JP2016071379A - 感光性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置 - Google Patents

感光性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温で加熱した場合であっても得られる硬化膜の硬度に優れ、また、フォトリソグラフィーによるパターニング性に優れ、更に、得られる表示装置のタッチ検出能の安定性に優れた感光性組成物、上記感光性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供すること。【解決手段】成分Aとして重合性単量体、成分Bとしてアルカリ現像性基を有する化合物、成分Cとして光重合開始剤、成分Dとして重合禁止剤、成分Eとして分子内に第三級アミノ基及び芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つするアミン化合物、並びに、成分Fとして溶剤を含有し、成分Aが分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含有し、成分Eの含有量が感光性組成物の全固形分量に対し10質量%以下であることを特徴とする感光性組成物、上記感光性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を用いた液晶表示装置。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、並びに、硬化膜を用いた液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイが広く使用されている。最近、これらディスプレイの製造工程において、基板や回路等へのダメージ低減、省エネルギー化等の観点から、製造工程での各種硬化膜の加熱温度の低温化が必要とされている。
このような感光性組成物として、例えば、特許文献1には、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)式a及び式bから選ばれる1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、(C)感放射線性重合開始剤を含むことを特徴とするタッチパネルの保護膜形成用感放射線性樹脂組成物とその形成方法が記載されている。
Figure 2016071379
(ここで、Xは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アクリロイル基又はメタアクリロイル基から選ばれ、少なくとも一つがアクリロイル基又はメタアクリロイル基である。Wは、炭素数1〜6のアルキレン基、不飽和結合を1つ含む炭素数2〜6のアルキレン基、フェニレン基、シクロヘキシル基を示す。)
特許第5201066号公報
しかしながら、特許文献1に記載の感光性組成物は、加熱温度が200℃以上必要であり、低温(例えば180℃以下、更には150℃以下)で加熱した場合、充分な硬度が得られなかった。
本発明が解決しようとする課題は、低温で加熱した場合であっても、得られる硬化膜の硬度に優れ、また、フォトリソグラフィーによるパターニング性に優れ、更に、得られる表示装置のタッチ検出能の安定性に優れた感光性組成物、上記感光性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<11>、<13>、又は、<16>〜<19>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<10>、<12>、<14>及び<15>と共に以下に記載する。
<1> 成分Aとして、重合性単量体、成分Bとして、アルカリ現像性基を有する化合物、成分Cとして、光重合開始剤、成分Dとして、重合禁止剤、成分Eとして、分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物、並びに、成分Fとして、溶剤を含有し、成分Aが、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含有し、成分Eの含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、10質量%以下であることを特徴とする感光性組成物、
<2> 成分Eの含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、0.5〜10質量%である、<1>に記載の感光性組成物、
<3> 成分Bが有するアルカリ現像性基がカルボキシル基である、<1>又は<2>に記載の感光性組成物、
<4> 成分Bが、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基と、1つ以上のカルボキシル基とを有する重合性単量体である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<5> 成分Gとして、アルコキシシラン化合物を更に含有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<6> 成分Hとして、無機粒子を更に含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<7> 成分Eが、モルホリン誘導体、ピペリジン又はその誘導体、ピペリドン誘導体、ベンジルアミン誘導体、及び、イミダゾール又はその誘導体よりなる群から選択される、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<8> 成分Dがフェノチアジン、フェノキサジン、及び、これらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<9> 分子量が10,000を超えるポリマー成分の含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、25質量%以下である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<10> 分子量が10,000を超えるポリマー成分の含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、10質量%以下である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<11> 少なくとも工程1〜工程5をこの順で含む硬化膜の製造方法、
工程1:<1>〜<10>のいずれか1つに記載の感光性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された感光性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された感光性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された感光性組成物を熱処理する熱処理工程
<12> 工程5における熱処理温度が、80℃〜180℃である、<11>に記載の硬化膜の製造方法、
<13> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の感光性組成物を硬化してなる硬化膜、
<14> 層間絶縁膜又はオーバーコート膜である、<13>に記載の硬化膜、
<15> タッチパネル用オーバーコート膜である、<13>又は<14>に記載の硬化膜、
<16> <13>又は<14>に記載の硬化膜を有する液晶表示装置、
<17> <13>又は<14>に記載の硬化膜を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置、
<18> <13>〜<15>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル、
<19> <13>〜<15>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
本発明によれば、低温で加熱した場合であっても、得られる硬化膜の硬度に優れ、また、フォトリソグラフィーによるパターニング性に優れ、更に、得られる表示装置のタッチ検出能の安定性に優れた感光性組成物、上記感光性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供することができた。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図を示す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及び/又はメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及び/又はメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及び/又はメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「成分A:分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基と1つ以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体」等を、単に「成分A」等ともいう。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明では、ポリマー成分における重量平均分子量及び数平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量である。
(感光性組成物)
本発明の感光性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、重合性単量体、成分Bとして、アルカリ現像性基を有する化合物、成分Cとして、光重合開始剤、成分Dとして、重合禁止剤、成分Eとして、分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物、並びに、成分Fとして、溶剤を含有し、成分Aが、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含有し、成分Eの含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、10質量%以下であることを特徴とする。
本発明の感光性組成物は、更に、成分Gとしてアルコキシシラン化合物、成分Hとして無機粒子等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明の感光性組成物は、アルカリ現像液でのフォトリソグラフィーによるパターニングが可能であることが好ましい。なお、本発明の感光性組成物をアルカリ現像液でのフォトリソグラフィーによるパターニングを行った場合、でき上がるパターンは、感光部がパターンとして残るネガ型のパターンである。
本発明者らは上記観点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、成分A〜成分Fを含有し、かつ成分Eが特定の含有量である感光性組成物とすることにより、低温で加熱した場合であっても、得られる硬化膜の硬度に優れ、また、フォトリソグラフィーによるパターニング性に優れ、更に、得られる表示装置のタッチ検出能の安定性に優れることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
詳細な効果の発現機構については不明であるが、成分A、成分B、及び、成分Dを含むことにより、低温で硬化しても充分な硬度のある硬化膜が得られ、また、良好なパターニング性が得られると推測している。更に、成分Eを含むことにより、成分Bの有するアルカリ現像性基が中和され、タッチパネル検出の安定性に優れると推測している。
以下に、本発明の感光性組成物の好ましい実施形態を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<第1の実施形態>
成分A:分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含む重合性単量体
成分B:アルカリ現像性基を有する化合物
成分C:光重合開始剤
成分D:重合禁止剤
成分E:分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物、
成分F:溶剤
<第2の実施形態>
成分A:分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含む重合性単量体
成分B:アルカリ現像性基を有する化合物
成分C:光重合開始剤
成分D:重合禁止剤
成分E:分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物、
成分F:溶剤
成分G:アルコキシシラン化合物
<第3の実施形態>
成分A:分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含む重合性単量体
成分B:アルカリ現像性基を有する化合物
成分C:光重合開始剤
成分D:重合禁止剤
成分E:分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物、
成分F:溶剤
成分H:無機粒子
<第4の実施形態>
成分A:分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含む重合性単量体
成分B:アルカリ現像性基を有する化合物
成分C:光重合開始剤
成分D:重合禁止剤
成分E:分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物、
成分F:溶剤
成分G:アルコキシシラン化合物
成分H:無機粒子
<第5の実施形態>
上記第1〜第4の実施形態のいずれかに、更に、ブロックイソシアネート化合物を配合した実施形態。
<第6の実施形態>
上記第1〜第5の実施形態のいずれかに、更に、界面活性剤を配合した実施形態。
以下、本発明の感光性組成物が含有する、各成分について説明する。
成分A:重合性単量体
本発明の感光性組成物は、成分Aとして、重合性単量体を含有し、成分Aが、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含有する。なお、成分Aは、後述する成分Bを除くものであり、アルカリ現像性基を有しない重合性単量体である。
成分Aは、低分子の化合物でもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではないことが好ましい。すなわち、成分Aは、硬化膜の硬度の観点から、分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)が10,000以下であることが好ましく、5,000以下であることがより好ましく、3,000以下であることが更に好ましい。
成分Aは、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する。(メタ)アクリロイル基を3〜15有することが好ましく、3〜10有することがより好ましく、3〜6有することが更に好ましい。上記の構成とすることにより、本発明の効果がより発揮される。
本発明に用いられる重合性単量体は、この種の組成物に適用されるものを適宜選定して用いることができるが、中でもエチレン性不飽和化合物を用いることが好ましい。
例えば、特開2006−23696号公報の段落0011に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落0031〜0047に記載の成分のうち、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを挙げることができ、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
成分Aとしては、ポリヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく例示され、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートエチレンオキサイド(EO)変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートEO変性体などが挙げられる。
成分Aとしては、上市されている製品を使用してもよく、上記市販品として、例えば、アロニックス(登録商標)M−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同TO−1382、同TO−1450(東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)などを挙げることができる。
なお、成分Aに該当する化合物であっても、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物であって、後述するアルコキシシラン化合物に該当するものは、アルコキシシラン化合物とする。
<6官能以上のウレタン(メタ)アクリレート>
本発明において、成分Aとして、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを使用してもよい。
本発明で用いることができる、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの分子量は、硬化膜硬度の観点から、500〜10,000が好ましく、600〜6,000がより好ましく、650〜3,000が更に好ましい。
このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基の数は、8以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、12以上であることが更に好ましい。上記態様であると、本発明の効果がより効果的に発揮される。
また、上記(メタ)アクリロキシ基の数の上限は特に制限はないが、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが更に好ましい。
本発明の感光性組成物は、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基は、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のいずれであっても、両方であってもよいが、アクリロキシ基であることが好ましい。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおけるウレタン結合の数は、特に制限はないが、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが特に好ましく、2又は3であることが最も好ましい。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、6官能以上の脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、イソシアヌル環構造を有することが好ましい。
また、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、1以上の、好ましくは2以上の、ウレタン結合を有するコア部分と、コア部分に結合し、かつ1以上の、好ましくは2以上の、より好ましくは3以上の、(メタ)アクリロキシ基を有する末端部分からなる化合物であることが好ましく、上記コア部分に、2個以上の上記末端部分が結合した化合物であることがより好ましく、上記コア部分に、2〜5個の上記末端部分が結合した化合物であることが更に好ましく、上記コア部分に、2又は3個の上記末端部分が結合した化合物であることが特に好ましい。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、下記式(Ae−1)又は式(Ae−2)で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式(Ae−1)で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。また、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、下記式(Ae−1)で表される基及び式(Ae−2)で表される基よりなる群から選ばれた基を2以上有する化合物であることがより好ましい。
また、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける上記末端部分は、下記式(Ae−1)又は式(Ae−2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2016071379
式(Ae−1)及び式(Ae−2)中、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
また、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、下記式(Ac−1)又は式(Ac−2)で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式(Ac−1)で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。
また、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける上記コア部分は、下記式(Ac−1)又は式(Ac−2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2016071379
式(Ac−1)及び式(Ac−2)中、L1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキレン基であることが更に好ましい。また、上記アルキレン基は、分岐や環構造を有していてもよいが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
また、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、式(Ac−1)又は式(Ac−2)で表される基と、式(Ae−1)及び式(Ae−2)で表される基よりなる群から選ばれた2又は3個の基とが結合した化合物であることが特に好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを例示するが、本発明はこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。
Figure 2016071379
Figure 2016071379
Figure 2016071379
また、本発明で用いることができる6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、新中村化学工業(株)から入手可能なU−6HA、UA−1100H、U−6LPA、U−15HA、U−6H、U−10HA、U−10PA、UA−53H、UA−33H(いずれも登録商標)や、共栄社化学(株)から入手可能なUA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、BASF社から入手可能なLaromer UA−9048、UA−9050、PR9052、ダイセルオルネクス(株)から入手可能なEBECRYL 220、5129、8301、KRM8200、8200AE、8452などが例示される。
本発明において、上記3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体に加え、その他の重合性単量体を含有してもよい。その他の重合性単量体としては、1つ又は2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノアクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノビニルエーテルモノアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記及び以下において、EOはエチレンオキサイドを表し、POはプロピレンオキサイドを表す。
2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の重合性単量体として、更に、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸時エステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、その他の不飽和化合物等が例示される。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及び、クロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及び、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及び、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及び、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−ブトキシカルボニル基(t−Boc)など)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及び、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル及びフェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
その他の重合性単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環化合物(例えば、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等が挙げられる。
成分Aは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分Aの含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、30〜80質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることが更に好ましい。
成分Aのうち、3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の含有量は、硬化膜の硬度の観点から、成分A全体の30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、成分Aの全量が3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが特に好ましい。
なお、本発明において、感光性組成物における「固形分」とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた成分を意味する。また、「有機固形分」とは、感光性組成物から有機溶剤等の揮発性成分と、無機粒子等の無機成分を除いた成分を意味する。
成分B:アルカリ現像性基を有する化合物
本発明の感光性組成物は、成分Bとして、アルカリ現像性基を有する化合物を含有する。成分Bが有するアルカリ現像性基としては、酸基が例示され、具体的には、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホ基が挙げられる。なお、本発明において成分Bに該当し、かつ、成分Aにも該当する化合物は、成分Bに該当するものとする。
本発明において、成分Bとしては、アルカリ現像性基を有する化合物であれば特に限定されないが、アルカリ現像性基を有する重合性単量体が好ましい。成分Bは、低分子の化合物であってもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではないことが好ましい。
本発明に用いられる成分Bの分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)は、硬化膜の硬度の観点から、100〜10,000であることが好ましく、200〜5,000であることがより好ましく、300〜3,000であることが更に好ましい。
成分Bとして好適な、アルカリ現像性基を有し、かつ、重合性単量体ではない化合物としては、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸の脂肪族多価カルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられる。
更に、イソシアヌル酸や、グリコールウリル母核の多価カルボン酸、例えば、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、テトラ(2−カルボキシエチル)グリコールウリルが挙げられ、これらの化合物は、それぞれCIC酸、TC−Gとして、四国化成工業(株)により上市されている。
成分Bとしては、上述の通り、アルカリ現像性基を有する重合性単量体が好ましく、硬化性、及び、得られる硬化膜の硬度の観点から、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基と、1つ以上のアルカリ現像性基とを有する化合物であることがより好ましく、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基と、1つ以上のカルボキシル基とを有する化合物であることが更に好ましい。
以下、本発明において成分Bとして好ましく使用される、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基と、1つ以上のカルボキシル基とを有する重合性単量体について説明する。
本発明の感光性組成物は、成分Bとして、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基と1つ以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体を含有することが好ましい。
成分Bは、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、分子内(1分子内)に有する(メタ)アクリロイル基の数は、3〜15であることがより好ましく、3〜10であることが更に好ましく、3〜6であることが特に好ましい。
(メタ)アクリロイル基の数が上記範囲内であると、硬度及び反応性に優れる。
成分Bは、1分子内にアクリロイル(−C(=O)−CH=CH2)基及びメタクリロイル基(−C(=O)−C(CH3)=CH2)を合計して3つ以上有していることが好ましく、アクリロイルオキシ基(−O−C(=O)−CH=CH2)又はメタクリロイルオキシ基(−O−C(=O)−C(CH3)=CH2)を合計して3つ以上有することがより好ましい。また、アクリロイル基を3つ以上有することが好ましく、アクリロイルオキシ基を3つ以上有することがより好ましい。
メタクリロイル基に比べ、アクリロイル基は硬化性(反応性)に優れる点で好ましい。また、(メタ)アクリロイルオキシ基であると、反応性に優れ、合成が容易である点で好ましい。
成分Bは、分子内(1分子内)に1つ以上のカルボキシ基を有することが好ましい。1分子内のカルボキシ基の数は、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることが更に好ましく、1〜2であることが特に好ましい。
成分Bが1分子内に有するカルボキシ基の数が上記範囲内であると、現像性及び基材密着性に優れるので好ましい。
なお、成分Bの有するカルボキシ基は、塩を形成していてもよい。塩を形成するカチオンとしては、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン、又は、金属カチオンが好ましい。有機カチオン性化合物としては、第4級アンモニウムカチオン、第4級ピリジニウムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。遷移金属カチオンとしては、特許279143号公報に記載の化合物が例示される。金属カチオンとしては、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Ca2+等が例示される。
なお、成分Bは、上記カルボキシ基以外の酸基を有していないことが好ましい。カルボキシ基以外の酸基としては、スルホン酸基、リン酸基等が例示される。カルボキシ基以外の酸基を有すると、基材密着性が低下する場合がある。
成分Bとしては、ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、かつ、ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基にカルボン酸無水物を反応させて酸基(カルボキシ基)を持たせた重合性単量体が好ましく、特に好ましくは、ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
成分Bは、例えば、3つ以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシ基を有する化合物(以下「ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート」ともいう。)に酸無水物を付加することにより得ることができる。
ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとしては、4つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とのエステルが例示される。
4つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物であることが好ましく、具体的には、ジグリセロール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールブタン、ジトリメチロールヘキサン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等が例示される。これらの中でも、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが好ましい。
また、ポリヒドロキシ化合物として、上記の例示したポリヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物を使用してもよく、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が例示される。
ヒドロキシ多官能アクリレートの製造方法としては、公知の方法を適宜採用すればよく、特に限定されない。具体的には、酸性触媒下にポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを加熱・撹拌する方法が例示される。酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸等が挙げられる。また、反応温度は、使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは70℃〜140℃である。上記の温度範囲内であると、反応が速く、また、安定的に反応が進み、不純物の生成やゲル化が抑制される。
反応に際しては、エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶剤を使用し、水を共沸させながら脱水を促進することが好ましい。好ましい有機溶剤としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びに、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。また、有機溶剤は、反応後に減圧で留去することができる。
また、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合禁止剤を添加することができる。このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール及びフェノチアジン等が挙げられる。
成分Bは、上記ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートと、酸無水物との反応によって得られる。
酸無水物としては、無水コハク酸、無水1−ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸及び無水トリメリット酸等の同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物、並びに無水ピロメリット酸、無水フタル酸ニ量体、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物及び無水トリメリット酸・エチレングリコールエステル(市販品としては、例えば、新日本理化(株)製、商品名リカシッドTMEG−100がある)等の同一分子内に2個の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物が好ましい。
成分Bの製造方法としては、常法に従えばよい。
例えば、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートと酸無水物とを、触媒の存在下、60〜110℃で1〜20時間反応させる方法等が挙げられる。この場合の触媒としては、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド及び酸化亜鉛等が挙げられる。
成分Bとしては、式b−1又は式b−2で表される化合物が好ましい。
Figure 2016071379
式b−1中、X1はそれぞれ独立に、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、W1は炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又はフェニレン基を表す。
式b−2中、X2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、5つあるX2のうち、少なくとも3つはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である。W2は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン、又はフェニレン基を表す。
式b−1中、X1は3つともがアクリロイルオキシ基であることが好ましい。
式b−1中、W1は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又は、フェニレン基を表し、炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。上記アルキレン基は、炭素数2〜6であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチル基、ヘキシレン基、又はシクロへキシレン基が例示される。
式b−1中、W1は炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
式b−2中、5つあるX2のうち、少なくとも3つはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。なお、5つあるX2のうち、3つ〜5つがアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、4つ〜5つがアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることが好ましく、5つがアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることが好ましい。
また、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子、又は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれのアルキル基であってもよい。これらの中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式b−2中、W2は、式b−1中のW1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
成分Bとしては、上市されている製品を使用することも可能であり、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、アロニックスシリーズのM−510、M−520、TO−2349、TO−2359、などが挙げられる。
成分Bとしては、アルカリ現像性基を有する重合体であってもよい。アルカリ現像性基を有する重合体としては、公知のものを任意に使用でき、アクリル系ポリマーであることが好ましい。このようなアルカリ現像性基を有する共重合体としては、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられる。
酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
本発明において、アルカリ現像性基を有する重合体として、共重合体を用いる場合、共重合させる化合物として、先に挙げたモノマー以外の他のモノマーを用いることもできる。他のモノマーの例としては、下記(1)〜(12)の化合物が挙げられる。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビニルメタクリレート、2−フェニルビニルメタクリレート、1−プロペニルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特開2002−309057号、特開2002−311569号等の各公報に記載の化合物を挙げることができる。
アルカリ現像性基を有する重合体の重量平均分子量としては、5,000以上であることが好ましく、1万以上30万以下であることがより好ましく、数平均分子量については、1,000以上であることが好ましく、2,000以上25万以下であることがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1以上が好ましく、1.1以上10以下がより好ましい。
これらのアルカリ現像性基を有する重合体は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明で用いることができるアルカリ現像性基を有する重合体は、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶剤は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーをラジカル重合によって合成する場合に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
アルカリ現像性基を有する重合体は、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
成分Bは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分Bの含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、6〜38質量%であることが好ましく、5〜35質量%であることがより好ましく、5〜25質量%であることが更に好ましく、8〜20質量%であることが最も好ましい。
本発明において、成分A及び成分Bの合計含有量は、感光性組成物の全有機固形分中のうち60質量%〜95質量%であることが好ましく、65質量%〜95質量%であることがより好ましく、70質量%〜95質量%であることが更に好ましい。成分A及び成分Bの合計含有量がこの範囲であれば、得られる硬化膜の膜硬度に優れた感光性組成物を得ることができる。
また、成分Aと成分Bの含有比も重要であり、成分Bの含有量は、成分A及び成分Bの合計含有量に対し、10〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが更に好ましい。成分A及び成分Bの合計含有量に対する成分Bの含有量が上記範囲であれば、パターニング性に優れる感光性組成物が得られる。
成分C:光重合開始剤
本発明の感光性組成物は、成分Cとして、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができる光ラジカル重合開始剤は、光により成分Aや成分B等の重合を開始、促進可能な化合物である。
「光」とは、その照射により成分Cより重合開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2007−231000号公報、特開2009−134289号公報に記載の化合物を使用できる。
オキシムエステル化合物は、下記式c−1又は式c−2で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016071379
式c−1又は式c−2中、Arは芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、R1はアルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、R2は水素原子又はアルキル基を表し、更にR2はArと結合し環を形成してもよい。
式c−1又は式c−2中、Arは、芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、ベンゼン環化合物、ナフタレン環化合物又はカルバゾール環化合物から水素原子を1つ除いた基であることが好ましく、R2と共に環を形成したナフタレニル基、カルバゾイル基がより好ましい。ヘテロ芳香族基におけるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、及び、硫黄原子が好ましく挙げられる。
1は、アルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基又はメトキシ基がより好ましい。
2は、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は置換アルキル基が好ましく、水素原子、Arと共に環を形成する置換アルキル基又はトルエンチオアルキル基がより好ましい。
また、Arは、炭素数4〜20の基であることが好ましく、R1は、炭素数1〜30の基であることが好ましく、また、R2は、炭素数1〜50の基であることが好ましい。
オキシムエステル化合物は、下記式c−3、式c−4又は式c−5で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2016071379
式c−3〜式c−5中、R1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、Xは−CH2−、−C24−、−O−又は−S−を表し、R3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、R4はそれぞれ独立に、アルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6はアルキル基を表し、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜6の整数を表し、n3は0〜5の整数を表す。
1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、R11−X’−アルキレン基−で表される基(R11はアルキル基又はアリール基を表し、X’は硫黄原子又は酸素原子を表す。)が好ましい。R11はアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R11としての、アルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子)又はアルキル基で置換されていてもよい。
Xは硫黄原子が好ましい。
3及びR4は、芳香環上の任意の位置で結合することができる。
4はアルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、アルキル基、フェニル基、アリールチオ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリールチオ基又はハロゲン原子がより好ましく、アルキル基又はハロゲン原子が更に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子が好ましい。
また、R4の炭素数は、0〜50であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
6はアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ、式c−3又は式c−4における芳香環上のR3の置換数を表し、n3は式5における芳香環上のR4の置換数を表す。
n1〜n3はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられるオキシムエステル化合物の例を示す。しかしながら、本発明で用いられるオキシムエステル化合物がこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。なお、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。また、これら化合物におけるオキシムの二重結合のシス−トランス異性は、EZのどちら一方であっても、EZの混合物であってもよい。
Figure 2016071379
Figure 2016071379
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem. Soc. Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物が挙げられる。
アシルホスフィン(オキサイド)化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物、及び、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物が例示でき、具体的には例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性組成物における光重合開始剤の総量は、組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、2〜5質量部であることが特に好ましい。
<増感剤>
本発明の感光性組成物には、光重合開始剤の他に、増感剤を加えることもできる。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して励起状態となる。励起状態となった増感剤は、成分Cとの相互作用により、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じ、重合を開始・促進できる。
本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sci., 62, 1 (1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファーキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。増感剤は、光重合開始剤に対し、50〜200質量%の割合で添加することが好ましい。
成分D:重合禁止剤
本発明の感光性組成物は、成分Dとして、重合禁止剤を含有する。成分Dを含有することにより、漏れ光による重合反応が抑制され、現像性に優れる。重合禁止剤とは、露光や熱により重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
本発明の感光性組成物における成分Dの含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.1〜0.5質量%であることがより好ましい。重合禁止剤の配合量を調整することによって、感度を損なわずにパターニング性を向上させることができる。
重合禁止剤の種類としては、硬調で、かつ、感度を下げないものが好ましく採用される。このような重合禁止剤としては、フェノチアジン、クロルプロマジン、レボメプロマジン、フルフェナジン、チオリダジン等のフェノチアジン誘導体、フェノキサジン、3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウム・ペルクロラート、5−アミノ−9−(ジメチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・クロリド、7−(ペンチルオキシ)−3H−フェノキサジン−3−オン、5,9−ジアミノベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・アセタート、7−エトキシ−3H−フェノキサジン−3−オン等のフェノキサジン誘導体、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ジフェニルピクリルヒドラジル、カルビノキシル等の安定ラジカル、キノン、ベンゾキノン、クロロベンゾキノン、2,5−ジ−クロロベンゾキノン、2,6−ジ−クロロベンゾキノン、2,3−ジ−メチルベンゾキノン、2,5−ジ−メチルベンゾキノン、メトキシベンゾキノン、メチルベンゾキノン、テトラブロモベンゾキノン、テトラクロロベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、トリクロロベンゾキノン、トリメチルベンゾキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等のキノン類、α−ナフトール、2−ニトロ−1−ナフトール、β−ナフトール、1−ニトロ−2−ナフトール等のナフトール類、4−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、ヒドロキノン、フェノール、t−ブチルカテコール、メチルヒドロキノン、n−ブチルフェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、t−ブチルクレゾール、p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、カテコールレゾルシン、o−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマロネート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシエチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2’−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シンナモイロキシル)エチル]イソシアネート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン等のフェノール類、2,4−ジニトロフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロフェノール類、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、没食子酸イソアミル等の没食子酸類、メチレンブルー、マラカイトグリーン等の色素類、β−ナフチルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルアミン塩、ジ−p−フルオロフェニルアミン等のアミン類、ピロガロール、モノベンジルエーテル、ベンゾキノン、トリフェニルホスフィン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トルイジン、ピクリン酸、サリチル酸メチル等が挙げられる。
重合禁止剤として特に好ましくは、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種が例示され、フェノチアジン、フェノキサジン、及び、これらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つを含むことがより好ましい。
フェノチアジン及びその誘導体としては、フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン、フルフェナジン、チオリダジンが例示され、フェノチアジンが好ましい。
フェノキサジン及びその誘導体としては、フェノキサジン、3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウム・ペルクロラート、5−アミノ−9−(ジメチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・クロリド、7−(ペンチルオキシ)−3H−フェノキサジン−3−オン、5,9−ジアミノベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・アセタート、7−エトキシ−3H−フェノキサジン−3−オンが例示され、フェノキサジンが好ましい。
ヒンダードアミン及びその誘導体としては、CHIMASSORB 2020 FDL、TINUVIN 144、765、770(以上、BASF社製)が例示され、TINUVIN 144が好ましい。
成分E:分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物
本発明の感光性組成物は、成分Eとして、分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物を含有する。
成分Eが第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有することにより、組成物の経時安定性、安定したタッチ検出能、及び、良好なパターニング性が得られる。
なお、成分Eは、第三級アミノ基及び芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される1つのみを有し、この他に、例えば、第二級アミノ基や第一級アミノ基を更に有しないことが好ましい。
成分Eは、成分A〜成分Dを除く化合物であり、例えば、ラジカル重合性基を有しない化合物である。また、光重合開始剤、重合禁止剤としての機能を有しない化合物である。成分Eが重合性基を有しない重合性単量体であると、硬化後も成分Eが硬化膜中で比較的自由に移動することができ、成分Bの有するアルカリ現像性基、好ましくは、カルボキシル基を中和する能力に優れると推定される。
成分Eは、低分子化合物であることが、硬化膜中で成分Bの有するアルカリ現像性基を中和する観点から好ましい。成分Eの分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)は、50〜1,000であることが好ましく、60〜500であることがより好ましく、70〜300であることが更に好ましい。
また、成分Eの沸点は、120℃以上であることが好ましい。成分Eの沸点が120℃以上であると、加熱による硬化においても、成分Eの揮発が抑制されるので好ましい。成分Eの沸点は、150℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることが更に好ましい。
成分Eは、塩基性の化合物であることが好ましく、その水中における共役酸のpKa(25℃)が5以上であることが好ましく、6〜10であることがより好ましく、6.5〜9であることが更に好ましい。水中におけるpKa(25℃)が上記範囲内であると、よりタッチ検出能の安定性に優れる。
pKaは以下の方法にて測定する。具体的には、水中でのpKaが公知の参照有機物質(化学便覧 第6版を参照。)を用いて半−中和位置(HNP)検量線のプロットを作成する。次いで、HNP検量線を決定するためにpKaが未知の化合物を滴定し、検量線プロットから相当するpKaを推測して得る。pKa未知の化合物の水への溶解性が乏しい場合は、非水系溶剤(1:1=アセトニトリル:クロロホルム、及び、0.1N過塩素酸/ジオキサン滴定系)に滴下し、pKaに対する非水系のHNP検量線を作成する。
また、上記測定方法にて測定できない化合物については、ACD/pKa DB(Advanced Chemistry Development Inc.製)にて計算した値を用いてもよい。
以下、分子内に第三級アミノ基を1つ有する化合物、及び、分子内に芳香族含窒素複素環基を1つ有する化合物について、それぞれ説明する。
<分子内に第三級アミノ基を1つ有する化合物>
成分Eとして、分子内に第三級アミノ基を1つ有する化合物が例示される。第三級アミノ基を有する化合物(第三級アミン)は、下記式e−1で表され、3つの炭素原子と結合した窒素原子を有する化合物である。
Figure 2016071379
式e−1中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表す。
式e−1中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、上記アルキル基、アリール基は、置換されていてもよい。また、R1とR2、R2とR3、又は、R1とR3とが結合して環を形成していてもよく、形成される環は、S、O、NH等のヘテロ原子を有するヘテロ環であってもよい。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、炭素数1〜24であることが好ましく、1〜16であることがより好ましく、1〜8であることが更に好ましい。アリール基は、単環でもでもよく、縮合多環であってもよく、特に限定されないが、炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
上記アルキル基又はアリール基が有する置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む。)、アリール基(芳香族炭化水素基)、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。芳香族複素環基、及び、脂肪族複素環基を含む。)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、N−アルキルチオウレア基、N−アリールチオウレア基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基(モノ−、ジ−、トリアルキルシリル基を含む。)、ヒドラジノ基、ウレイド基、その他の公知の置換基が挙げられる。また、更に置換基により置換されていてもよい。置換基としては、上述した基が例示される。
分子内に第三級アミノ基を1つ有する化合物としては、モルホリン誘導体、ピペリジン又はその誘導体、ピペリドン誘導体、ベンジルアミン誘導体が好ましく例示される。
モルホリン誘導体としては、式e−2で表される化合物が好ましく、ピペリドン誘導体としては、式e−3で表される化合物が好ましく、ベンジルアミン誘導体としては、式e−4で表される化合物が好ましい。ここで、モルホリン誘導体とは、モルホリン環を有する化合物を意味し、ピペリドン誘導体とは、ピペリドン環を有する化合物を意味し、ベンジルアミン誘導体とは、N,N−ジアルキル(炭素数1〜6)置換ベンジルアミン類を意味する。
ピペリジンの誘導体としては、N−エチルピペリジン、N−ベンジルピペリジンなどのN−アルキル(炭素数1〜6)ピペリジンが例示できる。
Figure 2016071379
式e−2〜式e−4中、R11、R13、R15、R16はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表し、上記アルキル基又はアリール基は置換基を有していてもよい。また、R15、及びR16が連結して脂環構造を形成していてもよい。
上記アルキル基は、炭素数1〜24のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましい。上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、特に限定されないが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
上記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜14のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることが更に好ましい。
上記アルキル基及びアリール基が有する置換基としては、式e−1で表される化合物において、置換基として例示した各置換基が同様に例示される。
式e−2〜式e−4中、R12、R14、及び、R17はそれぞれ独立に、置換基を表し、上記置換基としては、アルキル基、アリール基、及び、式e−1で表される化合物において、置換基として例示した置換基が例示される。
mは0〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表し、lは0〜5の整数を表す。mは0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。nは0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。lは0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
<分子内に芳香族含窒素複素環基を1つ有する化合物>
成分Eとして、分子内に芳香族含窒素複素環基を1つ有する化合物も好ましい。芳香族含窒素複素環基は、単環であってもよく、また、縮合して縮合多環を形成していてもよく特に限定されない。また、芳香族含窒素複素環基が、複素環内に有する窒素原子の数は1つ以上であれば特に限定されず、1〜5つであることが好ましく、1〜3つであることがより好ましく、1つ又は2つであることが更に好ましい。
なお、窒素原子は、芳香環の中に存在するものであり、例えば、フェノチアジンや、フェノキサジンは、芳香族含窒素複素環基には該当しない。
芳香族含窒素複素環化合物としては、ピロール、2H−ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロリジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン等が例示される。
分子内に芳香族含窒素複素環基を1つ有する化合物としては、上記の芳香族含窒素複素環化合物及びその誘導体が好ましく、誘導体としては、上記の芳香族含窒素複素環化合物の任意の位置に置換基を有する化合物が例示される。
これらの中でも、分子内に芳香族含窒素複素環基を1つ有する化合物としては、ピリジン又はその誘導体、イミダゾール又はその誘導体が例示され、イミダゾール又はその誘導体が好ましく例示される。なお、ピリジン誘導体とは、ピリジン環を有する化合物を意味し、イミダゾール誘導体とは、イミダゾール環を有する化合物を意味する。
ピリジン又はその誘導体としては、式e−5で表される化合物が好ましく、イミダゾール又はその誘導体としては、式e−6で表される化合物が好ましい。
Figure 2016071379
式e−5及び式e−6中、R21はそれぞれ独立に、置換基を表し、sは0〜5の整数を表し、R22はそれぞれ独立に、置換基を表し、tは0〜3の整数を表し、R23は水素原子又は置換基を表す。
21〜R23で表される置換基は、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
アルキル基は、炭素数1〜24のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜14のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることが更に好ましい。
上記アルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよく、上記置換基としては、式e−1において、R1〜R3が有する置換基として例示した各種の置換基が同様に例示される。
なお、sが2以上の整数の場合、すなわち、R21が存在する場合、R21は互いに同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。また、R21同士が結合して環を形成していてもよく、形成される環は、脂肪族環であっても、芳香環であってもよく、また、複素環であってもよい。
同様に、tが2以上の整数の場合、すなわち、R22が複数存在する場合、R22は互いに同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。また、R22が複数存在する場合、R22同士が結合して環を形成していてもよい。更に、R22とR23が結合して環を形成していてもよい。形成される環は、脂肪族環であっても、芳香環であってもよく、また、複素環であってもよい。
sは、0〜5の整数を表し、0〜4の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
tは、0〜3の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
成分Eとしては、以下の化合物が例示されるが、本発明は以下の例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2016071379
これらの中でも、成分Eとしては、E−1、E−2、E−4、E−5、E−6、E−7、E−8、E−9、E−10、E−11、E−13、E−14、E−15、E−16、E−17、E−18、及びE−19が好ましく、E−1、E−2、E−5、E−6、E−7、E−8、E−9、E−10、E−11、及びE−19がより好ましく、E−1、E−5、E−6、E−7、及びE−10が更に好ましい。
成分Eは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分Eの感光性組成物中の含有量は、感光性組成物の全固形分量に対して、10質量%以下である。成分Eの含有量が10質量%を超えると、感光性組成物の保存安定性に劣る。また、他の成分が少なくなる結果、パターニング性が不良となる。
成分Eの感光性組成物中の含有量が、感光性組成物の全固形分量に対して、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.6〜8質量%であることがより好ましく、0.7〜5質量%であることが更に好ましく、0.8〜3質量%であることが特に好ましい。
成分F:溶剤
本発明の感光性組成物は、成分Fとして、溶剤を含有する。本発明の感光性組成物は、必須成分である成分A〜成分Eと、後述の任意成分とを、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
成分Fとしては、有機溶剤が好ましく、本発明の感光性組成物に使用される有機溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。これらの有機溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコール、及びメチルエチルジグリコールが好ましい。
有機溶剤の沸点は、塗布性の観点から100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明の感光性組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、感光性組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
感光性組成物の固形分濃度としては、3〜50質量%が好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
感光性組成物の粘度は、1〜200mPa・sが好ましく、2〜100mPa・sがより好ましく、3〜80mPa・sが最も好ましい。粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
成分G:アルコキシシラン化合物
本発明の感光性組成物は、成分Gとして、アルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明の感光性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明の感光性組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。この場合、成分Aとは見なさない。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
市販品としては、信越化学工業(株)製、KBM−403やKBM−5103が例示される。
本発明の感光性組成物におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、感光性組成物の全固形分に対し、0.1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、2〜15質量%が更に好ましい。アルコキシシラン化合物は、1種類のみでもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分H:無機粒子
本発明の感光性組成物は、成分Hとして、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子を含有することにより、硬化膜の硬度がより優れたものとなる。
本発明で用いる無機粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜50nmが最も好ましい。平均粒径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、外径の最大径を粒子の粒子径とする。
また、硬化膜の硬度の観点から、無機粒子の空隙率は、10%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、空隙がないことが最も好ましい。粒子の空隙率は電子顕微鏡による断面画像の空隙部分と粒子全体との面積比の、200個の算術平均である。
無機粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムがより好ましく、酸化ケイ素又は酸化チタンが、粒子の安定性、入手しやすさ、硬化膜の硬度、透明性、屈折率調整等の観点から特に好ましい。
酸化ケイ素としては、シリカが好ましく挙げられ、シリカ粒子がより好ましく挙げられる。
シリカ粒子としては、二酸化ケイ素を含む無機酸化物の粒子であれば特に問題はなく、二酸化ケイ素又はその水和物を主成分(好ましくは80質量%以上)として含む粒子が好ましい。上記粒子は、少量成分(例えば、5質量%未満)としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。また、シリカ粒子は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。このような化合物の例として、コロイダルシリカが例示される。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、及びこれらの混合物のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明において、粒子は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。なお、本発明の感光性組成物において、コロイダルシリカがコロイド状態で存在していることを必須とするものではない。
無機粒子の含有量は、配合する場合、硬度の観点から、感光性組成物の全固形分に対し1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
無機粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分I:ブロックイソシアネート化合物
本発明の感光性組成物は、成分Iとして、ブロックイソシアネート化合物を含んでいてもよい。ブロックイソシアネート化合物としては、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。ブロックイソシアネート基の数の上限は特に定めるものではないが、6個以下が好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよい。例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
本発明の組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
本発明の組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60P、17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
本発明の感光性組成物は、ブロックイソシアネート化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明の感光性組成物は、ブロックイソシアネート化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
(その他の成分)
<エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物>
本発明の感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、及び、多官能メルカプト化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜の硬度により優れる。
〔エポキシ基を有する化合物〕
本発明の感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基を分子中に1個であってもよいが、2個以上が好ましい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。
また、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適に用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明の感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔オキセタニル基を有する化合物〕
本発明の感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含んでいてもよい。オキセタニル基を有する化合物は、オキセタニル基を分子中に1個のみ有していてもよいが、2個以上有することが好ましい。
オキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
本発明の感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明の感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の感光性組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記以外の他の化合物(例えば、アルコキシメチル基含有化合物等)を含んでいてもよい。アルコキシメチル基含有化合物としては、特開2011−221494号公報の段落0192〜0194に記載のものを挙げることができる。
<界面活性剤>
本発明の感光性組成物は、その他の成分として、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、下記式Wで表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフランを溶剤としてゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 2016071379
式W中、RW1及びRW3はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、RW2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、RW4は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、LWは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。
上記LWは、下記式W−2で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式
W−2におけるRW5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
式Wにおけるpとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
Figure 2016071379
本発明の感光性組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、感光性組成物の全固形分中100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の感光性組成物は、上記の成分の他に、酸化防止剤を含有してもよい。なお、酸化防止剤は、上述した成分D及び成分E以外の化合物である。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(以上、BASF社製)を挙げることができる。
酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが更に好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明の感光性組成物は、解像性及び皮膜特性向上などの観点から、バインダーポリマーを含有していてもよい。
バインダーポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。また、バインダーポリマーの重量平均分子量は、10,000を超えることが好ましい。バインダーポリマーは成分B以外の成分である。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有する重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシ基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシ基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシスチレン等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
本発明の感光性組成物中におけるバインダーポリマーの含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0〜25質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましく、0〜2質量%であることがより好ましい。
また、本発明の感光性組成物中における、重量平均分子量が10,000を超えるポリマー成分の含有量は、硬化膜の硬度の観点から、感光性組成物の全固形分量に対し、25質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に好ましく、ポリマー成分を全く含まないことが特に好ましい。
ポリマー成分の重量平均分子量に特に上限はないが、検出限界以下であり、例えば数百万以下であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の感光性組成物には、必要に応じて、上述した以外にも、可塑剤、熱酸発生剤、酸増殖剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性組成物に添加してもよい。
(硬化膜、硬化物及びその製造方法)
本発明の硬化物は、本発明の感光性組成物を硬化させた硬化物である。上記硬化物としては、硬化膜であることが好ましい。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、本発明の感光性組成物を硬化させ硬化膜を製造する方法であれば、特に制限はないが、以下の工程1〜工程5をこの順で含むことが好ましい。
工程1:本発明の感光性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された感光性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された感光性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された感光性組成物を熱処理する熱処理工程
また、本発明の硬化物の製造方法は、工程4と工程5の間に以下の工程4’を更に含むことがより好ましい。
工程4’:現像された感光性組成物に更に光を照射するポスト露光工程
上記塗布工程においては、本発明の感光性組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。感光性組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等で基板表面を処理することができる。この処理を行うことにより、感光性組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えばTFT(薄膜トランジスター)素子のような多層積層構造が形成されている。
また、オンセル構造のタッチパネルなどのような場合には、パネルとして一旦完成しているLCD(液晶ディスプレイ)セルやOLED(有機エレクトロルミネッセンス)セルの上に、本発明の感光性組成物を適用することもできる。
本発明の感光性組成物は、スパッタリングにより製膜された金属膜や金属酸化物に対する密着がよいため、基板としてはスパッタリングにより製膜された金属膜を含むことが好ましい。金属としては、チタン、銅、アルミニウム、インジウム、スズ、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、クロム、銀、ネオジウム、及びこれらの酸化物又は合金であることが好ましく、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅及びこれらの合金であることが更に好ましい。なお、金属や金属酸化物は1種単独で用いても、複数種を併用してもよい。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、インクジェット法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、印刷法等の方法を用いることができる。
溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。また、上記溶剤除去工程においては、感光性組成物中の溶剤を完全に除去する必要はなく、少なくとも一部が除去されていればよい。
なお、上記塗布工程と上記溶剤除去工程とは、この順に行っても、同時に行っても、交互に繰り返してもよい。例えば、上記塗布工程におけるインクジェット塗布が全て終了した後、上記溶剤除去工程を行ってもよいし、基板を加熱しておき、上記塗布工程におけるインクジェット塗布方式による感光性組成物の吐出を行いながら溶剤除去を行ってもよい。
上記露光工程は、活性光線を用いて光重合開始剤より重合開始種を発生させ、エチレン性不飽和基を有する化合物の重合を行い、溶剤が除去された感光性組成物の少なくとも一部を硬化する工程である。
上記露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を所定のパターン状に照射することが好ましい。
上記露光工程に用いることができる露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。露光量は好ましくは1〜500mJ/cm2である。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。
上記露光工程における露光は、酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下での露光や、酸素遮断膜を設けての露光が例示される。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された感光性組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
また、上記露光工程後に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。上記温度範囲であれば、基板、装置へのダメージを抑えて加熱することができる。
現像工程においては、未硬化の感光性組成物を、水性現像液を用いて現像除去し、ネガ画像を形成する。現像工程で使用する現像液は、アルカリ性の水性現像液であることが好ましい。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類:コリン等の(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩類;エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環式アミン類を使用することができる。
これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等のいずれでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
本発明の硬化膜の製造方法は、上記現像工程後、現像された感光性組成物を熱処理する熱処理工程(ポストベーク)を含むことが好ましい。本発明の感光性組成物を現像した後に熱処理を行うことにより、より強度に優れた硬化膜を得ることができる。
上記熱処理工程における熱処理温度としては、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。下限値としては、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。上記温度範囲であれば、基板、装置へのダメージを抑えて硬化することができる。
また、熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、100℃以上の温度で熱処理することが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンの形状を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
また、現像工程後、熱処理工程前に、膜硬度向上の観点から、現像された感光性組成物に更に光を照射するポスト露光工程を含むことが好ましい。
上記ポスト露光工程においては、現像された感光性組成物の全面に露光することが好ましい。ポスト露光後にポストベークすることにより、露光部分に残存する光重合開始剤から開始種を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することができる。また、ポスト露光工程においては、水銀灯やLEDランプなどで50〜3,000mJ/cm2程度のエネルギー露光することが好ましい。
(硬化膜)
本発明の硬化膜は、本発明の感光性組成物を硬化して得られた硬化膜である。
本発明の硬化膜は、層間絶縁膜(絶縁膜)やオーバーコート膜(保護膜)として好適に用いることができ、タッチパネル用オーバーコート膜としてより好適に用いられ、オンセル構造タッチパネル用オーバーコート膜として更に好適に用いられる。オンセル構造タッチパネルとは、後述するオンセル型のタッチパネル表示装置と同義である。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の感光性組成物により、低温で硬化しても充分な硬度のある硬化膜が得られる。例えば、硬度が4H以上である硬化膜が得られる。本発明の感光性組成物を硬化して形成される保護膜は、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
本発明の感光性組成物は、硬化性及び硬化膜特性に優れるため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用デバイスの構造部材として、本発明の感光性組成物を硬化した硬化物やレジストパターンを隔壁としたり、機械駆動部品の一部として組み込んで使用される。このようなMEMS用デバイスとしては、例えば表面弾性波(SAW)フィルタ、バルク弾性波(BAW)フィルタ、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531号公報、特開2008−250200号公報、特開2009−263544号公報等に例示されている。
本発明の感光性組成物は、平坦性や透明性に優れるため、例えば、特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)及び平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)及び平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)及び第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)及び第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)及び画素分離絶縁膜(14)などの形成に用いることもできる。この他、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、液晶表示装置のカラーフィルタやカラーフィルタ保護膜、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルタの結像光学系あるいは光ファイバコネクタのマイクロレンズにも好適に用いることができる。
(有機EL表示装置)
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の感光性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が有するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34からなる絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlからなる第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂とを用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の感光性組成物を用いて形成されるオーバーコート膜(保護膜)、平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物、いわゆる、IGZO)等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane−Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向方などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の感光性組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルタ上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば、白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のもの(タッチパネル表示装置)としたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
(タッチパネル及びタッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の感光性組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。
タッチパネル表示装置としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2012−43394号公報の図14、国際公開第2012/141148号の図2(b))、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
また、図3は、タッチパネル表示装置の一例の構成概念図を示す。
例えば、本発明の硬化膜は、図3における、各層の間の保護膜に適用することが好適であり、また、タッチパネルの検出電極間を隔てる層間絶縁膜に適用することも好適である。なお、タッチパネルの検出電極としては、銀、銅、アルミニウム、チタン、モリブデン、これらの合金であることが好ましい。
図3において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図3の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図3の下側から順に、配向膜121、カラーフィルタ122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、接着層126、偏光板127をそれぞれ有している。また、図3中、125は、センサ用検出電極である。本発明の硬化膜は、画素基板部分の絶縁層(114)(層間絶縁膜ともいう。)や各種保護膜(図示せず)、画素基板部分の各種保護膜(図示せず)、対向基板部分の各種保護膜(図示せず)、センサ部分の各種保護膜(図示せず)等に使用できる。
更に、スタティック駆動方式の液晶表示装置でも、本発明を適用することで意匠性の高いパターンを表示させることも可能である。例として、特開2001−125086号公報に記載されているようなポリマーネットワーク型液晶の絶縁膜として本発明を適用することができる。
また、図4は、タッチパネル表示装置の他の一例の構成概念図である。
薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルタ330が具備されたカラーフィルタ表示板に相当する上部表示板300、及び下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
下部表示板200は、第1絶縁基板210、第1絶縁基板210の上に配置する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタ(TFT)の上面に形成された絶縁膜280、及び絶縁膜280の上に配置する画素電極290を含む。薄膜トランジスタ(TFT)は、ゲート電極220、ゲート電極220を覆うゲート絶縁膜240、半導体層250、オーミックコンタクト層260、262、ソース電極270、及び、ドレイン電極272を含むことができる。絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
上部表示板300は、第2絶縁基板310の一面の上に配置して、マトリックス状に配列された遮光部材320、第2絶縁基板310の上に配置する配向膜350、配向膜の上に配置するカラーフィルタ330、及びカラーフィルタ330の上に配置し、下部表示板200の画素電極290と対応して、液晶層400に電圧を印加する共通電極370を含む。
図4に示すタッチパネル表示装置において、第2絶縁基板310の他の一面にはセンシング電極410、絶縁膜420、駆動電極430、及び、絶縁膜280を配置する。このように、図4に示す液晶表示装置の製造においては、上部表示板300を形成する時に、タッチスクリーンの構成要素であるセンシング電極410、絶縁膜420、及び、駆動電極430などを共に形成することができる。特に、本発明の感光性組成物を硬化した硬化膜は、絶縁膜280や絶縁膜420に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
(成分A)
A−1:KAYARAD DPHA(DPHA、日本化薬(株)製)、5及び6官能
A−2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(A−TMMT、新中村化学工業(株)製)、4官能
A−3:トリメチロールプロパントリアクリレート(M309、東亞合成(株)製)、3官能
A’−1:1,9−ノナンジオールジアクリレート(A−NOD−N、新中村化学工業(株)製)、2官能
(成分B)
B−1:下記構造の化合物、5官能
B−2:下記構造の化合物、3官能
B−3:下記構造の化合物、7官能
B−4:下記合成例1にて得られた化合物
Figure 2016071379
<合成例1>
三つ口フラスコにPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)(89g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にMAA(メタクリル酸、全単量体成分中の20mol%となる量)、MMA(メタクリル酸メチル、全単量体成分中の80mol%となる量)、V−601(全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)をPGMEA(89g)に室温で溶解させた溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間撹拌し、反応を終了させた。それにより重合体B−4を得た。なお、溶剤以外の成分(固形分と称する。)の濃度が40質量%になるよう調整した。
(成分C)
C−1:下記化合物C−1、オキシムエステル化合物
C−2:IRGACURE OXE01(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
C−3:IRGACURE OXE02(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
Figure 2016071379
Figure 2016071379
(化合物1(C−1)の合成)
<化合物Aの合成>
エチルカルバゾール(100.0g、0.512mol)をクロロベンゼン260mlに溶解し、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(70.3g、0.527mol)を加えた。続いてo−トルオイルクロリド(81.5g、0.527mol)を40分かけて滴下し、室温(25℃、以下同様)に昇温して3時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(75.1g、0.563mol)を加えた。4−クロロブチリルクロリド(79.4g、0.563mol)を40分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。35質量%塩酸水溶液156mlと蒸留水392mlとの混合溶液を0℃に冷却し、反応溶液を滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水とメタノールとで洗浄し、アセトニトリルで再結晶後、下記構造の化合物A(収量164.4g、収率77%)を得た。
Figure 2016071379
<化合物Bの合成>
上記で得られた化合物A(20.0g、47.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)64mlに溶解し、4−クロロベンゼンチオール(7.27g、50.2mmol)とヨウ化ナトリウム(0.7g、4.79mmol)とを加えた。続いて反応液に水酸化ナトリウム(2.0g、50.2mmol)を加え、2時間還流した。次に、0℃に冷却後、SM−28(11.1g、57.4mmol、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液、和光純薬工業(株)製)を20分かけて滴下し、室温に昇温して2時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、亜硝酸イソペンチル(6.73g、57.4mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。反応液をアセトン120mlに希釈し、0℃に冷却した0.1N塩酸水溶液に滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水で洗浄した。続いてアセトニトリルで再結晶し、下記構造の化合物B(収量17.0g、収率64%)を得た。
Figure 2016071379
<化合物C−1の合成>
化合物B(18.0g、32.4mmol)を90mlのN−メチルピロリドン(NMP)に溶解し、トリエチルアミン(Et3N、3.94g、38.9mmol)を加えた。次に、0℃に冷却後、アセチルクロライド(AcCl、3.05g、38.9mmol)を20分かけて滴下後、室温に昇温して2時間撹拌した。反応液を0℃に冷却した蒸留水150mlに滴下し、析出した固体を吸引濾過後、0℃に冷却したイソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥後、化合物C−1(収量19.5g、収率99%)を得た。
Figure 2016071379
また、得られた化合物1の構造はNMRにて同定した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=8.86(s,1H),8.60(s,1H),8.31(d,1H,J=8.0Hz),8.81(d,1H,J=8.0Hz),7.51−7.24(m,10H),7.36(q,2H,7.4Hz),3.24−3.13(m,4H),2.36(s,3H),2.21(s,3H),1.50(t,3H,7.4Hz)。
(成分D)
D−1:フェノチアジン(東京化成工業(株)製)
D−2:フェノキサジン(東京化成工業(株)製)
(成分E)
E−1〜E−20:下記構造の化合物(実施例)
E’−1〜E’−8:下記構造の化合物(比較例)
なお、E’−6及びE’−7は、重合性単量体(成分A)に該当する化合物であり、また、E’−8は、光重合開始剤(成分C)に該当する化合物である。
Figure 2016071379
Figure 2016071379
上記のE−1〜E−20、及び、E’−1〜E’−8の分子量、沸点、及び、共役酸の水中におけるpKa(25℃)を以下に示す。
なお、pKaは以下の方法により測定した。具体的には、水中でのpKaが公知の参照有機物質(化学便覧 第6版を参照。)を用いて半−中和位置(HNP)検量線のプロットを作成した。次いで、HNP検量線を決定するためにpKaが未知の化合物を滴定し、検量線プロットから相当するpKaを推測して得た。pKa未知の化合物の水への溶解性が乏しい場合は、非水系溶剤(1:1=アセトニトリル:クロロホルム及び0.1N過塩素酸/ジオキサン滴定系)に滴下し、pKaに対する非水系のHNP検量線を作成した。
上記測定方法にて測定できない化合物については、ACD/pKa DB(Advanced Chemistry Development Inc.製)にて計算した値を用いた。
Figure 2016071379
(成分F)
F−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)
F−2:メチルエチルジグリコール((株)ダイセル製)
(成分G)
G−1:KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
G−2:KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
(成分H)
H−1:PMA−ST(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径10〜15nm
H−2:MIBK−ST−L(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径40〜50nm
(界面活性剤)
W−1:メガファックF554((株)DIC製)、フッ素系界面活性剤)
(実施例1〜40、及び、比較例1、3〜13)
下記表2及び表3に記載のように各成分を配合及び撹拌して有機溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタで濾過して、本発明の感光性組成物を得た。下記表の成分名の下の数値は、各成分の含有量を表し、成分の単位は質量部である。また、溶剤以外は、固形分換算の質量部を示す。
(比較例2)
<合成例1>
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部とジエチレングリコールメチルエチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸グリシジル40質量部、スチレン18質量部、メタクリル酸20質量部及びN−シクロヘキシルマレイミド22質量部を仕込み窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体X−1を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.1質量%であった。得られた重合体の数平均分子量は、7,000であった。また、分子量分布(Mw/Mn)は2であった。
<感光性組成物の調製>
上記合成例1で得られた共重合体X−1を含む溶液(共重合体X−1 100質量部(固形分)に相当する量)に、コハク酸モノ[3−(3−アクリロイロキシ−2,2−ビス−アクリロイロキシメチル−プロポキシ)−2,2−ビス−アクリロイロキシメチル−プロピル]エステル200質量部と、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)10質量部と、ノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 商品名:エピコート152)30質量部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30質量部と、界面活性剤としてFTX−218((株)ネオス製)0.2質量部とを加え、更に固形分濃度が22質量%になるように溶剤ジエチレングリコールメチルエチルエーテルを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して樹脂組成物を調製した。
Figure 2016071379
Figure 2016071379
(硬化膜の作製及び評価)
得られた感光性組成物を用いて、以下の評価を行った。
<パターニング性の評価>
ガラス基板(100mm×100mm、EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))に、各感光性樹脂組成物をスピンコート塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚2.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
次に、得られた感光性樹脂組成物層を、高圧水銀灯を用いて、ラインアンドスペース1:1の50μmラインがあるマスクを介して300mJ/cm2の露光(照度は24mW/cm2)をした。そして、露光後の感光性樹脂組成物層を、アルカリ現像液(2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。
得られたパターンについて、スペース部の残膜とラインパターン/スペースパターンの線幅を測定し、パターニング性を評価した。評価基準は以下のとおりであり、4以上が好ましい。
5:スペース部に残膜は見られず、ラインパターン/スペースパターンの線幅比が±10%以内である
4:スペース部に残膜は見られず、ラインパターン/スペースパターンの線幅比が±10%を超え、±20%以内である
3:スペース部に残膜は見られず、ラインパターン/スペースパターンの線幅比が±20%を超え、±30%以内である
2:スペース部に残膜は見られないが、ラインパターン/スペースパターンの線幅比が±30%を超える
1:スペース部に残膜が見られる、あるいはラインパターンが残らない
<鉛筆硬度の評価>
上記で調製された各硬化性組成物を、ガラス基板上(100mm×100mm、EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により300mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。
得られた硬化膜に対して、JIS K5600に準拠した方法(荷重750g)で鉛筆硬度試験を行い、膜強度を評価した。4H以上が好ましい。
<タッチ検出能の安定性(高温高湿下検出能)の評価>
各実施例及び比較例の組成物を保護膜として用いて液晶表示装置を作製した。具体的には、図4に示す表示装置において、タッチ検出電極保護膜(420)を、本発明の各実施例組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃、120秒のプリベークを行い、高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより形成した。表示装置のその他の部分は特開2013−168125の図19として記載された製造方法に従って作製した。85℃、85%条件下、500時間点灯させた後、画面内各所をタッチし、タッチ検出能を評価した。3以上が好ましい。
5:画面内いずれの場所でも感度・精度よく検出できる
4:画面端部でのみ、ごくまれに検出できないことがある
3:画面端部及び端部以外の部分で、ごくまれに検出できないことがある
2:画面端部で、検出できないことが時々ある
1:画面端部及び端部以外の部分で、検出できないことが時々ある
<組成物の経時安定性評価>
調製直後の感光性樹脂組成物の粘度(初期粘度)と、30℃で2週間保管後の感光性樹脂組成物の粘度(経時粘度)とを、E型粘度計(東機産業(株)製)にて測定した。
評価基準は以下の通りであり、4以上が好ましい。
1:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として20%以上変化する
2:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として15%以上20%未満変化する
3:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として10%以上15%未満変化する
4:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として5%以上10%未満変化する
5:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として5%未満しか変化しない
Figure 2016071379
Figure 2016071379
上記表4及び表5から明らかなとおり、本発明の感光性組成物は、低温で硬化させた場合でも、パターニング性に優れ、硬度に優れた硬化膜が得られた。また、本発明の感光性組成物を用いて作製されたタッチパネル表示装置は、タッチパネル検出能の安定性に優れていた。更に、本発明の感光性組成物は、経時安定性に優れるものであった。
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルタ、110:画素基板、111:偏光板、112:透明基板、113:共通電極、114:絶縁層、115:画素電極、116:配向膜、120:対向基板、121:配向膜、122:カラーフィルタ、123:透明基板、124:位相差フィルム、125:センサ用検出電極、126:接着層、127:偏光板、130:センサ部、140:液晶層、200:下部表示板、210:第1絶縁基板、220:ゲート電極、240:ゲート絶縁膜、250:半導体層、260,262:オーミックコンタクト層、270:ソース電極、272:ドレイン電極、280:絶縁膜、282:コンタクトホール、290:画素電極、300:上部表示板、310:第2絶縁基板、320:遮光部材、330:カラーフィルタ、350:配向膜、370:共通電極、400:液晶層、410:センシング電極、420:絶縁膜、430:駆動電極、440:TFT

Claims (19)

  1. 成分Aとして、重合性単量体、
    成分Bとして、アルカリ現像性基を有する化合物、
    成分Cとして、光重合開始剤、
    成分Dとして、重合禁止剤、
    成分Eとして、分子内に第三級アミノ基、及び、芳香族含窒素複素環基よりなる群から選択される基を1つ有するアミン化合物、並びに、
    成分Fとして、溶剤を含有し、
    成分Aが、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含有し、
    成分Eの含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、10質量%以下であることを特徴とする
    感光性組成物。
  2. 成分Eの含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、0.5〜10質量%である、請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 成分Bが有するアルカリ現像性基がカルボキシル基である、請求項1又は2に記載の感光性組成物。
  4. 成分Bが、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基と、1つ以上のカルボキシル基とを有する重合性単量体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 成分Gとして、アルコキシシラン化合物を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  6. 成分Hとして、無機粒子を更に含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  7. 成分Eが、モルホリン誘導体、ピペリジン又はその誘導体、ピペリドン誘導体、ベンジルアミン誘導体、及び、イミダゾール又はその誘導体よりなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  8. 成分Dがフェノチアジン、フェノキサジン、及び、これらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  9. 分子量が10,000を超えるポリマー成分の含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、25質量%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  10. 分子量が10,000を超えるポリマー成分の含有量が、感光性組成物の全固形分量に対し、10質量%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  11. 少なくとも工程1〜工程5をこの順で含む硬化膜の製造方法。
    工程1:請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性組成物を基板上に塗布する塗布工程
    工程2:塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
    工程3:溶剤が除去された感光性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
    工程4:露光された感光性組成物を水性現像液により現像する現像工程
    工程5:現像された感光性組成物を熱処理する熱処理工程
  12. 工程5における熱処理温度が、80℃〜180℃である、請求項11に記載の硬化膜の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性組成物を硬化してなる硬化膜。
  14. 層間絶縁膜又はオーバーコート膜である、請求項13に記載の硬化膜。
  15. タッチパネル用オーバーコート膜である、請求項13又は14に記載の硬化膜。
  16. 請求項13又は14に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
  17. 請求項13又は14に記載の硬化膜を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  18. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル。
  19. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
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