JP2016075567A - 蓄電素子の異常判断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の二次電池の各二次電池の電圧を検出する電圧検出部である電圧測定回路と、制御部であるCPUとを備える。CPUは、複数の二次電池に含まれる二次電池の異常を判断する際に、複数の二次電池から基準電池と対象電池とを選出し、基準電池の電圧と対象電池の電圧との大小関係の変化に基づいて、対象電池の異常を判断する(S34)。この構成では、基準電池の電圧と対象電池の電圧との大小関係の変化に基づいて対象電池の異常を判断するので、対象電圧の異常を容易に判断することができる。
【選択図】図3
Description
初めに、本実施形態の異常判断装置の概要について説明する。
本明細書によって開示される異常判断装置は、第1蓄電素子と第2蓄電素子との電圧を検出する電圧検出部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1蓄電素子の端子間電圧と前記第2蓄電素子の端子間電圧との大小関係の変化に基づいて、蓄電素子の異常を判断する判断処理を実行する。
前記電圧調整処理としては、第2蓄電素子の端子間電圧が第1蓄電素子の端子間電圧よりも所定の電圧差だけ高くなるように第1蓄電素子を放電し、判断処理では、電圧調整処理後に第2蓄電素子の端子間電圧が第1蓄電素子の端子間電圧よりも低くなったことに基づいて第2蓄電素子を異常と判断することができる。
なお、第1蓄電素子及び第2蓄電素子は、材料・仕様が同一である同種の蓄電素子とすると、より高精度の異常判断が可能となる。
また、制御部が電圧調整処理から判断処理までの経過時間を測定する経過時間測定処理を実行し、判断処理では、第2蓄電素子の端子間電圧が第1蓄電素子の端子間電圧よりも所定の基準電圧だけ低くなったことに基づいて前記第2蓄電素子を異常と判断するようにし、その基準電圧を前記経過時間に応じて設定することが好ましい。次の理由による。
第2蓄電素子に自己放電等の異常がある場合、電圧調整処理を実行してから第2蓄電素子の端子間電圧は徐々に低下する。その自己放電量、ひいては第2蓄電素子の端子間電圧の低下度合いは、電圧調整処理を行ってから判断処理までの経過時間に影響を受けることがある。その場合、判断処理で異常と判断する基準電圧が経過時間に応じて設定されることで、基準電圧が経過時間によらず一定に設定される場合に比べて、第2蓄電素子の異常を正確に判断することができる。
さらに、制御部が電圧調整処理から判断処理までの経過時間を測定する経過時間測定処理を実行し、電圧調整処理では、第2蓄電素子の端子間電圧と第1蓄電素子の端子間電圧との電圧差が所定の電圧差となるようにし、判断処理では、第2蓄電素子の端子間電圧が第1蓄電素子の端子間電圧よりも所定の基準電圧だけ低くなったことに基づいて第2蓄電素子を異常と判断するようにした上で、前記所定の電圧差と前記基準電圧との合計値を前記経過時間に基づいて設定することが好ましい。その合計値が経過時間によらず一定に設定される場合に比べて、第2蓄電素子の異常を正確に判断することができる。
第1蓄電素子と前記第2蓄電素子とが複数の蓄電素子が直列に接続されてなる組電池に含まれる場合、前記制御部が、充電後の各蓄電素子の端子間電圧を当該端子間電圧が最も小さい蓄電素子である最小電圧素子の端子間電圧に均等化する均等化処理と、均等化処理において規定回数連続して特定の蓄電素子が最小電圧素子となったことに応じて当該特定の蓄電素子を前記第2蓄電素子として選定し、残りの蓄電素子から前記第1蓄電素子を選定する選定処理とを実行するようにすることが更に好ましい。均等化処理の度に電圧調整処理及び判断処理が実行されることを抑制することができる。
また、充電後の各蓄電素子の端子間電圧を当該端子間電圧が最も小さい蓄電素子である最小電圧素子の端子間電圧に均等化する均等化処理と、前記各蓄電素子の前記均等化処理に必要な時間である均等化時間を測定する均等化測定処理と、この均等化測定処理において規定回数連続して前記各蓄電素子の均等化時間の平均値が規定均等化時間よりも長くなったことに応じて最小電圧素子を第2蓄電素子として選定し、残りの蓄電素子から第1蓄電素子を選定する選定処理とを実行してもよい。これによっても、均等化処理の度に電圧調整処理及び判断処理が実行されることを抑制することができる。
以下、実施形態1について、図1から図6を参照しつつ説明する。
1.電池パックの構成
図1は、本実施形態における電池パック60の構成を示す図である。本実施形態の電池パック60は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車に搭載され、電気エネルギーで作動する動力源に電力を供給するものである。本実施形態では、電気自動車に搭載された電池パック60の例を用いて説明を行う。
次に、二次電池14の異常を判断する異常判断シーケンスについて図3を参照して説明する。異常判断シーケンスは、二次電池14の充電時にBM62のCPU70により実行される。具体的には、電池パック60の組電池12を充電する場合には、車載のECUからBM62に対して充電を示すステータス情報が通知される。CPU70は、ECUから充電を示すステータス情報の通知を受けると、異常判断シーケンスを実行する。
そして、CPU70は、基準電池DYの放電を終了すると、基準電池DYの放電終了からの経過時間Tを測定する処理を開始し(S20:経過時間測定処理)、異常判断シーケンスを終了する。経過時間Tは、二次電池14に充放電電流が流れていない状態での経過時間を積算測定することが好ましいが、充放電電流が流れている時間を含めてもよい。なお、規定放電電圧差ΔVKとしては、例えば数 [mV]が好ましい。
T×W=ΔI∝ΔVM
ΔVK+ΔVI=ΔVM
上述した実施形態では、異常判断シーケンスにおいて、対象電池DXの電圧VXと基準電池DYの電圧VYとの大小関係の変化に基づいて対象電池DXの異常を判断する(S36)。電圧VXと電圧VYとの大小関係を検出することで対象電池DXの異常を容易に判断することができ、これにより、電気自動車等に搭載後の二次電池14の異常を判断することができる。
実施形態2について、図7を参照しつつ説明する。本実施形態では、異常判断シーケンスにおいて、準備処理を実行するか否かを判断する処理、準備処理において基準電池DYを放電する処理、及び、対象電池DXを異常と判断する処理が上記実施形態と異なる。以下の説明では、実施形態1と同一の内容については重複した記載を省略する。
CPU70は、異常判断シーケンスを開始し、均等化処理を実行すると(S12)、各二次電池14について、それらの電圧Vを最小電圧電池の電圧VXに等しくなるまで放電するに要した時間である均等化時間Yをそれぞれ測定し(S42)、メモリ76に記憶する。
一方、CPU70は、電圧VXが電圧VYよりも低い、すなわち電圧VXと電圧VYとの大小関係が準備処理を行った時点とは変化(逆転)した場合(S48:YES)には、対象電池DXに異常の可能性があると判断し、S30からの処理を実行し、それらの事象が規定カウンタCK以上の繰り返されたときに対象電池DXを異常と判断して(S34),それを報知する(S36)。
上述した実施形態では、基準電池DYの放電後の電圧VYが、充電終了時の基準電池DYの電圧VYと対象電池DXの電圧VXとの充電時電圧差ΔVZに基づいて設定される。これにより、基準電池DYを容易に放電することができるとともに、充電時電圧差ΔVZに基づいて対象電池DXの異常を容易に判断することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態1,2では、均等化処理後に基準電池DYを放電させる際に放電後の基準電池DYの電圧VYを、予め定められた規定放電電圧差ΔVKや、充電終了時の充電時電圧差ΔVZに基づいて設定することを例示した。しかし、基準電池DYを放電する際には、上記のように電圧差に基づいて設定する場合の他、基準電池DYを予め定められた規定放電時間放電しても良ければ、充電終了時の電圧VYが予め定められた放電終了電圧となるまで放電してもよい。電圧差を測定する必要がない分だけ、基準電池DYを容易に放電することができる。
Claims (8)
- 第1蓄電素子と第2蓄電素子との電圧を検出する電圧検出部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1蓄電素子の端子間電圧と前記第2蓄電素子の端子間電圧との大小関係の変化に基づいて、前記第1蓄電素子又は前記第2蓄電素子の異常を判断する判断処理を実行する、蓄電素子の異常判断装置。 - 請求項1記載の蓄電素子の異常判断装置であって、
前記制御部は、
前記第2蓄電素子の端子間電圧と前記第1蓄電素子の端子間電圧とが所定の関係となるようにする電圧調整処理を実行し、
その後に、前記判断処理を実行する蓄電素子の異常判断装置。 - 請求項2記載の蓄電素子の異常判断装置であって、
前記電圧調整処理は、前記第2蓄電素子の端子間電圧が前記第1蓄電素子の端子間電圧よりも所定の電圧差だけ高くなるように前記第1蓄電素子を放電し、
前記判断処理では、前記電圧調整処理後に前記第2蓄電素子の端子間電圧が前記第1蓄電素子の端子間電圧よりも低くなったことに基づいて前記第2蓄電素子を異常と判断する、蓄電素子の異常判断装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の異常判断装置であって、
前記制御部は、
前記電圧調整処理から前記判断処理までの経過時間を測定する経過時間測定処理を実行し、
前記判断処理では、前記第2蓄電素子の端子間電圧が前記第1蓄電素子の端子間電圧よりも所定の基準電圧だけ低くなったことに基づいて前記第2蓄電素子を異常と判断するものであって、
前記基準電圧は前記経過時間に応じて設定される蓄電素子の異常判断装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の蓄電素子の異常判断装置であって、
前記第1蓄電素子及び第2蓄電素子は、材料・仕様が同一である同種の蓄電素子である蓄電素子の異常判断装置。 - 請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の異常判断装置であって、
前記制御部は、
前記電圧調整処理から前記判断処理までの経過時間を測定する経過時間測定処理を実行し、
前記電圧調整処理では、前記第2蓄電素子の端子間電圧と前記第1蓄電素子の端子間電圧との電圧差が所定の電圧差となるようにし、
前記判断処理では、前記第2蓄電素子の端子間電圧が前記第1蓄電素子の端子間電圧よりも所定の基準電圧だけ低くなったことに基づいて前記第2蓄電素子を異常と判断するものであって、
前記所定の電圧差と前記基準電圧との合計値は前記経過時間に基づいて設定される、蓄電素子の異常判断装置。 - 請求項6記載の蓄電素子の異常判断装置であって、
前記第1蓄電素子と前記第2蓄電素子とは、複数の蓄電素子が直列に接続されてなる組電池に含まれ、
前記電圧検出部は、前記組電池に含まれる各蓄電素子の電圧を検出し、
前記制御部は、
充電中の前記各蓄電素子の電圧を検出する検出処理と、
充電後の前記各蓄電素子の端子間電圧を当該端子間電圧が最も小さい蓄電素子である最小電圧素子の端子間電圧に均等化する均等化処理と、
前記均等化処理において規定回数連続して特定の蓄電素子が最小電圧素子となったことに応じて当該特定の蓄電素子を前記第2蓄電素子として選定し、残りの蓄電素子から前記第1蓄電素子を選定する選定処理と、
を実行する、蓄電素子の異常判断装置。 - 請求項7記載の蓄電素子の異常判断装置であって、
前記第1蓄電素子と前記第2蓄電素子は、複数の蓄電素子が直列に接続されてなる組電池に含まれ、
前記電圧検出部は、前記組電池に含まれる各蓄電素子の電圧を検出し、
前記制御部は、
前記検出処理では、充電中の前記各蓄電素子の電圧を検出し、
更に、
充電後の前記各蓄電素子の端子間電圧を当該端子間電圧が最も小さい蓄電素子である最小電圧素子の端子間電圧に均等化する均等化処理と、
前記各蓄電素子の前記均等化処理に必要な時間である均等化時間を測定する均等化測定処理と、
前記均等化測定処理において規定回数連続して前記各蓄電素子の均等化時間の平均値が規定均等化時間よりも長くなったことに応じて最小電圧素子を前記第2蓄電素子として選定し、残りの蓄電素子から前記第1蓄電素子を選定する選定処理と、
を実行する、蓄電素子の異常判断装置。
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