、差CVを用いて補正する(図15の例では、取得したRSSI値に差CVの値を加算する)。
なお、CPU21は、過去にもとめられた差CVを利用した指数平滑法や移動平均法等を用いて、新たな差CVをもとめてもよい。
本変形例において、生成手段42は、第1タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報と、第2タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報とに基づいて、変位ベクトルを複数の通信装置10毎に生成する機能を備える。
本変形例における生成手段42の機能は、例えば以下のように実現される。端末装置20のCPU21は、補正手段45の機能に基づいて、第1タイミングで各通信装置10から取得したRSSI値(受信信号強度に関する情報)を補正すると、補正したRSSI値を用いて、各通信装置10と端末装置20との距離をもとめる。また、CPU21は、第1タイミングにおける各通信装置10と端末装置20との距離をもとめると、もとめた距離を例えば図13に示す変位データに記憶する。
次に、端末装置20のCPU21は、補正手段45の機能に基づいて、第1タイミング後の第2タイミングで複数の通信装置10から取得したRSSI値を補正すると、補正したRSSI値を用いて各通信装置10と端末装置20との距離をもとめ、もとめた距離を変位データに記憶する。そして、CPU21は、第1タイミングと第2タイミングとの間の距離の変位値を複数の通信装置10毎に算出し、算出した変位値を変位データに記憶する。なお、本変形例における方向推定手段43及び位置推定手段44の機能は、上述した変形例5と同様であってよい。
なお、本発明のプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。このプログラムを記録した記憶媒体は、図2に示された不揮発性メモリ24であってもよい。また、例えばCD−ROMドライブ等のプログラム読取装置に挿入されることで読み取り可能なCD−ROM等であってもよい。さらに、記憶媒体は、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、MO/MD/DVD等であってもよいし、半導体メモリであってもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述した各実施形態では、一つの端末装置20の移動方向を推定する場合を一例として説明していたが、複数の端末装置の移動方向(すなわち、複数のユーザの移動方向)を推定してもよい。この場合、複数の端末装置の種類は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。この場合においても、複数の通信装置10毎の変位ベクトルを合成してなる合成ベクトルを複数の端末装置ごとにもとめることによって、各端末装置の移動方向(すなわち、各ユーザの移動方向)を正確に推定することができる。
上述した実施形態及び変形例では、端末装置20によって、取得手段41、生成手段42、方向推定手段43、位置推定手段44及び補正手段45の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などの通信網を介して端末装置20と通信可能に接続されたコンピュータ(例えば汎用のパーソナルコンピュータなど)によって、上記各手段41,42,43,44,45の機能を実現する構成としてもよい。また、上記各手段41,42,43,44,45のうち少なくとも一部の手段の機能を上記コンピュータによって実現する構成としてもよい。さらに、これらのすべての手段を通信装置10又は端末装置20によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を通信装置10又は端末装置20によって実現する構成としてもよい。
上述したような本発明の位置推定システム、位置推定方法、プログラムは、所定の空間内に存在する端末装置の位置を正確に推定することができ、例えば実店舗内等の屋内での位置情報サービスに好適に利用することができるので、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
10…通信装置
20…端末装置
41…取得手段
42…生成手段
43…方向推定手段
44…位置推定手段
45…補正手段
DV1,DV2,DV3,DV4…変位ベクトル
RV…合成ベクトル
S…空間

Claims (8)

  1. 所定の空間内に存在する端末装置の位置を推定する位置推定システムであって、
    前記空間内に設けられた複数の通信装置から発信された電波を前記端末装置が受信したときの受信信号強度に関する情報、又は、前記端末装置から発信された電波を前記複数の通信装置が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する取得手段と、
    第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、前記第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記第1タイミングにおける前記端末装置の位置を始点とする変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成する生成手段と、
    前記複数の通信装置毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向を推定する方向推定手段と、
    推定された移動方向に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定する位置推定手段と、
    を備える位置推定システム。
  2. 前記変位ベクトルは、前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの、前記複数の通信装置のうち何れかの通信装置と前記端末装置との距離の変位を表し、
    前記方向推定手段は、前記合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動距離を推定し、
    前記位置推定手段は、推定された移動方向及び移動距離に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定する、請求項1に記載の位置推定システム。
  3. 受信信号強度に関する情報を取得すると、受信信号強度と、受信信号強度の所定の基準値との差に基づいて、受信信号強度を補正する補正手段を備え、
    前記生成手段は、第1タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報と、前記第2タイミングで取得した受信信号強度であって補正された受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成する、請求項2に記載の位置推定システム。
  4. 前記位置推定手段は、前記複数の通信装置のうち少なくとも1つの通信装置に対応する受信信号強度が前記第2タイミングにおいて所定の閾値以上となる場合に、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を所定の位置に推定する、請求項1〜3の何れかに記載の位置推定システム。
  5. 前記生成手段は、前記複数の通信装置の各々に対応する受信信号強度の前記第1タイミング以前の第1期間内の平均値と、前記複数の通信装置の各々に対応する受信信号強度の前記第2タイミング以前の第2期間内の平均値とに基づいて、前記変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成する、請求項1〜4の何れかに記載の位置推定システム。
  6. 前記通信装置は、前記空間内に3つ以上設けられている、請求項1〜5の何れかに記載の位置推定システム。
  7. 所定の空間内に存在する端末装置の位置をコンピュータに推定させる位置推定方法であって、
    前記コンピュータは、
    前記空間内に設けられた複数の通信装置から発信された電波を前記端末装置が受信したときの受信信号強度に関する情報、又は、前記端末装置から発信された電波を前記複数の通信装置が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得するステップと、
    第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、前記第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記第1タイミングにおける前記端末装置の位置を始点とする変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成するステップと、
    前記複数の通信装置毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向を推定するステップと、
    推定された移動方向に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定するステップと、
    の各ステップを実行する位置推定方法。
  8. 所定の空間内に存在する端末装置の位置をコンピュータに推定させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記空間内に設けられた複数の通信装置から発信された電波を前記端末装置が受信したときの受信信号強度に関する情報、又は、前記端末装置から発信された電波を前記複数の通信装置が受信したときの受信信号強度に関する情報を経時的に取得する機能、
    第1タイミングで取得した受信信号強度に関する情報と、前記第1タイミング後の第2タイミングで取得した受信信号強度に関する情報とに基づいて、前記第1タイミングにおける前記端末装置の位置を始点とする変位ベクトルを前記複数の通信装置毎に生成する機能、
    前記複数の通信装置毎の変位ベクトルを合成した合成ベクトルに基づいて、前記端末装置の移動方向を推定する機能、及び
    推定された移動方向に基づいて、前記第2タイミングにおける前記端末装置の位置を推定する機能、
    を実現させるためのプログラム。
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