JP2016070231A - 空気圧縮機 - Google Patents

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政広 三浦
Masahiro Miura
政広 三浦
横田 伴義
Tomoyoshi Yokota
伴義 横田
康輔 圷
Yasusuke Akutsu
康輔 圷
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Abstract

【課題】ピストンのシリンダへの組込みに要する時間や手間を増大させることなく、ピストンとシリンダとの接触に起因する打音を低減させる。【解決手段】レシプロ型のエアコンプレッサ1であって、シリンダ51a,51bと、シリンダ51a,51b内で往復動するピストン52a,52bと、ピストン52a,52bの外周面に装着され、ピストン52a,52bと一体に往復動するライダーリング70a,70bと、を有し、ライダーリング70a,70bには、その厚み方向に圧縮加工が施されている。【選択図】図2

Description

本発明は、空気圧縮機に関するものであり、特に、レシプロ型の空気圧縮機に関するものである。
レシプロ型の空気圧縮機は、動力源と、動力源から出力される駆動力によって往復駆動されるピストンと、ピストンを往復動可能に収容し、ピストンの往復動に伴って容積が変化するシリンダと、を含む。動力源には、回転駆動力を出力する電動モータが用いられることがあり、この場合、電動モータから出力される回転駆動力は、変換機構によって往復駆動力に変換されてピストンに伝達される。
シリンダ内のピストンが上死点から下死点に移動すると、シリンダの容積が拡大してシリンダ内が負圧になり、シリンダ内に空気が導入される。シリンダ内に導入された空気は、シリンダ内を下死点から上死点に移動するピストンによって圧縮され、圧力が高められる。圧縮された空気(高圧空気)は、所定の配管を介して空気タンクに送られ、該空気タンクに貯留される。
上記のようなピストンおよびシリンダを2組以上備える多段式の空気圧縮機もある。かかる空気圧縮機では、一方のシリンダ内で圧縮された空気が配管を介して他方のシリンダに送られてさらに圧縮される(特許文献1)。すなわち、空気が段階的に圧縮される。
特開2013−40586号公報
空気圧縮機の運転中には様々な音が発生するが、その1つにピストンとシリンダとの接触によって発生する音(打音)がある。具体的には、シリンダ内を昇降するピストンが左右或いは前後に傾き、ピストン外周面とシリンダ内周面とが接触し、打音が発生する。特に、ピストンが上死点から下死点へ向けて降下を開始する際に打音が発生することが多い。そして、空気圧縮機の運転中に発生する上記打音を含む様々な音は騒音として認識される。
そこで、上記打音を低減すべく、ピストンに“ライダーリング”と呼ばれる摺動部材が装着されることがある。ライダーリングは、ピストン外周面とシリンダ内周面との間に介在し、これらの間の隙間を小さくする(狭くする)。すなわち、ライダーリングは、ピストン外周面とシリンダ内周面との間の隙間に起因するピストンの傾きを抑制し、打音を低減させる。したがって、ピストンに装着されたライダーリングの外周面とシリンダの内周面との間の隙間はなるべく小さい(狭い)ことが望ましい。換言すれば、ライダーリングを含むピストンの外径とシリンダの内径とが略同一であることが望ましい。ここで、“ライダーリングを含むピストンの外径”とは、ピストンに装着されたライダーリングの外径と同義である。
しかし、ライダーリングを含むピストンの外径とシリンダの内径との差が小さいと、シリンダへのピストンの組込みが困難になる。具体的には、ピストンがシリンダに組込まれる際には、ピストンにライダーリングが予め装着されている。すなわち、ライダーリングが装着された状態のピストンをシリンダに挿入する必要がある。したがって、ライダーリングを含むピストンの外径とシリンダの内径との差が小さければ小さいほど、ピストンとシリンダとを高精度で位置合わせしなければならず、シリンダへのピストンの組込みに要する時間や手間が増大する。
本発明の目的は、シリンダへのピストンの組込みに要する時間や手間を増大させることなく、ピストンとシリンダとの接触に起因する打音を低減させることである。
本発明の空気圧縮機は、レシプロ型の空気圧縮機である。この空気圧縮機は、シリンダと、前記シリンダ内で往復動するピストンと、前記ピストンの外周面に装着され、前記ピストンと一体に往復動するライダーリングと、を有し、前記ライダーリングには、その厚み方向に圧縮加工が施されている。
本発明の一態様では、前記圧縮加工は圧延加工である。
本発明の他の態様では、前記ライダーリングの前記厚み方向における熱膨張率は、長さ方向および幅方向における熱膨張率の1.5倍以上2.0倍以下である。
本発明の他の態様では、前記ライダーリングがフッ素樹脂によって形成される。
本発明の他の態様では、前記シリンダの内周面と対向する前記ライダーリングの外周面に複数の溝が形成される。
本発明の他の態様では、それぞれの前記溝は、前記ピストンおよび前記ライダーリングの往復動方向に沿って延在している。
本発明によれば、ピストンのシリンダへの組込みに要する時間や手間を増大させることなく、ピストンとシリンダとの接触に起因する打音を低減させることができる。
エアコンプレッサの斜視図である。 エアコンプレッサの断面図である。 エアコンプレッサの部分拡大断面図である。 第1ピストンの拡大斜視図である。 ライダーリングの一例を示す拡大斜視図である。 図5に示されるライダーリングの製造工程の一部を示す模式図である。 ライダーリングの他の一例を示す拡大斜視図である。 図7に示されるライダーリングの製造工程の一部を示す模式図である。
以下、本発明の空気圧縮機の実施形態の一例について説明する。本実施形態に係る空気圧縮機は、モータを動力源とする圧縮空気生成部を備えるレシプロ型のエアコンプレッサである。本実施形態に係るエアコンプレッサの用途は特に限定されないが、圧縮空気の圧力によって釘やネジを木材などに打ち込む空気工具に圧縮空気を供給する供給源としての利用に適している。以下、本実施形態に係るエアコンプレッサについて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示されるように、エアコンプレッサ1は、フレーム等の骨格部と、該骨格部に連結された互いに平行な2つの空気タンク10a,10bと、を含む基台11を有する。それぞれの空気タンク10a,10bの両端部下面には、脚部12が取り付けられており、エアコンプレッサ1は、4つの脚部12によって所望の設置場所に置かれる。また、エアコンプレッサ1の上部にはハンドル13が設けられており、作業者は、ハンドル13を把持してエアコンプレッサ1を持ち運ぶことができる。
基台11には、図2に示されるモータ20と、モータ20を動力源とする圧縮空気生成部30と、が搭載されている。通常、モータ20および圧縮空気生成部30は、図1に示されるカバー14によって覆われている。再び図2を参照すると、圧縮空気生成部30は、クランクケース40と、2つのシリンダ(第1シリンダ51a,第2シリンダ51b)と、を含む。
モータ20は、固定子(ステータコイル)21と、固定子21の内側に組み込まれた回転子(ロータ)22と、回転子に固定された回転軸(モータ回転軸)23と、回転子22の回転位置を検出するホール素子などを有するDCブラシレスモータであって、クランクケース40の外に配置されている。もっとも、モータ20は、クランクケース40の側面に固定されており、クランクケース40と一体化されている。尚、本実施形態におけるモータ20はインナーロータ型の電動モータであるが、他の形式のモータ、例えば、アウターロータ型の電動モータに置き換えることもできる。
モータ回転軸23の一端側は、回転子22から突出し、クランクケース40を貫通している。クランクケース40を貫通しているモータ回転軸23の一端側は、クランクケース40に設けられている軸受によって回転自在に支持されている。
モータ20を挟んでクランクケース40と反対側にはファン24が配置されている。すなわち、モータ20は、クランクケース40とファン24との間に配置されている。このファン24は、回転子22から突出しているモータ回転軸23の他端側に固定されており、モータ回転軸23と一体に回転して冷却風を生成する。ファン24によって生成される冷却風によって、モータ20,圧縮空気生成部30,制御基板,圧縮空気の流路を形成している配管などが冷却される。
クランクケース40の両側には第1シリンダ51aおよび第2シリンダ51bが取り付けられている。第1シリンダ51aと第2シリンダ51bとは、モータ回転軸23の回転方向に関して180度異なる位置に配置されており、第1シリンダ51aには第1ピストン52aが往復動可能に収容され、第2シリンダ51bには第2ピストン52bが往復動可能に収容されている。
モータ回転軸23の回転運動を第1ピストン52aの往復運動に変換するために、第1ピストン52aには、第1コネクティングロッド53aの一端がピン結合されており、第1コネクティングロッド53aの他端は、モータ回転軸23に装着されている偏心カムに回転自在に結合されている。すなわち、第1コネクティングロッド53aは、クランクケース40と第1シリンダ51aとに跨り、モータ回転軸23と第1ピストン52aとを連結している。また、モータ回転軸23の回転運動を第2ピストン52bの往復運動に変換するために、第2ピストン52bには、第2コネクティングロッド53bの一端がピン結合されており、第2コネクティングロッド53bの他端は、モータ回転軸23に装着されている他の偏心カムに回転自在に結合されている。すなわち、第2コネクティングロッド53bは、クランクケース40と第2シリンダ51bとに跨り、モータ回転軸23と第2ピストン52bとを連結している。そこで、以下の説明では、モータ回転軸23を“クランクシャフト23”と呼ぶ場合がある。モータ20から出力される回転駆動力は、クランクシャフト23,偏心カムおよびコネクティングロッド(第1コネクティングロッド53a,第2コネクティングロッド53b)からなる変換機構によって往復駆動力に変換されてピストン(第1ピストン52a,第2ピストン52b)に伝達される。
ここで、それぞれの偏心カムは、ピストン52a,52bの駆動方向に関して互いに逆向きに偏心している。したがって、第1ピストン52aが第1シリンダ51aの上室を圧縮する方向に駆動されるとき、第2ピストン52bは第2シリンダ51bの上室を膨張させる方向に駆動される。一方、第2ピストン52bが第2シリンダ51bの上室を圧縮する方向に駆動されるとき、第1ピストン52aは第1シリンダ51aの上室を膨張させる方向に駆動される。尚、シリンダ51a,51bの上室とは、それぞれのシリンダ51a,51b内におけるピストン52a,52bよりも上方の空間である。
それぞれのシリンダ51a,51bに設けられているシリンダヘッド54a,54bの内側には、バッファ室が設けられており、各シリンダ51a,51bの上室と各バッファ室との間にはそれぞれ逆止弁が設けられている。第1ピストン52aが第1シリンダ51aの上室を圧縮する方向に駆動され、上室内の空気の圧力が所定圧力よりも高くなると、第1シリンダ51aの上室とバッファ室との間にある逆止弁が開かれる。すると、第1ピストン52aによって圧縮された空気は、第1シリンダ51aと第2シリンダ51bとを連通させている第1配管を介して第2シリンダ51bの上室に送られる。
第2ピストン52bが第2シリンダ51bの上室を圧縮する方向に駆動され、上室内の空気の圧力が所定圧力よりも高くなると、第2シリンダ51bの上室とバッファ室との間にある逆止弁が開かれる。すると、第2ピストン52bによって圧縮された空気は、第2シリンダ51bと空気タンク10aとを連通させている第2配管を介して空気タンク10aに送られ、貯留される。尚、空気タンク10a,10bは、第3配管を介して互いに連通している。よって、空気タンク10a,10b内の圧力は均一に保たれる。尚、本実施形態における第1配管,第2配管および第3配管は、いずれも金属製のパイプである。
ここで、図2に示される第1シリンダ51aの上室には外気が導入される。すなわち、第1ピストン52aは外気を圧縮し、第2ピストン52bは、第1ピストン52aによって圧縮された外気(空気)をさらに圧縮する。換言すれば、第1ピストン52aは1段目の低圧用のピストンであり、第2ピストン52bは2段目の高圧用のピストンである。また、第1シリンダ51aは1段目の低圧用のシリンダであり、第2シリンダ51bは2段目の高圧用のシリンダである。このように、本実施形態に係るエアコンプレッサ1は、空気を2段階で圧縮する。具体的には、第1ピストン52aによって1.0[MPa]前後の圧縮空気を生成し、第2ピストン52bによって4.0〜4.5[MPa]程度の圧縮空気を生成する。
図1に示されるように、空気タンク10aの端部上方には、圧縮空気の取り出し口であるカプラ15a,15bが設けられている。さらに、空気タンク10a,10bとカプラ15a,15bとの間には、圧縮空気の圧力を調節する減圧弁16a,16bがそれぞれ設けられている。減圧弁16a,16bによって調節された圧縮空気の圧力は、それぞれの減圧弁16a,16bの近傍に設置されている圧力計17a,17bによって計測され、表示される。
また、図2に示されるように、空気タンク10aには、空気タンク10a,10b内の圧力が所定圧力よりも高くなると自動的に開く安全弁18が設けられている。空気タンク10a,10bの一方にドレン装置が設けられることもある。この場合、ドレン装置が操作されると、空気タンク10a,10b内の圧縮空気と共に、空気タンク内部に溜まった水分が排出される。図1に示されるように、カバー14の上面には操作パネル19が設けられており、この操作パネル19に設けられている不図示の入力部を介して、モータ20(図2)の起動指令や回転数が入力される。
次に、図2に示されている第1ピストン52aおよび第2ピストン52bについてより詳細に説明する。もっとも、第1ピストン52aおよび第2ピストン52bは、互いに寸法は異なるが、基本構造は同一である。そこで、第1ピストン52aについて詳細に説明し、第2ピストン52bの詳細については必要に応じて適宜言及する。
図3に示されるように、第1ピストン52aには、第1ピストン52aと一体に往復動するピストンリング60およびライダーリング70aが装着されている。ピストンリング60はライダーリング70aよりもピストン上面に近い位置に、ライダーリング70aはピストンリング60よりもピストン下面に近い位置に、それぞれ装着されている。
ピストンリング60およびライダーリング70aは、第1ピストン52aの外周面と第1シリンダ51aの内周面との間に介在する摺動部材である点で共通する。一方、ピストンリング60は主に気密性を保持する機能(シール機能)を果たし、ライダーリング70aは主に第1ピストン52aを支持、すなわち第1ピストン52aの位置を保持する機能(サポート機能)を果たす点で相違する。
図4に示されるように、第1ピストン52aの外周面には、その全周に亘って第1環状溝55および第2環状溝56が形成されており、ピストンリング60は第1環状溝55に、ライダーリング70aは第2環状溝56に、それぞれ装着されている。より具体的には、ピストンリング60は環状であって、第1環状溝55に嵌められている。一方、ライダーリング70aは帯状であって、第2環状溝56に巻き付けられている。尚、第1環状溝55の底面とピストンリング60の内周面との間には不図示の板ばねが介在しており、ピストンリング60は径方向外側へ向けて常時付勢されている。この結果、ピストンリング60の外周面が図3に示される第1シリンダ51aの内周面に押し付けられ、上室の気密性が保持される。
図3,図4に示されるライダーリング70aは、好適な材料の一例としてのフッ素樹脂、より具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE(polytetrafluoroethylene)によって形成されている。また、図5に示されるライダーリング70aの長さ(L)は185mm、幅(W)は22.7mm、厚み(T)は1.44mmである。もっとも、上記寸法は、使用前(未使用)のライダーリング70aの寸法であり、使用後(既使用)のライダーリング70aの寸法については後述する。
尚、図2に示されている第2ピストン52bに装着されているライダーリング70bも上記第1ピストン52aと同様の目的で配置されており、好適にはフッ素樹脂によって形成されている。また、ライダーリング70aとライダーリング70bとは、寸法は異なるが帯状である点で形状は共通している。具体的には、第2ピストン52bに装着されているライダーリング70bの使用前の長さは117mm、幅は23.0mm、厚みは1.44mmである。また、第2ピストン52bにも、図3,図4に示されるピストンリング60と同様のピストンリングが装着されている。
図5に示されるように、ライダーリング70aの長手方向一端(先端)には平面視において三角形の凸部71が形成されており、長手方向他端(後端)には平面視において三角形の凹部72が形成されている。図4に示されるように、ライダーリング70aが第1ピストン52a(第2環状溝56)に巻き付けられる際には、凸部71が凹部72の内側に配置され、凸部71と凹部72とが実質的に面一になる。
第1ピストン52aに装着されたライダーリング70aの外径(D2)は、第1ピストン52aの外径(D1)よりも僅かに大きい。また、第1ピストン52aに装着されたピストンリング60の外径(D3)は、ライダーリング70aの外径(D2)よりも僅かに大きい(D1<D2<D3)。
上記形状および寸法を有するライダーリング70aには、その厚み方向に圧縮加工(本実施形態では圧延加工)が施されている。ライダーリング70aは、例えば、次のようにして製造される。図6に示されるように、ライダーリング70aの母材70Aを一対のローラ100a,100bの間に通して圧延(圧縮)する。その後、圧延された母材70Aを図5に示される形状および寸法に切断し、または打ち抜く。尚、ライダーリング70aの長さ(L)及び/又は幅(W)は、切断または打ち抜きによって決定されるが、厚み(T)は圧延によって決定される。換言すれば、図6に示される圧縮工程(圧延工程)では、ライダーリング70aの母材70Aの厚みが1.44mmに圧縮される。
上記のように、未使用のライダーリング70aの厚み(T)は、圧縮加工(圧延加工)によって1.44mmにされている。すなわち、第1ピストン52aが第1シリンダ51aに組込まれる際、この第1ピストン52aに装着されているライダーリング70aは未使用であり、その厚み(T)は1.44mmである。よって、ライダーリング70aを含む第1ピストン52aの外径は、第1ピストン52aの外径(D1)+2.88mmである。
一方、ライダーリング70aは、第1シリンダ51aに組込まれた第1ピストン52aと一体に往復動する。したがって、主に第1シリンダ内周面との摩擦によってライダーリング70aの温度が上昇する。すなわち、エアコンプレッサ1が運転されるとライダーリング70aの温度が上昇する。本実施形態のエアコンプレッサ1の場合、該エアコンプレッサ1が運転されると、ライダーリング70aの温度は150℃前後になる。すると、ライダーリング70aが熱膨張し、長さ(L),幅(W)および厚み(T)が増大する。すなわち、既使用のライダーリング70aの長さ(L),幅(W)および厚み(T)は、未使用のライダーリング70aのそれらよりも大きくなる。尚、熱膨張によるライダーリング70aの変形は塑性変形であり、増大した寸法が元に戻ることはない。
ここで、本実施形態におけるライダーリング70aは、その厚み方向に圧縮加工(圧延加工)が施されているので、長さ方向および幅方向における熱膨張率よりも、厚み方向における熱膨張率の方が大きい。具体的には、ライダーリング70aの温度が150℃前後に上昇した際の厚み方向における熱膨張率は、長さ方向および幅方向における熱膨張率の1.5倍以上2.0倍以下が望ましい。なお、ライダーリング70aの材料には、熱膨張率が1よりも大きな値となる任意の材料を採用可能であるが、熱膨張率が前記範囲よりも小さい材料の場合は、熱膨張による隙間低減の効果が小さくなり、また、熱膨張率が前記範囲よりも大きな材料の場合は、熱膨張量のばらつきに起因する隙間量のばらつきの問題が生じる。
以下の説明では、未使用のライダーリング70aを含む第1ピストン52aの外径と第1シリンダ51aの内径との差を“直径差(Δ1)”とする。すなわち、熱膨張する前のライダーリング70aを含む第1ピストン52aの外径と第1シリンダ51aの内径との差を“直径差(Δ1)”とする。
一方、既使用のライダーリング70aを含む第1ピストン52aの外径と第1シリンダ51aの内径との差を“直径差(Δ2)”とする。すなわち、熱膨張した後のライダーリング70aを含む第1ピストン52aの外径と第1シリンダ51aの内径との差を“直径差(Δ2)”とする。
ライダーリング70aの厚み(T)は熱膨張によって増大するので、直径差(Δ2)は直径差(Δ1)よりも小さい(Δ1>Δ2)。換言すれば、第1ピストン52aに装着されているライダーリング70aの外周面と第1シリンダ51aの内周面との間の隙間は、ライダーリング70aの使用前後(熱膨張の前後)で異なる。具体的には、ライダーリング70aの温度が150℃前後になると、ライダーリング70aの厚み(T)は0.01〜0.03mm増大する。したがって、ライダーリング70aが熱膨張した後の上記隙間は、ライダーリング70aが熱膨張する前に比べて0.01〜0.03mm小さくなる(狭くなる)。換言すれば、ライダーリング70aが熱膨張する前の上記隙間は、ライダーリング70aが熱膨張した後に比べて0.01〜0.03mm大きい(広い)。
すなわち、第1ピストン52aに装着されているライダーリング70aの外周面と第1シリンダ51aの内周面との間の隙間は、未使用の状態、すなわち、製造や部品交換において、第1ピストン52aが第1シリンダ51aに組込まれる際には大きく(広く)、その後、エアコンプレッサ1が運転され、ライダーリング70aが熱膨張すると小さくなる(狭くなる)。したがって、第1シリンダ51aへの第1ピストン52aの組込みに要する時間や手間が増大することはなく、かつ、第1シリンダ51a内における第1ピストン52aの傾きに起因する打音が低減される。
図2に示されている第2ピストン52bに装着されているライダーリング70bも、ライダーリング70aと同様に熱膨張する。よって、第2シリンダ51bへの第2ピストン52bの組込みに要する時間や手間が増大することはなく、かつ、第2シリンダ51b内における第2ピストン52bの傾きに起因する上記打音が低減される。
総じて、シリンダ51a,51bへのピストン52a,52bの組込みに要する時間や手間を増大させることなく、エアコンプレッサ運転時の騒音を低減させることができる。また、ライダーリング70a,70bに圧縮加工を施すことにより、これらライダーリング70a,70bの厚み寸法における公差が少なくなり、品質が向上する。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図7に示されるように、第1シリンダ内周面と対向するライダーリング70aの外周面に複数の溝73を形成してもよい。かかる溝73を形成することにより、ライダーリング外周面と第1シリンダ内周面との接触面積が減少し、摺動抵抗が低減される。
図7に示されるライダーリング70aは、図5に示されるライダーリング70aと同一の製造工程を経て製造される。但し、図7に示されるライダーリング70aの製造工程の1つである圧縮工程(圧延工程)では、図8に示されるローラ100c,100dが用いられる。図8に示されるローラ100dは、図6に示されるローラ100bと同一である。一方、図8に示されるローラ100cの外周面には、溝73を形成するための凹凸が設けられている。
図7に示されている溝73は、ライダーリング70aの往復動方向に沿って延在している。換言すれば、溝73は、ライダーリング70aの幅方向に沿って延在している。しかし、溝73の延在方向,数、ピッチなどは適宜変更することができる。また、ライダーリング70aの両面に溝73を設けてもよい。尚、ライダーリング70b(図2)にも溝73と同様の溝を形成可能であることは自明である。
ライダーリング70a,70bの材料はフッ素樹脂に限定されるものでなく、熱膨張する材料であれば、公知または新規の材料から適宜選択することができる。
さらに上記実施形態に係るエアコンプレッサは、2組のシリンダおよびピストンを備えた多段式の空気圧縮機であったが、シリンダおよびピストンは1組でも3組以上でもよい。
1 エアコンプレッサ
10a,10b 空気タンク
11 基台
12 脚部
13 ハンドル
14 カバー
15a,15b カプラ
16a,16b 減圧弁
17a,17b 圧力計
18 安全弁
19 操作パネル
20 モータ
21 固定子
22 回転子
23 モータ回転軸(クランクシャフト)
24 ファン
30 圧縮空気生成部
40 クランクケース
51a 第1シリンダ
51b 第2シリンダ
52a 第1ピストン
52b 第2ピストン
53a 第1コネクティングロッド
53b 第2コネクティングロッド
54a,54b シリンダヘッド
55 第1環状溝
56 第2環状溝
60 ピストンリング
70A 母材
70a,70b ライダーリング
71 凸部
72 凹部
73 溝
100a,100b,100c,100d ローラ

Claims (6)

  1. レシプロ型の空気圧縮機であって、
    シリンダと、
    前記シリンダ内で往復動するピストンと、
    前記ピストンの外周面に装着され、前記ピストンと一体に往復動するライダーリングと、を有し、
    前記ライダーリングには、その厚み方向に圧縮加工が施されている、
    空気圧縮機。
  2. 前記圧縮加工が圧延加工である、請求項1に記載の空気圧縮機。
  3. 前記ライダーリングの前記厚み方向における熱膨張率が長さ方向および幅方向における熱膨張率の1.5倍以上2.0倍以下である、請求項1又は2に記載の空気圧縮機。
  4. 前記ライダーリングがフッ素樹脂によって形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の空気圧縮機。
  5. 前記シリンダの内周面と対向する前記ライダーリングの外周面に複数の溝が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の空気圧縮機。
  6. それぞれの前記溝は、前記ピストンおよび前記ライダーリングの往復動方向に沿って延在している、請求項5に記載の空気圧縮機。
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