以下に、図面を参照して、本発明にかかる処理依頼方法、処理依頼プログラム、および処理依頼システムの実施の形態を詳細に説明する。
金融機関において複数の同一手続きを一枚の伝票でまとめて依頼することができる連記式伝票がある。連記式伝票は、同一手続きを行う上で必要な情報を示す文字列が記入される伝票である。
以下の説明では、金融機関における振込処理での、連記式伝票の例を示す。連記式伝票に記入される依頼人を示す文字列を「依頼人情報」と表記する場合がある。また、連記式伝票に記入される複数の振込処理のそれぞれの振込先と振込金額とを示す文字列を「受取人情報」と表記する場合がある。
金融機関の窓口業務の窓口オペレータは、連記式伝票を受理すると、業務の効率化のために、窓口に設けられたコンピュータを用いて、連記式伝票に手書きで記入された文字をOCR(Optical Character Reader)によって文字認識して文字データとして取得する。窓口に設けられたコンピュータは、例えば、依頼人情報を文字認識した文字データと、複数の振込処理のそれぞれの受取人情報を文字認識した文字データとを取得する。
以下の説明では、依頼人情報を文字認識して得られた文字データを「依頼人情報の認識結果」と表記する場合がある。以下の説明では、複数の振込処理のそれぞれの受取人情報を文字認識して得られた文字データを「受取人情報の認識結果」と表記する場合がある。
ここで、窓口業務の窓口オペレータは、窓口に設けられたコンピュータを用いて、依頼人情報と、依頼人情報の認識結果とを比較して、依頼人情報の認識結果が正しいか否かを確認し、誤りがあれば修正する。その後、窓口業務の窓口オペレータは、窓口に設けられたコンピュータを用いて、複数の振込処理を事務処理部門の複数の事務オペレータに割り当てて分担して行わせる。
事務処理部門の事務オペレータは、振込処理を割り当てられると、事務処理部門に設けられたコンピュータを用いて、当該振込処理に対応する受取人情報のイメージと、受取人情報の認識結果とを比較して、受取人情報の認識結果が正しいか否かを確認する。そして、事務処理部門の事務オペレータは、受取人情報の認識結果に誤りがあれば修正して、振込処理を行う。
しかしながら、このとき、事務処理部門の事務オペレータは、当該振込処理に対応する受取人情報のイメージと、受取人情報の認識結果とを比較して確認しても、受取人情報の認識結果が正しいか否かを明確に判断することができない場合がある。
この場合、事務処理部門の事務オペレータは、連記式伝票を受理した窓口業務の窓口オペレータに連絡し、受取人情報の認識結果が正しいか否かを確認することになってしまう。例えば、事務処理部門の事務オペレータは、連記式伝票を受理した窓口業務の窓口オペレータに連絡を取って紙媒体の連記式伝票自体を見てもらって、受取人情報の認識結果が正しいか否かを確認することになってしまう。また、事務処理部門の事務オペレータは、連記式伝票を受理した窓口業務の窓口オペレータに連絡を取って、連記式伝票のOCRの文字認識を再度行ってもらって、より鮮明な受取人情報のイメージと、受取人情報の認識結果とを送信してもらうことになってしまう。
このため、連記式伝票を用いて依頼された複数の振込処理のそれぞれに対応する受取人情報の文字認識が困難な場合には、複数の振込処理のそれぞれが割り当てられた何人もの事務オペレータが窓口業務の窓口オペレータに連絡することになってしまう。
したがって、窓口業務において、窓口業務の窓口オペレータは、事務処理部門の複数の事務オペレータからの連絡に応答しなければならなくなり、作業効率が低下してしまう。一方で、事務処理部門において、事務処理部門の複数の事務オペレータは、それぞれ、同一の連記式伝票について窓口業務の窓口オペレータに連絡しなければならなくなり、事務処理部門全体における作業効率が低下してしまう。
そこで、本実施の形態では、連記式伝票を用いて依頼された複数の処理のそれぞれの割当先における作業効率の低下を抑制することができる処理依頼方法について説明する。
(処理依頼方法の一例)
図1は、実施の形態にかかる処理依頼方法の一例を示す説明図である。制御装置100は、処理依頼プログラムを実行することにより、実施の形態にかかる処理依頼方法を実現するコンピュータである。
(1)制御装置100は、連記式伝票110のイメージデータを受け付ける。連記式伝票110は、複数の振込処理をまとめて依頼することができる伝票である。連記式伝票110は、複数の振込処理に共通する依頼人情報の記入が可能な記入欄と、複数の振込処理のそれぞれの受取人情報の記入が可能な複数の記入欄とを備えた伝票である。
依頼人情報は、例えば、複数の振込処理に共通する依頼人の名称である。受取人情報は、例えば、いずれかの振込処理による振込先を示す、金融機関の名称と支店の名称と口座番号との組み合わせ、および、いずれかの振込処理による振込金額である。
図1の例では、連記式伝票110は、依頼人情報の記入が可能な依頼人情報記入欄120を有する。連記式伝票110は、それぞれ異なる受取人情報の記入が可能な、第1の受取人情報記入欄121と、第2の受取人情報記入欄122と、第3の受取人情報記入欄123と、第4の受取人情報記入欄124とを有する。
制御装置100は、連記式伝票110のイメージデータに基づいて、依頼人が連記式伝票110に手書きで記入した複数の文字のそれぞれについて、OCRによって文字認識して、認識結果を取得する。
制御装置100は、依頼人情報の認識結果に対する確認処理を、窓口業務の窓口オペレータに割り当てる。窓口業務の窓口オペレータは、依頼人情報記入欄120に記入された依頼人情報と、当該依頼人情報の認識結果とを比較して確認して、当該依頼人情報の認識結果に誤りがあれば当該依頼人情報の認識結果を修正する。
(2)制御装置100は、連記式伝票110の複数の受取人情報記入欄のそれぞれに記入された受取人情報の文字認識率を算出する。受取人情報の文字認識率は、受取人情報記入欄に記入された受取人情報を示す複数の文字のそれぞれの文字認識率に基づいて算出される。受取人情報の文字認識率は、例えば、受取人情報記入欄に記入された受取人情報を示す複数の文字のそれぞれの文字認識率の平均値である。
図1の例では、第1の受取人情報記入欄121に記入された受取人情報の文字認識率は「91%」である。第2の受取人情報記入欄122に記入された受取人情報の文字認識率は「73%」である。第3の受取人情報記入欄123に記入された受取人情報の文字認識率は「89%」である。第4の受取人情報記入欄124に記入された受取人情報の文字認識率は「77%」である。
(3)制御装置100は、複数の受取人情報記入欄のそれぞれに記入された受取人情報の文字認識率に基づいて、複数の受取人情報記入欄のそれぞれに対応する振込処理の割当先を制御する。制御装置100は、例えば、文字認識率の低い受取人情報が記入された受取人情報記入欄に対応する振込処理が、まとめて1人の事務オペレータによって行われるように設定する。制御装置100は、具体的には、事務処理部門の事務オペレータが、複数の振込処理のそれぞれを引き受けることができる条件を設定することにより、複数の振込処理それぞれの割当先を制御する。
図1の例では、第1の受取人情報記入欄121に対応する振込処理は、事務処理部門のいずれか1人の事務オペレータが引き受けるという条件が設定される。第2の受取人情報記入欄122と、第4の受取人情報記入欄124とのそれぞれに対応する振込処理は、事務処理部門のいずれか1人の事務オペレータがまとめて引き受けるという条件が設定される。第3の受取人情報記入欄123に対応する振込処理は、事務処理部門のいずれか1人の事務オペレータが引き受けるという条件が設定される。
事務処理部門の事務オペレータは、制御装置100の設定内容にしたがって、複数の振込処理のいずれかを行う。図1の例では、第1の事務オペレータ101は、1人の事務オペレータが引き受けるという条件が設定された、第1の受取人情報記入欄121に対応する振込処理を引き受ける。そして、第1の事務オペレータ101は、第1の受取人情報記入欄121に記入された受取人情報と、当該受取人情報の認識結果とを比較して、当該受取人情報の認識結果に誤りがあれば当該受取人情報の認識結果を修正する。
同様に、第2の事務オペレータ102は、1人の事務オペレータがまとめて引き受けるという条件が設定された、第2の受取人情報記入欄122と、第4の受取人情報記入欄124とのそれぞれに対応する振込処理を引き受ける。第2の事務オペレータ102は、第2の受取人情報記入欄122と、第4の受取人情報記入欄124とのそれぞれに記入された受取人情報と、当該受取人情報の認識結果とを比較して、当該受取人情報の認識結果に誤りがあれば当該受取人情報の認識結果を修正する。
同様に、第3の事務オペレータ103は、1人の事務オペレータが引き受けるという条件が設定された、第3の受取人情報記入欄123に対応する振込処理を引き受ける。第3の受取人情報記入欄123に記入された受取人情報と、当該受取人情報の認識結果とを比較して、当該受取人情報の認識結果に誤りがあれば当該受取人情報の認識結果を修正する。
このように、制御装置100によれば、文字認識率の低い受取人情報が記入された受取人情報記入欄に対応する振込処理が、まとめて1人の事務オペレータによって行われるように設定することができる。ここで、受取人情報記入欄に記入された受取人情報の文字認識率が低いほど、窓口業務の窓口オペレータに連絡しなければ当該受取人情報の認識結果を確認することが困難な場合が多くなる。
換言すれば、制御装置100によれば、窓口業務の窓口オペレータに連絡して確認すべき受取人情報が記入された受取人情報記入欄に対応する振込処理については、1人の事務オペレータがまとめて行うようにすることができる。そして、制御装置100によれば、窓口業務の窓口オペレータに連絡する回数が1回でまとめられるようにすることができる。結果として、窓口業務において、窓口業務のオペレータは、事務処理部門の1人の事務オペレータからの連絡に応答すればよく、作業効率が低下するのを抑制することができる。
一方で、事務処理部門において、事務処理部門の複数の事務オペレータのいずれかは、窓口業務の窓口オペレータに1回連絡すれば、複数の振込処理を行うことができ、作業効率が低下するのを抑制することができる。また、残余の事務オペレータのそれぞれは、窓口業務の窓口オペレータに連絡しなくてよく、作業効率が低下するのを抑制することができる。
ここでは、事務処理部門の事務オペレータが、制御装置100の設定内容にしたがって、複数の振込処理のいずれかを引き受けることにより、制御装置100が受動的に複数の振込処理の割当先を制御する場合について説明したが、これに限らない。例えば、制御装置100は、能動的に、複数の振込処理を、事務処理部門の事務オペレータに割り当てることにより、複数の振込処理の割当先を制御してもよい。
ここでは、第1の受取人情報記入欄121に対応する振込処理と、第3の受取人情報記入欄123に対応する振込処理とを、別々の事務オペレータが引き受ける場合について説明したが、これに限らない。例えば、受取人情報記入欄122,124のそれぞれに対応する振込処理を1人の事務オペレータがまとめて引き受けている状態であれば、他の受取人情報記入欄121,123のそれぞれに対応する振込処理をどの事務オペレータが引き受けてもよい。具体的には、受取人情報記入欄121に対応する振込処理を、第2のオペレータ102がさらに引き受けてもよい。また、受取人情報記入欄121,123のそれぞれに対応する振込処理を、第1の事務オペレータ101がまとめて引き受けてもよい。
ここでは、金融機関において用いられる連記式伝票について制御装置100を適用する場合について説明したが、これに限らない。また、金融機関における振込処理を例にあげたが、振込処理以外の処理でも構わない。また、市区町村の役場において用いられる複数の処理を依頼することができる連記式の申請書があれば、当該申請書について制御装置100を適用することもできる。また、例えば、株式会社において取引内容をまとめて複数記載し、取引内容についての処理を事務に依頼することができる連記式の請求書があれば、当該請求書について制御装置100を適用することもできる。
(金融システム200の一例)
次に、図1に示した制御装置100を適用した、金融機関における処理依頼システム200の一例について説明する。以下の説明では、金融機関における処理依頼システム200を「金融システム200」と表記する場合がある。
図2は、金融システム200の一例を示す説明図である。図2において、金融システム200は、情報処理装置201と、クライアント装置202とを含む。
金融システム200において、情報処理装置201と、クライアント装置202とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
情報処理装置201は、制御装置100として動作するコンピュータである。情報処理装置201は、例えば、PC(Personal Computer)、サーバなどである。
クライアント装置202は、所定の金融機関の窓口や事務処理部門に設けられ、オペレータが使用するコンピュータである。クライアント装置202は、例えば、PC、ノートPC、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)などである。
ここでは、上述した金融システム200において、情報処理装置201を制御装置100として動作させる場合について説明したが、これに限らない。例えば、上述した金融システム200において、いずれかのクライアント装置202を制御装置100として動作させてもよい。この場合、金融システム200に、情報処理装置201はなくてもよい。
金融システム200において、情報処理装置201とクライアント装置202とは、所定の金融機関の同じ店舗に設けられていてもよいし、異なる店舗に設けられてもよい。また、クライアント装置202は、それぞれ、所定の金融機関の異なる店舗に設けられてもよい。
以下の説明では、上述した金融システム200において、情報処理装置201を制御装置100として動作させる場合について説明する。
(情報処理装置201のハードウェア)
次に、図3を用いて、図2に示した情報処理装置201のハードウェアの一例について説明する。
図3は、情報処理装置201のハードウェアの一例を示すブロック図である。図3において、情報処理装置201は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、を有する。
また、情報処理装置201は、さらに、ディスクドライブ304と、ディスク305と、インターフェース(I/F:Interface)306と、入力装置307と、出力装置308とを有する。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU301は、情報処理装置201の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、実施の形態にかかる処理依頼プログラムなどの各種プログラムを記憶する。また、ROM302は、例えば、窓口業務のオペレータの情報、事務処理部門のオペレータの情報、振込先になる金融機関の名称、当該金融機関の支店の名称などの各種データを記憶する。
RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。また、RAM303は、各種プログラムの実行により得られたデータなどの各種データを記憶する。ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305は、例えば、磁気ディスク、または光ディスクなどである。
I/F306は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F306は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F306には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
入力装置307は、キーボード、タッチパネルなど利用者の操作により、各種データの入力を行うインターフェースである。入力装置307は、マウス、スキャナなどであってもよい。出力装置308は、CPU301の指示により、データを出力するインターフェースである。出力装置308は、例えば、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示するディスプレイである。出力装置308は、プリンタであってもよい。
(クライアント装置202のハードウェア)
次に、クライアント装置202のハードウェアの一例について説明する。クライアント装置202のハードウェアの一例は、図3に示した情報処理装置201のハードウェアの一例と同様のため、説明を省略する。
(制御装置100の機能的構成例)
次に、図4を用いて、制御装置100の機能的構成例について説明する。
図4は、制御装置100の機能的構成例を示すブロック図である。制御装置100は、制御部となる機能として、受付部401と、文字認識部402と、割当部403と、出力部404とを含む。
受付部401は、依頼人が手書きで記入した連記式伝票のイメージデータを取得する。ここで、連記式伝票は、金融機関に処理業務を行わせるための書類である。連記式伝票は、例えば、それぞれ処理の内容についての指定情報の記入が可能な複数の記入欄を有する。処理は、例えば、金融機関における振込処理である。
記入欄は、指定情報として、複数の項目それぞれに対応する項目情報の記入が可能な複数の領域を有する。指定情報は、例えば、受取人情報である。複数の項目は、金融機関において振込処理を行うための振込先の項目と、当該振込先に振り込む金額の項目とを含む。記入欄は、具体的には、図1に示した依頼人情報記入欄120、受取人情報記入欄121〜124である。
連記式伝票は、具体的には、図1に示した連記式伝票110である。また、連記式伝票は、具体的には、図5に後述する連記式伝票500である。イメージデータは、連記式伝票を光学的に読み取って得られたデータである。
受付部401は、例えば、連記式伝票110の各記入欄の各記入枠のイメージデータを取得する。記入欄は、手書きで文字が記入される伝票内の領域である。記入枠は、手書きで1文字分の文字が記入される記入欄内の領域である。
受付部401は、具体的には、スキャナによって連記式伝票110からイメージデータを取得する。また、受付部401は、具体的には、クライアント装置202からイメージデータを受信してもよい。これにより、文字認識部402は、受付部401によって取得された連記式伝票110の各記入欄の文字を文字認識することができる。
取得されたイメージデータは、例えば、RAM303、ディスク305などの記憶領域に記憶される。受付部401は、例えば、図3に示したROM302、RAM303、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F306により、その機能を実現する。
文字認識部402は、連記式伝票110について文字認識を行う。文字認識部402は、例えば、連記式伝票110の各記入欄に手書きで記入された文字列をイメージとして読み込み、当該イメージを文字認識することにより得られた各記入欄の文字データを取得する。ここで、文字データは、ひらがな、カタカナ、¥マークなどの記号、0〜9の数字、または文字認識に失敗したことを示す記号を示すデータである。文字データは、例えば、図6に後述する結果テーブル600に記憶されるデータである。
また、文字認識部402は、連記式伝票110の各記入欄の文字データの文字認識率を算出する。文字認識率は、例えば、記入枠のイメージデータを文字認識することにより得られた文字データが示す文字が、実際に記入枠に記入された文字と一致している確率である。
文字認識部402は、例えば、連記式伝票110の各記入欄の各文字をOCRにより文字認識し、各記入欄の各文字のイメージから各記入欄の各文字の文字データの候補および文字認識率を算出する。次に、文字認識部402は、各文字の文字データの候補の中から、各文字の文字データを確定する。そして、文字認識部402は、確定した、¥マークを示す文字データ「¥」、数字を示す文字データ「0」〜「9」、または文字認識に失敗したことを示す文字データ「?」などと、文字認識率とを取得して、図6に後述する結果テーブル600に記憶する。
文字認識部402は、具体的には、連記式伝票110の各記入欄の各項目の項目情報になる各文字をOCRにより文字認識し、各項目の項目情報になる各文字のイメージから各項目の項目情報になる各文字の文字データの候補および文字認識率を算出する。次に、文字認識部402は、各文字の文字データの候補の中から、各文字の文字データを確定する。そして、文字認識部402は、確定した文字データと文字認識率とを取得して、図6に後述する結果テーブル600に記憶する。
これにより、文字認識部402は、連記式伝票110の各記入欄の各文字の文字データおよび文字認識率を取得することができる。文字認識によって得られた文字データと文字認識率とは、例えば、RAM303、ディスク305などの記憶領域に記憶される。文字認識部402は、例えば、図3に示したROM302、RAM303、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、その機能を実現する。
割当部403は、複数の記入欄における文字認識率に基づいて、複数の記入欄それぞれに対応する処理の割当先を制御する。割当先は、例えば、事務処理部門の事務オペレータである。割当先は、具体的には、事務処理部門の事務オペレータが用いるクライアント装置202である。事務処理部門の事務オペレータが用いるクライアント装置202は、事務処理部門の事務オペレータのそれぞれに支給されたクライアント装置202である。事務処理部門の事務オペレータが用いるクライアント装置202は、事務処理部門に設けられ、いずれかの事務オペレータによってログインされることによりいずれかの事務オペレータによって用いられるクライアント装置202であってもよい。割当部403は、例えば、複数の記入欄のうち、文字認識率が基準以下の記入欄が複数存在する場合に、文字認識率が基準以下の複数の記入欄に対応する処理を同一の割当先に割り当てる。
文字認識率が基準以下の記入欄は、例えば、複数の領域それぞれにおける項目情報の文字認識率と複数の領域それぞれに対する項目別閾値との差分に基づいて特定される。項目情報の文字認識率は、項目情報になる各文字の文字認識率に基づいて算出される。項目情報の文字認識率は、例えば、項目情報になる各文字の文字認識率の平均値である。項目別閾値は、複数の領域それぞれにおける項目情報の文字種別に基づいて設定される。項目別閾値は、例えば、項目情報の文字種別が漢字である場合には、文字種別がカナである場合に比べて低くなるように設定される。項目別閾値は、例えば、項目情報の文字種別がカナである場合には、文字種別が数字である場合に比べて低くなるように設定される。文字認識率が基準以下の記入欄は、具体的には、複数の領域それぞれにおける項目情報の文字認識率と複数の領域それぞれに対する項目別閾値との差分の平均値が、総合閾値以下になる記入欄を含む。
また、文字認識率が基準以下の記入欄は、例えば、文字認識率が文字別閾値以下の文字が含まれる記入欄を含んでもよい。また、文字認識率が基準以下の記入欄は、例えば、文字認識率が文字別閾値以下の文字が、所定数以上含まれる記入欄を含んでもよい。また、文字認識率が基準以下の記入欄は、例えば、記入欄に含まれる各文字の文字認識率の平均値が、所定の閾値以下になる記入欄を含んでもよい。また、文字認識率が基準以下の記入欄は、例えば、複数の領域それぞれにおける項目情報の文字認識率と複数の領域それぞれに対する項目別閾値との差分の総和が、所定の閾値以下になる記入欄を含んでもよい。
割当部403は、具体的には、複数の記入欄のうち、文字認識率が基準以下の記入欄が複数存在する場合に、文字認識率が基準以下の複数の記入欄に対応する処理の割当先を第1の割当先に割り当てる。また、割当部403は、文字認識率が基準より大きい記入欄に対応する処理の割当先を第1の割当先とは異なる1または複数の割当先に割り当てる。
割当部403は、より具体的には、複数の振込処理のうち同一の事務オペレータに割り当てるべき振込処理の組み合わせを、複数の事務オペレータのいずれか1人がまとめて引き受けなければならないように設定する。この場合、複数の事務オペレータのいずれかは、当該組み合わせをまとめて引き受けて、当該組み合わせに含まれる振込処理をまとめて行う。
また、割当部403は、複数の振込処理のそれぞれを割当可能な事務オペレータを設定してもよい。この場合、事務オペレータは、自身に割当可能に設定された複数の振込処理のいずれかを引き受ける。また、割当部403は、複数の振込処理のいずれかを複数の事務オペレータのうち、特定の事務オペレータが行うように、割当先を特定の事務オペレータに確定していずれかの振込処理を割り当ててもよい。
これにより、割当部403は、記入された文字を確認すべき受取人情報記入欄に対応する振込処理をまとめて1人の事務オペレータに割り当てるようにしつつ、複数の振込処理を複数の事務オペレータに割り当てることができる。割当先は、例えば、RAM303、ディスク305などの記憶領域に記憶される。割当部403は、例えば、図3に示したROM302、RAM303、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、その機能を実現する。
出力部404は、同一の割当先に割り当てられた複数の処理それぞれを示す情報の組み合わせを、依頼元を示す情報と対応付けて出力する。依頼元を示す情報は、例えば、依頼人情報である。出力部404は、例えば、依頼人情報と対応付けて、同一の割当先に割り当てられた複数の振込処理に対応する受取人情報の組み合わせを出力する。出力部404は、具体的には、依頼人情報と対応付けた複数の振込処理に対応する受取人情報の組み合わせを、ディスプレイへ表示し、プリンタへ印刷出力し、I/F306により外部装置へ送信し、またはRAM303、ディスク305などの記憶領域に記憶する。
出力部404は、例えば、図3に示したROM302、RAM303、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F306により、その機能を実現する。これにより、オペレータは、出力部404の出力内容を参照して、引き受ける振込処理を選択することができる。
(連記式伝票500の記入内容)
次に、図5を用いて、連記式伝票500の記入内容の一例について説明する。
図5は、連記式伝票500の記入内容の一例を示す説明図である。図5において、連記式伝票500は、依頼人情報記入欄510を有する。連記式伝票500は、第1の受取人情報記入欄521と、第2の受取人情報記入欄522と、第3の受取人情報記入欄523と、第4の受取人情報記入欄524とを有する。
連記式伝票500には、依頼人情報記入欄510を用いて、依頼人情報として、振込指定日「26年04月01日」、依頼人の名称のカナ表記「イライ ニンタロウ」などが記入されている。また、連記式伝票500には、依頼人情報記入欄510を用いて、依頼人情報として、依頼人の名称の漢字表記「依頼 人太郎」、依頼人の住所「東京都○○区○○町1−2−3」などが記入されている。
連記式伝票500には、第1の受取人情報記入欄521を用いて、第1の受取人情報として、振込先の金融機関を示す文字列「ABC」、振込先の金融機関の種類「銀行」、振込先の金融機関の支店を示す文字列「東京」が記入されている。また、連記式伝票500には、第1の受取人情報記入欄521を用いて、第1の受取人情報として、預金の種目「普通」、口座番号「1234567」が記入されている。また、連記式伝票500には、第1の受取人情報記入欄521を用いて、第1の受取人情報として、右詰めで、振込金額「¥100」が記入されている。また、連記式伝票500には、第1の受取人情報記入欄521を用いて、第1の受取人情報として、受取人の名称のカナ表記「ウケトリニン01」が記入されている。
連記式伝票500には、第2の受取人情報記入欄522を用いて、第2の受取人情報として、振込先の金融機関を示す文字列「ABC」、振込先の金融機関の種類「銀行」、振込先の金融機関の支店を示す文字列「東京」が記入されている。また、連記式伝票500には、第2の受取人情報記入欄522を用いて、第2の受取人情報として、預金の種目「普通」、口座番号「0123456」が記入されている。また、連記式伝票500には、第2の受取人情報記入欄522を用いて、第2の受取人情報として、右詰めで、振込金額「¥200」が記入されている。また、連記式伝票500には、第2の受取人情報記入欄522を用いて、第2の受取人情報として、受取人の名称のカナ表記「ウケトリニン02」が記入されている。
連記式伝票500には、第3の受取人情報記入欄523を用いて、第3の受取人情報として、振込先の金融機関を示す文字列「ABC」、振込先の金融機関の種類「銀行」、振込先の金融機関の支店を示す文字列「東京」が記入されている。また、連記式伝票500には、第3の受取人情報記入欄523を用いて、第3の受取人情報として、預金の種目「普通」、口座番号「2356141」が記入されている。また、連記式伝票500には、第3の受取人情報記入欄523を用いて、第3の受取人情報として、右詰めで、振込金額「¥300」が記入されている。また、連記式伝票500には、第3の受取人情報記入欄523を用いて、第3の受取人情報として、受取人の名称のカナ表記「ウケトリニン03」が記入されている。
連記式伝票500には、第4の受取人情報記入欄524を用いて、第4の受取人情報として、振込先の金融機関を示す文字列「ABC」、振込先の金融機関の種類「銀行」、振込先の金融機関の支店を示す文字列「東京」が記入されている。また、連記式伝票500には、第4の受取人情報記入欄524を用いて、第4の受取人情報として、預金の種目「普通」、口座番号「3567890」が記入されている。また、連記式伝票500には、第4の受取人情報記入欄524を用いて、第4の受取人情報として、右詰めで、振込金額「¥400」が記入されている。また、連記式伝票500には、第4の受取人情報記入欄524を用いて、第4の受取人情報として、受取人の名称のカナ表記「ウケトリニン04」が記入されている。
連記式伝票500には、各受取人情報記入欄521〜524の振込金額の小計「¥1000」が記入されている。このように、連記式伝票500の各受取人情報記入欄521〜524には同一人物が記入するため、各受取人情報記入欄521〜524において何の文字であるか判別しにくい文字は、各受取人情報記入欄において共通する文字になっている場合が多い。図5の例では、各受取人情報記入欄521〜524に記入された文字「C」が、文字「C」であるのか文字「O」であるのか判別しにくい。
情報処理装置201は、図5に示した連記式伝票500について文字認識を行い、文字認識の結果得られた文字データと文字認識率とを対応付けて、図6に後述する結果テーブル600に記憶する。
(文字認識の結果の一例)
次に、図6を用いて、図5に示した連記式伝票500についての文字認識の結果の一例について説明する。
図6は、文字認識の結果の一例を示す説明図である。結果テーブル600は、各記入欄のイメージデータと、各記入欄の文字認識によって得られた認識結果と文字認識率とを記憶するテーブルである。結果テーブル600は、例えば、図3に示したRAM303、ディスク305などの記憶領域によって実現される。
図6に示すように、結果テーブル600は、種類のフィールドに対応付けて、内容のフィールドを有し、連記式伝票500の記入欄の種類ごとに各フィールドに情報が設定されることにより、レコードを記憶する。
種類のフィールドには、連記式伝票500の記入欄の種類と、当該記入欄から得られたデータの種類とが設定される。種類のフィールドには、例えば、依頼人情報入力欄の種類を示す「依頼人情報」および「振込指定日」の組み合わせと、当該記入欄から得られたデータの種類を示す「イメージデータ」とが設定される。
内容のフィールドには、種類のフィールドが示す種類の記入欄から得られた、種類のフィールドが示す種類のデータの内容が設定される。内容のフィールドには、例えば、記入欄の種類「依頼人情報」および「振込指定日」の組み合わせと、データの種類「イメージデータ」とに対応する、イメージデータの内容「26年04月01日」が設定される。また、各受取人情報記入欄の振込金額の領域についての文字認識率では、¥マークの文字認識率は省略されてもよい。
具体的には、レコード611は、依頼人情報入力欄の振込指定日の領域についてのイメージデータを記憶する。また、レコード612は、依頼人情報入力欄の振込指定日の領域についての認識結果を記憶する。また、レコード613は、依頼人情報入力欄の振込指定日の領域についての文字認識率を記憶する。
このように、結果テーブル600は、依頼人情報に関するレコード群610(611〜616)を記憶する。また、結果テーブル600は、第1の受取人情報に関するレコード群620(621〜635)を記憶する。図示を省略するが、同様に、結果テーブル600は、第2の受取人情報に関するレコード群と、第3の受取人情報に関するレコード群と、第4の受取人情報に関するレコード群とを記憶する。
(割当先を制御する一例)
次に、図7〜図12を用いて、図6に示した文字認識の結果に基づいて、割当先を制御する一例について説明する。
図7〜図12は、割当先を制御する一例を示す説明図である。判定テーブル700は、各記入欄の文字認識の結果に基づいて、各受取人情報記入欄に対応する振込処理の割当先をまとめるか否かを判定するためのテーブルである。判定テーブル700は、例えば、図3に示したRAM303、ディスク305などの記憶領域によって実現される。
図7に示すように、判定テーブル700は、種類のフィールドに対応付けて、文字認識率と、項目別認識率と、閾値比較と、分割判定とのフィールドを有する。判定テーブル700は、連記式伝票500の記入欄に含まれる項目の種類ごとに各フィールドに情報が設定されることにより、レコードを記憶する。
種類のフィールドには、連記式伝票500の記入欄に含まれる項目の種類が設定される。種類のフィールドには、例えば、依頼人情報入力欄の種類を示す「依頼人情報」および当該依頼人情報入力欄に含まれる項目の種類を示す「振込指定日(数字)」の組み合わせが設定される。括弧内の情報は、当該項目に記入される項目情報の文字種別を示す情報である。
文字認識率のフィールドには、種類項目が示す種類の記入欄に含まれる項目の各文字の文字認識率が設定される。文字認識率のフィールドの「1」〜「n」は、当該項目の何文字目の文字認識率であるかを示す情報である。項目別認識率のフィールドには、種類のフィールドに設定された情報が示す種類の項目における文字認識率の平均値が設定される。閾値比較のフィールドには、項目別認識率のフィールドに設定された平均値と、項目別閾値との差分が、項目別判定値として設定される。分割判定のフィールドには、種類項目が示す種類の記入欄に対応する振込処理をまとめるべきか否かを判定するための数値が、分割判定値として設定される。
このように、判定テーブル700は、依頼人情報に関するレコード群710を記憶する。また、判定テーブル700は、第1の受取人情報に関するレコード群721を記憶する。同様に、判定テーブル700は、第2の受取人情報に関するレコード群722と、第3の受取人情報に関するレコード群723と、第4の受取人情報に関するレコード群724とを記憶する。
図7において、情報処理装置201は、結果テーブル600から各種類の記入欄の各文字の文字認識率を抽出して、判定テーブル700の文字認識率項目に設定する。ここで、情報処理装置201は、図7の種類「依頼人漢字」に対応する依頼人情報に含まれる依頼人の名称の漢字表記の項目といった振込処理に用いない項目については、判定テーブル700への設定を省略してもよい。次に、図8の説明に移行する。
情報処理装置201は、図5の依頼人情報記入欄510の振込指定日の項目の文字認識率の平均値を算出して、図8における当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、依頼人情報記入欄510の他の項目の文字認識率の平均値を算出して、当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。
次に、情報処理装置201は、図5の依頼人情報記入欄510の振込指定日の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、数字に対する項目別閾値「90」を減算した差分を算出する。そして、情報処理装置201は、算出した差分を、図8の当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、依頼人情報記入欄510の他の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、項目別閾値を減算した差分を算出して、当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。
そして、情報処理装置201は、図5の依頼人情報記入欄510の各項目に対応する閾値比較のフィールドに設定された差分の平均値を算出して、依頼人情報記入欄510に対応する分割判定のフィールドに設定する。差分の平均値は、例えば、小数第2位の値を四捨五入され、小数第1位までの数値として算出される。情報処理装置201は、依頼人情報記入欄510に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値を、後段の受取人情報記入欄に対応する振込処理の割当先を制御する際に使用してもよい。
以下の説明では、情報処理装置201は、依頼人情報記入欄510に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値を、後段の受取人情報記入欄521〜524に対応する振込処理の割当先を制御する際に使用しない場合について説明する。次に、図9の説明に移行する。
情報処理装置201は、図5の第1の受取人情報記入欄521の金融機関の名称の項目の文字認識率の平均値を算出して、図9の当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、第1の受取人情報記入欄521の他の項目の文字認識率の平均値を算出して、当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。
次に、情報処理装置201は、第1の受取人情報記入欄521の金融機関の名称の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、漢字に対する項目別閾値「80」を減算した差分を算出する。そして、情報処理装置201は、算出した差分を、図9の当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、図5の第1の受取人情報記入欄521の他の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、項目別閾値を減算した差分を算出して、図9の当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。
そして、情報処理装置201は、第1の受取人情報記入欄521の各項目に対応する閾値比較のフィールドに設定された差分の平均値を算出して、図9の第1の受取人情報記入欄521に対応する分割判定のフィールドに設定する。また、情報処理装置201は、依頼人情報記入欄510に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値に基づいて、第1の受取人情報記入欄521に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値を補正してもよい。ここで、情報処理装置201は、第1の受取人情報記入欄521が、文字認識率の高い受取人情報記入欄であるか、文字認識率の低い受取人情報記入欄であるかを判定する。
情報処理装置201は、例えば、第1の受取人情報記入欄521に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値が「0」以下の場合には、第1の受取人情報記入欄521が文字認識率の低い受取人情報記入欄であると判定する。一方で、情報処理装置201は、第1の受取人情報記入欄521に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値が「0」より大きい場合には、第1の受取人情報記入欄521が文字認識率の高い受取人情報記入欄であると判定する。
ここで、文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理を行う場合には、当該受取人情報記入欄の受取人情報の認識結果を確認することが困難な場合が多く、窓口業務のオペレータに連絡して受取人情報を確認する作業を行う場合が多くなる。一方で、文字認識率の高い受取人情報記入欄に対応する振込処理を行う場合には、当該受取人情報記入欄の受取人情報の認識結果を確認することが困難な場合は少なく、窓口業務の窓口オペレータに連絡して受取人情報を確認する作業を行う場合は少なくなる。
したがって、情報処理装置201は、文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理の割当先を他の文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理とまとめなければ、何人もの事務オペレータが窓口業務の窓口オペレータに連絡することになると判定する。このため、情報処理装置201は、文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理の割当先を、他の文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理とまとめなければ、作業効率が低下してしまうと判定する。一方で、情報処理装置201は、文字認識率の高い受取人情報記入欄に対応する振込処理の割当先を、他の受取人情報記入欄に対応する振込処理とまとめなくても、作業効率が低下しないと判定する。
図9の例では、情報処理装置201は、第1の受取人情報記入欄521に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値が「0」以下のため、第1の受取人情報記入欄521に対応する振込処理の割当先をまとめるべきであると判定する。次に、図10の説明に移行する。
情報処理装置201は、図5の第2の受取人情報記入欄522の金融機関の名称の項目の文字認識率の平均値を算出して、図10の当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、第2の受取人情報記入欄522の他の項目の文字認識率の平均値を算出して、図10の当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。
次に、情報処理装置201は、第2の受取人情報記入欄522の金融機関の名称の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、漢字に対する項目別閾値「80」を減算した差分を算出する。そして、情報処理装置201は、算出した差分を、当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、第2の受取人情報記入欄522の他の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、項目別閾値を減算した差分を算出して、図10の当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。
そして、情報処理装置201は、第2の受取人情報記入欄522の各項目に対応する閾値比較のフィールドに設定された差分の平均値を算出して、第2の受取人情報記入欄522に対応する分割判定のフィールドに設定する。ここで、情報処理装置201は、第2の受取人情報記入欄522が、文字認識率の高い受取人情報記入欄であるか、文字認識率の低い受取人情報記入欄であるかを判定する。
図10の例では、情報処理装置201は、第2の受取人情報記入欄522に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値が「0」以下のため、第2の受取人情報記入欄522に対応する振込処理の割当先をまとめるべきであると判定する。換言すれば、情報処理装置201は、第1の受取人情報記入欄521に対応する振込処理と、第2の受取人情報記入欄522に対応する振込処理とをまとめて1人のオペレータが引き受けるようにすべきであると判定する。次に、図11の説明に移行する。
情報処理装置201は、図5の第3の受取人情報記入欄523の金融機関の名称の項目の文字認識率の平均値を算出して、図11の当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、第3の受取人情報記入欄523の他の項目の文字認識率の平均値を算出して、図11の当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。
次に、情報処理装置201は、第3の受取人情報記入欄523の金融機関の名称の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、漢字に対する項目別閾値「80」を減算した差分を算出する。そして、情報処理装置201は、算出した差分を、当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、第3の受取人情報記入欄523の他の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、項目別閾値を減算した差分を算出して、図11の当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。
そして、情報処理装置201は、第3の受取人情報記入欄523の各項目に対応する閾値比較のフィールドに設定された差分の平均値を算出して、第3の受取人情報記入欄523に対応する分割判定のフィールドに設定する。ここで、情報処理装置201は、第3の受取人情報記入欄523が、文字認識率の高い受取人情報記入欄であるか、文字認識率の低い受取人情報記入欄であるかを判定する。
例えば、第3の受取人情報記入欄523に対応する、図11の分割判定のフィールドに設定された平均値が「0」より大きい場合であっても、第3の受取人情報記入欄523に対応する文字認識率のフィールドに、「65」以下の文字認識率が設定されている場合がある。この場合、情報処理装置201は、第3の受取人情報記入欄523が文字認識率の低い受取人情報記入欄であると判定する。
図11の例では、情報処理装置201は、第3の受取人情報記入欄523に対応する文字認識率のフィールドに、「65」以下の文字認識率が設定されているため、第3の受取人情報記入欄523に対応する振込処理の割当先をまとめるべきであると判定する。換言すれば、情報処理装置201は、複数の受取人情報記入欄521,522,523に対応する振込処理をまとめて1人のオペレータが引き受けるようにすべきであると判定する。次に、図12の説明に移行する。
情報処理装置201は、図5の第4の受取人情報記入欄524の金融機関の名称の項目の文字認識率の平均値を算出して、図12の当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、第4の受取人情報記入欄524の他の項目の文字認識率の平均値を算出して、図12の当該項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定する。
次に、情報処理装置201は、第4の受取人情報記入欄524の金融機関の名称の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、漢字に対する項目別閾値「80」を減算した差分を算出する。そして、情報処理装置201は、算出した差分を、図12の当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。同様に、情報処理装置201は、第4の受取人情報記入欄524の他の項目に対応する項目別認識率のフィールドに設定した文字認識率の平均値から、項目別閾値を減算した差分を算出して、当該項目に対応する閾値比較のフィールドに設定する。
そして、情報処理装置201は、第4の受取人情報記入欄524の各項目に対応する閾値比較のフィールドに設定された差分の平均値を算出して、第4の受取人情報記入欄524に対応する、図12の分割判定のフィールドに設定する。ここで、情報処理装置201は、第4の受取人情報記入欄524が、文字認識率の高い受取人情報記入欄であるか、文字認識率の低い受取人情報記入欄であるかを判定する。
図12の例では、情報処理装置201は、第4の受取人情報記入欄524に対応する分割判定のフィールドに設定された平均値が「0」より大きいため、第4の受取人情報記入欄524に対応する振込処理の割当先をまとめなくてもよいと判定する。換言すれば、情報処理装置201は、第4の受取人情報記入欄524に対応する振込処理を、他の受取人情報記入欄521,522,523に対応する振込処理とは異なるオペレータが引き受けてもよいと判定する。
この後、情報処理装置201は、判定結果に基づいて、文字認識率の低い受取人情報記入欄521〜523に対応する振込処理が、まとめて1人のオペレータによって行われるように設定する。
このとき、情報処理装置201は、受取人情報の認識結果を確認することが困難な、文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理については、特定のオペレータが引き受けなければならないように設定してもよい。情報処理装置201は、例えば、文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理については、振込処理にかかる作業経験の長いオペレータや高い権限を持ったオペレータが引き受けなければならないように設定して、作業効率の向上を図ってもよい。
これにより、情報処理装置201は、受取人情報の認識結果を確認することが困難な振込処理については、1人の事務オペレータがまとめて行うようにして、窓口業務の窓口オペレータに連絡する回数を少なくすることができる。結果として、本実施例では、窓口業務において、窓口業務の窓口オペレータは、事務処理部門の1人の事務オペレータからの連絡に応答すればよく、作業効率が低下するのを抑制することができる。
一方で、事務処理部門において、事務処理部門の複数の事務オペレータのいずれかは、窓口業務の窓口オペレータに1回連絡すれば、複数の振込処理を行うことができ、作業効率が低下するのを抑制することができる。また、残余の事務オペレータのそれぞれは、窓口業務の窓口オペレータに連絡しなくてよい場合が多くなり、作業効率が低下するのを抑制することができる。
特に、図5に示したように、連記式伝票500を記入した記入者の文字の書き方に癖がある場合には、文字認識率が低くなる複数の受取人情報記入欄521,522,523において何の文字が判別しにくい文字が共通する文字である場合が多くなる。このように、複数の振込処理のそれぞれを行うために確認すべき文字が共通する場合には、1人の事務オペレータがまとめて確認することにより作業効率の向上を図ることができることが多い。このため、情報処理装置201は、特に、複数の振込処理のそれぞれを行うために確認すべき文字が共通する場合に、窓口業務の窓口オペレータや事務処理部門の事務オペレータの作業効率の低下を抑制することができる。
ここでは、情報処理装置201は、受取人情報記入欄の各項目に対応する閾値比較のフィールドに設定された差分の平均値に基づいて、文字認識率の高い受取人情報記入欄か否かを判定したが、これに限らない。例えば、情報処理装置201は、受取人情報記入欄の各項目に対応する閾値比較のフィールドに設定された差分のうちの少なくとも1つ以上が「0」以下である場合には、当該受取人情報記入欄が文字認識率の低い受取人情報記入欄であると判定してもよい。また、情報処理装置201は、受付情報記入欄全体が空欄ではないにもかかわらず受付情報記入欄のいずれかの項目に空欄がある場合には、当該受取人情報記入欄が文字認識率の低い受取人情報記入欄であると判定してもよい。
また、情報処理装置201は、各受取人情報記入欄に対応する振込処理の処理期限に基づいて、文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理を1人の事務オペレータがまとめて行うようにするか否かを判定してもよい。例えば、文字認識率の低い受取人情報記入欄に対応する振込処理の処理期限が残り少ない場合がある。この場合、情報処理装置201は、文字認識率が低くても、処理期限までの残り時間が短い受取人情報記入欄に対応する振込処理を、複数の事務オペレータに分担して行わせて、処理期限までの残り時間が短い振込処理を行うのにかかる時間の低減を優先してもよい。
(伝票処理手順の一例)
次に、図13を用いて、伝票処理手順の一例について説明する。
図13は、伝票処理手順の一例を示すフローチャートである。図13において、制御装置100は、連記式伝票500のイメージデータを取得する(ステップS1301)。次に、制御装置100は、取得した連記式伝票500のイメージデータに基づいて、連記式伝票500に記入された文字の文字認識を行って、認識結果を取得する(ステップS1302)。そして、制御装置100は、依頼人情報の認識結果を確認するための依頼人情報の確認要求を、クライアント装置202から参照可能なように設定する(ステップS1303)。これにより、制御装置100は、窓口業務の窓口オペレータが、クライアント装置202を用いて、依頼人情報の確認要求を引き受けることができるようにする。
次に、制御装置100は、図14に後述する割当処理を実行する(ステップS1304)。そして、制御装置100は、受取人情報の認識結果を確認し、振込処理を行うための受取人情報の確認要求をクライアント装置202から参照可能なように設定し(ステップS1305)、伝票処理を終了する。これにより、制御装置100は、窓口業務の窓口オペレータが、クライアント装置202を用いて、依頼人情報の確認要求を引き受けることができるようにする。このようにして、制御装置100は、連記式伝票500を処理することができる。
(割当処理手順の一例)
次に、図14を用いて、図13のステップS1304に示した割当処理手順の一例について説明する。
図14は、割当処理手順の一例を示すフローチャートである。図14において、制御装置100は、未選択の受取人情報のいずれかを選択する(ステップS1401)。次に、制御装置100は、受取人情報のいずれかを選択したか否かを判定する(ステップS1402)。
ここで、受取人情報のいずれかを選択した場合(ステップS1402:Yes)、制御装置100は、選択した受取人情報のうちの未選択の項目情報のいずれかを選択する(ステップS1403)。次に、制御装置100は、項目情報のいずれかを選択したか否かを判定する(ステップS1404)。
ここで、項目情報のいずれかを選択した場合(ステップS1404:Yes)、制御装置100は、図15に後述する算出処理を実行し(ステップS1405)、ステップS1403の処理に戻る。
一方で、項目情報を選択することができなかった場合(ステップS1404:No)、制御装置100は、図16に後述する判定処理を実行し(ステップS1406)、ステップS1401の処理に戻る。
ステップS1402において、受取人情報を選択することができなかった場合(ステップS1402:No:未選択の受取人情報がなくなった場合)、制御装置100は、判定結果に基づいて割当先を制御して(ステップS1407)、割当処理を終了する。これにより、制御装置100は、作業効率が向上するように、複数の振込処理の割当先を制御することができる。
(算出処理手順の一例)
次に、図15を用いて、図14のステップS1405に示した算出処理手順の一例について説明する。
図15は、算出処理手順の一例を示すフローチャートである。図15において、制御装置100は、ステップS1403において選択した項目情報のうちの複数の文字のそれぞれの文字認識率の平均値を算出して、当該項目情報の文字認識率として記憶する(ステップS1501)。次に、制御装置100は、項目情報の文字種別を判定する(ステップS1502)。
ここで、文字種別が数字である場合(ステップS1502:数字)、制御装置100は、項目情報の文字認識率−90を算出し(ステップS1503)、ステップS1506の処理に移行する。
一方で、文字種別がカナである場合(ステップS1502:カナ)、制御装置100は、項目情報の文字認識率−85を算出し(ステップS1504)、ステップS1506の処理に移行する。
他方で、文字種別が漢字である場合(ステップS1502:漢字)、制御装置100は、項目情報の文字認識率−80を算出し(ステップS1505)、ステップS1506の処理に移行する。
ステップS1506において、制御装置100は、ステップS1503〜S1505のいずれかにおいて算出した値を、項目別判定値として記憶し(ステップS1506)、算出処理を終了する。これにより、制御装置100は、判定処理に用いる各種数値を算出することができる。
(判定処理手順の一例)
次に、図16を用いて、図14のステップS1406に示した判定処理手順の一例について説明する。
図16は、判定処理手順の一例を示すフローチャートである。図16において、制御装置100は、ステップS1402において選択した受取人情報のうちの複数の項目情報のそれぞれの項目別判定値の平均値を算出して、分割判定値として記憶する(ステップS1601)。
次に、制御装置100は、分割判定値>0であるか否かを判定する(ステップS1602)。ここで、分割判定値>0ではない場合(ステップS1602:No)、制御装置100は、ステップS1605の処理に移行する。
一方で、分割判定値>0である場合(ステップS1602:Yes)、制御装置100は、ステップS1402において選択した受取人情報のうちの複数の項目情報のいずれかに文字認識率が文字別閾値以下の文字があるか否かを判定する(ステップS1603)。
ここで、文字認識率が文字別閾値以下の文字がない場合(ステップS1603:No)、制御装置100は、ステップS1604の処理に移行する。ステップS1604において、制御装置100は、ステップS1402において選択した受取人情報に対応する振込処理を、他の受取人情報に対応する振込処理とまとめないと判定し、当該受取人情報に対応付けて判定結果を記憶し(ステップS1604)、判定処理を終了する。
一方で、文字認識率が文字別閾値以下の文字がある場合(ステップS1603:Yes)、制御装置100は、ステップS1605の処理に移行する。ステップS1605において、制御装置100は、ステップS1402において選択した受取人情報に対応する振込処理を、他の受取人情報に対応する振込処理とまとめると判定し、当該受取人情報に対応付けて判定結果を記憶し(ステップS1605)、判定処理を終了する。これにより、制御装置100は、いずれかの受取人情報に対応する振込処理を、他の受取人情報に対応する振込処理とまとめるか否かを判定することができる。
以上説明したように、制御装置100によれば、複数の記入欄を備えた連記式伝票500について文字認識を行い、複数の記入欄における文字認識率に基づいて、複数の記入欄それぞれに対応する処理の割当先を制御することができる。これにより、制御装置100は、文字認識率の低い記入欄に対応し、当該記入欄に記入された文字が不明確であるために作業効率が低くなりうる処理であるか否かに基づいて、作業効率の向上を図るように複数の処理の割当先を制御することができる。
また、制御装置100によれば、複数の記入欄のうち、文字認識率が基準以下の記入欄が複数存在する場合に、文字認識率が基準以下の複数の記入欄に対応する処理を同一の割当先に割り当てることができる。これにより、制御装置100は、文字認識率の低い記入欄に対応し、当該記入欄に記入された文字が不明確であるために作業効率が低くなりうる処理が、まとめて1人の事務オペレータによって行われるように設定することができる。換言すれば、制御装置100は、文字認識率の低い記入欄に対応し、当該記入欄に記入された文字が不明確であるために作業効率が低くなりうる処理については、1人の事務オペレータがまとめて行うようにすることができる。そして、制御装置100は、1人の事務オペレータが、当該記入欄に記入された不明確な文字をまとめて確認するようにすることができる。結果として、複数の事務オペレータのうち、複数の処理がまとめて割り当てられたいずれかの事務オペレータは、不明確な文字をまとめて1回確認すれば、複数の処理を行うことができ、作業効率が低下するのを抑制することができる。また、残余の事務オペレータのそれぞれは、記入欄について不明確な文字を確認しなくてもよい場合が多くなり、作業効率が低下するのを抑制することができる。
また、制御装置100によれば、複数の記入欄のうち、文字認識率が基準以下の記入欄が複数存在する場合に、文字認識率が基準以下の複数の記入欄に対応する処理の割当先を第1の割当先に割り当てることができる。さらに、制御装置100によれば、文字認識率が基準より大きい記入欄に対応する処理の割当先を第1の割当先とは異なる1または複数の割当先に割り当てることができる。これにより、制御装置100は、文字認識率の高い記入欄に対応し、当該記入欄に記入された文字を確認しなくてもよい場合が多い処理が、複数の事務オペレータによって分担して行われるように設定することができる。結果として、複数の事務オペレータは、複数の処理を分担して、作業効率を向上することができる。
また、制御装置100によれば、複数の記入欄それぞれにおける、複数の領域それぞれにおける項目情報の文字認識率と複数の領域それぞれに対する閾値との差分に基づいて、複数の記入欄のうちの文字認識率が基準以下の記入欄を特定することができる。これにより、制御装置100は、全体的に文字認識率が低く、当該記入欄に記入された文字が不明確であるために当該記入欄に対応する処理についての作業効率が低くなりうる記入欄を特定することができる。
また、制御装置100によれば、複数の領域それぞれに対する閾値は、複数の領域それぞれにおける項目情報の文字種別に基づいて設定することができる。これにより、制御装置100は、項目情報が文字認識の難しい文字種別であれば、当該項目情報の領域に対する閾値を低くして、当該項目情報の領域における文字認識率が通常と比べて低いか否かを判定しやすくすることができる。
また、制御装置100によれば、複数の項目は、金融機関において振込処理を行うための振込先の項目と、当該振込先に振り込む金額の項目とを含む。これにより、制御装置100は、振込先の項目と、当該振込先に振り込む金額の項目との複数の項目の文字認識率をどちらも考慮して、割当先を制御することができる。
また、制御装置100によれば、複数の記入欄のうちの文字認識率が基準以下の記入欄として、文字認識率が閾値以下の文字が含まれる記入欄を特定することができる。これにより、制御装置100は、局所的に文字認識率が低く、当該記入欄に記入された文字が不明確であるために作業効率が低くなりうる記入欄を特定することができる。
また、制御装置100によれば、同一の割当先に割り当てられた複数の処理それぞれを示す情報の組み合わせを、依頼元を示す情報と対応付けて出力することができる。これにより、制御装置100は、割当先において、複数の処理が割り当てられたことを把握することができるようにすることができる。
また、従来の情報処理装置が、複数の処理を常に同じ事務オペレータに割り当てる場合がある。しかしながら、この場合、複数の処理を分担して行うことができないため、作業効率が低下してしまうことがある。一方で、制御装置100によれば、記入欄の文字認識率に基づいて複数の処理の割当先を制御することができ、作業効率の向上を図るように複数の処理を同じ事務オペレータに割り当てたり、複数の処理を複数の事務オペレータに割り当てて分担させたりすることができる。
また、従来の情報処理装置が、複数の処理を常に複数の事務オペレータに割り当てて分担する場合がある。しかしながら、この場合、文字認識率の低い記入欄に対応し、当該記入欄に記入された文字が不明確であるために作業効率が低くなりうる複数の処理が、それぞれ、別々の事務オペレータによって行われてしまうことがあり、作業効率が低下してしまうことがある。一方で、制御装置100によれば、記入欄の文字認識率に基づいて複数の処理の割当先を制御することができ、作業効率の向上を図るように複数の処理を同じ事務オペレータに割り当てたり、複数の処理を複数の事務オペレータに分担して割り当てたりすることができる。
なお、本実施の形態で説明した処理依頼方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本処理依頼プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本処理依頼プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータが、
それぞれ処理の内容についての指定情報の記入が可能な複数の記入欄を備えた連記式伝票について文字認識を行い、
前記複数の記入欄における文字認識率に基づいて、前記複数の記入欄それぞれに対応する処理の割当先を制御する、
処理を実行することを特徴とする処理依頼方法。
(付記2)前記制御する処理は、
前記複数の記入欄のうち、文字認識率が基準以下の記入欄が複数存在する場合に、文字認識率が基準以下の複数の記入欄に対応する処理を同一の割当先に割り当てる、
ことを特徴とする付記1に記載の処理依頼方法。
(付記3)前記制御する処理は、
前記複数の記入欄のうち、文字認識率が基準以下の記入欄が複数存在する場合に、文字認識率が基準以下の複数の記入欄に対応する処理の割当先を第1の割当先に割り当て、文字認識率が基準より大きい記入欄に対応する処理の割当先を前記第1の割当先とは異なる1または複数の割当先に割り当てる、
ことを特徴とする付記2に記載の処理依頼方法。
(付記4)前記記入欄は、複数の項目それぞれに対応する項目情報を前記指定情報として記入が可能な複数の領域を有し、
前記制御する処理は、
前記複数の記入欄それぞれにおける、前記複数の領域それぞれにおける項目情報の文字認識率と前記複数の領域それぞれに対する閾値との差分に基づいて、前記複数の記入欄のうちの文字認識率が基準以下の記入欄を特定する、ことを特徴とする付記2または3に記載の処理依頼方法。
(付記5)前記複数の領域それぞれに対する閾値は、前記複数の領域それぞれにおける項目情報の文字種別に基づいて設定される、ことを特徴とする付記4に記載の処理依頼方法。
(付記6)前記複数の項目は、金融機関において振込処理を行うための振込先の項目と、当該振込先に振り込む金額の項目とを含む、ことを特徴とする付記5に記載の処理依頼方法。
(付記7)前記制御する処理は、
前記複数の記入欄のうちの文字認識率が基準以下の記入欄として、文字認識率が閾値以下の文字が含まれる記入欄を特定する、ことを特徴とする付記2〜6のいずれか一つに記載の処理依頼方法。
(付記8)前記コンピュータが、
同一の割当先に割り当てられた複数の処理それぞれを示す情報の組み合わせを、依頼元を示す情報と対応付けて出力する、
処理を実行することを特徴とする付記2〜7のいずれか一つに記載の処理依頼方法。
(付記9)前記割当先は、処理を行うオペレータである、ことを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の処理依頼方法。
(付記10)コンピュータに、
それぞれ処理の内容についての指定情報の記入が可能な複数の記入欄を備えた連記式伝票について文字認識を行い、
前記複数の記入欄における文字認識率に基づいて、前記複数の記入欄それぞれに対応する処理の割当先を制御する、
処理を実行させることを特徴とする処理依頼プログラム。
(付記11)それぞれ処理の内容についての指定情報の記入が可能な複数の記入欄を備えた連記式伝票について文字認識を行い、
前記複数の記入欄における文字認識率に基づいて、前記複数の記入欄それぞれに対応する処理の割当先を制御する、
ことを特徴とする処理依頼システム。