JP2016074642A - ジエンの製造方法及び脱水素触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化的脱水素により内部オレフィンから高い収率でジエンを製造することができるジエンの製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の一側面に係るジエンの製造方法は、第1の触媒及び第2の触媒を用いた酸化的脱水素により、内部オレフィンからジエンを生成させる工程を備え、第1の触媒が、ビスマス、モリブテン及び酸素を含む複合酸化物を有し、第2の触媒が、シリカ及び/又はアルミナを含む担体と、担体に担持された元素と、を有し、担体に担持された元素が、周期表第10族元素、周期表第11族元素及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも一種である。【選択図】なし
Description
本発明はジエンの製造方法及び脱水素触媒に関する。
ブタジエン等のジエンは、石油化学工業における基礎原料として極めて有用である。
ジエンは、例えば、脱水素触媒を用いたモノオレフィンの酸化的脱水素により得ることができる。モノオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン等が挙げられる。
従来、モノオレフィンの酸化的脱水素では、金属酸化物を脱水素触媒として用いることが知られている。金属酸化物(脱水素触媒)としては、例えば、フェライトベースの触媒(非特許文献1)、錫ベースの触媒(非特許文献2)、モリブデン酸ビスマスベースの触媒(特許文献1〜3、並びに、非特許文献3及び4)等が知られている。
モノオレフィンの酸化的脱水素は、以下のような経路で進行すると考えられている。まず、原料となるモノオレフィンが、金属酸化物(脱水素触媒)と接触して該金属酸化物(脱水素触媒)に吸着する。次いで、金属酸化物の格子内の酸素が、吸着したモノオレフィンから2つの水素原子を引き抜くことにより、モノオレフィンが脱水素される。その結果、モノオレフィンに対応するジエンと水が生成する。反応後、金属酸化物の格子の酸素空孔には、モノオレフィンと共に供給される分子状酸素が充填される。
J.Catal., 1976,volumne 41, 420.
Petroleum Chemistry U.S.S.R.,1967, 7, 177.
J.Catal., 1976, 41, 134.
Handbook of Heterogeneous Catalysis, 1997, 5, 2302.
しかしながら、上記従来の脱水素触媒(金属酸化物)を用いた内部オレフィンの酸化的脱水素では、十分なジエンの収率が得られない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、酸化的脱水素により内部オレフィンから高い収率でジエンを製造することができるジエンの製造方法、及び当該製造方法において用いられる脱水素触媒を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法は、第1の触媒及び第2の触媒を用いた酸化的脱水素により、内部オレフィンからジエンを生成させる工程を備え、第1の触媒が、ビスマス、モリブテン及び酸素を含む複合酸化物を有し、第2の触媒が、シリカ及び/又はアルミナを含む担体と、担体に担持された元素と、を有し、担体に担持された元素が、周期表第10族元素、周期表第11族元素及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも一種である。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、周期表第10族元素がNi(ニッケル)であり、周期表第11族元素がCu(銅)、Ag(銀)又はAu(金)であり、ランタノイドがLa(ランタン)であってよい。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、周期表第11族元素として、Agが担体に担持されていてよい。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、Agの含有量が、第2の触媒の全質量を基準として、10〜50質量%であってよい。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、担体がゼオライトであってよい。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、ゼオライトがフォージャサイト型ゼオライトであってよい。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、フォージャサイト型ゼオライトが、X型ゼオライトであってよい。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、内部オレフィンが直鎖状不飽和炭化水素であってよい。
本発明の一側面に係るジエンの製造方法においては、内部オレフィンが2−ブテンを含んでいてよい。
本発明の一側面に係る脱水素触媒は、内部オレフィンからジエンを生成させるために用いる脱水素触媒であって、ビスマス、モリブテン及び酸素を含む複合酸化物を有する第1の触媒と、シリカ及び/又はアルミナを含む担体と、担体に担持された元素と、を有する第2の触媒と、を備え、担体に担持された元素が、周期表第10族元素、周期表第11族元素及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも一種である。
本発明の一側面に係る脱水素触媒においては、担体がゼオライトであってよい。
本発明の一側面に係る脱水素触媒においては、ゼオライトがフォージャサイト型ゼオライトであってよい。
本発明は、酸化的脱水素により内部オレフィンから高い収率でジエンを製造することができるジエンの製造方法、及び当該製造方法において用いられる脱水素触媒を提供する。
以下では、本発明の好適な一実施形態について説明する。但し、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではない。
本実施形態に係るジエンの製造方法は、第1の触媒及び第2の触媒を用いた酸化的脱水素により、内部オレフィンからジエンを生成させる工程を備える。ここで、内部オレフィンとは、炭素鎖の内部に二重結合を有するモノオレフィンのことであり、炭素鎖の末端に二重結合を有するモノオレフィン(末端オレフィン)以外のモノオレフィンである。
本実施形態に係るジエンの製造方法によれば、内部オレフィンに対応するジエンを高い収率で得ることができる。つまり、ジエンの収率を向上させることができる。ジエンの収率は、例えば、下記式1で定義されてよい。
rY(%)={(m0−m1)/m0}×(mP/mb)×100 (1)
rYはジエンの収率であり、m0は原料に含まれる内部オレフィンの濃度(質量%)であり、m1は生成ガスに含まれる内部オレフィンの濃度(質量%)であり、mPは生成ガスに含まれるジエンの濃度(質量%)であり、mbは生成ガス中のブテン、ブタンを除いたすべての生成物の濃度(質量%)である。
rY(%)={(m0−m1)/m0}×(mP/mb)×100 (1)
rYはジエンの収率であり、m0は原料に含まれる内部オレフィンの濃度(質量%)であり、m1は生成ガスに含まれる内部オレフィンの濃度(質量%)であり、mPは生成ガスに含まれるジエンの濃度(質量%)であり、mbは生成ガス中のブテン、ブタンを除いたすべての生成物の濃度(質量%)である。
本実施形態においては、第1の触媒及び第2の触媒の両方を用いることによってジエンの収率が向上する。仮に第1の触媒のみを用いた場合、内部オレフィンは、炭素鎖の内部に二重結合を有するため、末端オレフィンに比べて第1の触媒に吸着しにくい。したがって、第1の触媒のみを用いた場合には、内部オレフィンの酸化的脱水素が進行しにくく、ジエンが生成しにくい。本実施形態に係るジエンの製造方法によれば、第1の触媒のみを用いる従来の方法と比べて、内部オレフィンの酸化的脱水素(酸化的脱水素反応)が進行し易く、ジエンの収率が向上する。なお、本実施形態において「内部オレフィンの酸化的脱水素(酸化的脱水素反応)」とは、内部オレフィン自体の酸化的脱水素及び内部オレフィンに由来する末端オレフィン(内部オレフィンの異性体)の酸化的脱水素の両方を意味する。例えば、内部オレフィンである2−ブテンが第1の触媒と接触することにより1,2−ブタジエンが生成し、その1,2−ブタジエンからより安定な1,3−ブタジエンが生成してよい。
内部オレフィンの炭素数は、目的とするジエンの炭素数と同じであってよい。すなわち、内部オレフィンは、生成物として想定されるジエン中に存在する二重結合の一つを水素化した場合に得られるモノオレフィンであってよい。内部オレフィンの炭素数は4〜10であってよく、4〜6であってよい。
内部オレフィンは、直鎖状不飽和炭化水素であってよく、分岐鎖状不飽和炭化水素であってよい。直鎖状不飽和炭化水素は、例えば、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン、2−デセン、3−デセン、4−デセン及び5−デセンからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。分岐鎖状不飽和炭化水素は、例えば、2−メチル−2ブテン、2−メチル−2−ペンテン及び4−メチル−2−ペンテンからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。これらの内部オレフィンは、一種を単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いてもよい。内部オレフィンが、直鎖状不飽和炭化水素である場合、ジエンの収率がより向上し易い。
内部オレフィンは、酸素、窒素、ハロゲン、硫黄等のヘテロ原子を含む置換基を有していてよい。このような置換基は、例えば、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br,−I)、水酸基(−OH)、アルコキシ基(−OR)、カルボキシル基(−COOH)、エステル基(−COOR)、アルデヒド基(−CHO)及びアシル基(−C(=O)R)からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。置換基を有する内部オレフィンを含む原料は、例えば、アルコール類であってよく、エーテル類であってよく、バイオ燃料であってよい。
本実施形態に係るジエンの製造方法においては、内部オレフィンとその他の成分を含む原料を用いてよい。内部オレフィン以外の他の成分は、例えば、飽和炭化水素化合物又は末端オレフィンであってよい。飽和炭化水素化合物は、例えば、n−ブタン又はシクロブタンであってよい。末端オレフィンは、例えば、1−ブテンであってよい。内部オレフィンを含む原料は、本発明の効果を阻害しない範囲で、水素、一酸化炭素、炭酸ガス、メタン、ジエン類等の不純物を含んでいてよい。内部オレフィンのみからなる原料を用いてもよい。
内部オレフィンを含む原料は、例えば、ナフサ熱分解炉で得られるC4留分からブタジエンとイソブテンを分離した後に得られる、ブテン類を含む留分であってよい。また、C5留分からイソプレンとイソペンテンを分離した後に得られるペンテン類を含む留分であってよい。また、流動接触分解装置から得られるC4留分からイソブテンを分離したあとに得られるブテン類を含む留分であってよい。
内部オレフィンに対応するジエンとは、例えば、1,3−ブタジエン、ピペリレン、イソプレン、1,5−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン及び1,9−デカジエンからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。具体的には、内部オレフィンとして2−ブテンを用いた場合には1,3−ブタジエンが得られ易い。なお、2−ブテンとは、トランス−2−ブテン又はシス−2−ブテンを指す。また、内部オレフィンとして2−ペンテンを用いた場合にはピペリレンが得られ易い。また、内部オレフィンとして2−ヘキセン又は3−ヘキセンを用いた場合には1,5−ヘキサジエンが得られ易い。また、本実施形態に係るジエンの製造方法によれば、熱力学的に安定な共役ジエンが得られ易い。
内部オレフィンである2−ブテンから、ジエンである1,3−ブタジエンを製造する場合、特に本発明の効果が顕著である傾向がある。
1,3−ブタジエンは、代表的なジエンであり、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)等の合成ゴムの原料、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂等の原料として利用されている。
1,3−ブタジエンを得る方法としては、従来、ナフサ分解による方法、2−ブテンの直接脱水素反応による方法が知られている。
市場に供給される1,3−ブタジエンの90%はナフサ分解によって供給されている。しかしながら、ナフサ分解では高い反応温度(高いエネルギー消費)が必要となる。また、ナフサ分解は1,3−ブタジエンのみを製造する工程ではないため、ブタジエンの製造のみを目的としてナフサ分解装置の運転条件を最適化することは難しい。また、ブタジエンの製造のみを目的として従来のナフサ分解装置を改良することも困難である。したがって、近年増加しているブタジエンの需要を満たすためには、新しいナフサ分解装置を設置する必要がある。また、新たにナフサ分解装置が設置されたとしても、それに応じて、ブタジエン以外のラフィネート成分が余分に製造されることになり問題である。このような理由から、ナフサ分解において1,3−ブタジエンの収率を向上させることは困難である。
2−ブテンの直接脱水素反応の生成物は1,3−ブタジエンのみであるが、吸熱反応である。したがって、2−ブテンの直接脱水素反応により高収率で1,3−ブタジエンを製造するためには、高温及び低圧で直接脱水素反応を行う必要がある。つまり、2−ブテンの直接脱水素反応は熱力学的に不利である。このような理由から、2−ブテンの直接脱水素反応により1,3−ブタジエンを製造する方法は工業的製造には適さない。
一方、2−ブテンの酸化的脱水素反応は、安定な水を生成させる発熱反応である。したがって、酸化的脱水素反応は、高い反応温度を必要とせず、熱力学的に有利である。したがって、2−ブテンの酸化的脱水素反応は、1,3−ブタジエンを工業的に製造するための有効な代替工程である。1,3−ブタジエンの原料である2−ブテンは、例えばC4混合物に含まれる。C4混合物は、ナフサ分解又は流動接触分解により生産されたC4留分から1,3−ブタジエン及びイソブチレンを分離した後の残留分であり、C4混合物の大部分が2−ブテン、n−ブタン及び1−ブテンからなる。C4混合物は、C4留分から有用な化合物を分離した後の残留分であるため、比較的安価に入手することができる。したがって、安価なC4混合物から付加価値が高い1,3−ブタジエンが得られるという利点がある。
2−ブテンの酸化的脱水素では、反応物として酸素が使用される。従来の脱水素触媒を用いた2−ブテンの酸化的脱水素では、完全酸化反応等の多くの副反応が起こるため、1,3−ブタジエンを高い収率で得ることが困難である。一方、本実施形態に係るジエンの製造方法では、このような副反応を抑制することができ、高い収率及び高い選択率で1,3−ブタジエンを製造することができる。
本実施形態に係る第1の触媒は、ビスマス(Bi)、モリブテン(Mo)及び酸素を含有する複合酸化物を含む。
複合酸化物の組成は、特に限定されない。複合酸化物は、ビスマス、モリブテン及び酸素のみからなるものであってよい。複合酸化物はビスマス、モリブテン及び酸素に加えて、その他の成分を含むものであってよい。その他の成分は、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、タリウム(Tl)、ホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。
複合酸化物を調製する方法は、特に限定されない。例えば、複合酸化物を構成する各元素の供給源を水系内で一体化して混合物を調製し、得られた混合物を焼成することによって、複合酸化物を得ることができる。なお、上記各元素の供給源の種類及び量を調整することにより、目的の組成を有する複合酸化物を得ることができる。
各元素の供給源は、例えば、酸化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、水素酸(例えば、塩化白金酸(H2PtCl6))、アセチルアセトナート及びアルコキシドからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。
第1の触媒は、ビスマス、モリブテン及び酸素を含有する複合酸化物のみからなるものであってよい。第1の触媒は、複合酸化物以外の成分を含んでよい。また、第1の触媒は、後述する成形工程における成形性を向上させる観点から、触媒の物性及び触媒性能を損なわない範囲において、成形助剤を含有してよい。成形助剤は、例えば、増粘剤、界面活性剤、保水剤、可塑剤及びバインダー原料からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。
本実施形態に係る第2の触媒は、シリカ及び/又はアルミナを含む担体と、担体に担持された元素(以下、場合により「担持元素」という。)と、を有する。シリカ及び/又はアルミナを含む担体は、特に制限されないが、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、活性白土、珪藻土及びカオリンからなる群より選択される一種又は複数種であってよい。
担体は、ゼオライトのみからなっていてよい。ゼオライトと総称される結晶性アルミノケイ酸塩は、一つの結晶内に分子サイズの微空間(ナノスペース)を有している。また、その結晶構造により分類され、LTA(A型)、MFI(ZSM−5型)、MOR、FER、FAU(X型、Y型)といった数多くの種類のゼオライトが存在する。
ゼオライトは、フォージャサイト型ゼオライトであってよい。フォージャサイト型ゼオライトは、IUPAC勧告に従った骨格構造タイプにおいて、FAU構造で表されるゼオライトである。本実施形態に係るジエンの製造方法では、第2の触媒がフォージャサイト型ゼオライトを含む担体を有することにより、ジエンの収率が向上する。この原因は、明らかではないが、本発明者らは、多量の担持元素(活性金属)がフォージャサイト型ゼオライトにおいて高分散しているため、と考えている。
フォージャサイト型ゼオライトにおけるシリカアルミナ比については特に制限はないが、2.0〜15.0であってよく、2.0〜5.2であってよく、2.0〜2.5であってよい。シリカアルミナ比がこのような範囲にある場合、ジエンの収率が向上し易い傾向がある。ここで、シリカアルミナ比とは、ゼオライトを構成するSiO2のモル数([SiO2])と、ゼオライトを構成するAl2O3のモル数([Al2O3])との比([SiO2]/[Al2O3])である。
フォージャサイト型ゼオライトは、例えば、X型ゼオライト、Y型ゼオライト及びUSY型ゼオライトからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。フォージャサイト型ゼオライトは、H型、NH4型、Na型、Li型、K型、Rb型、Cs型、Fr型、Be型、Mg型、Ca型、Sr型、Ba型及びRa型からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。これらのフォージャサイト型ゼオライトのうちいかなるタイプのものも使用することができる。フォージャサイト型ゼオライトは、例えば、HY型ゼオライト、NH4Y型ゼオライト、NaY型ゼオライト、LiY型ゼオライト、KY型ゼオライト、RbY型ゼオライト、CsY型ゼオライト、FrY型ゼオライト、BeY型ゼオライト、MgY型ゼオライト、CaY型ゼオライト、SrY型ゼオライト、BaY型ゼオライト、RaY型ゼオライト、HX型ゼオライト、NH4X型ゼオライト、NaX型ゼオライト、LiX型ゼオライト、KX型ゼオライト、RbX型ゼオライト、CsX型ゼオライト、FrX型ゼオライト、BeX型ゼオライト、MgX型ゼオライト、CaX型ゼオライト、SrX型ゼオライト、BaX型ゼオライト、及びRaX型ゼオライトからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。これらのフォージャサイト型ゼオライトのうちいかなるタイプのものも使用することができる。このようなフォージャサイト型ゼオライトは、例えば、フォージャサイト型ゼオライトが含有する金属元素(カチオン)のイオン交換により調製することができる。本実施形態においては、担体がX型ゼオライトを含むことにより、ジエンの収率が向上し易い傾向がある。X型ゼオライトのイオン交換サイトは比較的多いため、X型ゼオライトの単位体積当たりの担持元素量(例えば、Ag量)を多くできる。したがって、X型ゼオライトを用いた場合、より高いジエンの収率が得られると本発明者は推測している。本実施形態に係る第2の触媒においては、フォージャサイト型ゼオライトが有するカチオン(H+、NH4 +、Na+、Li+、K+、Rb+、Cs+、Fr+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+等)の一部又は全部が担持元素によって置換されていてよい。
第2触媒が有する担体は、フォージャサイト型ゼオライトを含んでいてよい。第2触媒が有する担体は、フォージャサイト型ゼオライトのみからなるものであってよい。担体は、フォージャサイト型ゼオライトに加えて、他の成分を含むものであってよい。他の成分は、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、活性炭及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。
本実施形態に係るジエンの製造方法においては、第2の触媒を調製するにあたり、上述したフォージャサイト型ゼオライトを一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態において、担持元素は、周期表第10族元素、周期表第11族元素及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも一種の元素である。ここで周期表とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表をいう。
周期表第10族元素は、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)及び白金(Pt)からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。周期表第11族元素は、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)及び金(Au)からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。ランタノイドは、例えば、ランタン(La)又はセリウム(Ce)であってよい。担体に担持される元素は、これらの元素の組み合わせであってよい。担体に担持される元素は、Agであることが好ましい。Agが担体に担持されている場合、ジエンの収率及びジエンの選択率が向上し易い傾向がある。
第2の触媒における、担持元素の含有量は、第2の触媒の全質量基準で、5〜50質量%であってよい。含有量が5質量%以上である場合、ジエンの収率が向上し易い傾向がある。含有量が50質量%より多い場合、触媒上に担持元素を十分に分散させ難くなる。なお、第2の触媒における担持元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP発光分光分析法)により求めることができる。
第2の触媒がAgを含む場合、Agの含有量は、第2の触媒の全質量基準で、10〜50質量%であってよく、15〜50質量%であってよく、20〜50質量%であってよい。含有量が10質量%以上である場合、ジエンの収率が向上し易い傾向がある。含有量が50質量%より多い場合、触媒上にAgを十分に分散させ難くなる。
担体に上記特定の元素を担持する方法は、特に限定されない。例えば、含浸法、沈着法、共沈法、混練法、イオン交換法、ポアフィリング法であってよい。イオン交換法によれば、均一で高分散に周期表第10族元素を担体に担持できる。
イオン交換の方法は、特に制限されない。例えば、担体に担持される元素がカチオンとして水に溶解した水溶液に、フォージャサイト型ゼオライトを加えることによりイオン交換を行うことができる。イオン交換は、上記水溶液を撹拌しながら行ってよい。イオン交換時の水溶液の温度は、0〜90℃であってよく、20〜70℃であってよい。イオン交換の時間は1時間又は数時間程度であってよい。イオン交換後は、固形分をろ過等の手段により分離してよく、更に水等で洗浄してよい。その後、固形分を乾燥してもよい。乾燥温度は、50〜200℃であってよく、80〜150℃であってよい。イオン交換は繰り返し行ってもよい。
担体に担持される元素がカチオンとして水に溶解した水溶液は、例えば、該元素の供給源を水に溶解させることにより調製することができる。元素の供給源は、例えば、酸化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、水素酸、アセチルアセトナート及びアルコキシドからなる群より選択される少なくとも一種であってよい。元素の供給源は、硝酸塩であることが好ましい。このようにして得られる水溶液の濃度を調整することにより、第2の触媒における担持元素の含有量を調整することができる。例えば、Agがカチオンとして水に溶解した水溶液の濃度は、0.01〜10モル%であってよく、0.1〜5モル%であってよい。
必要であれば、イオン交換によって得た固形分を焼成してもよい。焼成は、一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。焼成温度は、担体に担持される元素を含む塩を分解可能な温度であれば特に限定されない。一段階で焼成を行う場合、焼成温度は、例えば、200〜600℃であってよく、250〜400℃であってよい。焼成時間は1〜10時間であってよい。
二段階で焼成を行う場合、一段階目の焼成温度は、例えば、80〜150℃であってよく、一段階目の焼成時間は0.5〜5時間であってよい。二段階目の焼成温度は400〜600℃であってよく、二段階目の焼成時間は1〜10時間であってよい。イオン交換後の担体は水分を多量に含む場合があるが、二段階で焼成を行うことにより、水分が急激に蒸発することによる担体の崩壊を抑制できる傾向がある。
焼成は、通常、空気の流通下で行えばよいが、焼成時の雰囲気は、空還元性ガスを含有しない気体雰囲気であれば、特に制限されない。
第2の触媒は、周期表第10族元素、周期表第11族元素及びランタノイド以外の元素を含有してもよい。
第2の触媒は、後述する成形工程における成形性を向上させる観点から、触媒の物性及び触媒性能を損なわない範囲において、成形助剤を含有してよい。成形助剤は、例えば、増粘剤、界面活性剤、保水剤、可塑剤及びバインダー原料からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。
第1の触媒及び第2の触媒は押出成形法、打錠成型法等の方法によって成形されていてもよい。
成形工程は、上記成形助剤の反応性を考慮して、上記第2の触媒の製造工程の適切な段階で行ってよい。
第1の触媒及び第2の触媒の形状は、特に限定されるものではなく、触媒を使用する形態により適宜選択することができる。例えば、ペレット状、顆粒状、ハニカム状、スポンジ状等の形状であってよい。
本願実施形態に係る脱水素触媒は、上記第1の触媒及び第2の触媒を備える。脱水素触媒中における第1の触媒の体積と第2の触媒の体積との比(第1の触媒の体積/第2の触媒の体積)は、1.5〜20であってよい。体積比が上記範囲であれば、ジエンの収率が向上し易い傾向がある。
本願実施形態に係るジエンの製造方法では、第1の触媒及び第2の触媒を充填した反応器を用いて、内部オレフィンの酸化的脱水素(酸化的脱水素反応)によりジエンを生成させてよい。
酸化的脱水素反応の反応形式は、特に限定されず、公知の形式であってよい。例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。固定床式により酸化的脱水素反応を行う場合、プロセス設計が容易となる。
反応器には、第1の触媒及び第2の触媒と共に、反応活性を調整するためのイナートボールが充填されていてよい。イナートボールとしては、アルミナ、ジルコニア等のセラミックの球状体が用いられる。イナートボールは通常、触媒と同等の大きさであり、その平均粒子径は1〜10mm程度である。
酸化的脱水素反応は、気相反応であってよい。つまり、内部オレフィンを含むガス状の原料(原料ガス)を第1の触媒及び第2の触媒と接触させて内部オレフィンの酸化的脱水素を行ってよい。具体的には、まず、内部オレフィンを含む原料を、気化器等を用いてガス化して原料ガスとする。次に、原料ガスと分子状酸素含有ガスを予熱器で150〜250℃程度に加熱した後、これらのガスを反応器に供給する。つまり、分子状酸素含有ガスの存在下で内部オレフィンの酸化的脱水素を行ってよい。原料ガス及び分子状酸素含有ガスは、混合した状態、すなわち混合ガスの状態で予熱してから反応器に供給してよい。原料ガス及び分子状酸素含有ガスは、それぞれ別々に予熱した後、別々の配管を用いて反応器に供給してもよい。原料ガス及び分子状酸素含有ガスを混合した状態で予熱してから反応器へ供給する場合、それぞれのガスが均一に混合した状態となる。そのため、不均一な混合ガスが反応器内で爆鳴気を形成する現象、及び、多管式反応器で管毎に異なる組成の原料が供給されるという事態が起こりにくい。
原料ガス及び分子状酸素含有ガスの反応器への供給と同時に、窒素ガス、及び水(水蒸気)を反応器へ供給してもよい。窒素ガス及び水(水蒸気)の供給量を調整することにより、反応器に供給されるガス(反応ガス)中の、原料ガス等の可燃性ガス及び分子状酸素の濃度を調整できる。この方法により、反応器内での爆鳴気の形成を容易に抑制できる。また、水(水蒸気)を反応器に供給することによって触媒のコーキングが抑制され易くなる。窒素ガス、及び水(水蒸気)は、原料ガスを予熱する前に原料ガス及び分子状酸素含有ガスと混合してよい。窒素ガス、及び水(水蒸気)は、それぞれ別々に予熱した後、別々の配管を用いて直接反応器に供給してもよい。
本実施形態に係るジエンの製造方法においては、反応器入口における反応ガスの組成が爆発範囲に入らないように、反応ガスの組成を制御してよい。反応ガスの組成の制御は、反応ガスに含まれる各々のガスの流量を監視しながら行えばよい。各々のガスの流量は、例えば、各々のガスを供給する配管に流量計を設置することによっての監視できる。なお、ここでいう爆発範囲とは、酸素(分子状酸素)と可燃性ガス(原料ガス)の混合ガスが何らかの着火源の存在下で着火するような、混合ガスの組成の範囲のことである。また、混合ガスが着火することになる、可燃性ガスの最高濃度を爆発上限界といい、最低濃度を爆発下限界という。言い換えれば、混合ガス中の可燃性ガスの濃度が爆発上限界以上又は爆発下限界以下であれば、混合ガスは着火しない。また、爆発上限界と爆発下限界の値が一致する時の酸素濃度を限界酸素濃度という。酸素濃度が限界酸素濃度よりも低ければ、可燃性ガスの濃度によらず混合ガスは着火しない。
本実施形態に係るジエンの製造方法では、反応器入口における反応ガスの組成及び反応条件を調整することによって、反応器出口における生成物(生成ガス)の組成が爆発範囲に入らないようにしてよい。また、反応器入口における反応ガスの組成及び反応条件を調整することによって、生成ガス中の酸素濃度が限界酸素濃度未満になるようにしてよい。具体的には、反応ガス中の酸素濃度が11体積%以下になるように酸素流量を調整すればよい。反応ガス中の酸素濃度は反応器の入口に酸素濃度計を設置して測定すればよい。
本実施形態に係るジエンの製造方法では、反応ガスの供給開始時には、反応ガス中の酸素濃度が限界酸素濃度未満になるように反応ガスの組成を調整してよい。また、反応の経過と共に、原料ガス及び分子状酸素含有ガスの供給量を増やして、反応ガス中の原料ガス濃度が爆発上限界よりも濃くなるように反応ガスの組成を調整してよい。
反応器内の温度、すなわち、反応温度は、特に限定されない。例えば、280〜400℃であってよい。このように、内部オレフィンの酸化的脱水素は発熱反応であるため、高い反応温度を必要としない。反応温度が280℃以上であれば、内部オレフィンの平衡転化率が低くなりすぎないため、十分なジエンの収率が得られる傾向がある。反応温度が400℃以下であれば、コーキング速度が大きくなりすぎないため、触媒の高い触媒活性が長期にわたって維持される傾向がある。
反応器内の圧力、すなわち、反応器の気圧は、特に限定されない。例えば、0MPaG以上であってよく、0.02MPaG以上であってよく、0.05MPaG以上であってよい。反応器の気圧が大きくなるほど、反応器に供給できる反応ガスの量が多くなる。また、反応器の気圧は、例えば、0.5MPaG以下であってよく、0.3MPaG以下であってよく、0.1MPaGであってよい。反応器の気圧が小さくなるほど、爆発範囲が狭くなる傾向にある。
酸化的脱水素反応における重量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、0.01〜50h−1であってよく、0.05〜10h−1であってよい。ここで、WHSVとは、連続式の反応装置における、内部オレフィンを含む原料(原料ガス)の供給速度(供給量/時間)に対する触媒重量(触媒質量)の比(触媒質量/供給速度)である。WHSVが50h−1以下である場合、原料ガスに含まれる内部オレフィンと脱水素触媒の接触時間が十分に確保でき、酸化的脱水素反応が進行し易い。WHSVが0.01h−1以上である場合、炭化水素化合物の分解が過度に進行することがなく、ジエンの製造効率が向上し易くなる。なお、内部オレフィン及び脱水素触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素の含有量は、10体積%以上であってよく、15体積%以上であってよく、20体積%以上であってよい。なお、分子状酸素含有ガスを工業的に用意するために必要なコストの観点から、分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素の含有量は50体積%以下であってよく、30体積%以下であってよく、1体積%以下であってよい。
分子状酸素含有ガスは、本発明の効果を阻害しない範囲で、任意の不純物を含んでいてよい。このような不純物は、例えば、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、一酸化炭素、二酸化炭素、水であってよい。分子状酸素含有ガスは、例えば、空気であってよい。分子状酸素含有ガスにおける窒素の含有量は、90体積%以下であってよく、85体積%以下であってよく、80体積%以下であってよい。窒素以外の不純物の含有量は、10体積%以下であってよく、1体積%以下であってよい。これらの不純物の含有量が多すぎる場合、反応に必要な量の分子状酸素を供給することが難しくなる傾向にある。
本実施形態に係るジエンの製造方法は、本発明の効果を阻害しない限り、原料ガス、分子状酸素含有ガス、窒素ガス、水(水蒸気)及び脱水素触媒以外の成分の存在下実施されてよい。原料ガス、分子状酸素含有ガス、窒素ガス、水(水蒸気)及び脱水素触媒以外の成分は、例えば、メタン、水素、二酸化炭素であってよい。
生成物ガス中には、目的のジエン以外の成分が含まれていてよい。目的のジエン以外の成分は、例えば、反応原料、脱水素触媒、原料に含まれていた不純物、反応により生成した副生成物であってよい。反応により生成した副生成物は、例えば、水、含酸素化合物、軽質オレフィン、オレフィン重合物であってよい。含酸素化合物は、例えば、一酸化炭素又は二酸化炭素であってよい。軽質オレフィンは、例えば、エチレン又はプロピレンであってよい。これらの不純物は、公知の方法によって生成物から分離してよい。
以上説明したように、本実施形態に係るジエンの製造方法によれば、従来型のビスマス及びモリブテンを含有する触媒を用いた場合と比較して、より高い収率ジエンを得ることができる。また、本実施形態に係る脱水素触媒は、従来型の脱水素触媒よりも、高い触媒活性を有する。このように、本実施形態に係るジエンの製造方法及び本実施形態に係る脱水素触媒は、内部オレフィンからジエンを工業的に製造する場合に、非常に有用である。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<合成例1>
パラモリブデン酸アンモニウム54gを純水250mlに加え、70℃に加温して溶解させて溶液Aを得た。次に、硝酸第二鉄7.18g、硝酸コバルト31.8g及び硝酸ニッケル31.8gを純水60mlに加え、70℃に加温して溶解させて溶液Bを得た。溶液Aを充分に撹拌しながら、溶液Aに対して溶液Bを徐々に加えて、溶液A及び溶液Bの混合溶液を得た。次に、得られた混合溶液にシリカ64gを加えて、充分に撹拌しスラリーAを得た。このスラリーAを75℃で5時間保持した。その後、このスラリーAを加熱乾燥した後、空気雰囲気下、300℃で1時間加熱して、第1の粒状固体(触媒前駆体)を得た。第1の粒状固体の灼熱減量は1.4質量%であった。
パラモリブデン酸アンモニウム54gを純水250mlに加え、70℃に加温して溶解させて溶液Aを得た。次に、硝酸第二鉄7.18g、硝酸コバルト31.8g及び硝酸ニッケル31.8gを純水60mlに加え、70℃に加温して溶解させて溶液Bを得た。溶液Aを充分に撹拌しながら、溶液Aに対して溶液Bを徐々に加えて、溶液A及び溶液Bの混合溶液を得た。次に、得られた混合溶液にシリカ64gを加えて、充分に撹拌しスラリーAを得た。このスラリーAを75℃で5時間保持した。その後、このスラリーAを加熱乾燥した後、空気雰囲気下、300℃で1時間加熱して、第1の粒状固体(触媒前駆体)を得た。第1の粒状固体の灼熱減量は1.4質量%であった。
パラモリブデン酸アンモニウム40.1g、純水150ml及びアンモニア水10mlを混合して溶液Cを得た。上記第1の粒状固体を粉砕し、溶液Cに分散させてスラリーBを得た。次に、25℃の加温下、純水40mlにホウ砂0.85g及び硝酸カリウム0.36gを加えて溶解させ、溶液Dを得た。得られた溶液Dに上記スラリーBを加え、更に、Naを0.45質量%固溶させた次炭酸ビスマス58.1gを加えて、撹拌混合し、スラリーCを得た。このスラリーCを130℃で12時間加熱乾燥して第2の粒状固体を得た。小型成型機を用いて第2の粒状固体を打錠成型し、錠剤を得た。錠剤の径は5mmであり、高さは4mmであった。錠剤を500℃で4時間焼成し、複合酸化物からなる第1の触媒(触媒A)を得た。仕込み原料から計算した触媒Aの原子比は、下記の通りである。触媒Aの原子比から算出した触媒A中のニッケルの含有量を表1に示す。
(原子比)
Mo:Bi:Co:Ni:Fe:Na:B:K:Si
=12:5:2.5:2.5:0.4:0.35:0.2:0.08:24
(原子比)
Mo:Bi:Co:Ni:Fe:Na:B:K:Si
=12:5:2.5:2.5:0.4:0.35:0.2:0.08:24
<合成例2>
硝酸銀30gに対して蒸留水600mlを添加し、硝酸銀水溶液を調製した。次に、硝酸銀水溶液を撹拌しながら、硝酸銀水溶液にNaX型ゼオライト成型体(東ソー社製、シリカアルミナ比=2.5)50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させて第2の触媒(触媒B)を得た。触媒B(第2の触媒)中の銀の含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。分析結果を表1に示す。
硝酸銀30gに対して蒸留水600mlを添加し、硝酸銀水溶液を調製した。次に、硝酸銀水溶液を撹拌しながら、硝酸銀水溶液にNaX型ゼオライト成型体(東ソー社製、シリカアルミナ比=2.5)50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させて第2の触媒(触媒B)を得た。触媒B(第2の触媒)中の銀の含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。分析結果を表1に示す。
<合成例3>
硝酸ニッケル6水和物10gに対し蒸留水600mlを添加し、硝酸ニッケル水溶液を調製した。次に、硝酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸ニッケル水溶液にNaX型ゼオライト成型体50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸ニッケルが残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させて触媒Cを得た。触媒Cは、触媒Bとは異なる第2の触媒である。触媒C(第2の触媒)中のニッケルの含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。分析結果を表1に示す。
硝酸ニッケル6水和物10gに対し蒸留水600mlを添加し、硝酸ニッケル水溶液を調製した。次に、硝酸ニッケル水溶液を撹拌しながら、硝酸ニッケル水溶液にNaX型ゼオライト成型体50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸ニッケルが残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させて触媒Cを得た。触媒Cは、触媒Bとは異なる第2の触媒である。触媒C(第2の触媒)中のニッケルの含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。分析結果を表1に示す。
<合成例4>
硝酸銀30gに対して蒸留水600mlを添加し、硝酸銀水溶液を調製した。次に、硝酸銀水溶液を撹拌しながら、硝酸銀水溶液にNaX型ゼオライト成型体(東ソー社製、シリカアルミナ比=2.5)50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させた。乾燥後、前記イオン交換を繰り返した後、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄し、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させ、第2の触媒(触媒D)を得た。触媒D(第2の触媒)中の銀の含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。分析結果を表1に示す。
硝酸銀30gに対して蒸留水600mlを添加し、硝酸銀水溶液を調製した。次に、硝酸銀水溶液を撹拌しながら、硝酸銀水溶液にNaX型ゼオライト成型体(東ソー社製、シリカアルミナ比=2.5)50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させた。乾燥後、前記イオン交換を繰り返した後、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄し、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させ、第2の触媒(触媒D)を得た。触媒D(第2の触媒)中の銀の含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。分析結果を表1に示す。
<合成例5>
硝酸銀20gに対して蒸留水600mlを添加し、硝酸銀水溶液を調製した。次に、硝酸銀水溶液を撹拌しながら、硝酸銀水溶液にNaY型ゼオライト粉体(東ソー社製、シリカアルミナ比=5.5)50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させた。乾燥後、得られた粉末状のゼオライト30gと、アルミナバインダー5gとを混合し混合物とした。混合物を1mmφにて押出成形して第2の触媒(触媒E)を得た。触媒E(第2の触媒)中の銀の含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。
硝酸銀20gに対して蒸留水600mlを添加し、硝酸銀水溶液を調製した。次に、硝酸銀水溶液を撹拌しながら、硝酸銀水溶液にNaY型ゼオライト粉体(東ソー社製、シリカアルミナ比=5.5)50gを徐々に加えることにより、ゼオライトのイオン交換を行った。イオン交換後のゼオライトを、硝酸銀が残らないように蒸留水で洗浄した後、180℃の乾燥機中で一晩乾燥させた。乾燥後、得られた粉末状のゼオライト30gと、アルミナバインダー5gとを混合し混合物とした。混合物を1mmφにて押出成形して第2の触媒(触媒E)を得た。触媒E(第2の触媒)中の銀の含有量は、ICP発光分光分析法により求めた。
(実施例1)
触媒A(第1の触媒)及び触媒B(第2の触媒)を混合して、実施例1の脱水素触媒Fを調製した。脱水素触媒Fにおける触媒Aと触媒Bの体積比(触媒Aの体積:触媒Bの体積)は9:1であった。脱水素触媒F17ccを管型反応器(SUS製チューブ)に充填した。管型反応器の内径は14mmであり、全長は60cmであった。続いて、脱水素触媒Fの上下部にアルミナボールを充填した。アルミナボールの平均粒子径は1mmであった。この反応器を流通反応装置に接続した後、電気炉を用いて反応器内の温度を330℃まで昇温させた。内部オレフィンを含む原料(原料ガス)、空気及び水(スチーム)を昇温後の反応器へ供給した。以上の手順で、内部オレフィンの酸化的脱水素を行った。なお、原料ガスは、73質量%の2−ブテンと、27質量%のn−ブタンを含むものであった。また、原料ガス、空気及び水(スチーム)の反応器への流入速度は、それぞれ下記の通りであった。
原料ガスの流入速度:2.16g/h
空気の流入速度:60cc/min
水(スチーム)の流入速度:1.5g/h
触媒A(第1の触媒)及び触媒B(第2の触媒)を混合して、実施例1の脱水素触媒Fを調製した。脱水素触媒Fにおける触媒Aと触媒Bの体積比(触媒Aの体積:触媒Bの体積)は9:1であった。脱水素触媒F17ccを管型反応器(SUS製チューブ)に充填した。管型反応器の内径は14mmであり、全長は60cmであった。続いて、脱水素触媒Fの上下部にアルミナボールを充填した。アルミナボールの平均粒子径は1mmであった。この反応器を流通反応装置に接続した後、電気炉を用いて反応器内の温度を330℃まで昇温させた。内部オレフィンを含む原料(原料ガス)、空気及び水(スチーム)を昇温後の反応器へ供給した。以上の手順で、内部オレフィンの酸化的脱水素を行った。なお、原料ガスは、73質量%の2−ブテンと、27質量%のn−ブタンを含むものであった。また、原料ガス、空気及び水(スチーム)の反応器への流入速度は、それぞれ下記の通りであった。
原料ガスの流入速度:2.16g/h
空気の流入速度:60cc/min
水(スチーム)の流入速度:1.5g/h
反応開始時間から120分が経過した時点で、脱水素反応の生成物(生成ガス)をサンプリングした。なお、原料ガスの供給が開始された時間を反応開始時間(0分)とした。サンプリングした生成ガスを水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ及び熱伝導度検出器を備えたガスクロマトグラフを用いて分析した。
上記ガスクロマトグラフに基づく絶対検量線法により、生成ガス中のノルマルブテンの濃度及びブタジエンの濃度を定量した。次に、定量されたノルマルブテンの濃度及びブタジエンの濃度に基づき、2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を算出した。算出結果を表1に示す。なお、2−ブテンの転化率は下記式2によって定義される。ブタジエンの選択率は下記式3によって定義される。ブタジエンの収率は下記式4によって定義される。
RC(%)=(M0−M1)/M0×100 (2)
RCは2−ブテンの転化率であり、M0は原料ガス中の2−ブテンの濃度(質量%)であり、M1は生成ガス中のノルマルブテンの濃度(質量%)である。
RS(%)=(MP/Mb)×100 (3)
RSはブタジエンの選択率であり、MPは生成ガス中のブタジエンの濃度(質量%)である。Mbは生成ガス中のブテン、ブタンを除いたすべての生成物の濃度(質量%)である。
RY(%)=RC×RS÷100 (4)
RYはブタジエンの収率である。
RC(%)=(M0−M1)/M0×100 (2)
RCは2−ブテンの転化率であり、M0は原料ガス中の2−ブテンの濃度(質量%)であり、M1は生成ガス中のノルマルブテンの濃度(質量%)である。
RS(%)=(MP/Mb)×100 (3)
RSはブタジエンの選択率であり、MPは生成ガス中のブタジエンの濃度(質量%)である。Mbは生成ガス中のブテン、ブタンを除いたすべての生成物の濃度(質量%)である。
RY(%)=RC×RS÷100 (4)
RYはブタジエンの収率である。
(実施例2)
触媒A(第1の触媒)及び触媒C(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Gを調製した。脱水素触媒Gにおける触媒Aと触媒Cの体積比(触媒Aの体積:触媒Cの体積)は9:1であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例2における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
触媒A(第1の触媒)及び触媒C(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Gを調製した。脱水素触媒Gにおける触媒Aと触媒Cの体積比(触媒Aの体積:触媒Cの体積)は9:1であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例2における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
(実施例3)
触媒A(第1の触媒)及び触媒D(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Hを調製した。脱水素触媒Hにおける触媒Aと触媒Dの体積比(触媒Aの体積:触媒Dの体積)は9:1であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Hを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例3における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
触媒A(第1の触媒)及び触媒D(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Hを調製した。脱水素触媒Hにおける触媒Aと触媒Dの体積比(触媒Aの体積:触媒Dの体積)は9:1であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Hを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例3における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
(実施例4)
触媒A(第1の触媒)及び触媒D(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Iを調製した。脱水素触媒Iにおける触媒Aと触媒Dの体積比(触媒Aの体積:触媒Dの体積)は8:2であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Iを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例4における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
触媒A(第1の触媒)及び触媒D(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Iを調製した。脱水素触媒Iにおける触媒Aと触媒Dの体積比(触媒Aの体積:触媒Dの体積)は8:2であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Iを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例4における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
(実施例5)
触媒A(第1の触媒)及び触媒E(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Jを調製した。脱水素触媒Jにおける触媒Aと触媒Eの体積比(触媒Aの体積:触媒Eの体積)は9:1であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Jを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例5における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
触媒A(第1の触媒)及び触媒E(第2の触媒)を混合し脱水素触媒Jを調製した。脱水素触媒Jにおける触媒Aと触媒Eの体積比(触媒Aの体積:触媒Eの体積)は9:1であった。脱水素触媒Fの代わりに脱水素触媒Jを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、実施例5における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。反応結果を表1に示す。
(比較例1)
脱水素触媒Fのかわりに触媒A(第1の触媒)のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、比較例1における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。結果を表1に示す。
脱水素触媒Fのかわりに触媒A(第1の触媒)のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の酸化的脱水素を行った。また、実施例1と同様の方法により、比較例1における2−ブテンの転化率、ブタジエンの選択率及びブタジエンの収率を求めた。結果を表1に示す。
Claims (12)
- 第1の触媒及び第2の触媒を用いた酸化的脱水素により、内部オレフィンからジエンを生成させる工程を備え、
前記第1の触媒が、ビスマス、モリブテン及び酸素を含む複合酸化物を有し、
前記第2の触媒が、シリカ及び/又はアルミナを含む担体と、前記担体に担持された元素と、を有し、
前記担体に担持された元素が、周期表第10族元素、周期表第11族元素及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも一種である、
ジエンの製造方法。 - 前記周期表第10族元素がNiであり、前記周期表第11族元素がCu、Ag又はAuであり、前記ランタノイドがLaである、
請求項1に記載のジエンの製造方法。 - 前記周期表第11族元素として、Agが前記担体に担持されている、
請求項1又は2に記載のジエンの製造方法。 - 前記Agの含有量が、前記第2の触媒の全質量を基準として、10〜50質量%である、
請求項3に記載のジエンの製造方法。 - 前記担体が、ゼオライトである、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のジエンの製造方法。 - 前記ゼオライトが、フォージャサイト型ゼオライトである、
請求項5に記載のジエンの製造方法。 - 前記フォージャサイト型ゼオライトが、X型ゼオライトである、
請求項6に記載のジエンの製造方法。 - 前記内部オレフィンが直鎖状不飽和炭化水素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のジエンの製造方法。
- 前記内部オレフィンが2−ブテンを含む、
請求項1〜8のいずれか一項に記載のジエンの製造方法。 - 内部オレフィンからジエンを生成させるために用いる脱水素触媒であって、
ビスマス、モリブテン及び酸素を含む複合酸化物を有する第1の触媒と、
シリカ及び/又はアルミナを含む担体と、前記担体に担持された元素と、を有する第2の触媒と、
を備え、
前記担体に担持された元素が、周期表第10族元素、周期表第11族元素及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも一種である、
脱水素触媒。 - 前記担体が、ゼオライトである、
請求項10に記載の脱水素触媒。 - 前記ゼオライトが、フォージャサイト型ゼオライトである、
請求項11に記載の脱水素触媒。
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