JP5742794B2 - 慣性航法装置及びプログラム - Google Patents

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本発明は、慣性航法装置及びプログラムに関する。
従来、歩行者用慣性航法と近距離通信とを使って、歩行者がどの階に存在するかを推定するシステムが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、3軸の加速度センサ2により歩行者が歩行するときの歩数及び歩行周期、並びに方位を検出し、GPS情報が受信不可能のときは、加速度センサにより一歩あたりの移動方向加速度を測定し、その移動方向加速度及び歩行周期から歩幅を推定し、GPS情報が受信可能のときは、その情報を用いて歩幅を推定し、検出された歩数と推定された歩幅とから歩行者の移動距離を算出し、その移動距離と検出された方位とから地図上の自位置を特定する携帯用自律航法装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、個人がポータブルユースで使用する携帯用位置検出装置で、歩数計を用いて、「歩数×歩幅」の演算で移動位置を検出し、かつ加速度センサを使用して1歩あたりの歩行時間から歩行状態に合った歩幅に修正し、移動方向を地磁気センサを用いて検出することにより、自律航法で人間の移動位置を検出する携帯用位置検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ユーザによって携帯され、GPSの測位結果をホスト装置へ送信するセキュリティ端末において、GPSの測位結果で校正され、気圧変化から高度を測定し、ユーザの鉛直方向の振動を検出して、その振動パルス×歩数によって移動距離を求め、GPS測位が不能となると、ユーザが建物や地下へ入った可能性が高いことから、自律測位された高度、移動範囲、移動方向をGPSによる最終測位位置に加算する位置検出装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、複数の無線マーカを利用して方向あるいは距離あるいは位置あるいはこれらの組合せの標定を行う位置標定システムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−163168号公報 特開2000−097722号公報 特開2005−337872号公報 特開2008−199589号公報
しかしながら、非特許文献1記載の技術では、歩行者がどの階に存在するかのみを離散的に推定しており、水平面内の位置を推定することができない、という問題がある。
また、特許文献1〜3記載の技術のような慣性航法一般の問題として、時間と共に計測される位置の累積誤差が増加する、という問題がある。
また、特許文献4記載の技術では、事前に位置が既知であるインフラを用意する必要があり、移動体端末以外のコストが発生する、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、屋内等のGPS情報を受信できないような場所であっても、位置が既知の固定端末等のインフラを必要とすることなく、移動体端末の位置を精度良く推定することができる慣性航法装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の慣性航法装置は、複数の移動体端末の各々の絶対位置を示す絶対位置情報、移動体端末間で近接通信を行った時刻及び通信相手を示す近接通信情報、並びに各移動体端末に搭載された慣性航法センサにより検出された各時刻間の移動体端末の移動距離及び移動方向を示す慣性航法情報を取得する取得手段と、絶対位置情報が取得できない区間に入った移動体端末について、該移動体端末が前記区間に入る直前に取得された前記絶対位置情報を初期位置とし、前記取得手段により取得された前記慣性航法情報に基づいて、移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置を推定する推定手段と、前記推定手段により推定された慣性航法位置のうち、前記取得手段により取得された近接通信情報が示す移動体端末間で近接通信を行った時刻に対応する該近接通信を行った移動体端末の慣性航法位置を固定ノードに設定する設定手段と、移動体端末毎の前記初期位置に対応する時刻から前記固定ノードに対応する時刻までの各時刻間の慣性航法情報、及び近接通信を行った移動体端末の各々に設定された固定ノード間の距離を拘束条件として、前記推定手段により推定された移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置の各々を補正する補正手段と、を含んで構成されている。
本発明の慣性航法装置によれば、取得手段が、複数の移動体端末の各々の絶対位置を示す絶対位置情報、移動体端末間で近接通信を行った時刻及び通信相手を示す近接通信情報、並びに各移動体端末に搭載された慣性航法センサにより検出された各時刻間の移動体端末の移動距離及び移動方向を示す慣性航法情報を取得する。そして、推定手段が、絶対位置情報が取得できない区間に入った移動体端末について、移動体端末が区間に入る直前に取得された絶対位置情報を初期位置とし、取得手段により取得された慣性航法情報に基づいて、移動体端末毎の区間内における各時刻での慣性航法位置を推定する。また、設定手段が、推定手段により推定された慣性航法位置のうち、取得手段により取得された近接通信情報が示す移動体端末間で近接通信を行った時刻に対応する近接通信を行った移動体端末の慣性航法位置を固定ノードに設定する。そして、補正手段が、移動体端末毎の初期位置に対応する時刻から固定ノードに対応する時刻までの各時刻間の慣性航法情報、及び近接通信を行った移動体端末の各々に設定された固定ノード間の距離を拘束条件として、推定手段により推定された移動体端末毎の区間内における各時刻での慣性航法位置の各々を補正する。
このように、絶対位置情報が取得できない区間において慣性航法情報に基づいて推定された慣性航法位置を、近接通信が行われた時刻の慣性航法位置に対応する固定ノードに関する拘束条件の下で補正することにより、位置が既知の固定端末等のインフラを必要とすることなく、移動体端末の位置を精度良く推定することができる。
また、前記補正手段は、前記拘束条件の下で前記固定ノードの位置の各々を計算することで、前記固定ノードに設定された慣性航法位置を補正すると共に、前記推定手段に、計算した前記固定ノードの位置を用いて、前記区間内の前記固定ノード以外の慣性航法位置を推定させることができる。これにより、近接通信情報により補正された固定ノードの位置を用いて他の慣性航法位置を推定し直すことで、固定ノード以外の慣性航法位置についても精度良く位置を推定することができる。
また、前記補正手段は、前記拘束条件の下、前記固定ノードの位置の各々を計算するための関数を、前記慣性航法情報に関するパラメータを用いた関数で表し、前記パラメータを求めることにより、前記固定ノードの位置の各々と、固定ノード以外の慣性航法位置の各々とを計算することができる。これにより、固定ノードの位置の計算と共に、固定ノード以外の慣性航法位置の補正も行うことができる。
また、前記推定手段は、前記取得手段により新たな絶対位置情報が取得された場合に、該新たな絶対位置情報を用いて、前記慣性航法位置を推定することができる。これにより、シームレスで精度良く位置を推定することができる。
また、前記補正手段は、前記慣性航法位置の各々と共に、該慣性航法位置の各々の共分散を該慣性航法位置の各々の信頼度として計算することができる。これにより、位置推定結果の信頼度が向上する。
また、前記設定手段は、前記取得手段により取得された近接通信情報が示す通信相手が固定端末を示す場合には、該固定端末に対応した固定ノードを設定し、前記補正手段は、前記固定端末に対応した固定ノードについては、前記初期位置から前記固定ノードまでの各時刻における慣性航法情報に代えて、過去に計算された前記固定端末に対応した固定ノードの位置を前記拘束条件として用いることができる。これにより、位置の推定結果の安定性が向上する。
また、本発明の慣性航法プログラムは、コンピュータを、複数の移動体端末の各々の絶対位置を示す絶対位置情報、移動体端末間で近接通信を行った時刻及び通信相手を示す近接通信情報、並びに各移動体端末に搭載された慣性航法センサにより検出された各時刻間の移動体端末の移動距離及び移動方向を示す慣性航法情報を取得する取得手段、絶対位置情報が取得できない区間に入った移動体端末について、該移動体端末が前記区間に入る直前に取得された前記絶対位置情報を初期位置とし、前記取得手段により取得された前記慣性航法情報に基づいて、移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置を推定する推定手段、前記推定手段により推定された慣性航法位置のうち、前記取得手段により取得された近接通信情報が示す移動体端末間で近接通信を行った時刻に対応する該近接通信を行った移動体端末の慣性航法位置を固定ノードに設定する設定手段、及び移動体端末毎の前記初期位置に対応する時刻から前記固定ノードに対応する時刻までの各時刻間の慣性航法情報、及び近接通信を行った移動体端末の各々に設定された固定ノード間の距離を拘束条件として、前記推定手段により推定された移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置の各々を補正する補正手段として機能させるためのプログラムである。
なお、本発明のプログラムを記憶する記憶媒体は、特に限定されず、ハードディスクであってもよいし、ROMであってもよい。また、CD−ROMやDVDディスク、光磁気ディスクやICカードであってもよい。更にまた、該プログラムを、ネットワークに接続されたサーバ等からダウンロードするようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の慣性航法装置及びプログラムによれば、絶対位置情報が取得できない区間において慣性航法情報に基づいて推定された慣性航法位置を、近接通信が行われた時刻の慣性航法位置に対応する固定ノードに関する拘束条件の下で補正することにより、位置が既知の固定端末等のインフラを必要とすることなく、移動体端末の位置を精度良く推定することができる、という効果が得られる。
本実施の形態に係る慣性航法装置の機能的構成を示すブロック図である。 (a)自由端、及び(b)固定端を説明するための図である。 近接通信における移動体端末間距離と信号強度との関係を示す図である。 固定ノードの位置計算の原理を説明するための図である。 各移動体端末の初期位置、慣性航法位置、及び固定ノードの配置の一例を示す図である。 本実施の形態における慣性航法処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 地下鉄等におけるシームレスな位置計算を示すイメージ図である。 固定端末を固定ノードに設定する場合を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る慣性航法装置10は、移動体端末30から送信された移動体端末情報を受信して、移動体端末の位置を推定する。
移動体端末30は、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信などにより近接して存在する移動体端末や固定端末との間で近接通信を行う近接通信装置32と、GPS(Global Positioning System)衛星及び基地局から送信されたGPS情報を受信するGPS装置34と、加速度センサ、磁気センサ、ジャイロセンサ等で構成され、移動体端末30の移動量及び移動方向を含むINS(Inertial Navigation System)情報を取得するINS装置36と、移動体端末情報を慣性航法装置10へ送信するコンピュータ38とを含んで構成されている。
このコンピュータ38は、移動体端末30全体の制御を司るCPU、各種プログラム等を記憶したROM、データを一時的に記憶するRAM、記憶手段としてのメモリ、ネットワークインタフェース等を含んで構成されており、機能的には、制御部40と送受信部42とを含んだ構成で表すことができる。
近接通信装置32は、他の移動体端末または固定端末との間で近接通信を行った際に、近接通信を行った時刻及び通信相手を示す近接通信情報を出力する。
GPS装置34は、受信したGPS情報に基づいて移動体端末30の位置を測位し、移動体端末の各時刻における絶対位置情報として出力する。GPS情報を受信できない屋内等の区間(以下、「GPS受信不可区間」という)においては、絶対位置情報を出力しない。
INS装置36は、加速度センサ、磁気センサ、ジャイロセンサ等で各時刻において検出されたセンサ値に基づいて、各時刻間の移動体端末30の移動距離及び移動方向を算出し、算出した移動距離及び移動方向の時系列データをINS情報として出力する。
制御部40は、各時刻において、近接通信装置32から出力された近接通信情報、GPS装置34から出力された絶対位置情報、及びINS装置36から出力されたINS情報を取得し、取得した各情報をまとめて、自端末の識別情報を付与した移動体端末情報として生成する。なお、近接通信情報は近接通信が行われた際に出力され、絶対位置情報はGPS情報が受信された場合に出力されるものであるため、各時刻における移動体端末情報には、近接通信情報及び絶対位置情報が含まれない場合もある。
送受信部42は、制御部40により生成された移動体端末情報を所定時間毎に慣性航法装置10へ送信する。また、慣性航法装置10で推定された位置を示す位置情報を受信し、図示しない表示装置等に受信した位置情報を表示するように制御する。
慣性航法装置10は、慣性航法装置10全体の制御を司るCPU、後述する慣性航法処理ルーチンを実現するためのプログラムを記憶したROM、データを一時的に記憶するRAM、HDD等の記憶装置、及びネットワークインタフェース等を含むコンピュータ12で構成されている。このコンピュータ12は、機能的には、送受信部14と、慣性航法推定部16と、固定ノード設定部18と、位置補正部20とを含んだ構成で表すことができる。なお、送受信部14は本発明の取得手段の一例であり、慣性航法推定部16は本発明の推定手段の一例であり、固定ノード設定部18は本発明の設定手段の一例であり、位置補正部20は本発明の補正手段の一例である。
送受信部14は、複数の移動体端末30から送信された移動体端末情報の各々を受信し、移動体端末情報に含まれる絶対位置情報及びINS情報を慣性航法推定部16へ受け渡し、近接通信情報を固定ノード設定部18へ受け渡す。また、推定した各移動体端末の位置情報を各移動体端末30へ送信する。
慣性航法推定部16は、取得した各時刻の絶対位置情報の有無に基づいて、受信した移動体端末情報にGPS受信不可区間内における移動体端末情報が含まれるか否かを判定する。GPS受信不可区間内の移動体端末情報が含まれる場合には、GPS受信不可区間に入る直前に各移動体端末30で受信したGPS情報(最後に受信したGPS情報)に基づく絶対位置情報を、下記(1)式に示す初期位置モデルに従って、各移動体端末30の初期位置として設定する。
ここで、i(1〜N)は移動体端末番号、xi tは移動体端末iの時刻tにおける位置、xi GPSは移動体端末iの絶対位置情報(GPS装置34の観測値)、Qi tは位置xi tの共分散、σGPSはGPS装置34の観測値のばらつきである。
また、慣性航法推定部16は、設定した初期位置を基準として、取得したINS情報及び下記(2)式に示すINSモデルに基づいて、各移動体端末の各時刻における慣性航法位置(以下、「INS軌跡」ともいう)及び各慣性航法位置の信頼度(誤差範囲)を推定する。
ここで、Δxi tは移動体端末iの時刻tにおけるINS情報(INS装置36の観測値)である。このとき、各慣性航法位置xi tの共分散(信頼度)Qi tは、自由端の場合にはカルマンフィルタ(KF)により、固定端の場合にはカルマンスムーザ(KS)により求めることができる(参照「北川源四郎著、“FORTRAN77 時系列解析プログラミング”、岩波書店」)。自由端の場合とは、図2(a)に示すように、初期位置の反対側端部の慣性航法位置が後述する位置補正済みの固定ノードではない場合(図中白丸)をいい、固定端とは、同図(b)に示すように、初期位置の反対側端部の慣性航法位置が位置補正済みの固定ノードである場合(図中網掛けの丸)をいう。KFまたはKSへの入力は、xi GPS、xi T、σGPSΔxi t、及びσINSである。ここで、σINSはINS装置36の観測値のばらつきである。
固定ノード設定部18は、取得した近接通信情報に基づいて、慣性航法推定部16により推定された各移動体端末の各時刻における慣性航法位置のうち、近接通信が行われた時刻に対応する慣性航法位置を固定ノードに設定する。
図3に示すように、Bluetooth(登録商標)や無線LANなどの通信では、移動体端末間の距離に応じて、各移動体端末で受信する信号強度が変化する。移動体端末同士がすれ違うときには、信号強度が最大になる時点で最も移動体端末間の距離が近くなると考えられる。従って、近接通信によって受信した信号の信号強度が最大となった時点で、近接通信を行った通信相手とほぼ同じ場所に存在すると仮定し、各移動体端末間の慣性航法位置について、下記(3)式に示す近接通信モデルを適用する。
(3)式は、移動体端末iとjとが近接通信を行っており、その信号強度が時刻Tで最大となったことを表す。固定ノード設定部18は、(3)式に従って、移動体端末i及びjの各々について、図2(b)に示すように、慣性航法推定部16で推定された慣性航法位置のうち、時刻Tの慣性航法位置を固定ノードに設定する。なお、図2(b)は移動体端末iについて示しているが、移動体端末jについても同様である。
また、(3)式では、近接通信を行った移動体端末同士が同じ場所に存在すると仮定しているが、実際には全く同じ場所に存在するわけではないため、(3)式に示す固定ノードの位置について、下記(4)式に示す共分散を誤差として処理する。
ここで、σCOMは、上記(5)式に示すように、定数パラメータK及び信号強度Sで表される近接通信装置32の観測値のばらつきである。
位置補正部20は、固定ノード設定部18により設定された固定ノードについて成立する拘束条件の下、各固定ノードの位置を計算する。原理としては、図4(a)に示すように、GPS受信不可区間において、2つの移動体端末のINS軌跡が推定されており、近接通信があった時刻の慣性航法位置が各々固定ノードに設定されている場合を考える。同図(b)に示すように、各移動体端末のINS軌跡を、各慣性航法位置の誤差範囲(信頼度)内での変形を加えつつ、両固定ノードが同じ位置となるように初期位置を基準として回転させて、固定ノードの位置を決定する。
具体的には、固定ノードの拘束条件として、初期位置モデル及びINSモデルに基づいて下記(6)式が成立し、近接通信モデルに基づいて下記(7)式が成立する。
各移動体端末の初期位置、慣性航法位置、及び固定ノードが図5に示すように得られている場合、(6)式及び(7)式を行列で書くと、下記(8)式のようになる。
位置補正部20は、観測誤差を考慮した最小二乗法により、固定ノードの位置を下記(9)式により計算する。
このようにして、固定ノードの位置を計算することにより、固定ノードに設定された慣性航法位置が近接通信情報を使って補正される。移動体端末の数Nが3以上の場合には、GPS情報による測位と同様に、3辺測量の効果で補正が強固になる。Nが2の場合でも、自由度は高いものの慣性航法位置の補正を行うことができる。
また、位置補正部20は、(9)式により計算した固定ノードの位置の信頼度を下記(10)式により求める。
次に、図6を参照して、第1の実施の形態に係る慣性航法装置10において実行される慣性航法処理ルーチンについて説明する。
ステップ100で、送受信部14が、複数の移動体端末30から送信された移動体端末情報の各々を受信する。
次に、ステップ102で、慣性航法推定部16が、上記ステップ100で受信された移動体端末情報に含まれる各時刻の絶対位置情報の有無に基づいて、受信した移動体端末情報にGPS受信不可区間内における移動体端末情報が含まれるか否かを判定する。含まれる場合には、ステップ104へ移行し、含まれない場合には、慣性航法処理ルーチンを終了する。
ステップ104では、慣性航法推定部16が、GPS受信不可区間に入る直前に各移動体端末30で受信したGPS情報(最後に受信したGPS情報)に基づく絶対位置情報を、(1)式に示す初期位置モデルに従って、各移動体端末30の初期位置xi T0として設定する。
次に、ステップ106で、慣性航法推定部16が、上記ステップ104で設定した初期位置xi T0を基準として、上記ステップ100で受信された移動体端末情報に含まれるINS情報及び(2)式に示すINSモデルに基づいて、各移動体端末の各時刻における慣性航法位置xi t及び各慣性航法位置の信頼度Qi t(誤差範囲)を推定する。
次に、ステップ108で、固定ノード設定部18が、上記ステップ100で受信された移動体端末情報に含まれる近接通信情報に基づいて、上記ステップ106で推定された各移動体端末の各時刻における慣性航法位置xi tのうち、近接通信が行われた時刻に対応する慣性航法位置を固定ノードに設定する。
次に、ステップ110で、位置補正部20が、上記ステップ108で設定された固定ノードについて成立する拘束条件((6)式及び(7)式)の下、各固定ノードの位置xi Tm及び信頼度Qxを計算する。
次に、ステップ112で、慣性航法推定部16が、上記ステップ110で計算された固定ノードの位置xi Tm及び信頼度Qxを用いて、GPS受信不可区間内の固定ノード以外の慣性航法位置及び信頼度の各々を補正する。
次に、ステップ114で、送受信部14が、上記ステップ110で計算された固定ノードの位置xi Tm及び信頼度Qx、並びに上記ステップ112で補正された慣性航法位置及び信頼度を、各移動体端末30へ送信して、慣性航法処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る慣性航法装置によれば、GPS受信不可区間においてINS情報に基づいて推定された慣性航法位置を、近接通信情報を用いて補正することで、位置が既知の固定端末等のインフラを必要とすることなく、移動体端末の位置を精度良く推定することができる。
また、上記の慣性航法処理ルーチンを所定時間間隔で繰り返すことにより、図7に示すように、地下鉄などの長いGPS受信不可区間においても、新たにGPS受信不可区間に入ってきた移動体端末が保持する新鮮な絶対位置情報を利用することにより、シームレスでかつ精度良く移動体端末の位置を推定することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。図1に示すように、第2の実施の形態に係る慣性航法装置210は、位置補正部220を除いて第1の実施の形態に係る慣性航法装置10と同様であるため、位置補正部220以外の部分については、第1の実施の形態と同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第2の実施の形態に係る慣性航法装置210の位置補正部220は、下記(11)式に示す詳細なINSモデルを設定する。
ここで、ρi tは移動体端末iを携帯する歩行者の時刻tにおける歩幅、θi tは移動体端末iの時刻tにおける進行方位、Kiは歩行者の歩幅パラメータ(定数)、ai_max tは移動端末iの時刻t付近の加速度最大値、ai_min tは移動端末iの時刻t付近の加速度最小値、Bi tは磁気センサの観測値、biは磁気センサのバイアスパラメータ(定数)である。(11)式においてパラメータKi及びbiが決まるとINS軌跡が一意に決まるため、固定ノードの位置を計算することは、パラメータKi及びbiを求める問題になる。
固定ノードの位置を計算するための関数は第1の実施の形態と同様にD=GXが成り立ち、この関数は、下記(12)式に示すように、パラメータKi及びbiの関数になる。
(12)式の値を最小にするパラメータが求めたい値である。この関数を、例えばパラメータの値を全探索するなどして解く。これにより、固定ノードの位置を全探索するのではなく、INS軌跡が取り得る範囲内で解を探索することができ、位置計算の精度が向上する。いったんパラメータKi及びbiが求まればΔxi tも計算できるため、固定ノード以外の慣性航法位置も合わせて計算することができる。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る慣性航法装置によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、詳細なINSモデルを用いて、固定ノードの位置の計算と他の慣性航法位置の補正とを同時に行うことができる。
なお、上記実施の形態では、移動体端末同士の近接通信による近接通信情報を用いる場合について説明したが、Wifi(登録商標)基地局のように、移動体端末との間で近接通信を行うような固定端末を通信相手とする近接通信情報を用い、図8に示すように、この固定端末を固定ノードに設定するようにしてもよい。固定端末に対応する固定ノードも他の固定ノードと同様に位置補正部において位置を計算することができる。この場合、固定端末はINS情報を持たないため、固定ノードの位置を計算する際の拘束条件として、固定端末について過去に計算された位置及び信頼度を拘束条件とすることができる。
また、上記実施の形態では、移動体端末を歩行者が携帯する形態を想定しているが、移動体端末を車両等の移動体に搭載した形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、GPS受信不可区間に入る直前にGPS情報に基づく絶対位置を初期位置として設定する場合について説明したが、例えば、建物に入る際に移動体端末に搭載されたIC等に記録されるタグ情報等を初期位置として設定してもよい。
10、210 慣性航法装置
14 送受信部
16 慣性航法推定部
18 固定ノード設定部
20、220 位置補正部
30 移動体端末
32 近接通信装置
34 GPS装置
36 INS装置
210 慣性航法装置
220 位置補正部

Claims (8)

  1. 複数の移動体端末の各々の絶対位置を示す絶対位置情報、移動体端末間で近接通信を行った時刻及び通信相手を示す近接通信情報、並びに各移動体端末に搭載された慣性航法センサにより検出された各時刻間の移動体端末の移動距離及び移動方向を示す慣性航法情報を取得する取得手段と、
    絶対位置情報が取得できない区間に入った移動体端末について、該移動体端末が前記区間に入る直前に取得された前記絶対位置情報を初期位置とし、前記取得手段により取得された前記慣性航法情報に基づいて、移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置を推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された慣性航法位置のうち、前記取得手段により取得された近接通信情報が示す移動体端末間で近接通信を行った時刻に対応する該近接通信を行った移動体端末の慣性航法位置を固定ノードに設定する設定手段と、
    移動体端末毎の前記初期位置に対応する時刻から前記固定ノードに対応する時刻までの各時刻間の慣性航法情報、及び近接通信を行った移動体端末の各々に設定された固定ノード間の距離を拘束条件として、前記推定手段により推定された移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置の各々を補正する補正手段と、
    を含む慣性航法装置。
  2. 前記補正手段は、前記拘束条件の下で前記固定ノードの位置の各々を計算することで、前記固定ノードに設定された慣性航法位置を補正すると共に、前記推定手段に、計算した前記固定ノードの位置を用いて、前記区間内の前記固定ノード以外の慣性航法位置を推定させる請求項1記載の慣性航法装置。
  3. 前記補正手段は、前記拘束条件の下、前記固定ノードの位置の各々を計算するための関数を、前記慣性航法情報に関するパラメータを用いた関数で表し、前記パラメータを求めることにより、前記固定ノードの位置の各々と、固定ノード以外の慣性航法位置の各々とを計算する請求項1記載の慣性航法装置。
  4. 前記推定手段は、前記取得手段により新たな絶対位置情報が取得された場合に、該新たな絶対位置情報を用いて、前記慣性航法位置を推定する請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の慣性航法装置。
  5. 前記補正手段は、前記慣性航法位置の各々と共に、該慣性航法位置の各々の共分散を該慣性航法位置の各々の信頼度として計算する請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の慣性航法装置。
  6. 前記設定手段は、前記取得手段により取得された近接通信情報が示す通信相手が固定端末を示す場合には、該固定端末に対応した固定ノードを設定し、
    前記補正手段は、前記固定端末に対応した固定ノードについては、前記初期位置から前記固定ノードまでの各時刻における慣性航法情報に代えて、過去に計算された前記固定端末に対応した固定ノードの位置を前記拘束条件として用いる請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の慣性航法装置。
  7. コンピュータを、
    複数の移動体端末の各々の絶対位置を示す絶対位置情報、移動体端末間で近接通信を行った時刻及び通信相手を示す近接通信情報、並びに各移動体端末に搭載された慣性航法センサにより検出された各時刻間の移動体端末の移動距離及び移動方向を示す慣性航法情報を取得する取得手段、
    絶対位置情報が取得できない区間に入った移動体端末について、該移動体端末が前記区間に入る直前に取得された前記絶対位置情報を初期位置とし、前記取得手段により取得された前記慣性航法情報に基づいて、移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置を推定する推定手段、
    前記推定手段により推定された慣性航法位置のうち、前記取得手段により取得された近接通信情報が示す移動体端末間で近接通信を行った時刻に対応する該近接通信を行った移動体端末の慣性航法位置を固定ノードに設定する設定手段、及び
    移動体端末毎の前記初期位置に対応する時刻から前記固定ノードに対応する時刻までの各時刻間の慣性航法情報、及び近接通信を行った移動体端末の各々に設定された固定ノード間の距離を拘束条件として、前記推定手段により推定された移動体端末毎の前記区間内における各時刻での慣性航法位置の各々を補正する補正手段
    として機能させるための慣性航法プログラム。
  8. コンピュータを、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の慣性航法装置を構成する各手段として機能させるための慣性航法プログラム。
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