JP2016074068A - スライス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤーソー装置で結晶インゴットをスライスする際の切断面の凸凹やうねりの発生を抑制すると共に、ウエーハの製造工程を短縮すること。【解決手段】被加工物(W)をスライスするスライス方法は、ワイヤーソー装置(1)のワイヤー(11)で被加工物を切込むことで加工溝を形成する溝形成工程と、結晶インゴットを冷却手段(27)により冷却し、溝形成工程で形成された加工溝(28)に水噴射ノズル(23)から水を吹きかけて加工溝内に浸入させ、加工溝内の水(D)を氷結させる氷結工程とを備える構成にした。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体用の結晶インゴットをワイヤーソー装置で薄くスライスするスライス方法に関する。
半導体用の結晶インゴットをワイヤーソー装置でスライスすると、スライスされたウエーハの切断面には凸凹やうねりが形成される。この凸凹やうねりを除去するために、スライス後のウエーハの表面を研削、ラッピング、研磨してウエーハの表面を平坦化する加工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の加工方法では、ウエーハの表面を加工する加工手段の送り速度が、例えば、1分間に数μmと非常に遅く、ウエーハの表面を平坦化するまでに時間を要していた。このため、スライス加工の段階で、ウエーハの切断面に形成される凸凹やうねりは小さいことが好ましい。
そこで、ワイヤーソーでスライスしたウエーハの切断面を化学エッチングする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の方法では、スライス後のウエーハを酸性溶液やアルカリ性溶液等の薬液内に浸漬させることにより、ウエーハの切断面が平坦化される。
特開平11−111653号公報 特開2006−278701号公報
特許文献2の方法によれば、スライス後のウエーハの切断面に形成された凸凹やうねりが除去されるものの、スライス加工によって切断面に凸凹やうねりが形成されるという問題を根本的に解決することはできなかった。また、スライス加工後に化学エッチングするための工程が必要となり、結果としてウエーハの製造工程に時間を要するという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ワイヤーソー装置で結晶インゴットをスライスする際の切断面の凸凹やうねりの発生を抑制すると共に、ウエーハの製造工程に要する時間を短縮することができるスライス方法を提供することを目的とする。
本発明のスライス方法は、ワイヤーソー装置で結晶インゴットをスライスするスライス方法であって、ワイヤーソー装置のワイヤーを結晶インゴットに切込ませ溝を形成する溝形成工程と、結晶インゴットを冷却手段により冷却させ、溝形成工程で形成された溝にノズルから水または水滴もしくは噴霧を吹きかけ溝に浸入させ氷結させる氷結工程と、からなることを特徴とする。
この構成によれば、結晶インゴットに形成された溝を氷で埋めながら、結晶インゴットがスライスされる。溝に氷が埋められることでスライス途中の結晶インゴット(ウエーハ)が安定するため、スライス途中の結晶インゴット(ウエーハ)のばたつきが防止される。よって、切断面の凸凹やうねりの発生を抑制することができる。この結果、スライス後のウエーハを平坦化するのに要する時間を低減することができ、ウエーハの製造工程に要する時間を短縮することができる。
本発明の上記スライス方法において、氷結工程は、過冷却水をノズルから溝に吹きかけ過冷却水を氷結させる。
本発明によれば、結晶インゴットに形成された溝を氷で埋めながら、結晶インゴットをスライスすることにより、ワイヤーソー装置で結晶インゴットをスライスする際の切断面の凸凹やうねりの発生を抑制すると共に、ウエーハの製造工程を短縮することができる。
本実施の形態に係るスライス方法が適用されるワイヤーソー装置の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係るスライス方法の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係るスライス方法の一例を示す模式図である。 変形例に係るスライス方法を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係るスライス方法が適用されるワイヤーソー装置について説明する。図1は、本実施の形態に係るスライス方法が適用されるワイヤーソー装置の斜視図である。なお、以下の説明においては、本実施の形態に係るスライス方法が適用されるワイヤーソー装置として、被加工物とワイヤーとの間に砥粒を進入させて、ワイヤーを被加工物に押し付けながら切断加工するワイヤーソー装置について説明するが、これに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、放電式のワイヤーソー装置を用いてもよい。また、図1においては、紙面左側をワイヤーソー装置の前側とし、紙面右側を後側として説明する。
図1に示すように、ワイヤーソー装置1は、複数のローラー10間に張設されたワイヤー11によって、円柱状の被加工物Wからウエーハを切り出すように構成されている。被加工物Wは結晶インゴットであり、走行されるワイヤー11を押し付けることによって複数枚のウエーハにスライスされる。なお、被加工物Wは、シリコンやガリウム砒素等の半導体ウエーハ用のインゴットでもよいし、セラミック、ガラス、サファイア等の無機材料系ウエーハ用のインゴットでもよい。この場合には、被加工物Wの材料に適した加工方法が選択される。
ワイヤーソー装置1は、基台12の上方において、複数のローラー10a〜10c(本実施の形態では3つ)が紙面奥側の壁面(不図示)に片持ちで回転可能に支持されている。3つのローラー10a〜10cは、各ローラー10の回転軸を頂点とした三角形を形成するように配設され、3つのローラー10a〜10cのうち2つのローラー10a、10bは、水平方向に対向するように配置されている。3つのローラー10a〜10cは、ワイヤー11を繰り出し可能なガイドローラーで構成され、各ローラー10の外周面には、軸方向に等ピッチで並んだ複数のガイド溝(不図示)が形成されている。これら複数のガイド溝を1本のワイヤー11が通るように、各ローラー10に複数回に亘ってワイヤー11が架け渡される。これにより、平行な複数列のワイヤー11(図1では1列のみ図示)が張設される。
ローラー10aから延びるワイヤー11は、3つのアイドルローラー13を介して、ワイヤーリール14に巻回される。3つのアイドルローラー13のうち、1つのアイドルローラー13は、バネ等の付勢手段15によって上方向に付勢されており、ワイヤー11にテンションがかけられている。また、ローラー10cから延びるワイヤー11も同様に、3つのアイドルローラー13を介して、ワイヤーリール14に巻回される。3つのアイドルローラー13のうち、1つのアイドルローラー13は、付勢手段15によって下方向に付勢されており、ワイヤー11にテンションがかけられている。
ワイヤー11は、例えば、断面円形状のチタン等の金属線に、ダイヤモンド砥粒をメタルボンドやレジンボンド等の結合剤で固めて構成される。ワイヤー11は、上記したように、一対の付勢手段15により所定のテンションがかけられた状態で張設される。また、ワイヤーリール14は、図示しない駆動モータによって回転可能に構成されている。ワイヤーリール14が回転駆動されることでワイヤー11が繰り出され、ワイヤー11は、上記した複数のアイドルローラー13にガイドされて、被加工物Wを切断加工しながら3つのローラー10a〜10cの間を数周に亘って走行する。
基台12の上面後側には、柱部16が立設されており、柱部16の前面には、ローラー10の軸方向(Y軸方向)に並ぶ複数列のワイヤー11に向かって被加工物Wを移動させる移動手段17が設けられている。移動手段17は、柱部16の前面上に配置されたZ軸方向に平行なガイドレール18と、ガイドレール18にスライド可能に設置されたモータ駆動のZ軸テーブル19とを有している。Z軸テーブル19の背面には、図示しないナット部が形成され、このナット部にボールねじ(不図示)が螺合されている。そして、ボールねじの一端部に連結されたモータ20が駆動されることで、被加工物Wがガイドレール18に沿ってZ軸方向に移動される。
Z軸テーブル19の表面には、ローラー10と並行に円柱状の被加工物Wを保持するL字状の保持部21が設けられている。保持部21の下面には、被加工物Wと共に複数列のワイヤー11で切り込まれる板状部材22が固定されている。板状部材22の下面は被加工物Wの外周面に沿った断面視円弧状に形成されており、板状部材22の下面に塗布された接着剤を介して被加工物Wが固定されている。ワイヤー11の切断加工によって被加工物Wの下側から板状部材22まで切断されることで被加工物Wが完全に切断される。なお、板状部材22は、被加工物Wと同一の材質または加工特性が近似する材質で形成されている。また、保持部21には、被加工物Wを冷却する冷却手段21aが設けられている。冷却手段21aは、例えば、ペルチェ素子で構成され、熱を移動させることにより被加工物Wを冷却する。
被加工物Wが下降してワイヤー11と接近する加工点付近には、ワイヤー11の下方から加工点に向かって水を噴射する一対の水噴射ノズル23が設けられている。詳細は後述するが、加工点とは、ワイヤー11と被加工物Wとが接近して、ワイヤー11と被加工物Wとが接触する部分のことをいう。一対の水噴射ノズル23は、2つのローラー10a、10bとの間で張設される複数列のワイヤー11の下方で、下降する被加工物Wを挟んで対向するように設けられている。水噴射ノズル23は、被加工物Wの軸方向に延びる線状ノズルで構成され、水噴射ノズル23には、複数列のワイヤー11に対応した噴射孔23a(図2参照)が形成されている。また、水噴射ノズル23は、水供給手段24に接続されている。水は、水噴射ノズル23から、ワイヤー11の切断加工によって被加工物Wに形成される加工溝(溝)に向かって噴射される。本実施の形態では、水噴射ノズル23から水を噴射する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、水滴または噴霧を噴射する構成としてもよい。
3つのローラー10a〜10c及び被加工物Wが設けられる加工室(加工エリア)には、上記した加工点を覆うように、加工室カバー25が設けられている。加工室カバー25には、加工室内を冷却する冷却手段25aが設けられている。冷却手段25aは、例えば、ペルチェ素子で構成され、熱を移動させることにより加工室内の雰囲気を冷却する。加工室(ローラー10)の下方の基台12上面には、加工屑を捕捉する捕捉手段26が設けられている。捕捉手段26は、上面が開口された箱状に形成されている。加工室は、冷却手段27によって冷却されており、加工室内の温度は、水噴射ノズル23から噴射された水が加工溝内で凍る程度に保たれている。
冷却手段27は、例えば、加工室内に冷風を送り込むエアコンディショナー等の冷却装置で構成される。冷却手段27は、熱を搬送する冷媒を循環可能であり、液体の冷媒を蒸発させる蒸発器27aと、蒸発した冷媒を圧縮する圧縮器27bと、発熱した冷媒を放熱する放熱器27cと、冷媒を減圧する減圧器27dと、を含んで構成される。冷却手段27では、蒸発器27aで蒸発した冷媒が蒸発器27a周辺の熱を奪うことにより、蒸発器27aが冷却される。そして、この蒸発器27aに向かってブロア(不図示)から風を送り込むと、蒸発器27aから冷風が加工室に向かって吹き出される。これにより、加工室内が冷却される。なお、冷却手段27は、上記構成に限定されず、例えば、液体窒素等の低温流体を加工室内に供給して加工室を冷却してもよい。
このように構成されたワイヤーソー装置1では、2つのローラー10a、10b間においてワイヤー11に直交する横向き姿勢で、被加工物Wが複数列のワイヤー11の上方に支持されている。ワイヤー11が走行された状態で、移動手段17によって複数列のワイヤー11に対して被加工物Wが近づけられる。そして、砥粒を含んだ加工液(スラリー)を加工点に向かって供給しながら、走行されるワイヤー11を被加工物Wに押し付けることにより、被加工物Wに複数列のワイヤー11に沿う加工溝が形成される。加工溝が板状部材22に達するまで被加工物Wが加工送りされることにより、ワイヤー11の列数に対応した枚数のウエーハが、被加工物Wからスライスされる。
従来であれば、加工溝が深く形成されるに従い、スライス途中の被加工物W(ウエーハ)には、加工時の振動(走行するワイヤー11と砥粒と被加工物Wとの接触により発生する振動)によってばたつきが生じる。この結果、被加工物Wの切断面には、ばたつきに起因した凸凹やうねりが生じる。そこで、本件発明者は、この加工溝に起因したスライス途中の被加工物Wのばたつきに着目し、本実施の形態に係るワイヤーソー装置1を上記構成にした。すなわち、水噴射ノズル23から噴射された水を加工溝内で凍らせ、加工溝を氷で埋めながら被加工物Wをスライスするように、ワイヤーソー装置1を構成した。加工溝に氷が埋められることでスライス途中の被加工物Wが安定するため、スライス途中の被加工物Wのばたつきを防止することができる。この結果、切断面の凸凹やうねりの発生を抑制することが可能になる。
以下、図2及び図3を参照して、本実施の形態に係る結晶インゴットのスライス方法について説明する。図2及び図3は、本実施の形態に係るスライス方法の一例を示す模式図である。図2は、加工点周辺における結晶インゴットをワイヤーの延在方向(X方向)から見た模式図である。図3は、加工点周辺における結晶インゴットをY軸方向から見た模式図である。なお、図3においても図1と同様に、紙面左側をワイヤーソー装置の前側とし、紙面右側を後側として説明する。本実施の形態に係る結晶インゴットのスライス方法は、結晶インゴットに加工溝を形成する溝形成工程と、加工溝に向かって水を噴射し、加工溝内で水を氷結させる氷結工程と、から構成される。以下、結晶インゴットのスライス方法を構成する各工程について説明する。
本実施の形態では、予め、加工室(加工エリア)内の温度は、冷却手段27(図1参照)により、水が氷結する程度に保たれている。加工室内が十分に冷却された状態で、ワイヤー11と被加工物Wとの間には電圧が印加される。そして、図2及び図3に示すように、ワイヤー11を走行させながら被加工物Wを下降させ、ワイヤー11に被加工物Wを押し付けることにより、加工溝28(溝)が形成される(溝形成工程)。このように、溝形成工程では、被加工物Wをワイヤー11で切込むことにより、加工溝28が形成される。
また、上記工程で被加工物Wに加工溝28が形成されると共に、加工点(より具体的には、図3に示すワイヤー11直下における被加工物Wの前後端)には、水噴射ノズル23の噴射孔23aから水Dが噴射され(吹きかけられ)、加工溝28内に水Dが浸入する。加工溝28内に浸入した水Dは、重力によって被加工物Wの外周に沿って下方に流れ落ちる。このとき、加工室内及び被加工物Wは十分に冷却されているため、水Dは加工溝28内に流れ込みながら徐々に氷結していく(氷結工程)。
特に図3に示すように、被加工物Wの外周側付近における加工溝28内の水Dが氷結する。この結果、スライス途中の被加工物W(隣接するスライス途中のウエーハ同士)は、氷結した水D(氷F)によって保持され安定する。このように、氷結工程では、加工溝28が氷Fで埋められることにより、加工溝28の形成によって低下したスライス途中の被加工物W(ウエーハ)の剛性が高められる。よって、スライス途中の被加工物W(ウエーハ)のばたつきが防止される。
そして、被加工物Wを送る(下降させる)ことで加工溝28を大きくすると共に、加工溝28を氷Fで埋めながら切断加工を継続する。加工溝28が板状部材22(図3参照)まで達すると、被加工物Wは、ワイヤー11の列数に対応した枚数のウエーハにスライスされ、加工送り及びワイヤー11の走行が停止される。また、加工終了後、溝28に埋められた氷が溶けて流れることにより、加工で生じた加工屑を洗い流すことができる。
このように、被加工物W(ウエーハ)のばたつきを抑えながら切断加工(溝形成工程)を実施することにより、切断面の凸凹やうねりの発生を抑制することができる。なお、水Dの氷結する速度に比べて被加工物Wの送り速度が遅いため、加工溝28内の水Dを氷結させながら、加工溝28を大きく掘り進んでいくことができる。また、切断加工中、ワイヤー11は、ワイヤーリール14の回転によって常に走行されているため、切断加工で加工点に熱が発生しても、水Dの氷結を妨げることがない。
以上のように、本実施の形態に係るワイヤーソー装置1によれば、被加工物Wに形成された加工溝を氷Fで埋めながら、被加工物Wがスライスされる。加工溝に氷Fが埋められることでスライス途中の被加工物Wが安定するため、スライス途中の被加工物Wのばたつきが防止される。よって、切断面の凸凹やうねりの発生を抑制することができる。この結果、スライス後の被加工物W(ウエーハ)を平坦化するのに要する時間を低減することができ、ウエーハの製造工程に要する時間を短縮することができる。
次に、図4を参照して、変形例に係るワイヤーソー装置及び結晶インゴットのスライス方法について説明する。図4は、変形例に係るスライス方法を示す模式図である。なお、図4においても図1と同様に、紙面左側をワイヤーソー装置の前側とし、紙面右側を後側として説明する。また、図4に示すワイヤーソー装置は、加工点におけるワイヤーの前後に向かって霧を噴射し、被加工物の最下点から上方の加工溝に向かって水を噴射する点で、本実施の形態と相違する。以下、相違点について重点的に説明する。
図4に示すように、変形例に係るワイヤーソー装置3は、加工点におけるワイヤー31の前後にそれぞれ霧を噴射する一対の噴霧ノズル32と、被加工物Wの最下点から上方の加工溝に向かって水を噴射する水噴射ノズル33とを備えている。一対の噴霧ノズル32は、複数列のワイヤー31の下方において、下降する被加工物Wを前後方向で挟んで対向するように設けられている。噴霧ノズル32は、被加工物Wの軸方向に延びる線状ノズルで構成される。また、水噴射ノズル33も同様に、被加工物Wの軸方向に延びる線状ノズルで構成される。水噴射ノズル33には、複数列のワイヤー31に対応した噴射孔(不図示)が形成されており、噴射孔の先端が上方に向けられている。
このように構成されるワイヤーソー装置3によれば、溝形成工程において被加工物Wに加工溝38が形成されると共に、加工点(より具体的には、図4に示すワイヤー31直下における被加工物Wの前後端)には、噴霧ノズル32からワイヤー31に向かって噴霧が吹きかけられる。また、被加工物Wの下方から上方の加工溝38に向かって、水噴射ノズル33により水が噴射される。本実施の形態と同様に、変形例においても、加工室内及び被加工物Wは十分に冷却されているため、噴霧及び水は加工溝38内を流れ込みながら徐々に氷結していく(氷結工程)。
図4に示すように、噴霧ノズル32から噴射された噴霧は、加工溝38内に浸入した後、水滴となって被加工物Wの外周に沿って下方に流れ落ちる。このとき、水滴が氷結し、被加工物Wの外周付近の加工溝38が氷Fで埋められる。また、水噴射ノズル33から噴射された水は、加工溝38内に浸入した後ワイヤー31に衝突し、加工溝38に沿ってワイヤー31の前後方向に流れ込む(図中矢印参照)。噴霧の氷結により、被加工物Wの外周付近の加工溝38が氷Fで埋められると、水噴射ノズル33から噴射された水は、行き場を失い加工溝38内で循環する(図中矢印参照)。よって、外周付近の加工溝38だけでなく、加工溝38の内部においても水を氷結させ、氷Fで加工溝38を埋めることが可能になる。このように、変形例においては、水と噴霧とを併用することで、より多くの量の氷Fを加工溝38内に埋めることができる。なお、水と噴霧との両方を吹き付ける構成に限らず、水又は水滴を吹き付ける構成や、水又は噴霧を吹き付ける構成としてもよい。このような場合であっても、加工溝38を氷で埋めることができる。
加工溝38が氷で埋められた結果、スライス途中の被加工物W(隣接するスライス途中のウエーハ同士)は、氷結した水(氷F)によって保持され安定する。このように、変形例に係るスライス方法においても、加工溝38が氷Fで埋められることにより、加工溝38の形成によって低下したスライス途中の被加工物W(ウエーハ)の剛性が高められる。よって、スライス途中の被加工物W(ウエーハ)のばたつきが抑えられ、切断面の凸凹やうねりの発生を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記した実施の形態では、移動手段17がボールねじ式の移動機構で構成されたが、この構成に限定されない。移動手段17は、ワイヤー11に向かって被加工物Wを移動させる際に移動距離が指定できればよく、例えば、リニアモータ等によって被加工物Wを移動させる構成でもよい。
また、上記した実施の形態では、水平方向で張設された複数列のワイヤー11に対して、上方から被加工物Wを近づけてスライスする構成にしたが、この構成に限定されない。ワイヤー11に直交する方向から被加工物Wが近づけられる構成であればよく、例えば、鉛直方向で張設されたワイヤー11に対して、側方から被加工物Wを近づける構成にしてもよい。
また、上記した実施の形態では、ワイヤー11が円形断面を有する構成にしたが、この構成に限定されない。ワイヤー11は、放電加工または砥粒を用いて被加工物Wをスライス可能な形状を有していれば、どのような断面形状を有していてもよい。
また、上記した実施の形態では、3つのローラー10a〜10cの間に複数列のワイヤー11が張設される構成にしたが、この構成に限定されない。複数列のワイヤー11は、少なくとも2つのローラーに張設されればよく、例えば、2つまたは4つ以上のローラーに張設されてもよい。
また、上記した実施の形態では、加工溝28、38に向かって水または噴霧を吹きかける構成としたが、この構成に限定されない。ノズルから加工溝28、38に向かって過冷却水を吹きかける構成としてもよい。ここで、過冷却とは、液体が凝固点を過ぎて冷却されても固体化せず、液体の状態を保持する現象を意味する。また、過冷却水とは、過冷却状態にある水、すなわち0℃以下(例えば、−1度から−2度)に冷却されても氷結していない状態の水を表す。過冷却水は、液体の状態を保持しているが、何らかの衝撃を与えると瞬間的に氷結する性質を持っている。このような構成によれば、加工溝28、38(加工点のワイヤー11、31)に向かって過冷却水を噴射すると、過冷却水は、加工溝28、38の溝底のワイヤー11、31に衝突すると同時に氷結する。よって、加工溝28、38が氷で埋められ、スライス途中の被加工物Wの基端部において剛性が高められる。この結果、被加工物Wのばたつきが抑えられ、切断面の凸凹やうねりの発生を抑制することができる。このように、過冷却水を溝底(ワイヤー11、31)周辺で氷結させることにより、被加工物Wの基端部を瞬間的に保持することができ、被加工物Wのばたつき防止効果をより高めることができる。
また、上記した実施形態では、加工室または被加工物Wもしくは加工室と被加工物Wとの両方を冷却手段で冷却する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、冷気を噴射する冷気噴射ノズルから被加工物に向って冷気を噴射させると共に、水噴射ノズルまたは噴霧ノズルから水、水滴もしくは噴霧を被加工物Wに向かって噴射させ、被加工物Wの外側部分(外周部分)を積極的に冷却させ氷結させてもよい。
以上説明したように、本発明は、ワイヤーソー装置で結晶インゴットをスライスする際の切断面の凸凹やうねりの発生を抑制すると共に、ウエーハの製造工程を短縮することができるという効果を有し、特に、半導体用の結晶インゴットをワイヤーソー装置で薄くスライスするスライス方法に有用である。
1、3 ワイヤーソー装置
11、31 ワイヤー
21a、25a、27 冷却手段
23、33 水噴射ノズル(ノズル)
28、38 溝(加工溝)
32 噴霧ノズル(ノズル)
D 水
F 氷
W 被加工物(結晶インゴット)

Claims (2)

  1. ワイヤーソー装置で結晶インゴットをスライスするスライス方法であって、
    該ワイヤーソー装置のワイヤーを結晶インゴットに切込ませ溝を形成する溝形成工程と、
    結晶インゴットを冷却手段により冷却させ、該溝形成工程で形成された該溝にノズルから水または水滴もしくは噴霧を吹きかけ該溝に浸入させ氷結させる氷結工程と、
    からなるスライス方法。
  2. 該氷結工程は、過冷却水を該ノズルから該溝に吹きかけ該過冷却水を氷結させる請求項1記載のスライス方法。
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